JPS6340083Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、トラクタ本体に前後方向軸芯周りに
左右揺動可能に連結された耕耘装置の対地左右姿
勢を設定範囲内に維持するように、耕耘装置を前
記軸芯周りに駆動揺動させる機構を備えた乗用耕
耘機に関する。

かかる乗用耕耘機において、耕耘装置の対地傾
斜姿勢を設定範囲内に維持しての良好なそして不
測の横転を招かない安全な状態で耕耘作業を行う
には、トラクタ本体の傾斜姿勢を的確に把握する
必要があり、殊に、冒記した耕耘機においては、
例えば傾斜地で耕耘作業を行う場合、走行地面の
傾斜のみならず、耕耘装置の傾斜駆動によつても
トラクタ本体の傾斜上方側が強制的に持ち上げ方
向の作用力を受けて、転倒角度以上に傾斜するこ
とがあるので、耕耘装置の傾斜姿勢をもトラクタ
本体の傾斜姿勢に関連させて把握する必要があ
る。

ところが、従来では、例えば実開昭50−130801
号公報に記載されているように、耕耘機に関する
技術ではないが、対地作業装置と機体本体との相
対傾斜姿勢を検出して表示する技術、或いは、本
出願人が先に出願した実願昭56−113264号に記載
されているように、耕耘装置の水平に対する姿勢
を検出して表示する技術が個々に知られているに
とどまり、いずれもトラクタ本体の水平に対する
傾斜姿勢を検出して表示するものではないため
に、転倒モーメントが生じるほどにトラクタ本体
が傾斜しているかどうかを客観的に判断できない
問題があり、仮に、耕耘装置とトラクタ本体との
相対傾斜姿勢を検出して表示する表示装置と、耕
耘装置の水平に対する傾斜姿勢を検出して表示す
る表示装置とを設けて、間接的にトラクタ本体の
水平に対する傾斜姿勢を知得でき、かつ、耕耘装
置とトラクタ本体との相対姿勢を把握できるよう
にしても、本機が転倒するに至るほど水平に対し
て傾斜しているかどうかを客観的に判断し、か
つ、その傾斜原因が走行地面の傾斜によるもの
か、耕耘装置の傾斜駆動によるものかを判断する
に至るまでに比較的長い時間を要し、緊急を要す
る転倒回避操作を的確迅速に行えない問題があ
る。

つまり、従来の耕耘装置においては、トラクタ
本体の転倒回避操作を的確迅速に行えるようにし
て、作業者のトラクタ本体からの転落、及び、こ
れに伴う作業者の負傷を防止して安全に耕耘作業
が行えるようにせんとする認識、並びに、その為
の工夫が為されておらず、単に耕耘装置とトラク
タ本体との相対傾斜姿勢を表示したり、耕耘装置
の水平に対する傾斜姿勢を表示したりするに過ぎ
ないものであつた。

本考案は上記実状に鑑みて為されたものであつ
て、作業者がトラクタ本体の傾斜姿勢と耕耘装置
の傾斜姿勢と水平方向との三者の相対関係を常時
容易に把握できるようにして、緊急を要するトラ
クタ本体の転倒回避操作を的確迅速に行えるよう
にすることを目的とする。

上記目的を達成するための本考案の特徴構成
は、冒記した乗用耕耘機において、水平方向を検
出する水平検出手段と、前記耕耘装置の前後方向
軸芯周りでの傾きを検出する傾斜検出手段とを備
え、前記水平検出手段並びに前記傾斜検出手段に
よる検出結果を、前記トラクタ本体の運転席前部
に固定表示したトラクタ本体の左右方向での基準
位置に重ね合わせて図形表示する表示装置を設け
てある点にあり、かかる構成から次の作用効果を
奏する。

即ち、トラクタ本体の水平に対する傾斜姿勢並
びにトラクタ本体と耕耘装置との相対傾斜姿勢を
一見して把握することができるので、トラクタ本
体が転倒するに至るか否かの予測並びにそのトラ
クタ本体の傾斜原因の予測が容易に行える。

その上、これらの傾斜姿勢を図形的に重ね合わ
せて運転席前部に表示するので、耕耘作業中の任
意の時点においても正確、容易に把握することが
出来る。

従つて、緊急を要するトラクタ本体の転倒回避
操作を的確迅速に行える効果を奏する。

以下本考案の実施例を図面に基づいて説明する
と、トラクタ本体１にロータリ式耕耘装置２を、
左右一対のロアーリンク３，３とトツプリンク４
とから成る三点リンク機構を介して連結し、前記
ロアーリンク３，３対と前記トラクタ本体１に装
備させた左右一対の上下駆動揺動自在なリフトア
ーム５，５との相対応するもの同志をリフトロツ
ド６，６を介して連動連結して、前記リフトアー
ム５，５対の上下駆動揺動により前記耕耘装置２
を駆動昇降すべく構成するとともに、前記リフト
ロツド６，６の一方の伸縮により、前記ロアーリ
ンク３，３対を背反上下揺動させて耕耘装置２を
トラクタ本体１に対して前後方向軸芯周りに左右
揺動自在に構成し、かつ、前記耕耘装置２の対地
左右姿勢を設定範囲内に自動維持する装置を設け
てある乗用耕耘機であつて、前記姿勢自動維持装
置は、前記耕耘装置２に、この耕耘装置２の前後
方向軸芯周りでの傾きを検出する傾斜検出手段と
しての対地左右姿勢を検出する検出装置７（詳し
くは後述）を付設するとともに、前記リフトロツ
ド６，６の一方を伸縮することにより、前記耕耘
装置２を左右に揺動させる油圧シリンダ８を、一
方のリフトロツド６の一部を兼ねる状態に設け、
かつ、前記検出装置７の検出結果に基づいて前記
耕耘装置２の対地左右姿勢が設定範囲内に維持さ
れるように前記油圧シリンダ８のバルブＶを作動
させる制御器Ａを設けて、構成されている。

前記検出装置７は、第４図に示すように、耕耘
装置２に固定されるケース７Ａ内に、おもり７Ｂ
を左右揺動自在に支承させるとともに、ケース７
Ａに対しておもり７Ｂが一定以上に傾いたことを
検出する近接スイツチ７Ｃ，７Ｃを設けて、構成
されている。

そして、前記トラクタ本体１の運転席１Ａ前部
の、エンジン回転計９をもつ計器盤１０に、前記
検出装置７の検出結果に基づいてトラクタ本体１
と耕耘装置２との相対左右姿勢をモデル表示する
装置１１を設けたものである。このモデル表示装
置１１は、その裏面にトラクタ本体１の基準位置
を表示するためのトラクタ本体モデル１１ａが描
かれた透明板１１Ａを前記運転席１Ａに面する状
態に設けるとともに、この透明板１１Ａの裏側
に、水平方向を表示するための水平線１１ｂが描
かれ、かつ、その水平線１１ｂを水平姿勢にさせ
る姿勢にウエイト１２を介して揺動付勢された揺
動透明板１１Ｂからなる水平検出手段を設け、か
つ、この揺動透明板１１Ｂの裏側に、耕耘装置２
の傾きを表示するための耕耘装置モデル１１ｃが
描かれ、かつ、前記検出装置７に連動するモータ
Ｍを介して、その耕耘装置モデル１１ｃが耕耘装
置２と同一左右姿勢となるように揺動される揺動
板１１Ｃを設けて、構成されている。

尚、実用新案登録請求の範囲の項に図面との対
照を便利にする為に符号を記すが、該記入により
本考案は添付図面の構造に限定されるものではな
い。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係る乗用耕耘機の実施例を示
し、第１図は側面図、第２図は要部の概略斜視
図、第３図は要部（表示装置）の拡大縦断側面
図、第４図は要部（表示装置）の分解斜視図、第
５図は要部の拡大背面図である。 １……トラクタ本体、２……耕耘装置、７……
検出装置、８……駆動揺動機構、１Ａ……運転
席、１１……表示装置、１１ａ……基準位置、１
１ｂ……水平線、１１ｃ……耕耘装置モデル。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ トラクタ本体１に前後方向軸芯周りに左右揺
   動可能に連結された耕耘装置２の対地左右姿勢
   を設定範囲内に維持するように、耕耘装置２を
   前記軸芯周りに駆動揺動させる機構８を備えた
   乗用耕耘機において、水平方向を検出する水平
   検出手段と、前記耕耘装置２の前後方向軸芯周
   りでの傾きを検出する傾斜検出手段７とを備
   え、前記水平検出手段並びに前記傾斜検出手段
   ７による検出結果を、前記トラクタ本体１の運
   転席１Ａ前部に固定表示したトラクタ本体１の
   左右方向での基準位置１１ａに重ね合わせて図
   形表示する表示装置１１を設けてあることを特
   徴とする乗用耕耘機。 ２ 前記表示装置１１におけるトラクタ本体１の
   基準位置１１ａは、トラクタ本体１を図案化し
   て表示されるものである実用新案登録請求の範
   囲第１項に記載の乗用耕耘機。 ３ 前記表示装置１１における水平方向の表示
   は、水平線１１ｂを図案化して表示されるもの
   である実用新案登録請求の範囲第１項又は第２
   項に記載の乗用耕耘機。 ４ 前記表示装置１１における耕耘装置２の傾き
   の表示は、耕耘装置２を図案化した耕耘装置モ
   デル１１ｃにて表示されるものである実用新案
   登録請求の範囲第１項乃至第３項のいずれかに
   記載の乗用耕耘機。