JPH0685880B2 - 竪型粉砕機 - Google Patents

竪型粉砕機

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JPH0685880B2
JPH0685880B2 JP94887A JP94887A JPH0685880B2 JP H0685880 B2 JPH0685880 B2 JP H0685880B2 JP 94887 A JP94887 A JP 94887A JP 94887 A JP94887 A JP 94887A JP H0685880 B2 JPH0685880 B2 JP H0685880B2
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禎彦 前田
茂樹 近藤
充 池田
幸二 古谷
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は回転テーブルと粉砕ローラとの協働により、セ
メント原料や石炭、化学品などを粉砕する竪型粉砕機に
関するものである。
[従来の技術] セメント原料や石炭、化学品などの粉体を細かく粉砕し
粉体とする粉砕機の一種として回転テーブルとローラと
を備えた竪型粉砕機が広く用いられている。この種の粉
砕機は、円筒状ケーシングの下部において減速機付きモ
ータで駆動されて低速回転する円盤状の回転テーブル
と、その上面外周部を円周方向へ等分する箇所に油圧等
で圧接されて従動回動する複数個のローラとを備えてい
る。
この竪型粉砕機において、回転テーブルの中心部へ供給
管で供給された原料としての粉体は、テーブルの回転に
よりテーブル半径方向の遠心力を受けてテーブル上を滑
るときにテーブルにより回転方向の力を受け、テーブル
との間で滑ってテーブル回転数よりいくらか遅い回転を
行なう。以上2つの力、すなわち、半径方向と回転方向
の力とが合成され、粉体はテーブル上を渦巻状の軌跡を
描いて回転テーブルの外周部へ移動する。この外周部に
は、ローラが圧接されて回転しているので、渦巻線を描
いた粒体はローラと回転テーブルとの間へローラ軸方向
とある角度をなす方向から進入して噛込まれて粉砕す
る。
一方、ケーシングの基部にはダクトによって熱風が導か
れており、この熱風が回転テーブルの外周面とケーシン
グの内周面との間の環状空間部から吹き上上がることに
より、微粉体は乾燥されながらケーシング内を上昇し、
熱風との混合体として排出口から排出され次の工程へ送
られる。
ところで、粉砕機に供給された被粉砕物は粉砕ローラに
る粉砕作用を1回うけただけでは到底この粉砕機の要求
する精粉粒度に粉砕されることは稀であり、また回転テ
ーブル中央に落下した被粉砕物はすべて粉砕ローラに噛
込まれるわけではないので、回転テーブルの外周端に達
した粉粒体は前記の環状空間から吹上がってくる熱風気
流に乗り上昇しても、粉砕機の上部に設置されるセパレ
ータに達するまでに、その粒度に応じて途中で落下した
り、セパレータにより分級排除されたりして回転テーブ
ル上へ戻される。
このように、粉砕機内に時々刻々供給される被粉砕物は
最終製品となる所望の精粉粒度に達して粉砕機より流出
していくまでに、回転テーブルからセパレータへ上昇
し、あるいは、回転テーブルからセパレータの途中から
の落下を幾度となく繰返し次第に粉砕されて所望の粒度
になる。
[発明が解決しようとする問題点] このような竪型粉砕機においては、一般にローラ系の固
有振動数ωと粉砕で発生する振動数ωとの比K(K=
ω/ω)は、粉砕機の振動の増幅係数Mに対し第2図
に示す如き関係があり、この比K=ω/ωが1.0に近
いときには増幅係数Mは、理論上共振により無限大とな
る。もちろん、実際には減衰があるので無限大にはなら
ないが、極めて大きな値となり、大振動が惹起されて運
転不能に陥る。
通常の運転状態では、増幅係数Mが第2図のA(K>1.
0)の安定域にあるが、原料性状の変化等の因子により
ωが変化してKが1.0に近づき、振動が大きくなるこ
とがある。
従来、このような大振動に対しては、原料供給量を低下
させる等の対処を行なっているが、応答が遅く、迅速か
つ的確な対処とはいい難い。また、同じ対処を採っても
振動がおさまらないケースがある。
[問題点を解決するための手段] 本発明は、ケーシング内に回転テーブルと、この回転テ
ーブル上に配置された複数個の粉砕ローラとを備え、該
テーブルの側周には熱風吹き上げ用の空間部が環状に形
成されている竪型粉砕機において、該ローラの原料噛み
込み側へ空気を供給する手段を設け、かつ該空気供給手
段からの空気供給量を可変としたものである。
[作用] 本発明においては、粉砕機の振動状態に対応してローラ
の噛み込み側に空気を供給し、これによって該噛み込み
側における原料の充填度を粗として粉砕機の振動が許容
範囲内におさまるよう制御する。即ち、噛み込み側の原
料の充填度が粗となって空気含有量が高くなると、粉砕
で発生する振動数が小さくなる。そうすると、K(ω/
ω)が大きくなって1.0から大きく乖離して振動が小
さくなるのである。
[実施例] 第1図は、本発明に係る竪型粉砕機の一実施例を示す。
粉砕機1は、後述する回転テーブル3等の粉砕部全体を
収納するケーシング20を備えており、このケーシング20
は、円筒状に形成されて床面に固定された下部ケーシン
グ20aと、中絞りされた断面円形の内部コーン20cを内設
してある中部ケーシング20bと、その上端に接合された
上部ケーシング20dを備えている。
下部ケーシング20aの中心部には、モータ付きの減速機
2が配設されていて、その上方に向う出力軸には円盤状
に形成された回転テーブル3が軸着されており、減速機
2に駆動されて第1図の上から見て時計方向に回転して
いる。5はローラボスアームであって、回転テーブル3
の上部外周端に複数個配設され、その下端にはそれぞ
れ、ほぼ水平状態に軸着された頭截円錐状の粉砕ローラ
4が枢着されている。
ローラボスアーム5の上部内周端上面には、環形状(本
実施例では円環形状)をなす圧力枠6がボルト締め等の
手段により固設されており、複数個の粉砕ローラ4およ
びローラボスアーム5ならびに圧力枠6は一体的に形成
され、回転テーブル3の上面に載架される。一方、各々
のローラボス5の上部外周端はピン7およびフォークエ
ンド7aにより回転自在に連接棒8、ターンバックル9お
よびシリンダロッド10aを介して、油圧シリンダ10に連
結され、油圧シリンダ10の下端は回転ピン11および回転
座12により、ベースプレート13に連結されている。
各粉砕ローラ4は、ローラ軸4aを介してローラボス5に
回転自在に軸承されており、回転テーブル3の上端外周
面にその周面を対接されているので、回転テーブルの回
転に伴って従動回転可能である。
一方、慢回転テーブル3の中心部上方には、原料供給管
16が、最終の精粉排出管22を介して上部ケーシング20d
に支持されて鉛直に配設されており、この原料供給管16
の周囲には逆円錐状の筒で形成されるセパレータ15が図
示しないステーにより中部ケーシング20bに支持されて
いる。このセパレータ15の上端外周上面には、流入して
くる粉塵ガスに旋回力を付与するための可動ベーン15a
が円周方向に複数個均等配置され、一端を軸受15cに軸
承された軸15bおよびハンドル15dにより回転自在に外部
より調節可能になっている。
さらに、回転テーブル3の外周部下方には、ダクト18に
よって熱風発生装置との間を接続された環状の熱風通路
21が設けられ、この熱風通路21の上方には、回転テーブ
ル3とケーシング20aとの間に、内周壁14aと外周壁14b
とで環状空間部14が画成されている。この環状空間部14
には、複数個の板状ブレード14cが水平面に対して所要
の傾斜角をを保って円周に等間隔に配列固設されてい
る。
また、熱風通路の下部には、粉砕中の異物や過負荷の際
に余剰の被粉砕物を一時的に排出させる排出シュート19
が設置され、回転ピン19aの回りに回動自在な排出ドア1
9bより取り出せる構造となっている。
而して、第1図のIII−III線断面図である第3図及び第
3図のIV−IV線断面図である第4図に示す如く、ローラ
4の噛み込み側へ、前記環状空間部14から吹き上げる熱
風を吹き付けるための気流ガイドプレート40が設けられ
ている。このガイドプレート40は、内部コーン20cの下
端部に設けられた取付ベース41にその基端部を枢支さ
れ、先端側が回動自在とされている。中部ケーシング20
bの外面にはこのガイドプレート40の起倒装置42が設置
されている。この起倒装置42は、中部ケーシング20bに
固設された台板43及びカバー44、該カバー44内に設置さ
れ、基端側が該カバー44に枢支された複動型の油圧シリ
ンダ45、該油圧シリンダの往動側及び復動側にそれぞれ
導入される油圧を制御する制御弁46、中部ケーシング20
b及び内部コーン20cに開設されたスリット状開口47、48
を挿通され、その先端がガイドプレート40に枢着された
シリンダロッド49を備えている。なお、制御弁46には油
圧ポンプ(図示略)から油圧が供給されている。
粉砕機1(本実施例では中部ケーシング20b)には振動
検出用のセンサ30が取り付けられ、その検出信号は制御
装置31に入力されている。この制御装置31は制御弁46に
油圧の制御信号を出力している。
この制御装置31は公知のマイクロコンピュータを用いて
構成されており、マイクロコンピュータ自体は、処理プ
ログラムを記憶するROM、データを一時的に記憶するRA
M、入出力装置、中央処理装置、これらを接続するデー
タバス等を備えている。
センサ30からの信号は、A/D変換器でデジタル信号に変
換された後、入出力装置からマイクロコンピュータ内に
入力され、データ処理され、この処理結果に基いた制御
信号を制御弁46に出力する。
本発明では、前述の如く、粉砕機1の振動が許容範囲内
におさまるようにローラ4の噛み込み側への空気吹付け
量が制御される。
即ち、センサ30で検出される振動(振幅、加速度又は速
度)は制御装置31内に導入され、許容振振動範囲内に設
定されている基準上限値以下の振動であるか否か判断さ
れ、もし基準上限値を超える場合には、この基準上限値
と実際の振動との差に応じてガイドプレート40を倒すよ
うに制御弁46に信号が出力される。これによって、ガイ
ドプレート40が所定角度まで倒れ込み、環状通路14から
吹き上がる熱風の一部がローラ4の噛み込み側に吹き付
けられる。前述の如く、これにより噛み込み側の原料の
充填度が粗となって空気含有量が高くなると、粉砕で発
生する振動ωが小さくなる。そうするとK(ω/
ω)が大きくなって1.0から大きく乖離して振動が小
さくなるのである。このガイドプレート40の起倒角度
は、センサ30の検出振動に応じて連続的に制御され、粉
砕機は常時許容範囲の振動となるように制御される。な
お、起倒装置としては図示以外の各種の動力装置を用い
得る。
第5図は本発明の異なる実施例を示す要部断面図であ
り、ローラ4の噛み込み側へ向けて空気を吹き付ける空
気噴出管50が中部ケーシング20b及び内部コーン20cを貫
通して設けられている。この空気噴出管50には、エアポ
ンプ及びバルブ(図示略)が設けられ、このバルブ開度
(もしくはエアポンプの回転数)が制御装置31によって
制御され、センサ30で検出される粉砕機の振動に応じて
ローラの噛み込み側へ向けて空気が吹き付けられる。本
実施例によっても、前記実施例と同様に、粉砕機の振動
は常に許容範囲内に収められる。
[発明の効果] 以上の通り、本発明の竪型粉砕機によれば、原料の変化
(例えば粒度構成、水分、粘性等の変化)があったり、
あるいは製品粒度を変更した場合であっても、粉砕機の
振動が必ず振動許容限界値内に収められ、竪型粉砕機の
的確な振動制御が可能となるとともに、外乱の如何に拘
らず、長期連続安定運転を達成することができる。ま
た、振動を小さくできるところから、構造部材の応力振
幅が小さくなり、構造部材の軽量化が可能である。
【図面の簡単な説明】
第1図は竪型粉砕機の構成を示す縦断面図、第2図は竪
型粉砕機の振動増幅係数の応答曲線図、第3図は第1図
III−III線断面図、第4図は第3図IV−IV線断面図、第
5図は異なる実施例を示す要部断面図である。 1……竪型粉砕機、3……回転テーブル、 4……粉砕ローラ、6……圧力枠、 14……環状空間部、 15g……セパレータシュート、 30……センサ、31……制御装置、 40……ガイドプレート、50……空気噴出管。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ケーシング内に回転テーブルと、この回転
    テーブル上に配置された複数個の粉砕ローラとを備え、
    該テーブルの側周には熱風吹き上げ用の空間部が環状に
    形成されている竪型粉砕機において、 該ローラの原料噛み込み側へ空気を供給する手段を設
    け、かつ該空気供給手段からの空気供給量を可変とした
    ことを特徴とする竪型粉砕機。
  2. 【請求項2】前記空気供給手段は、前記熱風吹き上げ用
    の環状空間部の上方かつローラ噛み込み側の位置に配置
    された気流ガイドプレートであって、このガイドプレー
    トは、基端側がケーシングに枢支され、先端側がケーシ
    ング内にて回動可能である特許請求の範囲第1項に記載
    の竪型粉砕機。
  3. 【請求項3】前記空気供給手段は、前記ローラの噛み込
    み側へ向けて配設された空気噴出管及び該空気噴出管に
    接続された空気加圧装置を備えてなる特許請求の範囲第
    1項に記載の竪型粉砕機。
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