JPH0538562Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 (イ) 産業上の利用分野 本考案はトラクターに装着した作業機の姿勢検
知装置に関する。特に、作業機がトラクターに対
して左右傾斜する場合の姿勢検知装置に関する。

(ロ) 従来技術 従来から、３点リンク式装着装置において、作
業機の側ではなくて、作業機装着装置の側のロア
リンクとトツプリンクの後端の位置にセンサーを
配置した技術は、実開昭59−16311号公報の如き
技術が公知とされているのである。

２点リンク式装着装置において、回動ヒツチ部
と前部取付部を設けて、作業機の左右傾動姿勢を
制御する技術も公知とされているのである。例え
ば実開昭58−75510号公報の如くである。

(ハ) 考案の目的 しかし、従来の作業機連結装置及び作業機の姿
勢検出装置は、次の如く欠点を有していた。

即ち、実開昭59−16311号公報に記載の技術に
おいては、確かに作業機の側ではなくて、作業機
を取り外しても残るロアリンクの後端部分に傾斜
センサーを配置した技術は開示されているが、該
技術は３点リンク式装着装置における傾動姿勢制
御装置であり、作業機は２本のロアリンクと、１
本のトツプリンクにより支持されているので、該
３本のリンクは前端がトラクタのミツシヨンケー
スに枢支されているので、作業機の左右自由回動
に際しては、３本のリンクが捩じれるような状態
となり、作業機も左右が捩じれたような状態で上
下動するのである。

即ち、本発明の回動ヒツチ部の部分により支持
した如く、地面の左右の凹凸に連れて自由に左右
回動するということが出来ないのである。

故に、水平センサーも捩じれた様な角度を検出
することとなるのである。

また、実開昭58−75510号公報に記載の技術に
おいては、左右傾斜のセンサーを作業機の上面に
配置していたので、作業機が代わると傾斜センサ
ーは別に用意する必要があるという不具合があつ
たのである。

本発明は、上記２件の従来技術の不具合を同時
に解消するものである。

(ニ) 問題点を解決するための手段 本考案の解決すべき課題は以上の如くであり、
次に該課題を解決する手段を説明する。

トラクター後面と作業機Ａ前部との間に回動ヒ
ツチ部５を設けて、該回動ヒツチ部５はトラクタ
ー側に装着する円板部５ａと、作業機Ａ側の装着
部５ｂ，５ｂにより構成し、該装着部５ｂ，５ｂ
に作業機Ａの前部取付部３０，３０を上下回動可
能で左右回動不可能状態に係止し、該回動ヒツチ
部５と作業機Ａを同じ角度で左右に回動可能と
し、回動ヒツチ部５上に水平センサー２０を設け
たものである。

(ホ) 実施例 以下本考案を添付の図面を参照して詳細に説明
する。第１図及び第２図はトラクターの後面に作
業機を装着した平面図、及び側面図である。

トラクターのリアアクスルケース１の上面には
リフトシリンダーケース２を装着し、該ケース２
の左右端に左右リフトアーム３，３の後端を装着
してある。

また、リアアクスルケース１の後面にはPTO
軸４を突出し、トラクターエンジンの動力により
PTO軸４を駆動する。

更に、PTO軸４を中心としたリアアクスルケ
ース１の後面には作業機の回動ヒツチ部５を装備
してある。該回動ヒツチ部５はトラクター側機体
に対して左右に回動する。

即ち、第３図〜第５図に示す如く、回動ヒツチ
部５はトラクター側に装着する円板部５ａと作業
機Ａは装着部５ｂ，５ｂにて構成される。円板部
５ａの中心部にはPTO軸４を通す孔５ｃを設け、
更に、外周近くの面には数カ所のボルト孔５ｄ…
…を設けてある。該ボルト孔５ｄ……は円板部５
ａの中心点を軸として長孔に構成している。そし
て該円板部５ａの左右に装着部５ｂ，５ｂの前端
を固着してある。装着部５ｂ，５ｂの後端には横
Ｕ状の凹部５ｅを設けてある。

また、作業機Ａの前部中央にはギヤケース６が
位置し、該ギヤケース６の左右から側方には左右
サイドビーム７，７を突出してある。平面視して
左のサイドビーム７の端部にはチエーンケース８
の上端側面を装着してあり、該チエーンケース８
の下方に向けて伸びた形状としてある。右サイド
ビーム７の外端部にはサイドフレーム９を装着し
てある。

そして、前記ギヤケース６の前面から前方には
動力取り入れ軸１０を突出し、該軸１０の後端は
駆動軸１１の端部と連動するように、ギヤケース
６内には傘歯車がある。また、チエーンケース８
の下部と右側のサイドフレーム９の下部には、耕
耘軸１２の左右端を軸支してある。前記チエーン
ケース８内には、上下にチエーンスプロケツトを
設け、該チエーンスプロケツト間にはチエーンを
介在してあり、耕耘軸１２の一端と駆動軸１１の
一端とを連動する。

また、耕耘軸１２には耕耘爪１３を装着してあ
る。そしてギヤケース６の後部から支持杆１４，
１４を突出し、該支持杆１４，１４の下端部に横
杆１５を装着してある。そして、横杆１５の左右
端部には尾輪１６の支持杆１７を支持している。
１８は前部カバー、１９はリヤカバー、３０，３
０は前部取付部、３１，３１は装着ピンである。

よつて、回動ヒツチ部５のボルト孔５ｄ……に
ボルト３２……を通してリアアクスルケース１面
に装着することにより、回動ヒツチ部５は左右回
動可能な状態で装着される。そして、作業機Ａの
前部取付部３０，３０の装着ピン３１，３１を、
回動ヒツチ部５の凹部５ｅに挿入し、更に係止ピ
ン３３，３３を装着することによつて、前記ピン
３１，３１は回動ヒツチ部５から不用意に抜けな
いようにしてある。

そして、トラクターの左右リフトアーム３，３
の端部と作業機Ａ間の一端には、リフトリンク３
４を、他端には油圧シリンダー３５を介在してあ
る。

このような構造において、本考案は更に回動ヒ
ツチ部５の上部に水平センサー２０を、取付台２
１によつて配設してある。該水平センサー２０は
左右水平状態を検知するもので、該水平センサー
２０と前記油圧シリンダー３５とは自動的に連動
するように構成してある。

該油圧シリンダー３５は、この他にも、運転席
付近に設けた操作レバーの操作によつても独自に
作動する。また回動ヒツチ部５の外周面には２ケ
所の凹部２２，２２を設けてある。そして、前記
凹部２２，２２に対応するリアアクスルケース１
面に検知スイツチ２４，２５を配設してある。

該検知スイツチ２４，２５は回動ヒツチ部５の
左右回動状態を検知するもので、この検知結果は
トラクターの運転席付近に設けた検知計に表示さ
れる。

(ヘ) 作用 次に上記の如く構成したトラクター作業機の姿
勢検知装置の作用について説明する。

作業機Ａを連結する回動ヒツチ部５は、ボルト
孔５ｄ……にボルト３２……を通してトラクター
のリアアクスルケース１の後面に係止されている
ためにトラクターに対して左右に回動することが
出来る。

よつて、作業機Ａの牽引は、この回動ヒツチ部
５に作業機Ａの前端を装着することにより可能と
なり、更に、作業機Ａは左右回動可能となる。ま
た、作業機Ａを上方に回動する場合には、リフト
アーム３，３の上下動により可能となる。

そして、作業機Ａへの動力の伝達は、トラクタ
ー側の、PTO軸４からユニバーサルジヨイント
３９を介することによつて、作業機Ａの動力取り
入れ軸１０を駆動させ、更に駆動軸１１からチエ
ーンケース８内のチエーンを介して耕耘軸１２を
回転させることが出来る。

このような作用の他に、本件考案はリフトアー
ム３，３と作業機Ａの間に介在する油圧シリンダ
ー３５を操作レバーの操作によつて伸縮作動させ
ることにより、リフトアーム３，３と作業機Ａ間
の左右いずれかの間隔を変化させ、回動ヒツチ部
５を支点として作業機Ａを左右に回動させること
が出来る。この際に、水平センサー２０は左右水
平回動を感知し、作業機Ａが土壌面に対して水平
状態でないと、水平センサー２０の感知により前
記油圧シリンダーが自動的に伸縮作動し、作業機
Ａを常に水平状態に戻すことが出来る。また、作
業機Ａの左右回動と共に、検知スイツチ２４，２
５の先端は回動ヒツチ部５の外周面をすべり、外
周面に設けた凹部２２，２２に前記スイツチの先
端が嵌つて検知スイツチ２４，２５を作動する。
よつて、回動ヒツチ部５の回動に伴つて、この検
知スイツチ２４，２５のいずれかが作動し、この
結果を検知計によつて表示する。

(ト) 考案の効果 以上の如く構成したことにより、本考案は次に
示した効果を有する。

第１に、実開昭59−16311号公報に記載の技術
の如く、３点リンク式装着装置に付設した状態
で、作業機の傾動制御を行う場合には、トラクタ
のミツシヨンの後面から突出した３本のリンクに
作業機を枢支した状態で、回動することとなり、
３本のリンクを捩じりながら作業機が回動するの
である。

故に、作業機自体が捩じれた状態で傾動するの
で、この作業機の近くに設けた水平センサーは捩
じれた状態の傾動角度を検出することにより、制
御の精度が低下するのである。

これに対して、本考案においてはミツシヨンに
対して回動ヒツチ部は自由に回動することが出来
るので、作業機と回動ヒツチ部５は捩じれ回動を
することなく、正確に回動させることが出来るの
である。故に、作業機は地面に対して正確に回動
することができ、また水平センサー２０が検出す
る角度は、捩じれ回動ではなくて、トラクタの進
行方向に対して、直交した状態で傾動することが
出来るので、正確な角度を検出することが出来る
のである。故に、制御の精度を向上することが出
来るのである。

第２に、水平センサー２０をトラクター側に付
設した回動ヒツチ部５の上部に設けたので、従来
の如く、作業機の上面に水平センサーを設けた場
合の如く、作業機が変更されるとその都度、水平
センサー２０を変更するという手間が省けるので
ある。また、作業機Ａを変更した場合にも、水平
センサー２０と油圧シリンダー３５はそのままで
使用することが出来るので、全ての作業機を装着
した場合に傾斜角制御を行うことが出来るのであ
る。また、水平センサー２０は、作業機を切り離
したとしてもトラクターの側に残る部分であるの
で、水平センサー２０とトラクターとを連結する
ハーネスを、作業機の交換の際において脱着する
必要が無くなつたのである。

【図面の簡単な説明】

第１図はトラクターの後面に作業機を装着した
平面図、第２図は同じく側面図、第３図は動力伝
達部及び装着部の平面断面図、第４図は回動ヒツ
チの装着側面図、第５図は同じく後面図、第６図
は平面図である。 Ａ……作業機、５……回動ヒツチ部、２０……
水平センサー、２４，２５……検知スイツチ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. トラクター後面と作業機Ａ前部との間に回動ヒ
   ツチ部５を設けて、該回動ヒツチ部５はトラクタ
   ー側に装着する円板部５ａと、作業機Ａ側の装着
   部５ｂ，５ｂにより構成し、該装着部５ｂ，５ｂ
   に作業機Ａの前部取付部３０，３０を上下回動可
   能で左右回動不可能状態に係止し、該回動ヒツチ
   部５と作業機Ａを同じ角度で左右に回動可能と
   し、回動ヒツチ部５上に水平センサー２０を設け
   たことを特徴とするトラクター作業機の姿勢検知
   装置。