JP2670387B2 - マレイミド類の取り扱い方法 - Google Patents

マレイミド類の取り扱い方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はマレイミド類の取り扱い
方法に関する。さらに詳しくは、本発明は、マレイミド
類の着色および重合を防止して、安全かつ容易にマレイ
ミド類を取り扱う方法に関する。
【0002】
【従来の技術】マレイミド類は樹脂、医薬、農薬などの
原料として有用な化合物である。
【0003】従来、常温で固体のマレイミド類は粉体、
フレーク、タブレットなどの形状で取り扱われているの
が一般的である。しかしながら、このような形態のマレ
イミド類中にはマレイミド類の微粉末が含まれている。
特にこのような固体状のマレイミド類の輸送中にマレイ
ミド類の粉化が進み、マレイミド類の微粉末が多量に発
生する。
【0004】マレイミド類そのものは人体に対して刺激
性があり、特に微粉末を吸入すると鼻腔および咽喉を刺
激しまたは咳、くしゃみが出、また皮膚に付着したまま
放置すると炎症を起すなど好ましくない性質を有してい
る。それゆえ、このような微粉末を含有しているマレイ
ミド類を取り扱う場合には、できるかぎり皮膚への接触
を避けるよう厳重な注意を払う必要がある。
【0005】したがって、マレイミド類の移送に際して
できるだけ微粉末を発生しないようにしたり、また輸送
後のマレイミド類から微粉末を除去するために多大の労
力を要している。
【0006】さらに、固体物質の輸送は、多くの場合、
紙袋、ドラム缶、コンテナなどに固体物質を充填し輸送
されるが、これらの場合どうしてもマレイミド類と人体
との接触が避けられず、人体にマレイミド類の微粉末が
付着することは不可避である。
【0007】加えて、人体と接触しないようにするため
に、固体物質の配管による輸送は基本的にむずかしく配
管輸送中に管内を閉塞したりするために、これら固体物
質を安定に輸送するために、固体の形、大きさ、比重な
どに厳しい制約が課せられる。
【0008】このように、常温で固体のマレイミド類の
輸送または移送方法には数々の困難な問題があると言わ
ざるをえない。同様のことは、その貯蔵方法についても
いえる。
【0009】一方、上記問題点を解決する方法として、
マレイミド類を輸送ないし貯蔵するに際して、アクリロ
ニトリル、スチレンあるいは(メタ)アクリル酸エステ
ルの溶液として取り扱う方法が、特開昭62−1261
67号、同62−143911号、同62−14506
2号および同63−316767号に開示されている。
これらの方法は人体に悪影響を与えるマレイミド類の微
粉末の発生もないことから固体状で取り扱う方法に比較
して優れた方法といえる。しかしながら、該方法におい
てマレイミド類を高濃度に溶解させた溶液で取り扱う場
合には、温度を高める必要があるが、用いる溶媒はそれ
自体重合性を有している化合物であるために、長期間マ
レイミド類の溶液を高温に保つことはできない。すなわ
ち、溶媒自体の重合体、マレイミド類と溶媒との共重合
体等の不純物が生成し該溶液を着色させる原因となって
いる。該溶液はそのまま濃度調製されてABS樹脂、A
AS樹脂、AS樹脂、ACS樹脂等の耐熱性向上剤とし
て、これらの樹脂を構成する単量体と共重合するのに用
いられている。このとき、上記のような着色したマレイ
ミド類溶液を使用した場合には、最終製品を着色させて
しまうために商品価値を著しく低下させている。
【0010】すなわち、従来の固体状あるいは溶液でマ
レイミド類を取り扱う方法は万全の方法とは言い難い。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、マレイミド類の新規な取り扱い方法を提供すること
にある。
【0012】本発明の他の目的は、輸送ないし貯蔵時に
マレイミド類の微粉末が人体に接触する心配のないマレ
イミド類の安全かつ容易な輸送ないし貯蔵方法を提供す
ることにある。
【0013】本発明の他の目的は、マレイミド類の着色
および重合を防止し、長期間高品質を維持できるマレイ
ミド類の取り扱い方法を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、マレイミ
ド類を溶媒に溶解させることなく、マレイミド類を安全
かつ容易に取り扱う方法について鋭意検討した結果、特
定条件下で固体状マレイミド類を融点以上に加熱して溶
融状態にし、一度冷却固化させたのち、輸送ないしは貯
蔵し、しかるのちマレイミド類を使用するにあたり、特
定条件下で該マレイミド類を再度溶融することにより上
記目的が達成できることを知り、この知見に基づいて本
発明を完成するに至った。
【0015】本発明によれば、常温で固体のマレイミド
類を溶液あるいは、溶融状態で加熱して保存する必要が
ないために、重合等の変質の心配がなく、長期にわたる
貯蔵が可能となることは、マレイミド類の取り扱い上全
く驚くべき進歩といえる。
【0016】すなわち、本発明は、気相部の分子状酸素
含有量が0.1〜10容量%の条件下で固体状マレイミ
ド類を安定剤の共存下、マレイミド類の融点以上に加熱
することにより、マレイミド類を液状化したのち、固化
して固体状態で輸送ないし貯蔵することを特徴とするマ
レイミド類の取り扱い方法である。さらに、本発明は上
記の固化して得られたマレイミド類を気相部の分子状酸
素含有量が0.1〜10容量%の条件下でマレイミド類
の融点以上に加熱し再融解して液体状態で取り扱うこと
を特徴とするマレイミド類の取り扱い方法である。
【0017】
【作用】以下、本発明を詳しく説明する。
【0018】本発明の方法により輸送ないし貯蔵等取り
扱いのできるマレイミド類としては、例えば、N−メチ
ルマレイミド、N−エチルマレイミド、N−ヘキシルマ
レイミド、N−オクチルマレイミド、N−ドデシルマレ
イミド等のN−アルキルマレイミド;N−ベンジルマレ
イミド;N−シクロヘキシルマレイミド等のN−シクロ
アルキルマレイミド;N−フェニルマレイミド;N−ニ
トロフェニルマレイミド、N−メトキシフェニルマレイ
ミド、N−メチルフェニルマレイミド、N−カルボキシ
フェニルマレイミド、N−ヒドロキシフェニルマレイミ
ド、N−クロルフェニルマレイミド、N−ジメチルフェ
ニルマレイミド、N−ジクロルフェニルマレイミド、N
−ブロムフェニルマレイミド、N−ジブロムフェニルマ
レイミド、N−トリクロルフェニルマレイミド、N−ト
リブロムフェニルマレイミド等のニトロ基、アルコキシ
ル基、アルキル基、カルボキシル基、ヒドロキシル基、
ハロゲン原子等が置換してなるN−置換フェニルマレイ
ミドなどが挙げられるが、これらに限定されるものでは
ない。
【0019】本発明方法は、通常密閉容器内で行なわれ
る。このような密閉容器としては、加熱手段を有する密
閉容器であればいずれの形でもよく、例えば具体的には
内部加熱コイル付タンク、加熱外とう付タンクなどの固
定タンク、またタンク貨車、タンクローリー、バルクコ
ンテナなどの移動式タンクなどを使用することができ
る。
【0020】マレイミド類を前記密閉容器内に充填し気
相部の分子状酸素含有量が0.1容量%以上10容量%
以下となるように調整し、かつ後述する安定剤の存在下
マレイミド類を加熱溶融して液体状とする。次いで、こ
の密閉容器内に充填された液状のマレイミド類は放冷に
よる自然冷却ないし外部冷却による強制冷却によって当
該密閉容器中で固化される。かくして固化したのち、輸
送ないし貯蔵されたマレイミド類は使用前に気相部の分
子状酸素含有量が0.1容量%以上10容量%以下の条
件下で加熱溶融され液体状に戻されて取り扱われる。
【0021】本発明の特に好ましい実施形態としては、
タンクローリー、バルクコンテナなどの移動式タンクに
マレイミド類の溶融物を充填固化したのち、目的地まで
固体状のマレイミド類を輸送し、当該地において容器に
付属した加熱装置を用いて加熱溶融し、液体状のマレイ
ミド類として取り扱われる。
【0022】本発明において用いられる安定剤としての
アルキル置換ヒドロキシベンゼン類としては、例えば
2,4−ジメチル−6−tert−ブチルフェノール、
4−tert−ブチルカテコール、2,5−ジ−ter
t−ブチルハイドロキノン、2−tert−ジブチルハ
イドロキノン、4,4′−チオービス(6−tert−
ブチル−m−クレゾール)、2,4−ビス(n−オクチ
ルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブ
チルアニリノ)−1,3,5−トリアジン、2,2′−
チオビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、
トリエチレングリコール−ビス−(3−(3−t−ブチ
ル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネ
イト)、ペンタエリスリチル−テトラキス(3−(3,
5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピ
オネイト)、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブ
チル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネイト、2,
2−チオ−ジエチレンビス(3−(3,5−ジ−t−ブ
チル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネイト)、
1,6−ヘキサンジオール−ビス(3−(3,5−ジ−
t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネイ
ト)、トリス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロ
キシベンジル)−イソシアヌレイト、1,3,5−トリ
メチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル
−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、N,N′−ヘキ
サメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロ
キシ−ヒドロシンナマミド)、3,5−ジ−t−ブチル
−4−ヒドロキシ−ベンジルフォスフォネイト−ジエチ
ルエステル等を挙げることができる。なかでも、2,4
−ジメチル−6−tert−ブチルフェノール、4−t
ert−ブチルカテコール、2,5−ジ−tert−ブ
チルハイドロキノン、2−tert−ジブチルハイドロ
キノン、4,4′−チオ−ビス(6−tert−ブチル
−m−クレゾール)、2,4−ビス(n−オクチルチ
オ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチル
アニリノ)−1,3,5−トリアジン、2,2′−チオ
ビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)及び
トリエチレングリコール−ビス−(3−(3−t−ブチ
ル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネ
イト)の使用がマレイミド類の着色防止効果及び重合防
止効果の点において優れているので好適である。
【0023】亜リン酸エステル類としては、トリフェニ
ルホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイ
ト、トリエチルホスファイト、トリス(2−エチルヘキ
シル)ホスファイト、トリデシルホスファイト、トリス
(トリデシル)ホスファイト、トリステアリルホスファ
イト、ジフェニルモノ(2−エチルヘキシル)ホスファ
イト、ジフェニルモノデシルホスファイト、ジフェニル
モノトリデシルホスファイト、ジラウリルハイドロゲン
ホスファイト、ジラウリルハイドロゲンホスファイト、
ジフェニルハイドロゲンホスファイト、テトラフェニル
ジプロピレングリコールジホスフィト、テトラフェニル
テトラ(トリデシル)ペンタエリスリトールテトラホス
ファイト、テトラ(トリデシル)−4,4′−イソプロ
ピリデンジフェニルホスファイト、トリラウリルトリチ
オホスファイト、ビス(トリデシル)ペンタエリスリト
ールジホスファイト、ビス(ノニルフェニル)ペンタエ
リスリトールジホスファイト、ジステアリルペンタエリ
スリトールジホスファイト、トリス(2,4−ジターシ
ャリブチルフェニル)ホスファイト、水添ビスフェノー
ルA・ペンタエリスリトールホスファイトポリマー、水
添ビスフェノールA・ホスファイトポリマーなどが挙げ
られるが、これらに限定されるものではない。
【0024】リン酸エステル類およびリン酸アミド類と
しては、エチルジエチルホスホノアセテート、エチルア
シッドホスフェート、β−クロロエチルアシッドホスフ
ェート、ブチルアシッドホスフェート、ブチルピロホス
フェート、ブトキシエチルアシッドホスフェート、2−
エチルヘキシルアシッドホスフェート、ジ(2−エチル
ヘキシル)ホスフェート、エチレングリコールアシッド
ホスフェート、(2−ヒドロキシエチル)メタクリレー
トアシッドホスフェート、トリス(2−クロロエチル)
ホスフェート、トリス(ジクロロプロピル)ホスフェー
ト、オクチルジクロロプロピルホスフェート、フェニル
ジクロロプロピルホスフェート、トリメチルホスフェー
ト、トリエチルホスフェート、トリブチルホスフェー
ト、トリオクチルホスフェート、トリクレジルホスフェ
ート、トリフェニルホスフェート、ヘキサメチルホスリ
ックトリアミドなどが挙げられるが、これらに限定され
るものではない。
【0025】本発明におけるアルキル置換ヒドロキシベ
ンゼン類から選ばれる少なくとも1種および/あるい
は、亜リン酸エステル類、リン酸エステル類およびリン
酸アミド類から選ばれる少なくとも1種のリン化合物の
使用量は、マレイミド類に対してそれぞれ0.0001
〜1.0重量%、好ましくは、0.0001〜0.1重
量%である。安定剤の種類については、製造する重合体
の種類、重合の方法、使用する開始剤などを勘案して選
択される。
【0026】本発明者らの知見に依れば、マレイミド類
の着色及び重合が前記のアルキル置換ヒドロキシベンゼ
ン系安定剤と、前記のリン系安定剤を組み合せて使用さ
れた場合には、よりすぐれた効果が現われることがわか
った。その比率は、特に限定されるものではないが、ア
ルキル置換ヒドロキシベンゼン類とリン化合物との重合
比が1:0.1〜1:1000、特に1:1〜1:10
0が好ましい。
【0027】また加熱溶融時におけるマレイミド類の着
色及び重合と気相部の分子状酸素含有量との間にはっき
りとした関係があり、気相部の分子状酸素含有量が0.
1容量%未満ではマレイミド類が速い速度で重合してし
まう。特に安定剤の非共存下、分子状酸素含有量が0.
1容量%未満では、この重合は促進されてしまう。ま
た、分子状酸素含有量が高くなると重合は抑制できる
が、着色が進行する傾向にあることがわかった。
【0028】本発明における気相部の分子状酸素含有量
は0.1容量%以上で10容量%以下、好ましくは1容
量%以上で8容量%以下に保つことにより良い結果がえ
られる。特に、気相部が窒素、二酸化炭素、アルゴンな
どの不活性気体に置換されている方がさらに好ましい。
【0029】溶融マレイミド類を取り扱う温度は、該マ
レイミド類の融点以上であるが、着色を少なくするとい
う観点からすると、マレイミド類の融点よりも1〜50
℃、好ましくは5〜20℃の高い温度範囲が採用され
る。
【0030】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に具体的に説
明する。
【0031】実施例1 加熱部分を有する密閉可能な円筒型タンク(長さ5.6
m,内径2.2m,内容量20m3 )に、N−フェニル
マレイミド18トンを充填した。このものの純度は9
9.6重量%であり、安定剤としてトリエチレングリコ
ール−ビス−[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4
−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]0.01重量
%およびトリステアリルホスファイト0.05重量%を
含有している。充填後、気相部を分子状酸素が5容量%
含有されるように窒素ガスで置換したのち、加熱部分に
110℃のスチ―ムを通して内容物を溶融させ、ついで
自然冷却により固化させた。
【0032】1ヶ月間保持後、加熱部分に110℃のス
チームを通して内容物を再溶融させて採取したところ、
この液は、重合物の発生もなく黄色澄明な液体であっ
た。また、純度を液体クロマトグラフィで測定したとこ
ろ99.6%であり、全く変化は見られなかった。さら
にこのN−フェニルマレイミドとスチレンとを参考例に
示すような方法で溶液重合したところ、着色のない白色
ポリマーが得られた。
【0033】実施例2 実施例1において安定剤として4−tert−ブチルカ
テコール0.005重量%およびジステアリルペンタエ
リスリトールジフォスファイト0.05重量%を含有さ
せ、充填後、気相部を分子状酸素が10容量%含有され
るように窒素ガスで置換した以外はまったく同様の操作
をおこなったところ、再溶融後のN−フェニルマレイミ
ドは重合物もなく、黄色澄明な液体であり、実施例1と
全く同様の結果がえられた。
【0034】参考例 ポリマーの合成 撹拌機、冷却器、窒素ガス導入管及び滴下ロートを備え
た容量1リットルの4つ口フラスコに44gのメチルエ
チルケトンを仕込み、気相部を充分に窒素置換し、80
℃に加熱した。これに別に調整したN−フェニルマレイ
ミド96.55g,スチレン58.07gおよびメチル
エチルケトン460gの混合溶液と、アゾイソブチロニ
トリル0.77gおよびメチルエチルケトン11gの溶
液を内温80℃に保ちながら4時間で滴下し、さらに1
時間攪拌を続けた。次に反応物を冷却し、2リットルの
メタノールに移し、瀘過し、乾燥後147.8gのポリ
マーを得た。このポリマーは白色粉末状で分子量10万
(GPC分析による)であった。
【0035】
【発明の効果】以上、本発明について説明したが、本発
明によって得られる利点は以下のとおりである。
【0036】人体に対して強い刺激性を有するマレイ
ミド類を粉体の形でなく、液体状で取り扱えるようにな
ったため、マレイミド類の取り扱いが安全かつ容易にな
った。
【0037】マレイミド類を固体状で品質劣化なしに
長期間にわたり、貯蔵できるようになった。
【0038】再溶融させたマレイミド類を用いて重合
物を製造したとき、製品の着色がほとんど見られず高品
質の最終製品を得ることができる。
【0039】このように、本発明方法をもってすればマ
レイミド類を安全かつ高品質のまま貯蔵、移送等の取り
扱いを行うことが可能である。
フロントページの続き (72)発明者 植田 裕子 兵庫県姫路市網干区興浜字西沖992番地 の1 日本触媒化学工業株式会社 姫路 研究所内 (56)参考文献 特開 昭62−145062(JP,A) 特開 昭62−106075(JP,A) 特開 昭63−316767(JP,A) 特開 平4−128264(JP,A)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 気相部の分子状酸素含有量が0.1〜1
    容量%の条件下で、固体状マレイミド類を安定剤の共
    存下、マレイミド類の融点以上に加熱することにより、
    マレイミド類を液体状にした後、固化して固体状態で輸
    送ないし貯蔵することを特徴とするマレイミド類の取り
    扱い方法。
  2. 【請求項2】 固化したマレイミド類を気相部の分子状
    酸素含有量が0.1〜10容量%以上の条件下でマレイ
    ミド類の融点以上に加熱し再融解して液体状態で取り扱
    う請求項1記載の方法。
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