JP2725407B2 - 電圧依存性非直線抵抗体素子及びその製造方法 - Google Patents

電圧依存性非直線抵抗体素子及びその製造方法

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JP2725407B2 JP1277428A JP27742889A JP2725407B2 JP 2725407 B2 JP2725407 B2 JP 2725407B2 JP 1277428 A JP1277428 A JP 1277428A JP 27742889 A JP27742889 A JP 27742889A JP 2725407 B2 JP2725407 B2 JP 2725407B2
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、電子機器,電気機器で発生する異常電圧,
ノイズ,パルス,静電気から半導体及び回路を保護する
ところのSrTiO3を主成分とする電圧依存性非直線抵抗体
素子及びその製造方法に関するものである。
従来の技術 従来、各種電子機器,電気機器で発生する異常電圧,
ノイズ,パルス,静電気除去のためにバリスタ特性を有
するSiCバリスタやZnO系バリスタが使用されてきた。こ
のようなバリスタの電圧−電流特性は近似的に次式のよ
うに表すことができる。
I=(V/C)α ここで、Iは電流、Vは電圧、Cはバリスタ固有の定
数であり、αは電圧非直線指数である。SiCバリスタの
電圧非直線指数αは2〜7程度、ZnO系バリスタではα
が50にも及ぶものがある。このようなバリスタは、比較
的高い電圧の吸収にはすぐれた性能を有しているが、誘
電率が低く、固有の静電容量が小さく応答性が遅いた
め、バリスタ電圧以下の低い電圧や周波数の高いものの
吸収に対してはほとんど効果を示さない。また、誘電損
失tanδが5〜10%と大きい。
一方、低電圧のノイズなどの除去には、見掛け誘電率
εが5×104程度で、誘電損失tanδが1%前後の半導体
コンデンサが利用されている。しかし、このような半導
体コンデンサは、サージなどによりある程度以上の電
圧,電流が印加されると破壊したり、コンデンサとして
の機能を果たさなくなる。そこで近年、SrTiO3を主成分
とし、バリスタ特性と、コンデンサ特性の両方の機能を
有するものが開発されてきている。
発明が解決しようとする課題 SrTiO3を主成分とする容量性バリスタは、バリスタ電
圧の温度係数が負の値を示し、このような容量性バリス
タを高温中で使用したり、長時間使用すると素子が発熱
しバリスタ電圧が低下することにより、ひどい場合には
ショートの原因となりうる。さらに、高温中や長時間使
用する場合、バリスタ電圧が低下するのを見込んで使用
するため、実効的な制限電圧が増加し、各種電子機器や
電気機器に大きな負荷がかかると言う問題点も同時に有
している。従って、SrTiO3を主成分とする容量性バリス
タにおいて、高温中や長時間使用中でのバリスタ電圧の
低下を抑えるために、バリスタ電圧の温度係数が正また
は0の値を示す必要がある。
本発明は、このような点に鑑みてなされたもので、Sr
TiO3を主成分とする電圧依存性非直線抵抗体素子及びそ
の製造方法を提供することを目的とするものである。
課題を解決するための手段 上記のような問題点を解決するために本発明は、原子
価制御により半導体化したSr,Ti原子を主成分とするペ
ロブスカイト型構造を有する酸化物に、NaAlO2を0.2〜
5.0mol%含ませてなる電圧依存性非直線抵抗体素子を提
供するものである。さらに、SrTiO3の粉末を原料としN
b,Taなどの原子価制御剤を適量添加し、さらにNaAlO2
0.2〜5.0mol%添加した混合粉末を成形し、還元雰囲気
中や窒素雰囲気中で1200〜1500℃の温度範囲で焼成し、
その後、空気中で900〜1200℃の温度範囲で熱処理を行
った後に各種方法で電極を設けた電圧依存性非直線抵抗
体素子の製造方法を提供するものである。
作用 一般にSrTiO3にNb,Taなどの原子を含む原子価制御剤
を適量添加し、還元雰囲気中や窒素雰囲気中で焼成した
素子を空気中で熱処理を行い、その後、電極を設けて形
成した容量性バリスタでは、再酸化の度合が素子の表面
と内部で異なり不均一となる。その結果、表面では酸素
の濃度が多く内部では少ないといった酸素濃度勾配を持
つ。このような容量性バリスタの電子伝導メカニズムは
酸素濃度勾配が原因である非対称エネルギー障壁による
ものと考えられる。そこで、このような電子伝導メカニ
ズムを持つ容量性バリスタを高温中や長時間使用する
と、電子が熱エネルギーにより励起され、常温中では乗
り越えることが困難であったエネルギー障壁を容易に乗
り越えることが可能となり、結果としてバリスタ電圧が
低下する。さらに、このような非対称エネルギー障壁を
持つ容量性バリスタでは、バリスタ電圧に方向性(分
極)が生じ易くなる。そこで、この非対称エネルギー障
壁をなくす方法、すなわちでき上がった素子の酸素濃度
勾配を抑える方法として、次の二つの方法が考えられ
る。まず、第1の方法として、NaAlO2を添加し、還元雰
囲気中や窒素雰囲気中で焼成すると、Na原子とAl原子が
SrTiO3の結晶中に固溶し、状態的に不安定な格子歪みを
生じる。そして、この様な素子を空気中で熱処理を行う
と、状態的に安定な格子歪みを抑える方向、すなわち酸
化がされ易くなる方向に進み、結果として素子の内部に
おいても均一に再酸化が起こり酸素濃度勾配が抑えられ
ると考えられる。第2の方法として空気中での熱処理温
度を900℃以上で行なうと、第1の方法と同様に素子の
内部においても均一に再酸化が起こり酸素濃度勾配が抑
えられると考えられる。従って、この様な組成や製造方
法で得られた容量性バリスタでは酸素濃度勾配がほとん
どなく高温中や、長時間使用してもバリスタ電圧の低下
が抑えられることとなる。また、この時、本発明のよう
にNaAlO2の添加量を0.2〜5.0mol%の範囲に規定したの
は、0.2mol%未満では添加効果が得られず、5.0mol%を
超えると焼結性や信頼性が低下するため容量性バリスタ
としての機能を果たさなくなるためである。なお、好ま
しい範囲は、焼結性,信頼性を考えて、0.5〜2.0mol%
の範囲である。
従って、原子価制御により半導体化したSr,Ti原子を
主成分とするペロブスカイト型構造を有する容量性バリ
スタと、原子価制御により半導体化したSr,Ti原子を主
成分とするペロブスカイト型構造を有する酸化物に、Na
AlO2を含ませてなる容量性バリスタでは、その微細構
造,電気特性が著しく異なり、互いにして全く別の組成
物と考えられる。
実施例 以下に本発明について、実施例を挙げて具体的に説明
する。まず、原料のSrTiO3、原子価制御剤のNb2O5、バ
リスタ電圧の温度係数を改善するNaAlO2を下記表に示す
組成比になるように秤量,混合した。これを乾燥後、自
動乳鉢で粉砕した。その後、0.5wt%ポリビニールアル
コール溶液を添加し、1時間混合し造粒した。造粒後、
1ton/cm2の圧力で12φ×1.0(mm)の円板状に成形し、
次に空気中で400℃,2時間の条件で脱バインダーを行っ
た。その後、N2:H2=10:1の還元雰囲気中で1200〜1500
℃,2時間の条件で焼成した。このようにして得られた第
1,第2図に示す焼結体1を空気中で900〜1200℃,2時間
の条件で熱処理を行い、その後、外周を残すようにし電
極2,3を形成した。
このようにして得られた、N2:H2=10:1の還元雰囲気
中時で1400℃,2時間の条件で焼成した焼結体を、空気中
900〜1200℃,2時間の条件で熱処理を行ない、In−Ga電
極を塗布して形成した容量性バリスタの熱処理温度を90
0,1000,1100,1200℃と変えた場合のバリスタ電圧の温度
係数の値を下記表に併せて示す。ここで、バリスタ電圧
の温度係数の値は測定温度20,80℃でのバリスタ電圧V
0.1mA値の変化率から以下の式より計算した。
まず、上記表について解説すると、試料番号1〜3は
比較例である。これらの試料ではバリスタ電圧の温度係
数が負の値となり、測定温度の上昇と共にバリスタ電圧
の値が低下し、添加剤の効果が得られないものである。
これに対し、その他の本発明の実施例にかかる試料番号
4〜14ではバリスタ電圧の温度係数が正または0の値と
なり、測定温度が上昇してもバリスタ電圧の値が低下せ
ず、添加剤の効果が得られるものである。
ここで、本実施例のようにNaAlO2の添加量を0.2〜5.0
mol%の範囲に規定したのは、0.2mol%未満では添加効
果が得られず、5.0mol%を越えると焼結性や信頼性が低
下するため容量性バリスタとしての機能を果たさなくな
るためである。また、熱処理温度を900〜1200℃の範囲
に規定したのは900℃未満では素子の内部まで均一に酸
化されず酸素濃度勾配を持ちバリスタ電圧の温度係数が
負の値を示すことやバリスタ電圧に方向性が生じるため
で、1200℃を超えるとバリスタ電圧が上昇し、バリスタ
特性が優先しコンデンサ特性が低下し両特性のバランス
が崩れるために容量性バリスタとしての機能を果たさな
くなるためである。なお、本発明の実施例では、一部の
組み合わせについて示したが、他の組み合わせについて
も同様の効果があることを確認した。さらに、本発明の
実施例では、焼成を還元雰囲気中で行う場合について説
明したが、これは窒素雰囲気中で焼成を行うようにして
も良いものである。しかし、窒素雰囲気中で焼成を行っ
た場合は、半導体化が若干しにくい面があるため、還元
雰囲気中で焼成を行うよりも若干高温度(1400〜1500
℃)側で焼成する方が特性上は好ましいものである。
さらに、上記の実施例では、熱処理後の素子の両面に
In−Gaを塗布し、電極を形成し電気特性を測定したが、
Agペーストなどの導電性ペーストを印刷し、500〜900℃
の温度範囲で焼付けて、電極を形成したり、蒸着,スパ
ッタリング,メッキなどの方法を用いて電極を形成して
も良いものである。
このようにして得られた本実施例の素子は、バリスタ
電圧の温度係数が正または0の値を示し、高温中や長時
間使用してもバリスタ電圧の低下を抑えられショートや
実効的制限電圧の増加が抑えられ、さらに、バリスタ電
圧の方向性が抑えられるため温度特性,信頼性,寿命特
性が向上する。
発明の効果 以上に示したように本発明によれば、SrTiO3を主成分
とする容量性バリスタにおいて、バリスタ電圧の温度係
数が正または0の値を示し、また、バリスタ電圧の方向
性が抑えられるため温度特性,信頼性,寿命特性が向上
すると言う効果が得られる。
従来の容量性バリスタに比べれば、バリスタ電圧の温
度係数が正または0の値を示し、高温中や長時間使用し
てもバリスタ電圧の低下を抑えられショートや実効的制
限電圧の増加が抑えられ、さらに、バリスタ電圧の方向
性が抑えられるため温度特性,信頼性,寿命特性が向上
することができる。
従って、本発明によれば温度特性,信頼性,寿命特性
にすぐれたノイズ,静電気から半導体及び回路を保護す
ることができる素子を得ることができ、その実用的効果
は極めて大きいものである。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例における電圧依存性非直線抵
抗体素子を示す上面図、第2図は同素子の断面図であ
る。 1……焼結体、2,3……電極。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】原子価制御により半導体化したSr,Ti原子
    を主成分とするペロブスカイト型構造を有する酸化物
    に、NaAlO2を0.2〜5.0mol%含ませてなる電圧依存性非
    直線抵抗体素子。
  2. 【請求項2】SrTiO3の粉末を原料としNb,Taなどの原子
    価制御剤を適量添加し、さらにNaAlO2を0.2〜5.0mol%
    添加した混合粉末を成形し、還元雰囲気中や窒素雰囲気
    中で1200〜1500℃の温度範囲で焼成し、その後、空気中
    で900〜1200℃の温度範囲で熱処理を行った後に、各種
    方法で電極を設けた電圧依存性非直線抵抗体素子の製造
    方法。
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