JPH0696271B2 - タイヤ滑り止め装置の製造方法 - Google Patents

タイヤ滑り止め装置の製造方法

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JPH0696271B2
JPH0696271B2 JP14656786A JP14656786A JPH0696271B2 JP H0696271 B2 JPH0696271 B2 JP H0696271B2 JP 14656786 A JP14656786 A JP 14656786A JP 14656786 A JP14656786 A JP 14656786A JP H0696271 B2 JPH0696271 B2 JP H0696271B2
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義則 下川
忠雄 市川
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明はタイヤの外周へ装着されて車両進行時にタイヤ
の滑りを防止するタイヤ滑り止め装置の製造方法に関す
る。
[背景技術及び解決すべき事項] 積雪時等に使用される車両用タイヤ滑り止め装置として
は、タイヤ外周へ装着される金属チエーンが一般的であ
る。しかし金属チエーンは装着が煩雑であり。走行時の
騒音が大きく、また走行時にチエーンが車体に当り車体
を傷つけるという欠点がある。
このためゴム製、ウレタンエラストマ製等の滑り止め装
置が提案されている(実公昭54−8483号)。さらにこの
走行時における騒音を少なくするためにゴムのネツト形
状に形成したタイヤ滑り止め装置もある。
このようなタイヤ滑り止め装置では、製作時にゴムの内
部へ補強コードを埋設する必要がある。(特開昭61−84
212号)。この製作時には、補強コードを加熱されたモ
ールド上で張り巡らせる必要があるため、長時間の作業
となるとともに補強コードに、被覆したゴムが焼き付く
等の品質上の欠点が生ずる。また手作業における補強コ
ードの張設作業は、コード中心位置がずれたり、ゴムの
外部へ露出する等の品質不良の原因となる。更に複数本
の補強コードを張設するため長時間の作業になるととも
に、製品の使用時に部分的に作用する外力がすべての補
強コードへ支持されないので抗張力が低いものとなる。
本発明は上記事実を考慮し、補強コードの埋設が正確か
つ簡単であり、抗張力を増大することができるタイヤ滑
り止め装置の製造方法を得ることが目的である。
[発明の概要及び作用] 本発明に係る製造方法は、所定間隔で立設される複数の
ピンへ第1ゴム層を圧入してピンを第1ゴム層へ貫通さ
せ、貫通したピンをガイドとして補強コードを巻掛け、
さらに前記ピンへ第2ゴム層を圧入して第1ゴム層との
間に補強コードを挟持し、開口部を打抜いてゴムシート
を形成し、このゴムシートをモールドへ組込んで加硫と
することを特徴としている。
このため本発明では加硫前にゴムシートを形成する段階
で、第1ゴム層から突出した複数のピンへ補強コードを
巻きかけるので、加熱されたモールド上での補強コード
の巻掛作業が不用であり、正確かつ容易な巻掛ができ
る。また加硫用のモールドに関係なく巻掛が可能である
ため、補強コードを自動的に巻掛けることができる。ま
たこの補強コードは連続した一本の補強コードを用いる
ので、巻掛作業が容易であるとともに、使用時に部分的
に外力が作用した場合にも、連続した補強コードの他の
部分へもこの外力が作用し、大きな外力に耐えることが
できる。
補強コードの巻掛用ピンはピンモールドの基板から突出
させ、このピンへ第1ゴム層を圧入する前に多孔パレッ
トを挿入しておけば、ゴムシートを形成した後にこの多
孔パレットをピンモールドから抜き出せば、ゴムシート
が容易にピンモールドから取出可能である。
[発明の実施例] 第1,2図には本実施例によって製作されたタイヤ滑り止
め装置10が示されている。このタイヤ滑り止め装置10は
ゴム製本体12の内部に補強用ワイヤー、コード等の補強
材13(第3図参照)が封入されている。
本体12は第1図に示される如く平面形状が六角形の外枠
体部14がその一辺で隣接する外枠体部14と連結されてお
り、全体として細長形状となっている。
各外枠体部14には隣接する外枠体部14との連結されてい
ない六角形の頂部に突出部16が形成され、この突出部16
に設けられた取付孔18には取付金具20、22が連結される
ようになっている。取付金具20には図示しないゴム輪が
係止されて本体12をタイヤの軸方向位置側へ引張り、取
付金具22にはゴム紐24が係止され、このゴム紐24の両端
部が互いに連結されることにより本体12をタイヤの軸方
向他側へ引っ張り、これによって本体12をタイヤ外周へ
と巻き付けるようになっている。
外枠体部14内には取付金具20、22付近に両端部が一体的
に連結されるV字型の小枠体部26が配置され、これらの
小枠体部26の中央屈曲部間が小枠体部28で互いに連結さ
れている。
このため小枠体部26、小枠体部28は外枠体部14の内部に
六角形の小開口30と菱形の小開口32とを形成して本体12
の表裏面を貫通させている。
前記補強材13は第3図に示される如く外枠体部14,小枠
体部26,小枠体部28内へ連続的に掛け渡される連続一体
形状とされている。この実施例では補強材13が始端13A
から始まって交互に取付孔18を周回して略サインカーブ
状に通過した後に再び略サインカーブ状に取り回され、
次に小枠体部26,小枠体部28内を通過し、終端13Bへと至
っている。
第4、5図に示される如く外枠体部14の一部には加硫成
型後に外枠体部14を周回する金具34が取り付けられてい
る。この金具34はS20C、S25C等の軟鉄材料で製作されて
おり、外枠体部14の外周へ長円形状にかしめ固着されて
いる。
金具34の接地側34Aには第6図に示される如く凹部38が
形成され、円柱状接地用チツプ40の一端が挿入されてい
る。この接地用チツプ40は金具34へ銅ろう42によりろう
付け固着されている。この接地用チツプ40の一端は接地
側34Aから突出して接地用となっている。
小枠体部26、小枠体部28にも適宜位置に金具34を取り付
けることができる。
第3図に示される如く補強材13は本体12内の外枠体部1
4,小枠体部26,小枠体部28の全ての内部に埋設されてい
る。すなわちこの補強材13は本体12の内部へ埋設される
連続的な一体品であり、本体12の内部で切断されること
なく、あたかも一筆書きの如く張り巡らされている。
次に本実施例のタイヤ滑り止め装置10を製作する手順に
ついて第7図に従い説明する。
基板50から複数個のピン52,ピン53が突出したピンモー
ルド54を準備する。ピン52は第1図の取付孔18に対応し
ており、ピン53は第3図に示される補強材13の屈曲部に
対応している。すなわちピン52は取付孔18の内径と同一
の外径を有しているが、ピン53は補強材13の巻掛用であ
り、加硫成型後にはタイヤ滑り止め装置10へこのピン53
によって形成される穴が残存しないようにするため、ピ
ン52よりもかなり細い直径となっている。
ここでピン52,ピン53は第1ゴム層60を貫通させる。こ
のためピン52,ピン53は第1ゴム層60から先端部が突出
する。
ここで、図示しない補強材編み機で補強材13をピン52,
ピン53へ巻掛ける。
この補強材13は第3図に示される巻掛パターンに限ら
ず、一個の本体12内へ連続的に補強材13を巻き掛ける形
状であれば全て適用できる。またこの補強材13の巻掛部
は本体12内の一部では補強材13の中間部が2回通過した
り、3回通過したりする部分もある。
補強材13の巻掛終了後は、突出しているピン52,ピン53
へ第2ゴム層74を載置し、ピンモールド54へと押圧す
る。
これによってピン52,53がゴム層74を貫通し、未加硫の
ゴムシートが出来上がる。このゴムシートは打抜きカツ
タ76を用いて第1図に示される小開口30,小開口32の外
形状を打抜く。この打抜きカツタ76は外枠体部14内の小
開口30,32を一度に打抜く構成であってもよい。
打抜きカツタ76で打ち抜かれた打抜き部は取り出され、
一方ゴムシートは加硫用型(図示省略)内へ収容され
る。この加硫用型内にはあらかじめゴムシートを収容す
るための凹部が形成されている。
この加硫用型は加硫機へ取り付けられ、所定の温度と圧
力が加えられて加硫が行なわれ、タイヤ滑り止め装置10
が出来上がる。
その後タイヤ滑り止め装置10へは必要に応じて第4図に
示される金具34が取り付けられる。
なお金具34を取り付けるためのリング状溝を本体12の外
周へ形成する場合には、加硫用型の凹部にこの溝に対応
した突出部を設ければよい。
このように本実施例では補強材13を加硫用型とは別個の
場所でピン52,ピン53へ巻き掛けるので、加硫用型の高
温雰囲気とは関係ない場所で確実な作業が可能となる。
また補強材13の巻掛用として編み機を用いれば、自動的
な補強材の巻掛けが可能であり、さらに確実な作業とな
る。
このため補強材13に被覆したゴムが加硫用型の熱で焼け
たり、成型後に本体12の外部へ補強材13が突出する等の
不具合はない。
使用時には本体12の内部に連続的に埋設されている補強
材13が確実にその張力を支持できる。この補強材13が連
続的に埋設されているため、本体12の一部に加わる外力
は補強材13の広い範囲に渡って伝達され、確実な支持が
可能となる。
[発明の効果] 以上説明した如く本発明に係るタイヤ滑り止め装置の製
造方法は、所定間隔で立設される複数のピンへ第1ゴム
層を圧入してピンを第1ゴム層へ貫通させ、貫通したピ
ンをガイドとして補強コードを巻掛け、さらに前記ピン
へ第2ゴム層を圧入して第1ゴム層との間に補強コード
を挟持し、開口部を打抜いてゴムシートを形成し、この
ゴムシートをモールドへ組込んで加硫とすることを特徴
としているので、補強材の正確かつ簡単な取付が可能
で、抗張力の大きなタイヤ滑り止め装置を得ることがで
きる優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明によって製作したタイヤ滑り止め装置の
実施例を示す平面図、第2図は第1図の斜視図、第3図
は補強材の配設状態を示す平面図、第4図は第1図IV−
IV線断面図、第5図は第4図の平面図、第6図は第5図
のVI−VI線断面図、第7図は製作手順を示す分解図であ
る。 10……タイヤ滑り止め装置、 12……本体、 13……補強材、 14……外枠体部、 26……小枠体部、 28……小枠体部、 52……ピン、 53……ピン、 60……第1ゴム層、 74……第2ゴム層。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】所定間隔で立設される複数のピンへ第1ゴ
    ム層を圧入してピンを第1ゴム層へ貫通させ、貫通した
    ピンをガイドとして補強コードを巻掛け、さらに前記ピ
    ンへ第2ゴム層を圧入して第1ゴム層との間に補強コー
    ドを挟持し、開口部を打抜いてゴムシートを形成し、こ
    のゴムシートをモールドへ組込んで加硫することを特徴
    としたタイヤ滑り止め装置の製造方法。
  2. 【請求項2】前記補強コードは連続した一体品であるこ
    とを特徴とした前記特許請求の範囲第(1)項に記載の
    タイヤ滑り止め装置の製造方法。
  3. 【請求項3】基板から複数のピンが立設したピンモール
    ドへ多孔パレツトを挿入してピンを多孔プレートから突
    出させ、これらのピンへ第1ゴム層を圧入してピンを第
    1ゴム層へ貫通させ、貫通した複数のピンをガイドとし
    て一本の補強コードを連続的に巻きかけ、さらにこれら
    のピンへ第2ゴム層を圧入して補強コードを挟持したゴ
    ムシートを作成すると共に、多孔パレツトをピンモール
    ドから引抜いてゴムシートを抜出し、モールドへ組込ん
    で加硫することを特徴としたタイヤ滑り止め装置の製造
    方法。
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