JPH07109258A - N−置換マレイミド類の精製方法 - Google Patents

N−置換マレイミド類の精製方法

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JPH07109258A
JPH07109258A JP5255554A JP25555493A JPH07109258A JP H07109258 A JPH07109258 A JP H07109258A JP 5255554 A JP5255554 A JP 5255554A JP 25555493 A JP25555493 A JP 25555493A JP H07109258 A JPH07109258 A JP H07109258A
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JP
Japan
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reaction
acid
sulfonic acid
maleic anhydride
moles
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JP5255554A
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Toshihide Yamamoto
敏秀 山本
Shoichi Mizuno
昌一 水野
Masato Watanabe
真人 渡辺
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Tosoh Corp
Original Assignee
Tosoh Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】高純度のN−置換マレイミド類を収率よく、短
工程で得る。 【構成】芳香族スルホン酸(無水マレイン酸に対して
1.00モル当量)、硫酸銅(無水マレイン酸に対し
1.3重量%)、無水マレイン酸を加えた後、メチルア
ミンガス(無水マレイン酸に対して1.50モル当量)
を導入後、生成する水を溶媒キシレンと共に反応系外に
留去せしめながら、140〜145℃の温度で4時間、
反応系を均一相に保ちながら閉環イミド化反応を行い、
芳香族スルホン酸を分離除去することなく、生成したN
−置換マレイミド類を反応液から直接蒸留分離する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はN−置換マレイミド類の
精製方法に関するものである。N−置換マレイミド類は
ABS、ポリメタアクリレート、PVC等の樹脂の耐熱
性改良剤や医薬、農薬の中間体として有用な化合物であ
る。
【0002】
【従来の技術】N−置換マレイミド類の精製方法につい
ては、古くから研究されている。従来、N−置換マレイ
ミド類の精製方法としては、反応液を大量の冷水中に注
入して、析出する結晶をろ別し、この結晶をさらに多量
の水で洗浄したり、あるいは希薄な炭酸ナトリウム水溶
液や苛性ソーダ水溶液で洗浄した後、乾燥させる方法
(米国特許第2, 444, 536号、特開昭55−14
9253号公報)や、N−置換マレイミド類含有の反応
液を希薄な弱アルカリ水溶液で中和後、水洗し、有機相
を分離する方法(特開昭53−68770号公報)等が
開示されている。しかし、本反応で生成する副生物は、
通常N−置換マレイミド類と同様に水に不溶の化合物で
あるため、精製方法としては必ずしも満足できるもので
はなく、高純度のN−置換マレイミド類を得ることは困
難である。
【0003】また、特開昭61−22065号公報で
は、反応終了後の反応液から酸触媒を分離除去した後、
有機相に、N−置換マレインアミド酸類に対して1重量
%以上の硫酸を添加し、50〜140℃の温度範囲で処
理することにより、副生物を硫酸相に分離除去する方法
が開示されている。また、特開昭61−229862号
公報には、N−置換マレイミド類中の酸分が0.5重量
%以下になるように水洗を行った後、安定剤の存在下に
蒸留する精製方法が開示されている。しかしこれらの方
法では、水洗等により多量の酸性廃液が生じ、それらを
処理するためには多大の労力が必要となる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記課題に鑑
みなされたものであり、高純度のN−置換マレイミド類
を収率よく、短工程で得るためのN−置換マレイミド類
の精製方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上述の課題
を解決するために鋭意検討を行った結果、前述の酸触媒
を除去するための水洗及びアルカリ洗浄等の操作を施す
ことなく、酸触媒を含有する反応液から直接蒸留分離す
ることにより、高純度のN−置換マレイミド類を高収率
で回収できること、更に蒸留後の釜残液を酸触媒として
繰り返し使用できることを見い出し本発明を完成するに
至った。
【0006】即ち本発明は、芳香族スルホン酸を酸触媒
とし、無水マレイン酸と第一アミン類よりN−置換マレ
イミド類を製造し、精製する方法において、(イ)水と
共沸可能な芳香族炭化水素を溶媒とし、(ロ)使用する
第一アミン類のモル数が次式を満足し、 0.8SA+MAn≧X≧0.45SA+MAn SA:芳香族スルホン酸のモル数、MAn:無水マレイ
ン酸のモル数、 X:第一アミン類のモル数 (ハ)反応中に生成する水を共沸により留去し、(ニ)
反応系を均一相に保ちながら反応させた後、前記酸触媒
を分離除去することなく、生成したN−置換マレイミド
類を反応液から直接蒸留分離することを特徴とする、N
−置換マレイミド類の精製方法である。以下、本発明に
ついて詳細に説明する。
【0007】本発明において、酸触媒は芳香族スルホン
酸であるが、これは例えば芳香族スルホン酸、芳香族ス
ルホン酸第一アミン塩、またはそれらの混合物などを用
いることができる。具体的に芳香族スルホン酸として
は、例えばベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、
キシレンスルホン酸、メシチレンスルホン酸、クロロベ
ンゼンスルホン酸、フルオロベンゼンスルホン酸、エチ
ルベンゼンスルホン酸、ニトロベンゼンスルホン酸及び
ナフタレンスルホン酸等を挙げることができる。
【0008】上記芳香族スルホン酸は市販品を使用して
も良いし、予め調製したものを使用しても差し支えな
い。芳香族スルホン酸は、芳香族炭化水素溶媒中で硫酸
類を脱水処理することにより調製したものであっても何
ら差し支えない。この場合、硫酸類としては例えば、濃
硫酸、希硫酸、発煙硫酸等を用いることができ、取扱い
の容易さから濃硫酸を用いることが望ましい。脱水処理
の条件は、例えば70〜180℃、好ましくは80〜1
60℃で10〜90分間、好ましくは15〜60分間加
熱攪拌することにより行うことができ、常圧は勿論、加
圧下及び減圧下のいずれでも行うことができる。
【0009】また、芳香族スルホン酸第一アミン塩は、
前記芳香族スルホン酸と後述の第一アミンとの塩であ
る。芳香族スルホン酸第一アミン塩は、芳香族スルホン
酸1モルに対して第一アミン類を1モル反応させること
により容易に、且つ定量的に合成できる。第一アミン類
はその化学的性質、例えば沸点及び融点等により、性状
が異なるが、例えば第一アミン類をアルコール溶液また
は水溶液とし、これに芳香族スルホン酸を添加しながら
反応させ、その後に溶媒を除去すれば芳香族スルホン酸
第一アミン塩を容易に得ることができる。
【0010】上記の酸触媒の使用量は、高収率及び高純
度N−置換マレイミド類を得るという観点から、無水マ
レイン酸に対して0.2〜4.0モル当量、好ましくは
0.4〜3.0モル当量使用することが適当である。
【0011】本発明で用いられる原料の無水マレイン酸
とは、無水マレイン酸及び/又はN−置換マレインアミ
ド酸である。ここでN−置換マレインアミド酸は、例え
ば、以下のようにして調製することができる。無水マレ
イン酸1モルに対して第一アミン類0.90〜1.10
モル、好ましくは0.95〜1.05モルを常圧下、不
活性ガス雰囲気下、例えば窒素雰囲気下で50〜70℃
で反応させることにより定量的に得られる。
【0012】この反応において、無水マレイン酸と第一
アミン類を最初から仕込んでおいても良いが、発熱を伴
うため、どちらか一方を少量づつ添加することが好まし
い。例えば、操作の容易さ等から、溶媒に完全に溶解さ
せた無水マレイン酸に対して、第一アミン類を上記反応
温度内で5〜180分間、好ましくは15〜60分間か
け滴下することが良い。第一アミン類の添加終了後0.
5〜10時間、好ましくは2〜5時間で反応し、アミド
化反応が終了する。溶媒としては、無水マレイン酸及び
第一アミン類に対して不活性であれば特に制限はない
が、後に続くイミド化反応を考慮するとトルエン及びキ
シレンを用いることが好ましい。
【0013】本発明に用いられる第一アミン類として
は、例えばメチルアミン、エチルアミン、n−プロピル
アミン、イソプロピルアミン、n−ブチルアミン、se
c−ブチルアミン、イソブチルアミン、tert−ブチ
ルアミン、n−ヘキシルアミン、n−オクチルアミン、
n−デシルアミン、シクロヘキシルアミン、2−メチル
−シクロヘキシルアミンおよび4−メチル−シクロヘキ
シルアミン等を例示することができる。第一アミン類の
添加量は、無水マレイン酸および芳香族スルホン酸の使
用量との関係で下記の式の範囲で用いられる。
【0014】0.8SA+MAn≧X≧0.45SA+
MAn SA:芳香族スルホン酸のモル数、MAn:無水マレイ
ン酸のモル数、 X:第一アミン類のモル数 ただし、芳香族スルホン酸第一アミン塩あるいはN−置
換マレインアミド酸を用いる場合は、各々対応する芳香
族スルホン酸または無水マレイン酸と、第一アミン類と
の1対1の混合物として上式に適用するものとする。
【0015】本発明の溶媒としては、N−置換マレイミ
ド類に対して不活性であり、水と非混和性で水と共沸可
能な芳香族炭化水素溶媒が好ましく用いられる。例えば
ベンゼン、トルエン、キシレン、クメン、メシチレン、
エチルベンゼン、クロロベンゼン、フルオロベンゼン、
ニトロベンゼン及びアニソール等を例示することがで
き、反応温度の制御や溶媒除去の容易さという観点か
ら、トルエンやキシレンを用いることが好ましい。また
反応を円滑に行い且つ経済的条件を満足させるために、
芳香族炭化水素溶媒の使用量は、無水マレイン酸あるい
はN−置換マレインアミド酸の重量に対して0.5〜7
倍、好ましくは1〜3倍とすることが適当である。
【0016】さらに、本反応系には重合禁止剤を添加し
ても差し支えない。用いられる重合禁止剤としては、例
えばフェノール、メトキシフェノール、tert−ブチ
ルカテコール、2,4−ジニトロフェノール、2,6−
ジ−tert−ブチル−p−クレゾール、2,2’−メ
チレン−ビス−(4−メチル−6−tert−ブチルフ
ェノール)、2,2’−メチレン−ビス−(4−エチル
−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−チオ
ビス−(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール
等のフェニル骨格を有するアルキルモノフェニル類及び
アルキルビスフェニル類、ハイドロキノン、tert−
ブチルハイドロキノン等のハイドロキノン類、チオジプ
ロピオン酸ジラウリル、チオジプロピオン酸ジステアリ
ル、チオジプロピオン酸ジドデシル等のチオジプロピオ
ン酸エステル類があげられる。
【0017】さらに、ジメチルジチオカルバミン酸ナト
リウム、ジエチルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジ−
n−ブチルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジメチルジ
チオカルバミン酸亜鉛、ジエチルジチオカルバミン酸亜
鉛、ジ−n−ブチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジメチル
ジチオカルバミン酸ニッケル、ジエチルジチオカルバミ
ン酸ニッケル、ジ−n−ブチルジチオカルバミン酸ニッ
ケル等のジチオカルバミン酸塩類、サリチル酸ナトリウ
ム、サリチル酸フェニル、サリチル酸−p−tert−
ブチルフェニル、サリチル酸−p−オクチルフェニル等
のサリチル酸塩類及びサリチル酸エステル類、フェノチ
アジン、メチレンブルー等のフェノチアジン類などがあ
げられる。
【0018】さらに、1,6−ヘキサンジオール−ビス
−〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフ
ェニル)プロピオネート〕、ペンタエリスリチル−テト
ラキス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキ
シフェニル)プロピオネート〕、2,2−チオ−ジ−エ
チレンビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒド
ロキシフェニル)プロピオネート〕、オクタデシル−3
−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)プロピオネート等のヒンダードフェノール類、2−
メルカプトベンズイミダゾール、2−メルカプトベンズ
イミダゾール亜鉛、2−メルカプトメチルベンズイミダ
ゾール等のメルカプトイミダゾール類、トリフェニルフ
ォスファイト、ジフェニルイソデシルフォスファイト等
のトリアルキルフォスファイト類、硫酸銅、塩化第一
銅、塩化第二銅、硝酸銅、炭酸銅、酢酸銅等の銅の無機
及び有機塩類を挙げることができる。
【0019】これら重合禁止剤の使用量は、重合禁止効
果及び経済性という観点から、反応に供する無水マレイ
ン酸あるいはN−置換マレインアミド酸に対して、0.
0005重量%〜10重量%、好ましくは0.002重
量%〜5重量%とすることが望ましい。
【0020】本発明によれば、前述の原料、触媒、溶媒
及び添加剤等を用いてN−置換マレイミド類を製造す
る。この反応は、例えば以下のようにして行われる。即
ち、はじめに芳香族スルホン酸及び無水マレイン酸を溶
解する。使用する無水マレイン酸は、このとき全量溶解
するか、必要ならば反応中に連続的または分割して供給
することもできる。次に、これに第一アミン類を徐々に
添加する。第一アミン類は通常一括して添加されるが、
必要ならば、反応中に連続または分割して添加しても良
い。また必要ならば、溶媒を加熱し、還流下に第一アミ
ン類および無水マレイン酸を同時にまたは別々に、連続
的にまたは断続的に供給しても良い。
【0021】これら無水マレイン酸や第一アミン類の添
加方法や順序は特に制限は無いが、好ましくは、第一ア
ミン類の化学的性質、例えば沸点や融点を考慮して適宜
選択するのがよい。原料を連続的または断続的に供給す
る場合、無水マレイン酸類や第一アミン類の供給時間は
0.4〜4.0時間、好ましくは0.8〜3.0時間と
することが適当である。また、第一アミン類の添加量は
前記の式の範囲であり、第一アミン類を連続的または断
続的に供給する場合においても、添加速度、すなわち単
位時間当たりの添加量は、可能な限り前記の式を満足す
ることが望ましい。第一アミン類を添加後、更に還流を
行い、反応により生成する水を溶媒と共に系外に共沸に
より留去しながら反応を行う。
【0022】また、原料としてN−置換マレインアミド
酸を使用する場合も、まず同様にして反応を行うことが
できるが、必要ならば、芳香族スルホン酸を芳香族炭化
水素に溶解させた後、第一アミン類を徐々に添加して、
芳香族スルホン酸および芳香族スルホン酸第一アミン塩
の混合物を調製する。この芳香族スルホン酸第一アミン
塩は、前述の様に反応過程で調製することもできるが、
予め調製したものを添加しても差し支えない。次にN−
置換マレインアミド酸を添加し、反応系を還流させ、還
流下に反応を行う。また、必要ならば、芳香族スルホン
酸とN−置換マレインアミド酸を芳香族炭化水素に溶解
させ、反応系を昇温し還流させた後、第一アミン類を連
続的または断続的に供給して反応を行うこともできる。
反応により生成する水は、共沸により系外に留去しなが
ら反応を行う。
【0023】本反応の反応温度は60〜180℃、好ま
しくは80〜160℃で行うことが好ましい。この温度
範囲であれば常圧は勿論のこと、減圧下および加圧下に
おいても反応を行うことができる。また、反応時間は1
〜10時間、好ましくは2〜6時間とすることが適当で
ある。
【0024】本発明の方法によれば、前述の反応操作に
より得られた酸触媒およびN−置換マレイミド類を含む
反応液から酸触媒を分離除去することなく、反応液を直
接蒸留し、芳香族炭化水素を分離除去した後さらに蒸留
を継続し、高純度のN−置換マレイミド類を高収率で得
ることができる。本発明に於ける蒸留は、常圧下に行う
こともできるが、N−置換マレイミド類の沸点が200
℃以下になるよう、減圧下で行うことが好ましい。蒸留
に要する時間は、N−置換マレイミドの種類により異な
るが、0.5〜5.0時間、好ましくは1.0〜3.0
時間とすることが適当である。蒸留時間が短いとN−置
換マレイミド類の回収率が低下し、逆に長くなりすぎて
も重合等により回収率が低下する。
【0025】上述の蒸留操作によりN−置換マレイミド
を回収した蒸留後の釜残液は、芳香族炭化水素に溶解さ
せることにより容易に回収することができ、このように
回収した釜残液は、酸触媒として繰り返しイミド化反応
に使用することができる。
【0026】本発明の操作により得られるN−置換マレ
イミド類としては、通常、置換基が炭素数で1〜10の
化合物であり、例えば、N−メチルマレイミド、N−エ
チルマレイミド、N−(n−プロピル)マレイミド、N
−イソプロピルマレイミド、N−(n−ブチル)マレイ
ミド、N−イソブチルマレイミド、N−(sec−ブチ
ル)マレイミド、N−(t−ブチル)マレイミド、N−
(n−ヘキシル)マレイミド、N−シクロヘキシルマレ
イミド、N−(n−オクチル)マレイミド、N−(2−
エチルヘキシル)マレイミド及びN−(n−デシル)マ
レイミド等を挙げることができる。
【0027】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説
明するが、本発明はこれら実施例に限定されない。
【0028】実施例1 温度計、水分離器を備えた冷却管及び攪拌機を備えた5
00ml四つ口フラスコに、キシレン45ml及び濃硫
酸19.5g(無水マレイン酸に対して1.00モル当
量)を加え、常圧下135〜140℃の温度範囲で30
分間攪拌還流して生成する水3.40mlを共沸により
系外に除去した。加熱還流、共沸脱水終了後室温まで放
冷し、硫酸銅を258mg(無水マレイン酸に対し1.
3重量%)、無水マレイン酸19.8g(0.200モ
ル)を加えた後、メチルアミン導入管よりメチルアミン
ガスを9.40g(無水マレイン酸に対して1.50モ
ル当量)を吹き込んだ。
【0029】メチルアミンガスを導入後、この混合物が
還流するまで昇温し、生成する水をキシレンと共に反応
系外に留去せしめながら140〜145℃の温度範囲で
4時間、閉環イミド化反応を行った。この間反応液は常
に均一溶液状態であった。反応終了後、反応液をガスク
ロマトグラフィーで分析を行ったところ、N−メチルマ
レイミドが20.6g生成していた。これは無水マレイ
ン酸に対して92.8モル%に相当する。
【0030】反応終了時のキシレンスルホン酸に対する
キシレンスルホン酸メチルアミン塩のモル比は1.0で
あった。
【0031】反応終了後、40mmHg、50℃でキシ
レンを減圧除去した後、さらに10mmHg、70〜1
50℃まで昇温しN−メチルマレイミドを蒸留により回
収した。
【0032】蒸留により回収されたN−メチルマレイミ
ドは19.4gであり、回収率は94.2%であった。
この結晶をガスクロマトグラフィーで分析を行ったとこ
ろ、この結晶中のN−メチルマレイミドの純度は99.
6重量%以上であり、無水マレイン酸は全く含まれてい
なかった。該結晶は白色結晶であり、紫外線分光分析に
おいて濃度5重量%のトルエン及びメタノール溶液は、
可視部の吸光度が実質0であった。また、蒸留残渣の重
量は41.9gであり、蒸留残渣内には、N−メチルマ
レイミドが、原料のN−メチルマレインアミド酸に対し
て、5.4モル%含まれていた。反応結果を表1に示し
た。
【0033】実施例2 温度計、水分離器を備えた冷却管及び攪拌機を備えた5
00ml四つ口フラスコに、キシレン45ml及び濃硫
酸9.8g(N−メチルマレインアミド酸に対して0.
50モル当量)を加え、常圧下135〜140℃の温度
範囲で30分間攪拌還流して生成する水1.60mlを
共沸により系外に除去した。加熱還流、共沸脱水終了後
室温まで放冷した後、キシレンスルホン酸メチルアミン
塩21.7g(N−メチルマレインアミド酸に対して
0.50モル当量)、硫酸銅を258mg(N−メチル
マレインアミド酸に対して1重量%)、N−メチルマレ
インアミド酸25.8g(0.200モル)を加え、こ
の混合物が還流するまで昇温し、生成する水をキシレン
と共に反応系外に留去しながら、140〜145℃の温
度範囲で4時間閉環イミド化反応を行った。この間反応
液は常に均一溶液状態のままであった。反応終了後、反
応液をガスクロマトグラフィーで分析を行ったところ、
N−メチルマレイミドが21.1g生成していた。これ
は、原料のN−メチルマレインアミド酸に対して95.
1モル%に相当する。
【0034】反応終了後、40mmHg、50℃の条件
下にキシレンを減圧除去した後、さらに10mmHg、
70〜150℃まで昇温し、N−メチルマレイミドを反
応液から直接減圧蒸留により回収した。
【0035】蒸留による回収量は20.1gであり、回
収率は反応により生成したN−メチルマレイミドに対し
て95.3%であった。また、この結晶をガスクロマト
グラフィーにより分析を行ったところN−メチルマレイ
ミドの純度は99.6重量%以上であり無水マレイン酸
は全く含まれていなかった。該結晶は白色結晶であり、
紫外線分光分析において、濃度5重量%のトルエン及び
メタノール溶液は、可視部の吸光度は実質0であった。
また、蒸留残渣の重量は41.6gであり、該蒸留残渣
内には、N−メチルマレイミドが原料のN−メチルマレ
インアミド酸に対して、4.5モル%含まれていた。反
応結果を表1に示した。
【0036】実施例3 実施例2で得られた蒸留残渣41.6gを、温度計、水
分離器、冷却管及び攪拌機を備えた500ml四つ口フ
ラスコに加えた。これにキシレン45ml及びN−メチ
ルマレインアミド酸25.8g(0.200モル)を加
え、この混合物が還流するまで昇温し、生成する水をキ
シレンと共に反応系外に留去せしめながら140〜14
5℃の温度範囲で4時間、閉環イミド化反応を行った。
この間反応液は常に均一溶液状態であった。反応結果を
表1に示した。
【0037】実施例4 実施例3で得られた蒸留残渣41.9gを触媒として用
いた以外は、実施例3と全く同様の反応操作を行った。
この間反応液は常に均一溶液状態であった。反応結果を
表1に示した。
【0038】実施例5 温度計、水分離器を備えた冷却管及び攪拌機を備えた5
00ml四つ口フラスコに、キシレン45ml及び濃硫
酸19.5g(無水マレイン酸に対して2.00モル当
量)を加え、常圧下135〜140℃の温度範囲で30
分間攪拌還流して、生成する水3.40mlを共沸によ
り系外に除去した。加熱還流、共沸脱水終了後室温まで
放冷し、硫酸銅を258mg(無水マレイン酸に対し
2.6重量%)、無水マレイン酸9.9g(0.100
モル)を加えた後、シクロヘキシルアミンを19.8g
(無水マレイン酸に対して2.00モル当量)を導入し
た。
【0039】シクロヘキシルアミンを導入後、この混合
物が還流するまで昇温し、生成する水をキシレンと共に
反応系外に留去せしめながら140〜145℃の温度範
囲で4時間、閉環イミド化反応を行った。この間反応液
は常に均一溶液状態であった。反応終了後、反応液を高
速液体クロマトグラフィーで分析を行ったところ、N−
シクロヘキシルマレイミドが15.9g生成していた。
これは無水マレイン酸に対して88.9モル%に相当す
る。
【0040】反応終了後、40mmHg、50℃でキシ
レンを減圧除去した後、さらに7mmHg、150〜2
00℃まで昇温しN−シクロヘキシルマレイミドを蒸留
により回収した。
【0041】蒸留により回収されたN−シクロヘキシル
マレイミドは15.7gであり、回収率は98.8%で
あった。この結晶を高速液体クロマトグラフィーで分析
を行ったところ、この結晶中のN−シクロヘキシルマレ
イミドの純度は99.9重量%以上であり、無水マレイ
ン酸は全く含まれていなかった。また、蒸留残渣の重量
は38.21gであり、蒸留残渣内には、N−シクロヘ
キシルマレイミドが、原料のN−無水マレイン酸に対し
て、0.6モル%含まれていた。
【0042】
【表1】
【0043】なお表中の略語は以下のものを示す。
【0044】MAn:無水マレイン酸 MMA:N−
メチルマレインアミド酸 MA:メチルアミン CHA:シクロヘキシルア
ミン
【0045】
【発明の効果】本発明は、酸触媒を含有する反応液を直
接蒸留することにより、高純度のN−置換マレイミド類
を高回収量で得ることができるばかりでなく、廃水処理
が必要となる水洗及びアルカリ洗浄工程を省略すること
ができる。さらに蒸留残渣を繰り返し酸触媒として利用
できるという点で経済性も向上する。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】芳香族スルホン酸を酸触媒とし、無水マレ
    イン酸と第一アミン類よりN−置換マレイミド類を製造
    し、精製する方法において、(イ)水と共沸可能な芳香
    族炭化水素を溶媒とし、(ロ)使用する第一アミン類の
    モル数が次式を満足し、 0.8SA+MAn≧X≧0.45SA+MAn SA:芳香族スルホン酸のモル数、MAn:無水マレイ
    ン酸のモル数、 X:第一アミン類のモル数 (ハ)反応中に生成する水を共沸により留去し、(ニ)
    反応系を均一相に保ちながら反応させた後、前記酸触媒
    を分離除去することなく、生成したN−置換マレイミド
    類を反応液から直接蒸留分離することを特徴とする、N
    −置換マレイミド類の精製方法。
  2. 【請求項2】芳香族スルホン酸が、芳香族スルホン酸、
    芳香族スルホン酸第一アミン塩、またはそれらの混合物
    であり、無水マレイン酸が、無水マレイン酸、N−置換
    マレインアミド酸、またはそれらの混合物である請求項
    1に記載の方法(ただし、芳香族スルホン酸第一アミン
    塩及びN−置換マレインアミド酸は、各々対応する芳香
    族スルホン酸及び無水マレイン酸と、第一アミン類との
    1対1の混合物として、(ロ)に示す式に適用す
    る。)。
  3. 【請求項3】N−置換マレイミド類を蒸留分離した後の
    釜残液を、酸触媒として繰り返し利用することを特徴と
    する請求項1又は2に記載の方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR20190077734A (ko) * 2017-12-26 2019-07-04 주식회사 엘지화학 N-치환 말레이미드 정제방법

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