JP3185301B2 - バリスタの製造方法 - Google Patents

バリスタの製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、セラミック粒界を酸化
させることによって電圧非直線特性を得るようにしたバ
リスタに関し、特に熱処理時に半導体磁器の表面にNa
化合物が付着するのを防止して、寿命特性,サージ耐量
を改善できるようにした製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、SrTiO3 系半導体セラミッ
クを主成分とするバリスタは、サージ吸収素子,ノイズ
吸収素子として電子機器等に広く使用されている。この
バリスタは、主成分としてSrTiO3 及びSrを一部
CaやBaと置換したペロブスカイト系多結晶焼結体を
電子価制御や還元焼成により半導体化し、これにNa酸
化物,又はそれらの化合物を拡散させることによって、
結晶粒界に電気的障壁を形成し、これにより高い誘電率
と電圧非直線特性を得ている。このようなバリスタを製
造する場合、従来、SrTiO3 系半導体セラミックか
らなる成形体を焼成して半導体磁器を形成し、この半導
体磁器にNa酸化物,あるいはその化合物を所定量塗布
し、しかる後、これを熱処理することによって上記酸化
物を結晶粒界に熱拡散させる方法が一般的である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記従来
の製造方法により得られるバリスタでは、電気的特性が
劣化し易く、寿命特性が低いとともに、サージ耐量が小
さいという問題点がある。これは結晶粒界に拡散したN
a酸化物はイオン化傾向が高いことから安定性に劣り、
しかもこれらを拡散させた後も環境の変化やバイアスに
よってイオン化し易いことから粒界の電気的障壁が変化
し、その結果電気的特性の劣化につながっており、この
点での改善が要請されている。
【0004】本発明は、上記従来の状況に鑑みてなされ
たもので、寿命特性,サージ耐量等の電気的特性を改善
できるバリスタの製造方法を提供することを目的として
いる。
【0005】
【課題を解決するための手段】本件発明者らは、半導体
磁器にNa酸化物等を熱拡散させる熱処理工程が電気的
特性を決定づける重要な工程であるという観点から、こ
の熱処理時の過程について検討したところ、熱処理時の
昇温からトップ温度にかけて半導体磁器に塗布したNa
酸化物が飛散し、該酸化物が主たる雰囲気を形成してお
り、その結果粒界への酸化物の拡散が抑制されているこ
と、また上記熱処理工程の冷却時に、Na化合物が半導
体磁器の表面に付着し易く、このためイオン化し易いま
まの状態として残り、その結果電気的特性を低下させて
いることを見出した。このような問題を解消するために
さらに検討したところ、上記冷却時に空気や酸素を積極
的に供給することによって、Na化合物の付着を取り除
くことができるとともに、粒界に拡散した化合物に酸素
を付与することができ、これにより電気的特性の劣化を
回避できることに想到し、発明を成したものである。そ
こで本発明は、半導体磁器にNa酸化物,又はその化合
物を熱処理により拡散させて電圧非直線特性を得るよう
にしたバリスタの製造方法において、上記熱処理時の冷
却過程における900 ℃から700 ℃の間で空気, 又は酸素
を導入したことを特徴としている。ここで、上記空気又
は酸素を導入する時期を900 ℃から700 ℃の間にしたの
は、この範囲以外では付着防止効果が得られないからで
ある。即ち、900 ℃より高すぎると結晶粒界に拡散させ
た酸化物が再度外部に放出されることとなり、その結果
電気的特性が不安定になるからである。また、700 ℃よ
り低すぎるとNa化合物が半導体磁器の表面に付着した
後になってしまい、導入した効果が得られなくなるから
である。
【0006】
【作用】本発明に係るバリスタの製造方法によれば、N
a酸化物等の拡散させる熱処理時の冷却過程における90
0 ℃から700 ℃の間で空気, 又は酸素を導入したので、
半導体磁器に付着するNa化合物を吹き飛ばして取り除
くことができるとともに、結晶粒界に拡散した酸化物に
酸素を供給でき、その結果電気的特性の劣化を回避して
寿命特性,及びサージ耐量を向上できる。
【0007】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。本実施例
では、本発明に係る製造方法によりバリスタを製造し、
これにより得られたバリスタの効果を確認するために行
った試験について説明する。まず、本実施例のSrTi
3 系バリスタを得るための一製造方法を説明する。S
rCO3 ,CaCO3 ,TiO2 ,及びEr2 3 の各
原料粉を、それぞれSr0.9 Ca0.1 Er0.003 TiO
3 となるよう配合し、これに純水を加えてボールミルで
混合する。これをフィルタで脱水,乾燥させるととも
に、メッシュで造粒した後、1200℃で2時間仮焼成す
る。
【0008】次に、上記仮焼成体を乾式粉砕して仮焼粉
末を形成し、該粉末にSiO2 を0.5 wt%の割合で添加
し、これにポリビニルアルコールをバインダとして5%
加えるとともに、さらに純水を加えてボールミルで混合
し、スラリーを形成する。次いで、このスラリーをスプ
レードライヤで乾燥させた後、造粒し、この造粒粉に2
t/cm2の圧力を加えて直径10mmφ, 厚さ1.5mm のディス
ク状の成形体を形成する。
【0009】次に、上記成形体を、空気中で400 ℃から
600 ℃に加熱昇温してバインダを燃焼させ、これに続い
て空気中1200℃で2時間焼成した後還元性雰囲気に置換
して1400℃で2時間焼成して焼結体を形成し、これによ
り半導体磁器を得る。
【0010】また、Na2 CO3 ,TiO2 を2対1の
mol 比で混合してなる酸化物粉末にワニスを加えてペー
ストを形成し、このペーストを上記半導体磁器の表面
に、該磁器に対して1wt%塗布する。
【0011】そして、上記ペーストを塗布した半導体磁
器を、1200℃で3時間熱処理するとともに、この熱処理
の冷却時の900 ℃から700 ℃に降下する間に空気, ある
いは酸素を100 l/ 時間導入する。これにより半導体磁
器に付着するNa化合物を吹き飛ばすとともに、結晶粒
界に拡散した酸化物に酸素を供給することとなる。
【0012】最後に、上記半導体磁器の両主面に直径7
mmφの銀ペーストを塗布した後、800 ℃で10分間焼き付
けて電極を形成する。これにより本実施例のバリスタが
製造される。
【0013】
【表1】
【0014】
【表2】
【0015】
【表3】
【0016】表1ないし表3は、上記実施例方法により
製造されたバリスタの効果を確認するために行った試験
結果を示す。この試験は、上述した熱処理工程の冷却時
において、空気,及び酸素を導入する時期を1100℃から
100 ℃のステップで500 ℃まで変化させて試料を作成
し、この各試料のバリスタ電圧V1mA ,非直線係数α,
静電容量nFを測定するとともに、これらのばらつきを調
べた(表1参照)。このばらつきは3σ/平均×100
(%)で示す。また、2000A サージ後のバリスタ電圧,
非直線係数, 及び静電容量の変化率を測定した(表2参
照)。この2000A サージは8×20μsec の三角電流波を
5分間隔で2回印加し、この印加前と印加後30分後の特
性を比較した。さらに、150 ℃の温度でバリスタ電圧の
85%の直流電圧を100 時間印加し、この負荷前後のバリ
スタ電圧, 非直線係数, 及び静電容量の変化率を測定し
た(表3参照)。また、比較するために、上記冷却時に
空気,酸素を導入しない試料を作成し、この比較試料に
ついても同様の試験を行った。
【0017】表1からも明らかなように、空気等を導入
しない比較試料の場合は、非直線係数, 静電容量ではば
らつきはほとんどないものの、バリスタ電圧では12.3%
と大きくなっている。また、空気, 酸素の導入時期がそ
れぞれ1100℃,1000 ℃と高い場合は、バリスタ電圧が2
3.4〜57.9%, 静電容量が13.5〜32.6%とばらつきが急
激に増えている。一方、導入時期が600 ℃,500℃と低い
場合は、バリスタ電圧が8.8 〜 11.3 %, 静電容量が6.
7 〜8.5 %とばらつきが増える傾向にある。これに対し
て導入時期が900 ℃〜700 ℃の場合は、バリスタ電圧が
8.4 〜11.6%, 静電容量が7.5,〜9.2 %と大幅に低減で
きている。
【0018】また、表2に示すように、2000A サージ後
のバリスタ電圧, 非直線係数, 静電容量の各変化率で
は、空気, 酸素を導入しない比較試料の場合は、それぞ
れ−13.5, −15.6, −12.6%となっており、また空気,
酸素の導入時期が1100℃,1000℃と高い場合は、それぞ
れ−12.8〜−38.4, −13.5〜−63.2, −7.5〜10.5%と
導入時の温度が高いとサージ耐量が大幅に低下してい
る。さらに空気, 酸素の導入時期が6000℃,500℃と低い
場合は、それぞれ−4.5 〜−13.5, −3.4 〜−15.8, −
5.6 〜−8.6 %と低下しており、サージ耐量の改善効果
が得られていない。これに対して導入時期が900 ℃〜70
0 ℃の場合は、バリスタ電圧が−1.7 〜−5.4 %, 非直
線係数が0.2 〜−4.3 %, 静電容量が−3.2 〜−7.9 %
と低くなっており、サージ耐量が向上していることがわ
かる。
【0019】さらに、表3に示すように、150 ℃/100時
間後のバリスタ電圧, 非直線係数,静電容量の各変化率
では、空気, 酸素を導入しない比較試料の場合、それぞ
れ1.5,−15.6, −20.6%となっており、また空気, 酸素
の導入時期が1100℃,1000 ℃と高い場合は、それぞれ1.
7 〜−25.3, −10.6〜−14.8, −4.5 〜−12.7%と寿命
特性が大幅に低下している。さらに空気, 酸素の導入時
期が600 ℃,500℃と低い場合は、それぞれ3.5 〜−10.
3, −5.7 〜−17.2, −7.2 〜15.8%と低下しており、
これも寿命特性の改善効果が得られていない。これに対
して導入時期が900 ℃〜700 ℃の場合は、バリスタ電圧
が2.1 〜−3.4 %, 非直線係数が0.8 〜−5.4 %, 静電
容量が−0.8 〜−3.9 %と低くなっており、寿命特性が
改善されていることがわかる。このように、冷却時の90
0 〜700 ℃の間で空気, 酸素を導入することによって、
電気的特性のばらつきを大幅に低減できるとともに、サ
ージ耐量, 寿命特性を大幅に改善できる。
【0020】
【発明の効果】以上のように本発明に係るバリスタの製
造方法によれば、Na酸化物を拡散させる熱処理時にお
ける冷却過程の900 ℃から700 ℃の間で空気, 又は酸素
を導入するようにしたので、Na化合物の付着を防止し
て電気的特性のばらつきを回避できるとともに、寿命特
性,及びサージ耐量を向上できる効果がある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 服部 康次 京都府長岡京市天神2丁目26番10号 株 式会社村田製作所内 (56)参考文献 特開 昭63−268202(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01C 7/02 - 7/22

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体磁器にNa酸化物,又はその化合
    物を熱処理により拡散させて電圧非直線特性を得るよう
    にしたバリスタの製造方法において、上記熱処理時の冷
    却過程における900 ℃から700 ℃の間で空気, 又は酸素
    を導入したことを特徴とするバリスタの製造方法。
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