JPH0711686B2 - 発光性色素によつて分光増感されたハロゲン化銀感光材料 - Google Patents

発光性色素によつて分光増感されたハロゲン化銀感光材料

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JPH0711686B2
JPH0711686B2 JP62028350A JP2835087A JPH0711686B2 JP H0711686 B2 JPH0711686 B2 JP H0711686B2 JP 62028350 A JP62028350 A JP 62028350A JP 2835087 A JP2835087 A JP 2835087A JP H0711686 B2 JPH0711686 B2 JP H0711686B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明はハロゲン化銀感光材料の色素分光増感の新規な
技術に関するものである。詳しくは、発光性の強い色素
を、吸着性色素で分光増感された感光性ハロゲン化銀乳
剤の分散媒体中に高濃度に含有せしめることにより、分
光感度が該発光性色素の光吸収波長域で著しく改善され
たハロゲン化銀感光材料に関するものである。本発明は
ハロゲン化銀感光材料全般に関する分光増感の基本技術
であり、利用分野はネガ系、ポジ系、反転系を問わず黒
白及びカラー感光材料を含む全てのハロゲン化銀感光材
料に及ぶ。
(従来の技術) ハロゲン化銀の分光増感には一般に吸着性の分光増感色
素が用いられ、ハロゲン化銀表面に吸着させた色素から
の光励起電子の注入によってハロゲン化銀の分光増感が
達成される。このような分光増感色素としては、吸着性
が賦与されかつ適当な酸化還元の電位をもったメチン系
の色素類、たとえばシアニン、メロシアニン、複合シア
ニン、複合メロシアニンが広く用いられている。しか
し、これらの吸着性色素による分光増感では、ハロゲン
化銀表面への増感色素の吸着量が限られるがゆえに達成
される分光増感の度合にも限界があり、かつ飽和吸着ま
たはそれに近い吸着を行わせるとしばしば著しい減感
(色素減感)を引き起こすことが知られている。そこ
で、ハロゲン化銀表面への吸着を必要とせずに、非吸着
状態の色素分子から吸着した増感色素分子へのエネルギ
ー移動を利用して非吸着色素分子による分光増感を行わ
せようとする方法が、例えば特開昭51−117619号、特願
昭61−83678号、特願昭61−284271号、特願昭61−28427
2号によって開示されている。これらの方法では、ハロ
ゲン化銀粒子を予め吸着性分光増感色素によって最適感
度に分光増感した後、さらにエネルギー移動型の色素を
バインダー中に高濃度に添加してエネルギー移動型色素
による集光効果を利用することにより分光感度の増加
(以下集光増感と称す)が達成されている。
この集光増感においては、エネルギー移動型色素(集光
色素と称す)の乳剤バインダー中の濃度が十分に高い系
で顕著な集光増感効果が得られるとともに、特願昭61−
284272号の中の実施例で比較されるように、エネルギー
のアクセプターである吸着増感色素についても、平板状
粒子のように比表面積が大きく従って乳剤粒子当りの吸
着増感色素量の多い粒子を用いる方がより大きな集光増
感が達成される。すなわち、集光増感にとっては分光増
感色素の粒子当りの吸着量が多い乳剤系ほど効果が向上
する。
(本発明が解決しようとする問題点) しかしながら、従来の集光増感においては、ハロゲン化
銀上のエネルギーアクセプターである吸着性分光増感色
素は通常の方法によって感光性ハロゲン化銀を調製した
後の最終段階において乳剤中に添加する方法で分光増感
を行っているため、ハロゲン化銀表面への色素吸着が弱
いことが原因して、集光増感にとって障害となる諸々の
問題を生じていた。その1つは、吸着が弱いがために分
光増感色素の一部が非吸着状態でバインダー中に遊離す
るとこれがバインダー中の集光色素の消光剤としてはた
らき吸着色素へのエネルギー伝達を阻害するために集光
増感効果を減じてしまうことである。第2には、このよ
うな分光増感色素の脱離が通常ハロゲン化銀表面の飽和
色素被覆量の50%程度を越える添加量において起こりや
すいことから、エネルギーアクセプターである吸着性分
光増感色素の有効な添加量も制限されてしまうことであ
り、このことは粒子当りの吸着増感色素量を減らす結果
集光増感効果を抑制することになる。
本発明者らは以下に示す方法により、エネルギーアクセ
プターである分光増感色素の吸着を強め分光増感を強化
したハロゲン化銀に集光増感を施すことにより、より有
効にハロゲン化銀乳剤を集光分光増感することができる
ことを見出した。
(発明の目的) 本発明の目的は、第一に吸着性分光増感色素による分光
増感が強化されたハロゲン化銀に非吸着型発光性色素に
よる集光増感を施すことにより、ハロゲン化銀の分光感
度が大きく向上したハロゲン化銀感光材料を提供するこ
とであり、第二に吸着性分光増感色素による分光増感が
改善されたことにより、色素吸着量が大きく且つ固有減
感の少ない高感度のハロゲン化銀を用いたハロゲン化銀
感光材料を提供することであり、第三に集光増感に用い
る発光性色素が処理によって速やかに除去され残色を与
えない高感度のハロゲン化銀感光材料を提供することで
ある。
(発明の構成) 本発明の以上の目的は、ハロゲン化銀乳剤層を少くとも
1層有するハロゲン化銀感光材料において、(1)該乳
剤層を構成するハロゲン化銀粒子がその粒子形成終了后
から化学熟成終了までの間に少なくとも一種のハロゲン
化銀に対して吸着性の分光増感色素を添加することによ
り分光増感され、且つ(2)該乳剤層のハロゲン化銀粒
子を除く親水性分散媒中に、室温で乾燥ゼラチン中の濃
度が10-4mol/dm-3のときの発光量子収率が0.1以上であ
り、且つハロゲン化銀に対して実質的に非吸着性で現像
処理によって実質的に除去され、且つ下記1)〜3)の
条件を同時に満足する少くとも一種の発光性色素を該分
散媒中の濃度として2.0mmol/dm-3以上含有するハロゲン
化銀感光材料によって達成できた。
1)アニオン性親水基を4個以上含有する。
2)臭化銀結晶の{111}面の外表面に対して40℃、pH
6.5±0.05、5重量%のゼラチン水溶液中で溶液相平衡
濃度10-4mol/lのとき、その吸着量が5×10-7mol/m2
下である。
3)ハロゲン化銀粒子上に吸着している吸着性の分光増
感色素の吸収帯と少なくとも一部重なる発光帯を有す
る。
ここで、ハロゲン化銀粒子の粒子形成終了后から化学熟
成終了までの間とは、可溶性銀塩溶液と可溶性ハロゲン
化学溶液との混合、オストワルド熟成(物理熟成)、お
よび脱塩工程終了后から化学熟成終了までの間を意味す
る。すなわち、脱塩工程終了后でかつ化学熟成前、およ
び化学熟成中である。したがって、本発明においては、
粒子形成終了后から化学熟成終了までに吸着性分光増感
色素が添加され、粒子形成終了以前には吸着性分光増感
色素は添加されていない。
本発明は、ハロゲン化銀乳剤層の親水性の分散媒中に高
濃度に含有させた発光性色素のはたらきによってはじめ
て上記の目的を達成するものであり、発光性色素が感光
性乳剤層への入射光を十分に吸収し、その吸収エネルギ
ーが無駄なく感光性ハロゲン化銀粒子に伝達するいわば
集光効果を利用することによって効率の良い集光分光増
感を達成するものである。この点において本発明で用い
る発光性色素(以下集光色素とも称する)はイラジエー
ション防止やハレーション防止のための染料とは本質的
に異なる。集光を行うための光エネルギーの伝達を担う
主たるプロセスはFrster型の分子間エネルギー伝達
(Th.Frster著,Disc.Faraday Soc.,第27巻、7頁、19
59年)であり、発光性色素分子間の相互のエネルギー伝
達とそれに続く発光性色素分子からハロゲン化銀上の吸
着分光増感色素分子へのエネルギー伝達を介して集光が
達成される。
本発明に用いる集光色素の発光の量子収率は、乾燥した
ゼラチンの媒体中室温で10-4mol/dm-3の濃度において0.
1以上であることが必要であるが、0.3以上であれば好ま
しく、0.5以上であればさらに好ましい。
集光色素の乾膜中の発光量子収率は、溶液の発光量子収
率の測定と基本的には同じ方法で測定でき、通常、量子
収率が既知の標準試料(例えば、ローダミンB、硫酸キ
ニーネ、9,10−ジフェニルアントラセンなど)を参照と
して、一定の光学的配置のもとで入射光強度、試料の光
吸収率、試料の発光強度を比較する相対測定を通じて求
めることができる。この相対測定法については、例え
ば、C.A.Parker and W.T.Rees,Analyst,85巻、p587(19
60年)に述べられている。
本発明で定義する乾燥ゼラチン中の集光色素の発光量子
収率はしたがって、任意濃度の標準発光色素を分散した
量子収率が既知のゼラチン乾膜(シート状の試料)を参
照として上記相対測定を行うことにより簡便に求めるこ
とができる。本発明者らは標準試料の乾膜中の発光量子
収率を以下の方法で求めた。
(標準試料の発光量子収率の測定方法) 標準色素として吸収帯と発光帯の重なりによる再吸収の
寄与のない蛍光性のN−フェニル−1−ナフチルアミン
−8−スルホン酸を選択し、これを含むゼラチンを透明
支持体に均一に塗布乾燥して、乾膜中の色素濃度が10-2
mol/dm-3、塗布ゼラチン量6kg/m2の標準試料を作成し
た。しかるのち白色粉体(BaSO4)を内壁にコーティン
グした積分球の内部に試料をセットし380nmの単色励起
光を試料に照射して、励起光と蛍光の強度を積分球の窓
に取付けた光電子増倍管で検出した。このとき、試料の
光吸収率Aを光電子増倍管に蛍光カット用フィルターを
装着して、試料をセットした場合としない場合の励起光
の強度を比較して測定した。一方、試料からの蛍光成分
については代わりに励起光カット用フィルターを装着し
て蛍光積分強度F′を測定した。そして、この蛍光積分
強度F′と、同一測定系において試料およびフィルター
なしで測定した入射単色光強度I′を励起光カットフィ
ルターの分光透過率、積分球の実効分光反射率、光電子
増倍管の分光感度等に基づいて、各々真の相対フォトン
数FおよびIの形に変換した後、F/(I/A)より発光量
子収率を算出した。
このようにして得られた発光量子収率が既知の標準試料
に基づいた発光量子収率の相対測定から、本発明で用い
られる集光色素のゼラチン乾膜中の発光量子収率を測定
した。
本発明で集光機能を賦与する発光性色素は、その吸収と
発光のピーク波長差、いわゆるストークスシフトが十分
に小さく、色素分子間の発光帯と吸収帯の重なりの大き
いことがエネルギー伝達にとって好ましい。集光効率を
上げる目的で好ましいストークスシフトは、室温でゼラ
チン乾膜中10-4mol/dm3の濃度において、40nm以内であ
り、さらに好ましいストークスシフトは20nm以内であ
る。このようにストークスシフトが小さく且つ発光量子
収率が高いという点ではある種のシアニン色素が集光色
素としてすぐれている。
また、発光性色素は感光性ハロゲン化銀粒子上に吸着し
ている増感色素へエネルギーを効率よく伝達するため
に、発光性色素の発光帯が吸着増感色素の吸収帯と少く
とも一部重なっていることが必要である。
本発明に用いる発光性色素(集光色素)は乳剤層中にお
いてハロゲン化銀粒子に一部吸着していてもよいが、本
発明の集光増感の目的を達成するには、実際上は比較的
多量の発光性色素が乳剤層中のゼラチン等の親水性分散
媒中に均一に存在することが必要なので、発光性色素は
高い水溶性を有するとともに、ハロゲン化銀粒子に対し
実質的に非吸着性であればよい。ここでいう実質的に非
吸着性とは、臭化銀結晶の{111}面の外表面に対して4
0℃、pH6.5±0.05、5重量%のゼラチン水溶液中で溶液
相平衡濃度10-4mol/lのとき、その吸着量が5×10-7mol
/m2以下であると定義される。色素の吸着量は、例え
ば、5重量%のゼラチンを含む乳剤に色素を添加し、40
℃で安全灯下において18時間攪拌した後、遠心分離によ
ってハロゲン化銀粒子を沈降分離して上澄みの色素濃度
を測定する方法で求めることができる。
また発光性色素の水溶性に関しては、具体的には水に対
して25℃、pH7.0のもとで、10-2mol/l以上の溶解度をも
っていることが好ましい。このような高い水溶性は例え
ば1分子中に4箇以上の水溶性基を含有することによっ
てほぼ実現できる。水溶性基としては特にスルホン酸基
とカルボン酸基が好ましく、このようなアニオン性親水
基を4箇以上含有することによって高い水溶性が賦与さ
れると同時に、ハロゲン化銀に対して実質的に非吸着性
の色素となり、乳剤層の親水性コロイド中に高濃度に溶
化分散できるとともに通常の現像処理工程又は迅速現像
処理工程で速やかにかつ完全に除去することが可能とな
る。このように水溶性が高く且つ実質上非吸着性である
集光色素は必ずしも上記の構造の分子に限定されるもの
ではないが、色素の種類としては、水溶性基の導入が合
成上容易で且つ発光効率がすぐれる点でシアニン系の色
素が特に好ましい。
本発明の集光色素の種類としては、既述のように発光量
子収率とストークスシフトの点でシアニン色素の系列が
好ましい。シアニン系色素については、例えばD.F.O′B
rienらがPhoto.Sci.Eng.,18巻、76ページ(1974年)に
おいて色素の溶液中やその他のマトリックス中での蛍光
収率を報告しており、オキサカルボシアニン誘導体でゼ
ラチン中0.75の値が得られている。ちなみに、発光量子
収率の高い色素の種類としては色素レーザー用に使用さ
れる色素の骨格構造をもつものが代表例としてあげられ
る。これらは例えば、前田三男、レーザー研究、第8
巻、694頁、803頁、958頁(1980年)および第9巻、85
頁(1981年)、およびF.P.Schaefer編、「Dye Laser
s」、Springer、(1973年)の中に整理されている。こ
れらの多くの本来水溶性に乏しいが分子構造中にスルホ
ン酸基あるいはカルボン酸基等を複数個導入することに
よって水溶性の拡散型色素とすることができ、本発明の
ための好ましい集光増感色素として使用することが可能
である。
以下に本発明で用いる集光色素の種類を代表例としてあ
げるが、これらに限定されるものではない。
I 水溶性シアニン、水溶性メロシアニン系色素 II キサンテン系色素 III アクリジン系色素 IV オキサジン系色素 V チアジン系色素 VI リボフラビン系色素 VII トリアリールメタン系色素 VIII アミノナフタレン系色素 IX ピレン系色素 X クマリン系色素 XI ポルフィリン系色素 XII フタロシアニン系色素 これらのうち、特に好ましいのはIの色素群とIIの色素
群であり、Iの色素群中最も好ましいのは非吸着型の水
溶性シアニンの系列である、また、IIの色素群の中では
特にローダミンの水溶性誘導体(ローダミンB、スルホ
ローダミンBなど)が発光量子収率が高い点で好まし
い。
次に本発明に用いる発光性色素の好ましい具体例を示す
が、骨格構造や置換基等はこれらに限定されることはな
い。
以上の集光色素A−1からA−76はいずれも蛍光性の高
い色素であり請求の範囲に記載する条件下で測定した発
光の量子収率はいずれも0.1以上で、特にA−1からA
−11、A−47からA−54の色素群はいずれも0.7以上と
高かった。
本発明に用いる上記のシアニン色素は、公知の方法、例
えば、F.M.Hamer著“The Cyanine Dyesand Related Com
pounds"Interscience,NewYork(1964)に記載の諸方法
にもとづいて含成することができる。下記に代表的な合
成例を示す。
化合物A−1の合成 4(6−カルボキシ−2−メチルベンゾオキサゾリオ−
3)−ブタンスルホナート6.3g、オルトギ酸エチル12
g、ピリジン18ml、酢酸7mlを、攪拌機を備えた100mlの
フラスコに秤取し、これを予め140℃に加熱しておいた
油溶中で1.5時間加熱攪拌した。この後、放冷し、析出
した結晶を濾取した。この結晶を、まずアセトンで、次
いでメタノールで洗浄し、この後トリエチルアミンを加
えたメタノールで溶解させた。濾過により不溶解物を除
去した後、ヨウ化ナトリウムのメタノール溶液を加え、
析出した結晶を濾取し、これを更にメタノールにて加熱
洗浄した。得られた結晶を、減圧乾燥することにより、
目的物を得た。
収量4.11g(収率58.5%)、融点300℃以上 化合物A−47の合成 4−(2,3,3−トリメチル−5−スルホ−3H−インドリ
オ−3)−ブタンスルホナート69g、オルトギ酸エチル5
5ml、酢酸69ml、ピリジン150mlを攪拌機を備えた1の
フラスコに秤取し、これを予め140℃に加熱しておいた
油溶中で1時間加熱攪拌した。室温に放冷した後、これ
にアセトン400mlを加え、上澄をデカンテーションによ
って除き、残渣を500mlのメタノールに溶解させた。こ
の溶液に酢酸カリウムのメタノール溶液を加えて10分間
加熱還流した。析出した結晶を濾取し、イソプロパノー
ルで洗浄した。これを水およびイソプロパノールを用い
て再沈を繰返し、得られた結晶を減圧乾燥することによ
り、目的物を得た。
収量41.2g(収率52.3%)、融点300℃以上 本発明のハロゲン化銀感光材料の好ましい使用形態につ
いては、感光性ハロゲン化銀は微粒子状の分散物であ
り、表面に分光増感色素の吸着層を有し、該分光増感色
素によって分光増感されている。さらに増感色素の吸着
層の外側には集光色素分子が均一に分散されたゼラチン
等の親水性コロイドの媒体が存在し、上記感光性ハロゲ
ン化銀と一体となって感光性要素を構成している。ここ
で、親水性コロイドの媒体中に分散された集光色素は、
その発色団の大部分が感光性ハロゲン化銀に直接吸着し
ない状態で存在している。
本発明において集光色素の添加時期はハロゲン化銀粒子
形成前、粒子形成中、粒子形成後の化学熟成前、化学熟
成中、化学熟成後等のいづれでもよい。集光色素は好ま
しくは吸着性の分光増感色素を含むハロゲン化銀乳剤中
に直接添加される。
本発明の感光材料において、集光色素の添加量は、乳剤
中のハロゲン化銀粒子表面を除く親水性分散媒中で濃度
として、2.0mmol/dm3以上であり、好ましくは10mmol/dm
3以上であり、更に好ましくは20mmol/dm3以上である。
ここで「ハロゲン化銀粒子表面を除く」とはハロゲン化
銀粒子に吸着された例えば増感色素を除く意味である。
また、添加濃度は高すぎると増感効率が飽和ないしは下
降する場合があり、その意味で10-1mol/dm-3以下である
ことが好ましい。また乳剤層中のハロゲン化銀粒子の全
表面積当りの添加量は3.0μmol/m2以上であり、好まし
くは3.5μmol/m2以上であり、更に好ましくは4.0μmol/
m2以上である。
本発明において用いる集光色素は、複数を混合して用い
ることもできるが、これらの色素の発光波長帯の少くと
も一部がハロゲン化銀上に吸着する少なくとも1種の増
感色素の光学吸収帯と重っていることを条件とする。実
質的には集光色素のうち最も長波長に最大発光を与える
分子種の最大発光波長は、吸着増感色素のうちエネルギ
ーを伝達されるものの最大吸収波長の近傍に位置するこ
とが好ましく、特に最大吸収波長から短波長側へ60nm以
内、さらに好ましくは30nm以内に位置することが望まし
い。また、集光色素自身が媒体中で与える吸収率と発光
帯の重なりが大きいことがFrster型のエネルギー移
動にとって好ましく、最大吸収波長と最大発光波長との
差、いわゆるストークスシフトは媒体中で40nm以内であ
ることが好ましく、特に20nm以内であることが望まし
い。
本発明に用いる集光色素は適当な界面活性剤やその他有
機添加剤を溶化剤や会合防止剤として添加し、併用する
ことができる。
本発明において、親水性コロイド層に含有される集光色
素は適当なカチオン性ポリマーなどによって媒染されて
もよい。例えば、英国特許685,475号、米国特許2,675,3
16号、同2,839,401号、同2,882,156号、同3,048,487
号、同3,184,309号、同3,445,231号、西独特許出願(OL
S)1,914,362号、特開昭50−47624号、同50−71,332号
等に記載されているポリマーを用いることができる。
本発明に用いる集光色素は現像処理あるいは水洗によっ
て速やかに感材外へ除去されるかあるいは処理中に分解
漂白されることが必要であるが、中でも好ましいのは除
去された後、アルカリ処理液中で加水分解等によって脱
色されるタイプのものである。
本発明に用いる集光色素はその還元電位が水/エタノー
ル(体積比1:1)の溶液中で飽和カロメル参照電極に対
し−1.0Vより卑であることが好ましい。色素の還元電位
の測定法は谷忠昭ら、電気化学、第34巻、149頁(1966
年)に記載される方法に順ずる。
本発明の感光材料の乳剤層や中間層に用いることのでき
る親水性分散媒体としては、ゼラチンを用いることが有
利であるが、それ以外の親水性コロイドも用いることが
できる。例えばゼラチン誘導体、ゼラチンと他の高分子
とのグラフトポリマー、アルブミン、カゼイン等の蛋白
質;ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセ
ルロース、セルロース硫酸エステル類等の如きセルロー
ス誘導体、アルギン酸ソーダ、澱粉誘導体などの糖誘導
体;ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコール部分
アセタール、ポリ−N−ビニルピロリドン、ポリアクリ
ル酸、ポリメタクリル酸、ポリアクリルアミド、ポリビ
ニルイミダゾール、ポリビニルピラゾール等の単一ある
いは共重合体の如き種々の合成親水性高分子物質を用い
ることができる。
ゼラチンとしては汎用の石灰処理ゼラチンのほか、酸処
理ゼラチンや日本科学写真協会誌(Bull.Soc.Sci.Phot.
Japan),No.16,30頁(1966)に記載されたような酵素処
理ゼラチンを用いても良く、また、ゼラチンの加水分解
物を用いることもできる。
本発明において用いられる感光性ハロゲン化銀の組成は
臭化銀、沃臭化銀、塩化銀、塩臭化銀、塩沃臭化銀等の
通常のハロゲン化銀乳剤に用いられる任意のものが含ま
れる。感光性ハロゲン化銀粒子の形状は球状、板状、8
面体、立方体、14面体、不定形など様々なものでよい
が、中でも色素吸着面積が大きく高い分光増感を達成で
きる平板状粒子は特に好ましい。平板状粒子の中でも好
ましいのは長さ/厚みの比(アスペクト比)が5以上と
くに8以上の平板粒子が粒子の全投影面積の50%以上を
占めるものである。例えばリサーチ・ディスクロージャ
ー(RD)22534(1983年)及び特開58−127921、同59−9
9433、米国特許4,585,729に示される平板状粒子が好ま
しく用いられる。
また、上記の形状の粒子においてハロゲン化銀の組成は
均一であっても、不均一であってもよい、不均一のもの
としては例えば、特開昭58−113926号、同−113927、同
59−99433に記載されるような中心部と表面で組成の異
なる二重構造型粒子も好ましく用いられる。
乳剤層中で用いられるハロゲン化銀粒子の平均サイズは
特に問わないが、球相当径で3μm以下が好ましく、特
に1.8μm以下が好ましい。粒子サイズ分布はせまくて
も広くてもいずれでもよい。
ハロゲン化銀粒子は内部と表面とが異なる相をもってい
ても、均一な相から成っていてもよい。また潜像が主と
して表面に形成されるような粒子でもよく、粒子内部に
主として形成されるような粒子であってもよい。
ハロゲン化銀粒子形成または物理熟成の過程において、
カドミウム塩、亜鉛塩、鉛塩、タリウム塩、イリジウム
塩またはその錯塩、ロジウム塩またはその錯塩、鉄塩ま
たは鉄錯塩などを共存させてもよい。
本発明におけるハロゲン化銀乳剤の化学増感は例えばH.
Frieser編“Die Grundlagen der Photgraphischen Proz
essemit Silber-halogeniden"(Akademische Verlagagesellschaft,1968)675〜734頁に記載の方法を
用いることができる。すなわち、活性ゼラチンや銀と反
応しうる硫黄を含む化合物(例えば、チオ硫酸塩、チオ
尿素類、メルカプト化合物類、ローダニン類)を用いる
硫黄増感法、還元性物質(例えば、第一すず塩、アミン
類、ヒドラジン誘導体、ホルムアミジンスルフィン酸、
シラン化合物)を用いる還元増感法;貴金属化合物(例
えば、金錯塩のほかPt、Ir、Pdなどの周期律表VIII族の
金属の錯塩)を用いる貴金属増感法などを単独または組
み合わせて用いることができる。本発明において特に好
ましい増感方法は、硫黄増感および硫黄増感と金増感の
併用であり、硫黄増感剤としとはチオ硫酸塩、チオ尿素
類、チオエーテル類などが、金増感剤としては塩化金酸
とチオシアン酸塩等の金リガント化合物の混合物などが
好ましく用いられる。化学増感は好ましくはpAgが5か
ら10、pHが5から8、温度が40℃から80℃の範囲で行わ
れ、金と硫黄を併用するときは硫黄に対する金のモル比
を0.01から10の間で選択することが好ましい。化学増感
の好ましい例はリサーチ・ディスクロージャー(RD)−
12008(1974年4月)、RD−13452(1975年6月)、RD−
17643(1978年12月)などに記載される方法も含まれ
る。
本発明で用いられる感光性ハロゲン化銀は吸着性の分光
増感色素によって分光増感されている。ここで吸着性と
はハロゲン化銀表面に対する吸着量が、好ましくは40
℃、pH6.5±0.05、5重量%のゼラチン水溶液中で溶液
平衡濃度10-4mol/lのとき、5×10-7mol/m2より大きい
ことを意味する。吸着量は溶液平衡濃度が10-5mol/lの
ときに5×10-7mol/m2より大きければさらに好ましい。
このとき吸着色素のハロゲン化銀に対する表面被覆率は
単分子飽和吸着量の少くとも20%以上であることが好ま
しく、さらに40%以上であることが望ましい。分光増感
色素は増感色素として用いられる場合は、通常の表面潜
像型のネガ感材および内部に潜像を形成する直接ポジ感
材などである。この他、例えば電子受容型色素として用
いて露光下で、表面カブリ核の破壊によってポジ像を得
るタイプのポジ感材もあげられる。また、感材の用途に
応じて最適状態に分光増感する目的で、吸着性色素と共
に同じく吸着性の強色増感剤や各種の添加剤(カブリ防
止剤等)を併用してもよい。
分光増感に用いられる吸着性色素には、シアニン色素、
メロシアニン色素、複合シアニン色素、複合メロシアニ
ン色素、ホロポーラーシアニン色素、ヘミシアニン色
素、スチリル系色素、ヘミオキソノール系色素、キサン
テン系色素、トリアリールメタン系色素、フェノチアジ
ン系色素、アクリジン系色素、金属キレート化合物など
が含まれる。特に有用な色素は、シアニン色素、メロシ
アニン色素、および複合メロシアニン色素に属する色素
である。これらの色素類には、塩基性異節環核としてシ
アニン色素類に通常利用される核のいずれをも適用でき
る。すなわち、ピロリン核、オキサゾリン核、チアゾリ
ン核、ピロール核、オキサゾール核、チアゾール核、セ
レナゾール核、イミダゾール核、テトラゾール核、ピリ
ジン核など;これらの核に脂環式炭化水素環が融合した
核;及びこれらの核に芳香族炭化水素環が融合した核、
即ち、インドレニン核、ベンズインドレニン核、インド
ール核、ベンズオキサゾール核、ナフトオキサゾール
核、ベンゾチアゾール核、ナフトチアゾール核、ベンゾ
セレナゾール核、ベンズイミダゾール核、キノリン核な
どが適用できる。これらの核は炭素原子上に置換されて
いてもよい。
メロシアニン色素または複合メロシアニン色素にはケト
メチレン構造を有する核としてピラゾリン−5−オン
核、チオヒダントイン核、2−チオオキサゾリジン−2,
4−ジオン核、チアゾリジン−2,4−ジオン核、ローダニ
ン核、チオバビツール酸核などの5〜6員異節環核を適
用することができる。有用な増感色素としては例えば、
ドイツ特許929,080号、米国特許2,231,658号、同2,493,
748号、同2,503,776号、同2,519,001号、同2,912,329
号、同3,656,959号、同3,672,897号、同3,694,217号、
同4,025,349号、同4,046,572号、英国特許1,242,588
号、特公昭44−14030号、同52−24844号に記載された各
種の色素を挙げることが出来る。
これらの増感色素は単独で用いてもよいが、それらの組
合せを用いてもよく、増感色素の組合せは特に、強色増
感の目的でしばしば用いられる。その代表例は米国特許
2,688,545号、同2,977,229号、同3,397,060号、同3,52
2,052号、同3,527,641号、同3,617,293号、同3,628,964
号、同3,666,480号、同3,672,898号、同3,679,428号、
同3,703,377号、同3,769,301号、同3,814,609号、同3,8
37,862号、同4,026,707号、英国特許1,344,281号、同1,
507,803号、特公昭43−4936号、同53−12375号、特開昭
52−110618号、同52−109925号に記載されている。
増感色素とともに、それ自身分光増感作用をもたない色
素あるいは可視光を実質的に吸収しない物質であって、
強色増感を示す物質を乳剤中に含んでもよい。例えば、
含窒素異節環基で置換されたアミノスチルベン化合物
(たとえば米国特許第2,933,390号、同3,635,721号に記
載のもの)、芳香族有機酸ホルムアルデヒド縮合物(た
とえば米国特許3,743,510号に記載のもの)、カドミウ
ム塩、アザインデン化合物などを含んでもよい。米国特
許3,615,613号、同3,615,641号、同3,617,295号、同3,6
35,721号に記載の組合せは特に有用である。
本発明において乳剤中に添加される少なくとも一種の吸
着性分光増感色素はその全量あるいは少なくとも一部が
ハロゲン化銀の化学熟成の過程で乳剤中に添加されなけ
ればならない。そして、一部が化学熟成過程中で添加さ
れた場合、残りの分光増感色素は化学熟成終了後に添加
される。ここで化学熟成とは乳剤を前述のような化学増
感剤の存在下である時間処理し、乳剤粒子表面に化学的
変化を生ぜしめることを意味する。化学熟成時に分光増
感色素を添加させる方法は、熟成開始以前に乳剤中に添
加してもよいし、熟成の途中に添加してもよい。また、
増感色素を1度に添加しても分割し何回に分けて添加す
ることもできるし、ある期間連続的に添加することもで
きる。
増感色素は適当な溶媒中に溶解して添加してもよいし、
または固体粉末の状態あるいは粉末を溶液中に分散させ
た懸濁液の状態で添加してもよい。増感色素とともに後
述のカブリ防止剤、界面活性剤など各種の添加剤を添加
することもできる。化学熟成時に乳剤に含有させる分光
増感色素の量は、好ましくはハロゲン化銀1mol当たり0.
01〜10mmolであり、さらに好ましくは0.1〜1mmolであ
る。また、この結果得られるハロゲン化銀上の表面被覆
率が単分子層飽和吸着量の少なくとも20%以上であるこ
とが好ましく、さらに40%以上であることが望ましい。
本発明において、化学熟成時に上記の分光増感色素を添
加したハロゲン化銀粒子は、感光性ハロゲン化銀乳剤中
に単独で用いてもよいしまた分光増感色素の存在しない
条件下で化学熟成された通常の感光性ハロゲン化銀粒子
と混合して用いてもよい。
本発明に用いられるハロゲン化銀写真乳剤には、感光材
料の製造工程、保存中あるいは写真処理中のカブリを防
止し、あるいは写真性能を安定化させるなどの目的で、
種々の化合物を分光増感色素とともに含有させることが
できる。すなわちアゾール類、例えばベンゾチアゾリウ
ム塩、ニトロイミダゾール類、ニトロベンズイミダゾー
ル類、クロロベンズイミダゾール類、ブロモベンズイミ
ダゾール類、メルカプトチアゾール類、メルカプトベン
ゾチアゾール類、メルカプトベンズイミダゾール類、メ
ルカプトチアジアゾール類、アミノトリアゾール類、ベ
ンゾトリアゾール類、ニトロベンゾトリアゾール類、メ
ルカプトテトラゾール類(特に1−フェニル−5−メル
カプトテトラゾール)など;メルカプトピリミジン類;
メルカプトトリアジン類;例えばオキサドリンチオンの
ようなチオケト化合物;アザインデン類、例えばトリア
ザインデン類、テトラアザインデン類(特に4−ヒドロ
キシ置換(1,3,3a,7)テトラアザインデン類)、ペンタ
アザインデン類など;ベンゼンチオスルフォン酸、ベン
ゼンスルフィン酸、ベンゼンスルフォン酸アミド等のよ
うなカブリ防止剤または安定剤として知られた、多くの
化合物を加えることができる。
本発明に用いる写真乳剤には感度上昇、コントラスト上
昇、または現像促進の目的で、例えばポリアルキレンオ
キシドまたはそのエーテル、エステル、アミンなどの誘
導体、チオエーテル化合物、チオモルフォリン類、四級
アンモニウム塩化合物、ウレタン誘導体、尿素誘導体、
イミダゾール誘導体、3−ピラゾリドン類等を含んでも
よい。
本発明をカラー感光材料に適用する場合には種々のカラ
ーカプラーを使用することができる。ここでカラーカプ
ラーとは、芳香族第一級アミン現像薬の酸化体とカップ
リング反応して色素を生成しうる化合物をいう。有用な
カラーカプラーの典型例には、ナフトールもしくはフェ
ノール系化合物、ピラゾロンもしくはピラゾロアゾール
系化合物および開鎖もしくは複素環のケトメチレン化合
物がある。本発明で使用しうるこれらのシアン、マゼン
タおよびイエローカプラーの具体例はリサーチ・ディス
クロージャー(RD)17643(1978年12月)VII−D項およ
び同18717(1979年11月)とその中に引用された特許に
記載されている。
本発明で使用する各種のカプラーは、感光材料に必要と
される特性を満たすために、感光層の同一層に二種類以
上を併用することもできるし、また同一の化合物を異な
った二層以上に導入することもできる。
マゼンタおよびシアンカプラーから生成する色素が有す
る短波長域の不要吸収を補正するために、撮影用のカラ
ーネガ感材にはカラードカプラーを併用することが好ま
しい。米国特許第4,163,670号および特公昭57−39413号
などに記載のイエロー着色マゼンタカプラーまたは米国
特許第4,004,929号、同第4,138,258号および英国特許第
1,146,368号などに記載のマゼンタ着色シアンカプラー
などが典型例として挙げられる。
発色色素が適度に拡散性を有するカプラーを併用して粒
状性を改良することができる。このようなぼけカプラー
は、米国特許第4,366,237号および英国特許第2,125,570
号にマゼンタカプラーの具体例が、また欧州特許第96,5
70号および西独出願公開第3,234,533号にはイエロー、
マゼンタもしくはシアンカプラーの具体例が記載されて
いる。
色素形成カプラーおよび上記の特殊カプラーは、二量体
以上の重合体を形成してもよい。ポリマー化された色素
形成カプラーの典型例は、米国特許第3,451,820号およ
び同第4,080,211号に記載されている。ポリマー化マゼ
ンタカプラーの具体例は、英国特許第2,102,173号、米
国特許第4,367,282号、特開昭61−232455号および特願
昭60−113596号に記載されている。
カップリングに伴なって写真的に有用な残基を放出する
カプラーもまた本発明で好ましく使用できる。現像抑制
剤を放出するDIRカプラーは前述のRD17643のVII−F項
に記載された特許のカプラーが有用である。
本発明の感光材料には、現像時に画像状に造核剤もしく
は現像促進剤またはそれらの前駆体を放出するカプラー
を使用することができる。このような化合物の具体例
は、英国特許第2,097,140号、同第2,131,188号に記載さ
れている。ハロゲン化銀に対して吸着作用を有するよう
な造核剤などを放出するカプラーは特に好ましく、その
具体例は、特開昭59−157638号および同59−170840号な
どに記載されている。
本発明の感光材料は、写真感光層あるいはバック層を構
成する任意の親水性コロイド層に無機あるいは有機の硬
膜剤を含有せしめてもよい。例えば、クロム塩、アルデ
ヒド類(ホルムアルデヒド、グリオキザール、グルタル
アルデヒドなど)、N−メチロール系化合物(ジメチロ
ール尿素など)が具体例として挙げられる。活性ハロゲ
ン化合物(2,4−ジクロル−6−ヒドロキシ−1,3,5−ト
リアジンなど)および活性ビニル化合物(1,3−ビスビ
ニルスルホニル−2−プロパノール、1,2−ビスビニル
スルホニルアセトアミドエタンあるいはビニルスルホニ
ル基を側鎖に有するビニル系ポリマーなど)は、ゼラチ
ンなど親水性コロイドを早く硬化させ安定な写真特性を
与えるので好ましい。N−カルバモイルピリジニウム塩
類やハロアミジニウム塩類も硬化速度が早く優れてい
る。
本発明に用いられるハロゲン化銀乳剤には、その他種々
の添加剤を用いることができる。すなわち、界面活性
剤、増粘剤、染料、紫外線吸収剤、帯電防止剤、増白
剤、減感剤、現像剤、退色防止剤、媒染剤などを用いる
ことができる。
これらの添加剤については、RD−17643、176号、22〜31
頁(December,1978)、THE THEORY OF THE PHOTOGRAPHI
C PROCESS(4th Ed.)T.H.James編(1977,Macmillan Pu
blishing Co.Inc.)などに具体的に記載されている。
本発明の写真感光材料において写真乳剤層その他の層は
写真感光材料に通常用いられているプラスチックフィル
ム、紙、布などの可撓性支持体またはガラス、陶器、金
属などの剛性の支持体に塗布される。可撓性支持体とし
て有用なものは、硝酸セルロース、酢酸セルロース、酢
酸酪酸セルロース、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポ
リエチレンテレフタレート、ポリカーボネート等の半合
成または合成高分子から成るフィルム、バライタ層また
はα−オレフィンポリマー(例えばポリエチレン、ポリ
プロピレン、エチレン/ブテン共重合体)等を塗布また
はラミネートした紙等である。支持体は染料や顔料を用
いて着色されてもよい。遮光の目的で黒色にしてもよ
い。これらの支持体の表面は一般に、写真乳剤層等との
接着をよくするために、下塗処理される。支持体表面は
下塗処理の前または後に、グロー放電、コロナ放電、紫
外線照射、火焔処理などを施してもよい。
写真像を得るための露光は通常の方法を用いて行なえば
よい。すなわち、自然光(日光)、タングステン電灯、
蛍光灯、水銀灯、キセノンアーク灯、炭素アーク灯、キ
セノンフラッシュ灯、陰極線管フライングスポットなど
公知の多種の光源をいずれでも用いることができる。露
光時間は通常カメラで用いられる1/1000秒から1秒の露
光時間はもちろん、1/1000秒から短い露光、たとえばキ
セノン閃光灯や陰極線管あるいはレーザー光を用いた1/
104〜1/109秒の露光を用いることもできるし、1秒より
長い露光を用いることもできる。必要に応じて色フィル
ターで露光に用いられる光の分光組成を調節することが
できる。また電子線、X線、γ線、α線などによって励
起された蛍光体から放出する光によって露光されてもよ
い。
本発明を用いて作られる写真乳剤から成る層の写真処理
には、例えばRD−17643、176頁、28〜30頁に記載されて
いるような、公知の方法及び公知の処理液のいずれも適
用することができる。この写真処理は、目的に応じて、
銀画像を形成する写真処理(黒白写真処理)あるいは色
素像を形成する写真処理(カラー写真処理)のいずれで
あってもよい。処理温度は普通18℃から50℃の間に選ば
れるが、18℃より低い温度または50℃を越える温度とし
てもよい。
現像処理の特殊な型式として、現像主薬を感光材料中、
たとえば乳剤層中に含み、感光材料をアルカリ水溶液中
で処理して現像を行なわせる方法を用いてもよい。現像
主薬のうち、疎水性のものはRD−16928、米国特許第2,7
39,890号、英国特許第813,253号又は西独国特許第1,54
7,763号などに記載の種々の方法で乳剤層中に含ませる
ことができる。このような現像処理は、チオシアン酸塩
による銀塩安定化処理と組合せてもよい。
定着液としては一般に用いられる組成のものを用いるこ
とができる。定着剤としてはチオ硫酸塩、チオシアン酸
塩のほか、定着剤としての効果が知られている有機硫黄
化合物を用いることができる。定着液には硬膜剤として
水溶性アルミニウム塩を含んでもよい。
カラー用現像液は、一般に発色現像主薬を含むアルカリ
性水溶液から成る。発色現像主薬は公知の芳香族一級ア
ミン現像剤、例えばフェニレンジアミン類(例えば4−
アミノ−N,N−ジエチルアニリン、3−メチル−4−ア
ミノ−N,N−ジエチルアニリン、4−アミノ−N−エチ
ル−N−β−ヒドロキシエチルアニリン、3−メチル−
4−アミノ−N−エチル−N−β−ヒドロキシエチルア
ニリン、3−メチル−4−アミノ−N−エチル−N−β
−メタンスルホアミドエチルアニリン、4−アミノ−3
−メチル−N−エチル−N−β−メトキシエチルアニリ
ンなど)を用いることができる。
この他L.F.A.Mason著Photographic Processing Chemist
ry(Focal Press刊、1966年)の226〜229頁、米国特許
第2,193,015号、同2,592,364号、特開昭48−64,933号な
どに記載のものを用いてよい。
カラー現像液はそのほかpH緩衝剤、現像抑制剤ないしカ
ブリ防止剤などを含むことができる。また必要に応じ
て、硬水軟化剤、保恒剤、有機溶剤、現像促進剤、色素
形成カプラー、競争カプラー、かぶらせ剤、補助現像
薬、粘性付与剤、ポリカルボン酸系キレート剤、酸化防
止剤などを含んでもよい。
これら添加剤の具体例はRD−17643の他、米国特許第4,0
83,723号、西独公開(OLS)2,622,950号などに記載され
ている。
発色現像後の写真乳剤層は通常、漂白処理される。漂白
処理は定着処理と同時に行なわれてもよいし、個別に行
なわれてもよい。漂白剤としては鉄(III)、コバルト
(III)、クロム(VI)、銅(II)などの多価金属の化
合物、過酸類、キノン類、ニトロソ化合物などが用いら
れる。
たとえばフェリシアン化物;重クロム酸塩;鉄(III)
またはコバルト(III)の有機錯塩、たとえばエチレン
ジアミン四酢酸、ニトリロトリ酢酸、1,3−ジアミノ−
2−プロパノール四酢酸などのアミノポリカルボン酸類
あるいはクエン酸、酒石酸、リンゴ酸などの有機酸の錯
塩;過硫酸塩、過マンガン酸塩;ニトロソフェノールな
どを用いることができる。これらのうちフェリシアン化
カリ、エチレンジアミン四酢酸鉄(III)ナトリウムお
よびエチレンジアミン四酢酸鉄(III)アンモニウムは
特に有用である。エチレンジアミン四酢酸鉄(III)錯
塩は独立の漂白液においても、一溶漂白定着液において
も有用である。
漂白または漂白定着液には、米国特許3,042,520号、同
3,241,966号、特公昭45−8506号、特公昭45−8836号、
などに記載の漂白促進剤、特開昭53−65732号に記載の
チオール化合物の他、種々の添加剤を用いることができ
る。
本発明の感材の処理においては、現像液、漂白定着液等
の処理液中に、感材に添加した集光色素を分解・脱色す
る目的で集光色素と反応するような添加剤を添加して感
材の処理を行うことができる。
本発明は種々のカラーおよび白黒の感光材料に適用する
ことができる。一般用もしくは映画用のカラーネガフィ
ルム、スライド用もしくはテレビ用のカラー反転フィル
ム、カラーペーパー、カラーポジフィルムおよびカラー
反転ペーパー、カラー拡散転写型感光材料および熱現像
型カラー感光材料などを代表例として挙げることができ
る。RD−17123(1978年7月)などに記載の三色カプラ
ー混合を利用することにより、または米国特許第4,126,
461号および英国特許第2,102,136号などに記載された黒
発色カプラーを利用することにより、X線用などの白黒
感光材料にも本発明を適用できる。リスフィルムもしく
はスキャナーフィルムなどの製版用フィルム、直医・間
接医療用もしくは工業用のX線フィルム、撮影用ネガ白
黒フィルム、白黒印画紙、COM用もしくは通常マイクロ
フィルム、銀塩拡散転写型感光材料およびプリントアウ
ト型感光材料にも本発明を適用できる。
本発明の技術は、分光増感感度を向上させる手段として
有効であることの他に、増感剤である分散媒体中の集光
色素自体が光吸収剤であることから、これによるイラジ
エーション防止あるいはハレーション防止効果により、
増感に加えて、感材の画像の鮮鋭度を良化させることが
期待される。すなわち、イラジエーション防止染料、ハ
レーション防止染料の使用は一般的には光フィルター効
果による減感を伴うが、本方法を用いれば実質的な感度
を減ずることなく、むしろ増加させながら、且つ鮮鋭度
を向上せしめることが可能である。
例えば、支持体の両面に乳剤を塗設した直医用X線感光
材料においては、蛍光増感紙からの蛍光が入射面の反対
側にある感光層へ透過する光、すなわちクロスオーバー
光が画像の鮮鋭度を著しく損うことが知られているが、
本発明の方法を用いることにより、入射面での光吸収量
を大幅に増加せしめて、高感度と同時にこのクロスオー
バー光の遮断により、鮮鋭度を大きく向上しうることが
期待される。
以下に本発明の具体的使用例を述べるが、これらにより
本発明が限定されるものではない。
〔実施例1〕 NH30.1mol、NH4NO30.1mol、KBr1.4mmol、ゼラチン30gを
含む水1.0l中に50℃のもとで攪拌下、AgNO31.0mol/lを
含む水溶液38.0mlとKBr1.0mol/lを含む水溶液とを2時
間ダブルジェット法により同時添加した。添加中はKBr
側の流速を制御してpAgを8.3に保った。AgNO3の適量を
単独添加してpAgを7.4に調整した後、このpAg7.4を保つ
ようにKBr側の流速を制御しながらAgNO31.0mol/lを含む
水溶液714.0mlとKBr1.0mol/lを含む水溶液を38分かけて
同時添加し、平均粒子辺長0.7μmの立方体AgBrの単分
散乳剤Iを得た。
乳剤を2分割し、一方は銀1g当り約0.3mgのチオ硫酸ナ
トリウムを用い56℃のもとで40分間かけて最高感度とな
るよう化学増感を施して感光性乳剤Iaとした。もう一方
は、56℃のもとで増感色素S−1の0.004mol/lメタノー
ル溶液を45ml乳剤に添加して攪拌下で30分熟成を行った
後に銀1g当り約0.15mgのチオ硫酸ナトリウムを加えてさ
らに40分間同温度のもとで最高感度となるよう化学熟成
を行って、感光性乳剤Ibとした。乳剤Iaには、化学増感
の後、増感色素S−1をAgBr1mol当たり3.0×10-4molを
メタノール溶液として添加し、40℃で10分間熟成して分
光増感を施した。
乳剤Iaと乳剤Ibに安定剤として4−ヒドロキシ−6−メ
チル−1,3,3a,7−テトラザインデンをAgBr1mol当たり2.
5×10-3mol添加した後、集光色素として例示化合物A−
47の水溶液をバインダーであるゼラチンの乾量当たりの
濃度がそれぞれ1mmol/dm3、2mmol/dm3、10mmol/dm3、20
mmol/dm3となるよう添加した。こうして集光増感を施し
た乳剤に通常の塗布助剤とゼラチンを添加し、乳剤をポ
リエチレンテレフタレート支持体上に銀の量として2.0g
/m2、ゼラチンの量として4.0g/m2となるよう均一に塗布
して乾燥し、感光性塗布試料を作成した。なお、本実験
で用いた集光色素A−47のゼラチン乾膜中10-4mol/dm3
における蛍光の量子収率を既述の方法で測定した結果、
0.8であった。また、この条件下での発光のストークス
シフトは13nmであった。
試料を1KWタングステン灯(色温度4800゜K)から光学ウ
エッジを通して1/10秒間白色露光したものと集光色素A
−47が主に光吸収にかかわる530nmの波長の干渉フィル
ターを通して1秒間単色光露光したものとを、下記組成
の現像液で20℃で10分間現像した。この現像処理によっ
て集光色素A−47は感材の外に残色なく完全に洗い流さ
れ除去された。
(現像液組成) メトール 2.5g L−アスコルビン酸 10.0g ナボックス 35.0g 臭化カリウム 1.0g 水で全量を1とする。
現像の結果得られたネガ像の感度を各試料への集光色素
添加量とともに表−1に示した。ここで相対感度はカブ
リ濃度+0.2の濃度を与える露光量の逆数を試料1と試
料6をそれぞれ基準(値100)として2種の乳剤系につ
いて各々相対的に示したものである。
化学増感後に通常の方法で分光増感を施した乳剤Iaの系
と化学熟成時に増感色素を添加する方法で分光増感を施
した乳剤Ibのいずれの系においても、集光色素A−47を
ゼラチン中に添加することにより、集光色素の光吸収波
長(530nm)において集光増感により分光感度が上がっ
ており、特に集光色素の濃度が2mmol/dm3以上の領域で
感度上昇が著しく、白色光感度にも顕著な効果の現われ
ていることがわかる。ここで、本発明の方法による乳剤
Ibの系は従来の方法の乳剤Iaの系に比べ、集光増感の効
果はどの添加濃度において比較しても著しく大きく、す
なわちコスト面や水洗能率の点で有利なより低い集光色
素添加量において集光増感が達成されることからも、本
発明の方法が集光増感のために特に有効であることが明
らかである。
〔実施例2〕 NH30.22mol、NH4NO30.03mol、KBr3.3mmol、ゼラチン40g
を含む水1.3l中に70℃のもとで攪拌下でダブルジェット
法によりAgNO3を0.59mol/l含む水溶液600mlとKBr0.57mo
l/lとKIを0.024mol/l含む水溶液をハロゲン化カリウム
側の流量を制御してpAgを7.86に保ちながら60分間かけ
て同時添加することにより、粒子の平均球相当径が0.7
μmの八面体沃臭化銀(沃素含量4mol%)の単分散乳剤
IIを得た。
乳剤を2分割し、一方はチオ硫酸ナトリウムと塩化金酸
の存在下で60℃で40分間かけて最高感度となるよう化学
増感を施して感光性沃臭化銀乳剤IIcとした。もう一方
は、60℃のもとで増感色素S−2の0.004mol/lメタノー
ル溶液を25ml乳剤に添加すると同時に、チオ硫酸ナトリ
ウムと塩化金酸を適量添加し60℃のもとで40分間化学熟
成を行って、感光性乳剤IIdを調製した。乳剤IIcには、
化学増感の終了後、増感色素S−2をハロゲン化銀1mol
当たり3.0×10-4molをメタノール溶液として添加し、40
℃で10分間熟成して分光増感を施した。
乳剤IIcとIIdに安定剤として4−ヒドロキシ−6−メチ
ル−1,3,3a,7−テトラデインデンをハロゲン化銀1mol当
たり3.0×10-3mol添加した後、集光色素として例示化合
物A−2の水溶液をバインダーであるゼラチンの乾量当
たりの濃度がそれぞれ1mmol/dm3、2mmol/dm3、10mmol/d
m3、20mmol/dm3となるよう添加した。
こうして集光増感を施した乳剤に通常の塗布助剤および
とゼラチンを添加し、乳剤をポリエチレンテレフタレー
ト支持体上に銀の量として2.2g/m2ゼラチンの量として
2.5g/m2となるよう均一に塗布して乾燥し、感光性塗布
試料を作成した。なお、本実験で用いた集光色素A−2
のゼラチン乾膜中10-4mol/dm3における蛍光の量子収率
を測定した結果、0.9であり、また、ストークスシフト
は同濃度下で13nmであった。
試料を1kwタングステン灯(色温度4800゜K)から光学ウ
ェッジを通して1/100秒間白色露光したものと集光色素
A−2が主に光吸収にかかわる500nmの波長の干渉フィ
ルターを通して1/10秒間単色光露光したものとを、実施
例1と同様にして現像した。この現像処理によって集光
色素A−2は感材の外に完全に洗い流されて除去され
た。
現像の結果得られたネガ像の相対感度を表−2に比較し
た。相対感度はカブリ濃度+0.2の濃度を与える露光量
の逆数を試料11と試料16をそれぞれ2種の乳剤系の基準
(値100)として示したものである。
化学増感後に常法により分光増感を施した乳剤IIcの系
と化学熟成時に増感色素を添加する方法で分光増感を施
した乳剤IIdの系において、集光色素A−2をゼラチン
中に添加することにより、添加濃度が2mmol/dm3以上の
領域で顕著な集光増感のおこっていることがわかる。本
発明の方法による乳剤IIdの系は従来の方法の乳剤IIcの
系に比べて集光増感の効果はどの添加濃度において比較
しても著しく大きく、本発明の方法による集光増感が特
に有効であることが明らかである。また、本実施例で用
いた集光色素A−2の集光増感効率は460〜470nmの青色
域にも及んでおり、青色域の分光増感のためにも有効で
あることが示された。
以下に本発明の好ましい実施態様を示す。
1.特許請求の範囲において、分散媒中に含有される発光
性色素が実質的に非吸着性であり、該色素のハロゲン化
銀に対する吸着性が、{111}面から成る臭化銀を含む
5重量%のゼラチン水溶液中で、40℃、pH6.5±0.05、
溶液相色素濃度10-4mol/lのもとで5×10-7mol/m2以下
であることを特徴とするハロゲン化銀感光材料。
2.特許請求の範囲において、発光性色素の発光量子収率
が室温で乾燥ゼラチン中の濃度が10-4mol/dm3のときに
0.3以上であることを特徴とするハロゲン化銀感光材
料。
3.好ましい実施態様2において、発光量子収率が0.5以
上であることを特徴とするハロゲン化銀感光材料。
4.特許請求の範囲において、発光性色素の含有量が該乳
剤層中のハロゲン化銀粒子表面を除く親水性分散媒中で
10mmol/dm3以上であることを特徴とするハロゲン化銀感
光材料。
5.特許請求の範囲において乳剤層の分散媒体中に含有さ
れる発光性色素が水溶性でありその水に対する溶解度
が、25℃、pH7.0において10-2mol/l以上であることを特
徴とするハロゲン化銀感光材料。
6.特許請求の範囲において、発光性色素が水溶性のシア
ニン色素であることを特徴とするハロゲン化銀感光材
料。
7.特許請求の範囲において発光性色素のうち少なくとも
1つの色素の発光帯がハロゲン化銀粒子表面に直接吸着
している色素の吸収帯と少なくとも一部重なっているこ
とを特徴とするハロゲン化銀感光材料。
8.特許請求の範囲において、発光性色素が乾燥ゼラチン
中室温で10-4mol/dm3の濃度において与える発光のスト
ークスシフト(吸収ピークと発光ピークの波長差)が40
nm以内であることを特徴とするハロゲン化銀感光材料。
9.好ましい実施態様8において発光性色素の与える発光
のストークスシフトが20nm以内であることを特徴とする
ハロゲン化銀感光材料。
10.特許請求の範囲において、発光性色素の還元電位が
水/エタノール(体積比1:1)の溶液中で飽和カロメル
参照電極に対し−1.0Vより卑であることを特徴とするハ
ロゲン化銀感光材料。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭59−48756(JP,A) 特開 昭61−103149(JP,A) 特開 昭61−160739(JP,A) 特開 昭61−196238(JP,A) 特開 昭49−130220(JP,A) 特開 昭52−151026(JP,A) 特開 昭63−138341(JP,A) 特開 昭63−138342(JP,A)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ハロゲン化銀乳剤層を少くとも1層有する
    ハロゲン化銀感光材料において、(1)該乳剤層を構成
    するハロゲン化銀粒子がその粒子形成終了后から化学熟
    成終了までの間に少なくとも一種のハロゲン化銀に対し
    て吸着性の分光増感色素を添加することにより分光増感
    され、且つ(2)該乳剤層のハロゲン化銀粒子を除く親
    水性分散媒中に、室温で乾燥ゼラチン中の濃度が10-4mo
    l/dm3のときの発光量子収率が0.1以上であり、且つハロ
    ゲン化銀に対して実質的に非吸着性で現像処理によって
    実質的に除去され、且つ下記1)〜3)の条件を同時に
    満足する少くとも一種の発光性色素を該分散媒中の濃度
    として2.0mmol/dm3以上含有することを特徴とするハロ
    ゲン化銀感光材料。 1)アニオン性親水基を4個以上含有する。 2)臭化銀結晶の{111}面の外表面に対して40℃、pH
    6.5±0.05、5重量%のゼラチン水溶液中で溶液相平衡
    濃度10-4mol/lのとき、その吸着量が5×10-7mol/m2
    下である。 3)ハロゲン化銀粒子上に吸着している吸着性の分光増
    感色素の吸収帯と少なくとも一部重なる発光帯を有す
    る。
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