JP2949532B2 - チタン酸バリウム系半導体磁器の焼成方法 - Google Patents
チタン酸バリウム系半導体磁器の焼成方法Info
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Description
体磁器の焼成方法にかかり、詳しくは、その焼成条件に
関する。
チタン酸バリウム系半導体磁器においては比抵抗を制御
することによって耐電圧特性(静耐圧特性)や抵抗温度
特性(抵抗値)、突入電流に対する熱破壊特性(F耐圧
特性)などの改善を図ることが行われており、その比抵
抗を制御するためには焼成条件を変更することが一般的
に行われている。すなわち、チタン酸バリウム系半導体
磁器を焼成する際には、図3で示すような昇降温パター
ン、例えば、1300〜1400℃程度を本焼成温度t
1 とする昇降温パターンに従う焼成方法を採用するのが
普通であるから、本焼成温度t1 に至るまでの昇温速
度及び本焼成温度t1 からの降温速度を変える、本焼
成温度t1 そのものを変える、本焼成温度t1 におけ
る保持時間T1の設定を変えるなどの手立てによって焼
成条件を変更することが行われる。
成条件の変更によってチタン酸バリウム系半導体磁器の
比抵抗を制御した場合には、異常粒成長などのようなセ
ラミックにとって好ましくない挙動が現れてしまうこと
がある。そして、このような挙動が現れると、半導体磁
器が悪影響を受けてしまうことになる結果、かえって静
耐圧特性や抵抗値、F耐圧特性が低下するという不都合
が生じることになっていた。
タン酸バリウム系半導体磁器の第2の焼成方法として、
図4で示すような昇降温パターンに従って焼成する方法
が提案されている。すなわち、この焼成方法において
は、まず、チタン酸バリウム系半導体磁器を所定の昇温
速度v1に従って本焼成温度t1まで昇温した後、これを
所定の本焼成保持時間T1だけ保持することによって焼
成する。つぎに、この半導体磁器を800℃以上として
設定された所定温度t3まで所定の降温速度v2に従って
降温させた後、この所定温度t3下で所定時間T3だけ保
持し、さらに、所定の降温速度v4に従って室温まで降
温させるものである。しかしながら、この焼成方法を採
用して得られたチタン酸バリウム系半導体磁器に対する
判断では、その静耐圧特性や抵抗値の向上は見られるも
のの、F耐圧特性の向上がさほど見られないとの評価を
下さざるを得ない実情となっていた。
されたものであって、静耐圧特性や抵抗値のみならず、
F耐圧特性の向上をも確実に図ることができるチタン酸
バリウム系半導体磁器の焼成方法を提供することを目的
としている。
バリウム系半導体磁器の焼成方法は、チタン酸バリウム
系半導体磁器原料を仮焼成して成形された成形体を本焼
成温度で焼成してチタン酸バリウム系半導体磁器とし、
本焼成温度で焼成されたチタン酸バリウム系半導体磁器
を仮焼成温度よりも低い所定温度まで降温させた後、仮
焼成温度よりも高くて本焼成温度よりも低い所定温度ま
で昇温させることを特徴としている。
導体磁器の焼成方法を図面に基づいて説明する。
ウム系半導体磁器の昇降温パターンを示す説明図であ
り、所要の組成比で配合された種々の原料からなる半導
体磁器の焼成条件を示している。すなわち、本実施例方
法によってチタン酸バリウム系半導体磁器の焼成を行う
際には、まず、この半導体磁器を予め設定された所定の
昇温速度v1に従って所要の本焼成温度t1 まで昇温さ
せたうえ、所定の本焼成保持時間T1 だけ保持すること
によって焼成する。つぎに、この焼成が終了した半導体
磁器の降温過程において、まず、チタン酸バリウム系半
導体磁器をその仮焼成温度(1130〜1150℃程
度)よりも低い所定温度t2まで所定の降温速度v2に従
って降温させた後、再び仮焼成温度よりも高い所定温度
t3まで所定の昇温速度v3に従って昇温させる。そし
て、この所定温度t3下で所定時間T3だけ保持した後、
所定の降温速度v4に従って室温まで降温させる。
度t1まで昇温して保持された後のチタン酸バリウム系
半導体磁器を仮焼成温度よりも低い所定温度t2まで降
温させた後、仮焼成温度よりも高くて本焼成温度よりも
低い所定温度t3まで昇温させることによって比抵抗の
制御が行われる。
に基づいて行った実験及び実験結果について説明する。
発原料であるBaCO3 ,TiO2,SrCO3 と、半
導体化剤であるY2 O3 と、添加物であるMnCO3 ,
SiO2 とを用意した後、これらを(Ba0.72Sr0.23
Y0.05)Ti3の配合添加量比となるように配合する。
なお、このとき、MnCO3 はMn換算で0.1mol
%,SiO2 は1.0mo1%となるようにしている。
そして、この配合材料を混合・粉砕して仮焼成し、バイ
ンダとしてのPVAを加えた後、さらに、混合・粉砕し
て造粒したうえで成形することにより、直径が21mm
で厚みが6mmの円板状となった成形体である多数個の
試料1〜20を得た。
20のそれぞれを表1で示すような種々の異なる焼成条
件に従って焼成した後、焼成された試料1〜20それぞ
れの主表面にIn−Ga合金からなる電極を形成したう
えで諸特性を測定したところ、表2で示すような実験結
果が得られた。なお、これらの表における試料1〜10
は第2の従来例方法によって焼成されたものを、また、
試料11〜20は本実施例方法によって焼成されたもの
を示している。ところで、試料1〜20それぞれにおけ
る焼成条件のうち、昇温速度v1は5℃/min、本焼
成保持時間T1は1.5hr、所定時間T3は1hrとし
て共通に設定されている。
ては、第2の従来例方法によって焼成された試料1〜1
0の有するF耐圧特性が280〜355Vであるのに比
べ、本実施例方法によって焼成された試料11〜20の
有するF耐圧特性が450〜500Vとなっているので
あるから、試料11〜20の有するF耐圧特性が大きく
向上していることは明らかである。なお、この表2にお
いては、試料1〜10及び試料11〜20それぞれの有
する抵抗値がほぼ一致することから、第2の従来例方法
によって焼成された試料1〜10と同様、本実施例方法
による試料11〜20の有する抵抗値が第1の従来例方
法による場合よりも向上していることが分かる。そし
て、本実施例方法によって焼成されたチタン酸バリウム
系半導体磁器におけるF耐圧特性が向上するのは、焼成
体に対するX線回折の結果から、本実施例方法による試
料におけるBa2TiSi2O8 / BaTiO3 比の方
が従来例方法による試料よりも低下していることに起因
するものと考えられる。
示したように、本焼成温度t1まで昇温して保持された
後のチタン酸バリウム系半導体磁器を仮焼成温度(11
30〜1150℃程度)よりも低い所定温度t2まで降
温させた後、すぐさま仮焼成温度よりも高い所定温度t
3まで昇温して保持するとしているが、これに限定され
るものではない。すなわち、図2で示すように、仮焼成
温度よりも低い所定温度t2まで降温させられた半導体
磁器を、この所定温度t2下でそのまま所定時間T2だけ
保持するようにしても同様の結果が得られる。
タン酸バリウム系半導体磁器の焼成方法によれば、本焼
成温度で焼成された後の半導体磁器を仮焼成温度よりも
低い所定温度まで降温させたうえ、仮焼成温度よりも高
くて本焼成温度よりも低い所定温度まで昇温させること
によって半導体磁器の比抵抗を制御しているので、この
チタン酸バリウム系半導体磁器の有する静耐圧特性や抵
抗値とともに、F耐圧特性の大幅な向上を確実に図るこ
とができるという効果が得られる。
体磁器の昇降温パターンを示す説明図である。
半導体磁器の昇降温パターンを示す説明図である。
す説明図である。
Claims (1)
- 【請求項1】 チタン酸バリウム系半導体磁器原料を仮
焼成して成形された成形体を焼成する方法であって、 前記成形体を 本焼成温度(t1)で焼成してチタン酸バ
リウム系半導体磁器とし、本焼成温度(t 1 )で焼成さ
れたチタン酸バリウム系半導体磁器を仮焼成温度よりも
低い所定温度(t2)まで降温させた後、仮焼成温度よ
りも高くて本焼成温度(t 1 )よりも低い所定温度
(t3)まで昇温させることを特徴とするチタン酸バリ
ウム系半導体磁器の焼成方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3202809A JP2949532B2 (ja) | 1991-08-13 | 1991-08-13 | チタン酸バリウム系半導体磁器の焼成方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3202809A JP2949532B2 (ja) | 1991-08-13 | 1991-08-13 | チタン酸バリウム系半導体磁器の焼成方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0547507A JPH0547507A (ja) | 1993-02-26 |
JP2949532B2 true JP2949532B2 (ja) | 1999-09-13 |
Family
ID=16463564
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3202809A Expired - Lifetime JP2949532B2 (ja) | 1991-08-13 | 1991-08-13 | チタン酸バリウム系半導体磁器の焼成方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2949532B2 (ja) |
-
1991
- 1991-08-13 JP JP3202809A patent/JP2949532B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0547507A (ja) | 1993-02-26 |
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