JPH0688971B2 - マレイミド類の重合防止方法 - Google Patents

マレイミド類の重合防止方法

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JPH0688971B2
JPH0688971B2 JP62150110A JP15011087A JPH0688971B2 JP H0688971 B2 JPH0688971 B2 JP H0688971B2 JP 62150110 A JP62150110 A JP 62150110A JP 15011087 A JP15011087 A JP 15011087A JP H0688971 B2 JPH0688971 B2 JP H0688971B2
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健太郎 坂本
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はマレイミド類の重合防止方法に関する。詳しく
は、本発明は重合防止剤としてヒンダードフェノール類
を用いるマレイミド類の重合防止方法であり、例えば、
無水マレイン酸とアミン類とからマレイミド類を製造す
る工程、粗マレイミドを蒸留等によって精製する工程、
マレイミド類を貯蔵あるいは移送する工程等において、
この特定の重合防止剤を使用することによって顕著にマ
レイミド類の重合を防止する方法を提供するものであ
る。
〔従来の技術〕
マレイミド類はその分子構造上容易に重合反応をおこす
きわめて不安定な化合物である。それゆえに、従来、無
水マレイン酸とアミン類とからマレイミド類を製造する
工程や粗マレイミド類を精製する工程等において重合を
抑制する方法が種々提案されている。例えば、マレイミ
ド類の製造時、反応途中におけるマレイミド類の重合を
防止するために、減圧下においてマレインアミド酸を加
熱処理せしめることにより生成したマレイミド類を反応
系からすみやかに系外に留去する方法が特開昭47-27974
号公報に開示されている。また、特開昭53-137956号公
報には原料の無水マレイン酸の2重結合に前もってハロ
ゲン化水素を付加させて2重結合の重合反応性をなくし
てからアミン類と反応させ脱水閉環することによりマレ
イミド類を製造する方法が開示されている。しかし、い
ずれの方法もマレイミド類の重合を防止して収率よくマ
レイミド類を製造する方法を開示するには至っていな
い。
さらに、粗マレイミド類の精製時においては、できるだ
け熱をかけずに精製する方法が開示されており、例え
ば、特開昭58-96066号および特開昭60-100554号公報等
においてはメタノール、トルエン、イソプロパノールな
どの溶媒を用いて比較的低い温度で再結晶することによ
り精製されている。
しかしながら、このような条件で精製してもマレイミド
類を保存している間に重合が進んでしまい、ほとんど商
品価値のないものとなってしまう。
例えば、マレイミド類中にマレイミド類の単独重合物が
含有されている場合、一例としてこのマレイミド類とス
チレン、あるいはスチレンとアクリロニトリルなどとを
共重合させれば、この共重合物中にマレイミド類の単独
重合物がふくまれてしまうために耐熱性や強度が予想し
たほどあがらなかったり、マレイミドの単独重合物がモ
ノマーに不溶性であるために共重合物の外観、特に透明
度が極端に悪くなってしまい共重合体の商品価値を大い
に低下させてしまうことになる。
〔発明が解決しようとする問題点〕
このように、製造、精製、移送等の工程においてマレイ
ミド化合物の重合を防止することは非常に重要な課題で
あるにもかかわらず、その効果的重合防止法については
今までほとんど提案されていない。
そこで、本発明の目的は、かかる現状に鑑み、マレイミ
ド類そのものに着色させることなく、かつマレイミド類
の重合を効果的に防止する重合防止方法を提供すること
にある。
〔問題点を解決するための手段〕
かかる目的を達成するために、本発明者等は、鋭意検討
した結果、重合防止剤としてヒンダードフェノール類を
用いることにより、マレイミド類そのものを着色させる
ことなく、効率よく重合を防止できることを見出し本発
明を完成させるにいたったものである。
本発明において用いられるヒンダードフェノールとは、
2,4−ビス(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキ
シ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジ
ン、2,2′−チオビス−(4−メチル−6−t−ブチル
フェノール)およびトリエチレングリコール−ビス−
〔3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシ
フェニル)プロピオネイト〕から選ばれる少なくとも1
種である。
重合防止剤として一般に使用されているp−メトキシフ
ェノール、ハイドロキノンなどと比較して本発明が特定
するヒンダードフェノール類のマレイミド類に対する重
合防止効果には、後述の実施例および比較例から明らか
なように非常な差異が見られる。
本発明の重合防止方法を適用できるマレイミド類として
は、例えばマレイミド、N−メチルマレイミド、N−エ
チルマレイミド、N−ヘキシルマレイミド、N−オクチ
ルマレイミド、N−ドデシルマレイミド、N−ベンジル
マレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−フェ
ニルマレイミド、N−ニトロフェニルマレイミド、N−
メトキシフェニルマレイミド、N−メチルフェニルマレ
イミド、N−カルボキシフェニルマレイミド、N−ヒド
ロキシフェニルマレイミド、N−クロロフェニルマレイ
ミド、N−ジメチルフェニルマレイミド、N−ジクロロ
フェニルマレイミド、N−プロモフェニルマレイミド、
N−ジブロモフェニルマレイミド、N−トリクロロフェ
ニルマレイミド、N−トリブロモフェニルマレイミドな
どが挙げられ、さらに、これらの1種以上を含有する溶
液、たとえば、アクリロニトリル、スチレン、無水マレ
イン酸、(メタ)アクリル酸エステル等の溶液またはこ
れらの混合溶液等が挙げられるが、これらに限定される
ものではない。
ヒンダードフェノール類はマレイミド製造工程におい
て、たとえば原料中、アミド化反応時、イミド化反応
時、精製時、貯蔵時、移送時などのいずれの工程におい
ても使用することができ、優れた重合防止効果を与え
る。特に、マレイミド類を長期にわたって保存する場
合、マレイミド類の色相の変化などを惹起することなく
安定して保存することができる。
ヒンダードフェノール類の使用量は各工程の温度、時
間、圧力、気相ガス組成、液相組成などによって適宜決
定されるが、一般に、原料またはマレイミド類に対して
0.0001〜5重量%、好ましくは0.001〜1重量%となる
ように用いられる。また、このヒンダードフェノール類
は他の重合防止剤たとえばハイドロキノン、p−メトキ
シフェノールなどと併用することも可能である。さら
に、添加方法についてはこれらの重合防止剤を液体、粉
体状でそのまま添加してもよいし、溶媒、原料などに溶
解して添加することもできる。
〔実施例〕
以下、実施例に基いて本発明を更に具体的に説明する。
実施例1〜11および比較例1〜7 マレイミドの種類、重合防止剤の種類、その添加量、な
どの条件を種々かえて、マレイミド類と重合防止剤とを
試験管に封入し、150℃のオイルバス中につけ、3時間
加熱した。なおこの時、封管の気相部には窒素ガスを入
れた。3時間、加熱ののち封管をオイルバス中からとり
だし封管中のマレイミド類を冷却後粉砕し、高速液体ク
ロマトグラフィーにて分析した純度を測定し、第1表に
示すような結果を得た。
実施例12 純度99.8重量%の黄色のN−フェニルマレイミド1kgお
よびトリエチレングコール−ビス−〔3−(3−t−ブ
チル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオ
ネイト0.1gを直径10cm、高さ20cmで加熱用外とうのつい
たステンレス製容器の中で、外とう部から加熱すること
によって、内温を100℃とした。この時、N−フェニル
マレイミドは黄色の液体であった。なお、容器気相部は
窒素ガスで置換した。
この状態で30日間保持したところ、30日後のN−フェニ
ルマレイミドの色は最初の色を保ったままであり、この
ものの高速液体クロマトグラフィーによる分析によれ
ば、純度は99.6重量%でありほとんど変化はなかった。
比較例8〜11 実施例1と同様にして各種化合物をN−フェニルマレイ
ミドに添加し、その重合防止性能を評価し、その結果を
第2表に示した。
参考例 実施例1と同様にして各種ヒンダードフェノール類を添
加した時のN−フェニルマレイミドの重合速度定数を下
記式に基づき求め、その結果を第3表に示した。
X/X0=e-kt (式中、tは加熱時間(hr)、X0は加熱前のマレイミド
含有量、Xは加熱後のマレイミド含有量、kは速度定数
(hr-1)を示す。) 第3表の結果から、特に本発明のヒンダードフェノール
類はN−フェニルマレイミドの重合防止効果が優れてい
ることが分かる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き 審判の合議体 審判長 磯部 公一 審判官 吉田 敏明 審判官 宮本 和子 (56)参考文献 特開 昭61−229862(JP,A) 特開 昭62−126167(JP,A) 特開 昭62−63652(JP,A)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】重合防止剤として、 2,4−ビス(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキ
    シ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジ
    ン、 2,2′−チオビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェ
    ノール)、 および トリエチレングリコール−ビス−〔3−(3−t−ブチ
    ル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネ
    イト〕から選ばれる少なくとも1種のヒンダードフェノ
    ールを用いることを特徴とするマレイミド類の重合防止
    方法。
JP62150110A 1987-06-18 1987-06-18 マレイミド類の重合防止方法 Expired - Fee Related JPH0688971B2 (ja)

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