JPH0678037B2 - 認証識別媒体の認証装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この発明は、金券カード，小切手，クレジットカード等
のような認証を要して取引される識別媒体であって、偽
造や変造等を不可能にした認証識別媒体の認証装置に関
する。

（従来の技術及び問題点） 金券カード，小切手，クレジットカードや身分証明書，
入場チケット等は一般的に紙やプラスチック等の基板面
に、印刷等により番号や氏名，金額等の必要な書誌事項
（情報）を記入したり、磁気テープを貼着して磁気記録
させたり、写真等の認証情報を貼着して割印等を施した
りして広く使用されているが、偽造や変造の改ざんがし
易いため偽証の原因となっていた。

（問題点を解決するための手段） 上記問題点を解決するため、この発明の認証識別媒体の
認証装置では、特定の保持力を有する磁性材料を含んで
印刷もしくは層設された第１のバーコードと、この第１
のバーコードの磁性材料より大きな保持力を有する磁性
材料を含んで印刷もしくは層設された第２のバーコード
との少なくとも２種類以上のバーコード帯と；少なくと
も前記バーコード帯の情報を磁気的に記録するための磁
気記録帯と；前記バーコード帯及び磁気記録帯を表面も
しくは裏面に配置した基板と； 前記基板に対して少なくとも前記バーコード帯を被覆し
て目視不可能にする非磁性材で成るマスク帯とを有する
認証識別媒体と、前記第１のバーコード及び第２のバー
コードの読取りに先立ち、これらのバーコードを磁化せ
しめる着磁手段と；前記着磁手段により磁化された第２
のバーコードのみを検出しうるしきい値を基準として当
該バーコードの読取りを行う第１読取手段と、前記着磁
手段により磁化された第１のバーコードを検出しうるし
きい値を基準として当該バーコード及び前記第２のバー
コードの読取りを行う第２読取手段と；前記磁気記録帯
に記録された少なくとも第１のバーコード及び第２のバ
ーコードの情報の読取りを行なう磁気記録情報読取手段
と、前記第１読取手段により前記第２のバーコードが読
み取られたと判断し、かつ、前記第２読取手段により読
み取られた前記第１のバーコード及び前記第２のバーコ
ードの情報と前記磁気記録情報読取手段により読み取ら
れた前記第１のバーコード及び前記第２のバーコードの
情報とが等しいと判断した場合に、前記認証識別媒体を
真であると認証する制御手段とを設けている。

（作用） この発明は、保磁力の異なる２種類のバーコードを設け
てマスク帯で覆うと共にその２種類きバーコードの情報
が記録される磁気記録体を設けた認証識別媒体を、認証
読取装置に読み取らせてその保磁力の差等を判別するこ
とにより、容易に偽造、変造のような改ざんをすること
ができない認証識別媒体の認証装置を提供することにあ
る。

（実施例） 第１図はこの発明の認証装置で使用する認証識別媒体の
一実施例を示し、第２図はそのＸ−Ｘ断面図である。方
形状でカード構造をした認証識別媒体10の基板11は紙質
材料で成り、この基板11の表面に磁気記録帯としての１
条の磁気記録テープ部12が図に示す位置に、通常従来よ
り使用されているクレジットカード等に貼着されている
磁気記録テープと同等のものが層設されている。

この磁気記録テープ12には後述する第１のバーコード15
及び第２のバーコード16の情報が磁気記録されていると
共に、他に必要な数値，金額，氏名，発行者等の書誌事
項が磁気記録されている。

基板10の上部に設けられている印刷ストライプ部13に
は、その表面に第１及び第２のバーコード15及び16が印
刷（プレス印刷）されており、第１のバーコード15は認
証識別媒体10の製造時に１枚毎に異なる２値化パターン
を、特定の保磁力を有する磁性材料（たとえば第３図の
特性Ｉ）を含んだインクで基板11上に印刷（もしくは層
設）されるようになっている。また、第２のバーコード
16は第１のバーコード15と同様に基板11上に印刷（もし
くは層設）されるものであるが、第１のバーコード15よ
りは高い（又は低い）保持力の磁性材料（たとえば第３
図の特性II）を含んだインクで印刷（もしくは層設）さ
れるようになっており、この第２のバーコード16は全て
の媒体に共通の２値化パターンで所定位置に設けられて
いる。

第１のバーコード15及び第２のバーコード16が印刷され
た印刷ストライプ部13の上には、不透明で非磁性材料で
成るマスク帯14が被覆されており、使用者や第３者には
マスク帯14の下にバーコード15及び16があることが認識
できないようになっている。このマスク帯14は基板11の
全面を被うように設けられていてもよく、その表面に適
当な絵や写真，文字が印刷されていてもよい。

上述のような構造のこの発明の認証装置で使用する認証
識別媒体10は、第４図（Ａ），（Ｂ）及び第５図で示す
ような認証読取装置によってそのデータが読取られる。

すなわち、認証識別媒体10の挿入・取込部には取込用の
ローラ23が配置されており、その搬送路に挿入口から順
番に印刷ストライプ部14の通路上方に永久磁石等で成る
着磁手段24が、磁気記録テープ部12の通路上方に磁気検
出手段22が、印刷ストライプ部14の通路上方に磁気検出
手段21がそれぞれ配置されている。磁気検出手段21の検
出信号MD1は増幅器26を経て（MD2）、スレッショルドTH
1の読取回路27及びスレッショルドTH2の読取回路28に入
力されると共に、クロックパルス発生回路29に入力さ
れ、クロックパルス発生回路29からのクロックパルスCL
は読取回路27,28及びCPU等で成る制御部20に入力され
る。

また、読取回路27の読取結果C1及び読取回路28の読取結
果C2も制御部20に入力され、クロックパルスCLも同期動
作を行なうために制御部20に入力されている。磁気検出
手段22の検出信号MGは、磁気記録情報読取回路25読取ら
れて制御部20に入力されており、制御部20からは認証信
号AT及び磁気記録情報MNが出力されるようになってい
る。

このような構成において、その動作を第６図（Ａ）〜
（Ｄ）のタイミングチャートを参照して説明する。

認証識別媒体10が読取装置に挿入されると、着磁手段24
によってバーコード15及び16がマスク帯14を通して順次
着磁される。この場合、バーコード15は第３図のＩで示
すような特性で磁化され、バーコード16は同図のIIで示
すような特性で磁化され、バーコード15及び16は異なる
保磁力Ｈを有することになる。認証識別媒体10の内部へ
の取込みに従って、磁気検出手段22はその下方を通る磁
気記録パターン部12の記録情報を検出し、その検出信号
MGを磁気記録情報読取回路25で読取って制御部20に入力
している。これにより、制御部20は磁気記録パターン部
12に記録されているバーコード15、16の情報や他の書誌
事項を解読することができる。

一方、着磁手段24で磁化されたバーコード15及び16は、
媒体10の進入に伴って磁気検出手段21で検出される。つ
まり、磁気検出手段21はバーコード15、16の残留磁気を
検出し、増幅器26で増幅して第６図（Ａ）に示すような
バーコードの先端及び後端の磁束変化によって立上った
り、立下ったりする検出信号MD2を出力する。そして、
クロックパルス発生回路29は最初のビットのバーコード
15Aを検出して（時点t1）、第６図（Ｄ）に示すような
クロックパルスCLを出力する。読取回路27のスレッショ
ルドTH1は第６図（Ａ）に示すような高いレベルに設定
されており、読取回路28のスレッショルドTH2は低いレ
ベルに設定されている。これにより、読取回路27はクロ
ックパルスCLに基づき、スレッショルドTH1より大きい
検出信号MD2のパルスを検出して、第６図（Ｂ）に示す
ようなバーコード15,16の情報を読取ってC1として出力
する。また、読取回路28ではスレッショルドTH2より大
きい検出信号MD2のパルスを検出してC2として出力す
る。この場合、バーコード15及び16に含まれている磁性
材料の相違から、バーコード16に対応する検出記号MD2
のレベルは大きく、バーコード15に対応する検出信号MD
2のレベルは小さくなっている。したがって、読取回路2
7のスレッショルドTH1をバーコード15のパルスレベルよ
りは大きく、バーコード16のパルスレベルよりは小さく
設定し、読取回路28のスレッショルドTH2をバーコード1
5のパルスレベルより小さく設定しておけば、読取回路2
7はバーコード16のみの情報を読取り、読取回路28はバ
ーコード15及び16の情報を読取ることができる。

制御部20は読取回路28で読取られたバーコード15及び16
の情報C2と、磁気記録情報読取回路25から出力されたバ
ーコード15及び16の情報とを照合し、読取回路27でバー
コード16の情報が読取られたことを条件にして認証信号
ATを出力する。また、磁気記録テープ部12から読取られ
た書誌事項の磁気記録情報MNも出力される。このような
認証信号ATが制御部20から出力されることにより、この
媒体10が偽造や変造されたものでないことが識別された
ことになる。

なお、単に磁気記録テープ部12を読取って偽造しても、
バーコード15及び16の読取ができないために改ざんを識
別でき、マスク帯14を削り取って磁気コピーすることに
より偽造しても、バーコード15及び16の保磁力の差は検
出されないため、媒体の改ざんを識別できるものであ
る。

ところで、上記認証識別媒体は前述した物以外にでも利
用可能であり、免許証，通帳，身分証明書等の媒体の真
偽を必要とするものであれば何でもよい。また、バーコ
ード15及び16の保磁力は上述と反対であってもよく、そ
の区別を２つの読取回路で読取ることができればよい。
さらに、バーコードのバーの組合せ及び数は実施例に限
定されるものではなく、更に第3,第４のバーコードを設
けるようにしても良い。さらに又、上述の実施例では媒
体の一面にのみに全ての要件を配設させたが、両面に設
けてもよく、どの方向で媒体が挿入されても読取れるよ
うに配置されてもよい。

（効果） 以上のようにこの発明の認証識別媒体の認証装置によれ
ば、単に磁気テープを読取って偽造されても、バーコー
ド帯の情報も同時に改ざんされない限り、その媒体の真
偽を確実に識別し得る。更に、仮に磁気テープとバーコ
ード帯が同時に改ざんされた場合であっても、バーコー
ド帯のバーコードの保磁力及び異なる保磁力のバーコー
ドの配置状態を識別することにより、媒体の真偽を確実
に判断し得るという格別の効果を有している。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明の一実施例における認証識別媒体を示
す平面図、第２図はそのＸ−Ｘ断面図、第３図はバーコ
ードの印刷材料に含入する磁性材料の磁性特性を示す
図、第４図（Ａ）及び（Ｂ）はこの発明における読取装
置の読取部の断面構造図及びその平面構造図、第５図は
認証読取装置の回路系を示すブッロック構成図、第６図
（Ａ）〜（Ｄ）はその動作例を示すタイミングチャート
である。 10…認証識別媒体、11…基板、12…磁気記録テープ部、
13…印刷ストライプ部、14…マスク帯、15,16…バーコ
ード、20…制御部、21,22…磁気検出手段、27,28…読取
回路。

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】特定の保磁力を有する磁性材料を含んで印
   刷もしくは層設された第１のバーコードと、 この第１のバーコードの磁性材料より大きな保磁力を有
   する磁性材料を含んで印刷もしくは層設された第２のバ
   ーコードとの少なくとも２種類以上のバーコードを混在
   させて成るバーコード帯と； 少なくとも前記バーコード帯の情報を磁気的に記録する
   ための磁気記録帯と； 前記バーコード帯及び磁気記録帯を表面もしくは裏面に
   配置した基板と； 前記基板に対して少なくとも前記バーコード帯を被覆し
   て目視不可能にする非磁性材で成るマスク帯とを有する
   認証識別媒体の認証装置において、 前記第１のバーコード及び第２のバーコードの読取りに
   先立ち、これらのバーコードを磁化せしめる着磁手段
   と、 前記着磁手段により磁化された第２のバーコードのみを
   検出しうるしきい値を基準として当該バーコードの読取
   りを行う第１読取手段と、前記着磁手段により磁化され
   た第１のバーコードを検出しうるしきい値を基準として
   当該バーコード及び前記第２のバーコードの読取りを行
   う第２読取手段と； 前記磁気記録帯に記録された少なくとも第１のバーコー
   ド及び第２のバーコードの情報の読取りを行なう磁気記
   録情報読取手段と、 前記第１読取手段により前記第２のバーコードが読み取
   られたと判断し、かつ、前記第２読取手段により読み取
   られた前記第１のバーコード及び前記第２のバーコード
   の情報と前記磁気記録情報読取手段により読み取られた
   前記第１のバーコード及び前記第２のバーコードの情報
   とが等しいと判断した場合に、前記認証識別媒体を真で
   あると認証する制御手段とを備えたことを特徴とする認
   証識別媒体の認証装置。
2. 【請求項２】前記第２のバーコードは、前記バーコード
   帯の所定の位置に特定の２値化パターンで構成されてい
   る特許請求の範囲第１項に記載の認証識別媒体の認証装
   置。