JP3085610B2 - ビスマレイミド類の製造方法 - Google Patents

ビスマレイミド類の製造方法

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  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、付加型のポリイミドの
原料として重要なビスマレイミド類の製造方法に関す
る。ビスマレイミド類は医薬、農薬の原料の他にも、耐
熱性、寸法安定性、電気特性が優れているため、これら
の諸性質が要求される熱硬化性樹脂として、例えば電気
及び機械分野における含浸積層板成形品などの広範囲に
単独あるいは他のものと混合して使用されているイミド
系樹脂原料として最近注目されている。
【0002】
【従来の技術】ビスマレイミド類の製造方法は古くから
知られており、通常、原料のジアミン化合物1モルに対
して無水マレイン酸を2モル以上の過剰量用いて、有機
溶媒中で開環付加反応させ、ビスマレアミド酸とし、塩
基、金属塩触媒の存在下に脱水剤として無水酢酸を用い
て脱水環化させてビスマレイミド類を得るという方法が
用いられる。例えばN,N’−(4,4’−ジフェニル
メタン)ビスマレイミドの製造方法は、4,4’−ジア
ミノジフェニルメタン1モルと無水マレイン酸を2モル
以上の過剰量用いて、アセトンやN,N−ジメチルホル
ムアミドのような有機極性溶媒中で開環付加反応させ、
N,N’−(4,4’−ジフェニルメタン)ビスマレア
ミド酸とし、次にトリエチルアミン、酢酸コバルトの存
在下に、脱水剤として無水酢酸を用いて50〜60℃で
脱水環化させてN,N’−(4,4’−ジフェニルメタ
ン)ビスマレイミドを得るというものである。
【0003】一方、モノマレイミド類の製造方法は、一
般的にビスマレイミド類の製造方法と異なり、モノアミ
ド酸を有機溶媒中、酸触媒存在下、共沸脱水法により製
造する方法が知られている。例えば、特公昭51−40
078号には酸触媒の存在下、沸点80〜180℃を有
する有機溶剤を用いて、モノアミド酸を加熱して共沸脱
水させながら閉環し、モノマレイミド類を得る方法が、
また、特公昭57−42043号には2−メチル無水マ
レイン酸とアニリンをキシレン中で反応させて、引続き
硫酸を加えて生成水をキシレンと共沸しながらモノマレ
イミド類を得る方法などが開示されている。
【0004】このように、一般的にビスマレイミド類と
モノマレイミド類の製造方法は異なっており、モノマレ
イミド類はモノマレアミド酸を酸触媒の存在下、溶媒を
用いて高温に加熱して製造するが、ビスマレイミド類は
無水酢酸などの高価な脱水剤を大量に使用して、比較的
低い温度で反応させる方法で実施されている。
【0005】これは、ビスマレアミド酸の脱水環化反応
は酸触媒のみでは反応速度が遅く、たとえ長時間、触媒
の存在下で共沸脱水する条件下に反応させても、所望の
反応生成物は得られないためで、その理由はビスマレア
ミド酸はモノマレアミド酸よりも、例えばトルエンやキ
シレンなどの水と共沸する有機溶剤にはほとんど溶解し
ないためであると考えられる。反応を行うためにはN,
N−ジメチルホルムアミドのようなビスマレアミド酸を
ある程度可溶化させる非プロトン性有機極性溶媒の存在
下で、高温で長時間反応を行う必要があるが、ビスマレ
イミド類は一般的に熱安定性が悪く、この方法ではビス
マレイミド類の二重結合部分が反応してゲル化するな
ど、副生成物の生成が避けられず、また得られた生成物
が固体状になり単離精製が困難になる。これらの理由に
より、ビスマレイミド類は、有機溶剤中、コバルト塩な
どの重金属触媒を使用し、無水酢酸により脱水閉環を行
っている。
【0006】しかしながら、特開平4−99764号に
はある特定のビスマレイミド類、4,4’−ビス(3−
マレイミドフェノキシ)ビフェニル、4,4’−ビス
(4−マレイミドフェノキシ)ビフェニルについて有機
溶媒中、酸触媒存在下で共沸脱水法により合成する方法
が開示されている。これは、4,4’−ビス(アミノフ
ェノキシ)ビフェニルを水と共沸する有機溶媒中、酸触
媒存在下に無水マレイン酸と反応させるというものであ
る。この方法によれば、前記の無水酢酸を用いるビスマ
レイミド類の製造方法の問題点、例えば、副反応として
無水酢酸によりアミノ基やマレイミド基の二重結合部分
へのアセチル化反応等が起こるため目的物の純度が低
い、目的物からの酢酸の除去が困難である、無水酢酸が
高価である、反応で使用した多量の溶剤とともに、酢酸
の回収にも経費と労力が必要である、コバルト塩などの
重金属触媒の無公害化が必要である、等をある程度解決
できる方法である。さらに本発明者等は鋭意検討を進め
てきた結果、一般式(2)(化3)
【0007】
【化3】
【0008】〔式中、Xは直結、炭素数1乃至10の二
価の炭化水素基、六弗素化されたイソプロピリデン基、
カルボニル基、チオ基、またはスルホニル基から成る群
より選ばれた基を示し、窒素原子はXに対して、それぞ
れに独立にp−、o−またはm−位を占め、Y1〜Y4
それぞれ独立に水素、低級アルキル基、低級アルコキシ
基、塩素または臭素から成る群より選ばれた基を示
す。〕で表されるビスマレイミド類については、酸性ま
たは塩基性触媒存在下で反応溶媒として有機溶剤中に非
プロトン性有機極性溶媒を混合した混合溶媒を用い、加
熱還流下で生成する水を系外に除去することによって高
収率且つ高純度で製造できることを見いだし、出願し
た。
【0009】この方法で合成したビスマレイミド類は、
特開平4−99764号に開示された方法に比べ、 (1)反応が短時間ですむ。 (2)容積効率がよく、効率よく製造できる。 等の利点があった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながらこの製造
方法を用いても、得られるビスマレイミド類の収率、純
度は、高純度を要求される電子基盤材料などの用途には
まだ満足するものではない。
【0011】
【課題を解決する手段】そのため、本発明者等はさらに
検討を進めた結果、反応による生成水が無水マレイン酸
を加水分解するために未反応ジアミン化合物が残存し、
これが色調悪化や二重結合への付加反応等の副反応を起
こし、得られるビスマレイミド類の純度、収率の低下を
引き起こすことを見いだし、これを抑制するために無水
マレイン酸の供給速度を生成水の系外への除去速度より
遅くすることにより、上記のビスマレイミド類を精製す
ることなく、さらに高収率、高純度で得る方法を見いだ
し、本発明を完成するに至ったものである。すなわち、
本発明は一般式(1)(化4)
【0012】
【化4】
【0013】[式中、Xは直結、炭素数1乃至10の二
価の炭化水素基、六弗素化されたイソプロピリデン基、
カルボニル基、チオ基、またはスルホニル基から成る群
より選ばれた基を示し、窒素原子はXに対して、それぞ
れに独立にp−、o−またはm−位を占め、Y1〜Y4
それぞれ独立に水素、低級アルキル基、低級アルコキシ
基、塩素または臭素から成る群より選ばれた基を示
す。]で表されるジアミン化合物を酸性または塩基性触
媒存在下に無水マレイン酸と反応させるに際し、ジアミ
ン化合物と触媒を装入し加熱還流状態にした反応槽に、
無水マレイン酸を逐次供給し、加熱還流により、生成す
る水を系外に除去しながら反応を行うことを特徴とする
一般式(2)(化5)
【0014】
【化5】
【0015】〔式中、Xは直結、炭素数1乃至10の二
価の炭化水素基、六弗素化されたイソプロピリデン基、
カルボニル基、チオ基、またはスルホニル基から成る群
より選ばれた基を示し、窒素原子はXに対して、それぞ
れに独立にp−、o−またはm−位を占め、Y1〜Y4
それぞれ独立に水素、低級アルキル基、低級アルコキシ
基、塩素または臭素から成る群より選ばれた基を示
す。〕で表されるビスマレイミド類の製造方法を提供す
るものである。
【0016】本発明の製造方法によれば、上記の利点の
他に、 (1)副生成物が少なく、より高純度の目的の生成物が
高収率で得られる。 (2)ジアミン化合物に対して無水マレイン酸の使用量
が理論量(1当量)付近で済む。 等の利点がある。
【0017】以下に、本発明の具体的な手法を説明す
る。この製造方法は、前記一般式(1)のジアミン化合
物を酸性または塩基性触媒とともに所定の溶媒に溶解乃
至分散させて加熱還流状態にし、無水マレイン酸を逐次
供給してさらに加熱還流することによる。
【0018】従来の一括装入法では、アミド酸基が閉環
する際に生じる縮合水が、反応系中の未反応の無水マレ
イン酸を加水分解し、マレイン酸を生じてしまう。すな
わち、ジアミン化合物と付加してアミド酸を形成すべき
無水マレイン酸が、一部マレイン酸となってしまい、未
反応ジアミン化合物が残ることになる。その結果、前述
したような問題点が起こり、それを抑制するために、無
水マレイン酸をジアミン化合物に対して若干過剰に用い
ざるを得ない。
【0019】そこで本発明者等は、鋭意検討の結果、無
水マレイン酸を反応系に縮合水の生成速度より遅く供給
することによって、ビスマレアミド酸が閉環してビスマ
レイミド類を生成する際に生じる縮合水が、無水マレイ
ン酸を加水分解してマレイン酸になることを抑制するこ
とで、精製することなく、より高収率で高純度でビスマ
レイミド類を得ることができることを見いだし、本発明
を完成させるに至ったのである。
【0020】本発明の方法に用いられるジアミン化合物
としては、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニ
ル〕メタン、1,1−ビス〔4−(3−アミノフェノキ
シ)フェニル〕エタン、1,2−ビス〔4−(3−アミ
ノフェノキシ)フェニル〕エタン、2,2−ビス〔4−
(3−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、2,2
−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕ブタ
ン、2,2−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェ
ニル〕−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロ
パン、4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェ
ニル、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕
ケトン、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニ
ル〕スルフィド、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)
フェニル〕スルホキシド、ビス〔4−(3−アミノフェ
ノキシ)フェニル〕スルホン、ビス〔4−(3−アミノ
フェノキシ)フェニル〕エーテル等が挙げられるが、こ
れらに限定されるものではない。
【0021】酸性触媒として用いられるものとしては、
硫酸、塩酸、硝酸、リン酸、シュウ酸、p−トルエンス
ルホン酸、リンタングステン酸、リンモリブデン酸、メ
タンスルホン酸、トリクロロ酢酸、ジクロロ酢酸、クロ
ロ酢酸、トリフルオロ酢酸、ジフルオロ酢酸、フルオロ
酢酸、ポリリン酸、オキシ塩化リン、トリフルオロメタ
ンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、亜リン酸、亜硫
酸、無水硫酸等が挙げられ、特に硫酸、リン酸、p−ト
ルエンスルホン酸が好適である。また、これらの酸はジ
アミン化合物との塩の形になっていてもよい。
【0022】塩基性触媒として用いられるものとして
は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アンモ
ニウム等の無機塩基性化合物、ピリジン、ピコリン、キ
ノリン、イソキノリン、トリエチルアミン等の有機塩基
性化合物が挙げられ、特に水酸化ナトリウムが工業的に
安価で好適である。
【0023】これらの触媒はその種類によっても異なる
が、一般に無水マレイン酸と前記一般式(1)で表され
るジアミン化合物との合計量当り0.1〜10重量%の
量で使用することが望ましい。触媒量が0.1重量%よ
りも少ない場合には所望の触媒効果が達成されず、また
10重量%より多く用いたとしても一定以上の効果が得
られず、経済的に不利となるばかりか、残存触媒の除去
が困難となる。
【0024】反応に用いる水と共沸可能な有機溶剤とし
ては、脂肪族炭化水素、脂環族炭化水素、芳香族炭化水
素が挙げられる。脂肪族炭化水素としては、ヘキサン、
ヘプタン等が、脂環族炭化水素としてはシクロヘキサン
等が、芳香族炭化水素としてはベンゼン、トルエン、キ
シレン等が挙げられる。
【0025】非プロトン性有機極性溶媒としては、N,
N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、ア
セトニトリル、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチ
ルスルホキシド、スルホラン、アニソール、n−ブチル
エーテル、ジフェニルスルホキシド、ジフェニルスルホ
ン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等が挙げ
られる。
【0026】本発明に於いては、水と共沸する有機溶剤
に対して非プロトン性有機極性溶媒を混合して反応溶媒
とする。混合する溶媒の種類によっても異なるが、水と
共沸する有機溶剤100部に対して非プロトン性有機極
性溶媒が3部以上となるように混合するが、15部から
100部の範囲が好適である。3部よりも低い濃度で混
合した溶媒では、ビスマレアミド酸の溶解度が低く、反
応に長時間要することになる。100部よりも高い濃度
で混合した溶媒では、ビスマレアミド酸の溶解性が高く
なるため、反応速度は速くなるが、水が有機溶剤ととも
に共沸するのが困難になってくるため、水の系外への留
出速度が低くなり、かえって反応が進みにくくなること
がある。また、非プロトン性有機極性溶媒の割合が多い
混合溶媒で反応すると、反応終了後、反応槽を室温にま
で冷却しても、溶解度が高くなっているため、依然溶媒
にビスマレイミド類が溶解しており、その取り出しが困
難になり、取り出し収率の低下につながることになる。
【0027】無水マレイン酸はジアミン化合物に対して
若干過剰となるように仕込むのが好ましい。一般には、
モル基準で無水マレイン酸/ジアミン化合物=2.0〜
2.5となるように仕込むのが好ましい。これ以上過剰
に仕込むのはコストが高くなるばかりでなく、製品中の
不純物が多くなるので好ましくない。また、ジアミン化
合物を過剰に仕込むと、未反応ジアミン化合物、あるい
はジアミン化合物の片側にしか無水マレイン酸が付加し
ていない中間生成物が存在することになるため、前述し
たような副反応を起こすので好ましくない。
【0028】無水マレイン酸は粉末状で装入しても、溶
液として装入してもどちらでもよく、反応系内に逐次供
給されればその方法に何等制限はない。無水マレイン酸
を溶解する溶媒は、反応に用いる水と共沸する有機溶
剤、非プロトン性有機極性溶媒、それらの混合溶媒のう
ちいずれでもよいが、ジアミン化合物、生成するビスマ
レアミド酸、ビスマレイミド類の溶解度を上げるため、
非プロトン性有機極性溶媒はなるべくジアミン化合物の
溶解に用いるのが好ましい。無水マレイン酸を溶解させ
るのに用いる溶媒量は、反応に用いる全溶媒量の10〜
50%の間、特に20〜40%が好ましい。
【0029】混合溶媒の使用量は、その用いた溶媒及び
組成で異なってくるが、一般に無水マレイン酸とジアミ
ン化合物との合計量の1〜20倍、特に3〜10倍の範
囲にあることが好ましい。
【0030】加熱還流下における反応温度は、用いる水
と共沸する有機溶剤と非プロトン性有機極性溶媒との組
成比によっても若干異なるが、一般に80〜190℃、
100〜160℃の範囲が特に好ましい。
【0031】圧力は加圧、常圧、減圧のいずれでもよ
く、用いる溶媒と反応温度に応じて適宜選択される。
【0032】反応時間は触媒量や混合溶媒の組成によっ
て異なるが、一般に約2〜20時間の範囲である。
【0033】無水マレイン酸の供給に要する時間は、触
媒量や反応温度によって異なるが、一般に約2〜20時
間の範囲である。それより短い時間で終了すると、無水
マレイン酸の反応系への供給が速すぎて、縮合による生
成水が無水マレイン酸と反応してマレイン酸を生成し、
アミノ基末端が残存することになり、前述のような悪影
響を及ぼすので好ましくない。
【0034】ビスマレイミド類は縮合反応終了後、得ら
れた生成物を濾別し、水洗して残存触媒、溶媒、未反応
の無水マレイン酸を除去し、さらに乾燥させ、淡黄色の
粉末として得ることができる。
【0035】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に具体的に説
明するが、本発明はこれら実施例に何等限定されるもの
ではない。
【0036】実施例1 温度計、撹拌器、水分離器付還流冷却器、滴下漏斗を備
えた反応器に、4,4’−ビス(3−アミノフェノキ
シ)ビフェニル55.2g(0.15モル)、p−トル
エンスルホン酸3.96g、トルエン300g、N,N
−ジメチルホルムアミド37.5gからなる混合溶媒を
装入し、昇温してトルエンの還流状態で還流脱水を行っ
た。これとは別に、無水マレイン酸32.3g(0.3
3モル)をトルエン150gに溶解した溶液を滴下漏斗
より全量を4時間かけて滴下し、更に2時間熟成した。
反応開始から反応終了まで、反応で生成する水を還流冷
却器に備え付けてある水分離器によって捕集した。滴下
中、縮合水の生成速度は、平均して1.35g/Hr
で、留出した水は5.37gで、理論量の99%であっ
た。反応終了後、室温まで冷却した後、析出した淡黄色
の結晶を濾別し、1000gの水で洗浄し、乾燥して
4,4’−ビス(3−マレイミドフェノキシ)ビフェニ
ルを得た。収量は78.2g、収率は、98.8%、H
PLC分析による純度は98.2%であった。
【0037】実施例2 無水マレイン酸を29.4g(0.3モル)用いた以外
は、実施例1と同様に実験を行い、4,4’−ビス(3
−マレイミドフェノキシ)ビフェニルを得た。留出した
水は5.35gで理論量の99%であった。収量は7
8.0g、収率は、98.5%、HPLC分析による純
度は98.1%であった。
【0038】実施例3 原料に4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェ
ニルを用いた以外は、実施例1と同様に実験を行い、
4,4’−ビス(4−マレイミドフェノキシ)ビフェニ
ルを得た。留出した水は5.4gで理論量の100%で
あった。収量は77.5g、収率は97.9%、HPL
C分析による純度は97.6%であった。
【0039】実施例4 原料にビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕
ケトン59.4g(0.15モル)を用いた以外は、実
施例1と同様に実験を行い、ビス〔4−(3−マレイミ
ドフェノキシ)フェニル〕ケトンを得た。留出した水
は、5.3gで、理論量の98%であった。収量は7
9.6g、収率は95.5%、HPLC分析による純度
は94.2%であった。
【0040】比較例1 温度計、撹拌器、水分離器付還流冷却器を備えた反応器
に、無水マレイン酸32.3g(0.33モル)、4,
4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル55.
2g(0.15モル)、p−トルエンスルホン酸3.9
6g、トルエン450g、N,N−ジメチルホルムアミ
ド37.5gからなる混合溶媒を装入し、昇温してトル
エンの還流状態で6時間還流脱水を行った。反応開始か
ら反応終了まで、反応で生成する水を還流冷却器に備え
付けてある水分離器によって捕集した。留出した水は
5.27gで、理論量の98%であった。反応終了後、
室温まで冷却した後、析出した淡黄色の結晶を濾別し、
1000gの水で洗浄し、乾燥して4,4’−ビス(3
−マレイミドフェノキシ)ビフェニルを得た。収量は7
7.6g、収率は、98%、HPLC分析による純度は
95.2%であった。
【0041】比較例2 無水マレイン酸を29.4g(0.3モル)用いた以外
は、比較例1と同様に実験を行い、4,4’−ビス(3
−マレイミドフェノキシ)ビフェニルを得た。留出した
水は5.2gで理論量の96%であった。収量は78.
0g、収率は、97.9%、HPLC分析による純度は
94.1%であった。第1表(表1)に、実施例及び比
較例で行った実験の、反応時間ごとのその時点までに供
給された無水マレイン酸と、ジアミンとの縮合反応によ
る生成水の留出量を示す。無水マレイン酸を逐次供給し
て反応を行った実施例1、2では、理論量に近い値の水
が留出している。それに比べ、無水マレイン酸の一括装
入法で反応を行った比較例1、2では、反応初期に水が
多く留出しているが、最終的には留出水量は少ない。こ
れは、水の一部が無水マレイン酸の加水分解に使われた
と考えられる。
【0042】
【表1】
【0043】
【発明の効果】本発明は、上記のようにポリイミド樹脂
の原料として重要なビスマレイミド類の新規な製造方法
である。本発明によれば、従来のビスマレイミド類の製
造方法のように無水酢酸や重金属塩を用いずに、ビスマ
レイミド類を精製することなく、高純度且つ高収率で合
成することができる。溶媒の回収も簡単であり、工業的
な製造方法として優れており、本発明の意義は大きい。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−196560(JP,A) 特開 平4−99764(JP,A) 特開 平1−211563(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07D 207/00 - 207/50 CA(STN) CAOLD(STN) REGISTRY(STN)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1)(化1) 【化1】 [式中、Xは直結、炭素数1乃至10の二価の炭化水素
    基、六弗素化されたイソプロピリデン基、カルボニル
    基、チオ基、またはスルホニル基から成る群より選ばれ
    た基を示し、窒素原子はXに対して、それぞれに独立に
    p−、o−またはm−位を占め、Y1〜Y4はそれぞれ独
    立に水素、低級アルキル基、低級アルコキシ基、塩素ま
    たは臭素から成る群より選ばれた基を示す。]で表され
    るジアミン化合物を酸性または塩基性触媒存在下に無水
    マレイン酸と反応させるに際し、ジアミン化合物と触媒
    を装入し加熱還流状態にした反応槽に、無水マレイン酸
    を逐次供給し、加熱還流により、生成する水を系外に除
    去しながら反応を行うことを特徴とする一般式(2)
    (化2) 【化2】 [式中、Xは直結、炭素数1乃至10の二価の炭化水素
    基、六弗素化されたイソプロピリデン基、カルボニル
    基、チオ基、またはスルホニル基から成る群より選ばれ
    た基を示し、窒素原子はXに対して、それぞれに独立に
    p−、o−またはm−位を占め、Y1〜Y4はそれぞれ独
    立に水素、低級アルキル基、低級アルコキシ基、塩素ま
    たは臭素から成る群より選ばれた基を示す。]で表され
    るビスマレイミド類の製造方法。
  2. 【請求項2】 無水マレイン酸の供給速度が、縮合水の
    系外への留出速度よりも遅い速度である請求項1記載の
    方法。
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