JP2669923B2 - N―置換マレイミド類の製造方法 - Google Patents

N―置換マレイミド類の製造方法

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  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は医薬,農薬,染料,高分子の原料として有用
なN−置換マレイミド類の製造方法に関する。
(従来の技術) マレイミド類の製造方法については従来から種々の方
法が知られている。例えば,「Org.Synth.Coll.」,5巻,
944頁,1973年,には,無水マレイン酸とアミン類とを反
応させて得られるマレイン酸モノアミド類を無水酢酸な
どの化学的な脱水剤を用いて,触媒の存在下で脱水反応
させる方法が記載されている。この方法においては比較
的高収率(75〜80%)でN−置換マレイミド類を得るこ
とができる。しかし,生成する水の量に応じて,無水酢
酸などの脱水剤を化学量論に使用する必要があるので,
製造コストが高価になるという欠点を有する。
この欠点を解決して工業的にも有利な製造方法を提供
するために,無水酢酸のような化学的な脱水剤を使用し
ない製造方法が報告されている。例えば,特公昭51−40
078号公報には,無水マレイン酸と第1級アミンとを三
酸化硫黄,硫酸,などの酸触媒の存在下において,例え
ば,トルエン,キシレン,クロルベンゼンなどの沸点が
80℃以上の溶媒中で,加熱脱水して閉環させる方法が記
載されている。この方法においては,生成水を溶媒と共
沸させることにより排出している。この方法は高価な脱
水剤を多量に用いない点で製造コスト的には優れてい
る。しかし,反応温度が高いため,例えば,反応系内で
一旦生成したN−置換マレイミド類の重合によるポリマ
ー状副生成物の生成など副反応を生じ易い。従って,こ
の方法によれば,得られるN−置換マレイミド類の収率
および製品純度が低く,さらに精製工程が必要となるの
で,製造工程が複雑になるという問題点がある。さら
に,この方法によれば,反応中に反応液が褐色に着色
し,精製工程を実施しても得られるマレイミド類が着色
し,製品の利用価値が低い。
特開昭63−316767号公報には,マレイミド類の重合を
抑制するために一般的なフェノール系重合禁止剤である
ヒンダードフェノール類を用いる方法が開示されてい
る、しかし,このような一般的フェノール系重合禁止剤
では充分な重合抑制効果は得られておらず,反応系の着
色を抑える効果も不充分であった。
その他の一般的な重合禁止剤として,例えば,アクリ
ル酸系化合物の重合禁止剤として用いられる銅粉および
銅化合物が知られている(「アクリル酸とそのポリマー
[I]−主として工業的用途について−」,(株)昭晃
堂)。このような銅化合物を,マレイミド類の合成に適
用した場合,重合禁止効果は上記フェノール系の重合禁
止剤よりもやや優れるものの,反応系はフェノール系重
合禁止剤を用いた場合以上に着色した。
(発明が解決しようとする課題) 本発明は上記従来の欠点を解決するものであり,その
目的とするところは,N−置換マレイミド類の製造におい
て副反応を効果的に抑制し,高純度で色相の良好なN−
置換マレイミド類を高収率で生成し得,その結果,精製
工程を簡略化することが可能な,N−置換マレイミド類の
製造方法を提供することである。
(課題を解決するための手段) 本発明は,無水マレイン酸と芳香族または脂肪族第1
級アミンとを原料としてN−置換マレイミド類を製造す
る方法であって,無水マレイン酸と該第1級アミンと
を,水と共沸可能な有機溶媒中で,銅化合物および少な
くとも1種のリン系化合物の共存下において,生成する
水を該有機溶媒と共沸させて反応系外に排出させなが
ら,50〜200℃の温度でイミド化反応を行い,N−置換マレ
イミド類を得る工程を包含する,N−置換マレイミド類の
製造方法であり,そのことにより上記目的が達成され
る。
本発明の方法で用いられ得る第1級アミンの具体例と
しては,アニリン,トリイジン,ジメチルアニリン,エ
チルアニリン,ジエチルアニリン,カルボキシアニリ
ン,ヒドロキシアニリン,クロロアニリン,ジクロロア
ニリン,ブロモアニリン,ジブロモアニリン,トリブロ
モアニリン,ニトロアニリンなどの芳香族第1級アミン
またはメチルアミン,エチルアミン,ヘキシルアミン,
オクチルアミン,ラウリルアミン,ベンジルアミン,シ
クロヘキシルアミンなどの脂肪族第1級アミンが挙げら
れる。特に,得られるN−置換マレイミド類が着色し易
い,アニリン,トルイジン,エチルアニリンなどを用い
た場合に,本発明の方法は効果的である。
無水マレイン酸と上記第1級アミンは,第1級アミン
1モルに対して0.8〜1.5モル,好ましくは0.9〜1.3モル
の割合で用いられる。
本発明の方法で用いられる有機溶媒は,無水マレイン
酸と,芳香族または脂肪族の第1級アミンとを溶解し
得,50〜200℃の温度において生成水を共沸混合物として
系外に排出し得る,不発生な有機溶媒である。ベンゼ
ン,トルエン,キシレンなどの芳香族炭化水素が好まし
く用いられる。これらの有機溶媒の使用量は,特に限定
されないが,操作性および経済性の面から,反応生成物
の理論濃度が10〜60重量%,好ましくは20〜50重量%と
なるような濃度が好適である。反応成分の溶解性を向上
させる目的で,例えば,ジメチルホルムアミド,ジメチ
ルアセトアミド,ジメチルスルホキシドなどの非プロト
ン性極性溶媒を必要に応じて併用することも可能であ
る。これらの非プロトン性極性溶媒の使用量も特に制限
されないが,全溶媒量に対して1〜30重量%程度が好ま
しい。
本発明で用いられる銅化合物としては金属銅,酸化
銅,水酸化銅,硫化銅,塩化銅,硫酸銅,硝酸銅,リン
酸銅などの無機銅化合物;および酢酸銅,オキシ酢酸
銅,プロピオール酸銅,吉草酸銅,クエン酸銅,ヘキシ
ン酸銅,グリコシン酸銅,サリチル酸銅,カプリル酸
銅,ペラルゴン酸銅,セバシン酸銅,パルミチン酸銅,
オレイン酸銅,ステアリン酸銅,ビスグリシナト銅,ビ
スアセチルアセトナト銅,ビスアミノベンゼンスルホナ
ト銅,ビスロイシンナト銅,ビス(エチルアセトアセタ
ト銅,などの有機銅化合物が挙げられる。
特に有機銅化合物が好ましく使用される。これらの銅
化合物は,2種以上を併用してもよい。
本発明で用いられるリン系化合物としては,R5P,R3P=
CR2の式で表されるホスホラン類;R3Pの式で表されるホ
スフィン類およびこれらから誘導される,例えば,R4PCl
の式で表されるホスホニウム塩類;R3P=Xの式で表され
るホスフィンスルフィド類,ホスフィンオキサイド類;R
2P−OR,R2P(X)XRの式で表されるホスフィナイト類,
ホスフィノジチオエート類,ホスフィナト類;RP(O
R)2,RP(X)(OR)2,の式で表されるホスホナイト
類,ホスホノチオエート類,ホスホネート類;およびP
(XR)の式で表されるホスファイト類,チオホスファ
イト類が挙げられる。
ここで,Xは独立して酸化原子またはイオウ原子であ
り,RはHまたはC1〜C18の脂肪族または芳香族炭化水素
基である。
R5P,R3P=CR2の式で表される上記ホスホラン類として
は,例えば,ペンタフェニルホスホラン,トリフェニル
ジフェニルメチレンホスホランなどがある。
R3Pの式で表される上記ホスフィン類としては,例え
ば,トリフェニルホスフィン,トリベンジルホスフィン
などがある。
R3P=Xの式で表される,上記ホスフィンスルフィド
類としては,例えば,トリフェニルホスフィンスルフィ
ドなどがあり,ホスフィンオキサイド類としてはトリフ
ェニルホスフィンオキサイドなどがある。
R2P−OR,R2P(X)XRの式で表される上記ホスフィナ
イト類,ホスフィノジチオエート類,ホスフィナト類と
しては,例えば,フェニルジフェニルホスフィナイト,
ジフェニルホスフィノジチオイックアシッド,ジフェニ
ルホスフィニックアシッド,これらのエステルであるフ
ェニルジフェニルホスフィノジチオエート,フェニルジ
フェニルホスフィナトなどがある。
RP(OR)2,RP(X)(OR)2,の式で表される上記ホス
ホナイト類,ホスホノチオエート類,ホスホネート類と
しては,例えば,フェニルホスホナスアシッド,ジフェ
ニルフェニルホスホナイト,フェニルホスホノチオイッ
クアシッド,フェニルホスホニックアシッド,O,O−ジフ
ェニルフェニルホスホチオエート,ジフェニルフェニル
ホスホネートなどがある。
P(XR)の式で表される上記ホスファイト類,チオ
ホスファイト類としては,例えば,ジn−ブチルホスフ
ァイト,ジフェニルホスファイト,トリn−ブチルホス
ファイト,トリフェニルホスファイト,トリベンジルホ
スファイト,トリオクチルトリチオホスファイト,トリ
ラウリルトリチオホスファイト,トリミリスチルトリチ
オホスファイト,トリステアリルトリチオホスファイ
ト,トリフェニルトリチオホスファイトなどが挙げられ
る。
特に,P(XR)の式で表されるホスファイト類または
チオホスファイト類が好ましく使用され,さらに好まし
くは,P(SR)の式で表されるチオホスファイト類が使
用される。これらのリン系化合物は2種以上を併用して
もよい。
本発明で使用される銅化合物およびリン化合物の使用
量についてはとくに制限されないが,理論反応生成物量
に対して,それぞれ10ppm〜5重量%,好ましくはそれ
ぞれ100〜5000ppmである。
本発明の方法においては,上記有機銅化合物とP(X
R)の式で表されるホスファイト類またはチオフォス
ファイト類を併用して用いることが好ましい。
本発明の方法には必要に応じて触媒を用いてもよい。
触媒としては,硫酸,亜硫酸,などの無機酸;メタンス
ルホン酸,ベンゼンスルホン酸,トルエンスルホン酸な
どの有機酸;トリエチルアミン,ピリジン,ジメチルア
ニリン,酢酸ナトリウムなどの有機塩基;および酸性イ
オン交換樹脂,塩基性イオン交換樹脂などが挙げられる
が,これらに限定されない。これらの触媒の使用量は特
に制限されないが,通常は,理論生成物量の10重量%以
下の量で用いられる。
本発明の方法によれば,N−置換マレイミド類は,例え
ば,以下のようにして調製される。まず,上記有機溶媒
中に無水マレイン酸,上記銅化合物の少なくとも1種,
上記リン化合物の少なくも1種,および必要に応じて上
記触媒を添加し,加熱溶解させる。液温度を通常50〜20
0℃,好ましくは,70〜130℃に昇温し,溶媒を還流させ
ながら上記第1級アミンを徐々に加え,同温度で2〜5
時間反応を行う。その際,溶媒と共に共沸する水を反応
系外へ除去する。
このようにしてN−置換マレイミド類を含有する透明
な反応液が得られる。これを,通常の方法により洗浄
し,その後,溶媒を留去し,必要に応じて,更に蒸留や
再結晶などを行うことにより分離精製して,純粋なN−
置換マレイミド類が得られる。
本発明の方法によれば,反応中に反応液が着色するこ
とがなく,さらにN−置換マレイミド類の重合によるポ
リマー状の副生成物の生成など副反応を生じることがな
いので,溶媒を留去した段階で,着色のない高純度のN
−置換マレイミド類が得られ,必ずしも蒸留や再結晶な
どの精製工程を必要としない。従って,本発明によれ
ば,分離精製工程が大幅に省力化され得る。
(実施例) 以下に本発明を実施例についてさらに具体的に述べる
が,本発明はこれらに限定されない。
実施例1 水分離器を備えた還流冷却器,温度計,撹拌装置およ
び滴下ロート,を備えた反応器に,無水マレイン酸103g
(1.05モル),トルエン400g,ジメチルホルムアミド20
g,p−トルエンスルホン酸5g,および各々理論反応生成物
量に対して1000ppmの酢酸銅0.17gと,トリフェニルトリ
チオホスファイト0.17gとを仕込み,撹拌下において加
熱溶解させた。次いで,上記混合物を115℃に昇温し,
溶媒を還流させた。この中へ,アニリン93.1g(1.0モ
ル)を滴下ロートから2時間にわたって滴下した。その
後,この混合物を同温度に保ち,0.5時間放置熟成した。
この反応の間,生成した水を水分離器から除去した。
反応後に得られた反応溶液は,鮮やかな淡黄色の透明
な液体であった。ゲルパーミエーションクロマトグラフ
ィー(GPC)による分析の結果,ポリマー状副生成物の
生成は認められず,172.0gのN−フェニルマレイミドの
生成を確認した(収率99.4%)。
次いで,上記反応液を60℃まで冷却し,10%炭酸ナト
リウム水溶液を加えて中和した後,同温度において,反
応溶液と等量の水を用いて,洗浄および分液操作を2回
繰り返して行った。次いで,溶媒を減圧下において留去
して(最終浴温:110℃,最終到達減圧度:1mmHg),170.5
gのN−フェニルマレイミドを得た(収率:948.6%)。
このようにして得られたN−フェニルマレイミドは,8
9〜90℃の融点を示す淡黄色の固体であり,GPC分析の結
果,純度は99.9%であった。
次に,製造工程において蒸留または再結晶工程が必ず
しも必要でないことを確認するために,上記N−フェニ
ルマレイミドを減圧蒸留した。その結果,蒸留残渣は認
められず,蒸留されたN−フェニルマレイミドは,色
相,外観を含めた品質において,未蒸留のものとほぼ同
等であることが確認された。分析結果を,後述の実施例
2,3および比較例1〜4の結果と共に表に示す。
比較例1 酢酸銅およびトリフェニルトリチオホスファイトに代
えて,一般的な重合禁止剤であるp−メトキシフェノー
ル0.34g(理論反応生成物量に対して2000ppm)を用いた
こと以外は実施例1と同様にして反応を行った。その結
果,スラリー状で,不溶性の副生成物を多く含有する黄
褐色の不透明な反応溶液が得られた。
GPCによる分析の結果,N−フェニルマレイミドの生成
量は155.5g(反応収率:89.9%)であり,反応液中に
は,約5%のポリマー状副生成物が含まれており,さら
に,その他の多数の副生成物が存在することが確認され
た。
次いで,スラリー状の不溶性の副生成物を濾別した
後,実施例1と同様にして反応液を洗浄,分離して143.
0gの黄褐色固体を得た。GPC分析の結果,得られたN−
フェニルマレイミドの純度は95.1%であった。次いで,
このN−フェニルマレイミドを減圧蒸留して,129.5gの
純粋なN−フェニルマレイミドを得た(収率:74.8
%)。蒸留残渣は,ポリマー化した黒褐色タール状物質
が多量に認められた。
比較例2 酢酸銅およびトリフェニルトリチオホスファイトに代
えて,硫酸銅0.34g(理論反応生成物量に対して2000pp
m)を用いたこと以外は実施例1と同様にして反応を行
った。その結果,赤褐色のやや不透明な反応溶液が得ら
れた。
GPCによる分析の結果,N−フェニルマレイミドの生成
量は169.5gであった(反応収率:97.9%)。
次いで,実施例1と同様の操作を行って溶媒を留去
し,165.5gの赤褐色の固体を得た。GPC分析の結果,得ら
れたN−フェニルマレイミドの純度は98.5%で,反応物
は,少量のポリマー状副反応物を含有していた。次い
で,このN−フェニルマレイミドを減圧蒸留して,157.0
gの純粋なN−フェニルマレイミドを得た。(収率:90.7
%)。蒸留残渣は,ポリマー化した黒褐色タール状物質
が少量認められた。
実施例2 アニリンに代えて,o−トルイジン107.2gを用いたこと
以外は実施例1と同様にして反応を行い,続いて溶媒を
留去した。
実施例1と同様に,蒸留品と同等な外観および品質の
反応生成物が得られた。
比較例3 酢酸銅およびトリフェニルトリチオホスファイトに代
えて,ヒンダードフェノール即ち2,4−ビス(n−オク
チルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブ
チルアニリノ)−1,3,5−トリアジン0.34g(理論反応生
成物量に対して2000ppm)を用いたこと以外は実施例2
と同様にして反応を行った。
その結果,スラリー状の不溶性副反応物を含有する黄
褐色の不透明な反応溶液を得た。次いで,比較例1と同
様の操作により,精製を行った。
実施例3 アニリンおよびトリフェニルトリチオホスファイトに
代えて,各々o−クロロアニリン127.6gおよびトリフェ
ニルホスファイト0.17gを用いたこと以外は実施例1と
同様に反応を行い,続いて溶媒を留去した。
この場合においても実施例1と同様に,蒸留品と同等
な外観および品質の反応生成物が得られた。
比較例4 酢酸銅およびトリフェニルホスファイトに代えて,酢
酸銅0.34g(理論反応生成物量に対して2000ppm)を用い
たこと以外は実施例3と同様に反応を行い,続いて溶媒
を留去した。
その結果,少量のポリマー状の副反応物を含有する赤
褐色固体を得た。次いで,比較例1と同様の操作によ
り,精製を行った。
(発明の効果) このように,本発明の方法によれば,無水マレイン酸
と第1級アミンとの反応において,副反応が効果的に抑
制され,褐色などに着色していない,高純度のN−置換
マレイミド類を高収率で生成し得る。そして,得られる
N−置換マレイミド類の純度が充分に高いので,精製工
程を簡略化することが可能であり,低コストでN−置換
マレイミド類を製造することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 木村 道男 大阪府東大阪市長堂3丁目54番地 株式 会社大八化学工業所内 (72)発明者 横山 直樹 大阪府東大阪市長堂3丁目54番地 株式 会社大八化学工業所内 (56)参考文献 特開 昭63−35559(JP,A) 特開 昭64−3167(JP,A) 特開 昭62−63561(JP,A) 特開 平1−283264(JP,A) 特開 平2−1476(JP,A) 特開 平2−28150(JP,A)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】無水マレイン酸と芳香族または脂肪族第1
    級アミンとを原料としてN−置換マレイミド類を製造す
    る方法であって, 該無水マレイン酸と該第1級アミンとを,水と共沸可能
    な有機溶媒中で銅化合物および少なくとも1種のリン系
    化合物の共存下において,生成する水を該有機溶媒と共
    沸させて反応系外に排出させながら,50〜200℃の温度で
    イミド化反応を行い,N−置換マレイミド類を得る工程を
    包含し, 該リン系化合物が,下記の式(I)で示される化合物: P(XR) (I) の群から選択され, ここで,Xは,独立して酸素原子またはイオウ原子であ
    り,Rは,H,またはC1〜C18の脂肪族または芳香族の炭化水
    素基であり, ただし,Rの全てがHではない, N−置換マレイミド類の製造方法。
  2. 【請求項2】前記第1級アミンが芳香族第1級アミンで
    ある請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】前記銅化合物が有機銅化合物である請求項
    1に記載の方法。
  4. 【請求項4】前記リン系化合物が下記の式(II)で示さ
    れる化合物の群から選択される請求項1に記載の方法: P(SR) (II) ここで,Rは,独立してHまたはC1〜C18の脂肪族または
    芳香族の炭化水素基である。
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