JPH0679777U - 織機の緯糸通し装置 - Google Patents

織機の緯糸通し装置

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JPH0679777U
JPH0679777U JP1965793U JP1965793U JPH0679777U JP H0679777 U JPH0679777 U JP H0679777U JP 1965793 U JP1965793 U JP 1965793U JP 1965793 U JP1965793 U JP 1965793U JP H0679777 U JPH0679777 U JP H0679777U
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weft
slack
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nozzle
attitude control
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JP1965793U
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Inventor
隆 小笠原
健一 中島
哲弘 梶原
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日産テクシス株式会社
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本考案は、緯糸たるみを変形する緯糸方向を
変えてしまうようなたるみ変形手段を緯糸牽引装置と姿
勢制御ノズルの間に置く織機において、緯糸引き通し
時、引き通しミスを生じないような緯糸引き通し装置を
提供することを目的とする。 【構成】 測長貯留装置3からの緯糸Yを一対の回転ロ
ーラ11,12の間に挟持牽引する緯糸牽引装置10と
姿勢制御ノズル18との間に設けられ、緯糸たるみを変
形させるバッフル部材44は、緯糸Yの引き通し時に、
エアシリンダ73によって一時的にその円錐軸線が姿勢
制御ノズル18を指向するように作動される。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は織機の始動(自動停止後の再始動時も含む)の準備のための緯糸通し 装置に関し、特に緯糸を一対の回転ローラの間に挟持牽引する緯糸牽引装置を備 えた織機の緯糸通し装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
織機にはノズルから流体を噴射して緯糸を飛走させ、緯入れを行う緯入れ装置 を備えたものがある。この緯入れ装置は、流体により高速で緯入れを行えること から生産性の向上という点では、極めて優れた効果を奏しているが、例えば流体 として空気を噴射して緯糸を飛走させる場合は、空気と緯糸との摩擦力により緯 糸を牽引していくので、空気の消費量が大きく、エネルギー消費量の面で解決す べき課題が残されている。
【0003】 そこで、空気の消費を節減した緯入れ装置として、特開平4−436237号 公報に記載された発明が知られている。この発明は、上記従来例と同様に、測長 貯溜装置と流体噴射を行う姿勢制御ノズルとの間に、回転するローラにより緯糸 を挾持牽引する緯糸牽引装置を設けたものであるが、ローラの回転をサーボモー タを用いて行い、主軸の回転に同期して制御することにより、緯糸を最初は低速 で挾持し、緯入れ途中は拘束で飛走させ、解放時には再び低速に戻すように構成 されている。しかし、この緯入れ装置は、サーボモータを用いてローラの回転速 度制御を行う必要があり、織機主軸の回転速度を高速にした場合は、緯入れごと にローラの回転速度を大きく変化させるといった制御が追従できなくなり、実用 化が難しい。実用化できたとしても高度な応答性と精度を備えた非常に高価な制 御装置や急激に大トルクを発生するといったモータを必要とするので採用し難い ものである。
【0004】 そこで、本出願人は以下の装置の提案を行った。
【0005】 それは、互いに接触し合う一対のローラ(一方は金属性で他方がゴム製のロー ラ)を常時回転させ、外部に設けられたトラバースレバーを以て緯糸をガイドし ながらこの回転ローラ間に緯糸を挿脱し、以てローラによる緯糸挟持、非挟持に より断続的に緯入れするものである。
【0006】 この織機には、上記緯糸牽引装置と、牽引された緯糸を流体噴射により経糸開 口内に飛走させて緯入れを行う姿勢制御ノズルとの間に、その軸線が水平方向よ り傾斜された円錐筒状のヤーンガイドが設けられており、牽引された緯糸はこの ヤーンガイドの内壁面に当たることで一時この内壁面に貯留され、その進行方向 を変えられて姿勢制御ノズルへと導かれるようになっている。
【0007】 これは、ローラ牽引初期において、ローラによる緯糸送り出し速度が姿勢制御 ノズルからの流体噴射速度よりも早くなって緯糸のたるみが生じ、この結果姿勢 制御ノズルに緯糸が詰まって緯入れ不良が発生したり、たるみが残ったまま緯入 れされて織り傷が発生したりするのに対処して設けられたものであって、傾斜し たバッフル部材の内壁面に緯糸を当てることで、ここでたるみを変形し、出来る だけたるみをなだらかにしようとするものである。
【0008】 尚、本願出願人は、上述したタイプの緯糸牽引装置に関連して、始動時の緯糸 通しを自動化する緯糸通し装置も提案している。
【0009】 この装置は、姿勢制御ノズルと測長貯留装置との間にスリット付き案内パイプ を設けたものであって、その中間部をローラトラバースレバーから退避して湾曲 させると共にスリットをローラ側に位置させ、更に測長貯留装置側に、噴射空気 によって緯糸を案内パイプに引き通す糸通しノズルを設けると共に、姿勢制御ノ ズル側に、案内パイプを経てきた最初の緯糸を吸引してこの緯糸をローラ側に引 き出してトラバースレバーに位置させるようにしたものである。
【0010】
【考案が解決しようとする課題】
しかしながら、上述したように緯糸を流体によって測長貯留装置から案内パイ プを経由して姿勢制御ノズルへと引き通すようにした場合、現実には緯糸たるみ に当接して変形させるためのバッフル部材が邪魔となり、緯糸引き通しのための 流体が直接姿勢制御ノズルを指向するようにはなっていないため、緯糸の先端が 姿勢制御ノズルに流入しない恐れがあり、結果緯糸の引き通しミスが発生する可 能性が高い。
【0011】 本考案は上述した問題点に鑑み、緯糸たるみを変形するための機構を緯糸牽引 装置と姿勢制御ノズルの間に置くものにおいて、緯糸引き通し時、引き通しミス を生じないような緯糸引き通し装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため本考案によれば、測長貯溜装置からの緯糸を一対の回 転ローラの間に挟持牽引する緯糸牽引装置と、牽引された緯糸を流体噴射により 経糸開口内に飛走させて緯入れを行う姿勢制御ノズルとの間に、緯糸牽引装置か らの緯糸に当接してたるみを変形させるたるみ変形手段を介装させた織機の前記 緯糸牽引装置と姿勢制御ノズルの間で、流体により緯糸を引き通す緯糸通し装置 であって、 緯糸の引き通し時に、上記たるみ変形手段を経た緯糸を上記姿勢制御ノズルに 指向させる緯糸方向調整手段を設けた。
【0013】
【作用】
緯糸の引き通し時には、まだその先端が姿勢制御ノズルへ到達していないため 、当然ながら緯糸にたるみは生じない。
【0014】 従って、この時には、たるみ変形手段を経た緯糸の方向を調整して姿勢制御ノ ズルへと指向させることで、姿勢制御ノズルへの緯糸流入を補助する。
【0015】
【実施例】
以下に本考案の一実施例を説明する。
【0016】 先ず、本考案に係る緯糸通し装置を適用する織機の緯入れ装置について主に図 1により説明する。
【0017】 尚、図1は基本的には正面図であるが、要部については平面図(A矢視図)を 併記してある。また、図1とは作動状態が若干異なるが、図2に要部の拡大平面 図(A矢視図)、図3に拡大B矢視図を示してあり、必要に応じ参照することと する。
【0018】 図1を参照し、緯糸Yは給糸体(パッケージ)1から引き出された後、ドラム 式測長貯留装置3の回転ヤーンガイド8に導かれている。
【0019】 ドラム式測長貯留装置3は、モータ(図示せず)により回転駆動される回転体 4と、この回転体4の先端軸部に相対回転自在に支持されて静止状態に保持され た綛枠状のドラム(ワイヤドラム)5と、ソレノイド6により駆動されてドラム 5の先端側周面にて凹部(ドラムを構成するワイヤ間)に突入・退出する測長爪 7と、回転体4に取付けられてこれと一体に回転し緯糸Yをドラム5に巻付ける パイプ状の回転ヤーンガイド8とを備える。ここで、回転ヤーンガイド8は、入 口部が回転体4の中心線上に位置し、途中で屈曲して、出口部がドラム5回りに 位置し、この出口部の回転により緯糸Yをドラム5に巻付ける。
【0020】 測長貯留装置3からの緯糸Yはヤーンガイド(バルーニングカバー)9を経て ローラ式牽引装置10に導かれ、更に姿勢制御ノズル(主ノズル)18へ導かれ ている。
【0021】 ヤーンガイド9は、測長貯留装置3側が大径で緯糸Yの進行する下流に向かっ て次第に小径になるように形成されている。
【0022】 ローラ式緯糸牽引装置10は、ヤーンガイド9と姿勢制御ノズル18との間で 緯糸Yを挟持して牽引することのできる一対の牽引用ローラ11,12と、ヤー ンガイド9と牽引用ローラ11,12との間に設けられて緯糸Yの経路を切換え る切換装置としてのトラバースレバー15とからなる。
【0023】 一対の牽引用ローラ11,12のうち、大径のローラ11は、モータ13によ り回転駆動されて織機運転中ほぼ一定速度で回転するようになっている。そして 、この大径のローラ11の上方に対をなす小径のローラ12が配置されている。 この小径のローラ12は、揺動可能に取付けられてスプリングにより付勢された アーム(図示せず)の自由端に回転自在に取付けられていて、大径のローラ11 側に押付けられている。そして、両ローラ11,12間に挟持されることにより 緯糸Yが牽引されるようになっている。
【0024】 トラバースレバー15は、その基端部をロータリーソレノイド14の出力軸に 固定してある。トラバースレバー15の先端部は一対の牽引用ローラ11,12 の接触面近傍に延設されており、この延長端部は上方に折曲げられていて、ここ に緯糸Yを挿入する糸通し溝16が形成されている。(図3参照)。また、この 糸通し溝16への緯糸Yの挿入を容易にするため、糸通し溝16の入口側にはテ ーパが付けられている。
【0025】 図2には、ロータリーソレノイド14によるトラバースレバー15の揺動を示 しており、これにより、通常作動時緯糸Yが一対の牽引用ローラ11,12間に 引き込まれたり、引き抜かれたりする。
【0026】 すなわち、トラバースレバー15が実線示の位置に停止している場合には、緯 糸Yは、ローラ11,12間の経路から変位した経路にあって、ローラ11,1 2間から引き抜かれている。
【0027】 姿勢制御ノズル18は、筬保持体(図示せず)の緯入れ側端部に取付けられて いて、経糸開口を指向しており、空気噴射により緯糸Yの姿勢を制御しつつ飛走 させる。
【0028】 また、この姿勢制御ノズル18からの緯糸Yの先端部を空気噴射により次々と 吹送るため、複数の補助ノズル19が設けられている。
【0029】 複数の補助ノズル19は、筬保持体に緯入れ経路に沿って所定間隔で取付けら れており、緯入れ側のものから反緯入れ側のものへと所定期間ずつ順次空気噴射 を行って、緯糸Yの飛走先端部を追いかけるようにリレー噴射し、このリレー噴 射によって緯糸Yが筬に形成された緯糸案内溝を通って経糸開口内を飛走し緯入 れされる。
【0030】 また、姿勢制御ノズル18と経糸W列との間にカッター20が設けられている 。カッター20は、緯入れされた緯糸Yが筬打された後に、その下刃がロータリ ーソレノイド(図示せず)により駆動されて、緯糸Yを切断する。尚、図示しな いが経糸W列の反緯入れ側にもカッターが設けられている。
【0031】 緯入れ装置の各アクチュエータの作動は制御装置100により制御され、この 制御のため、制御装置100には織機主軸の回転角度を検出するアングルセンサ (図示せず)等から信号が入力されている。
【0032】 次に、本考案に係る緯糸通し装置を含むオートスタート装置の構成について主 に図1により説明する。
【0033】 給糸体1は給糸体自動交換装置25にセットされている。
【0034】 未使用の給糸体1において緯糸Yの先端は巻管1a内にセットされており、給 糸体の交換時は給糸ノズル29からの巻管内への噴射空気により緯糸Yの先端が 受渡されるようになっている。
【0035】 給糸体1と測長貯留装置3との間にはブースタ付テンサー30が設けられてお り、緯糸Yはこれに引き通されている。また、ブースタ付テンサー30の入口側 には緯糸Yの有無を検知する光電式のセンサ31が設けられている。
【0036】 ブースタ付テンサー30から引き出された緯糸Yは測長貯留装置3の回転ヤー ンガイド8の入口部に向かうが、ブースタ付テンサー30からの引き出し方向( ブースタ付テンサー30の噴射方向)と回転ヤーンガイド8への引き通し方向と は回転ヤーンガイド8の入口部付近で直交するようになっている。
【0037】 また、ブースタ付テンサー30と回転ヤーンガイド8との間の糸道を挟んで、 緯糸を把持する一対のグリッパ32,33が設けられている。一方のグリッパ3 2は支持体34により支持され、他方のグリッパ33はエアシリンダ35の先端 に回転自在に保持されている。従って、エアシリンダ35の突出作動によりグリ ッパ33が移動して、グリッパ32との間に緯糸Yを把持する。
【0038】 また、ブースタ付テンサー30の噴射方向下流に案内パイプ36が設けられ、 この案内パイプ36の下流にサクションパイプ37が設けられている。そして、 案内パイプ36とサクションパイプ37との間には電磁駆動式のカッター38が 設けられている。
【0039】 また、回転ヤーンガイド8の入口部に対向させて、糸通しノズル39が設けら れている。
【0040】 測長貯留装置3には、ドラム5上の緯糸Yが解舒されるのを検知する光電式の センサ40と、給糸体1から測長貯溜装置3の間で糸切れした際、不良緯糸を姿 勢制御ノズル18によってドラム5から引き出し、緯糸除去装置200で除去す るときに、回転ヤーンガイド8の出口部より出て来た切断端部が、ドラム5上で 引き出される緯糸にからむのを防止するために、緯糸引き出し側か巻き付け側に 流体を噴射する流体噴射ノズル46が設けられている。
【0041】 ヤーンガイド9と姿勢制御ノズル18との間には、緯糸案内パイプ41が設け られている。この緯糸案内パイプ41の側部には入口側端部から出口側端部に至 るスリット42が形成されている(図3参照)。また、この緯糸案内パイプ41 は、図2に示すように、その中間部が緯糸経路のローラ式牽引装置10,トラバ ースレバー15から退避するように湾曲させ、かつスリット42を緯糸経路側に 位置させて、固定配置してある。
【0042】 この場合、緯糸案内パイプ41を可撓性部材にて形成すれば、上流側装置と下 流側装置とがどこに設置されても簡単に緯糸案内パイプ41の位置設定ができる 。
【0043】 緯糸案内パイプ41の上流側のヤーンガイド9には、噴射空気により緯糸Yを 吹送って緯糸案内パイプ41内に引き通す空気噴射手段として、糸通しノズル4 3が設けられている。
【0044】 緯糸案内パイプ41の下流側には本考案の重要構成要件であるバッフル部材4 4が設けられ、さらに下流側の姿勢制御ノズル18には、その入口部に、緯糸Y を吸引して引き込むと共に緯糸案内パイプ41内の緯糸Yをスリット42を介し て緯糸経路上に引き出す吸引手段として、は姿勢制御ノズル18の噴射空気が用 いられる。尚、このバッフル部材44周囲の機構及び作用に関しては後で詳しく 説明する。
【0045】 姿勢制御ノズル18の上方には緯糸除去装置200が固定ブラケット50上に 設置され、これにはエアモータ51によりその出力軸回りを揺動するく字状の受 渡しアーム52、吸引噴射パイプ53と、一対の巻取りローラ54,55と、サ クションパイプ56とが設けられている。
【0046】 吸引噴射パイプ53は、中間部内周に設けた空気噴射口からの空気噴射により 入口側に吸引気流を生じ、出口側に噴射気流を生じるものである。
【0047】 一対の巻取りローラ54,55のうち、下側の巻取りローラ54は、円錐台状 で、モータ57により回転駆動可能である。上側の巻取りローラ55は下向きの 円錐台状で、エアシリンダ58の先端部に周方向に回転自在に保持されており、 エアシリンダ58の突出作動により下方に移動して下側の巻取りローラ54との 間に緯糸Yを把持すると共に、この状態で下側の巻取りローラ54の回転に従動 するようになっている。
【0048】 図4は、本考案の特徴部分を示すローラ式牽引装置10周囲の外観斜視図であ る。尚、図示するローラ式牽引装置10は2本の緯糸牽引を可能とするべく構成 されているが、当然ながら1本だけの緯糸牽引でもその基本構造は本構造と何ら 変わらない。
【0049】 以下、本図を参照して本考案の重要な構成要件であるたるみ変形手段70につ いて説明する。たるみ変形手段70は、スタンド71の起立壁72に取り付けら れたバッフル部材44より構成される。
【0050】 このバッフル部材44は、図示するように円錐筒状に形成されたものであり、 緯糸入口となる径大側が緯糸案内パイプ41に対向し、緯糸出口となる径小側が ほぼ姿勢制御ノズル18側に向き、通常の牽引時(緯糸引き通し時ではない)に は径大側が上向くように円錐の軸線が水平方向に対して傾斜するように設置され 、ローラ11,12より緯糸Yが送られる方向に対して傾斜している。
【0051】 しかして、この傾斜によりローラ11,12から水平方向に送り出された緯糸 Yのたるみがバッフル部材44の内周面に当接することになり、たるみはここで 3次元的形態から変形して、なだらかな曲線の形態に展開し、姿勢制御ノズル1 8からの牽引によりバッフル部材44を出て行くのである。これにより、姿勢制 御ノズル18でたるみ部が引っかかったり、あるいは織布にたるみ部が残って織 り傷となるのを防止する。
【0052】 このように構成されるたるみ変形手段70にあって、本考案の第1実施例によ れば、バッフル部材44の下方には、緯糸引き通し開始時にバッフル部材44自 体の傾斜角度を変え、円錐の軸線が姿勢制御ノズル18を向くようにするエアシ リンダ73が設けられる。
【0053】 このエアシリンダ73は図示するようにバッフル部材44の径大側部分を係止 してバッフル部材44を支点74周りで回動させるものであり、その作動は制御 装置100によって制御され、例えば緯糸引き通し時に緯糸案内パイプ41の入 口側に設けられた光電式センサ75が、緯糸Yの存在を検知した時、制御装置1 00はエアシリンダ73に対して作動信号を出力する。
【0054】 以上のように構成された本実施例に係る緯糸通し装置の作動を、例えば給糸体 1近傍で緯糸切れが生じた場合を例にとり、図1を参照しながら説明する。
【0055】 給糸体1付近で緯糸Yが切れた場合は、まず織機停止に引き続き測長貯留装置 3上の緯糸を除去した上で、第1の緯糸引き通し動作を行う。
【0056】 即ち、ここではブースタ付テンサー30のテンサー部を固示しないアクチュエ ータにより、開放状態にし、空気噴射を開始すると共に、サクションパイプ37 の吸引を開始する。この状態で、給糸ノズル29を噴射させ、新たな給糸体1の 巻管内にセットされている緯糸Yの先端をブースタ30へ吹き送る。この緯糸Y の先端は図1の2点鎖線に示すように、ブースタ付テンサー30の吸引・噴射に より更に吹送られて、案内パイプ36を通過し、サクションパイプ37内に吸引 される。
【0057】 センサ31の糸有り検知後、所定時間待って、ブースタ付テンサー30の噴射 を停止する。そして、シリンダ35をONにしてグリッパ33を固定側のグリッ パ32に圧接させ、これらの間に緯糸Yを把持する。そして、案内パイプ36と サクションパイプ37との間でカッター38により緯糸Yを切断して、余分な糸 をサクションパイプ37により吸引除去させる。この後、サクションパイプ37 による吸引を停止する。
【0058】 次に第2の引き通し動作(測長貯留装置3から姿勢制御ノズル18までの緯糸 Yの引き通し動作)を下記のように行う。
【0059】 糸通しノズル39を噴射させて、噴射空気をグリッパ32,33と案内パイプ 36との間の緯糸Yに作用させ、緯糸Yを回転ヤーンガイド8内へ吹送る。この 噴射空気は回転ヤーンガイド8内を流れた後、その出口から噴射し、ヤーンガイ ド9へ向かう。その後、シリンダ35をOFFにしてグリッパ32,33を開放 し、緯糸Yの回転ヤーンガイド8内への引き通しが開始される。
【0060】 緯糸Yが回転ヤーンガイド8内へ安定して引き通されると共に、緯糸Yの先端 が回転ヤーンガイド8の出口部からヤーンガイド9へ達する。
【0061】 緯糸Yがヤーンガイド9に達する時点で、糸通しノズル39の噴射を停止させ 、ヤーンガイド9に備えられた糸通しノズル43及び姿勢制御ノズル18より空 気を噴射させる。すると、緯糸Yは糸通しノズル43の噴射空気により吹送られ て、緯糸案内パイプ41に引き通される。この緯糸案内パイプ41は湾曲してい るが、噴射空気が湾曲した緯糸案内パイプ41に沿って案内されるから、緯糸Y も湾曲した緯糸案内パイプ41に沿って引き通され、バッフル部材44の径大側 部分に達する。
【0062】 この時、バッフル部材44においては、織機停止時に制御装置100によって エアシリンダ73が作動され、図5に拡大して示すように、その円錐の軸線が姿 勢制御ノズル18を向くように枢動されている。従って、噴射空気はバッフル部 材44の緯糸出口となる経小側から姿勢制御ノズルに指向して流れ、緯糸Yはス ムーズにバッフル部材44を引き通され姿勢制御ノズル18の入口部に達する。
【0063】 緯糸Yが緯糸案内パイプ41を通って姿勢制御ノズル18の入口部45に達す る時点で緯糸Yが吸引される、緯糸Yが姿勢制御ノズル18に引き通されると共 に、緯糸Yに最短距離を通るように張力が働くため、緯糸案内パイプ41内の緯 糸Yがスリット42を介して緯糸経路側に引き出される。(図2の2点鎖線参照 )。
【0064】 緯糸Yがスリット42を介して緯糸経路側に引き出される過程で、図3の矢印 で示すように緯糸Yはトラバースレバー15のテーパ部に載り、これに案内され て、糸通し溝16に挿入される。
【0065】 その後、緯糸Y先端部は経糸開口列側に至るが、吹上げノズル201により吹 上げられる。
【0066】 そして、エアモータ51により受渡しアーム52を回動させ、逆U字状の緯糸 Yを連行して吸引噴射パイプ53の入口部へ受渡し、これに吸引させる。尚、こ の受渡しの直前に吹上げノズル201の噴射を停止させる。吸引噴射パイプ53 内に吸引された緯糸Yは、さらに噴射空気の作用を受け、巻取りローラ54,5 5の端面部の把持部に引き通される。
【0067】 そして、所定時間後に、シリンダ58により巻取りローラ54を下動させて、 巻取りローラ54に圧接し、これらの間に緯糸Yを把持する。
【0068】 そして、織機を前進させて緯糸Yをカッター20の位置に移動させ、カッター 20を切断動作させて、姿勢制御ノズル18の先端付近で緯糸Yを切断する。
【0069】 そして、駆動側巻取りローラ55をモータ57により回転駆動する。これにより 、従動側巻取りローラ54も回転する。これによって、吸引噴射パイプ53の噴 射により緯糸Yを巻付け方向に牽引しつつ、巻取りローラ54,55の周囲に緯 糸Yを巻取る。これにより、緯糸Wの開孔から緯糸Yが引き抜かれる。
【0070】 そして、織機は再始動する。
【0071】 以上説明したように、本実施例では緯糸Yの引き通し時に、エアシリンダ73 によってバッフル部材44を移動させて、ここを通過する緯糸Yが直接、姿勢制 御ノズル18を向かうようにしたためスムーズに姿勢制御ノズル18への緯糸引 き通しが行われる。
【0072】 図6に本考案の第2実施例を示す。尚、本実施例で先の実施例と同様な構成要 素は同一なる参照番号を付すことにする。
【0073】 先の実施例が直接バッフル部材44を作動させたのに対し、この実施例ではバ ッフル部材44は固定された状態で姿勢制御ノズル18との間に屈曲した偏向板 76がスタンド71に固定される。
【0074】 この偏向板76は、緯糸案内パイプ41→バッフル部材44と流れる噴射空気 を、バッフル部材44を出た直後に斜め上方に偏向させて、その噴射流が姿勢制 御ノズル18へと向かうようにしたものであり、この流れ変化によってバッフル 部材44を通った緯糸Yは姿勢制御ノズル18へと向かって、第1実施例同様、 スムーズに引き通しされることになる。
【0075】 尚、この第2実施例に関連するものとしては、偏向板76の代わりに、図7に 示すようにスタンド71に流体噴射ノズル77を設け、緯糸引き通し時、矢印方 向に空気噴射して緯糸Yの流動を姿勢制御ノズル18へと向かわせるようにして も良い。又、図示しないが、前述した偏向板76と流体噴射ノズル77を組み合 わせて、その偏向作用を高めるようにしても良い。
【0076】 以上、本考案による緯糸引き通し装置を、たるみ変形手段による緯糸流れ方向 を変える幾つかの実施例に例をとり説明してきたが、結果としてたるみ変形手段 を経た後の緯糸が姿勢制御ノズルを指向することになれば、その緯糸方向を調整 する手段はこれらの実施例に限定されるものではない。又、第1実施例ではバッ フル部材44を作動させるための手段としてエアシリンダ74を用いたが、機械 的に作動されるアクチュエータを用いても良いし、その具体的手段は限定されな い。
【0077】
【考案の効果】
以上説明したように本考案によれば、通常の製織時において、たるみ変形手段 を経た緯糸の方向が姿勢制御ノズルに指向しなくとも、緯糸引き通し時、たるみ 変形手段通過後の緯糸の方向を調整する手段を設けたため、容易に緯糸を姿勢制 御ノズルへと指向させることができ、従って緯糸の引き通しが確実に行なわれる 。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案による一実施例を示す緯糸引き通し装置
を備える織機構成を示した概略図である。
【図2】図1の要部を矢印A方向から見た図である。
【図3】図1の線B−Bに沿う要部断面図である。
【図4】図1の緯糸牽引装置周囲を示す外観斜視図であ
る。
【図5】本考案の第1実施例による緯糸方向調整を示す
装置作動図である。
【図6】本考案の第2実施例による緯糸方向調整を示す
装置作動図である。
【図7】第2実施例に類似した本考案の第3実施例によ
る装置作動図である。
【符号の説明】
Y 緯糸 3 測長貯留装置 10 緯糸牽引装置 11,12 ローラ 18 姿勢制御ノズル 44 バッフル部材(たるみ変形手段) 73 エアシリンダ 75 光電式センサ 100 制御装置

Claims (4)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 測長貯留装置からの緯糸を一対の回転ロ
    ーラの間に挟持牽引する緯糸牽引装置と、牽引された緯
    糸を流体噴射により経糸開口内に飛走させて緯入れを行
    う姿勢制御ノズルとの間に、緯糸牽引装置からの緯糸に
    当接してたるみを変形させるたるみ変形手段を介装させ
    た織機の前記緯糸牽引装置と姿勢制御ノズルの間で、流
    体により緯糸を引き通す緯糸通し装置であって、 緯糸の引き通し時に、上記たるみ変形手段を経た緯糸を
    上記姿勢制御ノズルに指向させる緯糸方向調整手段を設
    けたことを特徴とする織機の緯糸通し装置。
  2. 【請求項2】 上記緯糸方向調整手段は、緯糸の引き通
    し時、上記たるみ変形手段を移動させてたるみ変形手段
    による緯糸偏向方向を変更させる移動装置である、請求
    項1に記載の織機の緯糸通し装置。
  3. 【請求項3】 上記緯糸方向調整手段は、上記たるみ変
    形手段と姿勢制御ノズルとの間に位置して、緯糸引き通
    し時にたるみ変形手段に流れる流体の向きを姿勢制御ノ
    ズルに指向させる偏向板である、請求項1に記載の織機
    の緯糸通し装置。
  4. 【請求項4】 上記緯糸方向調整手段は、上記たるみ変
    形手段と姿勢制御ノズルとの間に位置すると共に、緯糸
    引き通し時に流体噴射し、以てたるみ変形手段を経た緯
    糸を姿勢制御ノズルに指向させる流体噴射ノズルであ
    る、請求項1に記載の織機の緯糸通し装置。
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