JP3313533B2 - 酸化亜鉛系磁器組成物及びその製造方法 - Google Patents

酸化亜鉛系磁器組成物及びその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は酸化亜鉛系磁器組成物及
びその製造方法に関する。さらに詳しくは、電気回路中
のサージ吸収などに用いられる酸化亜鉛バリスタ用の酸
化亜鉛系磁器組成物及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】酸化亜鉛(ZnO)バリスタは、酸化亜
鉛と基本添加物である酸化ビスマス、二酸化マンガン及
び酸化コバルトと、さらに性能向上のために添加される
各種の酸化物とを含む酸化亜鉛原料粉末を焼成すること
によって得られる酸化亜鉛系磁器組成物(焼結体)を用
いて製造される。酸化亜鉛バリスタの立ち上がり電圧
は、電極間に存在する粒界の数にほぼ比例して上昇する
ことが知られている。すなわち、1つの粒界当たり3か
ら4ボルト立ち上がり電圧が上昇する。従って、高電圧
用の酸化亜鉛バリスタを製造するためには、粒径の小さ
いZnO粒子を有する焼結体を製造することが必要であ
る。一方、低電圧用の酸化亜鉛バリスタを製造するため
には、粒径の大きいZnO粒子を有する焼結体を製造す
ることが必要である。
【0003】そこで、従来は、高電圧用の酸化亜鉛バリ
スタを製造するためには酸化アンチモン(Sb23)な
どのZnO粒子の成長抑制材を添加することによって、
ZnO粒子の成長を抑制する方法が用いられてきた。ま
た、逆に低電圧用の酸化亜鉛バリスタを製造するために
は酸化チタン(TiO2 )などの成長促進材を添加する
ことによって、ZnO粒子の成長を促進する方法が用い
られてきた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、高電圧用、低
電圧用いずれの酸化亜鉛バリスタを製造するにも、高性
能の酸化亜鉛バリスタを得るためには、1150〜13
00℃の高い焼結温度を必要とした。高い焼結温度は電
力消費のみならず、基本成分として添加する酸化ビスマ
スの激しい飛散とそれに伴う炉材の消耗をもたらしてい
た。すなわち、従来の酸化ビスマスを含む酸化亜鉛系磁
器組成物等を高い温度で焼成すると、大気中においても
酸化ビスマスの蒸発は活発である。また、酸化ビスマス
は多くの物質と反応しやすく、炉材や容器などのセラミ
ックスなど多くの物質を容易に腐食する。そこで、焼結
温度の低温度化が要望されていた。ところが、従来の酸
化亜鉛バリスタの配合で焼成温度を低くしようとする
と、立ち上がり電圧が急激に高くなり、ZnOの粒径に
バラツキが生じ非直線抵抗特性が低下する。また、電力
負荷、パルス電流負荷などに対しても寿命が短くなっ
た。
【0005】さらに、ZnOの異常粒成長を充分に制御
することが困難であったので、一つの製造ロットから得
られる酸化亜鉛バリスタの間の電気特性及び信頼性のバ
ラツキ(ロット内バラツキ)が大きいという問題があっ
た。
【0006】また、異なる製造ロットから得られる酸化
亜鉛バリスタの間の電気特性及び信頼性のバラツキ(ロ
ット間バラツキ)も大きいという問題があった。上述の
ように、従来の配合の酸化亜鉛系磁器組成物及びその製
造方法では、酸化亜鉛の粒径のバラツキが大きいため、
電気特性及び信頼性に優れた低温焼結可能なZnOバリ
スタを安定して製造することができなかった。
【0007】本発明者は、ZnOバリスタにおいて酸化
ビスマス、酸化チタン、酸化アンチモンなどを添加する
系で酸化チタン添加によるZnOの粒成長促進のメカニ
ズムを鋭意研究した。その結果、この系のZnOバリス
タにおいて、酸化チタンは酸化亜鉛と反応してスピネル
を形成すると、酸化亜鉛の粒成長を促進する効果が失わ
れるが、酸化チタンが酸化ビスマスと反応すると、その
反応生成物が酸化亜鉛の粒成長を促進することを見い出
した。
【0008】また、酸化アンチモンは酸化亜鉛と反応し
てスピネルを形成すると、酸化亜鉛の粒成長を抑制する
効果が減少するが、酸化アンチモンと酸化ビスマスとが
反応すると、その反応生成物が酸化亜鉛の粒成長を抑制
することを見い出した。
【0009】前記酸化チタンの働きは、酸化ビスマスと
酸化チタンと酸化アンチモンとの反応生成物を酸化亜鉛
に添加して焼結体を得、この焼結体の表面に塩酸による
腐食処理を施してSEM(走査顕微鏡)により観察をす
ることにより明らかであった。この観察の結果による
と、ZnO微結晶のc面に平行して細かい欠陥が形成さ
れていた。これらの欠陥が体積拡散を活発化し、酸化亜
鉛の粒成長促進に寄与するものと考えられる。また、こ
の欠陥は、体積拡散を低温においても活発なものとし、
低温焼結を可能にするものであった。
【0010】また、前記酸化アンチモンの働きは、酸化
ビスマスと酸化チタンと酸化アンチモンとの反応生成物
を酸化亜鉛に添加して焼結体を得、この焼結体の表面に
塩酸による腐食処理を施してSEMにより観察をする
と、ZnO微結晶が双晶を形成していることから明らか
であった。これら双晶の形成が酸化亜鉛の粒成長抑制に
寄与すると考えられる。
【0011】従って、従来の酸化亜鉛系磁器組成物及び
その製造方法のように、酸化亜鉛原料粉末に酸化ビスマ
ス、酸化チタンおよび酸化アンチモンを単純に添加する
と、酸化チタンが先に酸化亜鉛と反応する部分、酸化ビ
スマスと酸化チタンが反応する部分、酸化アンチモンと
酸化亜鉛とが反応する部分、酸化ビスマスと酸化アンチ
モンが反応する部分等が存在することになる。このよう
に、焼結体において、粒成長が促進されない部分と促進
される部分が混在する。そのため、従来は、粒径のそろ
った焼結体を製造することが困難であった。
【0012】本発明は、上記問題に鑑みてなされたもの
であり、その目的とするところは、低温焼結で非直線抵
抗特性などの電気特性及び信頼性に優れた酸化亜鉛バリ
スタを高歩留まりで製造することができる酸化亜鉛系磁
器組成物及びその製造方法を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】前記問題を解決するた
め、本発明の酸化亜鉛系磁器組成物は、主成分の酸化亜
鉛100重量部に対して、少なくとも酸化ビスマスと酸
化チタンと酸化アンチモンとの混合粉が450〜850
℃において熱処理されて調製されてなる合成粉末が
0.2〜20重量部添加されている。ここで、合成粉末
とは、少なくとも酸化ビスマスと酸化チタンと酸化アン
チモンとの混合粉が熱処理されて、粉砕されて調され
た粉末を意味する。
【0014】前記酸化亜鉛系磁器組成物においては、前
記混合粉が酸化ビスマスと酸化チタンと酸化アンチモン
とホウ素酸化物とからなことが好ましい。
【0015】また、前記酸化亜鉛系磁器組成物において
は、前記混合粉が酸化ビスマスと酸化チタンと酸化アン
チモンと酸化クロムとからなことが好ましい。
【0016】また、前記酸化亜鉛系磁器組成物において
は、ビスマス成分の添加量が、酸化亜鉛100重量部に
対してBi23換算で0.3〜10.0重量部であるこ
とが好ましい。
【0017】また、前記酸化亜鉛系磁器組成物において
は、チタン成分の添加量が、酸化亜鉛100重量部に対
してTiO2 換算で0.1〜5.0重量部であることが
好ましい。
【0018】また、前記酸化亜鉛系磁器組成物において
は、アンチモン成分の添加量が、酸化亜鉛100重量部
に対してSb23換算で0.02〜2.5重量部である
ことが好ましい。
【0019】また、前記酸化亜鉛系磁器組成物において
は、前記ホウ素酸化物がホウ酸であることが好ましい。
また、前記酸化亜鉛系磁器組成物においては、前記ホウ
素酸化物が酸化ホウ素であることが好ましい。
【0020】また、前記酸化亜鉛系磁器組成物において
は、前記合成粉末を添加した酸化亜鉛を主成分とする
原料粉末に、アルミニウム成分が酸化亜鉛100重量部
に対して、酸化アルミニウム換算で0.00062
0.372重量部含むことが好ましい。
【0021】本発明の酸化亜鉛系磁器組成物の製造方法
は、少なくとも酸化ビスマスと、酸化チタンと、酸化ア
ンチモンとからなる混合粉に450〜850℃において
熱処理を施して合成粉末を調製する工程と、該合成粉末
を酸化亜鉛を主成分とする原料粉末に添加する工程とか
らなる。
【0022】前記構成においては、前記合成粉末を調製
する工程が、酸化ビスマスと酸化チタンと酸化アンチモ
ンとホウ素酸化物とからなる混合粉が熱処理されて調製
されてなることが好ましい。
【0023】前記構成においては、前記合成粉末を調製
する工程が酸化ビスマスとホウ酸の混合粉に熱処理を
施して合成粉末を調製し、ホウ素成分を添加するもので
あることが好ましい。
【0024】前記構成においては、前記合成粉末を調製
する工程が酸化ビスマスと酸化ホウ素の混合粉に熱処
理を施して合成粉末を調製し、ホウ素成分を添加するも
のであることが好ましい。
【0025】前記構成においては、前記合成粉末を調製
する工程が、酸化ビスマスと酸化チタンと酸化アンチモ
ンの混合粉に熱処理を施して粉砕することにより調製す
る工程と酸化ビスマスとホウ酸の混合粉に熱処理を施し
て粉砕することにより調製する工程とからなり、合成粉
末を酸化亜鉛を主成分とする原料粉末に添加する工程
前記調製した2種の合成粉末を添加する工程である
ことが好ましい。
【0026】前記構成においては、前記合成粉末を調製
する工程が、酸化ビスマスと酸化チタンと酸化アンチモ
ンの混合粉に熱処理を施して粉砕することにより調製す
る工程と酸化ビスマスと酸化ホウ素の混合粉に熱処理を
施して粉砕することにより調製する工程とからなり、合
成粉末を酸化亜鉛を主成分とする原料粉末に添加する工
程が前記調製した2種の合成粉末を添加する工程であ
ることが好ましい。
【0027】前記構成においては、前記合成粉末を調製
する工程が、酸化ビスマスと酸化チタンと酸化アンチモ
ンと酸化クロムとからなる混合粉が熱処理されて調製さ
れてなることが好ましい。
【0028】前記構成においては、前記合成粉末を調製
する工程が、酸化ビスマスと酸化チタンと酸化アンチモ
ンの混合粉に熱処理を施して粉砕することにより調製す
る工程と酸化ビスマスと酸化クロムの混合粉に熱処理を
施して粉砕することにより調製する工程とからなり、合
成粉末を酸化亜鉛を主成分とする原料粉末に添加する工
程が前記調製した2種の合成粉末を添加する工程であ
ることが好ましい。
【0029】前記構成においては、前記酸化亜鉛を主成
とする原料粉末に合成粉末を添加する工程の後にアル
ミニウム成分を添加する工程を含んでなることが好まし
い。前記構成においては、酸化亜鉛多結晶体の酸化亜鉛
結晶粒子内に、該結晶粒子のc面に平行に、ミクロン又
はサブミクロンの細長い形状の高密度の欠陥を構成し
て、低温度で焼結するビスマス成分とチタン成分とアン
チモン成分を含有させることが好ましい。
【0030】
【作用】本発明の酸化亜鉛系磁器組成物は、主成分の酸
化亜鉛100重量部に対して、少なくとも酸化ビスマス
と酸化チタンと酸化アンチモンとの混合粉が熱処理され
て調製されてなる合成粉末が0.2〜20重量部添加さ
れている。このようにZnOバリスタ用の酸化亜鉛系磁
器組成物組成中に酸化ビスマス、酸化チタン、酸化アン
チモンなどを添加する系であるので、酸化チタンが酸化
亜鉛と反応してスピネルを形成し、酸化亜鉛の粒成長を
促進する効果が失われるが、酸化チタンは酸化ビスマス
とも反応するので、この反応生成物により、酸化亜鉛の
粒成長を促進する。また、酸化アンチモンは酸化亜鉛と
反応してスピネルを形成し、酸化亜鉛の粒成長を抑制す
る効果が減少するが、酸化アンチモンは酸化ビスマスと
も反応し、この反応生成物が、酸化亜鉛の粒成長を抑制
する。
【0031】前記酸化亜鉛系磁器組成物は、少なくとも
酸化ビスマスと酸化チタンと酸化アンチモンとからなる
混合粉を熱処理して調製した合成粉末を酸化亜鉛に添加
しているので、低温焼結であっても前記の酸化亜鉛の粒
成長の制御を行うことができ、電気特性の一定した、品
質の信頼性の高い酸化亜鉛バリスタを得ることができ
る。
【0032】ここで、酸化亜鉛100重量部に対して、
合成粉末が0.2〜20重量部としたのは、合成粉末が
0.2重量部未満では、酸化亜鉛バリスタの立ち上がり
電圧が低く、長時間の直流負荷に対しても低く、またサ
−ジに対しても、立ち上がり電圧V1mA の変化率△V
1mA /V1mA の絶対値が大きい。また、どの電気特性の
測定結果もバラツキが大きくなる。合成粉末の添加量が
20重量部を越えると、試料がくっつき、酸化亜鉛バリ
スタの製造が困難になり、電気特性の測定ができくな
る。酸化ビスマス、酸化チタン、酸化アンチモンの混合
粉が熱処理されて調製されてなる合成粉末のZnO粉末
に対する添加量は、より好ましくはZnO粉末100重
量部に対して0.5〜20重量部である。
【0033】前記において、混合粉が酸化ビスマスと酸
化チタンと酸化アンチモンとホウ素酸化物とからなり、
前記合成粉末が前記酸化ビスマスと酸化チタンと酸化ア
ンチモンとホウ素酸化物との混合粉が熱処理されて調製
されてなるという好ましい例によれば、前記の作用に加
えて、ホウ素成分の働きにより粒成長を促進し、より安
定した低温焼結ができ、低温焼結であっても前記の酸化
亜鉛の粒成長の制御を行うことができ、電気特性の一定
した、品質の信頼性の高い酸化亜鉛バリスタを得ること
ができる。
【0034】前記において、混合粉が酸化ビスマスと酸
化チタンと酸化アンチモンと酸化クロムとからなり、前
記合成粉末が酸化ビスマスと酸化チタンと酸化アンチモ
ンと酸化クロムとの混合粉が熱処理されて調製されてな
るという好ましい例によれば、含有するクロム成分によ
り粒の異常成長が制御され、電流−電圧特性が安定さ
れ、電気特性の一定した酸化亜鉛バリスタを得ることが
できる。
【0035】前記において、ビスマス成分の添加量が、
酸化亜鉛100重量部に対してBi 23換算で0.3〜
10.0重量部であるという好ましい例によれば、前記
作用、効果に加えて、酸化亜鉛バリスタの液相焼結を促
進させ、酸化亜鉛の粒界面の欠陥濃度を増大させること
ができる。ビスマス成分の添加量が酸化亜鉛100重量
部に対してBi23換算で0.2重量部未満では、前記
ビスマス成分添加の効果がなく、酸化亜鉛バリスタの立
ち上がり電圧が低く、長時間の直流負荷変化率に対して
も、またサ−ジ変化率に対しても絶対値が大きく、電気
特性が悪くなる。Bi23の添加量が15重量部を越え
ると、酸化亜鉛バリスタの焼結時の変形、または融着等
のため、寸法精度が悪くなり、量産性が悪くなる。その
ためビスマス成分の添加量は、Bi23換算で0.3〜
10.0重量部の範囲にあることが好ましい。
【0036】前記において、チタン成分の添加量が、酸
化亜鉛100重量部に対してTiO 2 換算で0.1〜
5.0重量部であるという好ましい例によれば、前記作
用、効果に加えて、酸化亜鉛の粒成長を促進し、低電圧
に最適な酸化亜鉛バリスタを容易に得ることができる。
チタン成分の添加量が、酸化亜鉛100重量部に対して
TiO2 換算で0.1重量部未満では、成分添加の効果
が小さく、酸化亜鉛バリスタの電気特性を改良できず、
サ−ジ変化率、直流負荷変化率の絶対値が大きい。ま
た、チタン成分の添加量が、TiO2 換算で7重量部を
越えると、酸化亜鉛バリスタの立ち上がり電圧が低くな
るので、TiO2 換算で0.1〜5.0重量部を含むこ
とが好ましい。
【0037】前記において、アンチモン成分の添加量
が、酸化亜鉛100重量部に対してSb23換算で0.
02〜2.5重量部であるという好ましい例によれば、
前記作用、効果に加えて、特に、容易に酸化亜鉛の粒成
長を調整することができ、所定の電圧に最適な酸化亜鉛
バリスタを容易に得ることができる。アンチモン成分の
添加量が酸化亜鉛100重量部に対してSb23換算で
0.02重量部未満では、成分添加の効果が小さく、酸
化亜鉛バリスタの電気特性を改良できず、サ−ジ変化
率、直流負荷変化率の絶対値が大きい。また、アンチモ
ン成分の添加量がSb23換算で2.5重量部を越える
と、酸化亜鉛バリスタの立ち上がり電圧は高くできる
が、電気特性のバラツキの大きくなるので、添加量はS
23換算で0.02〜2.5重量部の範囲であること
が好ましい。
【0038】前記において、前記ホウ素酸化物がホウ酸
であるという好ましい例によれば、ホウ素成分の添加が
均一にできうえ、焼結体全体をいっせいに焼結開始させ
ることができる。単独で酸化ホウ素を添加すると、あま
りにも低温で液相が発生して不均一の原因となる。
【0039】前記において、前記ホウ素酸化物が酸化ホ
ウ素であるという好ましい例によれば、前記と同様に、
ホウ素成分の添加が均一にでき、低温焼結が可能とな
る。前記において、前記合成粉末を添加した酸化亜鉛を
主成分とする原料粉末に、アルミニウム成分が酸化亜鉛
100重量部に対して、酸化アルミニウム換算で0.0
0062〜0.372重量部が含まれているという好ま
しい例によれば、前記作用に加えて、加えられたアルミ
ニウム成分は、ZnO粒子中に固溶して、半導体のドナ
ーとして働き、ZnOの電気抵抗を低下させることがで
きる。アルミニウム成分の添加量が酸化亜鉛100重量
部に対して、酸化アルミニウム換算で0.00062重
量部未満では、酸化亜鉛バリスタの前記電気抵抗を低下
させる作用が得られず、0.372重量部を越えると、
抵抗が低下しすぎるとともに、他の電気特性が悪くなる
おそれがある。
【0040】次に本発明の酸化亜鉛系磁器組成物の製造
方法は、少なくとも酸化ビスマスと、酸化チタンと、酸
化アンチモンとからなる混合粉に熱処理を施して合成粉
末を調製する工程と、該合成粉末を酸化亜鉛を主成分と
する原料粉末に添加する工程とからなる。本発明におい
ては酸化ビスマスと酸化チタンと酸化アンチモンとの混
合粉を予め850℃以下の温度で熱処理して調製された
合成粉末を酸化亜鉛原料粉末に所要の電気特性に対応す
る組成になるように添加し、焼結体を製造するので、酸
化亜鉛バリスタを製造する際の焼結では低温でZnO粒
子の成長を均一に促進することができる。その結果、従
来の1150〜1300℃の焼成温度に比べて1100
℃以下という十分低い温度における焼結で、電気特性が
一定した信頼性の高い酸化亜鉛バリスタを製造すること
ができる。
【0041】前記において、合成粉末を調製する工程
が、酸化ビスマスと酸化チタンと酸化アンチモンとホウ
素酸化物とからなる混合粉が熱処理されて調製されてい
るという好ましい例によれば、前記作用、効果に加え
て、ホウ素酸化物は液相の形成により添加物の拡散を速
め、粒界特性の均一化を促進することができ、酸化亜鉛
バリスタの低温焼結において品質の均一化をよくするこ
とができる。
【0042】前記において、合成粉末を調製する工程が
酸化ビスマスとホウ酸の混合粉に熱処理を施して合成粉
末を調製し、ホウ素成分を添加するものであるという好
ましい例によれば、前記ホウ素酸化物を含む合成粉末の
調製が容易となるともに、粒界特性の均一化の促進に容
易に寄与させることができ、酸化亜鉛バリスタの低温焼
結が容易になる。
【0043】前記において、合成粉末を調製する工程が
酸化ビスマスと酸化ホウ素の混合粉に熱処理を施して合
成粉末を調製し、ホウ素成分を添加するものであるとい
う好ましい例によれば、前記作用、効果に加えて、合成
粉末の調製が容易であり、酸化ホウ素により酸化亜鉛バ
リスタの低温焼結においても均一化した品質のものを得
ることができる。
【0044】前記において、前記合成粉末を調製する工
程が、酸化ビスマスと酸化チタンと酸化アンチモンの混
合粉に熱処理を施して粉砕することにより調製する工程
と酸化ビスマスとホウ酸の混合粉に熱処理を施して粉砕
することにより調製する工程とからなり、合成粉末を酸
化亜鉛を主とする原料粉末に添加する工程が前記調製し
た2種の合成粉末を添加する工程であるという好ましい
例によれば、前記作用に加えて、ホウ酸により添加物の
拡散を調節し、粒界特性の均一化を促進することがで
き、酸化亜鉛バリスタの低温焼結において品質の均一化
をさらによくすることができる。
【0045】前記において、合成粉末を調製する工程
が、酸化ビスマスと酸化チタンと酸化アンチモンの混合
粉に熱処理を施して粉砕することにより調製する工程と
酸化ビスマスと酸化ホウ素の混合粉に熱処理を施して粉
砕することにより調製する工程とからなり、合成粉末を
酸化亜鉛を主とする原料粉末に添加する工程が前記調製
した2種の合成粉末を添加する工程であるという好まし
い例によれば、前記作用と同様、ホウ素により添加物の
拡散を調節し、粒界特性の均一化を促進することがで
き、酸化亜鉛バリスタの低温焼結において品質の均一化
をさらによくすることができる。
【0046】前記において、合成粉末を調製する工程
が、酸化ビスマスと酸化チタンと酸化アンチモンと酸化
クロムとからなる混合粉が熱処理されて調製されてなる
という好ましい例によれば、クロムを三価の状態で添加
することが可能で、有毒な六価のクロムの生成を避ける
ことができる。
【0047】前記において、前記合成粉末を調製する工
程が、酸化ビスマスと酸化チタンと酸化アンチモンの混
合粉に熱処理を施して粉砕することにより調製する工程
と酸化ビスマスと酸化クロムの混合粉に熱処理を施して
粉砕することにより調製する工程とからなり、合成粉末
を酸化亜鉛を主とする原料粉末に添加する工程が前記調
製した2種の合成粉末を添加する工程であるという好ま
しい例によれば、酸化クロムをより均一に添加でき、一
層容易に前記作用を発揮させることができる。
【0048】前記において、前記酸化亜鉛を主とする原
料粉末に合成粉末を添加する工程の後にアルミニウム成
分を添加する工程を含んでなる好ましい例によれば、粒
成長の調節を損なうことなく、加えられたアルミニウム
成分は、ZnO粒子中に固溶して、半導体のドナーとし
て働き、ZnOの電気抵抗を低下させることができる。
【0049】前記において、酸化亜鉛多結晶体の酸化亜
鉛結晶粒子内に、該結晶粒子のc面に平行に、ミクロン
又はサブミクロンの細長い形状の高密度の欠陥を構成し
て、低温度で焼結するビスマス成分とチタン成分とアン
チモン成分を含有させる好ましい例によれば、ZnO微
結晶のc面に平行して細かい欠陥が形成され、これら欠
陥が体積拡散を活発化し、酸化亜鉛の粒成長促進に寄与
する。このように酸化ビスマス、酸化チタン、酸化アン
チモンなどを添加するという好ましい例では、体積拡散
を低温においても活発なものとし、低温焼結が可能であ
る。そして、低温焼結であっても、電気特性の一定し
た、品質の信頼性の高い酸化亜鉛バリスタを得ることが
できる。
【0050】本発明の酸化亜鉛系磁器組成物を加圧成形
し、該成形体を850〜1100℃の温度で焼成し、そ
の後、前記成型体に電極を形成してバリスタを作製す
る。従って、本発明による酸化ビスマスと酸化チタンと
酸化アンチモンとの混合粉を予め850℃以下の温度で
熱処理して調製された合成粉末を酸化亜鉛原料粉末に所
要の電気特性に対応する組成になるように添加し、燒結
体を製造するので、燒結の際には低温でZnO粒子の成
長を均一に促進することができる。その結果、1100
℃以下という従来の焼成温度に比べて十分低い温度にお
ける焼結で、電気特性が一定した信頼性の高い酸化亜鉛
バリスタを製造することができる。
【0051】前記酸化ビスマスと酸化チタンと酸化アン
チモンとの混合物の熱処理を空気中などの酸化性の雰囲
気中で、850℃以下の温度で行うとしたのは、850
℃を越えると、低温焼結の意義が薄れるとともに、粉砕
が困難になるからである。また、熱処理を450℃未満
で行っても熱処理による酸化亜鉛の粒成長を制御する働
きが得られない。従って、熱処理の効果を得るために
は、450〜850℃、熱処理による反応が進行し、そ
の効果が得られ、かつ、支障を生じない500〜650
℃が好ましい。
【0052】
【実施例】以下、本発明の実施例を、表と図を参照しな
がら詳細に説明する。 (実施例1)酸化ビスマス(Bi23)の粉末と、酸化
チタン(TiO2 )の粉末と、酸化アンチモン(Sb2
3)の粉末(各粉末の粒度はそれぞれ、200メッシ
ュ、325メッシュ、200メッシュ通過)とを重量比
が88:10:2となるように配合し、この混合粉を空
気雰囲気下、600℃で5時間の熱処理を施した後、モ
ノマロンポットで安定化ジルコニアボールを用いて、1
2〜18時間微粉砕することによって、合成粉末(32
5メッシュ通過)を得た。以下、酸化ビスマス、酸化チ
タン及び酸化アンチモンから、このようにして調製され
る合成粉末を酸化ビスマス/酸化チタン/酸化アンチモ
ン合成粉末と呼ぶ。この合成粉末を得るため、前記60
0℃で熱処理した混合粉の粉砕はそれほど困難でなく、
各粉末をそれぞれ粉砕するのと同程度であった。
【0053】酸化亜鉛粉末(平均粒径0.3μm)と、
前記酸化ビスマス/酸化チタン/酸化アンチモン合成粉
末と、酸化コバルト(CoO)粉末(325メッシュ通
過)と、二酸化マンガン(MnO2 )粉末(200メッ
シュ通過)とを、前記酸化ビスマス/酸化チタン/酸化
アンチモン合成粉末の量を変えながら重量比が、10
0:0.2〜20.0:0.954:0.414となる
ように配合し、この配合粉末を湿式法(モノマロンポッ
トで安定化ジルコニアボールを用い)により、12〜1
8時間混合し、325メッシュを通過するように粉砕し
た。
【0054】得られた粉砕粉末を乾燥し、ディスク状に
加圧成形した。そして得られた成形体を大気雰囲気中、
昇温速度50℃/時間で昇温し、950℃で13時間保
持した後、降温速度50℃/時間で降温して焼結体を得
た。焼結体の試料サイズは厚さ1.2mm、直径は14
mmであった。得られた酸化亜鉛系磁器組成物から図1
に示す酸化亜鉛バリスタを作製する。すなわち、焼結体
11の両面にアルミニウムを溶射することによって、ア
ルミニウム層(図示せず)を形成した。次いで、この両
面に形成されたアルミニウム層の上に銅を溶射すること
によって電極12を形成した。電極12にハンダでリー
ド線13を接着した後、リード線以外の成形体を塗装
し、絶縁することによって酸化亜鉛バリスタを得た。
【0055】このようにして得られた酸化亜鉛バリスタ
の電気特性を評価した。初期の電気特性として、V
1mA/mm (1mAの電流を流した時の両端子間の1mm
厚み当たりに対する電圧)および非直線抵抗指数0.1mA
α1mA(V1mAとV0.1mAとを用いて求めた値)を測定し
た。
【0056】また、直流負荷に対する信頼性を評価し
た。この信頼性の評価は、80℃の高温雰囲気中で0.
2ワットの直流負荷を500時間印加し、バリスタ立ち
上がり電圧V1mAの変化率△V1mA/V1mA (直流負荷変
化率)を測定することにより行う。さらに、サ−ジに対
する信頼性を評価した。この信頼性の評価は、8×20
μsec,0.5kAのパルスの2回印加によるバリス
タ立ち上がり電圧V1mAの変化率(サ−ジ変化率)△V
1mA/V1mAを求めて行った。
【0057】表1にバリスタの製造に用いた試料の組成
を示し、表2にその組成に対応する電気特性を評価した
結果を示す。なお、電気特性の評価結果を示す数値は、
ロット内の最小値と最大値を示す。
【0058】
【表1】
【0059】
【表2】
【0060】表1及び表2からわかるように、本発明に
よる酸化亜鉛系磁器組成物及びその製造方法により得ら
れた磁器組成物から製造された酸化亜鉛バリスタは、酸
化ビスマス/酸化チタン/酸化アンチモン合成粉末の量
が少ない0.2重量部(試料番号#101)を除いて、
立ち上がり電圧が低く、長時間の直流負荷に対しても、
またサ−ジに対しても、立ち上がり電圧V1mA の変化率
△V1mA/V1mAの絶対値が5%以下で、信頼性が優れて
いた。また、表2に示したように、ロット内の電気特性
のバラツキも小さかった。
【0061】表2には示されていないが、本実施例の磁
器組成物で酸化亜鉛バリスタを作成すると、ロット間の
電気特性のバラツキもロット内バラツキと同様に小さ
く、製品歩留まりが顕著に向上した。なお、ZnO粉末
100重量部に対し、Bi23−TiO2 −Sb23
成粉末の添加量が20重量部を越えると試料がくっつ
き、測定ができなかった(試料番号#109)。このこ
とからBi23−TiO2−Sb23合成粉末のZnO
粉末に対する添加量はその100重量部に対して0.5
〜20重量部がよい。
【0062】(比較例1)酸化ビスマス粉末と酸化チタ
ン微粉末と酸化アンチモン粉末との混合粉を合成しない
従来の製造方法で、実施例1と同様にして、焼結体を用
いた3種の酸化亜鉛バリスタを作製した。
【0063】酸化亜鉛(ZnO)粉末と、酸化ビスマス
(Bi23)粉末と、酸化チタン(TiO2 )微粉末
と、酸化アンチモン(Sb23)粉末と、酸化コバルト
(CoO)粉末と、二酸化マンガン(MnO2 )粉末と
の重量比が100:0.88:0.10:0.02:
0.954:0.414(#112)、100:1.7
6:0.20:0.04:0.954:0.414(#
112)及び100:4.4:0.5:0.1:0.9
54:0.414(#113)となるように配合し、こ
れらの混合粉をそれぞれ湿式法で混合し、粉砕した。
【0064】電気特性を評価するため、実施例1と同様
にして、酸化亜鉛バリスタを作製した。得られた粉砕粉
末を乾燥し、それぞれディスク状に加圧成形した。以
下、実施例1と同様にして、各成形体を大気雰囲気中、
昇温速度50℃/時間で昇温し、950℃で13時間保
持したのち、降温速度50℃/時間で降温して焼結体を
得た。各焼結体の試料サイズは厚さ1.2mm、直径は
14mmであった。
【0065】次いで、実施例1と同様にして、酸化亜鉛
バリスタを作製し、得られた酸化亜鉛バリスタの電気特
性を評価した。表3に試料組成を示し、表4に電気特性
の評価結果を示した。
【0066】
【表3】
【0067】
【表4】
【0068】表3及び表4からわかるように、従来の酸
化亜鉛系磁器組成物で作製された酸化亜鉛バリスタは、
0.2ワットの直流負荷後のV1mA が著しく低下し、直
流負荷変化率△V1mA/V1mAの絶対値が10%以上とな
った。また、サージ変化率の絶対値も10%を越え、信
頼性が著しく低かった。また、表4に示したように、ロ
ット内のバラツキも大きかった。
【0069】また、表4には示されていないが、従来の
磁器組成物で作製した酸化亜鉛バリスタの電気特性のロ
ット間のバラツキはロット内のバラツキよりもさらに大
きかった。V1mA/mmやα値が表4に示した値よりも低
いバリスタが多かった。
【0070】すなわち、950℃という焼結温度は従来
の方法では低過ぎるので、酸化亜鉛バリスタの作製には
不適当であることがわかる。なお従来の磁器組成物を用
いても、高温、たとえば、1250℃で焼成すると、か
なり良特性のバリスタがえられる。
【0071】実施例1と比較例との比較から明らかなよ
うに、本発明の酸化亜鉛系磁器組成物から低温焼結して
製造した酸化亜鉛バリスタは、初期電気特性、信頼性及
びロット内及びロット間の電気特性のバラツキ、いずれ
においても、従来の磁器組成物から製造された酸化亜鉛
バリスタより優れていることが確認できた。
【0072】(実施例2)配合と熱処理温度を変えて実
施例1と同様の処理により磁器組成物を製造する。先
ず、酸化ビスマスの粉末と、酸化チタンの微粉末と、酸
化アンチモンの微粉末が重量比で81:9:10となる
ように混合した。この混合粉を空気雰囲気下の800℃
で5時間熱処理を施した後、その混合物を微粉砕するこ
とによって、酸化ビスマス/酸化チタン/酸化アンチモ
ン合成粉末(325メッシュ通過)を得た。この合成粉
末を得るため、前記800℃で熱処理した混合粉の粉砕
は自動乳鉢で予め粉砕しておくと、それほど困難でな
く、各粉末をそれぞれ粉砕するのと同程度であった。
【0073】次いで、酸化亜鉛粉末と、前記酸化ビスマ
ス/酸化チタン/酸化アンチモン合成粉末と、酸化コバ
ルト粉末と、二酸化マンガン粉末とを、重量比が10
0:3.5:0.80:0.40となるように配合した
粉末を湿式法で混合し、粉砕した。得られた粉砕粉末を
乾燥し、前記ZnOが100重量部に対してAl23
換算して0.0013重量部の酸化アルミニウムを含む
硝酸アルミを水溶液の形で加えて混合した。
【0074】次いで、電気特性を評価するため、焼成温
度を変え実施例1と同様にして酸化亜鉛バリスタを作製
する。まず、酸化アルミニウムを含有させた酸化亜鉛系
磁器組成物を加圧成形してディスク状にそれぞれ成形し
た。得られた成形体を大気雰囲気中、昇温速度50℃/
時間で昇温し、800℃,850℃,900℃,950
℃,1000℃,1050℃,1100℃,1150℃
の各温度で15時間保持した後、降温速度50℃/時間
で降温してそれぞれ焼結体をを得た。各焼結体の試料サ
イズは厚さ1.2mm、直径は14mmであった。
【0075】次いで、酸化亜鉛バリスタを作製し、得ら
れた酸化亜鉛バリスタの電気特性を評価した。表5に試
料組成を示し、表6に電気特性の評価結果を示した。
【0076】
【表5】
【0077】
【表6】
【0078】表5及び表6からわかるように、850〜
1150℃の温度範囲にわたり焼成した結果、本発明に
よる酸化亜鉛系磁器組成物から製造された酸化亜鉛バリ
スタは、立ち上がり電圧が低く、長時間の直流負荷に対
しても、またサ−ジに対しても、立ち上がり電圧V1mA
の変化率△V1mA/V1mAの絶対値が5%以下で、信頼性
が優れていた。また、表6に示したように、ロット内の
電気特性のバラツキも小さかった。なお、1150℃以
上の温度で焼成して得た酸化亜鉛バリスタも優れた特性
をしめすが、焼成の時素体が変形したり、あるいは素体
同士くっつきあって歩留まりが低くなり、好ましくな
い。
【0079】表6には示されていないが、本発明の酸化
亜鉛系磁器組成物で酸化亜鉛バリスタを作製すると、ロ
ット間の電気特性のバラツキもロット内のバラツキと同
様に小さかった。以上の結果、歩留まりが顕著に向上し
た。
【0080】(実施例3)配合と熱処理温度を変えて実
施例1と同様の処理により磁器組成物を製造する。先
ず、酸化ビスマスの粉末と、酸化チタンの微粉末と、酸
化アンチモンの粉末とを表7の合成粉末の項に示した重
量比で混合した。この混合粉を空気雰囲気の500℃で
5時間熱処理を施した後、その混合粉を微粉砕すること
によって、酸化ビスマス/酸化チタン/酸化アンチモン
合成粉末を得た。この合成粉末を得るため、前記500
℃で熱処理した混合粉の粉砕は自動乳鉢で予め粉砕して
おくと、それほど困難でなく、各粉末をそれぞれ粉砕す
るのと同程度であった。
【0081】酸化亜鉛粉末と、酸化コバルト粉末と、二
酸化マンガン粉末と、前記酸化ビスマス/酸化チタン/
酸化アンチモン合成粉末とを、重量比が、表7に示すよ
うに配合した粉末を湿式法で混合し、粉砕した。得られ
た粉砕粉末を乾燥し、得られた乾燥粉に、前記酸化亜鉛
100重量部に対して酸化アルミニウム(Al23)に
換算して0.0013重量部の、アルミニウムを含む硝
酸アルミニウムの水溶液を添加し、混合した。
【0082】次いで、電気特性を評価するため、酸化ア
ルミニウムを含有させた酸化亜鉛系磁器組成物を実施例
1と同様に、ディスク状にそれぞれ加圧成形した。得ら
れた成形体を大気雰囲気中、昇温速度100℃/時間で
昇温し、1050℃で2時間保持した後、降温速度10
0℃/時間で降温してそれぞれ焼結体を得た。各焼結体
の試料サイズは厚さ1.2mm,直径は14mmであっ
た。
【0083】次いで、実施例1と同様に、酸化亜鉛バリ
スタを作製した。得られた酸化亜鉛バリスタの電気特性
を評価した。表7に試料組成を示し、表8に電気特性の
評価結果を示した。
【0084】
【表7】
【0085】
【表8】
【0086】表7及び表8より、本発明の酸化亜鉛系磁
器組成物で製造された酸化亜鉛バリスタは、添加される
酸化ビスマス/酸化チタン/酸化アンチモン合成粉末中
の酸化ビスマスの量が、酸化亜鉛100重量部に対し
て、0.5重量部以上の時、α値が大きく、長時間の直
流負荷及びサ−ジに対しても、立ち上がり電圧V1mA
変化率△V1mA/V1mAの絶対値が5%以下となり信頼性
に優れていた。
【0087】なお、酸化ビスマスの合成粉末の添加量が
15重量部を越える(試料番号#304)と、焼成のと
きに成形体を重ねて焼成すると、焼結体同士が融着する
ので、バリスタの量産性に欠ける。また添加される酸化
ビスマス/酸化チタン/酸化アンチモン合成粉末中の酸
化チタンの量が、酸化亜鉛100重量部に対して、0.
1〜5.0重量部で良電気特性を示し、添加される酸化
ビスマス/酸化チタン/酸化アンチモン合成粉末中の酸
化アンチモンの量が、酸化亜鉛100重量部に対して、
0.02〜2.5重量部で良電気特性を示した。
【0088】(実施例4)合成粉末としてホウ素酸化物
を添加する配合とし、熱処理温度を変えて実施例1と同
様の処理により磁器組成物を製造する。先ず、酸化ビス
マス(Bi23)の粉末と、酸化チタン(TiO2 )の
粉末と、酸化アンチモン(Sb23)の粉末と、酸化ホ
ウ素(B23)粉末(200メッシュ通過)との重量比
が88:9:2:1となるように混合した。この混合物
を600℃で5時間の熱処理を施した後、微粉砕するこ
とによって、合成粉末を得た。以下、酸化ビスマス、酸
化チタン及び酸化アンチモンから、このようにして調製
される合成粉末を酸化ビスマス/酸化チタン/酸化アン
チモン/酸化ホウ素合成粉末と呼ぶ。この合成粉末を得
るため、前記600℃で熱処理した混合粉の粉砕は自動
乳鉢により予め粉砕すれば、それほど困難でなく、各粉
末をそれぞれ粉砕するのと同程度であった。
【0089】酸化亜鉛粉末と、前記酸化ビスマス/酸化
チタン/酸化アンチモン/酸化ホウ素合成粉末と、酸化
コバルト(CoO)粉末と、二酸化マンガン(MnO
2 )粉末とを、前記酸化ビスマス/酸化チタン/酸化ア
ンチモン/酸化ホウ素合成粉末の量をかえながら重量比
が、100:0.2〜20.0:0.954:0.41
4となるように配合し、この配合粉末を湿式法により、
混合し、粉砕した。得られた粉砕粉末を乾燥した。
【0090】次いで、電気特性を評価するため、実施例
1と同様にして、図1に示すような酸化亜鉛バリスタを
作製する。前記磁器組成物をそれぞれディスク状に加圧
成形し、得られた成形体を大気雰囲気中、昇温速度50
℃/時間で昇温し、950℃で13時間保持した後、降
温速度50℃/時間で降温してそれぞれ焼結体を得た。
各焼結体の試料サイズは厚さ1.2mm、直径は14m
mであった。次いで、焼結体11の両面にアルミニウム
を溶射することによって、アルミニウム層(図示せず)
を形成した。次いで、この両面に形成されたアルミニウ
ム層の上に銅を溶射することによって電極12を形成し
た。電極12にハンダでリ−ド線13を付けた後、リー
ド線以外の成形体を塗装することによって酸化亜鉛バリ
スタを得た。
【0091】このようにして得られた酸化亜鉛バリスタ
の電気特性、直流負荷に対する信頼性を実施例1と同様
にして、評価した。表9に試料の組成を示し、表10に
電気特性の評価結果を示した。なお、電気特性の評価結
果を示す数値は、ロット内の最小値と最大値を示す。
【0092】
【表9】
【0093】
【表10】
【0094】表9及び表10からわかるように、本発明
による酸化亜鉛系磁器組成物から製造された酸化亜鉛バ
リスタは、酸化ビスマス/酸化チタン/酸化アンチモン
/酸化ホウ素合成粉末の量が少ない0.2重量部(試料
番号#121)を除いて、立ち上がり電圧が低く、長時
間の直流負荷に対しても、またサ−ジに対しても、立ち
上がり電圧V1mA の変化率△V1mA/V1mAの絶対値が5
%以下で、信頼性が優れていた。また、表2に示したよ
うに、ロット内の電気特性のバラツキも小さかった。
【0095】表10には示されていないが、本発明の酸
化亜鉛系磁器組成物から酸化亜鉛バリスタを作成する
と、ロット間の電気特性のバラツキもロット内バラツキ
と同様に小さかった。以上の結果、歩留まりが顕著に向
上した。なお,Bi23−TiO2 −Sb23合成粉末
の添加量が20重量部を越えると試料がくっつき、測定
が出来なかった(試料番号#109)。
【0096】(比較例2)酸化ビスマス粉末と酸化チタ
ン微粉末と酸化アンチモン粉末と酸化ホウ素との合成粉
末を作製しない従来の製造方法で、実施例4と同じ組成
の焼結体を用いて3種の酸化亜鉛バリスタを作製した。
【0097】酸化亜鉛粉末と、酸化ビスマス粉末と、酸
化チタン微粉末と、酸化アンチモン粉末、酸化ホウ素
と、酸化コバルト粉末と、二酸化マンガン粉末との重量
比が100:0.88:0.09:0.02:0.0
1:0.954:0.414(#131)及び100:
1.76:0.18:0.04:0.02:0.95
4:0.414(#132)及び100:4.4:0.
45:0.1:0.05:0.954:0.414(#
133)となるように配合し、この混合物を合成しない
以外は実施例4と同様にして、それぞれの混合粉を、湿
式法で混合し、粉砕した。得られた原料粉末を乾燥し
た。
【0098】得られた粉末を、それぞれディスク状に加
圧成形した。各成形体を大気雰囲気中、昇温速度50℃
/時間で昇温し、950℃で13時間保持したのち、降
温速度50℃/時間で降温して焼結体を得た。各焼結体
の試料サイズは厚さ1.2mm、直径は14mmであっ
た。
【0099】ついで、実施例1と同様にして、酸化亜鉛
バリスタを作製し、得られた酸化亜鉛バリスタの電気特
性を評価した。表11に試料組成を示し、表12に電気
特性の評価結果を示した。
【0100】
【表11】
【0101】
【表12】
【0102】表11及び表12からわかるように、従来
の酸化亜鉛系磁器組成物から作製された酸化亜鉛バリス
タは、0.2ワットの直流負荷後のV1mA が著しく低下
し、直流負荷変化率△V1mA/V1mAの絶対値が10%以
上となった。また、サージ変化率の絶対値も15%を越
え、信頼性が著しく低かった。また、表12に示したよ
うに、ロット内のバラツキも大きかった。
【0103】また、表12には示されていないが、従来
の酸化亜鉛系磁器組成物から製造した酸化亜鉛バリスタ
の電気特性のロット間のバラツキはロット内のバラツキ
よりもさらに大きかった。V1mA/mm やα値が表12に
示した値よりも低いバリスタが多かった。
【0104】すなわち、950℃という焼結温度は従来
の方法では低過ぎるので、酸化亜鉛バリスタの製造には
不適当であることがわかる。なお従来の方法を用いて
も、高温、たとえば、1250℃で焼成すると、かなり
良特性のバリスタがえられる。
【0105】実施例4と比較例2との比較から明らかな
ように、本発明の酸化亜鉛系磁器組成物から得られる低
温焼結の酸化亜鉛バリスタは、初期電気特性、信頼性及
びロット内及びロット間の電気特性のバラツキ、いずれ
においても、従来の酸化亜鉛系磁器組成物の製造方法に
よる酸化亜鉛バリスタより優れている。
【0106】(実施例5) 合成粉末の配合を酸化ホウ素を加えるものとするととも
に合成粉末を2種類調製し、熱処理温度を変えて実施例
1と同様の処理により磁器組成物を製造する。先ず、酸
化ビスマスの粉末と、酸化チタンの微粉末と、酸化アン
チモンの微粉末とが重量比で81:9:10となるよう
に混合し、この混合物を550℃で5時間熱処理を施し
て一方の合成粉末を調製した。一方、これとは別に、酸
化ビスマスの粉体と酸化ホウ素の微粉末とを重量比で9
3:7となるように混合し、この混合物を550℃で5
時間熱処理した。これら2者を重量比で10:1の割合
で配合して325メッシュを通過するように微粉砕する
ことによって、酸化ビスマス/酸化チタン/酸化アンチ
モン+酸化ビスマス/酸化ホウ素の合成粉末を得た。こ
の合成粉末を得るため、前記550℃で熱処理した混合
粉の粉砕は自動乳鉢で予め粉砕することにより、それほ
ど困難でなく、各粉末をそれぞれ粉砕するのと同程度で
あった。
【0107】次いで、酸化亜鉛粉末と、前記酸化ビスマ
ス/酸化チタン/酸化アンチモン合成粉末と、酸化ビス
マス/酸化ホウ素と、酸化コバルト粉末と、二酸化マン
ガン粉末とを、重量比が100:3.3:0.80:
0.40となるように配合し、実施例1と同様に、この
粉末を湿式法で混合し、粉砕した。得られた粉砕粉末を
乾燥し、前記ZnOが100重量部に対してAl23
に換算して0.0013重量部の酸化アルミニウムを含
む硝酸アルミを水溶液の形で加えて混合した。
【0108】得られた酸化亜鉛系磁器組成物を加圧成形
してディスク状に成形し、この成形体を大気雰囲気中、
昇温速度50℃/時間で昇温し、700℃,750℃,
800℃,900℃,1000℃,1050℃,110
0℃,1150℃で15時間保持した後、降温速度50
℃/時間で降温してそれぞれ焼結体を得た。各焼結体の
試料サイズは厚さ1.2mm、直径は14mmであっ
た。
【0109】次いで、図1に示す酸化亜鉛バリスタを作
製し、得られた酸化亜鉛バリスタの電気特性を評価し
た。表13に試料組成を示し、表14に電気特性の評価
結果を示した。
【0110】
【表13】
【0111】
【表14】
【0112】表13及び表14からわかるように、75
0〜1150℃の温度範囲にわたり焼成した結果、本発
明による酸化亜鉛系磁器組成物を用いた酸化亜鉛バリス
タは、立ち上がり電圧が低く、長時間の直流負荷に対し
ても、またサ−ジに対しても、立ち上がり電圧V1mA
変化率△V1mA/V1mAの絶対値が5%以下で、信頼性が
優れていた。また、表14に示したように、ロット内の
電気特性のバラツキも小さかった。なお、1150℃以
上の温度で焼成して得た酸化亜鉛バリスタも優れた特性
をしめすが、焼成の時に素体が変形したり、あるいは素
体同士くっつきあって歩留まりが低くなり、好ましくな
い。
【0113】表14には示されていないが、本発明の酸
化亜鉛系磁器組成物から酸化亜鉛バリスタを作成する
と、ロット間の電気特性のバラツキもロット内のバラツ
キと同様に小さかった。以上の結果、歩留まりが顕著に
向上した。
【0114】(実施例6) 配合を変えて合成粉末を2種類にして、熱処理温度を変
えて実施例1と同様の処理により磁器組成物を製造す
る。先ず、酸化ビスマスの粉末と酸化チタンの微粉末と
酸化アンチモンの微粉末とを重量比で89:8:3とな
るように混合し、550℃で5時間熱処理を施した。一
方、これとは別に、酸化ビスマスの粉体と酸化ホウ素の
微粉末とを混合し、この混合物に550℃で5時間熱処
理を施した。これら2者を重量比で97.5:2.5、
95.0:5.0、92.5:7.5、90.0:1
0.0、87.5:12.5、85.0:15.0、8
2.5:17.5、80.0:20.0の割合で配合
し、微粉砕することによって、8種類の酸化ビスマス/
酸化チタン/酸化アンチモン+酸化ビスマス/酸化ホウ
素の合成粉末を得た。この合成粉末を得るため、前記5
50℃で熱処理した混合物の粉砕は自動乳鉢により予め
粉砕すれば、それほど困難でなく、各粉末をそれぞれ粉
砕するのと同程度であった。
【0115】次いで、酸化亜鉛粉末と、前記酸化ビスマ
ス/酸化チタン/酸化アンチモン合成粉末+酸化ビスマ
ス/酸化ホウ素合成粉末と、酸化コバルト粉末と、二酸
化マンガン粉末とを、重量比で100:4.0:0.5
0:0.50となるように配合し、実施例1と同様にし
て、湿式法で混合し、粉砕した。得られた粉末を乾燥
し、これに前記ZnOが100重量部に対して酸化アル
ミニウム(Al23 )に換算して0.0013重量部
の酸化アルミニウムを含む硝酸アルミを水溶液の形で加
えて酸化亜鉛系磁器組成物とした。
【0116】次いで、実施例1と同様にして、酸化亜鉛
系磁器組成物を加圧成形してディスク状に成形し、この
成形体を大気雰囲気中、昇温速度50℃/時間で昇温
し、950℃で12時間保持した後、降温速度50℃/
時間で降温してそれぞれ焼結体を得た。各焼結体の試料
サイズは厚さ1.2mm、直径は14mmであった。
【0117】次いで、図1に示す酸化亜鉛バリスタを作
製し、得られた酸化亜鉛バリスタの電気特性を評価し
た。表15に試料組成を示し、表16に電気特性の評価
結果を示した。
【0118】
【表15】
【0119】
【表16】
【0120】表15及び表16より、本発明による酸化
亜鉛系磁器組成物から製造された酸化亜鉛バリスタは、
添加される酸化ビスマス/酸化チタン/酸化アンチモン
合成粉末と、酸化ビスマス/酸化ホウ素の比により耐電
圧が変わり、この比が、重量比で90〜12.5:10
〜87.5の範囲では、低電圧用酸化亜鉛バリスタが得
られ、より酸化ビスマス/酸化チタン/酸化アンチモン
合成粉末が酸化ビスマス/酸化ホウ素より多いと低電圧
用酸化亜鉛バリスタが得られ、87.5:12.5より
酸化ビスマス/酸化ホウ素が多いと高電圧用バリスタが
得られる。何れにおいても、α値が大きく、長時間の直
流負荷及びサージに対しても、立ち上がり電圧V1mA
変化率△V1mA/V1mAの絶対値が5%以下となり信頼性
に優れていた。
【0121】特に2種の合成粉末を得、この合成粉末を
用い酸化亜鉛系磁器組成物を構成しているので、750
℃という低温度で焼成しても、より効果的に液相反応が
制御でき、ZnO粒子を均一に成長させた酸化亜鉛バリ
スタを製造することができる。
【0122】なお表15の合成粉体の欄に括弧で、酸化
ビスマス/酸化チタン/酸化アンチモン合成粉末と、酸
化ビスマス/酸化ホウ素合成粉体の比を示す。アルミニ
ウム成分は、ZnO粒子中に固溶して、半導体のドナー
として働くので、ZnOの電気抵抗を低下させる効果が
ある。なお、合成粉末には酸化ホウ素の代わりにホウ酸
を用いても良い。
【0123】(実施例7)合成粉末に酸化クロムを添加
する配合とし、実施例1と同様の処理により磁器組成物
を製造する。先ず、酸化ビスマス(Bi23)の粉末
と、酸化チタン(TiO2 )の粉末と、酸化アンチモン
(Sb23)の粉末と酸化クロム(Cr23)(325
メッシュ通過)を重量比で88:9:2:1となるよう
に混合した。600℃で5時間熱処理を施した後、微粉
砕することによって、合成粉末(325メッシュ通過)
を得た。以下、酸化ビスマス、酸化チタン及び酸化アン
チモンと酸化クロムから、このようにして調製される合
成粉末を酸化ビスマス/酸化チタン/酸化アンチモン/
酸化クロム合成粉末と呼ぶ。この合成粉末の粉砕は自動
乳鉢により予め粉砕すれば、それほど困難でなく、各粉
末をそれぞれ粉砕するのと同程度であった。
【0124】酸化亜鉛粉末(ZnO)、前記酸化ビスマ
ス/酸化チタン/酸化アンチモン/酸化クロム合成粉
末、酸化コバルト(CoO)粉末と、二酸化マンガン
(MnO 2 )とを、前記酸化ビスマス/酸化チタン/酸
化アンチモン/酸化クロム合成粉末の量をかえながら重
量比が100:0.2〜20.0:0.954:0.4
14となるように配合した粉末を湿式法で混合し、粉砕
した。得られた粉末を乾燥し、酸化亜鉛系磁器組成物と
した。
【0125】次いで、電気特性と直流負荷の信頼性を評
価するため、図1に示す酸化亜鉛バリスタを作製する。
先ず、前記磁器組成物をディスク状に加圧成形し、この
成形体を大気雰囲気中、昇温速度50℃/時間で昇温
し、950℃で13時間保持した後、降温速度50℃/
時間で降温して焼結体を得た。焼結体の試料サイズは厚
さ1.2mm、直径は14mmであった。次いで、焼結
体11の両面にアルミニウムを溶射することによって、
アルミニウム層(図示せず)を形成した。次いで、図1
示すように、この両面に形成されたアルミニウム層の上
に銅を溶射することによって電極12を形成した。電極
12にハンダでリ−ド線13を付けた後、リード線以外
の成形体を塗装することによって酸化亜鉛バリスタを得
た。
【0126】上述のようにして得られた酸化亜鉛バリス
タの電気特性と直流負荷に対する信頼性を実施例1と同
様にして評価した。表17に試料の組成を、表18に電
気特性の評価結果を示す。なお、電気特性の評価結果を
示す数値は、ロット内の最小値と最大値を示す。
【0127】
【表17】
【0128】
【表18】
【0129】表17、表18からわかるように、本発明
による酸化亜鉛バリスタの製造方法で製造された酸化亜
鉛バリスタは、酸化ビスマス/酸化チタン/酸化アンチ
モン/酸化クロム合成粉末の量が低い0.2重量部(試
料番号#141)を除いて立ち上がり電圧が低く、長時
間の直流負荷に対しても、またサ−ジに対しても、立ち
上がり電圧V1mA の変化率△V1mA/V1mAの絶対値が5
%以下で、信頼性が優れていた。また、表18に示した
ように、ロット内の電気特性のバラツキも小さかった。
【0130】表18には示されていないが、本製造方法
で酸化亜鉛バリスタを作成すると、ロット間の電気特性
のバラツキもロット内バラツキと同様に小さかった。以
上の結果、歩留まりが顕著に向上した。なおBi23
TiO2 −Sb23合成粉末の添加量が20重量部を越
えると試料がくっつき測定が出来なかった(試料番号#
149)。
【0131】(比較例3)酸化ビスマス粉末と酸化チタ
ン微粉末と酸化アンチモン粉末と酸化クロム粉末を、合
成粉末としない従来の製造方法で、実施例7と同じ組成
の焼結体を用いて3種の酸化亜鉛バリスタを作製した。
【0132】酸化亜鉛粉末(ZnO)粉末と、酸化ビス
マス(Bi23)粉末と、酸化チタン(TiO2 )微粉
末と、酸化アンチモン(Sb23)粉末と、酸化クロム
(Cr23)、酸化コバルト(CoO)粉末と、二酸化
マンガン(MnO2 )粉末とを、重量比が100:0.
88:0.09:0.02:0.01:0.954:
0.414(#151)および100:1.76:0.
18:0.04:0.02:0.954:0.414
(#152)および100:4.4:0.45:0.
1:0.05:0.954:0.414(#173)と
なるように配合し、これら粉末を、湿式法で混合し、粉
砕した。得られた混合粉末を乾燥し、ディスク状に成形
した。これら成形体を大気雰囲気中、昇温速度50℃/
時間で昇温し、950℃で13時間保持したのち、降温
速度50℃/時間で降温して焼結体を得た。焼結体の試
料サイズは厚さ1.2mm、直径は14mmであった。
【0133】以下実施例1と同様にして、酸化亜鉛バリ
スタを作製し、得られた酸化亜鉛バリスタの電気特性を
評価した。表19に試料組成を示し、表20に電気特性
の評価結果を示した。
【0134】
【表19】
【0135】
【表20】
【0136】表19及び表20からわかるように、従来
の製造方法で作製された酸化亜鉛バリスタは、0.2ワ
ットの直流負荷後のV1mA が著しく低下し、直流負荷変
化率△V1mA/V1mAの絶対値が10%以上となった。ま
た、サージ変化率の絶対値も10%を越え、信頼性が著
しく低かった。また、表20に示したように、ロット内
のバラツキも大きかった。
【0137】表20には示されていないが、従来の方法
で製造した酸化亜鉛バリスタの電気特性のロット間のバ
ラツキは、ロット内のバラツキよりもさらに大きかっ
た。V 1mA/mm やα値が表20に示した値よりも低いバ
リスタが多かった。
【0138】すなわち、950℃という焼結温度は従来
の方法では低過ぎるので、酸化亜鉛バリスタの製造には
不適当であることがわかる。なお従来の方法を用いて
も、高温、たとえば、1250℃で焼成すると、かなり
良特性のバリスタがえられる。
【0139】上述したように、実施例1と比較例との比
較から明らかなように、本発明の低温焼結の製造方法に
よる酸化亜鉛バリスタは、初期電気特性、信頼性及びロ
ット内及びロット間の電気特性のバラツキ、いずれにお
いても、従来の製造方法による酸化亜鉛バリスタより優
れている。
【0140】(実施例8) 酸化クロムを用いる配合とし、熱処理温度を変えて、実
施例1と同様の処理により磁器組成物を製造する。先
ず、酸化ビスマスの粉末と酸化チタンの微粉末と酸化ア
ンチモンの微粉末とを重量比で81:9:10となるよ
うに混合し,550℃で5時間熱処理を施した。一方、
これとは別に、酸化ビスマスの粉体と酸化クロム(32
5メッシュ通過)の微粉末とを重量比で93:7となる
ように混合し、この混合物に550℃で5時間熱処理を
施した.これら2者を重量比で10:1の割合で配合し
微粉砕することによって、酸化ビスマス/酸化チタン/
酸化アンチモン+酸化ビスマス/酸化クロムの合成粉末
(325メッシュ通過)を得た。なお、熱処理温度が高
くなると粉砕が困難になるので好ましくない。
【0141】酸化亜鉛粉末、前記酸化ビスマス/酸化チ
タン/酸化アンチモン合成粉末+酸化ビスマス/酸化ク
ロムの、酸化コバルト粉末及び二酸化マンガン粉末を、
重量比が100:3.3:0.80:0.40となるよ
うに配合した粉末を湿式法で混合し粉砕した。得られた
粉末を乾燥し、前記ZnO100重量部に対してAl 2
3に換算して0.0013の重量の酸化アルミニウム
を含む硝酸アルミを水溶液の形で加えた。
【0142】その後、実施例1と同様に加圧成形し粉砕
しディスク状に成形した。得られた成形体を大気雰囲気
中、昇温速度50℃/時間で昇温し、700℃,750
℃,800℃,900℃,1000℃,1050℃,1
100℃,1150℃で15時間保持した後、降温速度
50℃/時間で降温して焼結体を得た。焼結体の試料サ
イズは厚さ1.2mm、直径は14mmであった。
【0143】以下実施例1と同様にして、酸化亜鉛バリ
スタを作製した。また、実施例1と同様に、得られた酸
化亜鉛バリスタの電気特性を評価した。表21に試料組
成を表22に電気特性の評価結果を示した。
【0144】
【表21】
【0145】
【表22】
【0146】表21、表22からわかるように、750
〜1150℃の温度範囲にわたり焼成した結果、本発明
による酸化亜鉛バリスタの製造方法で製造された酸化亜
鉛バリスタは、立ち上がり電圧が低く、長時間の直流負
荷に対しても、またサ−ジに対しても、立ち上がり電圧
1mA の変化率△V1mA/V1mAの絶対値が5%以下で、
信頼性が優れていた。また、表22に示したように、ロ
ット内の電気特性のバラツキも小さかった。なお、11
50℃以上の温度で焼成してえた酸化亜鉛バリスタも優
れた特性をしめすが、焼成の時素体が変形したり,ある
いは素体同士くっつきあって歩留まりが低くなり、好ま
しくない。
【0147】表22には示されていないが、本製造方法
で酸化亜鉛バリスタを作成すると、ロット間の電気特性
のバラツキもロット内のバラツキと同様に小さかった。
以上の結果、歩留まりが、顕著に向上した。
【0148】(実施例9) 配合を変え、合成粉末を2種類にし、熱処理温度を変え
て、実施例1と同様の処理により磁器組成物を製造す
る。先ず、酸化ビスマスの粉末と酸化チタンの微粉末と
酸化アンチモンの微粉末とを重量比で81:9:10と
なるように混合し,550℃で5時間熱処理を施した。
一方、これとは別に、酸化ビスマスの粉体と酸化クロム
の微粉末とを混合し、この混合物に550℃で5時間熱
処理を施した。これら2者を重量比で97.5:2.
5、95.0:5.0、92.5:7.5,90.0:
10.0,87.5:12.5,85.0:15.0,
82.5:17.5,80.0:20.0の割合で配合
し微粉砕することによって、5種類の酸化ビスマス/酸
化チタン/酸化アンチモン+酸化ビスマス/酸化クロム
の合成粉末(325メッシュ通過)を得た。なお、熱処
理温度が高くなると粉砕が困難になるので好ましくな
い。
【0149】酸化亜鉛粉末、前記酸化ビスマス/酸化チ
タン/酸化アンチモン合成粉末+酸化ビスマス/酸化ク
ロム合成粉末、酸化コバルト粉末及び二酸化マンガン粉
末を、重量比が100:4.0:0.50:0.50と
なるように配合し、湿式法で混合し粉砕した。得られた
粉末を乾燥し、これに前記ZnO 100重量部に対し
てAl23 に換算して0.0013の重量の酸化アル
ミニウムを含む硝酸アルミを水溶液の形で加えた。
【0150】その後、実施例1と同様に、加圧成形し粉
砕しディスク状に成形した。得られた成形体を大気雰囲
気中、昇温速度50℃/時間で昇温し、950℃で12
時間保持した後、降温速度50℃/時間で降温して焼結
体を得た。焼結体の試料サイズは厚さ1.2mm,直径
は14mmであった。
【0151】以下実施例1と同様にして、酸化亜鉛バリ
スタを作製した。また、実施例1と同様に、得られた酸
化亜鉛バリスタの電気特性を評価した。表23に試料組
成を表24に電気特性の評価結果を示した。
【0152】
【表23】
【0153】
【表24】
【0154】表23、表24より、本発明による酸化亜
鉛バリスタの製造方法で製造された酸化亜鉛バリスタ
は、添加される酸化ビスマス/酸化チタン/酸化アンチ
モン合成粉末と酸化ビスマス/酸化クロムの合成粉末の
比が、重量比で90:10より酸化ビスマス/酸化チタ
ン/酸化アンチモン合成粉末が酸化ビスマス/酸化クロ
ムより多いと低電圧用酸化亜鉛バリスタが得られ、8
7.5:12.5より酸化ビスマス/酸化クロムが多い
と高電圧用バリスタが得られる。何れにおいても、α値
が大きく、長時間の直流負荷に対しても、またサ−ジに
対しても、立ち上がり電圧V1mA の変化率△V1mA/V
1mAの絶対値が5%以下で、信頼性が優れていた。
【0155】特に2種の合成粉末を得、この合成粉末を
用いて酸化亜鉛系磁器組成物を構成しているので、75
0℃という低温度で焼成しても、より効果的に液相反応
が制御でき、ZnO粒子を均一に成長させた酸化亜鉛バ
リスタを製造することができる。
【0156】従って、上述のように、本発明の酸化亜鉛
系磁器組成物から製造された酸化亜鉛バリスタによれ
ば、組成を適宜に選んだ合成粉末を用いることによっ
て、ZnO粒子を狭い粒径分布で、大きい平均粒径から
小さい平均粒径の範囲の広範囲に亘って任意に選んだ平
均粒径のものを得ることができる。すなわち、電気特性
及び信頼性が優れた酸化亜鉛バリスタを高歩留まりで製
造することが可能になる。
【0157】また、本発明の磁器組成物を用いる酸化亜
鉛バリスタは750℃という低温で焼成できるので、電
力消費を少なくし、炉材・容器の消耗を少なくし、省エ
ネルギー、省資源にも大きく貢献する。
【0158】なお、前記実施例では、各合成粉末の粒度
を325メッシュ通過としたが、かなり粒径が大きくな
って、例えば30メッシュ通過としても良い特性の酸化
亜鉛バリスタが得られた。
【0159】
【発明の効果】以上のように、酸化ビスマスと酸化チタ
ンと酸化アンチモンとの混合粉を予め熱処理することに
よって調製された合成粉末を用いて酸化亜鉛系磁器組成
物を得る実施例によれば、焼成温度を850℃程度の低
温度まで下げても、ZnO粒子の成長を均一に促進する
ことができる。従って、本発明の酸化亜鉛系磁器組成物
によれば、組成を適宜に選んだ合成粉末を用いることに
よって、ZnO粒子を狭い粒径分布で、大きい平均粒径
から小さい平均粒径の広範囲に亘って任意に選んだ平均
粒径のものを得ることができる。すなわち、電気特性及
び信頼性が優れた酸化亜鉛バリスタを高歩留まりで製造
することが可能になる。
【0160】また、本発明の酸化ビスマスと酸化チタン
と酸化アンチモンとの混合粉を予め熱処理することによ
って調製された合成粉末からなる磁器組成物を用いる酸
化亜鉛バリスタは850℃程度の低温で焼成できるの
で、電力消費を少なくし、炉材・容器の消耗を少なく
し、省エネルギー、省資源にも大きく貢献する。
【0161】また、酸化ビスマスと酸化チタンと酸化ア
ンチモンと酸化ホウ素の混合粉からか、または、酸化ビ
スマスと酸化ホウ素及び酸化ビスマスと酸化チタンと酸
化ア酸化アンチモンとの混合粉から合成粉末を得、この
合成粉末を用い酸化亜鉛系磁器組成物を構成する発明に
よれば、750℃程度の低温度で焼成しても、ZnO粒
子を均一に成長させた酸化亜鉛バリスタを製造すること
ができる。従って、本発明の酸化亜鉛系磁器組成物から
製造された酸化亜鉛バリスタによれば、組成を適宜に選
んだ合成粉末を用いることによって、ZnO粒子を狭い
粒径分布で、大きい平均粒径から小さい平均粒径の範囲
の広範囲に亘って任意に選んだ平均粒径のものを得るこ
とができる。すなわち、電気特性及び信頼性が優れた酸
化亜鉛バリスタを高歩留まりで製造することが可能にな
る。なお、合成粉末には酸化ホウ素の代わりにホウ酸を
用いても良い。
【0162】このように、本発明の酸化ビスマスと酸化
チタンと酸化アンチモンと酸化ホウ素の混合粉からから
なる磁器組成物を用いる酸化亜鉛バリスタは750℃程
度の低温で焼成できるので、電力消費を少なくし、炉材
・容器の消耗を少なくし、省エネルギー、省資源にも大
きく貢献する。
【0163】さらに、酸化ビスマスと酸化チタンと酸化
アンチモンと酸化クロムの混合物またはその1部を予め
熱処理することによって調製された合成粉末を用いる発
明によっても、ZnO粒子の成長を750℃程度の低温
度まで下げても均一に促進する。従って、酸化ビスマス
と酸化チタンと酸化アンチモンと酸化クロムの混合物ま
たはその一部を予め熱処理することによって調製された
合成粉末を用いる本発明によれば、平均粒径が大きく、
粒径分布が狭いZnO粒子の焼結体が得られる。或いは
組成によっては平均粒径が小さく、粒径分布が狭いZn
O粒子の焼結体が得られる。すなわち、電気特性及び信
頼性が優れた酸化亜鉛バリスタを高歩留まりで製造する
ことが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例により製造された酸化亜鉛バ
リスタの概略を示す斜視図である。
【符号の説明】
11 酸化亜鉛焼結体 12 電極 13 リ−ド線
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭50−76589(JP,A) 特開 昭49−82996(JP,A) 特表 平5−502333(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01C 7/02 - 7/22

Claims (19)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 主成分の酸化亜鉛100重量部に対し
    て、少なくとも酸化ビスマスと酸化チタンと酸化アンチ
    モンとの混合粉が450〜850℃において熱処理され
    て調製されてなる合成粉末が0.2〜20重量部添加
    されてなる酸化亜鉛系磁器組成物。
  2. 【請求項2】 混合粉が酸化ビスマスと酸化チタンと酸
    化アンチモンとホウ素酸化物とからな請求項1に記載
    の酸化亜鉛系磁器組成物。
  3. 【請求項3】 混合粉が酸化ビスマスと酸化チタンと酸
    化アンチモンと酸化クロムとからな請求項1に記載の
    酸化亜鉛系磁器組成物。
  4. 【請求項4】 ビスマス成分の添加量が、酸化亜鉛10
    0重量部に対してBi23換算で0.3〜10.0重量
    部である請求項1〜3のいずれか1項に記載の酸化亜鉛
    系磁器組成物。
  5. 【請求項5】 チタン成分の添加量が、酸化亜鉛100
    重量部に対してTiO2換算で0.1〜5.0重量部で
    ある請求項1〜3のいずれか1項に記載の酸化亜鉛系磁
    器組成物。
  6. 【請求項6】 アンチモン成分の添加量が、酸化亜鉛1
    00重量部に対してSb23換算で0.02〜2.5重
    量部である請求項1〜3のいずれか1項に記載の酸化亜
    鉛系磁器組成物。
  7. 【請求項7】 ホウ素酸化物がホウ酸である請求項2に
    記載の酸化亜鉛系磁器組成物。
  8. 【請求項8】 ホウ素酸化物が酸化ホウ素である請求項
    2に記載の酸化亜鉛系磁器組成物。
  9. 【請求項9】 合成粉末を添加した酸化亜鉛を主成分
    とする原料粉末に、アルミニウム成分が酸化亜鉛100
    重量部に対して、酸化アルミニウム換算で0.0006
    2〜0.372重量部が含まれてなる請求項1〜8のい
    ずれか1項に記載の酸化亜鉛系磁器組成物。
  10. 【請求項10】 少なくとも酸化ビスマスと、酸化チタ
    ンと、酸化アンチモンとからなる混合粉に450〜85
    0℃において熱処理を施して合成粉末を調製する工程
    と、該合成粉末を酸化亜鉛を主成分とする原料粉末に添
    加する工程とからなる酸化亜鉛系磁器組成物の製造方
    法。
  11. 【請求項11】 合成粉末を調製する工程が、酸化ビス
    マスと酸化チタンと酸化アンチモンとホウ素酸化物とか
    らなる混合粉が熱処理されて調製されてなる請求項10
    に記載の酸化亜鉛系磁器組成物の製造方法。
  12. 【請求項12】 合成粉末を調製する工程が酸化ビス
    マスとホウ酸の混合粉に熱処理を施して合成粉末を調製
    し、ホウ素成分を添加するものである請求項11に記載
    の酸化亜鉛系磁器組成物の製造方法。
  13. 【請求項13】 合成粉末を調製する工程が酸化ビス
    マスと酸化ホウ素の混合粉に熱処理を施して合成粉末を
    調製し、ホウ素成分を添加するものである請求項11に
    記載の酸化亜鉛系磁器組成物の製造方法。
  14. 【請求項14】 合成粉末を調製する工程が、酸化ビス
    マスと酸化チタンと酸化アンチモンの混合粉に熱処理を
    施して粉砕することにより調製する工程と酸化ビスマス
    とホウ酸の混合粉に熱処理を施して粉砕することにより
    調製する工程とからなり、合成粉末を酸化亜鉛を主成分
    とする原料粉末に添加する工程が前記調製した2種の
    合成粉末を添加する工程である請求項10、11または
    12に記載の酸化亜鉛系磁器組成物の製造方法。
  15. 【請求項15】 合成粉末を調製する工程が、酸化ビス
    マスと酸化チタンと酸化アンチモンの混合粉に熱処理を
    施して粉砕することにより調製する工程と酸化ビスマス
    と酸化ホウ素の混合粉に熱処理を施して粉砕することに
    より調製する工程とからなり、合成粉末を酸化亜鉛を
    成分とする原料粉末に添加する工程が前記調製した2
    種の合成粉末を添加する工程である請求項10、11ま
    たは13に記載の酸化亜鉛系磁器組成物の製造方法。
  16. 【請求項16】 合成粉末を調製する工程が、酸化ビス
    マスと酸化チタンと酸化アンチモンと酸化クロムとから
    なる混合粉が熱処理されて調製されてなる請求項10に
    記載の酸化亜鉛系磁器組成物の製造方法。
  17. 【請求項17】 合成粉末を調製する工程が、酸化ビス
    マスと酸化チタンと酸化アンチモンの混合粉に熱処理を
    施して粉砕することにより調製する工程と酸化ビスマス
    と酸化クロムの混合粉に熱処理を施して粉砕することに
    より調製する工程とからなり、合成粉末を酸化亜鉛を
    成分とする原料粉末に添加する工程が前記調製した2
    種の合成粉末を添加する工程である請求項10または1
    6に記載の酸化亜鉛系磁器組成物の製造方法。
  18. 【請求項18】 酸化亜鉛を主成分とする原料粉末に合
    成粉末を添加する工程の後にアルミニウム成分を添加す
    る工程を含んでなる請求項10〜17のいずれか1項に
    記載の酸化亜鉛系磁器組成物の製造方法。
  19. 【請求項19】 酸化亜鉛多結晶体の酸化亜鉛結晶粒子
    内に、該結晶粒子のc面に平行に、ミクロン又はサブミ
    クロンの細長い形状の高密度の欠陥を構成して、低温度
    で焼結するビスマス成分とチタン成分とアンチモン成分
    を含有させる請求項10、11または16項に記載の酸
    化亜鉛系磁器組成物の製造方法。
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