JPH0517438A - マレイミド類の(メタ)アクリル酸エステル類溶液の移送ならびに貯蔵方法 - Google Patents

マレイミド類の(メタ)アクリル酸エステル類溶液の移送ならびに貯蔵方法

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JPH0517438A
JPH0517438A JP16443091A JP16443091A JPH0517438A JP H0517438 A JPH0517438 A JP H0517438A JP 16443091 A JP16443091 A JP 16443091A JP 16443091 A JP16443091 A JP 16443091A JP H0517438 A JPH0517438 A JP H0517438A
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maleimides
acrylic acid
meth
acid esters
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JP16443091A
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Yuichi Kita
裕一 喜多
Kazuo Kishino
和夫 岸野
Hitoshi Kanai
均 金井
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Nippon Shokubai Co Ltd
Original Assignee
Nippon Shokubai Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】本発明は、マレイミド類を含有する(メタ)ア
クリル酸エステル類溶液を重合禁止剤の存在下、40℃
以下の温度で取り扱うことを特徴とするマレイミド類の
移送ならびに貯蔵方法である。 【効果】本発明によれば人体に対して刺激性があるマレ
イミド類を全く変質させることなく安全かつ容易に移送
あるいは貯蔵できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はマレイミド類を(メタ)
アクリル酸エステル類の溶液として移送ないし貯蔵する
方法に関するものである。
【0002】マレイミド類は樹脂、医薬、農薬などの原
料として有用な化合物であるが、本発明は取り扱いが容
易で安全かつ簡単なマレイミド類の移送ならびに貯蔵方
法を提供するものである。
【0003】
【従来の技術】従来、常温で固体のマレイミド類は粉
体、フレーク、タブレットなどの形状で取り扱われてい
るのが一般的である。
【0004】しかしながら、融点が50℃以下のマレイ
ミド類は移送あるいは貯蔵等を行う際、環境の温度変化
によって液体または固体、あるいはこれらの混合物など
へと容易にその形状が変化してしまうために取り扱いが
極めて困難となっている。それゆえ、かかる融点が50
℃以下であるような物質は完全な固体状あるいは完全な
液体状で取り扱うように工夫されているのが一般的であ
る。
【0005】ところが、このような常温付近に融点を有
する化合物を完全な固体状で取り扱おうとすると該化合
物を常に常温以下に冷却保持することが必要であり、そ
のために移送あるいは貯蔵のために高価な冷却取り扱い
設備が不可欠となるために結果として製品の取り扱いに
要する経費が莫大なものになってしまうという問題があ
った。また、そればかりでなくマレイミド類そのものは
人体に対して刺激性があり、特に微粉末を吸入すると鼻
腔、咽喉を刺激し、咳、くしゃみが出、また皮膚に付着
したまま放置すると炎症をおこすなど好ましくない性質
を有している。とくにマレイミド類の固体状態での移送
中、マレイミド類の粉化が進み、マレイミド類の微粉末
が多量に発生する。それゆえ、このような微粉末を含有
しているマレイミド類を取り扱う場合には、できるかぎ
り皮膚への接触をさけるよう厳重な注意を払う必要があ
る。したがって、マレイミド類の移送に際してできるだ
け微粉末を発生しないようにしたり、また移送後のマレ
イミド類から微粉末を除去するために多大の労力を要し
ている。さらに、固体物質の移送は、多くの場合、紙
袋、ドラム缶、コンテナなどに固体物質を充填し移送さ
れるが、これらの場合どうしてもマレイミド類と人体と
の接触がさけられず、人体にマレイミド類の微粉末が付
着することは不可避である。加えて、人体と接触しない
ようにするために固体物質の配管による移送は基本的に
むつかしく配管移送中に管内を閉塞したりするために、
これら固体物質を安全に移送するために固体の形、大き
さ、比重などにきびしい制約が課せられる。このよう
に、固体状のマレイミド類の移送方法には数々の困難な
問題があると言わざるをえない。同様のことは、その貯
蔵時についてもいえる。他方、完全な液体状態でマレイ
ミド類を取り扱うことは完全な固体状態で取り扱うこと
に比べて上記のような問題も解消される故、一歩進んだ
方法と言える。しかし、通常完全な液体状態でマレイミ
ド類を取り扱うためには加熱をして完全に溶融させた状
態あるいは、なんらかの溶媒に溶解させて溶液の形へと
変換される。ところが、困難なことにマレイミド類は加
熱によって容易に着色してしまう性質を有している。そ
れゆえある期間溶融状態で液状保持されたマレイミド類
は黄色〜褐色に着色してしまっているのが普通である。
さらにこのような着色したマレイミド類は高い白色度あ
るいは高い透明度を要求されるような用途には全く使用
することができない。また、溶媒に溶解させて溶液の形
で取り扱う方法を採用した場合、マレイミド類を重合さ
せるためには溶液重合法だけしか適用できず塊状重合
法、エマルジョン重合法などのプロセスには用いること
はできないという大きな問題があったのである。上記の
ような問題は注型重合法によりマレイミド類を用いて高
い透明性を要求されるような樹脂を製造する場合には全
く致命的となる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このように50℃以下
の融点を有するマレイミド類の取り扱いには多くの問題
点があり、特に工業的に多量に取り扱うに際して種々の
不都合を生じているのが現状である。そこで本発明の目
的は、50℃以下の融点を有するマレイミド類を全く変
質させることなく安全かつ容易に移送あるいは貯蔵でき
る方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めに本発明者等は鋭意検討した結果、50℃以下の融点
を有するマレイミド類は、比較的低い温度においても
(メタ)アクリル酸エステル類に良く溶解し液状態とな
ることがわかった。さらに当該液組成物は重合防止剤の
共存下40℃以下の温度範囲において全く変質せずに安
定に共存することを見い出し本発明を完成するに至った
ものである。このように(メタ)アクリル酸エステル類
そのものが常温近くに融点を有するマレイミド類に対し
て大きい溶解度を有しておりさらに特定条件下において
全くマレイミド類を変質させずに不活性であるというこ
とから、正に(メタ)アクリル酸エステル類は50℃以
下の融点を持つマレイミド類に対して理想的な溶媒であ
ると言っても過言ではない。さらに大きい利点として
(メタ)アクリル酸エステル類そのものが透明耐熱性樹
脂の1成分であることから、かかる(メタ)アクリル酸
エステル類を溶媒としてマレイミド類を液状で取り扱え
るとなると、樹脂製造方法として塊状重合、溶液重合、
エマルジョン重合などいずれの方法も採用可能となる。
たとえば該マレイミド類は、MMA樹脂の耐熱性向上剤
として広く使用されているところから本発明方法をもっ
てすれば当該マレイミド類のメチルメタクリレート溶液
そのままを耐熱MMA樹脂の注型重合に用いることがで
きるのである。このように、50℃以下の融点を有する
マレイミド類を移送するにあたり、(メタ)アクリル酸
エステル類の溶液として取り扱う方法は、正に理想的な
方法であると言わざるをえない。すなわち、本発明はマ
レイミド類を(メタ)アクリル酸エステル類溶液として
安定剤の共存下40℃以下の温度で取り扱うことを特徴
とするマレイミド類の移送ならびに貯蔵方法である。
【0008】50℃以下の融点を有するマレイミド類と
して、N−エチルマレイミド、N−プロピルマレイミ
ド、N−イソ−プロピルマレイミド、N−n−ブチルマ
レイミド、N−sec−ブチルマレイミド、N−ter
t−ブチルマレイミド、N−ペンチルマレイミド、N−
ヘキシルマレイミド、N−オクチルマレイミド、N−デ
シルマレイミドなどが挙げられるがこれらに限定される
ものではない。たとえば50℃を越える以上の融点を持
つマレイミド類でも当該方法によって移送あるいは貯蔵
することができる。たとえばこのようなマレイミド類と
して、N−フェニルマレイミド、N−メチルマレイミ
ド、マレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−
ニトロフェニルマレイミド、N−ベンジルマレイミド、
N−メトキシフェニルマレイミド、N−メチルフェニル
マレイミド、N−カルボキシフェニルマレイミド、N−
ヒドロキシフェニルマレイミド、N−クロルフェニルマ
レイミド、N−ジメチルフェニルマレイミド、N−ジク
ロロフェニルマレイミド、N−ブロムフェニルマレイミ
ド、N−ジブロムフェニルマレイミド、N−トリクロル
フェニルマレイミド、N−トリブロムフェニルマレイミ
ドなどが挙げられるがこれらに限定されるものではな
い。また、溶媒として用いられる(メタ)アクリル酸エ
ステル類としては、メチルアクリレート、エチルアクリ
レート、プロピルアクリレート、ブチルアクリレート、
2エチルヘキシルアクリレート等のアクリル酸エステ
ル、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、プ
ロピルメタクリレート、ブチルメタクリレート、シクロ
ヘキシルメタクリレート、フェニルメタクリレート、ベ
ンジルメタクリレート等のメタクリル酸エステル類など
が挙げられるが、特にメチルメタクリレート、シクロヘ
キシルメタクリートが好んで用いられる。また、マレイ
ミド類を(メタ)アクリル酸エステル類に溶解させるに
際し用いられる重合禁止剤としては例えば、メトキシベ
ンゾキノン、p−メトキシフェノール、フェノチアジ
ン、ハイドロキノン、アルキル化ジフェニルアミン類、
メチレンブルー、tert−ブチルカテコール、ter
t−ブチルハイドロキノン、ジメチルジチオカルバミン
酸亜鉛、ジメチルジチオカルバミン酸銅、ジブチルジチ
オカルバミン酸銅、サリチル酸銅、チオジプロピオン酸
エステル類、メルカプトベンズイミダゾール、トリフェ
ニルホスファイト、アルキルフェノール類、アルキルビ
スフェノール類、ヒンダードフェノール類などが挙げら
れるが、これらに限定されるものではない。その使用量
はマレイミド類の(メタ)アクリル酸エステル類溶液に
対して0.0001〜0.5重量%、好ましくは0.0
01〜0.1重量%である。尚、重合禁止剤の種類につ
いては、製造する重合体の種類、重合の方法、使用する
開始剤などを勘案して選択される。マレイミド類の(メ
タ)アクリル酸エステル類へ溶解させる温度は、40℃
以下であることが好ましい。尚、溶解方法については基
本的にいずれの方法も採用できるが、マレイミド類に
(メタ)アクリル酸エステル類を投入してもよいし、
(メタ)アクリル酸エステル類中にマレイミド類を投入
することもできる。マレイミド類の(メタ)アクリル酸
エステル類溶液の濃度は、溶液を取り扱う温度によって
決められるが、通常マレイミド類の溶液が常温で取り扱
われることから、20〜90重量%程度の濃度が用いら
れる。以下、本発明を実施例によってさらに詳しく説明
する。
【0009】
【実施例】
(実施例1)100ml活栓付サンプル瓶にメチルメタ
クリレート30gを取り、さらにN−tert−ブチル
マレイミド(p−メトキシフェノール100ppm含
有)30gを加え十分溶解混合した後、この溶液を30
℃±0.1℃に調整されたインキュベータ中に1ヶ月保
持した。保持後、この溶液を取り出し外観を目視したと
ころ、着色、濁り、ポリマー状異物もなく溶融直後の澄
明度を保っていた。この結果を表1に示す。
【0010】(実施例2)実施例1において、(メタ)
アクリル酸エステル類にシクロヘキシルメタクリレー
ト、マレイミド類にN−イソプロピルマレイミドを使用
した以外は実施例1と同様の操作をした。1ヶ月保持後
の溶液の外観は、着色、濁り、ポリマー状異物もなく、
溶解直後の澄明度を保っていた。この結果を表1に示
す。
【0011】(実施例3〜11)実施例2において、各
種条件を変える以外は実施例2と同様に行った。この結
果を表1に示す。
【0012】
【表1】
【0013】(比較例1)実施例1において保持温度を
50℃に変えた以外は実施例1と同様に行った。この結
果を表2に示す。
【0014】(比較例2)実施例2において、保持温度
を30℃に変え、安定剤を使用しなかった以外は実施例
2と同様に行った。この結果を表2に示す。
【0015】(比較例3)実施例8において、保持温度
を50℃に変えた以外は実施例8と同様に行った。この
結果は表2に示す。
【0016】
【表2】
【0017】(参考例)メタクリル酸エステルに対する
マレイミド類の溶解性を表3に示す。
【0018】
【表3】
【0019】

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マレイミド類を含有する(メタ)アクリ
    ル酸エステル類溶液を重合禁止剤の存在下、40℃以下
    の温度で取り扱うことを特徴とするマレイミド類の移送
    ならびに貯蔵方法。
  2. 【請求項2】 マレイミド類が炭素数2〜10の直鎖ま
    たは分岐アルキル基を有するN−アルキルマレイミド類
    である請求項1記載の方法。
JP16443091A 1991-07-04 1991-07-04 マレイミド類の(メタ)アクリル酸エステル類溶液の移送ならびに貯蔵方法 Pending JPH0517438A (ja)

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