JPH0678880B2 - 自動車用銅系ラジエータ - Google Patents

自動車用銅系ラジエータ

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JPH0678880B2
JPH0678880B2 JP16865591A JP16865591A JPH0678880B2 JP H0678880 B2 JPH0678880 B2 JP H0678880B2 JP 16865591 A JP16865591 A JP 16865591A JP 16865591 A JP16865591 A JP 16865591A JP H0678880 B2 JPH0678880 B2 JP H0678880B2
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radiator
core
copper
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oxide film
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JP16865591A
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章二 志賀
晃 松田
宣行 柴田
喜一 赤坂
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Furukawa Electric Co Ltd
Denso Corp
Original Assignee
Furukawa Electric Co Ltd
NipponDenso Co Ltd
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  • Preventing Corrosion Or Incrustation Of Metals (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は自動車用銅系ラジエ―タ
に関するもので、特にフインの耐食性を改善し、ラジエ
―タの軽量化及び高性能化を可能にするものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】自動車
用ラジエ―タはエンジンの冷却用熱交換媒体を空気流に
より冷却するもので、通常図1に示すように多数の偏平
チュ―ブ(1)間に放熱面積を飛躍的に拡大するフイン
(2)を設け、冶具等により固定して高温炉に装入し、
ハンダ付けにより接合してコア―(3)を形成し、該コ
ア―(3)の一端又は両端(図は両端の場合を示す)に
座板(4)、(4′)をハンダ付けにより取付け、これ
にタンク(5)、(5′)を装着したものである。
【0003】一般にチュ―ブには黄銅などの銅合金を用
い、フインには高伝熱性の銅又はCu ―Sn 、Cu ―C
d 、Cu ―Zr 、Cu ―Ag 等の銅合金製薄板をコルゲ
―ト加工やル―バ―加工したものを用い、座板には黄銅
板を用いている。またタンクには黄銅製を用いてハンダ
付けにより装着していたが、近年軽量化のために樹脂製
タンクを用い、機械的かしめにより装着している。
【0004】一方最近自動車の軽量化、高性能化の強い
要請から自動車用ラジエ―タにおいても、軽量化と高性
能化が検討されている。これに対してフインの薄肉化と
高密度化が有効な手段とされており、フインには上記高
伝熱性の銅合金薄板(厚さ0.02〜0.05mm)が多量に使用
されている。
【0005】上記の銅や銅合金は本来耐食性が優れたも
のであるが、近年融雪剤として塩化物が多量に使用され
るようになるに伴ない、ラジエ―タでは塩害による腐食
損耗が大きな問題となっている。即ち多量に散布される
融雪剤がラジエ―タに付着し、フインを異常な速度で腐
食して有効な放熱面積を減少し、ラジエ―タの性能を短
期間で大巾に低下してしまうのである。
【0006】これを防止するため種々の方法が検討され
ているが、何れも不十分なものであった。例えば塗装に
よって防食する方法は、厚さ0.01mm以上の塗膜が必要と
なり、その結果重量増大やコストアップをまねくところ
から実用性に劣るものである。
【0007】またフインをより一層耐食化するため、耐
食性銅合金として知られているCu―10%Ni 合金でフ
インを形成すると、同じ板厚では放熱性が著しく低下す
る。即ちヴイ―デマン―フランツの法則(Wiedemann―
Franz´s low )として知られている熱伝導率と比例す
る導電率によって比較すると、通常のフイン材は90〜80
%IACSであるのに対し、Cu ―10%Ni 合金では10
%IACS以下である。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明はこれに鑑み種々
検討の結果、塩害損耗に耐えて高い性能を保持し、軽量
化の要請に応じることができる経済的な自動車用銅系ラ
ジエ―タを開発したものである。
【0009】即ち本発明のラジエータの一つは、ハンダ
接合により熱交換媒体を流す複数のチュ―ブ外側にフイ
ンを取付けて銅製コア―を形成し、該コア―の一端又は
両端にハンダ付けにより座板を取付けてタンクを装着す
るラジエ―タにおいて、ラジエ―タ組立て後のフイン表
面の酸化皮膜の厚さを1200A以下としたことを特徴とす
るものである。
【0010】また本発明のラジエータの他の一つは、ラ
ジエ―タ組立て後のフイン表面の酸化皮膜の厚さを1200
A以下とし、かつフイン表面に防錆インヒビタ―を吸着
又は付着処理したことを特徴とするものである。
【0011】
【作用】本発明においてラジエ―タ組立て後のフイン表
面の酸化皮膜の厚さを1200A以下としたのは、前記塩害
腐食の実態とこれに関与する各種要因を綜合的に鋭意実
験解析した結果、フイン表面に形成される酸化皮膜が腐
食促進の大きな要因となっていることを知見し、更に実
験解析の結果、フイン表面の酸化皮膜の厚さが1200Aを
越えると塩害腐食を加速し、その度合は膜厚の増加と共
に増進することが判明したためである。
【0012】フイン表面の酸化皮膜の厚さを1200A以下
とするために、コア―形成のハンダ接合を非酸化性雰囲
気中で行なうか、又は/及びコア―形成のハンダ接合後
ラジエ―タを組立てる間にコア―を還元性雰囲気中で加
熱還元処理するのは有効な方法である。
【0013】即ち製造工程においてコア―形成のハンダ
接合を行なう高温炉は 300〜 400℃であり、フイン表面
には厚さ2000〜 10000Aの酸化皮膜が生成する。この炉
はフラックスの蒸気などで若干希薄されるも、実質的に
は大気雰囲気であるため、フインは容易に酸化する。ま
た座板とコア―のハンダ接合は通常局部的加熱にとどま
る場合が多いが、若干の酸化は不可避である。更に最終
工程で一般に黒色の防眩用塗装を行なうため、 100〜 2
00℃の乾燥炉を通過させるところから銅酸化物が付加さ
れることになる。
【0014】そこで上記の厚く生成した酸化皮膜を1200
A以下とするために、コア―形成のためのハンダ接合を
非酸化性雰囲気中で行なうことによりフインの酸化を防
止するか、又は/及びコア―形成のハンダ接合後、ラジ
エ―タを組立てる間にコア―を還元性雰囲気中で加熱還
元処理することによりフイン表面の酸化皮膜を還元すれ
ばよい。非酸化性雰囲気としては、N2 、H2 、CO、
CO2 、H2 O又はこれ等の混合ガスを用いる。還元性
雰囲気としてはH2 、CO又はこれ等を有効成分とする
ガスを用い、150 ℃以上に加熱して還元する。
【0015】更に本発明はフイン表面の酸化皮膜の厚さ
を1200A以下とし、かつフイン表面に防錆用インヒビタ
―を吸着又は付着処理することにより、自動車の実使用
まで又は使用中のフイン表面の酸化皮膜の生成を抑止す
ることができるので一層効果的にフインの塩害腐食を防
止することができる。このようなインヒビタ―として
は、ベンゾトリアゾ―ル(BTA)、トリルトリアゾ―
ル(TTA)、エチルベンゾトリアゾ―ルやこれらとア
ミン、カルボン酸などの高級アミン、メルカプトベンゾ
チアゾ―ル又は石ケンなどの高級脂肪酸塩であり、市販
品として各種調合させた薬剤が入手できる。これ等は水
溶液又は有機溶剤として使用する。
【0016】以上の本発明によるラジエータは、従来の
ラジエ―タに比べて塩害による腐食を20〜50%程度抑制
することができる。
【0017】なお銅酸化物は通常大気酸化や硫化腐食に
対し、保護性を有することが知られているが、塩害腐食
では逆に促進の原因となっており、その理由は未だ解明
されていないが、銅酸化物はクラックや細孔を有してお
り、これが電気化学的に銅素地に対してカソ―ドとして
作用するものと考えられ、本発明では組立て後のラジエ
―タのフイン表面の酸化皮膜の厚さを1200A以下とする
ことにより塩害腐食を有効に防止したものである。
【0018】
【実施例】以下本発明を実施例について詳細に説明す
る。 実施例(1) ハンダ被覆した黄銅製偏平チュ―ブ(肉厚0.12mm、巾10
mm、厚さ3mm)と、Cu ―0.15%Sn ―0.01%P合金薄
板(厚さ0.04mm、巾 8.5mm)をコルゲ―ト加工したフイ
ンとを重ね合わせ、鉄枠で固定してN2 ―1%H2 から
なる非酸化性雰囲気中で 310℃に10分間保持してハンダ
接合した後、同雰囲気中の 120℃の冷温部に15分間保持
してから大気中に取り出し、コア―を形成した。
【0019】実施例(2) 実施例(1)においてN2 ―1%H2 に代えて100 %N
2 の非酸化性雰囲気を用いた。
【0020】実施例(3) 実施例(1)により形成したコア―をBTA0.25%水溶
液に1分間浸漬した後、乾燥した。
【0021】実施例(4) 実施例(1)により形成したコア―をメルカプトベンゾ
チアゾ―ルの0.5 %アルコ―ル溶液に1分間浸漬した
後、乾燥した。
【0022】実施例(5) 実施例(1)と同様にして黄銅製偏平チュ―ブとコルゲ
―トフインを重ね合わせ、鉄枠で固定して大気中でハン
ダ接合してコア―を形成した後、該コア―をH2 ―50%
COからなる還元性雰囲気中で 180℃に5分間保持し、
同雰囲気中の120℃の冷温部に10分間保持してから大気
中に取出し、コア―を還元処理した。
【0023】実施例(6) 実施例(5)により形成したコア―をBTA0.25%水溶
液に1分間浸漬した後、乾燥した。
【0024】比較例 実施例(1)においてN2 ―1%H2 からなる非酸化性
雰囲気に代えて、大気中でハンダ接合した。
【0025】このようにして組み立てた各コア―につい
て、フイン表面の酸化皮膜の厚さを測定した後、JIS
Z―2371に基づく5%塩水噴霧試験を0.5 時間と、温度
60℃、湿度95%の加湿試験を23.5時間とを40回繰返して
から、フインの一部を切り出し、腐食量を測定した。こ
れ等の結果を表1に示す。尚フイン表面の酸化皮膜の厚
さはカソ―ド還元法により測定し、腐食量は5%H2
4 水溶液に超音波をかけながら1分間浸漬し、その前
後の重量より算出した。
【0026】
【表1】
【0027】次に実施例(1)により製造したコア―を
350℃のエア―バス中に3分乃至30分間酸化処理し、同
様にして酸化皮膜の厚さと腐食量を測定し、酸化皮膜と
腐食量との関係を調べた。その結果を表2に示す。
【0028】
【表2】
【0029】更に実施例(1)、(3)、(4)及び比
較例のコア―を温度60℃、湿度95%の加湿状態に 300時
間保持した後、同様にして酸化皮膜の厚さを測定し、し
かる後上記塩水噴霧試験と加熱試験を40回繰返してから
腐食量を測定した。その結果を表3に示す。
【0030】
【表3】
【0031】表1から明らかなように、比較例では腐食
量が12.5%であるの対し、本発明の実施例(1)〜
(6)では何れも7%前後と小さくなっていることが判
る。
【0032】また表2からフインの腐食量はフインの酸
化皮膜の厚さと共に増大し、特に酸化皮膜の厚さが1400
A以上で顕著に増加することが判る。
【0033】更に表3から明らかなように本発明におい
てフイン表面の酸化皮膜の厚さを1200A以下とし、更に
防錆インヒビタ―を吸着又は付着処理したものは酸化し
難く、腐食量も少なくなっており、ラジエ―タが出荷さ
れてから実使用迄の間及び実使用中における環境におい
て表面変質を抑制し得ることが判る。
【0034】
【発明の効果】このように本発明は従来通常の大気環境
において全く問題視されず、むしろ保護的作用を有する
ものと考えられていた製造工程におる酸化皮膜の生成を
抑制することにより、塩害腐食を有効に防止できるラジ
エータであって、自動車の軽量化に答え得る高性能で経
済的なラジエ―タである等工業上顕著な効果を奏するも
のである。
【図面の簡単な説明】
【図1】自動車用ラジエ―タの一例を示す正面図であ
る。
【符号の説明】
1 チュ―ブ 2 フイン 3 コア― 4、4′ 座 板 5、5′ タンク
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 柴田 宣行 栃木県日光市清滝町500番地 古河電気工 業株式会社 日光電気精銅所内 (72)発明者 赤坂 喜一 栃木県日光市清滝町500番地 古河電気工 業株式会社 日光電気精銅所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ハンダ接合により熱交換媒体を流す複数
    のチュ―ブ外側にフインを取付けて銅製コア―を形成
    し、該コア―の一端又は両端にハンダ接合により座板を
    取付けてタンクを装着するラジエ―タにおいて、ラジエ
    ―タ組立て後のフイン表面の酸化皮膜の厚さを1200A
    (オングストローム)以下としたことを特徴とする自動
    車用銅系ラジエ―タ。
  2. 【請求項2】 ハンダ接合により熱交換媒体を流す複数
    のチュ―ブ外側にフインを取付けて銅製コア―を形成
    し、該コア―の一端又は両端にハンダ接合により座板を
    取付けてタンクを装着するラジエ―タにおいて、ラジエ
    ―タ組立て後のフイン表面の酸化皮膜の厚さを1200A以
    下とし、かつフイン表面に防錆インヒビタ―を吸着又は
    付着処理したことを特徴とする自動車用銅系ラジエ―
    タ。
JP16865591A 1991-06-13 1991-06-13 自動車用銅系ラジエータ Expired - Lifetime JPH0678880B2 (ja)

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