JP2024065922A - 耐火気密構造及び耐火建築物 - Google Patents

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Abstract

【課題】外周梁及び非外周梁の周囲を覆う耐火材として可撓性を有する通気耐火材を用いつつ、外周壁に沿う連続した気密ラインを形成可能な、耐火気密構造及び耐火建築物、を提供する。【解決手段】本発明に係る耐火気密構造は、外周壁に沿って延在する外周梁と、前記外周梁に接合される非外周梁と、前記外周梁の屋内側を覆う位置に繊維系材料からなる第1通気耐火材を備え、前記外周梁の周囲に被覆されている、第1耐火材と、繊維系材料からなる第2通気耐火材を備え、前記非外周梁の周囲に被覆されている、第2耐火材と、前記第1通気耐火材の屋内側を覆う第1気密材と、前記第1耐火材と前記第2耐火材との間、又は、前記第2耐火材同士、を仕切り、前記第2耐火材で覆われることで前記非外周梁の周囲に形成される、前記延在方向に延びる通気路、を遮るように配置され、前記第1気密材に接続されている、第2気密材と、を備える。【選択図】図4

Description

本発明は耐火気密構造及び耐火建築物に関する。
従来から、建物の主要構造部を耐火構造とした耐火建築物が知られている。特許文献1には、この種の耐火建築物が開示されている。特許文献1の耐火建築物における耐火構造では、可撓性を有し且つ所定の厚さを持った耐火被覆材の少なくとも一方の面に気密性を有するシート状の部材を添わせて一体化した気密耐火被覆材を、梁の周囲に被覆している。
特開2007-9607号公報
特許文献1に記載の耐火構造では、建物の外周壁に沿って延在する外周梁、及び、この外周梁に接合され、外周梁から屋内側に向かって延在する非外周梁、のそれぞれの周囲が、気密耐火被覆材により被覆される。例えば繊維系の耐火被覆材など、可撓性を有する耐火被覆材を使用することによって、乾式工法でありながら、柱、梁等の形状への追随性を向上させることができるため、施工性を高めることができる。また、繊維系の耐火被覆材を用いる場合には、特許文献1の記載の気密耐火被覆材のように、その一方の面に一体化された気密性を有するシート状の部材により、外周梁及び非外周梁の気密性を確保できる。
しかしながら、特許文献1に記載の気密耐火被覆材を用いて建物全体の気密性を確保する場合には、外周梁及び非外周梁の周囲全てを気密耐火被覆材により覆う必要があり、施工性において依然として改善の余地がある。
本発明は、外周梁及び非外周梁の周囲を覆う耐火材として繊維系材料からなる通気耐火材を用いつつ、外周壁に沿う連続した気密ラインを形成可能な、耐火気密構造及び耐火建築物、を提供することを目的とする。
本発明の第1の態様としての耐火気密構造は、
(1)
外周壁に沿って延在する外周梁と、
前記外周梁に接合され、前記外周梁から屋内側に向かって延在する非外周梁と、
前記外周梁の屋内側を覆う位置に繊維系材料からなる第1通気耐火材を備え、前記外周梁の周囲に被覆されている、第1耐火材と、
繊維系材料からなる第2通気耐火材を備え、前記非外周梁の周囲に被覆されている、第2耐火材と、
前記第1通気耐火材の屋内側を覆う第1気密材と、
前記第1耐火材と前記第2耐火材との間、又は、前記第2耐火材同士、を仕切り、前記第2耐火材で覆われることで前記非外周梁の周囲に形成される、前記延在方向に延びる通気路、を遮るように配置され、前記第1気密材に接続されている、第2気密材と、を備える、耐火気密構造、である。
本発明の1つの実施形態としての耐火気密構造は、
(2)
前記第2気密材は、前記第2耐火材から露出し、前記第1気密材と接続される接続部を備える、上記(1)に記載の耐火気密構造、である。
本発明の1つの実施形態としての耐火気密構造は、
(3)
前記第1通気耐火材は、
前記外周梁の屋内側で、鉛直方向に延在するベース部と、
前記非外周梁の周囲で、前記ベース部から前記非外周梁の前記延在方向に沿って突出する突出部と、を備え、
前記第1気密材は、前記第1通気耐火材の前記ベース部の屋内側を覆う位置に配置されており、
前記第2気密材は、前記第1通気耐火材の前記突出部の先端面と、前記第2耐火材と、の間に介在しており、
前記第1気密材の屋内側の面と、前記第2気密材のうち前記第2耐火材側の面と、の間を跨るように気密テープが貼着されていることにより、前記第1気密材及び前記第2気密材は接続されている、上記(1)又は(2)に記載の耐火気密構造、である。
本発明の1つの実施形態としての耐火気密構造は、
(4)
前記非外周梁は、前記延在方向に延在する凹部を備え、
前記第2気密材は、前記非外周梁の前記凹部に収容されて配置される嵌め込み部を備え、
前記第2気密材の前記嵌め込み部の少なくとも一部を、前記非外周梁の前記延在方向の少なくとも一方側から覆う、遮熱材を備える、上記(1)から(3)のいずれか1つに記載の耐火気密構造、である。
本発明の第2の態様としての耐火建築物は、
(5)
上記(1)から(4)のいずれか1つに記載の耐火気密構造を備える耐火建築物、である。
本発明によれば、外周梁及び非外周梁の周囲を覆う耐火材として繊維系材料からなる通気耐火材を用いつつ、外周壁に沿う連続した気密ラインを形成可能な、耐火気密構造及び耐火建築物、を提供することができる。
本発明の一実施形態としての耐火建築物において耐火被覆される外周梁及び非外周梁を示す図である。 本発明の一実施形態としての耐火気密構造における外周梁の近傍を示す図である。 本発明の一実施形態としての耐火気密構造における非外周梁の近傍を示す図である。 本発明の一実施形態としての耐火気密構造における、外周梁と非外周梁との接合部の近傍を示す図である。 本発明の一実施形態としての耐火気密構造における第2気密材の詳細を示す図である。 図4に示す第1通気耐火材の屋内側が第1気密材により覆われる前の施工途中の状態を示す図である。 図6に示す状態から、第1通気耐火材の屋内側に第1気密材を配置し、第1気密材と第2気密材とを接続した状態を示す図である。 図5に示す第2気密材の近傍の構成の一変形例を示す図である。 図7に示す耐火気密構造の一変形例を示す図である。 図7に示す耐火気密構造の一変形例を示す図である。 図7に示す耐火気密構造の一変形例を示す図である。
以下、本発明に係る耐火気密構造及び耐火建築物の実施形態について図面を参照して例示説明する。各図において同一の構成には同一の符号を付している。
図1は、本発明に係る耐火建築物の一実施形態としての耐火建築物200において耐火被覆される外周梁10及び非外周梁20を示す図である。図2、図3は、耐火建築物200における、本発明に係る耐火気密構造の一実施形態としての耐火気密構造100を示す図である。図2は、耐火気密構造100のうち外周梁10の近傍を示す図である。図2は、外周梁10の延在方向Aと直交する断面での、耐火気密構造100の断面図である。図3は、耐火気密構造100のうち非外周梁20の近傍を示す図である。図3は、非外周梁20の延在方向Bと直交する断面での、耐火気密構造100の断面図である。
まず、本実施形態の耐火建築物200の概要について説明する。耐火建築物200は、例えば、鉄骨造の骨組を有する2階建ての戸建て住宅とすることができる。このような耐火建築物200は、例えば、地盤に支持された鉄筋コンクリート造の布基礎等である基礎構造体と、柱部材や梁部材などの骨組部材で構成された架構を有し、基礎構造体に支持される上部構造体と、を備える。なお、架構を構成する骨組部材は、予め規格化(標準化)された部材とすることができ、予め工場にて製造されたのち建築現場に搬入されて組み立てられる。但し、耐火建築物200は、いわゆる在来工法にて建設された木造の住宅であってもよい。また、耐火建築物200は1~2階建ての低層建物に限られず、3階以上の階層を有する中高層建物としていてもよい。更に、耐火建築物200の用途は、戸建て住宅に限られず、アパートやマンション等の集合住宅、店舗、事務所等の商業系ビルであってもよい。
本実施形態の上部構造体は、複数の柱部材、これら複数の柱部材間に架設されている複数の大梁部材、及び、複数の大梁部材間に架設されている小梁部材、から構成される架構と、この架構の外周部に配置される外周壁2と、架構の大梁部材及び小梁部材に支持される床3と、を備える。以下、大梁部材及び小梁部材を特に区別しない場合は、単に「梁部材」と記載する。
外周壁2の屋外側の面は、連接された外装材としての外壁パネル2aにより構成されている。また、外周壁2の外壁パネル2aの屋内側には、断熱層を構成する断熱材2b及び内装材2cが配置されている。
外壁パネル2aとしては、例えば、軽量気泡コンクリートパネル(以下、「ALCパネル」と記載する。)などを用いることができる。本実施形態の外壁パネル2aは、ALCパネルである。この外壁パネル2aを架構の外周部の周囲に連接することにより、外周壁2の外皮層を形成することができる。
また、断熱材2bとしては、例えば、フェノールフォーム、ポリスチレンフォーム、ウレタンフォーム等の発泡樹脂系の材料からなるパネル状の断熱材の他、ロックウール、グラスウール等の繊維系の断熱材を用いることもできる。本実施形態の断熱材2bは、発泡樹脂系のパネル状の気密断熱材である。この断熱材2bを外壁パネル2aの屋内側に、外壁パネル2aの内面に沿って配置することにより、外周壁2に断熱層を形成することができる。内装材2cとしては、例えば、石膏ボードを用いることができ、内装材2cを架構の外周部の屋内側に連接することにより、内皮層を形成することができる。
床3は、床スラブ材3aを含む。床スラブ材3aは、架構の梁部材に架設され、梁部材により支持される。床スラブ材3aとしては、例えば、ALCパネルなどを用いることできる。床3は、床スラブ材3aに加えて、例えば、床スラブ材3aに対して直接的又は間接的に取り付けられる、下階の天井面を構成する天井内装材3bや、床スラブ材3a上に積層された、上階の床面を構成するフローリング等の床内装材3cなど、を含むものであってもよい。
なお、耐火建築物200の屋根は陸屋根であってよい。陸屋根を構成する屋根床スラブ材についても、ALCパネルを用いることができるが、ALCパネルに限られるものではない。また、屋根床スラブ材は、例えば塩化ビニル樹脂から形成されている防水シート等により覆われることにより、防水処理が施されている。また、耐火建築物200の屋根は、陸屋根に限らず、スレート等の屋根外装材を用いた勾配屋根としてもよい。
耐火建築物200では、柱部材、梁部材等の主要構造部が耐火構造とされている。ここで言う「耐火建築物」とは、建築基準法第2条第1項第9号の2で定める条件に適合するものを意味する。
本実施形態のように、柱部材、梁部材等の骨組部材を有する耐火建築物200の場合は、骨組部材に耐火被覆を施工するのが一般的である。骨組部材に耐火被覆を施工する場合、対象となる骨組部材に、可撓性を有する耐火被覆材を添わせ配置する方法がある。可撓性を有する耐火被覆材としては、材料や厚さを特に限定するものではなく、充分な可撓性を発揮しうる材料からなり、且つ耐火基準を満足し得る厚さを有するものであればよい。このような耐火被覆材としては、例えば、所定の厚さを有し、多数の繊維体から構成される、繊維系材料からなる耐火被覆材(以下、「通気耐火材」と記載する場合がある。)が挙げられる。具体的には、通気耐火材としては、グラスウール、ロックウール、フェルト、セラミックファイバやアクリル繊維等からなる耐火被覆材、等が挙げられる。通気耐火材は、十分なしなやかさを有し、骨組部材の形状や周囲に於ける取付部位の形状への追随性が良好であるため、その形状の如何に関わらず容易に施工することができる。しかしながら、通気耐火材は、多数の繊維体から構成されるために通気性を有し、漏気を生じさせ、通気耐火材を介する熱の移動を防止できないため、耐火被覆された部位の気密性を確保することが難しい。
その一方で、省エネルギー化を実現する目的で、耐火建築物200の外周壁2に沿って配置された骨組部材に、耐火性と共に気密性を持たせ、耐火建築物200全体の気密性を確保させる場合がある。上述したように、通気耐火材は気密性を有さないため、建物の気密性能の確保に寄与しない。そのため、外周壁2に沿って配置された骨組部材の耐火被覆のために通気耐火材を用いた場合には、骨組部材の気密性を確保するため、この通気耐火材を、気密材で更に覆う必要がある。
ここで、図1に示すように、耐火建築物200の骨組部材が、外周壁2に沿って延在する大梁部材としての外周梁10と、この外周梁10に接合され、外周梁10から屋内側に向かって延在する小梁部材としての非外周梁20と、を備える場合に、図2、図3に示すように、外周梁10及び非外周梁20はそれぞれ、耐火材により耐火被覆される必要がある。以下、外周梁10の周囲を覆う耐火材を「第1耐火材30」と呼ぶ。また、非外周梁20の周囲を覆う耐火材を「第2耐火材40」と呼ぶ。
上述の施工容易性の観点で、第1耐火材30のうち、少なくとも外周梁10の屋内側を覆う部分を、外周梁10の形状への追随性が良好な通気耐火材により構成した場合には、この通気耐火材の屋内側を気密材により更に覆うことで、外周梁10の気密性を確保できる。以下、説明の便宜上、第1耐火材30における通気耐火材を「第1通気耐火材31」と記載する。また、この第1通気耐火材31を覆う気密材を「第1気密材50」と記載する。
しかしながら、外周梁10の屋内側を覆う第1気密材50は、非外周梁20の周囲を覆う第2耐火材40が交差することによって、外周梁10と非外周梁20の接合部80(図1参照)において分断される。つまり、第2耐火材40で覆われることで非外周梁20の周囲に形成される、非外周梁20の延在方向Bに延びる通気路Xにより、外周壁2に沿う気密ラインが分断されてしまう。すなわち、第2耐火材40が通気耐火材を含む場合には、上述した通気路Xの存在により、第2耐火材40の通気耐火材を通じた通気が発生するため、耐火建築物200の気密性は確保できなくなる。そこで、耐火建築物200の気密性を確保するためには、第2耐火材40のうち通気耐火材で構成されている部分を気密材で覆う必要がある。つまり、上記接合部80において外周壁2に沿った気密ラインに気密の欠損部が生じるため、外周梁10のみならず、屋内側の非外周梁20の全てに及んで気密処理が必要になる。以下、説明の便宜上、第2耐火材40のうち、非外周梁20の周囲を覆う第2耐火材40における通気耐火材を「第2通気耐火材41」と記載する。
これに対して、本実施形態の耐火気密構造100は、外周梁10の屋内側が少なくとも第1通気耐火材31により被覆され、かつ、非外周梁20の周囲の少なくとも一部が第2通気耐火材41により被覆される構成としつつも、外周壁2に沿った連続した気密ラインを形成可能な点に特徴を有する。以下、上述の外周梁10及び非外周梁20に亘って施される、本実施形態の耐火気密構造100の詳細について説明する。
<外周梁10及び非外周梁20>
図1~図3に示すように、耐火気密構造100は、外周梁10及び非外周梁20を備える。外周梁10は、外周壁2に沿って略水平方向に延在している。非外周梁20は、外周梁10に接合され、外周梁10から屋内側に向かって略水平方向に延在している。本実施形態の非外周梁20の延在方向Bは、外周梁10の延在方向Aと略直交する方向であるが、この構成に限られない。非外周梁20が、外周梁10の延在方向Aに対して傾斜する方向に延在していてもよい。
本実施形態の外周梁10及び非外周梁20の接合部80の接合構造は特に限定されない。外周梁10及び非外周梁20は、例えば、接合金具を介してボルト等により接合されてよい。本実施形態では、外周梁10が、ウェブ10a及び上下フランジ10b、10cを備えるH形鋼により構成され、非外周梁20が、ウェブ20a及び上下フランジ20b、20cを備えるH形鋼により構成されている。そして、外周梁10のウェブ10aと、非外周梁20のウェブ20aと、が接合金具を介してボルトにより接合されている。なお、外周梁10及び非外周梁20はH形鋼に限られず、例えば溝形鋼、C形鋼、I形鋼、山形(L型)鋼、T形鋼など、別の断面形状を有する構成であってもよい。外周梁10及び非外周梁20の幅、せいの寸法も構造設計に応じて適宜、異なるものとすることができる。
<第1耐火材30>
図2に示すように、耐火気密構造100は、第1耐火材30を備える。第1耐火材30は、外周梁10の周囲に被覆されている。そして、第1耐火材30は、外周梁10の屋内側を覆う位置に、可撓性を有する第1通気耐火材31を備えている。
具体的に、本実施形態の第1耐火材30は、耐火性を有し気密性を有さない、繊維系材料からなる第1通気耐火材31と、耐火性及び気密性を有する第1気密耐火材32と、により構成されている。つまり、外周梁10は、その延在方向Aと直交する断面視で、第1通気耐火材31及び第1気密耐火材32により周囲を覆われることで、耐火被覆されている。
第1通気耐火材31としては、例えば、グラスウール、ロックウール、フェルト、セラミックファイバやアクリル繊維等からなる耐火被覆材、等が挙げられる。
第1通気耐火材31は、外周梁10の鉛直方向下側から、外周梁10の屋内側に亘って、外周梁10を覆っている。
第1気密耐火材32としては、例えば、ALCパネル、プレキャストコンクリート(PC)パネル、現場打ちコンクリート、等が挙げられる。本実施形態の第1気密耐火材32は、外周梁10の屋外側を覆う耐火壁材33と、外周梁10の鉛直方向上側を覆う耐火床材34と、を備える。本実施形態の耐火壁材33は、外周壁2の外壁パネル2aとしてのALCパネルにより構成されているが、外周壁2における外壁パネル2aとは別の部材により構成されてもよい。更に、本実施形態の耐火床材34は、床3の床スラブ材3aとしてのALCパネルにより構成されているが、床3における床スラブ材3aとは別の部材により構成されてもよい。
このように、本実施形態の外周梁10は、第1通気耐火材31と、第1気密耐火材32としての耐火壁材33及び耐火床材34と、により耐火被覆されている。より具体的に、本実施形態では、外周梁10の延在方向Aと直交する断面視で、外周梁10の屋外側の側面を覆う耐火壁材33と、外周梁10の鉛直方向上側の面(上面)を覆う耐火床材34と、が接触するように配置されている。また、外周梁10の延在方向Aと直交する断面視で、第1通気耐火材31は、外周梁10の鉛直方向下側の面(下面)から、外周梁10の屋内側の側面を覆うように、外周梁10に巻き付けられている。そして、第1通気耐火材31のうち外周梁10の鉛直方向下側を覆う下側被覆部31aの屋外側の、耐火壁材33に沿って延在する端部31a1が、耐火壁材33の屋内側の面である内面に接触する状態で、耐火壁材33に固定されている。更に、第1通気耐火材31のうち外周梁10の屋内側を覆う屋内側被覆部31bの、耐火床材34に沿って延在する上端部31b1が、耐火床材34の下面に接触する状態で、耐火床材34に固定されている。第1通気耐火材31及び耐火壁材33は、例えば釘、ビス等の固定部材により固定されてよい。第1通気耐火材31及び耐火床材34についても、例えば釘、ビス等の固定部材により固定されてよい。このように、本実施形態の外周梁10は、その延在方向Aと直交する断面視で、第1通気耐火材31と、第1気密耐火材32としての耐火壁材33及び耐火床材34と、により周囲が取り囲まれることで、耐火被覆されている。
本実施形態の第1耐火材30は、上述したように、第1通気耐火材31と、第1気密耐火材32と、を備えるが、この構成に限られない。第1耐火材30は、外周梁10の周囲を被覆しており、外周梁10の屋内側を覆う位置に繊維系材料からなる第1通気耐火材31を少なくとも備える構成であればよい。したがって、第1耐火材30は、例えば、外周梁10の屋内側に限られず、外周梁10の周囲全域を覆う第1通気耐火材31により構成されてもよい。また、本実施形態の第1気密耐火材32は、耐火壁材33及び耐火床材34を備えるが、耐火壁材33及び耐火床材34に加えて又は代えて、別の部材を備えてもよい。例えば、第1気密耐火材32としての耐火壁材33及び耐火床材34の間に間隙がある場合に、この間隙に別部材により構成される第1気密耐火材32が挿入又は充填されていてもよい。
<第2耐火材40>
図3に示すように、耐火気密構造100は、第2耐火材40を備える。図3に示すように、第2耐火材40は、非外周梁20の周囲に被覆されている。そして、第2耐火材40は、可撓性を有する第2通気耐火材41を備えている。
具体的に、本実施形態の第2耐火材40は、耐火性を有し気密性を有さない、繊維系材料からなる第2通気耐火材41と、耐火性及び気密性を有する第2気密耐火材42と、により構成されている。つまり、非外周梁20は、その延在方向Bと直交する断面視で、第2通気耐火材41及び第2気密耐火材42により周囲を覆われることで、耐火被覆されている。
第2通気耐火材41としては、例えば、グラスウール、ロックウール、フェルト、セラミックファイバやアクリル繊維等からなる耐火被覆材、等が挙げられる。
本実施形態の第2通気耐火材41は、非外周梁20の両側面、及び、非外周梁20の鉛直方向下側の面(下面)、を覆っている。
第2気密耐火材42としては、例えば、ALCパネル、PCパネル、現場打ちコンクリート等が挙げられる。本実施形態の第2気密耐火材42は、非外周梁20の鉛直方向上側を覆う耐火床材34を備える。本実施形態の耐火床材34は、床3の床スラブ材3aとしてのALCパネルにより構成されているが、床3における床スラブ材3aとは別の部材により構成されてもよい。
このように、本実施形態の非外周梁20は、第2通気耐火材41と、第2気密耐火材42としての耐火床材34と、により耐火被覆されている。より具体的に、本実施形態では、非外周梁20の延在方向Bと直交する断面視で、第2通気耐火材41は、非外周梁20の一方の側面、非外周梁20の下面、及び、非外周梁20の他方の側面、を覆うように非外周梁20に巻き付けられている。換言すれば、本実施形態の第2通気耐火材41は、非外周梁20の鉛直方向下側を覆う下面被覆部41aと、非外周梁20の両側面それぞれを覆う側面被覆部41b、41cと、を備えている。そして、第2通気耐火材41のうち非外周梁20の両側面を覆う側面被覆部41b、41cの、耐火床材34に沿って延在する上端部41b1、41c1が、耐火床材34の下面に接触する状態で、耐火床材34に固定されている。第2通気耐火材41及び耐火床材34は、例えば釘、ビス等の固定部材により固定されてよい。このように、本実施形態の非外周梁20は、その延在方向Bと直交する断面視で、第2通気耐火材41と、第2気密耐火材42としての耐火床材34と、により周囲が取り囲まれることで、耐火被覆されている。
本実施形態の第2耐火材30は、上述したように、第2通気耐火材41と、第2気密耐火材42と、を備えるが、この構成に限られない。第2耐火材40は、非外周梁20の周囲を被覆しており、その一部に繊維系材料からなる第2通気耐火材41を少なくとも備える構成であればよい。したがって、第2耐火材40は、例えば、非外周梁20の周囲全域を覆う第2通気耐火材41により構成されてもよい。また、本実施形態の第2気密耐火材42は、耐火床材34を備えるが、耐火床材34に加えて又は代えて、別の部材を備えてもよい。例えば、第2気密耐火材42としての耐火床材34が、非外周梁20の鉛直方向上側で分割され、そこに間隙がある場合に、この間隙に別部材により構成される第2気密耐火材42が挿入又は充填されていてもよい。
<第1気密材50>
図2に示すように、耐火気密構造100は、第1気密材50を備える。第1気密材50は、第1通気耐火材31を覆っている。上述したように、第1通気耐火材31は、外周梁10の少なくとも屋内側を覆っている。そのため、第1気密材50は、外周梁10の屋内側を覆う第1通気耐火材31の更に屋内側を少なくとも覆っている。但し、本実施形態の第1通気耐火材31は、上述したように、外周梁10の鉛直方向下側を覆う下側被覆部31aと、外周梁10の屋内側を覆う屋内側被覆部31bと、を備えている。そのため、本実施形態の第1気密材50は、下側被覆部31aから屋内側被覆部31bに亘って、第1通気耐火材31を覆っている。より具体的に、本実施形態の第1気密材50は、下側被覆部31aの全域、及び、屋内側被覆部31bの全域、を覆っている。そして、第1気密材50のうち、下側被覆部31aの端部31a1の屋内側を覆う部分の下端部50aは、例えば、耐火壁材33に接続されてよい。但し、本実施形態では、耐火壁材33としての外壁パネル2aの屋内側に、発泡樹脂系の気密断熱材からなる断熱材2bが配置され、この断熱材2bの屋内側の面で、外周壁2の気密ラインが形成されている。そのため、本実施形態では、下側被覆部31aの端部31a1の屋内側を覆う、第1気密材50の下端部50aは、断熱材2bに接続されている。第1気密材50及び断熱材2bは、例えば気密テープ等により、気密ラインが連続するように接続される。また、屋内側被覆部31bの上端部31b1を覆う、第1気密材50の上端部50bは、耐火床材34に接続されている。第1気密材50及び耐火床材34は、例えば気密テープ等により、気密ラインが連続するように接続される。このように、第1気密材50は、鉛直方向における外周梁10の位置で、外周壁2に沿う気密ラインが上下に分断されないように、外周壁2の断熱材2bと耐火床材34とを接続している。
第1気密材50としては、気密性を有するものであれば特に限定されない。したがって、第1気密材50は、充分な気密性を有するものであれば、その材料や厚さは特に限定されない。このような第1気密材50としては、例えば、合成樹脂系のシート、アルミニウムを含む金属箔のようなシート、等が挙げられる。第1気密材50がこのような気密シートからなる場合には、第1気密材50を予め第1通気耐火材31に取り付けて一体化した構成としてもよい。また、第1気密材50は、例えば、フェノールフォーム、ポリスチレンフォーム、ウレタンフォーム等の発泡樹脂系の気密断熱材としてもよい。本実施形態の第1気密材50は、発泡樹脂系の気密断熱材により構成されている。第1気密材50を発泡樹脂系の気密断熱材とすることで、気密性に加えて断熱性を高めることができる。
なお、図2に示すように、第1気密材50は、複数の気密材片を接続することにより構成されている。隣接する気密材片同士は、例えば気密テープ等により、隙間が生じないように接続されている。
<第2気密材60>
図4は、耐火気密構造100のうち、外周梁10と非外周梁20との接合部80の近傍を示す図である。図4に示すように、耐火気密構造100は、第2気密材60を備える。第2気密材60は、第2耐火材40で覆われることで非外周梁20の周囲に形成される、非外周梁20の延在方向Bに延びる通気路X、を遮るように配置されている。ここで言う「通気路X」とは、第2耐火材40と非外周梁20との間の空隙のみならず、第2耐火材40における第2通気耐火材41の内部も含む意味である。そして、第2気密材60は、第1気密材50に接続されている。第1気密材50及び第2気密材60は、例えば気密テープY1(図7参照)等により、気密ラインが連続するように接続される。
このような第2気密材60を設けることで、第2耐火材40の少なくとも一部に第2通気耐火材41を用いても、通気路Xが第2気密材60により遮られるため、延在方向Bにおいて第2気密材60より屋内側(外周梁10から遠ざかる方向)で、第2通気耐火材41を気密材により覆う気密処理が不要となる。そのため、例えば、非外周梁20の延在方向Bの全域に亘って、第2通気耐火材41を用いた耐火被覆を施しても、非外周梁20の延在方向Bにおいて第2気密材60より外周梁10側の部分のみに気密処理を行えばよい。つまり、非外周梁20に対する気密処理が必要な範囲を狭めることができ、この点で、作業手間及びコストを軽減できる。特に、第2気密材60を、外周梁10と非外周梁20との接合部80の近傍に配置することで、非外周梁20の延在方向Bの大部分の範囲で、気密処理を不要にでき、外周梁10及び非外周梁20の接合部80の位置でも、外周壁2に沿う気密ラインを実現し易くなる。具体的に、本実施形態では、図4に示すように、第2耐火材40の第2通気耐火材41が気密材により被覆されていない。
第2気密材60としては、充分な気密性を有するものであれば特に限定されない。したがって、第2気密材60は、充分な気密性を有するものであれば、その材料や形状、厚さ等の寸法は特に限定されない。このような第2気密材60としては、例えば、合成樹脂系の板、アルミニウムを含む金属板、プラスチック板等が挙げられる。また、第2気密材60は、例えば、フェノールフォーム、ポリスチレンフォーム、ウレタンフォーム等の発泡樹脂系の気密断熱材としてもよい。第2気密材60を発泡樹脂系の気密断熱材により構成する場合、気密性に加えて断熱性を高めることができる。
第2気密材60は、外周梁10及び非外周梁20の接合部80の近傍で、第1耐火材30と第2耐火材40とを仕切るように配置されてよい。この一例として、第2気密材60は、第1耐火材30の第1通気耐火材31と、第2耐火材40の第2通気耐火材41と、を仕切るように配置されてよい。また、第2気密材60は、非外周梁20の延在方向Bにおいて第2耐火材40同士を仕切るように配置されてよい。この一例として、第2気密材60は、非外周梁20の延在方向Bにおいて第2通気耐火材41同士を仕切るように配置されてよい。本実施形態の第2気密材60は、第1耐火材30の第1通気耐火材31と、第2耐火材40の第2通気耐火材41と、を仕切るように配置されている。この配置の詳細は後述する(図6参照)。
このように、第2気密材60は、耐火気密構造100の耐火性を損なうことなく、第1耐火材30と第2耐火材40との間、又は、非外周梁20の延在方向Bにおいて第2耐火材40同士、を仕切るように配置されることで、通気路Xを遮るものである。このような第2気密材60の役割に基づき、第2気密材60は、気密性に加えて、第1耐火材30及び第2耐火材40、又は、非外周梁20の延在方向Bにおいて第2耐火材40同士、の継ぎ目における耐火被覆の連続性を高めるために、難燃材、準不燃材、不燃材、不燃性又は耐火性を有するその他の材料、とすることが好ましい。このような第2気密材60としては、例えば、難燃プラスチック板、金属板、石膏ボード、セメント板、ケイ酸カルシウム板等が挙げられる。
第2気密材60は、非外周梁20に保持されてよい。図5は、本実施形態の第2気密材60の詳細を示す図である。図5では、説明の便宜上、第2耐火材40の図示を省略している。図5に示すように、第2気密材60は、延在方向Bに延在する非外周梁20の凹部21に収容される嵌め込み部61と、この嵌め込み部61及び非外周梁20の周囲を覆う外縁部62と、を備える。本実施形態の非外周梁20はH形鋼であり、非外周梁20の凹部21は、ウェブ20aと、上下フランジ20b、20cと、の間に囲まれる溝部を意味する。したがって、本実施形態の嵌め込み部61は、非外周梁20の凹部21としての溝部に収容されるように、この溝部に嵌め込まれている。嵌め込み部61は、H形鋼からなる非外周梁20の両側面それぞれの凹部21としての溝部に嵌め込まれている。本実施形態の外縁部62は、嵌め込み部61の周囲で、非外周梁20の側面及び下面を覆っている。具体的に、本実施形態の外縁部62は、非外周梁20の下面を覆う下面被覆部62aと、嵌め込み部61が収容される凹部21が形成されている非外周梁20の両側面を覆う側面被覆部62b、62cと、を備えている。側面被覆部62b、62cは、嵌め込み部61に接着等により接合されてよい。また、図5に示すように、本実施形態の外縁部62は、下面被覆部62aの位置で分割された2つの分割片から構成されてよい。外縁部62を構成する2つの分割片は、各分割片の下面被覆部62aの端面同士を接着等することにより接合されてよい。なお、第2気密材60のうち非外周梁20と隣接する部分は、例えば気密テープY2(図7参照)等により、間隙が生じないように気密処理されている。
このように、本実施形態の第2気密材60は、別々に形成された嵌め込み部61及び外縁部62により構成されているが、第2気密材60は、この構成に限られない。第2気密材60は、例えば、嵌め込み部61及び外縁部62が一体で形成されると共に、図4と同様、下面被覆部62aの位置で分割された2つの分割片から構成されていてもよい。更に、第2気密材60は、例えば、非外周梁20に溶接等により接合されることで非外周梁20と一体で形成されたプレート部により構成されてもよい。
また、第2気密材60の詳細形状は特に限定されない。第2気密材60は、本実施形態のようにプレート状であってもよく、周囲の取り合い部の形状に対応した外形を有するブロック状であってもよい。更に、本実施形態の第2気密材60は、H形鋼からなる非外周梁20の形状に合わせた嵌め込み部61及び外縁部62を備えるが、嵌め込み部61及び外縁部62は、非外周梁20の実際の形状に合わせた形状とすることができる。したがって、非外周梁20が例えばC形鋼から構成される場合には、C形鋼の内部の凹部21の形状に合わせた嵌め込み部61、及び、C形鋼の外面形状に合わせた外縁部62、とすればよい。なお、上述したように、非外周梁20は、H形鋼又はC形鋼に限られず、例えば、L型鋼、T型鋼等、別の形状を有するものであってもよい。非外周梁20がL型鋼やT型鋼である場合、その内部の凹部21とは、非外周梁20のウェブ及びフランジの間に形成される窪みを言う。第2気密材60の嵌め込み部61は、その凹部21としての窪みの形状に合わせた形状とされてよい。なお、外縁部62は、非外周梁20がH形鋼又はC形鋼の場合と同様、非外周梁20の外面形状に合わせた形状とされてよい。更に、外縁部62の外縁は、第2耐火材40の外面に合わせた形状とされてもよく、第2耐火材40より外側に延設されていてもよい。
更に、図4に示すように、本実施形態の第2気密材60は、第2耐火材40から露出し、第1気密材50と接続される接続部62a1、62b1、62c1を備えている。つまり、接続部62a1、62b1、62c1は、第2耐火材40に覆われていない。本実施形態の第2気密材60は、第2耐火材40より外側に突出するように延設されており、本実施形態の接続部62a1、62b1、62c1は、この延設されている部分により構成されている。より具体的に、本実施形態の第2気密材60の接続部62a1、62b1、62c1は、外縁部62のうち、第2耐火材40より外側に延設されている部位である。接続部62a1は、第2気密材60の外縁部62の下面被覆部62aのうち、第2耐火材40より外側に突出するように延設されている部位である。接続部62b1は、第2気密材60の外縁部62の一方の側面被覆部62bのうち、第2耐火材40より外側に突出するように延設されている部位である。接続部62c1は、第2気密材60の外縁部62の他方の側面被覆部62cのうち、第2耐火材40より外側に突出するように延設されている部位である。このように、本実施形態の第2気密材60は、非外周梁20の下面側及び側面側で、第2耐火材40から露出する接続部62a1、62b1、62c1を備えている。第2気密材60に接続部62a1、62b1、62c1を設けることで、第1気密材50と第2気密材60とを容易に接続することができる。なお、第1気密材50と、第2気密材60の接続部62a1、62b1、62c1と、の接続は、例えば気密テープY1(図7参照)等を用いて、隙間が生じないように接続される。但し、第2気密材60の接続部は、本実施形態の構成に限られない。第2気密材60は、例えば、第2耐火材40の外面から突出するように延設されておらず、第2気密材60が、第2耐火材40の外面と面一となるように第2耐火材40から露出する接続部を備えてもよい(図9参照)。また、第2気密材60が、接続部として、第2耐火材40の外面に沿って延在する板状部を備えてもよい(図10参照)。これらの詳細は後述する(図9、図10参照)。
上述したように、本実施形態の第2気密材60は、第1耐火材30の第1通気耐火材31と、第2耐火材40の第2通気耐火材41と、を仕切るように配置されている。そのため、上述した「第2気密材60は第2耐火材40から露出」するとは、本実施形態では、第2気密材60が、隣接する第2通気耐火材41に覆われていないことを意味している。
図6は、第1通気耐火材31の屋内側が第1気密材50により覆われる前の施工途中の状態を示す図である。図6に示すように、本実施形態の第1通気耐火材31は、ベース部35と、突出部36と、を備える。ベース部35は、外周梁10の屋内側で、鉛直方向に延在している。より具体的に、本実施形態のベース部35は、外周梁10の屋内側の面を覆うように、鉛直方向に延在している。本実施形態のベース部35は、屋内側被覆部31bの一部により構成されている。突出部36は、非外周梁20の周囲で、ベース部35から非外周梁20の延在方向Bに沿って突出している。換言すれば、本実施形態の突出部36は、非外周梁20の周囲で、ベース部35を構成する屋内側被覆部31bから非外周梁20の延在方向Bに向かって立ち上がる立ち上がり部である。図7は、図6に示す状態から、第1通気耐火材31の屋内側に第1気密材50を配置し、第1気密材50と第2気密材60とを接続した状態を示す図である。図7に示すように、図6に示す状態から、第1気密材50は、第1通気耐火材31のベース部35の屋内側を覆う位置に配置される。図6、図7に示すように、第2気密材60は、第1通気耐火材31の突出部36の先端面と、第2耐火材40と、の間に介在している。より具体的に、本実施形態の第2気密材60は、第1通気耐火材31の突出部36の先端面と、第2耐火材40の第2通気耐火材41と、の間に介在している。そして、図7に示すように、ベース部35の屋内側に配置される第1気密材50の屋内側の面と、第2気密材60のうち第2耐火材40側の面と、の間を跨るように気密テープY1が貼着されることにより、第1気密材50及び第2気密材60は接続される。なお、図4では、気密テープY1の図示が省略されている。
このように、外周梁10の屋内側に配置される第1通気耐火材31が上述のベース部35及び突出部36を備え、第2気密材60を突出部36の先端面と第2耐火材40との間に挟むように配置することで、ベース部35の屋内側に配置される第1気密材50と、第2気密材60と、の延在方向Bの位置関係を、両者に跨って気密テープY1を貼着し易い位置関係に、調整し易くなる。本実施形態では、第1気密材50の屋内側の面と、第2気密材60の第2耐火材40側の面と、が面一となるような位置関係に調整されている。これにより、第1気密材50及び第2気密材60の間の気密処理を容易に行うことができる。
特に、本実施形態の第2気密材60は、上述した接続部62a1、62b1、62c1を備える。そのため、第1気密材50及び第2気密材60の間の気密処理を、より容易に行うことができる。
なお、上述したように、第2気密材60の接続部は、本実施形態の構成に限られない。図9、図10は、第2気密材60の接続部の変形例を示す図である。図9は、第2気密材60が第2耐火材40の外面から突出するように延設されておらず、第2気密材60が、第2耐火材40の外面と面一となるように第2耐火材40から露出する接続部63を備える構成を示している。図10は、第2気密材60が、接続部63として、第2耐火材40の外面に沿って延在する板状部を備える構成を示している。図10に示す、接続部63としての板状部を備える第2気密材60は、例えば、金属板等により形成されてよい。図9、図10に示すように、気密テープY1は、第2気密材60の接続部63と、第1気密材50と、に跨るように貼着されてよい。このように、第2気密材60の接続部は、第2耐火材40から露出する構成であれば、図7等に示す本実施形態の構成に限られない。
また、図7、図9、図10に示すように、第2気密材60及び非外周梁20のウェブ20aについても、気密テープY2等により、両者の間に隙間が生じないように接続されていることが好ましい。
図8は、第2気密材60の近傍の構成の一変形例を示す図である。図8では、説明の便宜上、第2耐火材40の図示を省略している。図8に示すように、耐火気密構造100は、第2気密材60の嵌め込み部61の少なくとも一部を、非外周梁20の延在方向Bの少なくとも一方側から覆う遮熱材70を更に備えてもよい。遮熱材70は、第2耐火材40(図6等参照)と接するように配置されていることが好ましい。図8に示す例では、第2気密材60の嵌め込み部61の延在方向Bの両側が、遮熱材70により覆われている。このような遮熱材70を設けることで、第2気密材60と、第2気密材60に隣接する第1耐火材30又は第2耐火材40と、の間の隙間を通じて、外周梁10又は非外周梁20が火炎にさらされたり、外周梁10又は非外周梁20に熱が伝わることを抑制できる。
遮熱材70の材料としては、遮熱性を有する材料であればよい。また、遮熱材70の材料としては、上述した第2気密材60と同様に、充分な気密性を有するものであることが好ましい。更に、遮熱材70の材料としては、外周梁および非外周梁の耐火被覆構造の耐火性能を担保することが可能な、難燃材、準不燃材、不燃材又は耐火性を有する材料から選択されることが、より好ましい。。これらの特性を充足可能な遮熱材70としては、例えば、難燃プラスチック板、金属板、石膏ボード、セメント板、ケイ酸カルシウム板等が挙げられる。
遮熱材70は、隣接する第1耐火材30又は第2耐火材40との間に隙間が生じないように、隣接する第1耐火材30又は第2耐火材40と接触する状態で配置されていることが好ましい。
本発明に係る耐火気密構造及び耐火建築物は、上述した実施形態及び変形例に示す具体的な構成に限られず、特許請求の範囲の記載を逸脱しない限り、種々の変形、変更、組み合わせが可能である。例えば、上述した実施形態及び変形例では、第2気密材60が、第1耐火材30(より具体的には第1耐火材30の第1通気耐火材31)と第2耐火材40(より具体的には第2耐火材40の第2通気耐火材41)との間を仕切る構成を例示説明しているが、この構成に限られない。図11に示すように、第2気密材60は、第2耐火材40同士を仕切る構成であってもよい。より具体的に、図11に示す第2気密材60は、第2耐火材40の第2通気耐火材41同士を仕切る構成である。図11に示すように、第2気密材60に対して接合部80(図1参照)側となる第1耐火材30側に位置する第2通気耐火材41の周囲は、気密材90により被覆されている。気密材90としては、気密性を有するものであれば特に限定されない。したがって、気密材90は、充分な気密性を有するものであれば、その材料や厚さは特に限定されない。このような気密材90としては、例えば、合成樹脂系のシート、アルミニウムを含む金属箔のようなシート、等が挙げられる。気密材90がこのような気密シートからなる場合には、気密材90を予め第2通気耐火材41に取り付けて一体化した構成としてもよい。また、気密材90は、例えば、フェノールフォーム、ポリスチレンフォーム、ウレタンフォーム等の発泡樹脂系の気密断熱材としてもよい。図11に示す気密材90は、発泡樹脂系の気密断熱材により構成されている。気密材90を発泡樹脂系の気密断熱材とすることで、気密性に加えて断熱性を高めることができる。図11に示す例では、第1気密材50と気密材90との間が、気密テープY3により気密処理されている。
本発明は耐火気密構造及び耐火建築物に関する。
2:外周壁
2a:外壁パネル
2b:断熱材
2c:内装材
3:床
3a:床スラブ材
3b:天井内装材
3c:床内装材
10:外周梁
10a:ウェブ
10b:上フランジ
10c:下フランジ
20:非外周梁
20a:ウェブ
20b:上フランジ
20c:下フランジ
21:凹部
30:第1耐火材
31:第1通気耐火材
31a:下側被覆部
31a1:下側被覆部の端部
31b:屋内側被覆部
31b1:屋内側被覆部の上端部
32:第1気密耐火材
33:耐火壁材
34:耐火床材
35:ベース部
36:突出部
40:第2耐火材
41:第2通気耐火材
41a:下面被覆部
41b、41c:側面被覆部
41b1、41c1:側面被覆部の上端部
42:第2気密耐火材
50:第1気密材
50a:第1気密材の下端部
50b:第1気密材の上端部
60:第2気密材
61:嵌め込み部
62:外縁部
62a:下面被覆部
62b、62c:側面被覆部
62a1、62b1、62c1:接続部
70:遮熱材
80:接合部
90:気密材
100:耐火気密構造
200:耐火建築物
A:外周梁の延在方向
B:非外周梁の延在方向
X:通気路
Y1、Y2、Y3:気密テープ

Claims (5)

  1. 外周壁に沿って延在する外周梁と、
    前記外周梁に接合され、前記外周梁から屋内側に向かって延在する非外周梁と、
    前記外周梁の屋内側を覆う位置に繊維系材料からなる第1通気耐火材を備え、前記外周梁の周囲に被覆されている、第1耐火材と、
    繊維系材料からなる第2通気耐火材を備え、前記非外周梁の周囲に被覆されている、第2耐火材と、
    前記第1通気耐火材の屋内側を覆う第1気密材と、
    前記第1耐火材と前記第2耐火材との間、又は、前記第2耐火材同士、を仕切り、前記第2耐火材で覆われることで前記非外周梁の周囲に形成される、前記延在方向に延びる通気路、を遮るように配置され、前記第1気密材に接続されている、第2気密材と、を備える、耐火気密構造。
  2. 前記第2気密材は、前記第2耐火材から露出し、前記第1気密材と接続される接続部を備える、請求項1に記載の耐火気密構造。
  3. 前記第1通気耐火材は、
    前記外周梁の屋内側で、鉛直方向に延在するベース部と、
    前記非外周梁の周囲で、前記ベース部から前記非外周梁の前記延在方向に沿って突出する突出部と、を備え、
    前記第1気密材は、前記第1通気耐火材の前記ベース部の屋内側を覆う位置に配置されており、
    前記第2気密材は、前記第1通気耐火材の前記突出部の先端面と、前記第2耐火材と、の間に介在しており、
    前記第1気密材の屋内側の面と、前記第2気密材のうち前記第2耐火材側の面と、の間を跨るように気密テープが貼着されていることにより、前記第1気密材及び前記第2気密材は接続されている、請求項1又は2に記載の耐火気密構造。
  4. 前記非外周梁は、前記延在方向に延在する凹部を備え、
    前記第2気密材は、前記非外周梁の前記凹部に収容されて配置される嵌め込み部を備え、
    前記第2気密材の前記嵌め込み部の少なくとも一部を、前記非外周梁の前記延在方向の少なくとも一方側から覆う、遮熱材を備える、請求項1又は2に記載の耐火気密構造。
  5. 請求項1又は2に記載の耐火気密構造を備える耐火建築物。

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