JPH0632647A - 誘電体磁器組成物の製造方法 - Google Patents
誘電体磁器組成物の製造方法Info
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- JPH0632647A JPH0632647A JP4209623A JP20962392A JPH0632647A JP H0632647 A JPH0632647 A JP H0632647A JP 4209623 A JP4209623 A JP 4209623A JP 20962392 A JP20962392 A JP 20962392A JP H0632647 A JPH0632647 A JP H0632647A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 積層セラミックコンデンサ用の誘電体磁器組
成物の製造方法において鉄ニオブ酸鉛を含む磁器組成物
を安定に製造する。 【構成】 鉄ニオブ酸鉛を含む複合ペロブスカイト固溶
体からなる誘電体磁器組成物の合成は各酸化物原料を混
合,仮焼,再粉砕を行うが、原材料に用いる酸化鉄,酸
化ニオブの代りにニオブ酸鉄を用いることで、高性能
化,製品加工時の安定化が可能になる。
成物の製造方法において鉄ニオブ酸鉛を含む磁器組成物
を安定に製造する。 【構成】 鉄ニオブ酸鉛を含む複合ペロブスカイト固溶
体からなる誘電体磁器組成物の合成は各酸化物原料を混
合,仮焼,再粉砕を行うが、原材料に用いる酸化鉄,酸
化ニオブの代りにニオブ酸鉄を用いることで、高性能
化,製品加工時の安定化が可能になる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は積層セラミックコンデン
サ用磁器組成物の製造方法に関し、特に常温での誘電率
が高く、破壊電圧の高いコンデンサ材料の製造方法に関
する。
サ用磁器組成物の製造方法に関し、特に常温での誘電率
が高く、破壊電圧の高いコンデンサ材料の製造方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来、積層セラミックコンデンサ用磁器
組成物は、原材料となる金属酸化物等と純水をボールミ
ルに入れ、原材料の粉砕と混合を同時に行った後に回収
し、乾燥させて、加熱して反応させる。
組成物は、原材料となる金属酸化物等と純水をボールミ
ルに入れ、原材料の粉砕と混合を同時に行った後に回収
し、乾燥させて、加熱して反応させる。
【0003】反応によって粒子が大きくなったセラミッ
ク粉末は、純水とともに再度ボールミルに入れ、加工し
やすい粒径まで粉砕した後に回収していた。
ク粉末は、純水とともに再度ボールミルに入れ、加工し
やすい粒径まで粉砕した後に回収していた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】鉄ニオブ酸鉛[Pb
(Fe1/2Nb1/2)O3]を、酸化鉛[PbO],酸化
第二鉄[Fe2O3],酸化ニオブ(Nb2O5)のそれぞ
れの粉末を原料として混合,仮焼,粉砕を行う通常の方
法で合成しようとすると、以下のような問題点が発生す
る。
(Fe1/2Nb1/2)O3]を、酸化鉛[PbO],酸化
第二鉄[Fe2O3],酸化ニオブ(Nb2O5)のそれぞ
れの粉末を原料として混合,仮焼,粉砕を行う通常の方
法で合成しようとすると、以下のような問題点が発生す
る。
【0005】すなわち、この系においては、酸化鉛と酸
化ニオブとの反応が比較的低い温度で優先的に起こり、
Pb3Nb2O8,Pb5Nb4O15,Pb2Nb2O7,Pb
3Nb4O13,PbNb2O6等の化合物が生成する(Ph
ase Diagramsfor Ceramists
Second Edition 1969)。これら
多種の化合物が生成した場合、各々とPbO,Fe2O3
との反応温度が異なることが原因となり、PbOとPb
3Nb2O8との反応による液相生成、あるいはPb2Nb
2O7,PbNb2O6の未反応残留及びFe2O3の残留等
が起こる。
化ニオブとの反応が比較的低い温度で優先的に起こり、
Pb3Nb2O8,Pb5Nb4O15,Pb2Nb2O7,Pb
3Nb4O13,PbNb2O6等の化合物が生成する(Ph
ase Diagramsfor Ceramists
Second Edition 1969)。これら
多種の化合物が生成した場合、各々とPbO,Fe2O3
との反応温度が異なることが原因となり、PbOとPb
3Nb2O8との反応による液相生成、あるいはPb2Nb
2O7,PbNb2O6の未反応残留及びFe2O3の残留等
が起こる。
【0006】鉄ニオブ酸鉛[Pb(Fe1/2Nb1/2)O
3]を成分の一つとする複合ペロブスカイト固溶体の場
合にも同様の問題が起こる。すなわち、これを組成とし
て積層セラミックコンデンサを作製すると、焼結後、焼
結体中に酸化第二鉄が反応しきれずに一部残留し、同時
に余剰の酸化鉛が液化して粒界や三重点に析出する。あ
るいは反応できなかったFe2O3,PbOが他のペロブ
スカイト組成に影響を与えて、組成ズレ等を起こす。
3]を成分の一つとする複合ペロブスカイト固溶体の場
合にも同様の問題が起こる。すなわち、これを組成とし
て積層セラミックコンデンサを作製すると、焼結後、焼
結体中に酸化第二鉄が反応しきれずに一部残留し、同時
に余剰の酸化鉛が液化して粒界や三重点に析出する。あ
るいは反応できなかったFe2O3,PbOが他のペロブ
スカイト組成に影響を与えて、組成ズレ等を起こす。
【0007】このため、焼結体の誘電率が低く、誘電率
の温度特性,抵抗率等の値が不安定になり、破壊電圧も
小さい値となる。
の温度特性,抵抗率等の値が不安定になり、破壊電圧も
小さい値となる。
【0008】本発明の目的は、上述の要請に鑑み、高誘
電率で温度変化が安定で、かつ絶縁抵抗率が高く、破壊
電圧も高い誘電体磁器組成物を安定に製造する方法を提
供することにある。
電率で温度変化が安定で、かつ絶縁抵抗率が高く、破壊
電圧も高い誘電体磁器組成物を安定に製造する方法を提
供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明に係る誘電体磁器組成物の製造方法は、鉄ニ
オブ酸鉛[Pb(Fe1/2Nb1/2)O3]を成分として
有する鉛系複合ペロブスカイト構造組成物の製造方法に
おいて、酸化フェロニオブ[FeNbO4]粉末を原材
料として用いるものである。
め、本発明に係る誘電体磁器組成物の製造方法は、鉄ニ
オブ酸鉛[Pb(Fe1/2Nb1/2)O3]を成分として
有する鉛系複合ペロブスカイト構造組成物の製造方法に
おいて、酸化フェロニオブ[FeNbO4]粉末を原材
料として用いるものである。
【0010】
【作用】原材料に用いる酸化フェロニオブ[FeNbO
4]化合物の粉末は、誘電体磁器組成物の誘電率,絶縁
性特性の改善に寄与し、焼結時の温度に対しても安定で
ある。
4]化合物の粉末は、誘電体磁器組成物の誘電率,絶縁
性特性の改善に寄与し、焼結時の温度に対しても安定で
ある。
【0011】
【実施例】次に本発明の実施例について表1〜表3を参
照して具体的に説明する。
照して具体的に説明する。
【0012】原材料として純度99.9%以上の酸化鉛
(PbO),酸化鉄(Fe2O3),酸化ニオブ(Nb2
O5),三酸化タングステン(WO3),酸化亜鉛(Zn
O)及びニオブ酸鉄(FeNbO4)を表に示した配合
比となるように各々秤量する。
(PbO),酸化鉄(Fe2O3),酸化ニオブ(Nb2
O5),三酸化タングステン(WO3),酸化亜鉛(Zn
O)及びニオブ酸鉄(FeNbO4)を表に示した配合
比となるように各々秤量する。
【0013】秤量された原料をボールミル中で湿式混合
した後、濾過乾燥し、700〜800℃で予焼を行い、
この粉末をボールミルで湿式粉砕し、濾過,乾燥後、ポ
リビニルアルコール5%水溶液をバインダとして混合
し、製粒後、プレスし、直径16mm,厚さ2mmの円
板を各配合比ごと各16枚作成した。
した後、濾過乾燥し、700〜800℃で予焼を行い、
この粉末をボールミルで湿式粉砕し、濾過,乾燥後、ポ
リビニルアルコール5%水溶液をバインダとして混合
し、製粒後、プレスし、直径16mm,厚さ2mmの円
板を各配合比ごと各16枚作成した。
【0014】次に、これらの円板を空気中で850℃〜
925℃の温度で1時間焼結した。焼結した円板試料の
上下に銀電極を600℃で焼き付け、デジタルLCRメ
ーターで周波数1kHz,電圧1Vrmsの下に容量と
誘電損失とを測定した。
925℃の温度で1時間焼結した。焼結した円板試料の
上下に銀電極を600℃で焼き付け、デジタルLCRメ
ーターで周波数1kHz,電圧1Vrmsの下に容量と
誘電損失とを測定した。
【0015】さらに超絶縁計を用いて50Vの電圧を1
分間印加して温度20℃で絶縁抵抗を測定し、比抵抗を
算出した。
分間印加して温度20℃で絶縁抵抗を測定し、比抵抗を
算出した。
【0016】各配合比(組成)に対応する特性値は、試
料4点のそれぞれの特性値の平均値より求めた。このよ
うにして得られた磁器組成物の配合比と、誘電率,誘電
損失及び比抵抗との関係を表1〜表3に示す。
料4点のそれぞれの特性値の平均値より求めた。このよ
うにして得られた磁器組成物の配合比と、誘電率,誘電
損失及び比抵抗との関係を表1〜表3に示す。
【0017】
【表1】
【0018】
【表2】
【0019】
【表3】
【0020】表1〜表3に示した結果から明らかなよう
に、Pb(Fe1/2Nb1/2)O3を成分として有する鉛
系複合ペロブスカイト構造組成物の製造において、ニオ
ブ酸鉄[FeNbO4]粉末を出発原料の一つとして用
いる本発明の方法を用いて得られた磁器組成物の試料
は、従来の方法、すなわち酸化鉄と酸化ニオブを原料と
して他の酸化物原料と混合,予焼,湿式粉砕して合成し
た粉末を用いて作製した試料に較べて誘電率が高く、焼
成温度に対して安定であることを示している。
に、Pb(Fe1/2Nb1/2)O3を成分として有する鉛
系複合ペロブスカイト構造組成物の製造において、ニオ
ブ酸鉄[FeNbO4]粉末を出発原料の一つとして用
いる本発明の方法を用いて得られた磁器組成物の試料
は、従来の方法、すなわち酸化鉄と酸化ニオブを原料と
して他の酸化物原料と混合,予焼,湿式粉砕して合成し
た粉末を用いて作製した試料に較べて誘電率が高く、焼
成温度に対して安定であることを示している。
【0021】なお、本発明の方法は酸化鉛と酸化ニオブ
による液相発生と特性の劣化,不安定化の問題を解決す
るものであるため、Pb(Fe1/2Nb1/2)O3を主成
分として含む鉛系複合ペロブスカイト構造化合物であれ
ば、全て効果がある。
による液相発生と特性の劣化,不安定化の問題を解決す
るものであるため、Pb(Fe1/2Nb1/2)O3を主成
分として含む鉛系複合ペロブスカイト構造化合物であれ
ば、全て効果がある。
【0022】
【発明の効果】以上説明したように本発明の方法によれ
ば、誘電率が高く、安定した容量,絶縁特性を有する積
層セラミックコンデンサの実現に好適な誘電体磁器組成
物を得ることができる。
ば、誘電率が高く、安定した容量,絶縁特性を有する積
層セラミックコンデンサの実現に好適な誘電体磁器組成
物を得ることができる。
Claims (1)
- 【請求項1】 鉄ニオブ酸鉛[Pb(Fe1/2Nb1/2)
O3]を成分として有する鉛系複合ペロブスカイト構造
組成物の製造方法において、 酸化フェロニオブ[FeNbO4]粉末を原材料として
用いることを特徴とする誘電体磁器組成物の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4209623A JP2861659B2 (ja) | 1992-07-14 | 1992-07-14 | 誘電体磁器組成物の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4209623A JP2861659B2 (ja) | 1992-07-14 | 1992-07-14 | 誘電体磁器組成物の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0632647A true JPH0632647A (ja) | 1994-02-08 |
JP2861659B2 JP2861659B2 (ja) | 1999-02-24 |
Family
ID=16575864
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4209623A Expired - Lifetime JP2861659B2 (ja) | 1992-07-14 | 1992-07-14 | 誘電体磁器組成物の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2861659B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100310275B1 (ko) * | 1999-01-15 | 2001-11-09 | 박호군 | 고 유전율, 저 유전 손실의 pfn 유전체 세라믹스의 제조 방법 |
CN115504784A (zh) * | 2022-11-10 | 2022-12-23 | 北京科技大学广州新材料研究院 | 一种无铅弛豫铁电高储能密度陶瓷材料及其制备方法 |
-
1992
- 1992-07-14 JP JP4209623A patent/JP2861659B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100310275B1 (ko) * | 1999-01-15 | 2001-11-09 | 박호군 | 고 유전율, 저 유전 손실의 pfn 유전체 세라믹스의 제조 방법 |
CN115504784A (zh) * | 2022-11-10 | 2022-12-23 | 北京科技大学广州新材料研究院 | 一种无铅弛豫铁电高储能密度陶瓷材料及其制备方法 |
CN115504784B (zh) * | 2022-11-10 | 2023-05-02 | 北京科技大学广州新材料研究院 | 一种无铅弛豫铁电高储能密度陶瓷材料及其制备方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2861659B2 (ja) | 1999-02-24 |
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