JP2990627B2 - バリスタの製造方法 - Google Patents

バリスタの製造方法

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JP2990627B2 JP3315382A JP31538291A JP2990627B2 JP 2990627 B2 JP2990627 B2 JP 2990627B2 JP 3315382 A JP3315382 A JP 3315382A JP 31538291 A JP31538291 A JP 31538291A JP 2990627 B2 JP2990627 B2 JP 2990627B2
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康信 米田
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えばノイズ吸収素子
として採用されるSrTiO3 系バリスタの製造方法に
関し、特に寿命特性,及びサージ耐量を向上できるとと
もに、製造工程を短縮して生産性を向上できるようにし
た製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】電圧非直線性特性を利用してノイズを吸
収するようにしたSrTiO3 系バリスタは、主成分と
してSrTiO3 及びSrを一部Ca,Baと置換して
なるペロブスカイト系多結晶焼結体を電子価制御や還元
焼成により半導体化し、これにNa,K,あるいはLi
のような1価金属酸化物又はそれらの化合物を拡散させ
ることによってセラミックの結晶粒界に電気的障壁を形
成し、これにより高い誘電率とバリスタ特性を得てい
る。このようなバリスタを製造する場合、従来、セラミ
ック成形体を空気中で焼成してバインダを燃焼させた
後、昇温保持し、この後冷却し、これを還元性雰囲気中
で再度焼成して焼結体を形成する。この後、焼結体に金
属酸化剤を塗布し、これを熱処理することによってこの
酸化剤を拡散させる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記従来
の製造方法により得られるバリスタでは、電気的特性が
劣化し易く、寿命特性が低いとともに、サージ耐量が小
さいという問題点がある。これは、結晶粒界に拡散した
1価金属酸化物や化合物はイオン化傾向が高いことから
安定性に劣り、しかもこれらを拡散させた後も環境の変
化やバイアスによってイオン化し易いことから粒界の電
気的障壁が変化し、その結果電気的特性の劣化につなが
っており、この点での改善が要請されている。また、上
記従来の製造方法では、成形体を空気中で焼成してバイ
ンダを燃焼させる工程と、還元性雰囲気中で再度焼成す
る工程との2工程を必要としていることから、生産性が
低く、コストが上昇するという問題点もある。
【0004】本発明は上記従来の状況に鑑みてなされた
もので、寿命特性,及びサージ耐量を改善できるととも
に、製造工程を短縮して生産性を向上できるバリスタの
製造方法を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決する手段】本件発明者らは、寿命特性やサ
ージ耐量の低下が生じる原因について検討したところ、
セラミック成形体の焼成プロセスに関係していることを
見出した。即ち、上記成形体を空気中で一旦焼成した
後、冷却し、この後還元雰囲気で再度焼成して焼結体を
得るという従来の工程では、粒子が異常成長して粒径に
ばらつきが生じ易く、その結果サージ耐量が低下すると
ともに、上記焼結体の粒界への金属酸化物の拡散がスム
ーズに行われず、かつ酸素の供給が不十分となってい
る。このような問題を解消するためにさらに検討を重ね
たところ、空気中にて昇温焼結する途中で還元性雰囲気
に置換することによって、上述の問題点を改善できるこ
とに想到し、本発明を成したものである。そこで本発明
は、セラミック成形体を加熱焼成して焼結体を形成し、
該焼結体に1価金属酸化物又は化合物を拡散させること
によって電圧非直線性特性を得るようにしたバリスタの
製造方法において、上記成形体を、空気中で1000℃〜14
50℃まで昇温し、この後冷却せずに、還元性雰囲気に置
換して30分以上保持したことを特徴としている。ここ
で、上記30分以上としたのは、この時間より短くすると
還元か十分にできず、サージ耐量の改善効果が得られな
くなるからである。また上記空気中にて昇温する場合、
一旦200〜600℃で30分以上保持するのが望ましい。さら
にまた、本発明の製造方法は、単板状、角板状のバリス
あるいはセラミック層と内部電極を交互に積層して
なる積層型バリスタ等に適用でき、特に限定するもので
はない。
【0006】
【作用】本発明に係るバリスタの製造方法によれば、空
気中で1000℃〜1450℃まで昇温した後、還元性雰囲気に
置換したので、これにより結晶粒子の異常成長を抑制し
て粒径を均一化でき、しかも結晶粒界に適度なポアが発
生することから、金属酸化物の拡散をスムーズに行うこ
とができるとともに、酸素を十分に供給することができ
る。その結果、結晶粒内の抵抗が低下することから、サ
ージ耐量を向上でき、しかも金属酸化物の反応性が高ま
って安定化することから、電気的特性の劣化を回避で
き、寿命特性を向上できる。また、本発明の製造方法で
は、空気中にて昇温焼結する途中で還元性雰囲気に置換
したので、1つの工程で済むことから、従来の2工程必
要であった場合に比べて生産性を向上できるとともに、
コストを低減できる。
【0007】
【実施例】以下、本発明の実施例を図について説明す
る。図1は本発明の一実施例によるバリスタの製造方法
を説明するための図である。本実施例では、本発明の製
造方法によりバリスタを作成し、これの効果を確認する
ために行った試験について説明する。まず、本実施例の
バリスタの製造方法について説明する。SrCO3 ,C
aCO3 ,TiO2 ,及びEr2 3 の各原料粉をそれ
ぞれSr0.9 Ca0.1 Er0.003 TiO3 となるよう配
合し、これに純水を加えてボールミルで混合する。これ
をフィルタで脱水,乾燥させるとともに、メッシュで造
粒した後、1200℃で2時間仮焼成する。
【0008】次に、上記仮焼成体を乾式粉砕した後、こ
の仮焼成粉末にSiO2 を0.5 wt%の割合で添加し、こ
れにポリビニルアルコールをバインダとして5%加え、
さらに純水を加えてボールミルで混合してスラリーを形
成する。次いで、このスラリーをスプレードライヤで乾
燥,造粒し、この造粒粉からプレスにより2ton/cm2
圧力を加えて直径10mmφ, 厚さ1.5mm φのセラミック成
形体を形成する。
【0009】そして、上記成形体を、図1に示す焼成パ
ターンに沿って加熱焼成する。まず、空気中にて200 〜
600 ℃のTa温度まで4℃/minの昇温速度で加熱し、2
時間保持してバインダを燃焼する。続いて、同じく空気
中にて4℃/minの昇温速度で1000〜1450℃のTc温度ま
で加熱し、このTc温度に達した時点で還元性雰囲気に
置換する。この還元性雰囲気中にて1350〜1450℃のTb
温度まで、0 〜100minのtA時間をかけて加熱する。続
いて、上記Tb温度に達した時点で30〜120minのtB時
間保持し、しかる後冷却して焼結体を得る。なお、上記
Tc温度=Tb温度の場合、tA時間はTc温度に達し
てから空気中で保持する時間となる。
【0010】次に、Na2 CO3 ,TiO2 を2:1の
mol 比で混合してなる粉末にワニスを加えてペースト状
の金属酸化剤を形成し、この酸化剤を上記焼結体に1wt
%塗布し、1200℃で3時間熱処理を施す。これにより上
記酸化剤が焼結体の結晶粒界に拡散されて電気的障壁が
形成されることとなる。
【0011】このようにして得られた焼結体の両主面に
直径7mmφのAgペーストを塗布し、これを800 ℃で10
分間焼き付けて電極を形成する。これにより本実施例の
ディスク型バリスタが製造される。
【0012】
【表1】
【0013】
【表2】
【0014】表1及び表2は、上記製造方法により得ら
れたバリスタの効果を確認するために行った試験結果を
示す。この試験は、表1に示すように、Ta温度を500
℃とし、Tc温度,及びTb温度をそれぞれ1000〜1450
℃, 及び1350〜1450℃の範囲で変化させ、さらにtA時
間, 及びtB時間をそれぞれ0〜100 分, 及び30〜120
分の範囲で変化させて本実施例試料No. 1〜No. 9を作
成した。そして、この各試料No. 1〜9の静電容量,t
anδ,バリスタ電圧,非直線係数を測定した。また、
2000A サージ後のバリスタ電圧の変化率を測定した。こ
の2000A サージは8×20μsec の三角電流波を5分間隔
で2回印加し、印加前と印加後の特性を比較した。さら
に、150 ℃の温度でバリスタ電圧の85%の直流電圧を10
0 時間印加し、この負荷前後のバリスタ電圧, 及び静電
容量の変化率を測定した。また、比較するために還元性
雰囲気中での保持時間,つまりTb時間を10,20分とし
た比較試料No. 10,No. 11を作成した。さらに、従
来の製造方法による従来試料Mを作成し、これらについ
ても同様の測定を行った。なお、この従来試料Mは、空
気中にて500 ℃で2時間加熱してバインダを燃焼させ、
さらに1200℃で2時間焼成して冷却し、この後還元性雰
囲気中にて再度1400℃で2時間焼成した。
【0015】表2からも明らかなように、従来試料Mの
場合、2000A サージ後のバリスタ電圧の変化率は−7.6
%と大きく、150 ℃/100時間後のバリスタ電圧, 静電容
量の変化率はそれぞれ−2.3 %, −13.4%と大きく、サ
ージ耐量, 寿命特性とも満足できる値が得られていな
い。一方、比較試料No. 10, No. 11の場合は、還元
性雰囲気での保持時間が短いことから還元が不十分とな
り、バリスタ電圧の変化率が−9.6 %,13.6 %と大きく
なっている。これに対して本実施例試料No. 1〜No. 9
の場合は、いずれも2000A サージ後のバリスタ電圧の変
化率が−2.3 〜+1.0 %と小さく、また150 ℃/100時間
後のバリスタ電圧, 静電容量の変化率はそれぞれ+2.1
〜+0.7 %, −5.6 〜−1.6 %と小さくなっており、こ
のことからも空気中における昇温焼成の途中で還元性雰
囲気に置換することによって、サージ耐量, 寿命特性と
も向上できることがわかる。
【0016】
【発明の効果】以上のように本発明に係るバリスタの製
造方法によれば、セラミック成形体を、空気中で1000℃
〜1450℃まで昇温した後、冷却せずに、還元性雰囲気に
置換して30分以上保持するようにしたので、粒径を均一
化できるとともに、結晶粒界に適度なポアを形成でき、
その結果サージ耐量を向上できるとともに、電気的特性
の劣化を回避して寿命特性を向上できる効果があり、さ
らに1工程で済むことから、生産性を向上できるととも
に、コストを低減できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例によるバリスタの製造方法に
おける焼成パターンを説明するための特性図である。
フロントページの続き (72)発明者 三原 賢二良 京都府長岡京市天神2丁目26番10号 株 式会社村田製作所内 (56)参考文献 特開 平1−289202(JP,A) 特開 平3−138904(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01C 7/02 - 7/22

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セラミック成形体を加熱焼成して焼結体
    を形成し、該焼結体に1価金属酸化物又は化合物を拡散
    させることによって電圧非直線特性を得るようにしたバ
    リスタの製造方法において、上記成形体を、空気中で10
    00℃〜1450℃まで昇温し、この後冷却せずに、還元性雰
    囲気に置換して30分以上保持したことを特徴とするバリ
    スタの製造方法。
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