JPH11232419A - 真正さがチェックされる被検出物とこの被検出物の真正さをチェックする処理装置およびチェック方法 - Google Patents

真正さがチェックされる被検出物とこの被検出物の真正さをチェックする処理装置およびチェック方法

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JPH11232419A
JPH11232419A JP10036257A JP3625798A JPH11232419A JP H11232419 A JPH11232419 A JP H11232419A JP 10036257 A JP10036257 A JP 10036257A JP 3625798 A JP3625798 A JP 3625798A JP H11232419 A JPH11232419 A JP H11232419A
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実 小宮
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 処理装置のチェック精度を下げることなく、
処理装置の構成を簡略化する。 【解決手段】 被検出物10は、多数の磁性素子20を
ランダムに混入した素子走査部12と、位置信号記録部
13と、登録データ記録部14を備えている。被検出物
10をチェックするための処理装置は、素子走査部12
と位置信号記録部13を同時に走査する検出部31を有
している。この検出部31は、MR素子等のように出力
の大きさが走査速度に依存しない磁電変換素子を備えて
いる。素子走査部12と位置信号記録部13を検出部3
1によって走査し、位置信号記録部13から得られる同
期クロック信号に基いて、走査速度に依存しない素子走
査部12の検出信号を得る。この検出信号と、登録デー
タ記録部14に記録されている暗号コードとを照合し、
両者が対応した時に本物と判断する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、クレジットカー
ド,IDカード,CDカード等のカード類,パスポー
ト,重要書類や有価証券,紙幣および小切手等の金券,
トラベラーズチェック,あるいは絵画等の美術品,競艇
・競馬等の公営競技投票券等のように、偽造を防止する
必要がありかつ真正さがチェックされる被検出物と、そ
のチェック装置およびチェック方法に関する。
【0002】
【従来の技術】各種カードや書類等の真正さをチェック
するための手段として、例えば特開昭50−6999号
公報や特開平6−179296号公報あるいは特開平7
−32777号公報などに記載されているように、被検
出物の走査領域に照合用データを登録しておくものが知
られている。この種の被検出物は、真正さをチェックす
る際に前記走査領域をセンサによって走査し、得られた
検出信号と前記照合用データを照合するようにしてい
る。
【0003】前記公知例において、被検出物の走査領域
を走査するための処理装置は、予め決められた一定速度
で被検出物の走査領域を読取ることを条件とし、得られ
た検出信号を時分割してディジタルコード化したのち、
予め登録されている照合用データと比較することによ
り、この被検出物が真正であるか否かをチェックしてい
る。このため従来の処理装置では、搬送速度を制御可能
な電気モータによって駆動されるローラ等の搬送機構に
より、被検出物を一定速度で走査方向に移動させなが
ら、センサによるデータの読取りを行なっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前述の従来の処理装置
は、モータ等の搬送機構を用いる分だけ装置が複雑化す
るとともに部品点数も多くなり、装置が大形化および高
コスト化していた。また従来の処理装置はメンテナンス
性がよくないなど、改善の余地があった。このため、被
検出物を手動で移動させることも考えられた。
【0005】しかし、被検出物を手動で搬送する場合、
走査速度が一定にならないため、センサの出力波形が走
査速度に応じて変化してしまうという問題がある。この
ため同じ被検出物でありながら、チェックするたびに出
力波形が異なることになり、高精度なチェックを行うこ
とができない。
【0006】そこで例えばローラエンコーダなどを用い
ることにより、被検出物の移動量に応じた同期クロック
信号を検出し、この同期クロック信号に応じて出力波形
の時間的補正を行うことにより、走査速度が変動しても
同一の被検出物からはほぼ同一の検出信号が得られるよ
うにすることも考えられた。しかしながらその場合、同
期クロックをとるためのローラと被検出物との間の滑り
等によって検出誤差を生じ、高精度のチェックを行うこ
とができないおそれがある。しかもその場合には、ロー
ラエンコーダ等の余分な部品を処理装置に組込む必要が
あるため、コストを下げる上で、また小形化を図る上で
十分とはいえない。
【0007】従って本発明の目的は、チェックの精度を
下げることなく処理装置の簡略化と小形化等が図れるよ
うな被検出物とそのチェック装置およびチェック方法を
提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記の目的を果たすため
の本発明の被検出物は、被検出物の表面などに位置信号
を得るための領域(位置信号記録部)を設け、素子走査
部を走査する際にこの位置信号記録部も同時に走査し、
得られた位置信号(同期クロック信号)にもとづき、素
子走査部の検出信号を常に同じ条件で得るようにしたも
のである。
【0009】すなわち本発明の被検出物は、非磁性材料
からなる基材と、基材中にランダムに混入された多数の
磁性素子を含みかつ基材の所定位置に設定された素子走
査部と、素子走査部の磁性素子の混入状況に応じて得ら
れる固有の出力に関する照合用データがコード化されて
記録される登録データ記録部と、前記素子走査部をセン
サによって走査する際に前記素子走査部の位置に関する
信号を出力可能な位置信号記録部とを具備している。
【0010】位置信号記録部は、例えば公知の高保磁力
の磁性層を被検出物の一部に設けたものとか、磁気イン
クによって所定のパターンで印刷したもの、あるいはバ
ーコードのように光学的に読取ることの可能な記録媒体
によって同期クロック信号を出力できるようにしたもの
でもよい。
【0011】この発明は、素子走査部と位置信号記録部
との相互の影響を回避するための一手段として、素子走
査部と位置信号記録部とを互いに離れた位置に設けるこ
とも含む。また、素子走査部と位置信号記録部を被検出
物の共通トラック領域に設けることも含んでいる。
【0012】本発明の処理装置は、素子走査部を磁気的
に走査することによりこの素子走査部に含まれる磁性素
子の分布に応じた出力をとらえて固有の検出信号を得る
第1のセンサ部と、素子走査部に対する第1のセンサ部
の位置に応じた信号を出力可能な位置信号記録部を走査
することにより同期クロック信号を得る第2のセンサ部
と、第1のセンサ部がとらえた前記出力と同期クロック
信号とに基いて得た検出信号を被検出物の登録データ記
録部に登録されているデータと照合し、両者が対応した
時にこの被検出物が真正であると判断する手段とを具備
している。
【0013】第1のセンサ部の一形態は、走査時に前記
位置信号記録部の位置信号を同時に検出可能な位置に磁
電変換素子対を設けたものであり、前記第2のセンサ部
の一形態は、走査時に前記位置信号を時間的にずれて検
出する位置に磁電変換素子対を設けたものである。
【0014】位置信号記録部を走査する第2のセンサ部
としては、MR素子等の磁電変換素子あるいは記録・読
取り用磁気ヘッドのように位置信号記録部を磁気的に読
取るものを採用できる。位置信号記録部がバーコードの
ように光学的な記録媒体を利用したものである場合に
は、被検出物に印刷されたパターンを光学的に読取る方
法、あるいは、磁気インクを用いた印刷パターンを磁気
的に検出する方法なども採用できる。
【0015】この発明のチェック方法は、第1のセンサ
部によって前記素子走査部を磁気的に走査することによ
り磁性素子の分布に応じた固有の出力を得るとともに、
被検出物に設けた位置信号記録部を第2のセンサ部によ
って走査することにより素子走査部の位置に応じた位置
信号(同期クロック信号)を得る工程と、第1のセンサ
部がとらえた前記出力と第2のセンサ部によって得られ
た前記同期クロック信号に基いて走査速度に依存しない
素子走査部の検出信号を得る工程と、前記検出信号と被
検出物の登録データ記録部に記録されているデータとを
照合し、両者が対応した時にこの被検出物が真正である
と判断する工程とを含んでいる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下に本発明の第1の実施形態に
ついて図1から図3を参照して説明する。図1に示され
るように、カードあるいは書類(紙葉)等の形態をとる
被検出物10は、紙あるいは合成樹脂等の非磁性材を主
体とする基材11からなり、後述するように、被検出物
10の特徴を表わす素子走査部12と、この被検出物1
0をチェックする際に同期クロック信号を得るための位
置信号記録部13と、登録データ記録部14などを有し
ている。
【0017】素子走査部12は、基材11中に多数の細
かな磁性素子20をランダムに混入したものである。磁
性素子20の形態の一例は、高分子材料からなる繊維状
の素子本体に磁性金属の粉体を混入したもの(いわゆる
磁性ポリマー素子)であり、各磁性素子20はそれぞれ
不特定多数の方向を向いている。これらの磁性素子20
は、被検出物10のほぼ全体にわたって分布していても
よい。磁性素子20の素子本体に使われる高分子材料の
一例は、ポリエチレンやポリエステルあるいはウレタン
などであるが、要するに適当な可撓性を有する周知の合
成樹脂を適用できる。
【0018】磁性素子20に使われる磁性金属として
は、例えばパーマロイ,センダスト,Co系アモルファ
ス,ソフトフェライトなどのように磁気的に軟質な高透
磁率磁性材料が適しているが、例えばフェライトやSm
−Co合金,Nd合金等のように磁気的に硬質な高保磁
力材料が使われてもよい。磁性素子20の形態は繊維状
以外に、フレーク,粉体,箔,ワイヤ等であってもよ
い。
【0019】位置信号記録部13の一例は、高保磁力の
磁性材からなる磁性層を用いた帯状の磁気ストライプで
あり、例えば被検出物10の走査方向(矢印Fで示す方
向)に磁化の方向が所定ピッチで逆転するような磁化パ
ターンで着磁されている。この実施形態の場合、素子走
査部12と位置信号記録部13との相互の影響を少なく
するために、素子走査部12と位置信号記録部13と
を、互いに距離dだけ離して平行に設けている。
【0020】位置信号記録部13は、後述するように被
検出物10をチェックする際に下記処理装置30の検出
部(検出ヘッド)31によって素子走査部12と同時に
走査され、位置信号記録部13から得られる出力を同期
クロック信号として素子走査部12の検出信号に反映さ
せるようにしている。
【0021】登録データ記録部14には、素子走査部1
2を走査することによって得られる固有の情報、すなわ
ち磁性素子20の分布状態等に応じて特徴付けられた固
有の情報(照合用データ)が、下記の処理装置30によ
って暗号化されて書込まれるようになっている。この登
録データ記録部14には、照合用データ以外に、各種の
情報(例えばプリペイドカードの場合は額面や残額等)
も磁気的あるいは光学的手段もしくはICチップ等の記
録媒体によって記録されてもよい。なお登録データ記録
部14は、被検出物10とは別体の電子機器の記憶領域
(例えばホストコンピュータのメモリ)に記録するよう
にしてもよい。
【0022】図3に示された処理装置30は、被検出物
10をチェックする際に、被検出物10をその移動経路
30aに沿って矢印Fで示す走査方向に移動させるよう
にしている。被検出物10の移動経路30aの途中に検
出ヘッドとしての検出部31が設けられている。図2に
示す検出部31の一例は、素子走査部12を走査するた
めの第1のセンサ部32と、位置信号記録部13を検出
するための第2のセンサ部33を備えている。
【0023】第1のセンサ部32は、出力の大きさが走
査速度に依存しない磁電変換素子の一例としての一対の
MR素子(磁気抵抗効果素子対)40,41を備えてい
る。MR素子40,41の背後にマグネット42(図3
に示す)が配置されている。MR素子40,41は磁界
の強さに応じて電気抵抗値が変化する特性を有し、これ
らMR素子40,41は互いに電気的に接続され、か
つ、各MR素子40,41にマグネット42による同じ
強さの磁界が及ぶようになっている。一方のMR素子4
0は直流電源43に接続され、他方のMR素子41はマ
イクロコンピュータ等を用いた演算処理照合部45に接
続されている。
【0024】素子走査部12を走査する際に、MR素子
40,41の近傍を磁性素子20が通ると、磁性素子2
0の位置に応じてMR素子40,41を通る磁束が経時
的に変化し、MR素子40,41の抵抗値に差が出るた
めMR素子40,41の出力電圧が変化するようにな
る。この出力電圧は、素子走査部12に混入している磁
性素子20の分布密度や磁性素子20のサイズ等に応じ
て微妙に変化するので、この被検出物10に固有の出力
電圧の波形が得られる。
【0025】第2のセンサ部33は、位置信号記録部1
4に記録されている同期クロック信号(位置信号)を読
取ることの可能な磁気ヘッド、または第1のセンサ部3
2と同様のMR素子対を備えている。
【0026】処理装置30は、登録データ記録部14に
記録されたデータを読取るためのコード読取り部55を
備えている。コード読取り部55は、読取り用の回路5
6に接続されている。演算処理照合部45は、検出され
た信号を処理するためのA/D変換器60や比較器61
および暗号コード変換器62などを含んでいる。演算処
理照合部45に、チェック結果等を示す表示器63が接
続されている。
【0027】次に、前記被検出物10の発行処理と、真
正さを判断するためのチェック工程などについて説明す
る。被検出物10が製造される際に、基材11中に磁性
素子20が混入される。磁性素子12は少なくとも素子
走査部12に混入されるが、場合によっては被検出物1
0の全体に混入してもよい。また被検出物10に高保磁
力の磁性層からなる帯状の位置信号記録部13と登録デ
ータ記録部14を形成する。
【0028】そして被検出物10の発行処理において、
前記検出部31と同様のMR素子対を用いた検出部によ
って素子走査部12が所定速度で走査され、その出力電
圧の波形が特定のアルゴリズムによって暗号化されて登
録データ記録部14に記録される。この実施形態の登録
データ記録部14は磁気帯であるが、光学的に読取り可
能な標識(例えばバーコードや二次元バーコード,OC
R文字など)を、印字ヘッドによって登録データ記録部
14に記録してもよいし、磁気インクを用いてもよく、
あるいはコードを記録したホログラムを暗号コードにし
たがって順番にスタンプしてもよい。
【0029】また、素子走査部12を検出部によって走
査する際に素子走査部12の位置に応じた同期クロック
信号を得るために、磁気ヘッド等によって位置信号記録
部13の着磁がなされる。例えば図6に示す位置信号記
録部13のように、走査方向Fに沿って一定の間隔で磁
化方向が交互に反転するように着磁がなされる。
【0030】被検出物10が真正であるか否かのチェッ
クは前記処理装置30によって行われる。この被検出物
10を処理装置30に挿入し、その移動経路30aに沿
って被検出物10を走査方向Fに移動させる。そのと
き、第1のセンサ部32によって素子走査部12を走査
するとともに、第2のセンサ部33によって位置信号記
録部13を走査する。
【0031】第1のセンサ部32によって素子走査部1
2が走査されると、素子走査部12に含まれる磁性素子
20がMR素子40,41の近傍を順次通過する。この
時に磁性素子20の位置や分布状況等に応じてMR素子
40,41を通る磁束が経時的に変化するため、この素
子走査部12に固有の電圧波形が出力される。この波形
は、第2のセンサ部33によって検出された位置信号記
録部13の同期クロック信号に基いて時分割され、分割
された微小部分ごとに出力電圧が複数段階にランク付け
されてディジタル化される。こうして、走査速度に依存
しない素子走査部12の検出信号が得られる。この検出
信号を、暗号コード変換器62によって特定のアルゴリ
ズムに従って復号する。
【0032】また、登録データ記録部14に記録されて
いる照合用データがコード読取り部55によって読取ら
れる。この照合用データが、比較器61によって前記復
号された素子走査部12の検出信号と比較され、両者が
整合した時に、この被検出物10が本物であると判断さ
れ、その照合結果が表示器63に表示される。
【0033】このように、第1のセンサ部32によって
得られる素子走査部12の検出信号を、第2のセンサ部
33によって得られる同期クロック信号(位置検出信
号)に基いて時分割することにより、被検出物10の移
動速度が一定でなくても常に同じ条件で素子走査部12
を検出することが可能となる。このため、手動による不
安定な移動速度でも高精度でデータの照合を行うことが
でき、モータ等を用いた搬送機構や、ローラエンコーダ
等の時間補正手段を用いずとも、簡単な構成の処理装置
30によって精度の高い真偽判定を実現できる。なお、
処理装置30はモータによって駆動される搬送機構を備
えていても差し支えない。
【0034】次にこの発明の第2の実施形態について、
図4から図7を参照して説明する。この実施形態の被検
出物10は、図4に示すように、素子走査部12と位置
信号記録部13とを実質的に同一のトラック領域に設け
ることにより、前記処理装置30のさらなる構成の簡略
化と小形化,軽量化を実現できるようにしている。
【0035】この被検出物10の真偽を判定するための
処理装置の検出部31は、図5等に示すように、共通の
検出ヘッド70に配置された第1のセンサ部32と第2
のセンサ部33とを備えている。
【0036】第1のセンサ部32は、前記実施形態で述
べたものと同様の一対のMR素子40,41を、走査方
向Fに関して直交する方向、すなわち走査時に位置信号
記録部13の位置信号を同時に検出可能な位置に設けて
いる。これに対し第2のセンサ部33は、一対のMR素
子50,51を走査方向Fに関して互いに前後方向、す
なわち走査時に位置信号記録部13の位置信号を時間的
にずれて検出する位置にMR素子50,51を設けてい
る。
【0037】図6に示すように位置信号記録部13は、
走査方向Fに関して、矢印A,Bで示すように磁化の方
向が一定ピッチで交互に変化するように着磁されてい
る。この実施形態の場合、1つの検出ヘッド70に設け
た各センサ部32,33によって、素子走査部12と位
置信号記録部13を同時に走査する。
【0038】この場合、第1のセンサ部32において各
MR素子40,41に位置信号記録部13の同一磁界が
かかるため、位置信号記録部13の信号(位置信号)が
相殺される。このため第1のセンサ部32においては位
置信号記録部13の信号は検出されない。しかしMR素
子40,41は素子走査部12の磁束変化をとらえるた
め、素子走査部12中の磁性素子20の混入パターン等
に応じて例えば図7に示すような出力波形W1 が検出さ
れる。
【0039】これに対し第2のセンサ部33において
は、MR素子50,51に位置信号記録部13の互いに
異なる磁界がかかるとともに、MR素子50,51が素
子走査部12の磁束変化もとらえる。このため第2のセ
ンサ部33においては、素子走査部12中の磁性素子2
0の混入パターン等に応じた出力波形と、位置信号記録
部13の出力波形(位置信号)との合成された波形が検
出される。ここで、位置信号記録部13の出力波形は素
子走査部12の出力波形W1 に比較して十分大きいた
め、合成された波形は、図7に示す波形W2 のように、
実質的に位置信号記録部13による波形とほぼ同等とな
る。
【0040】従って第2のセンサ部33から出力される
合成波形W2 から同期クロック信号を得て、第1のセン
サ部32の出力波形W1 を時分割する。これにより、第
1のセンサ部32から出力される磁性素子20の分布状
況に応じた検出信号を、走査速度にかかわらず同一条件
で検出することが可能となる。
【0041】このように素子走査部12と位置信号記録
部13とを同一トラックに設けることにより、処理装置
30の検出部31が1つの検出ヘッド70で済むため、
処理装置30の小形化と軽量化および低コスト化を図る
上でさらに有利である。しかも素子走査部12と位置信
号記録部13を被検出物10の同一トラックに設けるこ
とにより、被検出物10の小形化を図ることができる。
また、素子走査部12と位置信号記録部13を同一トラ
ックに設けた場合には、被検出物10を走査する際に図
4中の矢印Rで示す回転方向の位置ずれの影響を受けに
くくなって、高精度にチェックできるという利点もあ
る。
【0042】なお図8に示す検出部31は、共通の検出
ヘッド70に設けた第1のセンサ部32のMR素子4
0,41を走査方向Fに関して横長の形状とした例であ
る。図9に示す検出部31は、第1のセンサ部32のM
R素子40,41を走査方向Fに関して斜め方向に延び
る形状とした例である。そして図10に示す検出部31
は、第1のセンサ部32のMR素子40,41を走査方
向Fに関して横向きのV形に配置した例である。
【0043】これらの実施形態は、いずれも、第1のセ
ンサ部32は、走査時に位置信号記録部13の位置信号
を同時に検出可能な位置に磁電変換素子対(MR素子4
0,41)を設けたものであり、第2のセンサ部33
は、走査時に前記位置信号を時間的にずれて検出する位
置に磁電変換素子対(MR素子50,51)を設けたも
のである。このような形態のMR素子40,41(図
8,図9,図10)を採用することにより、素子走査部
12および位置信号記録部13との位置ずれの影響を受
けにくい検出部31にすることが可能であり、検出部3
1のさらなる小形化も可能である。
【0044】図11に示す被検出物10の実施形態は、
ICカード80の一部に前記素子走査部12と位置信号
記録部13を設けるとともに登録データ記録部14を設
けた例である。それ以外の基本的な構成と作用は前記実
施形態と同様であるため、前記実施形態と共通の箇所に
共通の符号を付して説明は省略する。このICカード8
0も、前記実施形態と同様の検出部31によって素子走
査部12と位置信号記録部13を同時に走査し、位置信
号記録部13によって得られる同期クロック信号に基い
て素子走査部12の出力を時分割するとともに、演算処
理照合部45において登録データ記録部14のデータと
の照合を行う。
【0045】
【発明の効果】請求項1に記載した被検出物によれば、
走査速度が変化しても高精度なチェックを行うことがで
き、ローラエンコーダを用いる場合に見られるような滑
りによる精度低下の問題も生じないし、処理装置の構成
も簡略化できる。請求項2に記載した被検出物は、素子
走査部と位置信号記録部との互いの影響を容易に回避で
きる。
【0046】請求項3に記載した被検出物によれば、素
子走査部と位置信号記録部を共通トラックに設けること
により、被検出物の小形化を図る上で有利である。ま
た、被検出物の位置ずれの影響を少なくすることができ
る。
【0047】請求項4に記載した処理装置によれば、モ
ータ等を駆動源する搬送機構を用いることなく高精度な
チェックを行うことができる。そして処理装置の構成が
簡略化され、部品数も少なくてすみ、処理装置の小形化
と低コスト化が図れる。請求項5に記載した処理装置に
よれば、第1のセンサ部と第2のセンサ部を共通の検出
ヘッドに設けることによって、処理装置のさらなる簡略
化と小形化を図ることができる。
【0048】請求項6に記載したチェック方法によれ
ば、手動によって被検出物を移動させる場合のように走
査速度が変化しても、走査速度に左右されることなく高
精度なチェックを行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の被検出物と検出部を一部
切り欠いて示す斜視図。
【図2】図1に示された被検出物と検出部を一部切り欠
いて示す平面図。
【図3】本発明の一実施形態の処理装置を一部断面で示
す側面図。
【図4】本発明の他の実施形態の被検出物と検出部を一
部切り欠いて示す斜視図。
【図5】図4に示された検出部の底面図。
【図6】図4に示された被検出物の位置信号記録部を模
式的に示す平面図。
【図7】図4に示された被検出物の出力波形の一例を示
す図。
【図8】検出部の変形例を示す底面図。
【図9】検出部の他の変形例を示す底面図。
【図10】検出部のさらに別の変形例を示す底面図。
【図11】被検出物の他の実施形態を示す斜視図。
【符号の説明】
10…被検出物 11…基材 12…素子走査部 13…位置信号記録部 14…登録データ記録部 20…磁性素子 30…処理装置 31…検出部 32…第1のセンサ部 33…第2のセンサ部 40,41,50,51…MR素子(磁電変換素子)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI G07F 7/08 G06K 19/00 E G07F 7/08 Z (72)発明者 森 俊哉 神奈川県横浜市金沢区福浦3丁目10番地 日本発条株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】非磁性材料からなる基材と、 前記基材中にランダムに混入された多数の磁性素子を含
    みかつ前記基材の所定位置に設定された素子走査部と、 前記素子走査部の磁性素子の混入状況に応じて得られる
    固有の出力に関する照合用データがコード化されて記録
    される登録データ記録部と、 前記素子走査部をセンサによって走査する際に前記素子
    走査部の位置に関する信号を出力可能な位置信号記録部
    と、 を具備したことを特徴とする真正さがチェックされる被
    検出物。
  2. 【請求項2】前記素子走査部と前記位置信号記録部とが
    互いに離れた位置に設けられていることを特徴とする請
    求項1記載の被検出物。
  3. 【請求項3】前記素子走査部と前記位置信号記録部とが
    被検出物の共通トラック領域に設けられていることを特
    徴とする請求項1記載の被検出物。
  4. 【請求項4】磁性素子が混入された素子走査部を有する
    被検出物の真正さをチェックするための処理装置であっ
    て、 前記素子走査部を磁気的に走査することによりこの素子
    走査部に含まれる磁性素子の分布に応じた出力をとらえ
    て固有の検出信号を得る第1のセンサ部と、 前記素子走査部に対する前記第1のセンサ部の位置に応
    じた信号を出力可能な位置信号記録部を走査することに
    よって同期クロック信号を得る第2のセンサ部と、 前記第1のセンサ部がとらえた出力と前記同期クロック
    信号とに基いて得られた検出信号を、被検出物の登録デ
    ータ記録部に登録されているデータと照合し、 両者が対応した時にこの被検出物が真正であると判断す
    る手段と、を具備したことを特徴とする被検出物の真正
    さをチェックするための処理装置。
  5. 【請求項5】前記第1のセンサ部は、走査時に前記位置
    信号記録部の位置信号を同時に検出可能な位置に磁電変
    換素子対を設けたものであり、前記第2のセンサ部は、
    走査時に前記位置信号を時間的にずれて検出する位置に
    磁電変換素子対を設けたものであり、これら第1のセン
    サ部と第2のセンサ部を共通の検出ヘッドに配置し、被
    検出物の共通トラック領域に設けた前記素子走査部と位
    置信号記録部とを前記検出ヘッドによって走査するよう
    にしたことを特徴とする請求項4記載の処理装置。
  6. 【請求項6】磁性素子が混入された素子走査部を有する
    被検出物の真正さをチェックするための方法であって、 第1のセンサ部によって前記素子走査部を磁気的に走査
    することにより前記磁性素子の分布に応じた固有の出力
    を得るとともに、前記被検出物に設けた位置信号記録部
    を第2のセンサ部によって走査することにより素子走査
    部の位置に応じた同期クロック信号を得る工程と、 前記第1のセンサ部がとらえた前記出力と第2のセンサ
    部によって得られた同期クロック信号とに基いて走査速
    度に依存しない素子走査部の検出信号を得る工程と、 前記検出信号と被検出物の登録データ記録部に記録され
    ているデータとを照合し、両者が対応した時にこの被検
    出物が真正であると判断する工程と、 を具備したことを特徴とする被検出物のチェック方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2003027951A1 (en) * 2001-08-29 2003-04-03 Olympus Corporation Information recording medium capable of judgment of forgery, forgery judgment apparatus, forgery judgment method, and program

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