JPH0684611A - バリスタの製造方法 - Google Patents

バリスタの製造方法

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JPH0684611A
JPH0684611A JP4236250A JP23625092A JPH0684611A JP H0684611 A JPH0684611 A JP H0684611A JP 4236250 A JP4236250 A JP 4236250A JP 23625092 A JP23625092 A JP 23625092A JP H0684611 A JPH0684611 A JP H0684611A
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JP
Japan
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varistor
ceramic
semiconductor
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firing
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Pending
Application number
JP4236250A
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English (en)
Inventor
Koji Hattori
康次 服部
Kazuyoshi Nakamura
和敬 中村
Yasunobu Yoneda
康信 米田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Murata Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Murata Manufacturing Co Ltd
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Publication date
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Publication of JPH0684611A publication Critical patent/JPH0684611A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 セラミック粒子の半導体化を促進してサージ
耐量等の電気的特性を改善でき、さらには生産性を向上
できるバリスタの製造方法を提供する。 【構成】 バリスタ特性を発現するセラミック成形体を
空気中にて焼成して脱バインダを行うとともに、結晶核
を形成し、この後直ちに還元性雰囲気に置換して焼成す
る。これによりセラミック粒子が粒成長した半導体磁器
を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、セラミック成形体を還
元焼成して半導体磁器を形成し、この半導体磁器のセラ
ミック粒界を酸化させることにより電圧非直線特性を得
るようにしたバリスタの製造方法に関し、特に半導体磁
器の抵抗を小さくしてサージ耐量等の電気的特性を改善
でき、さらには生産性を向上できるようにした製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、SrTiO3 系半導体セラミッ
クを主成分とするバリスタは、サージ吸収素子,ノイズ
吸収素子として電気機器等に広く使用されている。この
バリスタは、主成分としてSrTiO3 ,及びSrを一
部CaやBaに置換したペロブスカイト系多結晶焼結体
を電子価制御や還元焼成により半導体化し、これにNa
酸化物,又はこれらの化合物を拡散させることによっ
て、セラミック結晶粒界に電気的障壁を形成し、これに
より大きな誘電率と電圧非直線特性を得ている。このよ
うなバリスタを製造する場合、従来、SrTiO3 系半
導体セラミックからなる成形体を空気中にて焼成してこ
の成形体のバインダを燃焼させるとともに、結晶核を形
成し、この後冷却して焼結体を形成する。次いでこの焼
結体を還元性雰囲気にて高温焼成して半導体磁器を形成
し、この後、半導体磁器にNa酸化物等を熱拡散させる
方法が一般的である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、サージ吸収
特性に優れたバリスタを得るには、半導体磁器の抵抗を
小さくすることが必要であり、そのためにはセラミック
粒子の半導体化を向上させる必要がある。しかしなが
ら、上記従来の製造方法では、還元性雰囲気中で焼成を
行う際にセラミック粒子の半導体化が進み難く、その結
果サージ耐量が低いという問題点がある。また上記従来
の製造方法では、空気中にて焼成した後冷却し、この後
還元雰囲気で焼成するようにしていることから、生産性
が低く、この点での改善が要請されている。
【0004】本発明は上記従来の状況に鑑みてなされた
もので、セラミック粒子の半導体化を促進してサージ耐
量を向上できるとともに、製造工程を簡略化して生産性
を向上できるバリスタの製造方法を提供することを目的
としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】本件発明者らは、半導体
磁器を得るための焼成工程が電気的特性を決定づける重
要な工程であるという観点から、この焼成時の過程につ
いて検討したところ、空気中で焼成して脱バインダ,及
び結晶核を形成した後、冷却を行う際にセラミック粒子
に酸素が吸着し、この酸素が還元焼成する際の半導体化
を妨げていることを見出した。このことから、空気中で
結晶核を形成した後、続いて雰囲気を還元性に切り換え
ることによって、冷却時の酸素吸着を回避でき、ひいて
はセラミック粒子の半導体化を促進できることに想到
し、本発明を成したものである。
【0006】そこで本発明は、セラミック成形体を空気
中にて焼成することにより脱バインダを行うとともに、
結晶核を形成し、この後直ちに還元性雰囲気に置換して
焼成することによりセラミック粒子を粒成長させたこと
を特徴とするバリスタの製造方法である。
【0007】
【作用】本発明に係るバリスタの製造方法によれば、空
気中で脱バインタ,及び結晶核形成の焼成を行った後、
雰囲気を直ちに還元性に置換して焼成したので、従来の
冷却時における酸素の吸着を回避でき、これによりセラ
ミック粒子の粒成長による半導体化を促進できることか
ら、サージ吸収特性を改善でき、電気的特性を向上でき
る。また、本発明では、空気雰囲気をそのまま還元性に
切り換えて連続焼成する方法であるから、従来の冷却し
た後、改めて昇温加熱するという工程を不要にでき、そ
れだけ製造工程を簡略化でき、生産性を向上できる。
【0008】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。本実施例
では、本発明に係る製造方法によりバリスタを製造し、
これにより得られた素子の効果を確認するために行った
特性試験について説明する。まず、本実施例のSrTi
3 系バリスタの一製造方法について説明する。SrC
3 ,CaCO3 ,TiO2 ,及びEr2 3 の各原料
粉を、それぞれSr0.9 Ca0.1 Er0.003 TiO3
なるよう配合し、これに純水を加えてボールミルで混合
する。これをフィルタで脱水し、乾燥させるとともに、
メッシュで造粒した後、1200℃で2時間仮焼成する。
【0009】次に、上記仮焼結体を乾式粉砕して仮焼結
粉末を形成し、該粉末にSiO2 を0.5 wt%の割合で添
加し、これにポリビニルアルコールをバインダとして5.
0 %加えるとともに、さらに純水を加えてボールミルで
混合し、スラリーを形成する。次いで、このスラリーを
スプレードライヤで乾燥させた後、造粒し、この造粒粉
に2ton/cm2 の圧力を加えて直径10mm×厚さ1.5mm のデ
ィスク状のセラミック成形体を形成する。
【0010】次に、上記成形体を、空気中で400 〜600
℃に加熱昇温してバインダを燃焼させた後、続いて1150
℃に昇温して2時間焼成し、これにより結晶核を形成す
る。そして上記空気雰囲気を直ちに還元性雰囲気に置換
し、続いて1350〜1400℃で2時間焼成して焼結体を形成
する。これにより酸素吸着のない半導体化した半導体磁
器を得る。こうして得られた半導体磁器の両主面にIn
−Ga合金ペーストを塗布し、比抵抗測定用試料とし
た。
【0011】また、得られた半導体磁器に、モル比で
2:1となるようにNa2 O,TiO 2 からなる酸化剤
を加えて1200℃で5時間熱処理を行い、これにより上記
半導体磁器の結晶粒界に酸化物を熱拡散させて電気的障
壁を形成する。最後に、上記半導体磁器の両主面に直径
7mmのAgを塗布した後、800 ℃で10分間焼き付けて電
極を形成し、この後、半導体磁器の電極の外表面部分に
エポキシ系樹脂を外装する。これにより本実施例のバリ
スタが製造される。
【0012】
【表1】
【0013】
【表2】
【0014】表1及び表2は、上記実施例方法により製
造されたバリスタの効果を確認するために行った特性試
験の結果を示す。この試験は、上述の還元雰囲気での焼
成温度を1400℃とした実施例試料No. 1と、1350℃とし
た実施例試料No. 2とを用いて実施した。また比較する
ために、従来方法の空気中で焼成して一旦冷却した後、
改めて還元雰囲気にて1400℃で焼成した従来試料No. 3
と、1350℃で焼成した従来試料No. 4とを用いて実施し
た。そして、表1に示すように、各試料の比抵抗値Ω・
cmをマルチメータで測定するとともに、バリスタ電圧V
1mA ,非直線係数aを測定した。また、表2に示すよう
に、各試料の2000A サージ後のバリスタ電圧の変化率Δ
1mA , 及び非直線係数の変化率Δaを測定した。この
2000A サージは8×20μsec の三角電流波を5分間隔で
2回印加し、この印加前と印加30分後の各試料の特性を
比較した。
【0015】表1及び表2からも明らかなように、従来
試料No. 3,4の場合は、比抵抗がそれぞれ1.2 Ω・c
m,2.1Ω・cmと高く、しかもサージ試験によるバリスタ
電圧の変化率では−4.1 %, −6.1 %、非直線係数の変
化率では−6.4 %, −10.1%といずれも大きくなってお
り、冷却時の酸素吸着によって還元焼成後の半導体化が
妨げられている。これに対して、本実施例試料No. 1,
2の場合は、比抵抗がそれぞれ0.4 Ω・cm,0.6Ω・cmと
低くなっており、またサージ試験によるバリスタ電圧の
変化率では+0.1 %, +0.3 %、非直線係数の変化率で
は+0.2 %, +0.1 %と大幅に小さくなっている。この
ように、セラミック成形体を空気中にて焼成して結晶核
を形成した後、続いて還元性雰囲気に切り換えることに
よって、セラミック粒子の粒成長による半導体化を促進
でき、サージ耐量等の電気的特性を大幅に改善すること
ができ、かつ生産性を向上できることがわかる。
【0016】
【発明の効果】以上のように本発明に係るバリスタの製
造方法によれば、セラミック成形体を空気中にて焼成し
て結晶核を形成した後、直ちに還元性雰囲気に置換して
セラミック粒子を粒成長させたので、酸素吸着を防止し
て半導体磁器の抵抗を小さくすることができ、サージ耐
量を向上できる効果があり、また従来では2回必要であ
った焼成工程を1回で行うことができ、生産性を向上で
きる効果がある。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セラミック成形体を空気中にて焼成する
    ことにより脱バインダを行うとともに結晶核を形成し、
    この後直ちに還元性雰囲気に置換して焼成することによ
    りセラミック粒子が粒成長した半導体磁器を得るように
    したことを特徴とするバリスタの製造方法。
JP4236250A 1992-09-04 1992-09-04 バリスタの製造方法 Pending JPH0684611A (ja)

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Effective date: 20020108