JPH07116772B2 - 建築物における床の耐火構造 - Google Patents

建築物における床の耐火構造

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JPH07116772B2
JPH07116772B2 JP61310343A JP31034386A JPH07116772B2 JP H07116772 B2 JPH07116772 B2 JP H07116772B2 JP 61310343 A JP61310343 A JP 61310343A JP 31034386 A JP31034386 A JP 31034386A JP H07116772 B2 JPH07116772 B2 JP H07116772B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、共同住宅、病院、ホテル、下宿等を用途とし
た三階建以上の建築物等に用いて好適な建築物の耐火構
造に関する。
(従来の技術) 共同住宅、病院、ホテル、下宿等を用途とした三階建以
上の建築物の床板及び大梁は建築基準法に基づき、所定
の耐火性能を有する耐火構造でなければならない。
そこで、従来一般的には、第6図に示すように、個々の
大梁01に対し耐火被覆材02を被せ、この耐火被覆材02と
耐火材料から形成されている壁材03及び床板04とでこれ
らの大梁01を隙間なく耐火被覆し、また、個々の床小梁
05に対しケイ酸カルシウム板等の耐火被覆材06を被せ、
この耐火被覆材06と床板04とで床小梁05を隙間なく耐火
被覆した耐火構造が知られている。
ちなみに、大梁01と床小梁05に耐火被覆材02、06を被せ
る際には、第6図に示すように貼り付け施工によって行
われていた他、岩綿等を吹き付ける吹き付け施工によっ
ても行われていた。いずれにしても、大梁01と床小梁05
に対して個々に行なわれていた。
(発明が解決しようとする問題点) しかしながら、このような従来の床の耐火構造のよう
に、大梁01及び床小梁05に対し個々に耐火被覆材02、06
を被せることは、多くの材料を必要すると共に、極めて
手間を要して面倒であるという問題点があった。
更に、貼り付け施工においては、全ての梁に対して隙間
なく耐火被覆材02、06を貼り付けるのが困難であり、ま
た、吹き付け施工においては、岩綿等の耐火被覆材が他
の物との接触等によって剥れ落ち易いことから全ての梁
に対して隙間なく耐火被覆するのが困難であった。
また、耐火被覆される大梁及び床小梁は、床板04と天井
板07との間に形成される天井裏空間に配設された場合に
は、天井裏空間の外から容易に見ることができず、管理
も困難であるという問題点があった。
(問題点を解決するための手段) 本発明は、上述のような問題点を解決することを目的と
してなされたもので、この目的達成のために、本発明で
は、床板と天井板とが所定の耐火性能を有する耐火材料
で形成され、不燃性の材料からなる大梁と小梁と野縁が
前記床板と天井板との間に形成された天井裏空間に配設
されており、前記小梁はその下面を大梁の下面と略面一
にして大梁間に差し渡され、前記野縁は大梁の下面およ
び小梁の下面に固定された不燃性の野縁固定具を介して
大梁および小梁に固定され、前記天井板は不燃性の固定
部材で野縁に固定されている手段とした。
(作用) 本発明の建築物における床の耐火構造では、床板と天井
板とが所定の耐火性能を有する耐火材料で形成され、大
梁と小梁と野縁が前記床板と天井板との間に形成される
天井裏空間に配設されているために、大梁と小梁と野縁
を床板と天井板とによって一括して同時に耐火被覆する
ことができる。
また、天井裏空間に配設されてその外からは容易に見る
ことができない大梁と小梁には耐火を直接施されずに、
天井裏空間の外から容易に見ることができる床板と天井
板とに耐火が施されているために、耐火構造の管理が容
易に行なえる。
また大梁、小梁、野縁、野縁固定具、天井板の固定部材
が不燃性であるから、万一、床板や天井板の一部が損傷
した場合にも火災に対しても安全である。
(実施例) 以下、本発明の実施例を図面により詳述する。
尚、この実施例を述べるにあたって、三階建のユニット
建築物を例にとり、その床の耐火構造について説明す
る。
まず、実施例のユニット建築物は、第1図に示すよう
に、ユニットAが上下3段に積み重ねて構成されてい
る。
これらの各ユニットAは、床大梁1及び床小梁2と、天
井大梁3及び天井小梁4と、柱5とから駆体が構成さ
れ、この駆体に床板6と天井板7と壁板(外壁板8、内
壁板9、界壁板10)とが取り付られた箱状のものであ
る。一階ユニットA1は基礎11の上に据えられて該基礎11
に対しボルト緊結されており、最上階である三階ユニッ
トA3の上に屋根板12が据えられている。
尚、一階ユニットA1と二階ユニットA2及び二階ユニット
A2と三階ユニットA3は、上側のユニットAの床大梁1と
下側のユニットAの天井大梁3とがボルト緊結されて結
合されている。
更に、第2図及び第3図に示すように、床大梁1及び天
井大梁3は不燃性の材料である形鋼で形成され、か
つ、床小梁2及び天井小梁4は不燃性のI形鋼で形成さ
れており、前記天井大梁3の下面には大野縁固定具28を
介して大野縁29が固定され、前記天井小梁4の下面には
小野縁固定具30を介して小野縁31が固定されている。
前記大野縁29は、第3図に示すように、天井大梁3に沿
って方形状に形成されており、小野縁31はこの大野縁29
を枠とする格子の桟状に組まれている。
これら大野縁29及び小野縁31は、不燃性の鋼材からな
り、断面 であって、それぞれ上面開口部291、311の開口縁には下
向きの屈曲片292、312が形成されている。
前記大野縁固定具28は、第4図に示すように、不燃性の
鋼材からなり、方形状の基板281の一側部に天井大梁3
に溶接等で固定される固定板部282が設けられ、該固定
板部282に対向する一側部に前記小野縁31の上面開口部2
91に差し込まれる小差込部283が設けられ、残る二側部
に前記大野縁29の上面開口部291に差し込まれる大差込
部284が設けられている。そして、これら小差込部283及
び大差込部284の左右両側には、それぞれ小野縁31ある
いは大野縁29への差込状態で屈曲片312、292に係止され
る係止片283a、284aが形成されている。
前記小野縁固定具30は、第5図に示すように、不燃性の
鋼材からなり、方形状の基板301が直接天井小梁4の下
面に溶接等で固定されるもので、前記基板301の四側部
に小差込部302が設けられている。そして、これらの小
差込部302の左右両側には小野縁31の屈曲片312に係止さ
れる係止片302aが形成されている。
床板6は、例えば、厚さ18mmの硬質木片セメント板等の
耐火1時間以上(JISA1304建築構造部分の耐火試験方法
による)の耐火材料で形成され、床大梁1及び床小梁2
の上面に直接締結されている。この床板6のユニットわ
たり部には、床板6と同じ材料で形成された床わたり板
15が床板6と密着して設けられている。
天井板7は、例えば、厚さ25mmの石綿ケイ酸カルシウム
板等の耐火時間1時間以上(JISA1304建築構造部分の耐
火試験方法による)の耐火材料で形成され、前記大野縁
29及び小野縁31に対して不燃性の鋼材からなるタッピン
グビス16で固定されている。この天井板7のユニットわ
たり部には、天井板7と同じ材料で形成された天井わた
り板17が天井板7と密着して設けられている。
即ち、第2図に示すように、同階のユニットAにおいて
床板6及び天井板7は、床わたり板15及び天井わたり板
17を介して同一平面上に連続して設けられている。
従って、一階ユニットA1と二階ユニットA2との間及び二
階ユニットA2と三階ユニットA3との間には、床板6と天
井板7とで天井裏空間21が形成され、この天井裏空間21
には、上側のユニットAの床大梁1及び床小梁2と下側
のユニットAの天井大梁3及び天井小梁4と大野縁及び
小野縁が配設される。
外壁板8は、例えば、厚さ100mmのALC板等の耐火時間2
時間以上(JISA1304建築構造部分の耐火試験方法によ
る)の耐火材料で形成され、ロックウール18を介して天
井大梁3に締結されている。尚、この外壁板8のユニッ
トわたり部には、耐火板がコーキングされ、外壁板8と
床板6、及び外壁板8と天井板7とは、それぞれの目地
にロックウール19、20が充填されることで密着されてい
る。
界壁板10は、各戸毎に空間を仕切るもので、第2図に示
すように、前記天井板7によって天井裏空間21を仕切る
上部界壁板101と、室内空間27を仕切る下部界壁板102と
に分断されている。
前記上部界壁板101は、例えば、厚さ30mmのロックウー
ルフェルトと厚さ8mmのアルミノシリケート繊維の積層
材あるいは厚さ25mmの石綿ケイ酸カルシウム板等の耐火
時間1時間以上(JISA1304建築構造部分の耐火試験方法
による)の耐火材料で形成され、前記天井たわり板17と
床わたり板15との間に立設されている。また、この上部
界壁板101は、床大梁1と天井大梁3とにそれぞれ固定
されており、ユニットAを上下に締結させた状態で、上
側ユニットAの床大梁1に固定された上部界壁板101と
下側ユニットAの天井大梁3に固定された上部界壁板10
1とが連続し、両ユニットA間に形成された天井裏空間2
1を仕切るようになっている。
また、前記下部界壁板102は、軽量鉄骨製のスタッド26
の片面に厚さ12mmの石膏ボード22が固定されると共に、
もう片面に厚さ30mmのガラス繊維入り石膏ボード23が固
定された耐火時間1時間以上(JISA1304建築構造部分の
耐火試験方法による)の耐火性能を有するもので、この
下部界壁板102は、天井わたり板107を挟んでその両側に
立設されており、スタッド26が耐火被覆された柱5に固
定されている。
内壁板9は、石膏ボード等の不燃性の材料で形成されて
おり、枠24を介して耐火被覆された柱5に固定されてい
る。
尚、前記内壁板9の内面には、グラスウール等の断熱材
25が取り付けられている。
次に実施例の作用を説明する。
以上説明してきたように、一階ユニットA1と二階ユニッ
トA2との間及び二階ユニットA2と三階ユニットA3との間
に、上側のユニットAの床板6と下側のユニットAの天
井板7とで天井裏空間21が形成され、これらの床板6と
天井板7とは、全て耐火材料で形成されているために、
前記天井裏空間21に配設されている上側のユニットAの
床大梁1及び床小梁2と下側のユニットAの天井大梁3
及び天井小梁4と大野縁及び小野縁は、同時に耐火材料
によて耐火被覆されていることになり、これら全体を床
として見た場合に、この床は、耐火時間1時間以上(JI
SA1304建築構造部分の耐火試験方法による)の耐火性能
が確保されている。従って、ユニットA同士を緊結させ
ることがそのまま上側のユニットAの床大梁1及び床小
梁2と下側のユニットAの天井大梁3及び天井小梁4を
耐火被覆することになり、従来構造のように、個々に梁
を耐火被覆するのに比べて材料を削減でき、かつ、作業
手間を省くことができる。
また、ユニット建築物完成後において天井裏空間21の外
からでも容易に見ることができる床板6と天井板7とに
耐火が施されているために、耐火構造の管理も容易であ
る。
また、室内空間27が各戸毎に下部界壁板102によって仕
切られているために、ある戸の室内空間27から火災が発
生したとしても、下部界壁板102によって火災を遮断
し、横隣の戸へ火災が侵入するのを防止できる。
更に、天井裏空間21は、上部界壁板101によって各戸毎
に仕切られているために、火災時に、ある戸において床
板6あるいは天井板7が万一破損し、室内空間27から天
井裏空間21に火災が侵入したとしても、前記上部界壁板
101によって火災を遮断し、天井裏空間21から横隣の戸
へ火災が侵入するのを防止できる。
また、万一床板6あるいは天井板7の一部が損傷したと
しても、床大梁1、天井大梁3、床小梁2、天井小梁
4、大野縁29、小野縁31、大野縁固定金具28、小野縁固
定金具30、タッピングビス16が不燃性の材料からなるか
ら、火災に対しての抵抗力があり安全性が高いものにな
っている。
以上、本発明の実施例を図面により詳述してきたが、具
体的な構成はこの実施例に限られるものではなく、本発
明の要旨を逸脱しない範囲における設計変更等があって
も本発明に含まれる。
例えば、実施例では、耐火構造を三階建のユニット建築
物に適用したが、一階建や二階建あるいは四階建以上の
ユニット建築物に適用してもよいし、ユニット建築物以
外の鉄骨建築物等に適用してもよい。
また、床板や天井板は、所定の耐火材料を有していれば
実施例以外の耐火材料を用いてもよく、また、耐火材料
の他に遮音シートや断熱材を付加してもよい。
また、天井板を野縁に固定するに際してタッピングビス
と共に不燃性の接着剤を兼用してもよい。また、不燃性
であれば、タッピングビス以外の固定部材を用いてもよ
い。
(発明の効果) 以上説明してきたように、本発明の建築物の耐火構造に
あっては、大梁と小梁と野縁とが天井板と床板とで一括
して同時に耐火被覆される手段としたために、大梁及び
小梁を個々に被覆するのに比べて、材料が削減でき、か
つ、作業手間が短縮化でき、また、小梁はその下面を大
梁の下面と略面一にして大梁間に差し渡され、野縁は大
梁の下面および小梁の下面に固定された不燃性の野縁固
定具を介して大梁および小梁に固定され、天井板は不燃
性の固定部材で野縁に固定されているので、天井板が小
面積に区画されることとなり、野縁による天井板の支持
構造も確実になるという効果も得られる。
また、上記のように天井板が区画されて確実に固定され
ているので、下階の火災時においては天井板の熱による
収縮亀裂が起こりにくくなり、従って炎が天井裏空間へ
侵入しにくくなるので、上階が延焼しづらくなるという
効果も得られる。
さらには、天井裏空間の外からでも容易に見ることがで
きる天井板と床板とに耐火が施されているために、耐火
構造の管理も容易であるという効果も得られる。
また、大梁、小梁、野縁、野縁固定具、天井板の固定部
材が不燃性であるから、万一床板や天井板の一部が損傷
した場合にも火災に対して安全である。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明実施例のユニット建築物を示す縦断面
図、第2図は実施例のユニット建築物における床の耐火
構造を示す縦断面図、第3図は実施例構造を示す斜視
図、第4図は第3図の要部Xを示す斜視図、第5図は第
3図の要部Yを示す斜視図、第6は従来の建築物におけ
る床の耐火構造を示す縦断面図である。 1……床大梁(大梁) 2……床小梁(小梁) 3……天井大梁(大梁) 4……天井小梁(小梁) 6……床板 7……天井板 16……タッピングビス(不燃性の固定部材) 21……天井裏空間 28……大野縁固定具 29……大野縁(野縁) 30……小野縁固定具 31……小野縁(野縁)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】床板と天井板とが所定の耐火性能を有する
    耐火材料で形成され、不燃性の材料からなる大梁と小梁
    と野縁が前記床板と天井板との間に形成された天井裏空
    間に配設されており、前記小梁はその下面を大梁の下面
    と略面一にして大梁間に差し渡され、前記野縁は大梁の
    下面および小梁の下面に固定された不燃性の野縁固定具
    を介して大梁および小梁に固定され、前記天井板は不燃
    性の固定部材で野縁に固定されていることを特徴とする
    建築物における床の耐火構造。
JP61310343A 1986-12-25 1986-12-25 建築物における床の耐火構造 Expired - Fee Related JPH07116772B2 (ja)

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JPS58161012U (ja) * 1982-04-23 1983-10-26 ナショナル住宅産業株式会社 天井下地構造
JPS6047144A (ja) * 1984-07-02 1985-03-14 株式会社クボタ 住宅の区画防火工法

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