JPH0627125B2 - マレイミド類の重合防止方法 - Google Patents
マレイミド類の重合防止方法Info
- Publication number
- JPH0627125B2 JPH0627125B2 JP28421085A JP28421085A JPH0627125B2 JP H0627125 B2 JPH0627125 B2 JP H0627125B2 JP 28421085 A JP28421085 A JP 28421085A JP 28421085 A JP28421085 A JP 28421085A JP H0627125 B2 JPH0627125 B2 JP H0627125B2
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- JP
- Japan
- Prior art keywords
- maleimides
- polymerization
- tert
- maleimide
- preventing
- Prior art date
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Description
【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明はマレイミド類の重合防止方法に関する。詳しく
は、本発明は重合防止剤としてアルキル置換ヒドロキシ
ベンゼン類を用いるマレイミド類の重合防止方法であ
り、例えば、無水マレイン酸とアミン類とからマレイミ
ド類を製造する工程、粗マレイミドを蒸留等によって精
製する工程、マレイミド類を貯蔵あるいは移送する工程
等において、この特定の重合防止剤を使用することによ
って顕著にマレイミド類の重合を防止する方法を提供す
るものである。
は、本発明は重合防止剤としてアルキル置換ヒドロキシ
ベンゼン類を用いるマレイミド類の重合防止方法であ
り、例えば、無水マレイン酸とアミン類とからマレイミ
ド類を製造する工程、粗マレイミドを蒸留等によって精
製する工程、マレイミド類を貯蔵あるいは移送する工程
等において、この特定の重合防止剤を使用することによ
って顕著にマレイミド類の重合を防止する方法を提供す
るものである。
従来の技術 マレイミド類はその分子構造上容易に重合反応をおこす
きわめて不安定な化合物である。それゆえに、従来、無
水マレイン酸とアミン類とからマレイミド類を製造する
工程や粗マレイミド類を精製する工程等において重合を
抑制する方法が種々提案されている。例えば、マレイミ
ド類の製造時、反応途中におけるマレイミド類の重合を
防止するために、減圧下においてマレインアミド酸を加
熱処理せしめることにより生成したマレイミド類を反応
系からすみやかに系外に留去する方法が特開昭47−2
7974号公報に開示されている。また、特開昭53−
137956号公報には原料の無水マレイン酸の2重結
合に前もってハロゲン化水素を付加させて2重結合の重
合反応性をなくしてからアミン類と反応させ脱水閉環す
ることによりマレイミド類を製造する方法が開示されて
いる。しかし、いずれの方法もマレイミド類の重合を防
止して収率よくマレイミド類を製造する方法を開示する
には至っていない。
きわめて不安定な化合物である。それゆえに、従来、無
水マレイン酸とアミン類とからマレイミド類を製造する
工程や粗マレイミド類を精製する工程等において重合を
抑制する方法が種々提案されている。例えば、マレイミ
ド類の製造時、反応途中におけるマレイミド類の重合を
防止するために、減圧下においてマレインアミド酸を加
熱処理せしめることにより生成したマレイミド類を反応
系からすみやかに系外に留去する方法が特開昭47−2
7974号公報に開示されている。また、特開昭53−
137956号公報には原料の無水マレイン酸の2重結
合に前もってハロゲン化水素を付加させて2重結合の重
合反応性をなくしてからアミン類と反応させ脱水閉環す
ることによりマレイミド類を製造する方法が開示されて
いる。しかし、いずれの方法もマレイミド類の重合を防
止して収率よくマレイミド類を製造する方法を開示する
には至っていない。
さらに、粗マレイミド類の精製時においては、できるだ
け熱をかけずに精製する方法が開示されており、例え
ば、特開昭58−96066号および特開昭60−10
0554号公報等においてはメタノール、トルエン、イ
ソプロパノールなどの溶媒を用いて比較的低い温度で再
結晶することにより精製されている。
け熱をかけずに精製する方法が開示されており、例え
ば、特開昭58−96066号および特開昭60−10
0554号公報等においてはメタノール、トルエン、イ
ソプロパノールなどの溶媒を用いて比較的低い温度で再
結晶することにより精製されている。
しかしながら、このような条件で精製してもマレイミド
類を保存している間に重合が進んでしまい、ほとんど商
品価値のないものとなってしまう。
類を保存している間に重合が進んでしまい、ほとんど商
品価値のないものとなってしまう。
例えば、マレイミド類中にマレイミド類の単独重合物が
含有されている場合、一例としてこのマレイミド類とス
チレン、あるいはスチレンとアクリロニトリルなどとを
共重合させれば、この共重合物中にマレイミド類の単独
重合物がふくまれてしまうために耐熱性や強度が予想し
たほど上がらなかったり、マレイミドの単独重合物がモ
ノマーに不溶性であるために共重合物の外観、特に透明
度が極端に悪くなってしまい共重合体の商品価値を大い
に低下させてしまうことになる。
含有されている場合、一例としてこのマレイミド類とス
チレン、あるいはスチレンとアクリロニトリルなどとを
共重合させれば、この共重合物中にマレイミド類の単独
重合物がふくまれてしまうために耐熱性や強度が予想し
たほど上がらなかったり、マレイミドの単独重合物がモ
ノマーに不溶性であるために共重合物の外観、特に透明
度が極端に悪くなってしまい共重合体の商品価値を大い
に低下させてしまうことになる。
本発明の目的 このように、製造、精製、貯蔵、移送等の工程において
マレイミド化合物の重合を防止することは非常に重要な
課題であるにもかかわらず、その効果的重合防止法につ
いては今までほとんど提案されていない。
マレイミド化合物の重合を防止することは非常に重要な
課題であるにもかかわらず、その効果的重合防止法につ
いては今までほとんど提案されていない。
そこで、本発明の目的は、かかる現状に鑑み、マレイミ
ド類そのものに着色させることなく、かつマレイミド類
の重合を効果的に防止する重合防止方法を提供すること
にある。
ド類そのものに着色させることなく、かつマレイミド類
の重合を効果的に防止する重合防止方法を提供すること
にある。
問題点を解決するための手段 かかる目的を達成するために、本発明者等は、鋭意検討
した結果、重合防止剤として2,4−ジメチル−6−te
rt−ブチルフェノール、4−tert−ブチルカテコ
ール、2,5−ジ−tert−ブチルハイドロキノン、2
−tert−ブチルハイドロキノンおよび4,4′−チオ
−ビス(6−tert−ブチル−m−クレゾール)から
選ばれる少なくとも1種を用いることにより、マレイミ
ド類そのものを着色させることなく、効率よく重合を防
止できることを見出し本発明を完成させるにいたったも
のである。重合防止剤として一般に使用されているp−
メトキシフェノール、ハイドロキノンなどと比較して本
発明が特定するアルキル置換ヒドロキシベンゼン類のマ
レイミド類に対する重合防止効果には、後述の実施例お
よび比較例から明らかなように非常な差異が見られる。
した結果、重合防止剤として2,4−ジメチル−6−te
rt−ブチルフェノール、4−tert−ブチルカテコ
ール、2,5−ジ−tert−ブチルハイドロキノン、2
−tert−ブチルハイドロキノンおよび4,4′−チオ
−ビス(6−tert−ブチル−m−クレゾール)から
選ばれる少なくとも1種を用いることにより、マレイミ
ド類そのものを着色させることなく、効率よく重合を防
止できることを見出し本発明を完成させるにいたったも
のである。重合防止剤として一般に使用されているp−
メトキシフェノール、ハイドロキノンなどと比較して本
発明が特定するアルキル置換ヒドロキシベンゼン類のマ
レイミド類に対する重合防止効果には、後述の実施例お
よび比較例から明らかなように非常な差異が見られる。
本発明の重合防止方法を適用できるマレイミド類として
は、例えばマレイミド、N−メチルマレイミド、N−エ
チルマレイミド、N−ヘキシルマレイミド、N−オクチ
ルマレイミド、N−ドデシルマレイミド、N−ベンジル
マレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−フェ
ニルマレイミド、N−ニトロフェニルマレイミド、N−
メトキシフェニルマレイミド、N−メチルフェニルマレ
イミド、N−カルボキシフェニルマレイミド、N−ヒド
ロキシフェニルマレイミド、N−クロルフェニルマレイ
ミド、N−ジメチルフェニルマレイミド、N−ジクロル
フェニルマレイミド、N−ブロムフェニルマレイミド、
N−ジブロムフェニルマレイミド、N−トリクロルフェ
ニルマレイミド、N−トリブロムフェニルマレイミドな
どが挙げられ、さらに、これらの1種以上を含有する溶
液、たとえば、アクリロニトリル、スチレン、無水マレ
イン酸、(メタ)アクリル酸エステル等の溶液またはこ
れらの混合溶液等が挙げられるが、これらに限定される
ものではない。
は、例えばマレイミド、N−メチルマレイミド、N−エ
チルマレイミド、N−ヘキシルマレイミド、N−オクチ
ルマレイミド、N−ドデシルマレイミド、N−ベンジル
マレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−フェ
ニルマレイミド、N−ニトロフェニルマレイミド、N−
メトキシフェニルマレイミド、N−メチルフェニルマレ
イミド、N−カルボキシフェニルマレイミド、N−ヒド
ロキシフェニルマレイミド、N−クロルフェニルマレイ
ミド、N−ジメチルフェニルマレイミド、N−ジクロル
フェニルマレイミド、N−ブロムフェニルマレイミド、
N−ジブロムフェニルマレイミド、N−トリクロルフェ
ニルマレイミド、N−トリブロムフェニルマレイミドな
どが挙げられ、さらに、これらの1種以上を含有する溶
液、たとえば、アクリロニトリル、スチレン、無水マレ
イン酸、(メタ)アクリル酸エステル等の溶液またはこ
れらの混合溶液等が挙げられるが、これらに限定される
ものではない。
重合防止剤はマレイミド製造工程において、たとえば原
料中、アミド化反応時、イミド化反応時、精製時、貯蔵
時、移送時などのいずれの工程においても使用すること
ができ、優れた重合防止効果を与える。特に、マレイミ
ド類を長期にわたって保存する場合、マレイミド類の色
相の変化などを惹起することなく安定して保存すること
ができる。
料中、アミド化反応時、イミド化反応時、精製時、貯蔵
時、移送時などのいずれの工程においても使用すること
ができ、優れた重合防止効果を与える。特に、マレイミ
ド類を長期にわたって保存する場合、マレイミド類の色
相の変化などを惹起することなく安定して保存すること
ができる。
重合防止剤の使用量は各工程の温度、時間、圧力、気相
ガス組成、液相組成などによって適宜決定されるが、一
般に、原料またはマレイミド類に対して0.0001〜1重量
%、好ましくは0.001〜0.1重量%となるように用いられ
る。また、この重合防止剤は他の重合防止剤たとえばハ
イドロキノン、p−メトキシフェノールなどと併用する
ことも可能である。さらに、添加方法についてはこれら
の重合防止剤を液体、粉体状でそのまま添加してもよい
し、溶媒、原料などに溶解して添加することもできる。
ガス組成、液相組成などによって適宜決定されるが、一
般に、原料またはマレイミド類に対して0.0001〜1重量
%、好ましくは0.001〜0.1重量%となるように用いられ
る。また、この重合防止剤は他の重合防止剤たとえばハ
イドロキノン、p−メトキシフェノールなどと併用する
ことも可能である。さらに、添加方法についてはこれら
の重合防止剤を液体、粉体状でそのまま添加してもよい
し、溶媒、原料などに溶解して添加することもできる。
以下、実施例により具体的に説明する。
実施例1〜11および比較例1〜7 マレイミドの種類、重合防止剤の種類、その添加量、な
どの条件を種々かえて、マレイミド類と重合防止剤とを
試験管に計入し、150℃のオイルバス中につけ、3時
間加熱した。なおこの時、封管の気相部には窒素ガスを
入れた。3時間、加熱ののち封管をオイルバス中からと
りだし封管中のマレイミド類を冷却後粉砕し、高速液体
クロマトグラフィーにて分析して純度を測定し、第1表
に示すような結果をえた。
どの条件を種々かえて、マレイミド類と重合防止剤とを
試験管に計入し、150℃のオイルバス中につけ、3時
間加熱した。なおこの時、封管の気相部には窒素ガスを
入れた。3時間、加熱ののち封管をオイルバス中からと
りだし封管中のマレイミド類を冷却後粉砕し、高速液体
クロマトグラフィーにて分析して純度を測定し、第1表
に示すような結果をえた。
実施例12 純度99.8重量%の黄色のN−フェニルマレイミド1Kgお
よび4−tert−ブチルカテコール0.2gを直径10c
m、高さ20cmで加熱用外とうのついたステンレス製容
器の中で、外とう部から加熱することによって、内温を
100℃とした。この時、N−フェニルマレイミドは黄
色の液体であった。なお、容器気相部は窒素ガスで置換
した。
よび4−tert−ブチルカテコール0.2gを直径10c
m、高さ20cmで加熱用外とうのついたステンレス製容
器の中で、外とう部から加熱することによって、内温を
100℃とした。この時、N−フェニルマレイミドは黄
色の液体であった。なお、容器気相部は窒素ガスで置換
した。
この状態で30日間保持したところ、30日後のN−フ
ェニルマレイミドの色は最初の色を保ったままであり、
このものの高速液体クロマトグラフィーによる分析によ
れば、純度は99.7重量%でありほとんど変化はなかっ
た。
ェニルマレイミドの色は最初の色を保ったままであり、
このものの高速液体クロマトグラフィーによる分析によ
れば、純度は99.7重量%でありほとんど変化はなかっ
た。
実施例13〜15 重合防止剤として2,5−ジ−tert−ブチルハイドロ
キノン(実施例13)、2−tert−ブチルハイドロ
キノン(実施例14)および4,4′−チオ−ビス(6−
tert−ブチル−m−クレゾール)(実施例15)を
用いた以外は実施例1と同様にして、その防止効果を評
価した。結果を第2表に示す。
キノン(実施例13)、2−tert−ブチルハイドロ
キノン(実施例14)および4,4′−チオ−ビス(6−
tert−ブチル−m−クレゾール)(実施例15)を
用いた以外は実施例1と同様にして、その防止効果を評
価した。結果を第2表に示す。
Claims (1)
- 【請求項1】重合防止剤として、2,4−ジメチル−6−
tert−ブチルフェノール、4−tert−ブチルカ
テコール、2,5−ジ−tert−ブチルハイドロキノ
ン、2−tert−ブチルハイドロキノンおよび4,4′
−チオ−ビス(6−tert−ブチル−m−クレゾー
ル)から選ばれる少なくとも1種を用いることを特徴と
するマレイミド類の重合防止方法。
Priority Applications (5)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28421085A JPH0627125B2 (ja) | 1985-12-19 | 1985-12-19 | マレイミド類の重合防止方法 |
DE8686117385T DE3684774D1 (de) | 1985-12-19 | 1986-12-13 | Verfahren zur hemmung der polymerisierung von maleimiden. |
EP86117385A EP0230597B1 (en) | 1985-12-19 | 1986-12-13 | Method for inhibiting polymerization of maleimides |
KR1019860010970A KR910004091B1 (ko) | 1985-12-19 | 1986-12-19 | 말레이미드류의 중합 방지 방법 |
US07/114,704 US5045233A (en) | 1985-12-19 | 1987-10-30 | Method for inhibiting polymerization of maleimides |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28421085A JPH0627125B2 (ja) | 1985-12-19 | 1985-12-19 | マレイミド類の重合防止方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS62143911A JPS62143911A (ja) | 1987-06-27 |
JPH0627125B2 true JPH0627125B2 (ja) | 1994-04-13 |
Family
ID=17675588
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP28421085A Expired - Lifetime JPH0627125B2 (ja) | 1985-12-19 | 1985-12-19 | マレイミド類の重合防止方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0627125B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5149827A (en) * | 1990-01-10 | 1992-09-22 | Nippon Shokubai Kagaku Kogyo Co., Ltd. | Method for handling maleimides |
JPH0764810B2 (ja) * | 1990-01-10 | 1995-07-12 | 株式会社日本触媒 | マレイミド類の輸送ないし貯蔵方法 |
JPH0774200B2 (ja) * | 1990-08-22 | 1995-08-09 | 大八化学工業株式会社 | N―置換マレイミド類の製造方法 |
-
1985
- 1985-12-19 JP JP28421085A patent/JPH0627125B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS62143911A (ja) | 1987-06-27 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
EXPY | Cancellation because of completion of term |