JPH0535025B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は回転テーブルと粉砕ローラとの協働に
より、セメント原料や石炭、化学品などを粉砕す
る竪型粉砕機に関するものである。

［従来の技術］ セメント原料や石炭、化学品などの流体を細か
く粉砕し粉体とする粉砕機の一種として回転テー
ブルと粉砕ローラとを備えた竪型粉砕機が広く用
いられている。この種の粉砕機は、円筒状ケーシ
ングの下部において減速機付きモータで駆動され
て低速回転する円盤状の回転テーブルと、その上
面外周部を円周方向へ等分する箇所に油圧等で圧
接されて従動回転する複数個のローラとを備えて
いる。

例えば、従来の竪型粉砕機を示す第２図におい
て、全体を符号１で示す粉砕機は外観上一つの塔
体として形成されたケーシング２０を備え、その
基部には電動機（モータ）２および減速機１７に
よつて回転される回転テーブル３が配置されてい
る。そして、この回転テーブル３に摺接して回転
するように複数個の円錐状の粉砕ローラ４が配置
されており、この粉砕ローラ４は支持アーム５に
回転自在に軸承されている。支持アーム５は、支
軸６で粉砕機側に軸承された回動アーム７の一端
に固定され、この回動アーム７は回転テーブル３
を囲んでいるケーシング８の側方を通つて下方に
延び、粉砕機の下部空間に臨んでいる。そして、
この回動アーム７の下端は粉砕機１のベースにそ
の下端を回動自在に軸承された圧力シリンダ９の
ロツド１０の先端に回転自在に軸承されている。

回転テーブル３の中心部へ供給管（図示せず）
で供給された原料としての粒体は、テーブルの回
転により従動するローラ４と回転テーブル３との
間へ噛込まれ粉砕される。一方、ケーシング８内
にはダクト（図示せず）によつて熱風が導かれて
おり、この熱風が回転テーブル３の外周面とケー
シング８の内周面との間の環状空間部１４から吹
き上がることにより、微粉体は乾燥されながら粉
砕機１内を上昇し、熱風との混合体として排出管
１６から排出され次の工程へ送られる。

なお、粒度の粗い粒子も、一部は粉砕機１内を
上昇するが、上方の回転式セパレータ１８の回転
羽根１５にて分級され、回転テーブル３上へ戻さ
れる。

この回転式セパレータ１８は、中心部に鉛直な
回転軸１３を設け、回転羽根１５を、複数個、等
ピツチで回転軸１３に固設し、軸とともに任意の
回転数にて回転されている。この羽根１５は、通
常の場合、略Ｌ字断面形状を有し、Ｌ字折曲部が
セパレータ内側となるように、円環状かつ放射状
に配設されている。この羽根１５が回転軸１３と
共に回転することにより、各羽根１５間を通過し
てセパレータ内に流れ込む気流から微粒子が分離
される。

［発明が解決しようとする問題点］ 上記のように構成された回転式セパレータで
は、セパレータが１段に過ぎないので、それだけ
分級性能特性曲線の分級点の勾配が緩やかであ
り、分級精度、換言すれば分級のするどさがさほ
どではない。すなわち、細粉中に混入する粗粉が
多く、戻粉中へ混じる細粉も少なくない。したが
つて、精粉の品質が低く、また分級精度の不良か
ら粉砕機の粉砕能力の低下やランニングコストの
増大を惹起するなどの悪影響を及ぼす。

この場合、セパレータの回転数を増大したり、
羽根間隔を狭めたりすれば、分級点が細粉別にシ
フトし、分級もある程度鋭くなる。しかしなが
ら、このような対策はセパレータの通気圧損を増
大させ、フアン動力コストをかなり高くするとこ
ろから実際的ではない。

［問題点を解決するための手段］ 本発明の竪型粉砕機は、回転テーブルと、該回
転テーブル上に配設された粉砕ローラと、これら
回転テーブル及び粉砕ローラを囲むケーシング
と、該ケーシングの頂部に設けられた精粉の気流
搬出用の開口と、このケーシング内の上部に設け
られた回転式セパレータとを有する竪型粉砕機に
おいて、該回転式セパレータの周囲に固定羽根式
セパレータを、該固定羽根式セパレータの通過流
を回転式セパレータに導入可能に設けた竪型粉砕
機であつて、前記固定羽根式セパレータは、多段
に配設された複数枚の、下方に向つて窄まるコー
ン状の円環羽根を備えており、前記円環羽根の羽
根面には、該円環の半径方向と交叉する方向に延
在する螺旋流形成用ベーンを配設してあり、該ベ
ーンは、該円環の半径方向との交叉角を可変に設
けられていることを特徴とするものである。

［作用］ 本発明に係る竪型粉砕機では、セパレータを２
段に設けてあるから、鋭い分級が可能であり、粒
度の揃つたかつ微細な製品粉末を製造できる。こ
の場合、１段目のセパレータは固定羽根式セパレ
ータであるから、圧損も小さい。

また、粒度の粗い固定羽根式セパレータでの分
級物を回転テーブル上に戻すようにしているか
ら、粗粒を効率良く微粉砕できる。

［実施例］ 以下図面を参照して実施例について説明する。

第１図は本発明の実施例に係る竪型粉砕機の縦
断面図である。

この竪型粉砕機においては、回転式セパレータ
１８の下側に固定羽根式セパレータ３０が設けら
れている。この固定羽根式セパレータ３０は、下
方に向つて窄まるコーン状の円環羽根３１を複数
枚（本実施例では４枚）、上下に多数配列したも
のであり、最も上側の円環羽根３１は、ケーシン
グ天井部からセパレータ１５を取り囲むように垂
設された円筒ケーシング３２に連設されており、
最も下側の円環羽根３１には、シユート３３が連
設されている。

固定羽根式セパレータ３０の円環羽根３１上
に、該円環羽根３１の通過気流を螺旋流とするた
めのベーン３４が設けられている。即ち、このベ
ーン３４は、円環羽根３１の円環の半径方向と交
叉する方向に延設されている。なお、本実施例で
はこのベーン３４は、該円環半径方向との交叉角
度が変更できるように支軸（図示略）によつて該
円環羽根３１に枢着されている。

なお、その他の構成は前記第２図の竪型粉砕機
と同様であるので、同一部材に同一符号を付して
その説明を省略する。

このように構成された竪型粉砕機においては、
投入された原料が回転テーブル３とローラ４との
間に噛み込まれて生じた粉砕物のうち、細粉と、
それよりも粒度の粗い粒子（以下、中間粒という
ことがある。）の一部とは、それぞれ熱風により
搬送されて固定羽根式セパレータ３０内に流入す
る。

この固定羽根式セパレータ３０の各羽根３１内
を通過するときに、気流は斜め下向きとなると共
に流速を増し、この通過の後に上向き流となる。
そのため、各粒子には、固定羽根式セパレータ３
０内において遠心力と重力とが作用し、粒度の大
きな中間粒は該固定羽根式セパレータ３０内で分
級され、シユート３３から回転テーブル３上に向
けて落下される。

なお、円環羽根３１間を通過する気流が螺旋流
となるので、該固定羽根式セパレータ３０内の粒
子には、さらに螺旋回転に伴う遠心力が作用す
る。これにより、分級効率が向上され、粗粉が確
実に固定羽根式セパレータ３０内で分級される。

従つて、圧損を殆ど増大させることなく、きわ
めて鋭い分級がなされるようになり、微細でかつ
粒度分布の狭い製品粉末が得られる。

また、ベーン３４の角度を調節可能としている
から、固定羽根式セパレータ３０における分級の
鋭さを調節できる。

一方、粒径の小さい粒子は固定羽根式セパレー
タ３０内を通過して回転式セパレータ１８に達
し、その回転羽根１５間を通過する際に分級作用
を受け、粒径の大きな粒子は羽根面に沿つて落下
したり、あるいは遠心力によつて回転羽根１５の
前縁側に押し戻され、次いで落下する。この落下
粒子の大部分はシユート３３から回転テーブル３
上へ向けて戻される。

回転式セパレータ１８を通過した微細粉は、排
出管１６から排出されサイクロンや電気集塵機等
の捕集装置に送られ、微細粉末の製品とされる。

このように、２段階にわたつて分級を行うとこ
ろから、製品粉末は微細なものであり、かつ分級
粒度も鋭い。しかも、第１段目のセパレータは通
気圧損の小さい固定羽根式セパレータ３０である
から、全体としての排風フアン動力の消費も低
い。

なお、上記の実施例は本発明の一例であり、本
発明は他の態様にても実施できる。

例えば、各ローラ４の支持アーム５を圧力枠で
連結し、この圧力枠を引き下げ方向に付勢するこ
とにより各ローラ４を回転テーブル３に圧接する
ようにしても良い。

［発明の効果］ 以上述べた通り、本発明によれば回転式セパレ
ータの分級精度が向上し、精粉中への粗粉の混入
が極力押えられ、分級のシヤープな粒度構成を持
つ製品が得られるため、製品の品質が向上する。
また、分級精度の向上により粉砕能力が増加する
と共に、排風フアンの動力消費も少なくて足り、
ランニングコストも低減することが出来る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係る竪型粉砕機の縦断面図、
第２図は従来例の断面図である。 ３……回転テーブル、４……粉砕ローラ、１５
……セパレータ回転羽根、１６……排出管、１８
……回転式セパレータ、３０……固定羽根式セパ
レータ、３１……円環羽根、３３……シユート、
３４……ベーン。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 回転テーブルと、該回転テーブル上に配設さ
   れた粉砕ローラと、これら回転テーブル及び粉砕
   ローラを囲むケーシングと、該ケーシングの頂部
   に設けられた精粉の気流搬出用の開口と、このケ
   ーシング内の上部に設けられた回転式セパレータ
   とを有する竪型粉砕機において、 該回転式セパレータの周囲に固定羽根式セパレ
   ータを、該固定羽根式セパレータの通過流を回転
   式セパレータに導入可能に設けた竪型粉砕機であ
   つて、 前記固定羽根式セパレータは、多段に配設され
   た複数枚の、下方に向つて窄まるコーン状の円環
   羽根を備えており、 前記円環羽根の羽根面には、該円環の半径方向
   と交叉する方向に延在する螺旋流形成用ベーンを
   配設してあり、 該ベーンは、該円環の半径方向との交叉角を可
   変に設けられていることを特徴とする竪型粉砕
   機。