JPH06886Y2 - 農用トラクターの作業機装着装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （イ）産業上の利用分野 本考案は農用トラクターの後部に作業機を左右に傾斜可
能に枢支した二点リンク式作業機装着装置において、作
業機の耕耘作業範囲内の昇降域においては略平行に昇降
させ、耕深制御の精度を高るための作業機装着装置の構
成に関するものである。

（ロ）従来技術 従来から三点リンク式作業機装着装置において、リフト
アームによるロータリー耕耘装置の昇降に際して、作業
域において出来るだけ平行昇降させるべくリンク機構を
設けた技術は公知とされているのである。例えば実開昭
５４−１８３４０８号公報に記載の技術の如くである。

また、二点リンク式作業機装着装置において、作業機の
左右傾斜機構を設けた技術としては、実開昭５８−１７
６６０９号公報や特開昭６０−７８５０３号公報に記載
の技術が公知とされているのである。

（ハ）考案が解決しようとする問題点 本考案は、二点リンク式作業機装着装置であり、ロータ
リー耕耘装置を左右に傾動可能とした場合であって、更
に作業域において、耕深制御の精度を向上する為に、ロ
ータリー耕耘装置が作業域において、略平行に上下動す
べく平行リンク機構を設けた場合の、平行昇降リンク機
構の改良に関するものである。

（ニ）問題を解決するための手段 本考案は以上の点に鑑み、次の如く構成したものであ
る。

トラクターの二点リンク式装着装置に装着した作業機を
左右に傾斜可能とすべく、固設側ヒッチ７ａに対し回動
側ヒッチ７ｂを回動可能とし、ロータリー耕耘装置Ｒの
先端のケースサポート１１を回動側ヒッチ７ｂに上下回
動自在に枢支した構成において、ケースサポート１１の
後端はロータリー耕耘装置Ｒが前後回動自在となるよう
に枢結し、回動側ヒッチ７ｂに設けた枢支部７ｃに前部
リンク１２の前端を枢支し、該前部リンク１２の後端
を、ケースサポート１１の中途部に枢結し立設した下部
リンク１４の上端と枢支し、更に該下部リンク１４の上
端には、後部リンク１３の前端を枢支し、該後部リンク
１３の後端をロータリー耕耘装置Ｒに固設したリンクフ
ランジ１５に枢結し、前部リンク１２とケースサポート
１１との成す角度θを、側面視において後方広がり状と
したものである。

（ホ）実施例と作用 本考案の目的は以上の如くであり、添付の図面に示した
実施例の構成に基づいて、本考案の構成及びその作用を
説明する。

第１図は本考案の作業機装着装置にロータリー耕耘装置
を装着した農用トラクター全体側面図、第２図は本考案
の要部である作業機装着装置とロータリー耕耘装置側面
図、第３図は作業機装着装置平面図一部断面図である。

第１図より全体構成から説明する。１はミッションケー
ス、２は、前輪、３は後輪、４は座席である。

ミッションケース１の上部に油圧ケース５を固設し、該
油圧ケース５側部よりリフトアーム６を突設している。
また、ミッションケース１の後面にヒッチ装置７を固設
している。該ヒッチ装置７は固設側ヒッチ７ａと回動側
ヒッチ７ｂからなり、固設側ヒッチ７ａはトラクター側
に固定し、回動該ヒッチ７ｂは左右に傾斜回動可能に枢
結されている。

そして、ケースサポート１１と、本考案の前部リンク１
２を介してロータリー耕耘装置Ｒが装着されているので
ある。ロータリー耕耘装置Ｒの駆動は前記ヒッチ装置７
及びケースサポート１１内側に内包したユニバーサルジ
ョイント８により動力を伝えているのである。

本考案の作業機装着装置の構成を第２図，第３図にて詳
述する。

前記リフトアーム６の後端にリフトリンク１０が枢結さ
れ、該リフトリンク１０の他端をケースサポート１１の
中央部にピン１９にて枢支している。

そしてロータリー耕耘装置Ｒが圃場の傾斜に従い左右に
傾動可能とする為に、右側のリフトリンク１０の中途部
に左右傾動用シリンダＳが介装されている。

該リフトアーム６の上下によりロータリー耕耘装置Ｒを
昇降できると共に、左右傾動用シリンダＳの伸縮によ
り、ロータリー耕耘装置Ｒを左右に傾斜回動させること
が出来るのである。

ケースサポート１１の前端は、ヒッチ装置７の回動側ヒ
ッチ７ｂに上下回動可能に枢結され、後端はロータリー
耕耘装置Ｒのギヤケースの側方において、ロータリー耕
耘装置Ｒが前後に回動可能に枢結されている。

よって、リフトアーム６を回動するとリフトリンク１０
を介してロータリー耕耘装置Ｒが昇降されるのである
が、本考案の要部である平行リンク機構によりロータリ
ー耕耘装置Ｒは、作業域において前後面が圃場面に略平
行に昇降されるのである。

即ち、平行リンク機構は、前部リンク１２と後部リンク
１３と下部リンク１４により構成されている。

前部リンク１２の前端は回動側ヒッチ７ｂの上部の枢支
部７ｃに、ピン２０にて枢支されている。前部リンク１
２の後端は、下部リンク１４の上部に枢結されている。

即ち、前部リンク１２の後端は、後部リンク１３と下部
リンク１４とリンクフランジ１５により構成された、回
動枠組みの前端に枢支されていることとなる。

後部リンク１３の後端はロータリー耕耘装置Ｒのギヤケ
ースに固設したリンクフランジ１５の上端に枢支され、
前記下部リンク１４の下端はリフトリンク１０と共にケ
ースサポート１１にピン１９にて枢支されているのであ
る。

また、前部リンク１２とケースサポート１１の成す角度
θを後方広がり状に構成している。

また、回動側ヒッチ７ｂとケースサポート１１と下部リ
ンク１４と前部リンク１２により構成した前部の平行リ
ンク機構と、下部リンク１４とケースサポート１１とリ
ンクフランジ１５と後部リンク１３により構成した後部
の平行リンク機構を連結したような構成としている。

よって、上記平行リンクがないと、第１図に示すよう
に、作業範囲の上限位置ではＲ′の如く傾きが大きく放
射状に持ち上げられるが、本考案の平行リンクを設ける
と、上昇と共にリンクフランジ１５を押してＲ″の如く
略平行に上昇されるのである。

又、ロータリー耕耘装置Ｒが左右に傾斜したときには、
前部リンク１２が回動側ヒッチ７ｂに枢結されているの
で、傾動と共に平行リンクも傾動してロータリー耕耘装
置の傾斜によりネジレの力を受けることもないのであ
る。

（ヘ）考案の効果 本考案は以上の如く構成することにより、次のような効
果が得られるのである。

第１に、二点リンク式装着装置でありながら、ロータリ
ー耕耘装置Ｒの左右傾斜回動を可能とすることが出来た
のである。

第２に、回動側ヒッチ７ｂと前部リンク１２と後部リン
ク１３と下部リンク１４とケースサポート１１により構
成した平行昇降リンク機構により、作業機を略圃場面に
対して前後方向に平行に近い状態で、昇降することが出
来るのである。

これにより、ロータリー耕耘装置Ｒが作業中において耕
深制御の為に昇降されても、作業機は常時前後方向を圃
場面と平行状態で設置することができ、精度の高い仕上
がり圃場面を得ることが出来るのである。

第３に、ケースサポート１１と前部リンク１２との成す
角度θを、側面視において後方広がり状としたので、ケ
ースサポート１１が上方へ大きく回動した場合には、下
部リンク１４は上下に平行移動するのではなく、前方へ
回動状態となりながら上昇するのである。

故に、下部リンク１４の前方への回動により後部リンク
１３がリンクフランジ１５を引っ張るので、圃場端に於
ける機体回行時に、ロータリー耕耘装置Ｒの更に大きな
角度の反転回動を得ることが出来るのである。

これにより、ロータリー耕耘装置Ｒがトラクタの側に接
近するので、トラクターとロータリー耕耘装置Ｒの長さ
を加えた全長を短くすることができ、回行枕地を狭くす
ることが出来るのである。

第４に、平行リンク機構を、回動側ヒッチ７ｂとケース
サポート１１と下部リンク１４と前部リンク１２により
構成した前部の平行リンクと、下部リンク１４とケース
サポート１１とリンクフランジ１５と後部リンク１３に
より構成した後部の平行リンク機構の２組に構成したの
で、下部リンク１４を回動側ヒッチ７ｂに近づけること
により、下部リンク１４の高さをそれほど高くしなくて
も、前部リンク１２とケースサポート１１の成す角度θ
を大きく構成することができるのである。

このように角度θを大きくすることにより、下部リンク
１４が上昇した状態の、下部リンク１４の前方への回動
角度を大きくすることが出来、かつ、後部の平行リンク
機構は、角度θを構成していないので略平行移動し、下
部リンク１４の前方への回動角度を大きくすることによ
り、ロータリー耕耘装置Ｒの前方への回動角度を大きく
して、ロータリー耕耘装置Ｒを、更にトラクター側に引
きつけることができるのである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の作業機装着装置にロータリー耕耘装置
を装着した農用トラクターの全体側面図、第２図は本考
案の要部である作業機装着装置とロータリー耕耘装置側
面図、第３図は作業機装着装置平面図一部断面図であ
る。 Ｒ…ロータリー耕耘装置 Ｓ…左右傾動用シリンダ １…ミッションケース ６…リフトアーム ７…ヒッチ装置 １１…ケースサポート １２…前部リンク １３…後部リンク １４…下部リンク １５…リンクフランジ

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】トラクターの二点リンク式装着装置に装着
   した作業機を左右に傾斜可能とすべく、固設側ヒッチ７
   ａに対し回動側ヒッチ７ｂを回動可能とし、ロータリ耕
   耘装置Ｒの先端のケースサポート１１を回動側ヒッチ７
   ｂに上下回動自在に枢支した構成において、ケースサポ
   ート１１の後端はロータリ耕耘装置Ｒが前後回動自在と
   なるように枢結し、回動側ヒッチ７ｂに設けた枢支部７
   ｃに前部リンク１２の前端を枢支し、該前部リンク１２
   の後端を、ケースサポート１１の中途部に枢結し立設し
   た下部リンク１４の上端と枢支し、更に該下部リンク１
   ４の上端には、後部リンク１３の前端を枢支し、該後部
   リンク１３の後端をロータリー耕耘装置Ｒに固設したリ
   ンクフランジ１５に枢結し、前部リンク１２とケースサ
   ポート１１との成す角度θを、側面視において後方広が
   り状としたことを特徴とする農用トラクターの作業機装
   着装置。