JP3165786B2 - マレイミド類のアクリロニトリル溶液の調製方法 - Google Patents

マレイミド類のアクリロニトリル溶液の調製方法

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JP3165786B2 JP14125696A JP14125696A JP3165786B2 JP 3165786 B2 JP3165786 B2 JP 3165786B2 JP 14125696 A JP14125696 A JP 14125696A JP 14125696 A JP14125696 A JP 14125696A JP 3165786 B2 JP3165786 B2 JP 3165786B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はマレイミド類のアク
リロニトリル溶液の調製方法に関し、詳しくは色相に優
れ、長期間の取り扱い後においても着色のないマレイミ
ド類のアクリロニトリル溶液を調製する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】N−フェニルマレイミドなどに代表され
るマレイミド類はアクリロニトリル−ブタジエン−スチ
レン(ABS)樹脂、アクリロニトリル−アクリルゴム
−スチレン(AAS)樹脂、アクリロニトリル−スチレ
ン(AS)樹脂、アクリロニトリル−塩素化ポリエチレ
ン−スチレン(ACS)樹脂などのアクリロニトリル系
共重合体の耐熱向上剤として、これら樹脂を構成するモ
ノマーとの共重合に広く用いられている。
【0003】常温で固体のマレイミド類は、その取り扱
いの際に粉化して、微粉末の発生による作業環境の悪化
などの問題を起こすことから、このような問題を解決す
るため、本出願人は先にマレイミド類をアクリロニトリ
ル溶液として取り扱う方法を提案した(特公平3−12
057号公報)。この取り扱い方法は、アクリロニトリ
ル溶液をそのままアクリロニトリル系共重合体の製造に
使用できることから、現在、工業的に広く用いられてい
る。
【0004】また、本出願人は、上記マレイミド類のア
クリロニトリル溶液の調製法として、粉体、フレーク、
タブレットなどの形状の固体マレイミド類をアクリロニ
トリルに溶解する方法も提案している(特公平6−70
008号、同6−70009号各公報)。上記固体マレ
イミド類については、通常、粗製マレイミド類を重合防
止剤の存在下に蒸留精製して得られる溶融状態の製品マ
レイミド類をいったん中間タンクに受けて貯蔵した後、
例えばフレーカーにかけて冷却、固化しフレーク状の製
品マレイミド類としている。通常、このフレーク状の製
品マレイミド類は紙袋、コンテナバック、アルミコンテ
ナーなどの充填容器にいれて保管するが、この保管は数
カ月という期間に及ぶ場合もある。
【0005】マレイミド類は鮮やかな黄色の結晶であ
り、そのアクリロニトリル溶液は黄色である。しかし、
このアクリロニトリル溶液を、例えば加温して貯蔵する
と、溶液の色が濃くなったり、場合によっては褐色に変
色する場合がある。このようなマレイミド類のアクリロ
ニトリル溶液をそのまま、例えばABS樹脂の製造に使
用すると、製品ABS樹脂の着色となって現れ、その商
品価値を著しく損なうことになる。特に、近年、最終樹
脂製品の商品価値を高めるために、マレイミド類のアク
リロニトリル溶液の色に関する基準もしくは要求が一段
と厳しくなっている。
【0006】しかし、前記特公平6−70008号公報
などに記載された方法にしたがって、固体マレイミド類
をアクリロニトリルに溶解して調製した溶液は、その調
製時に、重合禁止剤としてヒンダードフェノール類など
を添加しているにもかかわらず、タンクローリーなどに
よる輸送、タンクなどでの貯蔵、パイプ、バルブ、ノズ
ルなどを含めた配管(例えば、マレイミド類のアクリロ
ニトリル溶液の貯蔵槽から重合系への供給ライン)での
移送などの取り扱いの際に着色し、それを重合して得ら
れる最終樹脂製品の着色を引き起こす場合もあり、特に
近年の厳しい色に関する基準もしくは要求に応えられる
ものではなかった。
【0007】すなわち、前記特公平6−70008号公
報などに記載された方法にしたがって、予め重合禁止剤
を溶解したアクリロニトリルに固体マレイミド類を溶解
したり、あるいは固体マレイミド類に重合禁止剤を添加
した後にアクリロニトリルに溶解したりすることは、そ
れなりに有効なものではあるが、一定期間の取り扱いの
後でも着色がないという、近年の厳しい色に関する基準
もしくは要求をクリヤーできるマレイミド類のアクリロ
ニトリル溶液を得ることはできなかった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来方法の
問題点を解決して、色相に優れ、長期間の取り扱い後も
着色のないマレイミド類のアクリロニトリル溶液を調製
する方法を提供しようとするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、先ず、上
記マレイミド類のアクリロニトリル溶液の着色の原因に
ついて検討し、次のような知見を得るに至った。
【0010】(1)例えば、N−フェニルマレイミドの
場合、これをアクリロニトリルに溶解し、炭素鋼ないし
はステンレス鋼製のタンクに貯蔵する場合、通常の工業
用アクリロニトリル中には、少量の水が含まれているた
め、この水の作用によってN−フェニルマレイミドの加
水分解が一部起こってアニリンが生成し、さらにこのア
ニリンが分子状酸素の作用によって活性化(アニリンラ
ジカルの形成)し、これが原因となって着色原因物質が
形成される。この場合のアニリンラジカルの生成、ひい
ては着色原因物質の生成の原因の一つはN−フェニルマ
レイミドと分子状酸素との接触である。
【0011】(2)実際の工業プラントで製造される製
品マレイミド類中には、そのアクリロニトリルへの溶解
前に空気雰囲気に曝されるためラジカル発生源となる過
酸化物が生成し易い。それは、具体的には、溶融状態に
ある製品マレイミド類を冷却、固化して固体マレイミド
類を形成するに先だっての溶融状態にある製品マレイミ
ド類の中間タンクでの貯蔵工程、溶融状態にある製品マ
レイミド類を冷却、固化して、例えばフレーク状マレイ
ミド類とするためのフレーク化工程、あるいはこのフレ
ーク状マレイミド類を貯蔵する固体マレイミド類の貯蔵
工程において、空気雰囲気に曝されるからである。この
ため、製品マレイミド類中には、微量の過酸化物が生成
し、これがそのままマレイミド類のアクリロニトリル溶
液中に混入して着色原因物質の生成に関与し、マレイミ
ド類のアクリロニトリル溶液の着色などの好ましくない
結果を招く。
【0012】この問題を解決するため、上記各工程を窒
素雰囲気で行うことも考えられるが、この方法は溶融状
態のマレイミド類が重合するのを効果的に防止すること
ができず、また経済性などの観点から現実的ではない。
【0013】そこで、本発明者らはさらに研究を進め、
蒸留精製して得られる製品マレイミド類を固体化し、こ
の固体状の製品マレイミド類を保存した後、アクリロニ
トリルに溶解する場合には、従来方法にしたがって、予
め重合禁止剤を溶解したアクリロニトリルに固体マレイ
ミド類を溶解したり、あるいは固体マレイミド類に重合
禁止剤を添加した後にアクリロニトリルに溶解したので
は、着色のないマレイミド類のアクリロニトリル溶液を
得ることはできないが、製品マレイミド類を固化する
前、具体的には蒸留精製後の溶融状態にあるマレイミド
類に速やかに一般に一次酸化防止剤および二次酸化防止
剤と定義される酸化防止剤の組み合せを添加すると上記
目的を達成できることを知り、この知見に基づいて本発
明を完成するに至った。
【0014】すなわち、本発明は、粗マレイミド類を精
製して得られる溶融マレイミド類に一次酸化防止剤およ
び二次酸化防止剤を共存させた後、固体の形態にてアク
リロニトリルに溶解することからなるマレイミド類のア
クリロニトリル溶液の調製方法に関する。
【0015】また、本発明は、粗マレイミド類を精製し
て得られる溶融マレイミド類を、一次酸化防止剤および
二次酸化防止剤の共存下に、アクリロニトリルに溶解す
ることからなるマレイミド類のアクリロニトリル溶液の
調製方法に関する。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明で用いるマレイミド類とし
ては、N−メチルマレイミド、N−エチルマレイミド、
N−ヘキシルマレイミド、N−オクチルマレイミド、N
−ドデシルマレイミド、N−ベンジルマレイミド、N−
シクロヘキシルマレイミド、N−フェニルマレイミド、
N−ニトロフェニルマレイミド、N−メトキシフェニル
マレイミド、N−メチルフェニルマレイミド、N−カル
ボキシフェニルマレイミド、N−ヒドロキシフェニルマ
レイミド、N−クロルフェニルマレイミド、N−ジメチ
ルフェニルマレイミド、N−ジクロルフェニルマレイミ
ド、N−ブロムフェニルマレイミド、N−トリブロムフ
ェニルマレイミドなどを挙げることができる。これらの
うち、特にN−フェニルマレイミドが好適に用いられ
る。
【0017】本発明で用いるマレイミド類は、その製造
法に制限はなく、各種方法によって得られるものを使用
することができる。例えば、マレイミド類の前駆体とし
てのマレアミド酸類を無水酢酸などの酸無水物を用いて
脱水環化する方法、マレアミド酸類を減圧下に酸触媒と
ともに加熱し脱水環化する方法、マレアミド酸類を有機
溶媒中で加熱し、脱水環化によって生成する水を有機溶
媒との共沸混合物として反応系外に留去させながら反応
を行う方法、有機溶媒としてベンゼンなどの不活性有機
溶媒およびN,N−ジメチルホルムアミドなどの非プロ
トン性の極性有機溶媒からなる混合溶媒を用い、この混
合溶媒中でマレアミド酸類を加熱して脱水環化させる方
法などによって得られるマレイミド類を用いることがで
きる。
【0018】これら方法によって得られるマレイミド類
(本発明においては「粗マレイミド類」という(反応時
に用いた有機溶媒を含む場合もある))中には、例えば
酸触媒として用いたリン酸などが残留していることか
ら、通常、水洗、蒸留などの操作により精製して製品マ
レイミド類とする。具体的には、(1)粗マレイミド類
を水洗し、有機溶媒を分離した後、蒸留する、(2)粗
マレイミド類を硫酸などの無機酸で処理し、水洗した
後、有機溶媒を分離する、(3)粗マレイミド類を水洗
し、濃縮などによる再結晶を行った後、得られる結晶を
ろ過して分離する、などの一連の操作によって精製すれ
ばよい。
【0019】マレイミド類の製造法によっては、製品マ
レイミド類中に酸成分が残留している場合もあり、本発
明においては、5重量%程度の酸成分を含むマレイミド
類も使用可能であるが、精製工程において酸成分の含量
を0.3重量%以下にして使用するのが望ましい。
【0020】本発明の方法によれば、上記のような精製
工程から得られる製品マレイミド類に、その溶融状態に
おいて、一次酸化防止剤および二次酸化防止剤を共存さ
せた後、冷却、固化して固体の形態にてアクリロニトリ
ルに溶解してマレイミド類のアクリロニトリル溶液を調
製する。あるいは、上記のような精製工程から得られる
製品マレイミド類を、その溶融状態において、一次酸化
防止剤および二次酸化防止剤の共存下にアクリロニトリ
ルに溶解してマレイミド類のアクリロニトリル溶液を調
製する。
【0021】上記一次酸化防止剤とは、一般にラジカル
連鎖禁止剤として定義されるものであり(例えば、猿渡
など著「酸化防止剤ハンドブック」(大成社発行)参
照)、その代表例としてはフェノール系酸化防止剤を挙
げることができる。その代表例を列挙すると次のとおり
である。
【0022】<フェノール系酸化防止剤>2,4−ジメ
チル−6−tert−ブチルフェノール、4−tert
−ブチルカテコール、4,4’−チオ−ビス(6−te
rt−ブチル−m−クレゾール)、2,4−ビス(n−
オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−
tert−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジ
ン、2,2’−チオビス−(4−メチル−6−tert
−ブチルフェノール)、トリエチレングリコール−ビス
−[3−(3−tert−ブチル−5−メチル−4−ヒ
ドロキシフェニル)プロピオネイト]、ペンタエリスリ
トール−テトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブ
チル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネイト]、オ
クタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4
−ヒドロキシフェニル)プロピオネイト、2,2−チオ
−ジエチレンビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチ
ル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネイト]、1,
6−ヘキサンジオール−ビス[3−(3,5−ジ−te
rt−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネイ
ト]、トリス−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−
ヒドロキシベンジル)−イソシアヌレイト、1,3,5
−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−te
rt−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、
N,N’−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−tert
−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナマイド)およ
び3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−ベ
ンジルホスフォネイト−ジエチルエステル。
【0023】上記一次酸化防止剤のうち、2,4−ジメ
チル−6−tert−ブチルフェノール、4−tert
−ブチルカテコール、4,4’−チオ−ビス(6−te
rt−ブチル−m−クレゾール)、2,4−ビス(n−
オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−
tert−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジ
ン、2,2’−チオビス−(4−メチル−6−tert
−ブチルフェノール)およびトリエチレングリコール−
ビス−(3−(3−tert−ブチル−5−メチル−4
−ヒドロキシフェニル)プロピオネイト)が好適に用い
られる。
【0024】上記二次酸化防止剤とは、一般に過酸化物
分解剤として定義されるものであり(前記「酸化防止剤
ハンドブック」参照)、その代表例としては、硫黄系酸
化防止剤およびリン系酸化防止剤を挙げることができ
る。これら二次酸化防止剤の代表例を挙げると次のとお
りである。
【0025】<硫黄系酸化防止剤>ジオクチル−3,
3’−チオジプロピオネート、ジラウリル−3,3’−
チオジプロピオネート、ジテトラデシル−3,3’−チ
オジプロピオネート、ジステアリル−3,3’−チオジ
プロピオネート、ラウリルステアリル−3,3’−チオ
ジプロピオネート、ペンタエリスリトール−テトラキス
(β−ラウリル−チオプロピオネート)、ジトリデシル
−3,3’−チオジプロピオネート、2−メルカプトベ
ンゾイミダゾールおよびジラウリルサルファイド。
【0026】<リン系酸化防止剤> (亜リン酸エステル系酸化防止剤)トリフェニルホスフ
ァイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリ
エチルホスファイト、トリス(2−エチルヘキシル)ホ
スファイト、トリデシルホスファイト、トリス(トリデ
シル)ホスファイト、トリステアリルホスファイト、ジ
フェニルモノ(2−エチルヘキシル)ホスファイト、ジ
フェニルモノデシルホスファイト、ジフェニルモノトリ
デシルホスファイト、ジラウリルハイドロゲンホスファ
イト、ジフェニルハイドロゲンホスファイト、テトラフ
ェニルジプロピレングリコールホスファイト、テトラフ
ェニルテトラ(トリデシル)ペンタエリスリトールテト
ラホスファイト、テトラ(トリデシル)−4,4’−イ
ソプロピリデンジフェニルホスファイト、トリラウリル
トリチオホスファイト、ビス(トリデシル)ペンタエリ
スリトールジホスファイト、ビス(ノニルフェニル)ペ
ンタエリスリトールジホスファイト、ジステアリルペン
タエリスリトールジホスファイト、トリス(2,4−ジ
−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、水添ビス
フェノールA−ペンタエリスリトールホスファイトポリ
マーおよび水添ビスフェノールA−ホスファイトポリマ
ー。
【0027】(リン酸エステル類およびリン酸アミド
類)エチルジエチルホスホノアセテート、エチルアシッ
ドホスフェート、β−クロロエチルアシッドホスフェー
ト、ブチルアシッドホスフェート、ブチルピロホスフェ
ート、ブトキシエチルアシッドホスフェート、2−エチ
ルヘキシルアシッドホスフェート、ジ(2−エチルヘキ
シル)ホスフェート、エチレングリコールアシッドホス
フェート、(2−ヒドロキシエチル)メタクリレートア
シッドホスフェート、トリス(2−クロロエチル)ホス
フェート、トリス(ジクロロプロピル)ホスフェート、
オクチルジクロロプロピルホスフェート、フェニルジク
ロロプロピルホスフェート、トリメチルホスフェート、
トリエチルホスフェート、トリブチルホスフェート、ト
リオクチルホスフェート、トリクレジルホスフェート、
トリフェニルホスフェートおよびヘキサメチルホスリッ
クトリアミド。
【0028】これらのなかでも、トリス(ノニルフェニ
ル)ホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトール
ジホスファイト、トリステアリルホスファイト、ジ(2
−エチルヘキシル)ホスフェートなどが好適に用いられ
る。
【0029】本発明においては、4−tert−ブチル
カテコールとジステアリルペンタエリスリトールジホス
ファイトとの組み合せ、トリエチレングリコール−ビス
[3−(3−tert−ブチル−5−メチル−4−ヒド
ロキシフェニル)プロピオネート]とジステアリルペン
タエリスリトールジホスファイトとの組み合せ、4−t
ert−ブチルカテコールとトリステアリルホスファイ
トとの組み合せが特に好適に用いられる。
【0030】製品マレイミド類中に共存させるべき一次
酸化防止剤の量は製品マレイミド類に対し0.0001
〜1重量%、好ましくは0.001〜0.1重量%であ
る。また、製品マレイミド類に共存させるべき二次酸化
防止剤の量は製品マレイミド類に対し0.0001〜1
重量%、好ましくは0.001〜0.1重量%である。
一次酸化防止剤と二次酸化防止剤との割合には特に制限
はなく、上記使用量の範囲内で適宜決定することができ
る。
【0031】以下、本発明の方法について詳しく説明す
る。
【0032】最初に、粗マレイミド類を精製して得られ
る溶融マレイミド類に一次酸化防止剤および二次酸化防
止剤を共存させた後、すなわち精製工程から得られる製
品マレイミド類に、その溶融状態において、一次酸化防
止剤および二次酸化防止剤を共存させた後、固化して、
固体の形態にてアクリロニトリルに溶解する方法につい
て、精製工程の一つとして蒸留精製を行う場合を例に挙
げて説明する。
【0033】マレイミド類の蒸留精製を実施する際の条
件などについては特に制限はなく、従来の方法および条
件にしたがって行うことができる。
【0034】なお、マレイミド類の蒸留は、通常、マレ
イミド類の重合を防止するために重合防止剤の存在下に
行うが、この重合防止剤としては従来公知のものを使用
することができる。例えば、メトキシベンゼン、p−メ
トキシフェノール、フェノチアジン、ハイドロキノン、
アルキル化ジフェニルアミン類、メチレンブルー、4−
tert−ブチルカテコール、2,5−ジ−tert−
ブチルハイドロキノン、ジメチルジチオカルバミン酸亜
鉛、ジメチルジチオカルバミン酸、ジブチルジチオカル
バミン酸銅、サルチル酸銅、チオジプロピン酸エステル
類、メルカプトベンズイミダゾール、トリフェニルホス
ファイト、アルキルフェノール類、アルキルビスフェノ
ール類、ヒンダードフェノール類などを用いることがで
きる。
【0035】溶融マレイミド類に一次酸化防止剤および
二次酸化防止剤を共存させるには、蒸留精製によって得
られる溶融状態のマレイミド類に一次酸化防止剤と二次
酸化防止剤とを添加すればよい。一酸化防止剤と二次酸
化防止剤とは同時に添加しても、あるいは別々に添加し
てもよく、別々に添加する際の添加順序には特に制限は
ない。特に、溶融状態のマレイミド類が必要以上に空気
に曝される前に一次酸化防止剤と二次酸化防止剤とを添
加するのがよい。具体的には、蒸留塔の塔頂からの溶融
状態のマレイミド類を、例えばいったんタンクに貯蔵し
た後に、固化して固体の形態でアクリロニトリルに溶解
する場合には、その貯蔵に先だって一次酸化剤と二次酸
化防止剤とを溶融状態のマレイミド類に添加するのが好
ましい。更に好ましい態様においては、蒸留塔の塔頂か
らの溶融マレイミド類に速やかに、特に直ちに一次酸化
防止剤と二次酸化防止剤とを添加する。
【0036】なお、一次酸化防止剤が粗マレイミド類の
蒸留精製の際に使用する重合防止剤としての機能を有
し、しかもこの重合防止剤(一次酸化防止剤)が蒸留塔
からの溶融マレイミド類中に残留する場合には、新たに
一次酸化防止剤を添加する必要はなく、二次酸化防止剤
のみを溶融マレイミド類に添加すればよい。もちろん、
このような場合でも、新たに同一の一次酸化防止剤を添
加(追加)しても、あるいは異なる一次酸化防止剤を添
加してもよい。上記のような重合防止作用を有する一次
酸化防止剤の代表例としては、4−tert−ブチルカ
テコールなどを挙げることができる。二次酸化防止剤に
ついても同様である。
【0037】上記のようにして一次酸化防止剤および二
次酸化防止剤を共存させた溶融状態のマレイミド類は、
固化して粉末、フレーク、タブレットなどの任意の形状
にした後、この固体状のマレイミド類をアクリロニトリ
ルに溶解してマレイミド類のアクリロニトリル溶液を調
製する。
【0038】上記固体状のマレイミド類のアクリロニト
リルへの溶解は必ずしも直ちに行う必要はなく、一定期
間にわたって貯蔵した後にアクリロニトリルに溶解して
もよい。本発明の特徴の一つは、一定期間、例えば数カ
月にわたって固体状で貯蔵した後に、マレイミド類をア
クリロニトリルに溶解しても、色相に優れ、長期間の取
り扱いの後でも着色のないマレイミド類のアクリロニト
リル溶液を調製できることである。
【0039】次に、粗マレイミド類を精製して得られる
溶融マレイミド類を、一次酸化防止剤および二次酸化防
止剤の共存下にアクリロニトリルに溶解する方法につい
て、前記方法と同様に、精製工程の一つとして蒸留精製
を行う場合を例に挙げて説明する。
【0040】この方法における、蒸留精製については、
前記方法と同じであるので改めて説明しない。この方法
の一つの態様によれば、蒸留塔の塔頂からの製品マレイ
ミド類に、その溶融状態において、一次酸化防止剤およ
び二次酸化防止剤を添加して、共存させた後、固化する
ことなく、そのままアクリロニトリルに溶解する。この
態様にしたがった一次酸化防止剤および二次酸化防止剤
を共存させることは、前記方法と同様に行うことができ
る。例えば、4−tert−ブチルカテコールなどのよ
うな一次酸化防止剤を用いる場合には、これを蒸留精製
時の重合防止剤として用い、蒸留後の溶融マレイミド類
に二次酸化防止剤、あるいは必要に応じて、一次酸化防
止剤と二次酸化防止剤とを添加して共存させることがで
きる。この態様においても、前記方法と同様に、蒸留塔
の塔頂からの溶融マレイミド類に速やかに一次酸化防止
剤および二次酸化防止剤を添加するのが望ましい。
【0041】他の態様によれば、蒸留塔の塔頂からの溶
融状態にある製品マレイミド類と一次酸化防止剤および
二次酸化防止剤とを同時にアクリロニトリルに添加して
溶解させるか、あるいは予め一次酸化防止剤および二次
酸化防止剤を添加したアクリロニトリルに溶融マレイミ
ド類を溶解させる。この態様の場合、溶融マレイミド類
を速やかにアクリロニトリルに溶解するのが望ましい。
【0042】本発明で用いるアクリロニトリルとして
は、工業用のアクリロニトリルを使用することができ
る。通常、工業用のアクリロニトリルには少量の水が含
まれていて、この水はマレイミド類のアクリロニトリル
溶液の着色原因物質を発生させる要因と考えられている
が、本発明の方法においては、このような工業用のアク
リロニトリルも支障なく使用することができる。
【0043】本発明の方法によって得られるマレイミド
類のアクリロニトリル溶液は色相に優れ、また着色のな
いものである。具体的には、R.S.Hunterの
L.a.b.値で表示した場合、本発明の方法によって
調製したマレイミド類のアクリロニトリル溶液の下記の
方法によって測定した、L.a.b.値はそれぞれL=
90〜100、a=−10〜−30、b=30〜50の
範囲にある。
【0044】L.a.b.値測定法 日本電色工業(株)製Σ−80型色差計を用い、サンプ
ルとしてのマレイミド類のアクリロニトリル溶液の濃度
を30重量%に調整した後、そのL.a.b.値を透過
モードにより測定した。なお、対照としては、市販のア
クリロニトリル(試薬特級)を用い、使用したセルの厚
みは10mmであった。
【0045】また、着色は、取り扱い前後の色相の変
化、つまり取り扱いの前後のL.a.b.値によって求
められる色差、具体的には取り扱う前のL.a.b.値
と取り扱い後のL.a.b.値との差(絶対値)である
△L、△aおよび△bをもって表すことができるが(例
えば、△Lとは、|(取り扱う前のL)−(取り扱い後
のL)|(絶対値)である)、本発明の方法によって調
製したマレイミド類のアクリロニトリル溶液の取り扱い
前後のL.a.b.値の差△L、△aおよび△bはそれ
ぞれ5以下、5以下および10以下である。特に、本発
明の方法によれば、△L、△aおよび△bがいずれも1
以下のマレイミド類のアクリロニトリル溶液を調製する
ことができる。
【0046】溶融状態または固体状の製品マレイミド類
をアクリロニトリルに溶解する方法には特に制限はな
く、固体状のマレイミド類の場合、前記の特公平6−7
0008号公報などに記載された方法にしたがって溶解
することができる。なお、マレイミド類のアクリロニト
リルへの溶解は、アクリロニトリルの沸点(78.5
℃)以下で行うのが好ましく、アクリロニトリルは高い
蒸気圧を有することから、通常、30〜70℃の範囲で
行うのがよい。
【0047】本発明の方法で調製した、マレイミド類の
アクリロニトリル溶液の取り扱いは、通常、20〜70
℃の範囲の温度で行なうのがよい。
【0048】アクリロニトリル溶液を取り扱う設備の材
質には特に制限はなく、アクリロニトリル溶液と接触す
る設備(配管なども含む)の表面を不動態化、例えばガ
ラスライニング、セラミックコーティングなどとしても
よいが、汎用の工業材料である炭素鋼ないしはステンレ
ス鋼製の設備を用いるのがアクリロニトリル溶液の工業
的規模での取り扱いには経済的で有利であり、本発明の
方法で調製したマレイミド類のアクリロニトリル溶液
は、このような炭素鋼ないしはステンレス鋼製の設備で
取り扱う際に特に効果的に着色を防止することができ
る。
【0049】アクリロニトリル溶液中のマレイミド類の
濃度については特に制限はなく、取り扱い温度、取り扱
いの形態(例えば、輸送または貯蔵)、あるいはこのア
クリロニトリル溶液を用いて製造する共重合体の種類、
製造法および製造条件などを考慮して適宜決定すること
ができる。例えば、マレイミド類含有率の高いアクリロ
ニトリル系共重合体の製造に使用する場合には、高濃度
とするのが好ましいこともある。通常、マレイミド類の
濃度は40〜90重量%である。
【0050】本発明の方法における好ましい態様は次の
とおりである。
【0051】その一つは、本発明の方法において、使用
するアクリロニトリルの水分量を調整して、マレイミド
類のアクリロニトリル溶液中の水分量を0.1重量%以
下、好ましくは0.05重量%以下にすることである。
このためには、マレイミド類中には、通常、実質的に水
は含まれていないので、溶剤として用いるアクリロニト
リルの水分量を0.1重量%、好ましくは0.05重量
%以下にすればよい。アクリロニトリル中の水分量は、
従来公知の方法、例えば精密蒸留、シリカゲル、モレキ
ュラーシーブなどを用いた物理的吸着、無水硫酸ナトリ
ウム、無水硫酸マグネシウムなどによる脱水などによっ
て調整することができる。
【0052】他の一つは、金属不活性化剤を一次酸化防
止剤および二次酸化防止剤とともに溶融マレイミド類中
に共存させることである。この金属不活性化剤の代表例
としては、N,N’−ビス[3−(3,5−ジ−ter
t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニル]
ヒドラジン、2,2’−オキザミドビス−[エチル−3
−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフ
ェニル)プロピオネート]、N,N’−ジサリチリデン
−1,2−プロパンジアミン、ベンゾトリアゾール、ト
リルトリアゾール、トリルトリアゾール−カリウム塩、
メルカプトベンゾトリアゾール−ナトリウム塩などを挙
げることができる。これらのうち、N,N’−ビス[3
−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフ
ェニル)プロピオニル]ヒドラジン、2,2’−オキザ
ミドビス−[エチル−3−(3,5−ジ−tert−ブ
チル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]など
が好適に用いられる。これら金属不活性化剤は単独で
も、あるいは2種以上混合して使用することもできる。
上記金属不活性化剤の添加量はマレイミド類に対し0.
0001〜1重量%、好ましくは0.001〜0.1重
量%である。なお、この金属不活性化剤は、マレイミド
類のアクリロニトリル溶液に添加してもよい。本発明の
方法によって調製したマレイミド類のアクリロニトリル
溶液を取り扱う際には、アクリロニトリル溶液の気相部
の分子状酸素濃度(N−フェニルマレイミドおよびアク
リロニトリルを除くガス混合物の容量基準)を10容量
%以下、好ましくは0.1〜8容量%、更に好ましくは
1〜7容量%とするのがよい。マレイミド類およびアク
リロニトリルを除くガス混合物は、通常、分子状酸素お
よび窒素、二酸化炭素、ヘリウム、アルゴンなどの不活
性ガスからなり、そしてこの不活性ガスとしては窒素が
特に好適に用いられることから、マレイミド類およびア
クリロニトリルを除くガス混合物の好ましい例として
は、分子状酸素および窒素からなるガス混合物を挙げる
ことができる。
【0053】
【発明の効果】本発明の方法によって調製したマレイミ
ド類のアクリロニトリル溶液は色相に優れ、また取り扱
い後においても着色が認められない。具体的には、調製
後のL.a.b.値は、それぞれ、L=90〜100、
a=−10〜−30、b=30〜50の範囲にあり、ま
た取り扱い前後のL.a.b.の差△L、△aおよび△
bはいずれも1以下である。
【0054】本発明の方法によれば、製品マレイミド類
をフレークなどの固体の形状にして長期にわたり取り扱
った後でも、色相に優れ、また取り扱い後においても着
色が認められないマレイミド類のアクリロニトリル溶液
を調製することができる。
【0055】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明をさらに具体的
に説明する。
【0056】実施例1 粗N−フェニルマレイミド((株)日本触媒製)を、水
洗、溶媒分離した後、4−tert−ブチルカテコール
(TBC)(一次酸化防止剤)を添加して蒸留し、留出
してくる溶融状態のN−フェニルマレイミド(0.01
重量%のTBCを含有)に対して0.1重量%となるよ
うにトリステアリルホスファイト(二次酸化防止剤)を
添加した。この溶融液をフレーク製造装置(シングルド
ラム型、楠木機械(株)製)にかけ、固体状のN−フェ
ニルマレイミドを得た。
【0057】この固体状N−フェニルマレイミド540
gとアクリロニトリル(住友化学(株)製;水分含量
0.41重量%)360gとを1リットルのステンレス
鋼(SUS304)製容器にいれ40℃で溶解させて、
60重量%のN−フェニルマレイミドのアクリロニトリ
ル溶液を調製した。
【0058】上記溶液に7容量%の分子状酸素を有する
窒素ガスを吹き込んで十分置換し、さらに気相部にも同
じ気体を充填し、シリコン栓で密封した後、55℃で3
0日間保存した。前記のL.a.b.値測定法による保
存前後のL.a.b.値およびその差は次のとおりであ
った。
【0059】 保存前:L=99.5、a=−21.5、b=38.8 保存後:L=99.0、a=−21.2、b=39.3 差 :△L=0.5、△a=0.3、△b=0.5 比較例1 実施例1において、トリステアリルホスファイトを添加
しなかった以外は実施例1と同様の操作を行った。保存
前後のL.a.b.値およびその差は次のとおりであっ
た。
【0060】 保存前:L=99.5、a=−21.5、b=38.8 保存後:L=98.8、a=−20.9、b=40.6 差 :△L=0.7、△a=0.6、△b=1.8 実施例1と比較例1との結果から、一次酸化防止剤のみ
では、アクリロニトリル溶液の着色が起こることが分か
る。
【0061】比較例2 実施例1において、トリステアリルホスファトを添加し
なかった以外は実施例1と同様にして固体状のN−フェ
ニルマレイミドを得た。この固体状のN−フェニルマレ
イミドを用い、またアクリロニトリルとして予め0.1
重量%(対N−フェニルマレイミド)のトリステアリル
ホスファイトを添加したアクリロニトリルを用いた以外
は実施例1と同様にしてアクリロニトリル溶液を調製
し、55℃で30日間保存した。保存前後のL.a.
b.値およびその差は次のとおりであった。
【0062】 保存前:L=99.5、a=−21.5、b=38.8 保存後:L=99.0、a=−21.0、b=40.4 差 :△L=0.5、△a=0.5、△b=1.6 実施例1と比較例2との結果から、予めトリステアリル
ホスファイトを溶解したアクリロニトリルに固体状のN
−フェニルマレイミドを添加したのでは、アクリロニト
リル溶液の着色が起こることが分かる。
【0063】実施例2 実施例1において、留出してくる溶融状態のN−フェニ
ルマレイミド(0.01重量%のTBCを含有)に対し
て0.1重量%となるようにジステアリルペンタエリス
リトールジホスファイト(二次酸化防止剤)を添加した
以外は実施例1と同様の操作を行った。保存前後のL.
a.b.値およびその差は次のとおりであった。
【0064】 保存前:L=99.5、a=−21.5、b=38.8 保存後:L=99.3、a=−21.2、b=39.4 差 :△L=0.2、△a=0.3、△b=0.6 実施例3 実施例1において、留出してくる溶融状態のN−フェニ
ルマレイミド(0.01重量%のTBCを含有)に対し
て0.1重量%となるようにトリエチレングリコール−
ビス[3−(3−tert−ブチル−5−メチル−4−
ヒドロキシフェニル)プロピオネート]および同量のジ
ステアリルペンタエリスリトールジホスファイト(いず
れも二次酸化防止剤)を添加した以外は実施例1と同様
の操作を行った。保存前後のL.a.b.値およびその
差は次のとおりであった。
【0065】 保存前:L=99.5、a=−21.5、b=38.8 保存後:L=99.4、a=−21.3、b=39.6 差 :△L=0.1、△a=0.2、△b=0.8 実施例4 実施例2において、TBCとジステアリルペンタエリス
リトールジホスファイトとを含むN−フェニルマレイミ
ド溶融液を固化することなくそのままアクリロニトリル
溶液に溶解した以外は実施例2と同様の操作を行った。
保存前後のL.a.b.値およびその差は次のとおりで
あった。
【0066】 保存前:L=99.5、a=−21.5、b=38.8 保存後:L=99.4、a=−21.4、b=39.1 差 :△L=0.1、△a=0.1、△b=0.3 実施例5 実施例1において、留出してくるN−フェニルマレイミ
ド(0.01重量%のTBCを含有)に対して0.1重
量%となるようにジステアリルペンタエリスリトールジ
ホスファイト(二次酸化防止剤)を添加する以外は実施
例1と同様にして固体状のN−フェニルマレイミドを得
た。引続き、この固体状のN−フェニルマレイミドを3
ヶ月間放置し、以下実施例1と同様にして、アクリロニ
トリル溶液を調製し、その保存前後のL.a.b.値お
よびその差を測定したが、結果は次のとおりであった。
【0067】 保存前:L=99.5、a=−21.5、b=38.8 保存後:L=99.3、a=−21.2、b=39.5 差 :△L=0.2、△a=0.3、△b=0.7 比較例3 実施例5において、ジステアリルペンタエリスリトール
ジホスファイトを添加しなかった以外は実施例5と同様
の操作を行った。保存前後のL.a.b.値およびその
差は次のとおりであった。
【0068】 保存前:L=99.5、a=−21.5、b=38.8 保存後:L=98.3、a=−20.1、b=41.5 差 :△L=1.2、△a=1.4、△b=2.7 実施例5と比較例3との結果から、一次酸化防止剤のみ
では、長期にわたる保存の後にはアクリロニトリル溶液
の著しい着色が起こることが分かる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−250348(JP,A) 特開 平1−250347(JP,A) 特開 平1−250346(JP,A) 特開 平4−26673(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07D 207/00 - 207/50 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粗マレイミド類を精製して得られる溶融
    マレイミド類に一次酸化防止剤および二次酸化防止剤を
    共存させた後、固体の形態にてアクリロニトリルに溶解
    することからなるマレイミド類のアクリロニトリル溶液
    の調製方法。
  2. 【請求項2】粗マレイミド類を精製して得られる溶融マ
    レイミド類一次酸化防止剤および二次酸化防止剤を共
    させた後、溶融状態のままアクリロニトリルに溶解す
    ることからなるマレイミド類のアクリロニトリル溶液の
    調製方法。
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