JP2982253B2 - N―置換マレイミドの製造法 - Google Patents

N―置換マレイミドの製造法

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JP2982253B2 JP2218539A JP21853990A JP2982253B2 JP 2982253 B2 JP2982253 B2 JP 2982253B2 JP 2218539 A JP2218539 A JP 2218539A JP 21853990 A JP21853990 A JP 21853990A JP 2982253 B2 JP2982253 B2 JP 2982253B2
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、N−置換マレイミドの製造法に関する。N
−置換マレイミドは、ABS、MMA、PVC等の樹脂の耐熱性
改良剤や医薬、農薬の中間体として有用な化合物であ
る。
〔従来の技術〕
マレイミド類の製造方法は、古くから種々研究されて
いる。その中でも最も一般的な方法は、マレインアミド
酸を無水酢酸のような脱水剤を用いて脱水閉環せしめマ
レイミド類を製造する方法である(米国特許第2444536
号明細書)。この方法は、無水マレイン酸とアミン化合
物とを反応させ、生成するマレインアミド酸を無水酢酸
及び酢酸ナトリウムの存在下で、脱水閉環イミド化させ
るものである。
しかるに、この方法は、イミド化反応において、高価
な無水酢酸をマレインアミド酸に対して当量以上必要と
する。さらに、イミド化反応後、マレイミドの分離、回
収に多量の水を用いるために酢酸を含有する多量の廃水
を生じ、この廃水の無害化には多大の費用を必要とす
る。かかる理由から、この方法は工業的に不利な方法で
ある。
また、特開昭53−68770号公報には、無水マレイン酸
とアミン化合物とを有機溶媒中で反応させて生成したマ
レインアミド酸を、次いで単離することなしに、非プロ
トン性極性溶媒及び酸触媒の存在下で脱水閉環させる方
法が開示されている。
しかしながら、この方法には、以下のような問題点が
ある。高価でかつ毒性のあるジメチルホルムアミドなど
の非プロトン性極性溶媒を多く用いるために、マレイミ
ドの製造コストが高くなってしまう。酸触媒の作用によ
り非プロトン性極性溶媒が変質してしまうため、溶媒の
損失が大きい。ジメチルホルムアミドなどの非プロトン
性極性溶媒の沸点が高いために、製品マレイミドの中か
らこれら溶媒を除去することが困難であることなどであ
る。
さらに、特公昭51−40078号公報には、希釈剤として
沸点80℃以上の溶媒を用いて、N−置換マレインアミド
酸をクロルスルホン酸等の酸触媒とともに加熱脱水閉環
させ、この時生成する水を溶媒との共沸により系外に除
去することによりマレイミドを製造する方法が開示され
ている。この方法は、無水酢酸のような高価な脱水剤を
多量に必要としないばかりか、生成したマレイミドの分
離、回収が容易であるという点で優れている。
上記方法は、いずれもマレインアミド酸からの脱水イ
ミド化反応によるN−置換マレイミドの製造方法であ
る。
これらとは別に、特開昭62−215563号公報には、マレ
イン酸モノエステルとイソシアネート化合物とを反応さ
せ、マレインアミド酸モノエステルを得た後、熱的に脱
水アルコール反応を行いN−置換マレイミドを得る方法
が開示されている。
しかし、この方法は、脱水アルコール反応を行う際に
高真空を必要とし、また、イソシアネート化合物は比較
的高価であり、工業的に不利な方法である。
〔発明が解決しようとする課題〕
ところで近年N−置換マレイミドの中でも、シクロア
ルキル置換体あるいはアルキル置換体は、無色であり、
MMA及びPVCなどの透明な樹脂に添加しても樹脂に着色す
ることなしに樹脂の耐熱性を向上させることができると
いう観点から注目されている。
そこで本発明者らは、前述の特公昭51−40078号公報
に記載の方法をシクロアルキル置換体について適用し
た。ところが、これら置換体については、この公報に記
載されている芳香族置換体に比べて収率が著しく低かっ
た。
そこで本発明の目的は、マレイミドのN−置換基の違
いに係わらず、シクロアルキル置換体を含むマレイミド
を高収率で製造する方法を提供することにある。
〔課題を解決するための手段〕
そこで本発明は、一般式(3) で表されるN−置換マレインアミド酸(式中、R1は無置
換若しくは置換基を有する炭素数1〜20のアルキル基、
無置換若しくは置換基を有する炭素数3〜12のシクロア
ルキル基、無置換若しくは置換基を有するフェニル基、
または無置換若しくは置換基を有するナフチル基を示
す)を酸触媒及びR2−OH(式中、R2は無置換若しくは置
換基を有する炭素数1〜7のアルキル基、または無置換
若しくは置換基を有する炭素数3〜7のシクロアルキル
基を示す)で表されるアルコールの存在下、エステル化
して一般式(1) で表されるN−置換マレインアミド酸モノエステルを含
む反応混合物を得る工程、及び、 酸触媒の存在下、エステル化工程より高い温度で一般
式(1)のN−置換マレインアミド酸モノエステルを脱
アルコール反応することにより閉環イミド化して一般式
(2) で表されるN−置換マレイミドを得る、N−置換マレイ
ミドの製造法であって、 エステル化及び閉環イミド化工程の内、少なくとも閉
環イミド化工程の反応系中に重合防止剤を共存させる、
上記製造法に関する。
以下本発明について詳細に説明する。
一般式(1)、(2)及び(3)において、R1は、無
置換若しくは置換基を有する炭素数1〜20のアルキル
基、無置換若しくは置換基を有する炭素数3〜12のシク
ロアルキル基、無置換若しくは置換基を有するフェニル
基、または無置換若しくは置換基を有するナフチル基を
示す。
アルキル基は、直鎖または分枝アルキル基のいずれで
もよい。好ましいアルキル基として、メチル、エチル、
n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチ
ル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ヘキシル、n−
オクチル、n−デシル、n−ドデシル、n−オクタデシ
ル等を挙げることができる。
好ましいシクロアルキル基としては、シクロプロピ
ル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、
シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロドデシル等を
挙げることができる。
上記アルキル基、シクロアルキル基、フェニル基及び
ナフチル基は、いずれも無置換でも、あるいは置換を有
してもよい。置換基としては、例えば、炭素数1〜10の
アルキル基、フェニル基及びハロゲン(フッ素、塩素、
臭素)を例示することができる。
置換基を有するフェニル基を例示すると、メチルフェ
ニル基、ジメチルフェニル基、トリメチルフェニル基、
p−エチルフェニル基、p−イソプロピルフェニル基、
ヒドロキシフェニル基、p−メトキシフェニル基、p−
エトキシフェニル基、塩化フェニル基、臭化フェニル
基、フッ化フェニル基等を挙げることができる。
また、一般式(1)及びアルコールR2−OHにおいて、
R2は、無置換若しくは置換基を有する炭素数1〜7のア
ルキル基、または無置換若しくは置換基を有する炭素数
3〜7のシクロアルキル基を示す。
アルキル基は、直鎖または分枝アルキル基のいずれで
もよい。好ましいアルキル基として、メチル、エチル、
n−プロピル、n−ブチル、イソブチル、n−ヘキシル
等を挙げることができる。
好ましいシクロアルキル基としては、シクロヘキシ
ル、シクロペンチル等を挙げることができる。
上記アルキル基及びシクロアルキル基は、いずれも無
置換でも、あるいは置換基を有してもよい。置換基とし
ては、例えば、炭素数1〜6のアルキル基及びフェニル
基を挙げることができる。フェニル基を置換基として有
するアルキル基の例として、ベンジル基を挙げることが
できる。
次に、一般式(1)で表されるマレインアミド酸モノ
エステルの具体例を示す: メチルマレインアミド酸メチルエステル、エチルマレイ
ンアミド酸メチルエステル、n−プロピルマレインアミ
ド酸メチルエステル、イソプロピルマレインアミド酸メ
チルエステル、n−ブチルマレインアミド酸メチルエス
テル、シクロヘキシルマレインアミド酸メチルエステ
ル、n−オクタデシルマレインアミド酸メチルエステ
ル、フェニルマレインアミド酸メチルエステル、p−ニ
トロフェニルマレインアミド酸メチルエステル、o−ト
ルイルマレインアミド酸メチルエステル、p−トルイル
マレインアミド酸メチルエステル、p−クロロ−フェニ
ルマレインアミド酸メチルエステル、ジクロロ−フェニ
ルマレインアミド酸メチルエステル、メチルマレインア
ミド酸エチルエステル、エチルマレインアミド酸エチル
エステル、n−プロピルマレインアミド酸エチルエステ
ル、イソプロピルマレインアミド酸エチルエステル、n
−ブチルマレインアミド酸エチルエステル、シクロヘキ
シルマレインアミド酸エチルエステル、n−オクタデシ
ルマレインアミド酸エチルエステル、フェニルマレイン
アミド酸エチルエステル、p−ニトロフェニルマレイン
アミド酸エチルエステル、o−トルイルマレインアミド
酸エチルエステル、p−トルイルマレインアミド酸エチ
ルエステル、p−クロロ−フェニルマレインアミド酸エ
チルエステル、ジクロロ−フェニルマレインアミド酸エ
チルエステル、メチルマレインアミド酸n−プロピルエ
ステル、エチルマレインアミド酸n−プロピルエステ
ル、n−プロピルマレインアミド酸n−プロピルエステ
ル、イソプロピルマレインアミド酸n−プロピルエステ
ル、n−ブチルマレインアミド酸n−プロピルエステ
ル、シクロヘキシルマレインアミド酸n−プロピルエス
テル、n−オクタデシルマレインアミド酸n−プロピル
エステル、フェニルマレインアミド酸n−プロピルエス
テル、p−ニトロフェニルマレインアミド酸n−プロピ
ルエステル、o−トルイルマレインアミド酸n−プロピ
ルエステル、p−トルイルマレインアミド酸n−プロピ
ルエステル、p−クロロ−フェニルマレインアミド酸n
−プロピルエステル、ジクロロ−フェニルマレインアミ
ド酸n−プロピルエステル、メチルマレインアミド酸is
o−ブチルエステル、エチルマレインアミド酸iso−ブチ
ルエステル、n−プロピルマレインアミド酸iso−ブチ
ルエステル、イソプロピルマレインアミド酸iso−ブチ
ルエステル、n−ブチルマレインアミド酸iso−ブチル
エステル、シクロヘキシルマレインアミド酸iso−ブチ
ルエステル、n−オクタデシルマレインアミド酸iso−
ブチルエステル、フェニルマレインアミド酸iso−ブチ
ルエステル、p−ニトロフェニルマレインアミド酸iso
−ブチルエステル、o−トルイルマレインアミド酸iso
−ブチルエステル、p−トルイルマレインアミド酸iso
−ブチルエステル、p−クロロ−フェニルマレインアミ
ド酸iso−ブチルエステル、ジクロロ−フェニルマレイ
ンアミド酸iso−ブチルエステル、メチルマレインアミ
ド酸n−ヘキシルエステル、エチルマレインアミド酸n
−ヘキシルエステル、n−プロピルマレインアミド酸n
−ヘキシルエステル、イソプロピルマレインアミド酸n
−ヘキシルエステル、n−ブチルマレインアミド酸n−
ヘキシルエステル、シクロヘキシルマレインアミド酸n
−ヘキシルエステル、n−オクタデシルマレインアミド
酸n−ヘキシルエステル、フェニルマレインアミド酸n
−ヘキシルエステル、p−ニトロフェニルマレインアミ
ド酸n−ヘキシルエステル、o−トルイルマレインアミ
ド酸n−ヘキシルエステル、p−トルイルマレインアミ
ド酸n−ヘキシルエステル、p−クロロ−フェニルマレ
インアミド酸n−ヘキシルエステル、ジクロロ−フェニ
ルマレインアミド酸n−ヘキシルエステル。
次に、一般式(2)で表されるマレイミドを以下に例
示する: メチルマレイミド、エチルマレイミド、n−プロピル
マレイミド、イソプロピルマレイミド、n−ブチルマレ
イミド、イソブチルマレイミド、sec−ブチルマレイミ
ド、tert−ブチルマレイミド、n−ヘキシルマレイミ
ド、n−オクチルマレイミド、n−デシルマレイミド、
n−ドデシルマレイミド、n−オクタデシルマレイミ
ド、シクロヘキシルマレイミド、4−メチル−シクロヘ
キシルマレイミド、2−メチル−シクロヘキシルマレイ
ミド、アリルマレイミド、ベンジルマレイミド、フェニ
ルマレイミド、p−ニトロフェニルマレイミド、o−ト
ルイルフェニルマレイミド、p−トルイルフェニルマレ
イミド、キシリジルマレイミド、p−エチル−フェニル
マレイミド、エトキシフェニルマレイミド、p−イソプ
ロピルフェニルマレイミド、p−クロロ−フェニルマレ
イミド、ジクロロ−フェニルマレイミド。
一般式(3)で表されるマレインアミド酸を以下に例
示する: メチルマレインアミド酸、エチルマレインアミド酸、n
−プロピルマレインアミド酸、イソプロピルマレインア
ミド酸、n−ブチルマレインアミド酸、sec−ブチルマ
レインアミド酸、イソブチルマレインアミド酸、tert−
ブチルマレインアミド酸、n−ヘキシルマレインアミド
酸、シクロヘキシルマレインアミド酸、n−オクチルマ
レインアミド酸、n−デシルマレインアミド酸、n−ド
デシルマレインアミド酸、n−オクタデシルマレインア
ミド酸、2−メチル−シクロヘキシルマレインアミド
酸、4−メチル−シクロヘキシルマレインアミド酸、ア
リルマレインアミド酸、ベンジルマレインアミド酸、フ
ェニルマレインアミド酸、p−ニトロフェニルマレイン
アミド酸、o−トルイルマレインアミド酸、p−トルイ
ルマレインアミド酸、キシリジルマレインアミド酸、p
−エチルフェニルマレインアミド酸、エトキシフェニル
マレインアミド酸、p−イソプロピル−フェニルマレイ
ンアミド酸、p−クロロ−フェニルマレインアミド酸、
ジクロロ−フェニルマレインアミド酸。
以下に本発明の方法について詳細に説明する。
まず、一般式(3)で示されるマレインアミド酸とア
ルコールR2−OHとを酸触媒の存在下、生成する水を共沸
除去しつつエステル化反応を行う。この反応により、一
般式(1)で表されるマレインアミド酸モノエステルを
含む混合物を有利に得ることができる。
R2−OHのアルコールとしては、エステル化の容易さか
ら、炭素数1〜7のアルキル基または炭素数3〜7のシ
クロアルキル基を用いる。具体例としては、メタノー
ル、エタノール、n−プロパノール、n−ブタノール、
iso−ブタノール、n−ヘキサノール、ベンジルアルコ
ール等の1級アルコール、iso−プロパノール、sec−ブ
タノール、シクロヘキサノール等の2級アルコール、te
rt−ブタノール等の3級アルコール、エチレングリコー
ル等のジオール類を挙げることができる。中でも1級ア
ルコールが好ましい。
アルコールの使用量は、マレインアミド酸に対して、
0.5〜5モル当量とすることが適当である。
酸触媒としては、硫酸、無水硫酸、p−トルエンスル
ホン酸、メタスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、エチル
スルホン酸、オクチルスルホン酸等のブレンステッド酸
及び酸性のイオン交換樹脂等を用いることができる。
酸触媒の使用量は、マレインアミド酸に対して0.01〜
1モル当量、好ましくは0.05〜0.5モル当量とすること
が適当である。
本エステル化反応は、溶媒の不存在下でおこなっても
良いが、好ましくは、水不混和性または水不溶性の有機
溶媒の存在下で行うことが適当である。このような有機
溶媒としては、例えばn−ヘキサン、シクロヘキサン及
びメチルシクロヘキサン等の脂肪族炭化水素類、並びに
ベンゼン、トルエン、イソプロピルベンゼン等の芳香族
炭化水素類を挙げることができる。中でも、ベンゼン及
びトルエン等の芳香族炭化水素類を用いることが好まし
い。
反応温度は、高すぎると反応速度は早くなるが副反応
が起こるため、30〜110℃、好ましくは50〜80℃とする
ことが適当である。反応中は、反応混合物を攪拌するこ
とが好ましい。反応は、生成した水を系外に留去せしめ
ながら、約0.5〜3時間で行うことができる。
このようにして得られた反応混合物は、そのまま次の
イミド化反応に使用しても良し、または反応混合物中に
残存するアルコールを減圧下で除去した後にイミド化反
応に供しても良い。簡便さからは、そのままイミド化反
応に使用する方が有利である。
イミド化反応は、一般式(1)で表されるマレインア
ミド酸モノエステルを含む上記反応混合物に重合防止剤
を添加し、反応温度80〜170℃、好ましくは90〜110℃で
約1〜7時間、好ましくは1〜4時間かけて脱アルコー
ルによる閉環イミド化させるにより実施できる。このイ
ミド化反応温度は、前述のエステル化反応温度より高く
する。
このイミド化反応は、酸触媒の存在下で行われる。酸
触媒は、予めエステル化の際に反応混合物中に添加され
ているので、それをそのまま用いまことができる。但
し、必要により、イミド化反応に際して、酸触媒を補充
することもできる。
イミド化反応は、脱アルコール反応であるために、生
成するアルコールを共沸除去しつつ行うことで有利に進
行させることができる。即ち、溶媒の還流と共に反応系
内のアルコールを共沸除去し、それによって減少する溶
媒は、逐次補充することにより反応系内の溶媒量を一定
に保つ。
尚、上記エステル化及びイミド化反応において、非プ
ロトン性の極性溶媒、例えばジメチルホルムアミド、ジ
メチルスルホキシド等を用いることもできる。さらに、
重合防止剤はエステル化反応のときから反応系に添加し
ておいても良い。
反応圧力は、エステル化及びイミド化反応ともに、上
記温度範囲であれば、常圧、加圧、減圧のいずれでも良
い。
以下に重合防止剤について例示する: フェノール、メトキシフェノール、tert−ブチルカテ
コール、2,4−ジニトロフェノール、ハイドロキノン、t
ert−ブチルハイドロキノン、2,6−ジ−tert−ブチル−
p−クレゾール、2,2′−メチレン−ビス−(4−メチ
ル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2′−メチレン
−ビス−(4−エチル−6−tert−ブチルフェノー
ル)、4,4′−チオビス−(3−メチル−6−tert−ブ
チルフェノール)等のフェニル骨格を有するアルキルモ
ノフェニル類及びアルキルビスフェニル類。
チオジプロピオン酸ジラウリル、チオジプロピオン酸
ジステアリル、チオジプロピオン酸ジドデシル等のチオ
ジプロピオン酸エステル類。
ジメチルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジエチルジ
チオカルバミン酸ナトリウム、ジn−ブチルジチオカル
バミン酸ナトリウム、ジメチルジチオカルバミン酸亜
鉛、ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジn−ブチルジ
チオカルバミン酸亜鉛、ジメチルジチオカルバミン酸ニ
ッケル、ジエチルジチオカルバミン酸ニッケル、ジn−
ブチルジチオカルバミン酸ニッケル等のジチオカルバミ
ン酸塩類。
サリチル酸ナトリウム、サリチル酸フェニル、サリチ
ル酸−p−tert−ブチルフェニル、サリチル酸−p−オ
クチルフェニル等のサリチル酸塩類及びサリチル酸エス
テル類。
フェノチアジン、メチレンブルー等のフェノチアジン
類。
2−メルカプトベンズイミダゾール、2−メルカプト
ベンズイミダゾール亜鉛塩、2−メルカプトメチルベン
ズイミダゾール等のメルカプトイミダゾール類。
トリフェニルホスファイト、ジフェニルイソデシルホ
スファイト等のトリアルキルホスファイト類。
〔発明の効果〕
本発明の方法によれば、マレインアミド酸モノエステ
ルから、マレイミドのシクロアルキル置換体及びアルキ
ル置換体を高収率で製造することができる。さらに、本
発明の方法によれば、従来の方法に比べて比較的低い温
度で、しかも短時間で収率良くマレイミドのシクロアル
キル置換体及びアルキル置換体を製造することができ
る。また、本発明の方法により得られるマレイミドは、
着色も極めて少ない。
〔実施例〕
以下、本発明を実施例によりさらに詳しく説明する
が、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
実施例1 温度計、水分離器を備えた冷却管、トルエン供給管及
び攪拌器を備えた500ml四つ口フラスコにN−シクロヘ
キシルマレインアミド酸39.4g(0.2mol)、トルエン180
ml、iso−ブチルアルコール55.3ml(0.6mol)及び濃硫
酸2.0mlを仕込み、加熱攪拌下、減圧することにより反
応温度を80℃に保ち、反応により生成する水をトルエン
と共に系外に留去せしめながら1時間エステル化反応を
行った。
次いで、減圧を解き、80℃のままでフラスコ内にp−
メトキシフェノールを0.1g添加した。常圧のまま再び加
熱を開始して、トルエンが還流を初めた時点からトルエ
ン供給管より180ml/hの速度でトルエンをフラスコ内に
供給するとともに、水分離器より180ml/hの速度で反応
溶媒の抜け出しを行った。この状態で3時間攪拌を続け
て反応を行った。反応終了後、反応液を60℃まで降温
し、100mlの水を加えて15分攪拌水洗し、水層を分離し
て硫酸を除去した。
有機層を高速液体クロマトグラフィーにより分析した
結果、N−シクロヘキシルマレイミドが原料として使用
したN−シクロヘキシルマレインアミド酸に対して88.6
%の収率で生成した。
結果は、まとめて表1に示す。
比較例1 重合防止剤であるp−メトキシフェノールを添加しな
かった他は実施例1と同様に操作して、N−シクロヘキ
シルマレイミドを得た。
結果は、表1に示す。
実施例2〜8 表1に示す種々の重合防止剤をp−メトキシフェノー
ルの代わりに用いた他は実施例1と同様に操作して、N
−シクロヘキシルマイレイミドを得た。
結果は、表1に示す。
実施例9 温度計、水分離器を備えた冷却管、トルエン供給管及
び攪拌器を備えた200ml四つ口フラスコにN−tert−ブ
チルマレインアミド酸17.1g(0.1mol)、トルエン90m
l、iso−ブチルアルコール27.9ml(0.3mol)及び濃硫酸
1.0mlを仕込み、加熱攪拌下、減圧することにより反応
温度を80℃に保ち、反応により生成する水をトルエンと
共に系外に留去せしめながら1時間エステル化反応を行
った。
さらに、続けて反応溶媒を50ml抜き出した。
この反応液にトルエン50mlとtert−ブチルカテコール
を0.1g添加し、常圧のまま再び加熱を開始して、トルエ
ンが還流を始めた時点からトルエン供給管より90ml/hの
速度でトルエンをフラスコ内に供給するとともに、水分
離器より90ml/hの速度で反応溶媒の抜き出しを行った。
この状態で4時間攪拌を続けて反応を行った。反応終了
後、反応液を60℃まで降温し、50mlの水を加えて15分攪
拌水洗し、水層を分離して硫酸を除去した。
有機層を高速液体クロマトグラフィーにより分析した
結果、N−tert−ブチルマレイミドが原料として使用し
たN−tert−ブチルマレインアミド酸に対して72.9%の
収率で生成した。
比較例2 温度計、水分離器を備えた冷却管、及び攪拌器を備え
た200ml三つ口フラスコにN−tert−ブチルマレインア
ミド酸17.1g(0.1mol)、トルエン90ml、iso−ブチルア
ルコール27.9ml(0.3mol)及び濃硫酸1.0mlを仕込み、
加熱攪拌下、減圧することにより反応温度を80℃に保
ち、反応により生成する水をトルエンと共に系外に留去
せしめながら1時間エステル化反応を行った。
さらに、続けて反応溶媒を減圧下で50ml抜き出した。
この反応液にトルエン50mlを添加し、常圧のまま再び
加熱を開始して、トルエンの還流下、4時間攪拌を続け
て反応を行った。反応終了後、反応液を60℃まで降温
し、50mlの水を加えて15分攪拌水洗し、水層を分離して
硫酸を除去した。
有機層を高速液体クロマトグラフィーにより分析した
結果、N−tert−ブチルマレイミドが原料として使用し
たN−tert−ブチルマレインアミド酸に対して55.6%の
収率で生成した。
実施例10 温度計、水分離器を備えた冷却管、トルエン供給管及
び攪拌器を備えた200ml四つ口フラスコにN−メチルマ
レインアミド酸12.9g(0.1mol)、トルエン90ml、iso−
ブチルアルコール27.9ml(0.3mol)及び濃硫酸1.0mlを
仕込み、加熱攪拌下、減圧することにより反応温度を70
℃に保ち、反応により生成する水をトルエンと共に系外
に留去せしめながら1.5時間エステル化反応を行った。
次いで、この反応液に2,4−ジニトロフェノール25mg
を添加し、常圧のまま再び加熱を開始して、トルエンが
還流し始めた時点からトルエン供給管より90ml/hの速度
でトルエンをフラスコ内に供給するとともに、水分離器
より90ml/hの速度で反応溶媒の抜き出しを行った。この
状態で2時間攪拌を続けて反応を行った。
反応終了後、反応液を高速液体クロマトグラフィーに
より分析した結果、N−メチルマレイミドが原料として
使用したN−メチルマレインアミド酸に対して84.7%の
収率で生成していた。
実施例11 原料としてN−メチルマレインアミド酸の代わりにN
−エチルマレインアミド酸を用いた以外は実施例10と同
様にして反応を行った。反応終了後、反応液を高速液体
クロマトグラフィーにより分析した結果、N−エチルマ
レイミドが原料として使用したN−エチルマレインアミ
ド酸に対して83.7%の収率で生成していた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−215563(JP,A) 特開 昭53−84964(JP,A) 特開 昭61−5066(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C07D 207/00 - 207/50 REGISTRY(STN) CA(STN) CAOLD(STN)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(3) で表されるN−置換マレインアミド酸(式中、R1は無置
    換若しくは置換基を有する炭素数1〜20のアルキル基、
    無置換若しくは置換基を有する炭素数3〜12のシクロア
    ルキル基、無置換若しくは置換基を有するフェニル基、
    または無置換若しくは置換基を有するナフチル基を示
    す)を酸触媒及びR2−OH(式中、R2は無置換若しくは置
    換基を有する炭素数1〜7のアルキル基、または無置換
    若しくは置換基を有する炭素数3〜7のシクロアルキル
    基を示す)で表されるアルコールの存在下、エステル化
    して一般式(1) で表されるN−置換マレインアミド酸モノエステルを含
    む反応混合物を得る工程、及び、 酸触媒の存在下、エステル化工程より高い温度で一般式
    (1)のN−置換マレインアミド酸モノエステルを脱ア
    ルコール反応することにより閉環イミド化して一般式
    (2) で表されるN−置換マレイミドを得る、N−置換マレイ
    ミドの製造法であって、 エステル化及び閉環イミド化工程の内、少なくとも閉環
    イミド化工程の反応系中に重合防止剤を共存させる、上
    記製造法。
  2. 【請求項2】一般式(1) で表されるN−置換マレインアミド酸モノエステル(式
    中、R1は無置換若しくは置換基を有する炭素数1〜20の
    アルキル基、無置換若しくは置換基を有する炭素数3〜
    12のシクロアルキル基、無置換若しくは置換基を有する
    フェニル基、または無置換若しくは置換基を有するナフ
    チル基を示し、R2は無置換若しくは置換基を有する炭素
    数1〜7のアルキル基、または無置換若しくは置換基を
    有する炭素数3〜7のシクロアルキル基を示す)を酸触
    媒及び重合防止剤の存在下に脱アルコール反応を行って
    閉環イミド化する、一般式(2) で表されるN−置換マレイミドの製造法。
  3. 【請求項3】エステル化工程後、残存するアルコールを
    除去することなく、閉環イミド化工程を開始する請求項
    1に記載の製造法。
  4. 【請求項4】脱アルコール反応による閉環イミド化工程
    を、アルコールの共存下で行う請求項2に記載の製造
    法。
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