JP2548279B2 - 電圧依存性非直線抵抗体磁器組成物 - Google Patents

電圧依存性非直線抵抗体磁器組成物

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JP2548279B2 JP63052876A JP5287688A JP2548279B2 JP 2548279 B2 JP2548279 B2 JP 2548279B2 JP 63052876 A JP63052876 A JP 63052876A JP 5287688 A JP5287688 A JP 5287688A JP 2548279 B2 JP2548279 B2 JP 2548279B2
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は電気機器,電子機器で発生する異常高電圧,
ノイズ,静電気から半導体及び回路を保護するためのコ
ンデンサ特性とバリスタ特性を有する電圧依存性非直線
抵抗体磁器組成物に関するものである。
従来の技術 従来、各種電気機器,電子機器における異常高電圧の
吸収、ノイズの除去、花火消去、静電気対策のために電
圧依存性非直線抵抗特性を有するSiCバリスタや、ZnO系
バリスタなどが使用されていた。このようなバリスタの
電圧−電流特性は近似的に次式のように表すことができ
る。
I=(V/C)α ここで、Iは電流、Vは電圧、Cはバリスタ固有の定
数、αは電圧非直線指数である。
SiCバリスタのαは2〜7程度、ZnO系バリスタではα
が50にもおよぶものがある。このようなバリスタは比較
的高い電圧の吸収には優れた性能を有しているが、誘電
率が低く、固有の静電容量が小さいため、バリスタ電圧
以下の比較的低い電圧の吸収に対してはほとんど効果を
示さず、また誘電損失tanδが5〜10%と大きい。
一方、これらの低電圧のノイズなどの除去には見かけ
の誘電率が5×104程度で、tanδが1%前後の半導体コ
ンデンサが利用されている。しかし、このような半導体
コンデンサはサージなどによりある限度以上の電圧また
は電流が印加されると、破壊したりしてコンデンサとし
ての機能を果たさなくなったりする。
そこで、最近になってSrTiO3を主成分とし、バリスタ
特性とコンデンサ特性の両方の機能を有するものが開発
され、マイクロコンピュータなどの電子機器におけるI
C,LSIなどの半導体素子の保護に使用されている。
発明が解決しようとする課題 上記のSrTiO3を主成分とするバリスタはZnO系バリス
タに比べ誘電率が約10倍と大きいが、電圧非直線指数
(α)やサージ耐量が小さく、粒内抵抗が高いため、高
周波のノイズなどを十分に吸収できないといった欠点を
有していた。
そこで本発明では、誘電率が大きく、αが大きいと共
に、サージ耐量が大きく、粒内抵抗が低い電圧依存性非
直線抵抗体磁器組成物を提供することを目的とするもの
である。
課題を解決するための手段 上記の問題点を解決するために本発明では、 Sra TiO3,(Cax Sr1-xbTiO3(0.001≦x≦0.5),(B
ay Sr1-ycTiO3(0.001≦y≦0.5),(Mgz Sr1-zdT
iO3(0.001≦z≦0.5)〔0.950≦a,b,c,d<1.000〕(以
下第一成分と呼ぶ)のうち少なくとも1種類以上を90.0
00〜99.998mol%、Nb2O5,Ta2O5,WO3,Dy2O3,Y2O3,La2O3,
CeO2,Sm2O3,Pr6O11,Nd2O3(以下第二成分と呼ぶ)のう
ち少なくとも1種類以上を0.001〜5.000mol%、Mn3N
2(以下第三成分と呼ぶ)を0.001〜5.000mol%含有して
なるか、または上記第1成分を80.000〜99.997mol%、
第二成分及び第三成分をそれぞれ0.001〜5000mol%、さ
らにAl2O3,Sb2O3,BaO,BeO,PbO,B2O3,CeO2,Cr2O3,Fe2O3,
CdO,K2O,CaO,Co2O3,CuO,Cu2O,Li2O,MgO,MnO2,MoO3,Na
2O,NiO,Rh2O3,SeO2,Ag2O,SiO2,SiC,SrO,Tl2O,ThO2,Ti
O2,V2O5,Bi2O3,WO3,ZnO,ZrO2,SnO2(以下第四成分と呼
ぶ)のうち少なくとも1種類以上を0.001〜10.000mol%
含有してなる電圧依存性非直線抵抗体磁器性組成物を得
ることにより問題を解決しようとするものである。
作用 上記発明において、第一成分は主成分であり、第二成
分は主に半導体化を促進する金属酸化物である。また、
第三成分は誘電率及び粒内抵抗の改善に寄与するもので
あり、第四成分は誘電率,α,サージ耐量の改善に寄与
するものである。特に、第三成分は素子全体に均一に分
散し、添加時点では窒化物であるが、還元焼成後に空気
中で熱処理することにより酸化物に変わり電子を放出す
る。すなわち、粒界部分では拡散してきた多量の酸素に
より酸化物が形成され、放出された電子は酸素イオンに
捕獲され粒界は絶縁化される。一方、粒子内部は酸素の
拡散が起こりにくいため大部分のMn3N2が窒化物のまま
で存在し、仮に粒子内部まで酸素が拡散してきても窒化
物の原子価が変わることによって電子を放出するため、
酸化による高抵抗化を抑制する作用をする。このため粒
子内部を低抵抗にすることができる。
実施例 以下に本発明の実施例を挙げて具体的に説明する。
まず、SrCO3,CaCO3,BaCO3,MgCO3,TiO2を下記の第1表
に示す組成比になるように秤量し、ボールミルなどで40
時間混合し、乾燥した後、1000℃で15時間仮焼する。こ
うして得られた仮焼物にMn3N2と添加物を下記の第1表
に示す組成比になるように秤量し、ボールミルなどで20
時間混合し、乾燥した後、ポリビニルアルコールなどの
有機バインダーを10wt%添加して造粒した後、1(t/cm
2)のプレス圧力で10φ×1t(mm)の円板状に成形す
る。次いで、空気中で1050℃、15時間仮焼脱バインダー
を行った後、N2:H2=9:1の混合ガス中で1450℃、3時間
焼成する。さらに、空気中で1200℃、4時間焼成し、こ
のようにして得られた第1図,第2図に示す焼結体1の
両平面に外周を残すようにしてAgなどの導電性ペースト
をスクリーン印刷などにより塗布し、600℃、5分間焼
成し、電極2,3を形成する。次に、図示していないが半
田などによりリード線を取付け、エポキシなどの樹脂を
塗装する。このようにして得られた素子の特性を下記の
第2表に示す。なお、第2表において誘電率εは1KHzで
の静電容量から計算したものであり、粒内抵抗ESRは共
振周波数でのインピーダンスにより評価し、αは α=1/Log(V10mA/V1mA) (ただし、V1mA,V10mAは1mA,10mAの電流を流した時に素
子の両端にかかる電圧である)で評価した。また、サー
ジ耐量はパルス性の電流を印加した後のV1mAの変化が±
10%以内である時の最大のパルス性電流値により評価し
ている。
また、第一成分のSra TiO3,(Cax Sr1-xbTiO3(0.0
01≦x≦0.5),(Bay Sr1-ycTiO3(0.001≦y≦0.
5),(Mgz Sr1-zdTiO3(0.001≦z≦0.5)〔0.950≦
a,b,c,d<1.000〕のx,y,zの範囲を規定したのは、0.001
未満では効果を示さず、0.5を越えると粒成長及び半導
体化が抑制され特性が劣化するためである。また、a,b,
c,dの範囲を規定したのは、1.0では格子欠陥が発生しに
くいため半導体化が促進されず、0.95より小さくなると
Tiが過剰となりすぎてTiO2の結晶が生成し、組織が不均
一になり、特性が劣化するためである。さらに、第二成
分は0.001mol%未満では効果を示さず、5.000mol%を越
えると粒界に偏析して粒界の高抵抗化を抑制し、粒界に
第二相を形成するため特性が劣化することになる。そし
て、第三成分は0.001mol%未満では効果を示さず、5.00
0mol%を越えると粒界に第二相を形成するため特性が劣
化することになる。また、第四成分は0.001mol%未満で
は効果を示さず、5.000mol%を越えると粒界に第二相を
形成し粒成長が抑制され、粒界の抵抗は高くなるが粒界
の幅が厚くなるため、静電容量が小さくなると共にバリ
スタ電圧が高くなり、サージに対して弱くなることにな
る。
なお、本実施例では一部の添加物の組み合わせについ
てのみ示したが、請求の範囲内であればその他の添加物
の組み合わせについても同様の効果があることを確認し
た。
発明の効果 以上に示したように本発明によれば、誘電率ε、電圧
非直線指数αが大きく、粒内抵抗が小さいため、高周波
のノイズを吸収すると共に、サージ電流が印加された後
の発熱が少ないため、素子の劣化が小さく、サージ耐量
が大きくなるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明による素子を示す平面図、第2図は本発
明による素子を示す断面図である。 1……焼図体、2,3……電極。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】Sra TiO3,(Cax Sr1-xbTiO3(0.001≦x
    ≦0.5),(Bay Sr1-ycTiO3(0.001≦y≦0.5),(M
    gz Sr1-zdTiO3(0.001≦z≦0.5)〔0.950≦a,b,c,d
    <1.000〕のうち少なくとも1種類以上を90.000〜99.99
    8mol%、Nb2O5,Ta2O5,WO3,Dy2O3,Y2O3,La2O3,CeO2,Sm2O
    3,Pr6O11,Nd2O3のうち少なくとも1種類以上を0.001〜
    5.000mol%、Mn3N2を0.001〜5.000mol%含有してなる電
    圧依存性非直線抵抗体磁器組成物。
  2. 【請求項2】Sra TiO3,(Cax Sr1-xbTiO3(0.001≦x
    ≦0.5),(Bay Sr1-ycTiO3(0.001≦y≦0.5),Mgz
    Sr1-zdTiO3(0.001≦z≦0.5)〔0.950≦a,b,cd<1.0
    00〕のうち少なくとも1種類以上を80.000〜99.997mol
    %、Nb2O5,Ta2O5,WO3,Dy2O3,Y2O3,La2O3,CeO2,Sm2O3,Pr
    6O11,Nd2O3のうち少なくとも1種類以上を0.001〜5.000
    mol%、Mn3N2を0.001〜5.000mol%、Al2O3,Sb2O3,BaO,B
    eO,PbO,B2O3,CeO2,Cr2O3,Fe2O3,CdO,K2O,CaO,Co2O3,Cu
    O,Cu2O,Li2O,MgO,MnO2,MoO3,Na2O,NiO,Rh2O3,SeO2,Ag
    2O,SiO2,SiC,SrO,Tl2O,ThO2,TiO2,V2O5,Bi2O3,WO3,ZnO,
    ZrO2,SnO2のうち少なくとも1種類以上を0.001〜10.000
    mol%含有してなる電圧依存性非直線抵抗体磁器組成
    物。
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