JPH0774200B2 - N―置換マレイミド類の製造方法 - Google Patents
N―置換マレイミド類の製造方法Info
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- JPH0774200B2 JPH0774200B2 JP2222275A JP22227590A JPH0774200B2 JP H0774200 B2 JPH0774200 B2 JP H0774200B2 JP 2222275 A JP2222275 A JP 2222275A JP 22227590 A JP22227590 A JP 22227590A JP H0774200 B2 JPH0774200 B2 JP H0774200B2
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- Y02P—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
- Y02P20/00—Technologies relating to chemical industry
- Y02P20/50—Improvements relating to the production of bulk chemicals
- Y02P20/52—Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts
Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 発明は医薬,農薬,染料,高分子の原料として有用なN
−置換マレイミド類の製造方法に関する。
−置換マレイミド類の製造方法に関する。
(従来の技術) マレイミド類の製造方法については従来から種々の方法
が知られている。例えば,「Org.Synth.Coll」,5巻,944
頁,1973年,には,無水マレイン酸とアミン類とを反応
させて得られるマレイン酸モノアミド類を無水酢酸や五
酸化リンなどの化学的な脱水剤を用いて,触媒の存在下
で脱水反応させる方法が記載されている。この方法にお
いては比較的高収率(75〜80%)でN−置換マレイミド
類を得ることができる。しかし,生成する水の量に応じ
て,無水酢酸などの脱水剤を化学量論的に使用する必要
があるので,製造コストが高価になるという欠点を有す
る。
が知られている。例えば,「Org.Synth.Coll」,5巻,944
頁,1973年,には,無水マレイン酸とアミン類とを反応
させて得られるマレイン酸モノアミド類を無水酢酸や五
酸化リンなどの化学的な脱水剤を用いて,触媒の存在下
で脱水反応させる方法が記載されている。この方法にお
いては比較的高収率(75〜80%)でN−置換マレイミド
類を得ることができる。しかし,生成する水の量に応じ
て,無水酢酸などの脱水剤を化学量論的に使用する必要
があるので,製造コストが高価になるという欠点を有す
る。
この欠点を解決して工業にも有利な製造方法を提供する
ために,無水酢酸や五酸化リンのような化学的な脱水剤
を使用しない製造方法が報告されている。例えば,特公
昭51−40078号公報には,無水マレイン酸と1級アミン
とを三酸化硫黄,硫酸,などの酸触媒の存在下におい
て,例えば,トルエン,キシレン,クロルベンゼンなど
の沸点が80℃以上の溶媒中で,加熱して生成水を溶媒と
共沸させことにより排出し,脱水閉環させる方法が記載
されている。この方法は高価な脱水剤を多量に用いない
点で優れているが,反応温度が高いため,例えば,反応
系内で一旦生成したN−置換マレイミド類の重合による
ポリマー状副生成物の生成など種々の副反応を著しく生
起し易い。この方法によれば,得られるN−置換マレイ
ミド類の収率および製品純度が低いばかりか反応中に反
応溶液が褐色に着色し,精製工程を実施しても得られる
マレイミド類が着色しているので,製品の利用価値が低
い。精製工程が必要となるので,製造工程が複雑になる
という問題もある。
ために,無水酢酸や五酸化リンのような化学的な脱水剤
を使用しない製造方法が報告されている。例えば,特公
昭51−40078号公報には,無水マレイン酸と1級アミン
とを三酸化硫黄,硫酸,などの酸触媒の存在下におい
て,例えば,トルエン,キシレン,クロルベンゼンなど
の沸点が80℃以上の溶媒中で,加熱して生成水を溶媒と
共沸させことにより排出し,脱水閉環させる方法が記載
されている。この方法は高価な脱水剤を多量に用いない
点で優れているが,反応温度が高いため,例えば,反応
系内で一旦生成したN−置換マレイミド類の重合による
ポリマー状副生成物の生成など種々の副反応を著しく生
起し易い。この方法によれば,得られるN−置換マレイ
ミド類の収率および製品純度が低いばかりか反応中に反
応溶液が褐色に着色し,精製工程を実施しても得られる
マレイミド類が着色しているので,製品の利用価値が低
い。精製工程が必要となるので,製造工程が複雑になる
という問題もある。
このポリマー状副生成物の生成を防ぐことを目的とした
製造方法が,特開昭63−12266号に開示されている。
製造方法が,特開昭63−12266号に開示されている。
この方法は,50〜200℃の温度に加熱した無水マレイン酸
と,有機溶媒と,酸触媒との混合物に芳香族または脂肪
族の1級アミンを滴下し,反応中に生成した水を留去し
ながら1段階でN−置換マレイミド類を製造する方法で
ある。
と,有機溶媒と,酸触媒との混合物に芳香族または脂肪
族の1級アミンを滴下し,反応中に生成した水を留去し
ながら1段階でN−置換マレイミド類を製造する方法で
ある。
(発明が解決しようとする課題) 上述の方法では,反応は比較的高温で長時間にわたって
行われる。そのために,ポリマー状副反応物の生成は完
全に抑制されていない。そして,原料の無水マレイン酸
は反応中に生成した水と反応してマレイン酸となり,こ
れが熱により異性化して,フマル酸が生成する。さら
に,反応中間体として生成するN−置換モノマレアミド
酸も熱により異性化して,N−置換モノフマルアミド酸が
生成する。上記フマル酸およびN−置換モノフマルアミ
ド酸は溶媒および酸触媒に不溶性である。したがって,
反応の初期から中期にかけて還流している溶媒と共に上
昇するかまたは飛散してコンデンサー並びに還流用の配
管に付着した無水マレイン酸やN−置換モノマレアミド
酸は,フマル酸やN−置換モノフマルアミド酸に異性化
し,これがコンデンサー内部や上記配管内部に付着堆積
する。これが著しくなるとコンデンサーや配管の閉塞を
招く。コンデンサーや配管が閉塞して反応が密閉系にな
ると反応設備が爆発する可能性が生じるので,非常に危
険である。このように,従来の方法は,上記コンデンサ
ーや配管の閉塞を生じるという点で,特に工業的に製造
する際の安全性の観点から大きな問題を有しており,こ
れらの付着物を除去する工程が必要になるので生産性が
低下し,その結果,製造コストが上がる。
行われる。そのために,ポリマー状副反応物の生成は完
全に抑制されていない。そして,原料の無水マレイン酸
は反応中に生成した水と反応してマレイン酸となり,こ
れが熱により異性化して,フマル酸が生成する。さら
に,反応中間体として生成するN−置換モノマレアミド
酸も熱により異性化して,N−置換モノフマルアミド酸が
生成する。上記フマル酸およびN−置換モノフマルアミ
ド酸は溶媒および酸触媒に不溶性である。したがって,
反応の初期から中期にかけて還流している溶媒と共に上
昇するかまたは飛散してコンデンサー並びに還流用の配
管に付着した無水マレイン酸やN−置換モノマレアミド
酸は,フマル酸やN−置換モノフマルアミド酸に異性化
し,これがコンデンサー内部や上記配管内部に付着堆積
する。これが著しくなるとコンデンサーや配管の閉塞を
招く。コンデンサーや配管が閉塞して反応が密閉系にな
ると反応設備が爆発する可能性が生じるので,非常に危
険である。このように,従来の方法は,上記コンデンサ
ーや配管の閉塞を生じるという点で,特に工業的に製造
する際の安全性の観点から大きな問題を有しており,こ
れらの付着物を除去する工程が必要になるので生産性が
低下し,その結果,製造コストが上がる。
さらに,上記フマル酸およびN−置換モノフマルアミド
酸は反応終了後の洗浄による精製時に,反応溶液と酸触
媒との界面に堆積するため,この界面が不明確となり,
反応溶液を酸触媒や他の副生成物から分離精製すること
が困難になる。
酸は反応終了後の洗浄による精製時に,反応溶液と酸触
媒との界面に堆積するため,この界面が不明確となり,
反応溶液を酸触媒や他の副生成物から分離精製すること
が困難になる。
このようにフマル酸が生成するということは1級アミン
との反応に供される無水マレイン酸の量が減少するとい
うことであり,N−置換モノフマルアミド酸が生成すると
いうことは反応中間体の量が減少するということなの
で,従来法にはN−置換マレイミド類の収率が低いとい
う問題もある。
との反応に供される無水マレイン酸の量が減少するとい
うことであり,N−置換モノフマルアミド酸が生成すると
いうことは反応中間体の量が減少するということなの
で,従来法にはN−置換マレイミド類の収率が低いとい
う問題もある。
本発明は上記従来の問題点を解決するものであり,その
目的とするところは,ポリマー状副反応物の生成が抑制
されているために精製工程を簡略化することが可能なN
−置換マレイミド類の製造方法を提供することにある。
本発明の他の目的はコンデンサー並びに配管が閉塞する
ことなく高純度で色相の良好なN−置換マレイミド類
を,高収率で安価かつ安全に製造する方法を提供するこ
とにある。
目的とするところは,ポリマー状副反応物の生成が抑制
されているために精製工程を簡略化することが可能なN
−置換マレイミド類の製造方法を提供することにある。
本発明の他の目的はコンデンサー並びに配管が閉塞する
ことなく高純度で色相の良好なN−置換マレイミド類
を,高収率で安価かつ安全に製造する方法を提供するこ
とにある。
(課題を解決するための手段) 本発明は無水マレイン酸と芳香族または脂肪族1級アミ
ンとを原料としてN−置換マレイミド類を製造する方法
であって,水と共沸可能な有機溶媒および酸触媒を含む
混合物を加熱して,該有機溶媒を還流させる工程;およ
び該混合物に,無水マレイン酸と該1級アミンとをそれ
ぞれ所定の割合でかつ一定速度で連続的に添加する工
程;を包含するN−置換マレイミド類の製造方法であり
そのことにより上記目的が達成される。
ンとを原料としてN−置換マレイミド類を製造する方法
であって,水と共沸可能な有機溶媒および酸触媒を含む
混合物を加熱して,該有機溶媒を還流させる工程;およ
び該混合物に,無水マレイン酸と該1級アミンとをそれ
ぞれ所定の割合でかつ一定速度で連続的に添加する工
程;を包含するN−置換マレイミド類の製造方法であり
そのことにより上記目的が達成される。
前記混合物は,好ましくはさらに少なくとも1種の安定
剤を含有し,該安定剤は少なくとも1種の,銅化合物お
よび/またはリン系化合物である。
剤を含有し,該安定剤は少なくとも1種の,銅化合物お
よび/またはリン系化合物である。
または,本発明は無水マレイン酸と芳香族または脂肪族
1級アミンとを原料としてN−置換マレイミド類を製造
する方法であって,水と共沸可能な有機溶媒,無水マレ
イン酸,該1級アミンおよび酸触媒を含む混合物を反応
させて得られる反応混合物を加熱して,該有機溶媒を還
流させる工程;および該反応混合物に,それぞれ所定の
割合の有機溶媒,無水マレイン酸,該1級アミンおよび
酸触媒を一定速度で連続的に添加して反応させ,同時
に,反応混合物を上記添加速度に応じた一定速度で連続
的に除去し回収する工程;を包含するN−置換マレイミ
ド類の製造方法であり,そのことにより上記目的が達成
される。
1級アミンとを原料としてN−置換マレイミド類を製造
する方法であって,水と共沸可能な有機溶媒,無水マレ
イン酸,該1級アミンおよび酸触媒を含む混合物を反応
させて得られる反応混合物を加熱して,該有機溶媒を還
流させる工程;および該反応混合物に,それぞれ所定の
割合の有機溶媒,無水マレイン酸,該1級アミンおよび
酸触媒を一定速度で連続的に添加して反応させ,同時
に,反応混合物を上記添加速度に応じた一定速度で連続
的に除去し回収する工程;を包含するN−置換マレイミ
ド類の製造方法であり,そのことにより上記目的が達成
される。
前記回収した反応混合物をさらに反応させる工程を設け
ても良い。
ても良い。
好ましくは,前記反応混合物は,さらに少なくとも1種
の安定剤を含有しかつ該反応混合物に,有機溶媒,無水
マレイン酸,前記1級アミンおよび酸触媒と共に,さら
に少なくとも1種の該安定剤が所定の割合でかつ一定速
度で加えられ,該安定剤は少なくとも1種の,銅化合物
および/またはリン系化合物である。
の安定剤を含有しかつ該反応混合物に,有機溶媒,無水
マレイン酸,前記1級アミンおよび酸触媒と共に,さら
に少なくとも1種の該安定剤が所定の割合でかつ一定速
度で加えられ,該安定剤は少なくとも1種の,銅化合物
および/またはリン系化合物である。
本発明の方法で用いられる1級アミンとしては,アニリ
ン,トルイジン,ジメチルアニリン,エチルアニリン,
ジエチルアニリン,カルボキシアニリン,ヒドロキシア
ニリン,クロロアニリン,ジクロロアニリン,ブロモア
ニリン,ジブロモアニリン,トリブロモアニリン,ニト
ロアニリンなどの芳香族1級アミン;およびメチルアミ
ン,エチルアミン,ヘキシルアミン,オクチルアミン,
ラウリルアミン,ベンジルアミン,シクロヘキシルアミ
ンなどの脂肪族1級アミンが挙げられる。
ン,トルイジン,ジメチルアニリン,エチルアニリン,
ジエチルアニリン,カルボキシアニリン,ヒドロキシア
ニリン,クロロアニリン,ジクロロアニリン,ブロモア
ニリン,ジブロモアニリン,トリブロモアニリン,ニト
ロアニリンなどの芳香族1級アミン;およびメチルアミ
ン,エチルアミン,ヘキシルアミン,オクチルアミン,
ラウリルアミン,ベンジルアミン,シクロヘキシルアミ
ンなどの脂肪族1級アミンが挙げられる。
原料として使用される無水マレイン酸は,上記1級アミ
ン1モルに対して0.8〜1.5モル,好ましくは0.9〜1.3モ
ルの割合で用いられる。
ン1モルに対して0.8〜1.5モル,好ましくは0.9〜1.3モ
ルの割合で用いられる。
本発明の方法で用いられる有機溶媒は,無水マレイン酸
と,芳香族または脂肪族の1級アミンとを溶解し得,50
〜200℃の温度において生成水を共沸混合物として系外
に排出し得る,不活性な有機溶媒である。ベンゼン,ト
ルエン,キシレンなどの芳香族炭化水素が好ましく用い
られる。これらの有機溶媒の使用量は,特に限定されな
いが,操作性および経済性の面から,反応生成物の理論
濃度が10〜60重量%,好ましくは20〜50重量%となるよ
うな濃度が好適である。反応成分の溶解性を向上させる
目的で,例えば,ジメチルホルムアミド,ジメチルアセ
トアミド,ジメチルスルホキシドなどの非プロトン性極
性溶媒を必要に応じて併用することも可能である。これ
らの非プロトン性極性溶媒の使用量も特に制限されない
が,全溶媒量に対して1〜30重量%程度が好ましい。
と,芳香族または脂肪族の1級アミンとを溶解し得,50
〜200℃の温度において生成水を共沸混合物として系外
に排出し得る,不活性な有機溶媒である。ベンゼン,ト
ルエン,キシレンなどの芳香族炭化水素が好ましく用い
られる。これらの有機溶媒の使用量は,特に限定されな
いが,操作性および経済性の面から,反応生成物の理論
濃度が10〜60重量%,好ましくは20〜50重量%となるよ
うな濃度が好適である。反応成分の溶解性を向上させる
目的で,例えば,ジメチルホルムアミド,ジメチルアセ
トアミド,ジメチルスルホキシドなどの非プロトン性極
性溶媒を必要に応じて併用することも可能である。これ
らの非プロトン性極性溶媒の使用量も特に制限されない
が,全溶媒量に対して1〜30重量%程度が好ましい。
上記有機溶媒および非プロトン性極性溶媒は,無水マレ
イン酸,上記1級アミン,安定剤,および触媒のうちの
いずれかまたはいずれかの組み合わせと共に添加して
も,これらとは別に添加してもよい。
イン酸,上記1級アミン,安定剤,および触媒のうちの
いずれかまたはいずれかの組み合わせと共に添加して
も,これらとは別に添加してもよい。
本発明で用いられる酸触媒としては,硫酸,亜硫酸,な
どの無機酸;メタンスルホン酸,ベンゼンスルホン酸;
トルエンスルホン酸などの有機酸;および酸性イオン交
換樹脂などが挙げられるが,これらに限定されない。こ
れらの触媒の使用量は特に制限されないが,通常は,マ
レイミド類の理論生成物量の10重量%以下の量で用いら
れる。
どの無機酸;メタンスルホン酸,ベンゼンスルホン酸;
トルエンスルホン酸などの有機酸;および酸性イオン交
換樹脂などが挙げられるが,これらに限定されない。こ
れらの触媒の使用量は特に制限されないが,通常は,マ
レイミド類の理論生成物量の10重量%以下の量で用いら
れる。
本発明では必要に応じて安定剤が用いられる。安定剤に
は,ヒンダードフェノール類,硫黄化合物,銅化合物お
よびリン系化合物などがある。これらはそれぞれ単独
で,もしくは必要に応じて複数を組み合わせて用いられ
る。
は,ヒンダードフェノール類,硫黄化合物,銅化合物お
よびリン系化合物などがある。これらはそれぞれ単独
で,もしくは必要に応じて複数を組み合わせて用いられ
る。
ヒンダードフェノール類としては,2,6−ジ−t−ブチル
−p−フェノール,2,5−ジ−t−ブチルヒドロキノン,
2,5−ジ−t−アミノヒドロキノン,4,4′−ブチリデン
ビス(6−t−ブチル−m−クレゾール),2,2′−メチ
レンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール),
2,2′−メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフ
ェノール)などが挙げられる。
−p−フェノール,2,5−ジ−t−ブチルヒドロキノン,
2,5−ジ−t−アミノヒドロキノン,4,4′−ブチリデン
ビス(6−t−ブチル−m−クレゾール),2,2′−メチ
レンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール),
2,2′−メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフ
ェノール)などが挙げられる。
硫黄化合物としては,ジオクチルチオジプロピオネー
ト,ジラウリルジチオプロピオネート,ジミリスチルジ
チオプロピオネート,ジステアリルジチオプロピオネー
トなどが挙げられる。
ト,ジラウリルジチオプロピオネート,ジミリスチルジ
チオプロピオネート,ジステアリルジチオプロピオネー
トなどが挙げられる。
銅化合物としては金属銅,酸化銅,水酸化銅,硫化銅,
塩化銅,硫酸銅,硝酸銅,リン酸銅などの無機銅化合
物;および酢酸銅,オキシ酢酸銅,プロピオール酸銅,
吉草酸銅,クエン酸銅,ヘキシン酸銅,グルコシン酸
銅,サリチル酸銅,カプリル酸銅,ペラルゴン酸銅,セ
バシン酸銅,パルミチン酸銅,オレイン酸銅,ステアリ
ン酸銅,ビスグリシナト銅,ビスアセチルアセトナト
銅,ビスアミノベンゼンスルホナト銅,ビスロイシンナ
ト銅,ビス(アセチルアセトアセタト)銅,などの有機
銅化合物が挙げられる。特に有機銅化合物が好ましく使
用される。
塩化銅,硫酸銅,硝酸銅,リン酸銅などの無機銅化合
物;および酢酸銅,オキシ酢酸銅,プロピオール酸銅,
吉草酸銅,クエン酸銅,ヘキシン酸銅,グルコシン酸
銅,サリチル酸銅,カプリル酸銅,ペラルゴン酸銅,セ
バシン酸銅,パルミチン酸銅,オレイン酸銅,ステアリ
ン酸銅,ビスグリシナト銅,ビスアセチルアセトナト
銅,ビスアミノベンゼンスルホナト銅,ビスロイシンナ
ト銅,ビス(アセチルアセトアセタト)銅,などの有機
銅化合物が挙げられる。特に有機銅化合物が好ましく使
用される。
本発明で用いられるリン系化合物としては,R5PまたはR3
P=CR2の式で表されるホスホラン類;R3Pので表されるホ
スフィン類およびこれらから誘導される,例えば,R4PCl
の式で表されるホスホニウム塩類;R3P=Xの式で表され
るホスフィンスルフィド類(X=S),ホスフィンオキ
サイド類(X=O);R2P−OR,R2P(X)XRの式で表され
るホスフィナイト類(R2POR),ホスフィノジチオエー
ト類(R2P(S)SR),ホスフィナト類(R2P(O)O
R);RP(OR)2またはRP(X)(OR)2,の式で表される
ホスホナイト類(RP(OR)2),ホスホノチオエート類
(RP(S)(OR)2),ホスホネート類(RP(O)(O
R)2);およびP(XR)3の式で表されるホスファイ
ト類(X=O),チオホスファイト類(X=S)が挙げ
られる。
P=CR2の式で表されるホスホラン類;R3Pので表されるホ
スフィン類およびこれらから誘導される,例えば,R4PCl
の式で表されるホスホニウム塩類;R3P=Xの式で表され
るホスフィンスルフィド類(X=S),ホスフィンオキ
サイド類(X=O);R2P−OR,R2P(X)XRの式で表され
るホスフィナイト類(R2POR),ホスフィノジチオエー
ト類(R2P(S)SR),ホスフィナト類(R2P(O)O
R);RP(OR)2またはRP(X)(OR)2,の式で表される
ホスホナイト類(RP(OR)2),ホスホノチオエート類
(RP(S)(OR)2),ホスホネート類(RP(O)(O
R)2);およびP(XR)3の式で表されるホスファイ
ト類(X=O),チオホスファイト類(X=S)が挙げ
られる。
ここで,Xは独立して酸素原子またはイオウ原子であり,R
はHまたはC1〜C18の脂肪族または芳香族炭化水素基で
ある。
はHまたはC1〜C18の脂肪族または芳香族炭化水素基で
ある。
特に,P(XR)3の式で表されるホスファイト類またはチ
オホスファイト類が好ましく使用され,さらに好ましく
は,P(SR)3の式で表されるチオホスファイト類が使用
される。
オホスファイト類が好ましく使用され,さらに好ましく
は,P(SR)3の式で表されるチオホスファイト類が使用
される。
P(XR)3の式で表される上記ホスファイト類,チオホ
スファイト類としては,例えば,ジn−ブチルホスファ
イト,ジフェニルホスファイト,トリn−ブチルホスフ
ァイト,トリフェニルホスファイト,トリベンジルホス
ファイト,トリオクチルトリチオホスファイト,トリラ
ウリルトリチオホスファイト,トリミリスチルトリチオ
ホスファイト,トリステアリルトリチオホスファイト,
トリフェニルトリチオホスファイトなどが挙げられる。
スファイト類としては,例えば,ジn−ブチルホスファ
イト,ジフェニルホスファイト,トリn−ブチルホスフ
ァイト,トリフェニルホスファイト,トリベンジルホス
ファイト,トリオクチルトリチオホスファイト,トリラ
ウリルトリチオホスファイト,トリミリスチルトリチオ
ホスファイト,トリステアリルトリチオホスファイト,
トリフェニルトリチオホスファイトなどが挙げられる。
本発明で使用される安定剤の使用量についてはとくに制
限されないが理論反応生成物量に対して,それぞれ10pp
m〜5重量%,好ましくはそれぞれ100〜5000ppmであ
る。
限されないが理論反応生成物量に対して,それぞれ10pp
m〜5重量%,好ましくはそれぞれ100〜5000ppmであ
る。
本発明の方法においては,特に上記有機銅化合物とP
(XR)3の式で表されるホスファイト類またはチオフォ
スファイト類を併用して用いることが好ましい。
(XR)3の式で表されるホスファイト類またはチオフォ
スファイト類を併用して用いることが好ましい。
これらの安定剤は,一旦生成したN−置換マレイミド類
が重合することなどの種々の副反応を抑制する。
が重合することなどの種々の副反応を抑制する。
これらの安定剤を使用しない場合は,例えば,反応系内
で一旦生成したN−置換マレイミド類の重合によるポリ
マー状副生成物の生成など副反応を生じ易い。そのよう
な場合には得られるN−置換マレイミド類の収率および
製品純度が低く,さらに精製工程が必要となるので,製
造工程が複雑になる。さらに,反応中に反応溶液が褐色
に着色し,精製工程を実施しても得られるマレイミド類
が着色し,製品の利用価値が低くなる。
で一旦生成したN−置換マレイミド類の重合によるポリ
マー状副生成物の生成など副反応を生じ易い。そのよう
な場合には得られるN−置換マレイミド類の収率および
製品純度が低く,さらに精製工程が必要となるので,製
造工程が複雑になる。さらに,反応中に反応溶液が褐色
に着色し,精製工程を実施しても得られるマレイミド類
が着色し,製品の利用価値が低くなる。
これに対して,上記の安定剤を用いると,反応中に反応
溶液が着色することがなく,さらにN−置換マレイミド
類の重合によるポリマー状の副生成物の生成など副反応
を生じることがないので,溶媒を留去した段階で,着色
のない高純度のN−置換マレイミド類が得られ,必ずし
も蒸留や再結晶などの精製工程を必要としない。
溶液が着色することがなく,さらにN−置換マレイミド
類の重合によるポリマー状の副生成物の生成など副反応
を生じることがないので,溶媒を留去した段階で,着色
のない高純度のN−置換マレイミド類が得られ,必ずし
も蒸留や再結晶などの精製工程を必要としない。
本発明の方法によれば,N−置換マレイミド類は,例え
は,以下のようにして調製される。
は,以下のようにして調製される。
まず,上記有機溶媒中に所定量の,少なくとも1種の上
記酸触媒,および,必要に応じて少なくとも1種の上記
安定剤,を添加し,加熱する。液温を通常50〜200℃,
好ましくは,70〜130℃に昇温し,溶媒を還流させながら
無水マレイン酸および上記1級アミンを所定の割合でか
つ一定速度で連続的に加え,同温度で2〜5時間反応を
行いN−置換マレイミド類を含有する透明な反応溶液を
得る。反応の際,冷媒と共に共沸する水を反応系外へ除
去する。
記酸触媒,および,必要に応じて少なくとも1種の上記
安定剤,を添加し,加熱する。液温を通常50〜200℃,
好ましくは,70〜130℃に昇温し,溶媒を還流させながら
無水マレイン酸および上記1級アミンを所定の割合でか
つ一定速度で連続的に加え,同温度で2〜5時間反応を
行いN−置換マレイミド類を含有する透明な反応溶液を
得る。反応の際,冷媒と共に共沸する水を反応系外へ除
去する。
もしくは,まず,通常50〜200℃,好ましくは70〜130℃
に昇温して還流状態にある上記有機溶媒中に所定量の無
水マレイン酸,上記1級アミン,少なくとも1種の上記
安定剤および少なくとも1種の上記酸触媒を添加し,同
温度で2〜5時間反応を行う。次いで,得られる反応混
合物に,それぞれ一定割合の上記有機溶媒,無水マレイ
ン酸,上記1級アミン,上記安定剤および上記酸触媒を
適当な添加速度で添加しながら引き続き反応を行う。こ
の添加速度に応じた一定速度で,得られた反応混合物
を,連続的に除去して回収する。通常,これを連続的に
別の反応槽に移し,この反応槽中でさらに1〜2時間反
応を行い,N−置換マレイミド類を含有する透明な反応溶
液を得る。反応の際,溶媒と共に共沸する水は反応系外
へ除去する。さらに,別の反応槽に移し反応を行う工程
を複数回繰り返して行っても良い。
に昇温して還流状態にある上記有機溶媒中に所定量の無
水マレイン酸,上記1級アミン,少なくとも1種の上記
安定剤および少なくとも1種の上記酸触媒を添加し,同
温度で2〜5時間反応を行う。次いで,得られる反応混
合物に,それぞれ一定割合の上記有機溶媒,無水マレイ
ン酸,上記1級アミン,上記安定剤および上記酸触媒を
適当な添加速度で添加しながら引き続き反応を行う。こ
の添加速度に応じた一定速度で,得られた反応混合物
を,連続的に除去して回収する。通常,これを連続的に
別の反応槽に移し,この反応槽中でさらに1〜2時間反
応を行い,N−置換マレイミド類を含有する透明な反応溶
液を得る。反応の際,溶媒と共に共沸する水は反応系外
へ除去する。さらに,別の反応槽に移し反応を行う工程
を複数回繰り返して行っても良い。
このようにして得られた反応溶液を通常の方法により洗
浄し,その後,溶媒を留去し,必要に応じて,更に蒸留
や再結晶などを行うことにより分離精製して,純粋なN
−置換マレイミド類が得られる。
浄し,その後,溶媒を留去し,必要に応じて,更に蒸留
や再結晶などを行うことにより分離精製して,純粋なN
−置換マレイミド類が得られる。
(作用) 本発明で生じる反応は次式に示される。
本発明の方法においては,無水マレイン酸と1級アミン
とがそれぞれほぼ当量の割合で,一定速度で連続的に反
応槽に添加されるので,反応効率が向上し,反応時間が
短縮される。すなわち無水マレイン酸および1級アミン
は添加されると瞬時に脱水閉環してN−置換マレイミド
が生成する。このように,本発明の方法では未反応の無
水マレイン酸や1級アミンの滞留およびN−置換モノマ
レアミド酸の生成は抑制される。したがって,フマル酸
やN−置換モノフマルアミド酸の生成が抑制され,これ
らがコンデンサー並びに還流液の配管に付着して,コン
デンサーや配管が閉塞状態になったり,反応終了後の洗
浄による精製時に反応溶液と酸触媒との界面に堆積して
この界面が不明確になることが防止され,N−置換マレイ
ミドの収率が上がる。さらに,反応時間が短縮されてい
るのでポリマー状副生成物の生成が抑制される。
とがそれぞれほぼ当量の割合で,一定速度で連続的に反
応槽に添加されるので,反応効率が向上し,反応時間が
短縮される。すなわち無水マレイン酸および1級アミン
は添加されると瞬時に脱水閉環してN−置換マレイミド
が生成する。このように,本発明の方法では未反応の無
水マレイン酸や1級アミンの滞留およびN−置換モノマ
レアミド酸の生成は抑制される。したがって,フマル酸
やN−置換モノフマルアミド酸の生成が抑制され,これ
らがコンデンサー並びに還流液の配管に付着して,コン
デンサーや配管が閉塞状態になったり,反応終了後の洗
浄による精製時に反応溶液と酸触媒との界面に堆積して
この界面が不明確になることが防止され,N−置換マレイ
ミドの収率が上がる。さらに,反応時間が短縮されてい
るのでポリマー状副生成物の生成が抑制される。
(実施例) 以下に本発明を実施例についてさらに具体的に述べる
が,本発明はこれらに限定されない。
が,本発明はこれらに限定されない。
実施例1 水分離器を備えた還流冷却器,温度計,撹拌装置および
2つの滴下ロート(1)および(2),を備えたフラス
コ(a)に,予めN−フェニルマレイミド173g(1モ
ル),トルエン350g,ジメチルホルムアミド15g,p−トル
エンスルホン酸9.5g,および無水マレイン酸20g(0.2モ
ル)を仕込み,撹拌下において加熱溶解させ反応混合物
とした。次いで,上記反応混合物を115℃に昇温し,溶
媒を還流させた。この中へ,滴下ロート(1)よりアニ
リン93g(1モル)を,滴下ロート(2)より無水マレ
イン酸118g(1.2モル),トルエン350g,ジメチルホルム
アミド15g,およびp−トルエンスルホン酸9.5gの混合物
を,同時に4時間にわたって滴下した。これと同時に,
フラスコ(a)の反応混合物を,水分離器を備えた還流
冷却器,温度計,および撹拌装置を備えたフラスコ
(b)に一定速度で排出することにより,フラスコ
(a)の内容物の量を一定に保った。その後,フラスコ
(b)中で脱水閉環反応を完結させ,得られる反応溶液
を精製工程に移した。この反応の間,生成した水を水分
離器から除去した。上記の工程を繰り返すことにより,
連続的に製造を行うことができる。
2つの滴下ロート(1)および(2),を備えたフラス
コ(a)に,予めN−フェニルマレイミド173g(1モ
ル),トルエン350g,ジメチルホルムアミド15g,p−トル
エンスルホン酸9.5g,および無水マレイン酸20g(0.2モ
ル)を仕込み,撹拌下において加熱溶解させ反応混合物
とした。次いで,上記反応混合物を115℃に昇温し,溶
媒を還流させた。この中へ,滴下ロート(1)よりアニ
リン93g(1モル)を,滴下ロート(2)より無水マレ
イン酸118g(1.2モル),トルエン350g,ジメチルホルム
アミド15g,およびp−トルエンスルホン酸9.5gの混合物
を,同時に4時間にわたって滴下した。これと同時に,
フラスコ(a)の反応混合物を,水分離器を備えた還流
冷却器,温度計,および撹拌装置を備えたフラスコ
(b)に一定速度で排出することにより,フラスコ
(a)の内容物の量を一定に保った。その後,フラスコ
(b)中で脱水閉環反応を完結させ,得られる反応溶液
を精製工程に移した。この反応の間,生成した水を水分
離器から除去した。上記の工程を繰り返すことにより,
連続的に製造を行うことができる。
上記の反応工程中に,フマル酸およびN−置換モノフマ
ルアミド酸によるコンデンサーの閉塞は見られなかっ
た。
ルアミド酸によるコンデンサーの閉塞は見られなかっ
た。
反応後に得られた反応溶液は,鮮やかな淡黄色の透明な
液体であった。ゲルパーミエーションクロマトグラフィ
ー(GPC)による分析の結果,ポリマー状副生成物の生
成は認められず,反応収率99.1%でN−フェニルマレイ
ミドの生成を確認した。
液体であった。ゲルパーミエーションクロマトグラフィ
ー(GPC)による分析の結果,ポリマー状副生成物の生
成は認められず,反応収率99.1%でN−フェニルマレイ
ミドの生成を確認した。
次いで,上記反応溶液を70℃まで冷却し,10%炭酸ナト
リウム水溶液を加えて中和した後,同温度において反応
溶液と等量の水を用いて,洗浄および分液操作を2回繰
り返して行った。次いで,溶媒を減圧下において留去し
て(最終浴温110℃,最終到達減圧度1mmHg),収率98.2
%でN−フェニルマレイミドを得た。
リウム水溶液を加えて中和した後,同温度において反応
溶液と等量の水を用いて,洗浄および分液操作を2回繰
り返して行った。次いで,溶媒を減圧下において留去し
て(最終浴温110℃,最終到達減圧度1mmHg),収率98.2
%でN−フェニルマレイミドを得た。
このようにして得たN−フェニルマレイミドは,89〜90
℃の融点を示す淡黄色の固体であり,GPC分析の結果,純
度は99.9%であった。
℃の融点を示す淡黄色の固体であり,GPC分析の結果,純
度は99.9%であった。
次に,製造工程において蒸留または再結晶工程が必ずし
も必要でないことを確認するために,上記N−フェニル
マレイミドを減圧蒸留した。その結果,蒸留残渣は認め
られず,蒸留されたN−フェニルマレイミドは,色相,
外観を含めた品質において,未蒸留のものと同等である
ことが確認された。この実施例の結果を,後述の実施例
2〜5,および比較例1,2の結果と共に表に示す。
も必要でないことを確認するために,上記N−フェニル
マレイミドを減圧蒸留した。その結果,蒸留残渣は認め
られず,蒸留されたN−フェニルマレイミドは,色相,
外観を含めた品質において,未蒸留のものと同等である
ことが確認された。この実施例の結果を,後述の実施例
2〜5,および比較例1,2の結果と共に表に示す。
実施例2 滴下ロート(2)およびフラスコ(a)にそれぞれ亜リ
ン酸0.17gおよび水酸化第二銅0.02gを添加すること以外
は実施例1と同様に行った。
ン酸0.17gおよび水酸化第二銅0.02gを添加すること以外
は実施例1と同様に行った。
実施例3 亜リン酸の代わりにトリフェニルトリチオフォスファイ
トを,水酸化第二銅の代わりに酢酸銅をそれぞれ用いる
こと以外は実施例2と同様に行った。
トを,水酸化第二銅の代わりに酢酸銅をそれぞれ用いる
こと以外は実施例2と同様に行った。
実施例4 アニリンの代わりにo−トルイジンを用いること以外は
実施例1と同様に行った。
実施例1と同様に行った。
実施例5 アニリンの代わりにo−クロロアニリンを用いること以
外は実施例1と同様に行った。
外は実施例1と同様に行った。
比較例1 水分離器を備えた還流冷却器,温度計,撹拌装置および
滴下ロート,を備えたフラスコに,無水マレイン酸118g
(1.2モル),トルエン350g,ジメチルホルムアミド15g,
およびp−トルエンスルホン酸9.5gを仕込み,撹拌下に
おいて加熱溶解させた。次いで,上記混合物を115℃に
昇温し,溶媒を還流させた。この中へ,アニリン93gを
滴下ロートから4時間にわたって滴下した。その後,こ
の混合物を同温度に保ち,1時間放置熟成した。この反応
の間,生成した水を水分離器から除去した。
滴下ロート,を備えたフラスコに,無水マレイン酸118g
(1.2モル),トルエン350g,ジメチルホルムアミド15g,
およびp−トルエンスルホン酸9.5gを仕込み,撹拌下に
おいて加熱溶解させた。次いで,上記混合物を115℃に
昇温し,溶媒を還流させた。この中へ,アニリン93gを
滴下ロートから4時間にわたって滴下した。その後,こ
の混合物を同温度に保ち,1時間放置熟成した。この反応
の間,生成した水を水分離器から除去した。
なお,この反応中に,フマル酸およびN−置換モノフマ
ルアミド酸によるコンデンサーの閉塞が生じたので,コ
ンデンサーを次回の反応に使用するためには清掃するこ
とが必要であった。
ルアミド酸によるコンデンサーの閉塞が生じたので,コ
ンデンサーを次回の反応に使用するためには清掃するこ
とが必要であった。
反応後に得られた反応溶液は,スラリー状の不溶性副生
成物を含む赤褐色不透明の液体であった。GPCによる分
析の結果,153.8g(反応収率88.9%)のN−フェニルマ
レイミドおよびポリマー状副生成物約7%を含む多数の
含生成物を確認した。次いで,スラリー状の不溶性の副
生成物を濾別した後,実施例1と同様にして濾液を洗
浄,分離して148.3g(収率85.7%)の黄褐色固体を得
た。GPC分析の結果,得られたN−フェニルマレイミド
の純度は94.1%であった。製品化するためにはさらに純
度を上げなければならないので,このN−フェニルマレ
イミドを減圧蒸留して,127.2g(収率73.5%)の純粋な
N−フェニルマレイミドを得た。蒸留残渣にはポリマー
化した黒褐色タール状物質が多量に認められた。
成物を含む赤褐色不透明の液体であった。GPCによる分
析の結果,153.8g(反応収率88.9%)のN−フェニルマ
レイミドおよびポリマー状副生成物約7%を含む多数の
含生成物を確認した。次いで,スラリー状の不溶性の副
生成物を濾別した後,実施例1と同様にして濾液を洗
浄,分離して148.3g(収率85.7%)の黄褐色固体を得
た。GPC分析の結果,得られたN−フェニルマレイミド
の純度は94.1%であった。製品化するためにはさらに純
度を上げなければならないので,このN−フェニルマレ
イミドを減圧蒸留して,127.2g(収率73.5%)の純粋な
N−フェニルマレイミドを得た。蒸留残渣にはポリマー
化した黒褐色タール状物質が多量に認められた。
比較例2 フラスコに亜リン酸0.17gおよび水酸化第二銅0.02gをさ
らに添加すること以外は比較例1と同様に行った。
らに添加すること以外は比較例1と同様に行った。
(発明の効果) このように,本発明の方法によれば,フマル酸やN−置
換モノフマルアミド酸の生成が抑制されるので,コンデ
ンサー並びに配管が閉塞することが防止され,N−置換マ
レイミドの収率が上がる。さらに,ポリマー状副反応物
の生成が抑制されており精製工程を簡略化することが可
能である。従って,高純度で色相の良好なN−置換マレ
イミド類を高出率で安価かつ安全に製造することが可能
である。
換モノフマルアミド酸の生成が抑制されるので,コンデ
ンサー並びに配管が閉塞することが防止され,N−置換マ
レイミドの収率が上がる。さらに,ポリマー状副反応物
の生成が抑制されており精製工程を簡略化することが可
能である。従って,高純度で色相の良好なN−置換マレ
イミド類を高出率で安価かつ安全に製造することが可能
である。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07B 61/00 300 (72)発明者 木村 道男 大阪府東大阪市長堂3丁目54番地 株式会 社大八化学工業所内 (72)発明者 横山 直樹 大阪府東大阪市長堂3丁目54番地 株式会 社大八化学工業所内
Claims (9)
- 【請求項1】無水マレイン酸と芳香族または脂肪族1級
アミンとを原料としてN−置換マレイミド類を製造する
方法であって、 水と共沸可能な有機溶媒および酸触媒を含む混合物を加
熱して、該有機溶媒を還流させる工程;および 該混合物に、無水マレイン酸と該1級アミンとをそれぞ
れ所定の割合でかつ一定速度で連続的に添加する工程; を包含するN−置換マレイミド類の製造方法。 - 【請求項2】無水マレイン酸と芳香族または脂肪族1級
アミンとを原料としてN−置換マレイミド類を製造する
方法であって、 水と共沸可能な有機溶媒、無水マレイン酸、該1級アミ
ンおよび酸触媒を含む混合物を反応させて得られる反応
混合物を加熱して、該有機溶媒を還流させる工程;およ
び 該反応混合物に、それぞれ所定の割合の有機溶媒、無水
マレイン酸、該1級アミンおよび酸触媒を一定速度で連
続的に添加し反応させ、同時に反応混合物を添加速度に
応じた一定速度で連続的に除去し回収する工程; を包含するN−置換マレイミド類の製造方法。 - 【請求項3】前記回収した反応混合物をさらに反応させ
る工程を包含する請求項2に記載の方法。 - 【請求項4】前記無水マレイン酸と前記1級アミンとの
添加割合が、該アミン1.0モルに対して無水マレイン酸
0.8〜1.5モルである請求項1または2に記載の方法。 - 【請求項5】前記1級アミンが芳香族1級アミンである
請求項1または2に記載の方法。 - 【請求項6】前記混合物が、さらに少なくとも1種の安
定剤を含有し、該安定剤が少なくとも1種の、銅化合物
および/またはリン系化合物である請求項1に記載の方
法。 - 【請求項7】前記反応混合物が、さらに少なくとも1種
の安定剤を含有しかつ該反応混合物に、有機溶媒、無水
マレイン酸、前記1級アミンおよび酸触媒と共に、さら
に少なくとも1種の該安定剤が所定の割合でかつ一定速
度で加えられ、該安定剤が少なくとも1種の、銅化合物
および/またはリン系化合物である請求項2に記載の方
法。 - 【請求項8】前記銅化合物が有機銅化合物であり、前記
リン系化合物が下記の式(I)で示される化合物でなる
群から選択される請求項5または6に記載の方法: P(XR)3 (I) ここで、Xは、それぞれ独立して酸素原子またはイオウ
原子であり、Rは、HまたはC1〜C18の脂肪族または芳
香族炭化水素基である。 - 【請求項9】前記リン化合物が下記の式(II)で示され
る化合物でなる群から選択される請求項7に記載の方
法: P(SR)3 (II) ここで、Rは、それぞれ独立してHまたはC1〜C18の脂
肪族または芳香族の炭化水素基である。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2222275A JPH0774200B2 (ja) | 1990-08-22 | 1990-08-22 | N―置換マレイミド類の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2222275A JPH0774200B2 (ja) | 1990-08-22 | 1990-08-22 | N―置換マレイミド類の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04139166A JPH04139166A (ja) | 1992-05-13 |
JPH0774200B2 true JPH0774200B2 (ja) | 1995-08-09 |
Family
ID=16779824
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2222275A Expired - Fee Related JPH0774200B2 (ja) | 1990-08-22 | 1990-08-22 | N―置換マレイミド類の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0774200B2 (ja) |
Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US3431276A (en) * | 1963-10-25 | 1969-03-04 | Ici Ltd | Process for producing imide derivatives |
JPS62126167A (ja) * | 1985-11-28 | 1987-06-08 | Nippon Shokubai Kagaku Kogyo Co Ltd | マレイミド類の移送ならびに貯蔵方法 |
JPS62143911A (ja) * | 1985-12-19 | 1987-06-27 | Nippon Shokubai Kagaku Kogyo Co Ltd | マレイミド類の重合防止方法 |
JPS6383065A (ja) * | 1986-09-25 | 1988-04-13 | Nippon Shokubai Kagaku Kogyo Co Ltd | マレイミド類の製造方法 |
-
1990
- 1990-08-22 JP JP2222275A patent/JPH0774200B2/ja not_active Expired - Fee Related
Patent Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US3431276A (en) * | 1963-10-25 | 1969-03-04 | Ici Ltd | Process for producing imide derivatives |
JPS62126167A (ja) * | 1985-11-28 | 1987-06-08 | Nippon Shokubai Kagaku Kogyo Co Ltd | マレイミド類の移送ならびに貯蔵方法 |
JPS62143911A (ja) * | 1985-12-19 | 1987-06-27 | Nippon Shokubai Kagaku Kogyo Co Ltd | マレイミド類の重合防止方法 |
JPS6383065A (ja) * | 1986-09-25 | 1988-04-13 | Nippon Shokubai Kagaku Kogyo Co Ltd | マレイミド類の製造方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH04139166A (ja) | 1992-05-13 |
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