JPH1070008A - 正特性サーミスタの製造方法 - Google Patents
正特性サーミスタの製造方法Info
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- JPH1070008A JPH1070008A JP8226325A JP22632596A JPH1070008A JP H1070008 A JPH1070008 A JP H1070008A JP 8226325 A JP8226325 A JP 8226325A JP 22632596 A JP22632596 A JP 22632596A JP H1070008 A JPH1070008 A JP H1070008A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 特に室温での比抵抗値が低く、耐電圧の大き
な正特性サーミスタを提供することを目的とする。 【解決手段】 チタン酸バリウム又はその固溶体を生じ
させる原料に、半導体化元素としてNb,Sb等の5価
の元素のうち1種類を添加、混合した原料粉末を空気中
または還元雰囲気中で仮焼して仮焼粉を得、次にこの仮
焼粉にY,La,Ce等の3価の半導体化元素のうち1
種類と、SiおよびMnの各酸化物を添加、混合した後
成形して成形体を得、次いでこの成形体を本焼成するこ
とにより正特性サーミスタを構成するものである。
な正特性サーミスタを提供することを目的とする。 【解決手段】 チタン酸バリウム又はその固溶体を生じ
させる原料に、半導体化元素としてNb,Sb等の5価
の元素のうち1種類を添加、混合した原料粉末を空気中
または還元雰囲気中で仮焼して仮焼粉を得、次にこの仮
焼粉にY,La,Ce等の3価の半導体化元素のうち1
種類と、SiおよびMnの各酸化物を添加、混合した後
成形して成形体を得、次いでこの成形体を本焼成するこ
とにより正特性サーミスタを構成するものである。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は特定の温度で抵抗値
が急激に増大する正特性サーミスタにおいて、特に室温
での抵抗値が低く、耐電圧の高い正特性サーミスタの製
造方法に関するものである。
が急激に増大する正特性サーミスタにおいて、特に室温
での抵抗値が低く、耐電圧の高い正特性サーミスタの製
造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】まず、チタン酸バリウムを主成分とし、
半導体化させるためにY,La等の希土類元素あるいは
Nb,Sb等の酸化物や、特性向上剤としてSiやMn
等の酸化物が微量添加された原料を湿式ボールミルやデ
ィスパーミルなどを用いて混合し、フィルタープレス、
ドラムドライヤー等で脱水乾燥した後、これらの混合粉
末を仮焼する。次に、この仮焼粉末を湿式ボールミルや
サンドミル等により粉砕し、バインダーを加えスラリー
状にしたものをスプレードライヤー等により造粒し、所
望の形状に成形した後、本焼成を行い、得られた焼結体
に電極を形成させ最終製品としていた。
半導体化させるためにY,La等の希土類元素あるいは
Nb,Sb等の酸化物や、特性向上剤としてSiやMn
等の酸化物が微量添加された原料を湿式ボールミルやデ
ィスパーミルなどを用いて混合し、フィルタープレス、
ドラムドライヤー等で脱水乾燥した後、これらの混合粉
末を仮焼する。次に、この仮焼粉末を湿式ボールミルや
サンドミル等により粉砕し、バインダーを加えスラリー
状にしたものをスプレードライヤー等により造粒し、所
望の形状に成形した後、本焼成を行い、得られた焼結体
に電極を形成させ最終製品としていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】正特性サーミスタは、
過電流防止用素子、温度制御用素子、モータ起動用素
子、消磁用素子、ヒータ用素子といったさまざまな用途
に応用されてきている。特に過電流防止用あるいは消磁
用素子においては、その小型化を図るため、室温での比
抵抗が小さいこと、抵抗温度係数が高く耐電圧が高いこ
とが要望されている。このように正特性サーミスタを得
るため、従来より組成面および工法面より鋭意研究され
ているが、上記方法で製造した正特性サーミスタは、室
温での比抵抗が低いものは耐電圧が低く、耐電圧が高い
ものは室温での比抵抗が高くなり、現在実用化されてい
るもので、室温の比抵抗が5Ωcmで耐電圧が30〜40
V/mmのものが限界であった。
過電流防止用素子、温度制御用素子、モータ起動用素
子、消磁用素子、ヒータ用素子といったさまざまな用途
に応用されてきている。特に過電流防止用あるいは消磁
用素子においては、その小型化を図るため、室温での比
抵抗が小さいこと、抵抗温度係数が高く耐電圧が高いこ
とが要望されている。このように正特性サーミスタを得
るため、従来より組成面および工法面より鋭意研究され
ているが、上記方法で製造した正特性サーミスタは、室
温での比抵抗が低いものは耐電圧が低く、耐電圧が高い
ものは室温での比抵抗が高くなり、現在実用化されてい
るもので、室温の比抵抗が5Ωcmで耐電圧が30〜40
V/mmのものが限界であった。
【0004】そこで本発明は、比抵抗が小さくかつ耐電
圧の高い正特性サーミスタを提供することを目的とする
ものであり、より具体的には、比抵抗が5Ωcm以下でか
つ耐電圧が40V/mm以上の、従来にない優れた正特性
サーミスタを提供することにある。
圧の高い正特性サーミスタを提供することを目的とする
ものであり、より具体的には、比抵抗が5Ωcm以下でか
つ耐電圧が40V/mm以上の、従来にない優れた正特性
サーミスタを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】正特性サーミスタにおけ
る半導体化の機構に関しては、Y,Laなどの希土類元
素やNb,Sbなどの金属元素が主成分であるチタン酸
バリウムに固溶したときに生ずる電子が伝導に寄与して
いるという、いわゆる原子価制御により説明されてき
た。しかしこのような半導体化元素の濃度には最適な範
囲が存在し、濃度が低くても、逆に高くても半導体化し
づらい傾向があった。従って、正特性サーミスタの低抵
抗化の課題に対しては、この半導体化元素をいかにチタ
ン酸バリウムに固溶させるかがポイントであった。一
方、耐電圧向上に関しては、電気的特性からは抵抗温度
係数を大きくすること、又磁器的には結晶粒子径を均
一、微細にすることがポイントであった。
る半導体化の機構に関しては、Y,Laなどの希土類元
素やNb,Sbなどの金属元素が主成分であるチタン酸
バリウムに固溶したときに生ずる電子が伝導に寄与して
いるという、いわゆる原子価制御により説明されてき
た。しかしこのような半導体化元素の濃度には最適な範
囲が存在し、濃度が低くても、逆に高くても半導体化し
づらい傾向があった。従って、正特性サーミスタの低抵
抗化の課題に対しては、この半導体化元素をいかにチタ
ン酸バリウムに固溶させるかがポイントであった。一
方、耐電圧向上に関しては、電気的特性からは抵抗温度
係数を大きくすること、又磁器的には結晶粒子径を均
一、微細にすることがポイントであった。
【0006】そこで上記目的を達成するために、本発明
の正特性サーミスタの製造方法は、チタン酸バリウム又
はその固溶体を生じさせる原料に、5価の半導体化元素
のうち少なくとも1種類を添加、混合した原料粉末を空
気中で仮焼して仮焼粉を得、次にこの仮焼粉に3価の半
導体化元素のうち少なくとも1種類と、SiおよびMn
の各酸化物を添加、混合した後成形して成形体を得、次
いでこの成形体を本焼成して焼結体を得、その後この焼
結体表面に電極を形成することを特徴とする正特性サー
ミスタの製造方法であり、これより上記目的を達成する
ことができる。
の正特性サーミスタの製造方法は、チタン酸バリウム又
はその固溶体を生じさせる原料に、5価の半導体化元素
のうち少なくとも1種類を添加、混合した原料粉末を空
気中で仮焼して仮焼粉を得、次にこの仮焼粉に3価の半
導体化元素のうち少なくとも1種類と、SiおよびMn
の各酸化物を添加、混合した後成形して成形体を得、次
いでこの成形体を本焼成して焼結体を得、その後この焼
結体表面に電極を形成することを特徴とする正特性サー
ミスタの製造方法であり、これより上記目的を達成する
ことができる。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1に記載の発明
は、チタン酸バリウム又はその固溶体を生じさせる原料
に、5価の半導体化元素のうち少なくとも1種類を添
加、混合した原料粉末を空気中で仮焼して仮焼粉を得、
次にこの仮焼粉に3価の半導体化元素のうち少なくとも
1種類と、SiおよびMnの各酸化物を添加、混合した
後成形して成形体を得、次いでこの成形体を本焼成して
焼結体を得、その後この焼結体表面に電極を形成するこ
とを特徴とする正特性サーミスタの製造方法であり、半
導体化元素の主成分への固溶が進行しやすくなり、低抵
抗化が図れる。またSiとMnの酸化物を添加すること
により、粒界付近にこれらの酸化物が偏析するためPT
C特性が向上し、低抵抗で耐電圧の高い正特性サーミス
タを得ることができる。
は、チタン酸バリウム又はその固溶体を生じさせる原料
に、5価の半導体化元素のうち少なくとも1種類を添
加、混合した原料粉末を空気中で仮焼して仮焼粉を得、
次にこの仮焼粉に3価の半導体化元素のうち少なくとも
1種類と、SiおよびMnの各酸化物を添加、混合した
後成形して成形体を得、次いでこの成形体を本焼成して
焼結体を得、その後この焼結体表面に電極を形成するこ
とを特徴とする正特性サーミスタの製造方法であり、半
導体化元素の主成分への固溶が進行しやすくなり、低抵
抗化が図れる。またSiとMnの酸化物を添加すること
により、粒界付近にこれらの酸化物が偏析するためPT
C特性が向上し、低抵抗で耐電圧の高い正特性サーミス
タを得ることができる。
【0008】請求項2に記載の発明は、チタン酸バリウ
ム又はその固溶体を生じさせる原料に、5価の半導体化
元素のうち少なくとも1種類を添加、混合した原料粉末
を還元雰囲気中で仮焼して仮焼粉を得、次にこの仮焼粉
に3価の半導体化元素のうち少なくとも1種類と、Si
およびMnの各酸化物を添加、混合した後成形して成形
体を得、次いでこの成形体を本焼成して焼結体を得、そ
の後この焼結体表面に電極を形成することを特徴とする
正特性サーミスタの製造方法であり、還元雰囲気中で仮
焼することにより酸素欠陥に伴う伝導電子が生成し、よ
り低抵抗な正特性サーミスタを得ることができる。
ム又はその固溶体を生じさせる原料に、5価の半導体化
元素のうち少なくとも1種類を添加、混合した原料粉末
を還元雰囲気中で仮焼して仮焼粉を得、次にこの仮焼粉
に3価の半導体化元素のうち少なくとも1種類と、Si
およびMnの各酸化物を添加、混合した後成形して成形
体を得、次いでこの成形体を本焼成して焼結体を得、そ
の後この焼結体表面に電極を形成することを特徴とする
正特性サーミスタの製造方法であり、還元雰囲気中で仮
焼することにより酸素欠陥に伴う伝導電子が生成し、よ
り低抵抗な正特性サーミスタを得ることができる。
【0009】以下本発明の実施の形態について説明す
る。 (実施の形態1)まず、主成分を(Ba0.90Ca0.10)
TiO3の組成となるようにBaCO3,CaCO3,T
iO2をそれぞれ秤量し、同時に5価の半導体化元素と
してNb2O5を主成分1モルに対して0.002モル秤
量し、ボールミルにて湿式混合する。次にこの混合物を
乾燥した後、空気中1050℃にて2時間仮焼する。さ
らに、この仮焼粉に、主成分1モルに対して3価の希土
類元素であるY2O3を0.002モル、SiO2を0.
02モルとMnO2を0.0005モル添加、混合した
後再びボールミルにて湿式粉砕し乾燥する。次にこの乾
燥粉砕粉にポリビニルアルコールからなるバインダーを
添加造粒し、1平方センチメートル当たり800kgの圧
力で直径20mm,厚さ2.5mmの円板状に成形した。次
にこれらの成形体を空気中で1350℃2時間本焼成を
行い焼結体を得た。この焼結体にNiメッキを施した
後、銀ペーストを印刷塗布、焼き付けし電極とした。
尚、前記以外の本発明およびその比較例として前記の5
価の半導体化元素Nb2O5の代わりに3価の半導体化元
素Y2O3,La2O3と5価の半導体化元素Sb2O5を、
又仮焼後に添加した3価の半導体化元素Y2O3の代わり
に5価の半導体化元素Nb2O5,Sb2O5,3価の半導
体化元素La2O3をそれぞれ(表1)の試料番号2〜1
2の組合せにより配合し、前記と同様な方法により試料
を作製した。
る。 (実施の形態1)まず、主成分を(Ba0.90Ca0.10)
TiO3の組成となるようにBaCO3,CaCO3,T
iO2をそれぞれ秤量し、同時に5価の半導体化元素と
してNb2O5を主成分1モルに対して0.002モル秤
量し、ボールミルにて湿式混合する。次にこの混合物を
乾燥した後、空気中1050℃にて2時間仮焼する。さ
らに、この仮焼粉に、主成分1モルに対して3価の希土
類元素であるY2O3を0.002モル、SiO2を0.
02モルとMnO2を0.0005モル添加、混合した
後再びボールミルにて湿式粉砕し乾燥する。次にこの乾
燥粉砕粉にポリビニルアルコールからなるバインダーを
添加造粒し、1平方センチメートル当たり800kgの圧
力で直径20mm,厚さ2.5mmの円板状に成形した。次
にこれらの成形体を空気中で1350℃2時間本焼成を
行い焼結体を得た。この焼結体にNiメッキを施した
後、銀ペーストを印刷塗布、焼き付けし電極とした。
尚、前記以外の本発明およびその比較例として前記の5
価の半導体化元素Nb2O5の代わりに3価の半導体化元
素Y2O3,La2O3と5価の半導体化元素Sb2O5を、
又仮焼後に添加した3価の半導体化元素Y2O3の代わり
に5価の半導体化元素Nb2O5,Sb2O5,3価の半導
体化元素La2O3をそれぞれ(表1)の試料番号2〜1
2の組合せにより配合し、前記と同様な方法により試料
を作製した。
【0010】
【表1】
【0011】次に、このように作製された試料の各種の
電気特性を測定する。その抵抗温度特性より、室温比抵
抗値ρ25,抵抗温度係数α,耐電圧VBDを評価する。そ
の評価結果を(表1)に示した。
電気特性を測定する。その抵抗温度特性より、室温比抵
抗値ρ25,抵抗温度係数α,耐電圧VBDを評価する。そ
の評価結果を(表1)に示した。
【0012】尚、(表1)の試料番号1は本実施の形態
についての正特性サーミスタである。
についての正特性サーミスタである。
【0013】ここで、抵抗温度係数については次式に従
い求めた。 〔ln(R2/R1)/(T2−T1)〕×100(%/
℃) 但し、R1,T1;R25の2倍の抵抗値およびその時の温
度 R2,T2;(T1+30)℃の抵抗値およびその時の温
度である。
い求めた。 〔ln(R2/R1)/(T2−T1)〕×100(%/
℃) 但し、R1,T1;R25の2倍の抵抗値およびその時の温
度 R2,T2;(T1+30)℃の抵抗値およびその時の温
度である。
【0014】(表1)より明らかなように、配合時およ
び仮焼後に添加される半導体化元素が5価および3価の
組合せである本発明の試料番号1,2,9および10の
正特性サーミスタは、低比抵抗で耐電圧が高いが、5価
および5価、3価および5価あるいは3価および5価の
組合せである試料番号3〜8および11,12の本発明
の範囲外の正特性サーミスタは、比抵抗が高く、耐電圧
も低くなりその効果は認められない。
び仮焼後に添加される半導体化元素が5価および3価の
組合せである本発明の試料番号1,2,9および10の
正特性サーミスタは、低比抵抗で耐電圧が高いが、5価
および5価、3価および5価あるいは3価および5価の
組合せである試料番号3〜8および11,12の本発明
の範囲外の正特性サーミスタは、比抵抗が高く、耐電圧
も低くなりその効果は認められない。
【0015】(実施の形態2)(実施の形態1)と同様
な組成で原料を秤量しボールミルにて湿式混合し乾燥す
る。この時に用いる半導体化元素は(表2)に示した様
に(実施の形態1)と同様な組合せとする。
な組成で原料を秤量しボールミルにて湿式混合し乾燥す
る。この時に用いる半導体化元素は(表2)に示した様
に(実施の形態1)と同様な組合せとする。
【0016】
【表2】
【0017】次に、この乾燥粉を水素10%のグリーン
ガスの還元雰囲気中で仮焼する。以降の試料作製工程は
上記(実施の形態1)と同様に、粉砕、造粒、成形し空
気中にて2時間本焼成を行い、得られた焼結体に電極を
形成した。尚、仮焼後に添加混合する半導体化元素は
(表2)に示した様に(実施の形態1)と同様とした。
次に、このように作製した試料の各種電気特性を(実施
の形態1)と同様な方法で評価した。その結果を(表
2)に示した。
ガスの還元雰囲気中で仮焼する。以降の試料作製工程は
上記(実施の形態1)と同様に、粉砕、造粒、成形し空
気中にて2時間本焼成を行い、得られた焼結体に電極を
形成した。尚、仮焼後に添加混合する半導体化元素は
(表2)に示した様に(実施の形態1)と同様とした。
次に、このように作製した試料の各種電気特性を(実施
の形態1)と同様な方法で評価した。その結果を(表
2)に示した。
【0018】(表2)より明らかなように、本発明の範
囲内である試料番号13,14,21および22の正特
性サーミスタは(実施の形態1)のものと比較するとさ
らに低比抵抗で耐電圧の高いものであるが、試料番号1
5〜20および23,24の本発明の範囲外である正特
性サーミスタにはその効果は認められない。
囲内である試料番号13,14,21および22の正特
性サーミスタは(実施の形態1)のものと比較するとさ
らに低比抵抗で耐電圧の高いものであるが、試料番号1
5〜20および23,24の本発明の範囲外である正特
性サーミスタにはその効果は認められない。
【0019】なお、(実施の形態1)、(実施の形態
2)においては、主成分を(Ba0.90Ca0.10)TiO
3としたが、これに限らず、チタン酸バリウム又はこの
固溶体であれば同様の効果がある。また5価の半導体化
元素としてNb2O5を用いたが、これ以外にSbや5価
の希土類元素があり、3価の半導体化元素としてはBi
や3価の希土類元素があり、これらは単独で用いても構
わずまた複数種を混合して用いても構わない。
2)においては、主成分を(Ba0.90Ca0.10)TiO
3としたが、これに限らず、チタン酸バリウム又はこの
固溶体であれば同様の効果がある。また5価の半導体化
元素としてNb2O5を用いたが、これ以外にSbや5価
の希土類元素があり、3価の半導体化元素としてはBi
や3価の希土類元素があり、これらは単独で用いても構
わずまた複数種を混合して用いても構わない。
【0020】還元雰囲気焼成も、水素10%のグリーン
ガス中で行うのに限らず、所望の特性が得られるよう
に、還元雰囲気を調整すればよい。
ガス中で行うのに限らず、所望の特性が得られるよう
に、還元雰囲気を調整すればよい。
【0021】また、本発明における半導体化元素量は主
成分1モルに対して0.001〜0.004モル、Si
O2量は0.01〜0.05モル、MnO2量は0.00
01〜0.0015モルの範囲で添加するのが好まし
い。なぜなら、これらの範囲外であると室温での抵抗値
が大きく上昇したり、抵抗温度係数が低くなり、耐電圧
の向上が図られないためである。
成分1モルに対して0.001〜0.004モル、Si
O2量は0.01〜0.05モル、MnO2量は0.00
01〜0.0015モルの範囲で添加するのが好まし
い。なぜなら、これらの範囲外であると室温での抵抗値
が大きく上昇したり、抵抗温度係数が低くなり、耐電圧
の向上が図られないためである。
【0022】以上(実施の形態1)および(実施の形態
2)に示したように、本発明の正特性サーミスタの製造
方法を用いることにより、比抵抗が5Ωcm以下で、耐電
圧が50V/mm以上の従来にない低抵抗で高耐電圧の正
特性サーミスタを得ることができる。
2)に示したように、本発明の正特性サーミスタの製造
方法を用いることにより、比抵抗が5Ωcm以下で、耐電
圧が50V/mm以上の従来にない低抵抗で高耐電圧の正
特性サーミスタを得ることができる。
【0023】
【発明の効果】以上の説明より明らかなように、本発明
はチタン酸バリウム又はその固溶体を生じさせる原料
に、Nb,Sb等の5価の半導体化元素のうち1種類を
添加、混合した原料粉末を仮焼して仮焼粉を得、次にこ
の仮焼粉にY,La,Ce等の3価の半導体化元素のう
ち1種類と、SiおよびMnの各酸化物を添加、混合し
た後成形して成形体を得、次いでこの成形体を本焼成す
ることにより正特性サーミスタを構成するものである。
その結果、従来にない低抵抗で耐電圧の高い正特性サー
ミスタを得ることができ、製品の小型化や高電力回路へ
の応用が期待できるためその工業的価値は大きい。
はチタン酸バリウム又はその固溶体を生じさせる原料
に、Nb,Sb等の5価の半導体化元素のうち1種類を
添加、混合した原料粉末を仮焼して仮焼粉を得、次にこ
の仮焼粉にY,La,Ce等の3価の半導体化元素のう
ち1種類と、SiおよびMnの各酸化物を添加、混合し
た後成形して成形体を得、次いでこの成形体を本焼成す
ることにより正特性サーミスタを構成するものである。
その結果、従来にない低抵抗で耐電圧の高い正特性サー
ミスタを得ることができ、製品の小型化や高電力回路へ
の応用が期待できるためその工業的価値は大きい。
Claims (2)
- 【請求項1】 チタン酸バリウム又はその固溶体を生じ
させる原料に、5価の半導体化元素のうち少なくとも1
種類を添加、混合した原料粉末を空気中で仮焼して仮焼
粉を得、次にこの仮焼粉に3価の半導体化元素のうち少
なくとも1種類と、SiおよびMnの各酸化物を添加、
混合した後成形して成形体を得、次いでこの成形体を本
焼成して焼結体を得、その後この焼結体表面に電極を形
成することを特徴とする正特性サーミスタの製造方法。 - 【請求項2】 チタン酸バリウム又はその固溶体を生じ
させる原料に、5価の半導体化元素のうち少なくとも1
種類を添加、混合した原料粉末を還元雰囲気中で仮焼し
て仮焼粉を得、次にこの仮焼粉に3価の半導体化元素の
うち少なくとも1種類と、SiおよびMnの各酸化物を
添加、混合した後成形して成形体を得、次いでこの成形
体を本焼成して焼結体を得、その後この焼結体表面に電
極を形成することを特徴とする正特性サーミスタの製造
方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8226325A JPH1070008A (ja) | 1996-08-28 | 1996-08-28 | 正特性サーミスタの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8226325A JPH1070008A (ja) | 1996-08-28 | 1996-08-28 | 正特性サーミスタの製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1070008A true JPH1070008A (ja) | 1998-03-10 |
Family
ID=16843421
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8226325A Pending JPH1070008A (ja) | 1996-08-28 | 1996-08-28 | 正特性サーミスタの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1070008A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6663794B2 (en) | 2000-08-10 | 2003-12-16 | Nippon Soken, Inc. | Reducing-atmosphere-resistant thermistor element, production method thereof and temperature sensor |
-
1996
- 1996-08-28 JP JP8226325A patent/JPH1070008A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6663794B2 (en) | 2000-08-10 | 2003-12-16 | Nippon Soken, Inc. | Reducing-atmosphere-resistant thermistor element, production method thereof and temperature sensor |
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