JP2000095982A - 真偽判定用磁性インク、それを用いた真偽判定物品、真偽判定方法及び真偽判定装置 - Google Patents

真偽判定用磁性インク、それを用いた真偽判定物品、真偽判定方法及び真偽判定装置

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JP2000095982A
JP2000095982A JP26532298A JP26532298A JP2000095982A JP 2000095982 A JP2000095982 A JP 2000095982A JP 26532298 A JP26532298 A JP 26532298A JP 26532298 A JP26532298 A JP 26532298A JP 2000095982 A JP2000095982 A JP 2000095982A
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忠彦 小林
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孝雄 沢
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 感度が良好で耐久性のよい真偽判定物品を用
い、信頼性、判定速度及び偽造防止効果に優れた真偽判
定を容易に行う。 【解決手段】 100Oe以下の保磁力及び−50ない
し150℃のキュリー温度を有する磁性粉を適用した物
品を使用し、キュリー温度前後の温度で各々信号を検知
し、両者を比較することにより判定を行なう。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば健康保険
証、身分証など一つ一つに固有の番号があるもの、また
旅行代理店やチケットセンターなどが発行する新幹線指
定券、回数券、コンサートチケットなどの特定用紙に印
刷し、価値を有する券、また銀行券、証券、株券、各種
商品券等の偽造防止を必要とする物品に用いる真偽判定
用インク、それを用いた物品、その判定方法、及び判定
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、ある一定の価値を有する金
券、有価証券、カードなどに対する偽造は様々な観点か
ら行われ、これに対する偽造防止策も様々な観点から施
されてきた。とくに、紙葉類にある種の情報を磁気を帯
びたインクで印刷し、磁気的に検出する方法は情報の記
録(印刷)と消去(紙の裁断)が容易であり、良く取ら
れている手段である。
【0003】このような磁性インクを用いた真偽判定
は、一般に、高速読み取りが可能であることから、磁気
による検知が様々な分野で活用されている。しかしなが
ら、従来の方法では、所定の位置に磁気情報が存在する
か否かの判断で真偽判定がされているだけであり、ま
た、使用される鉄酸化物が比較的容易に入手し得ること
から、最近の印刷技術を活用した偽造技術による偽造事
件が頻繁に起こっている。
【0004】近年、例えば特開平8−101942号公
報に、130℃よりも低いキュリー温度をもつ磁気顔料
を含んだ磁性インクを用いた文書の真偽判定方法等が提
案されている。この方法では、キュリー温度を130℃
以下に設定した磁気顔料、例えばCrO2 を含んだイン
クで印刷した部分を、永久磁石などにより磁化させ、あ
る種の磁化パターンを形成させる。この後、キュリー温
度以上まで加熱し、磁気パターンが破壊されたか否かを
判定する。この判定は「3Mviewer」のような検
視シートを用いる。しかしながら、この方法では、判定
をするのに1回1回フィルムと文書を合わせること、ま
た磁気パターンを毎回記録するという手間がかかり、高
速での真偽判定は困難であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、これらの課
題に鑑みなされたものであり、その第1の目的は、読取
りの感度及び耐久性が良好で、信頼性、判定速度及び偽
造防止効果が高い真偽判定用磁性インクを得ることにあ
る。
【0006】また、本発明の第2の目的は、読取りの感
度及び耐久性が良好で、判定速度及び偽造防止効果が高
い真偽判定物品を得ることにある。さらに、本発明の第
3の目的は、信頼性、判定速度及び偽造防止効果に優れ
た真偽判定を容易に行うことができる真偽判定方法を得
ることにある。さらにまた、本発明の第4の目的は、信
頼性、判定速度及び偽造防止効果に優れた真偽判定を、
容易に行うことができる真偽判定装置を得ることにあ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、第1、100
Oe以下の保磁力及び−50ないし150℃の第1の
キュリー温度を有する第1の磁性粉を含むことを特徴と
する真偽判定用インクを提供する。
【0008】本発明は、第2に、100 Oe以下の保
磁力及び−50ないし150℃の第1のキュリー温度を
有する第1の磁性粉を含むことを特徴とする真偽判定用
インクを具備する真偽判定物品を提供する。
【0009】本発明は、第3に、100 Oe以下の保
磁力及び−50ないし150℃の間のキュリー温度を有
する磁性粉を含む真偽判定用インクを適用した真偽判定
物品を用い、前記キュリー温度以上の温度条件、及び前
記キュリー温度未満の温度条件で信号検出を行ない、こ
の検出信号に基づき前記真偽判定物品の真偽を判定する
ことを特徴とする真偽判定方法を提供する。
【0010】本発明は、第4に、100 Oe以下の保
磁力及び−50ないし150℃の第1のキュリー温度を
有する第1の磁性粉と、該第1のキュリー温度とは異な
る第2のキュリー温度を有する第2の磁性粉とを含む真
偽判定用インクを適用した真偽判定物品を用い、該第1
のキュリー温度以下の温度条件、該第1と第2のキュリ
ー温度間の温度条件、及び第2のキュリー温度以上の温
度条件にて各々信号検出を行ない、これらの検出信号に
基づき上記真偽判定物品の真偽を判定することを特徴と
する真偽判定方法を提供する。
【0011】本発明は、第5に、100 Oe以下の保
磁力及び−50ないし150℃の間のキュリー温度を有
する磁性粉を含む真偽判定用インクを適用した真偽判定
物品の真偽を判定する真偽判定装置において、該真偽判
定物品を搬送する搬送手段と、該搬送手段により搬送さ
れた該真偽判定物品の少なくとも一部を加熱または冷却
する手段と、該キュリー温度以上の温度条件で該真偽判
定物品からの信号を検出する第1の検出手段と、該キュ
リー温度未満の温度条件で該真偽判定物品中らの信号を
検出する第2の検出手段と、該第1及び第2の検出手段
による検出結果に基づいて該真偽判定物品の真偽を判定
する判定手段とを具備することを特徴とする真偽判定装
置を提供する。
【0012】本発明は、第6に、100 Oe以下の保
磁力及び−50ないし150℃の第1のキュリー温度を
有する第1の磁性粉と、該第1のキュリー温度とは異な
る第2のキュリー温度を有する第2の磁性粉とを含む真
偽判定用インクを適用した真偽判定物品の真偽を判定す
る真偽判定装置において、該真偽判定物品を搬送する搬
送手段と、該搬送手段により搬送された該真偽判定物品
の少なくとも一部を加熱または冷却する手段と、該第1
のキュリー温度以下の温度条件で該真偽判定物品からの
信号を検出する第1の検出手段と、該第1のキュリー温
度以上、該第2のキュリー温度以下の温度条件で該真偽
判定物品からの信号を検出する第2の検出手段と、該第
2のキュリー温度以上の温度条件で該真偽判定物品から
の信号を検出する第3の検出手段と、該第1ないし第3
の検出手段による検出結果に基づいて該真偽判定物品の
真偽を判定する判定手段とを具備することを特徴とする
真偽判定装置を提供する。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明者らは、上記課題の解決に
対し鋭意研究を行った結果、キュリー温度が−50〜1
50℃でかつ保磁力が100Oe以下の磁性粉を用いた
インクを用いると、簡便に、かつ高速で真偽判定が可能
となることを見出だした。さらに、本発明者らは、キュ
リー温度が異なる2種以上の磁性粉を混合したインクを
用いるか、あるいはキュリー温度の異なる2種のインク
を個別に印刷することにより、さらに情報の種類が増
え、高速、高信頼性であり、偽造防止効果の高い真偽判
定が可能になることを見出だし、本発明の完成に至っ
た。
【0014】本発明の真偽判定用インクは、100 O
e以下の保磁力及び−50ないし150℃の第1のキュ
リー温度を有する第1の磁性粉を含有する。また、本発
明の真偽判定用物品は、上記真偽判定用インクを適用し
た物品からなる。
【0015】さらに、本発明の真偽判定方法では、上記
真偽判定用物品を用い、第1のキュリー温度以上の温度
条件、及び第1のキュリー温度未満の温度条件で信号検
出を行う。
【0016】さらにまた、本発明の真偽判定装置は、上
記真偽判定用物品の真偽を判定するための装置であっ
て、少なくとも真偽判定用インクを適用した真偽判定用
物品を搬送するための搬送手段、搬送手段上に設けら
れ、真偽判定用インクを加熱または冷却するための加熱
または冷却手段、真偽判定用物品の信号の検出を行うた
めの手段を具備する。
【0017】ここで用いる磁性粉は保磁力とキュリー温
度を満足するものであれば特に制限はないが、耐久性、
耐環境性を考慮すると酸化物が好ましい。たとえば、ペ
ロブスカイト型、ガーネット型、六方晶系、スピネル系
などが挙げられるが、特にNiZnフェライトが好まし
い。これはNiとZnの比を変えることにより、任意の
キュリー温度に設定することが可能であり、用途、検出
条件などに適したキュリー温度に設定できるため、自由
度が大きい。
【0018】本発明では、磁性粉の保磁力は100Oe
以下と小さいため高感度である。保磁力の値は好ましく
は10〜50Oeであり、さらに好ましくは10Oeで
ある。磁性粉のキュリー温度は150℃以下であり、比
較的容易な温度変化での検出出力に大きな変化がある。
150℃以上になると被測定物の表面温度がばらつきが
起きやすいため、精度の高い検出になり難く、一方−5
0℃以下では磁性粉の透磁率が低くなりすぎて検出出力
が小さくなり、また温度依存性が大きく、出力がふらつ
く。磁性粉のキュリー温度は、好ましくは−20℃〜1
30℃であり、さらに好ましくは−10℃から120℃
である。
【0019】真偽判定方法は、本発明の真偽判定用イン
クを用いて例えば表面に印刷をした物品に対して、その
キュリー温度以上の温度条件及びキュリー温度以下の温
度条件で各々磁性粉から得られる信号検知で行う。これ
により、キュリー温度以下の温度条件では、ある種の信
号パターンが得られ、キュリー温度以上ではこれが全く
消去する。なお、使用される磁性粉は可逆性をもち、温
度をもとに戻すと再び当初得られた信号パターンが得ら
れる。
【0020】なお、本発明の真偽判定装置においては、
ヒーター用ランプなどの加熱手段、あるいは液体窒素の
ような冷却気体の吹き付けによる冷却手段などを設け、
検出時に加熱あるいは冷却を行うことにより、所定のキ
ュリー温度前後での出力の変化が容易である。また、2
個の検出ヘッドの間に温度コントロールをするためのエ
リアを設置すれば、高速で連続的に真偽判定が出来る。
【0021】また、好ましくは平均粒径1μm以下の磁
性粉を用いた磁性インクを用いると、印刷時に紙の繊維
の中に侵入していき、表面に存在する量が少なくなる。
これによって、磁気検出による磁性粉の脱落が大幅に減
少し、耐久性が大幅に改善される。磁性粉の粒径はより
好ましくは0.8μm以下であり、さらに好ましくは
0.5μm以下である。さらに、粒径を細かくすると、
様々な顔料との組み合わせが容易となり、インクの色の
調整が可能になる。
【0022】0.8μm以下の粒径を有する磁性粉の製
造方法としては、ガラス結晶化法が好ましい。これはガ
ラス化元素例えばB23 と磁性粉を所定の割合で混
ぜ、溶融後高速回転するロール冷却体で急冷することに
よりアモルファス化した後、熱処理により結晶化させ、
最後にガラス化元素を洗浄して分離する方法である。
【0023】さらに、本発明によれば、キュリー温度の
異なる2種以上の磁性粉を用いることができる。この場
合、これら2種以上の磁性粉を混合したインクを適用し
て真偽判定用物品を作成することができる。あるいは個
別に種々の磁性インクを作製し、個別に物品に適用する
こともできる。磁性粉は同一系、あるいは異なる系でも
特に制限されることはない。また、この場合は少なくと
も1種が−50〜150℃の範囲にあれば良く、150
℃以上あるいは−50℃以下のキュリー温度を持つもの
が含まれていてもよい。また、2種以上の磁性粉の混合
比を変える、あるいは磁性インクの磁性粉濃度を変える
ことなどによっても、さらに情報の多様化に対応でき
る。
【0024】キュリー温度の異なる2種以上の磁性粉を
用いる場合には、判定時に必要に応じて、検出手段、加
熱または冷却装置を適宜設置することができる。例えば
キュリー温度の異なる2種の磁性粉を用いるとき、真偽
判定装置内に、3つの検出手段すなわち第1のキュリー
温度以下の温度条件で真偽判定物品からの信号を検出す
る第1の検出手段と、第1のキュリー温度以上、第1の
キュリー温度と異なる第2のキュリー温度以下の温度条
件で真偽判定物品からの信号を検出する第2の検出手段
と、第2のキュリー温度以上の温度条件で真偽判定物品
からの信号を検出する第3の検出手段とを設けて、3種
類の検出を行なうことができる。以下、実施例を示し、
本発明を具体的に説明する。
【0025】
【実施例】図1に、本発明の真偽判定装置の一例の構成
を表す該略図を示す。この装置は、100 Oe以下の
保磁力及び−50ないし150℃のキュリー温度を有す
る第1の磁性粉を含む真偽判定用インクを適用した真偽
判定用物品の真偽を判定するための装置であって、図1
に示すように、図示しない真偽判定用物品を搬送するた
めの搬送手段10と、搬送手段10上に順次設けられ
た、真偽判定用物品の信号の検出を行うための第1のセ
ンサー2と、搬送される真偽判定用物品を加熱するため
の加熱手段3と、加熱された真偽判定用物品の信号を検
出するための第2のセンサー4とを有する。
【0026】この装置では、100 Oe以下の保磁力
及び−50ないし150℃のキュリー温度を有する磁性
粉を適用した真偽判定用物品を搬送手段10上に設置
し、矢印方向に搬送しながら、まず、第1のセンサー2
により常温で信号の検出を行なう。その後、矢印方向に
搬送しながら、加熱手段3により磁性粉のキュリー温度
以上の所定温度まで真偽判定用物品を加熱する。加熱後
さらに搬送しながら第2のセンサー4により再度信号の
検出を行なう。2つの検出信号を比較することにより、
物品の真偽を判定することができる。
【0027】以下、上述の装置を用いた信号の検出例を
示す。 実施例1及び比較例1 平均結晶粒径0.4μm、キュリー温度120℃のNi
0.3 Zn0.7 Fe24 磁性粉と樹脂及び分散剤を混合
し、インク化した。基材として紙を用意し、得られた磁
性インクを用いて紙上にバーコード印刷を行なった。な
お、使用した磁性粉の保磁力は5Oeであった。
【0028】得られた印刷物を図1と同様の構成を有す
る真偽判定装置に適用した。まず、得られた印刷物の信
号を、室温で非接触読み取りヘッド2を用いて検出し
た。その後、ヒータランプ3で130℃以上にまで温め
た直後に、同様の構成を有する非接触読み取りヘッド4
を用いて再度検出した。その結果、室温では2mVp−
pの信号が得られたが、後者ではまったく信号が得られ
なかった。これを1000回、短時間で繰り返し行って
も検出信号に変化は現れなかった。
【0029】比較例1として、CrO2 を磁気顔料とし
て作製した磁性インクを用いて同様の評価をした。得ら
れた出力は極めて小さく、相当増幅しないと検出不可能
であった。また、1度キュリー温度以上まで温度を上げ
た後に「3M Viewer」で評価すると、確かに情
報消去が確認できたが、書き込みの手間と消去の確認に
手間取り高速での真偽判定は困難であることがわかっ
た。
【0030】上記したように、本発明の磁性インクおよ
びそれを用いた物品では真偽判定が容易でかつ迅速に行
えることが明らかである。 実施例2及び比較例2 平均粒径50nm、キュリー温度40℃、保磁力2Oe
のNi0.2 Zn0.8 Fe24 と、平均粒径70nm、
キュリー温度90℃、保磁力0.5OeのNi0.75Zn
0.25Fe24 の磁性粉とを1:7とし、樹脂と分散剤
を混合し、インク化した。得られた磁性インクを用いて
実施例1と同様に紙にバーコード印刷を行なった。な
お、磁性粉はガラス結晶化法で作製したものを用いた。
得られた印刷物の信号を実施例1と同様にして検出し
た。
【0031】その結果、室温では12mVp−p、60
℃では、8mVp−pの信号が得られたが、加熱した条
件ではまったく信号が得られなかった。また、これを1
000回、短時間でくりかえし行っても検出信号に変化
は現れなかった。
【0032】比較例2として、粒径20μmのCrO2
を磁気顔料として作製した磁性インクを用いて同様の評
価をした場合、出力は小さく0.1mVp−p程度であ
っが、1000回繰り返しても、出力は極めて小さく測
定不可能になった。
【0033】上記したように、本発明の磁性インクおよ
びそれを用いた物品では真偽判定が容易でかつ繰り返し
に十分耐え得る高信頼性が得られる。 実施例3 平均粒径60μm、キュリー温度120℃のNi0.3
0.7 Fe24 と樹脂、及び分散剤を混合して得られ
た磁性インクAと、キュリー温度400℃以上、平均粒
径80nm、保磁力10OeのNi0.7 Zn0.3 Fe2
4 と同様の樹脂分散剤を混合した磁性インクとBを各
々調製した。得られた磁性インクを用いて紙に各々印刷
を行なった。なお、磁性粉はガラス結晶化法で作製した
ものを用いた。図2は、本発明の第3の例にかかる印刷
物を上から見た図を示す。図示するように、この印刷物
は、紙20上に高いキュリー温度を有する磁性インクB
を用いて印刷された所定のパターン11と、低いキュリ
ー温度を有する磁性インクAを用いて印刷された所定の
パターン12,13とを有する。得られた印刷物の信号
を常温で第1のセンサー2で検出した後、ヒータランプ
3で磁性インクを約150℃に加熱し、第2のセンサー
4で再度検出した。
【0034】図3及び図4に、第1のセンサー2で得ら
れた検出信号の波形及び第2のセンサー4で得られた検
出信号の波形を各々示す。図中、11aは高いキュリー
温度を有する磁性インクBを用いたパターン11、12
aは低いキュリー温度を有する磁性インクAを用いたパ
ターン12、及び13aは低いキュリー温度を有する磁
性インクAを用いたパターン13のピークを各々示す。
図示するように、第1のセンサー2で得られた低いキュ
リー温度を有する磁性インクAのピーク12a及び13
aは、第2のセンサー4で得られた検出信号の波形から
は消えた。
【0035】上述の実施例で得られた検出信号の判定
は、以下のようにして行なうことができる。例えば図3
及び図4に示す検出波形は、ハイパスフィルタにより直
流成分を除去して、パルス波形状の信号波形を取り出
し、一定電圧以上のパルスの数を加熱前と加熱後の信号
について計数し、それぞれの計数を真偽判定用物品固有
の所定の数、すなわち加熱前が3、加熱後が1であるこ
とを確認することにより、真偽の判定を行なうことがで
きる。
【0036】あるいは、ハイパスフィルタにより直流成
分を除去して、パルス波形状の信号波形を取り出した
後、整流して直流信号とし、この直流信号を積分して真
偽判定用物品固有の所定の値と大小を比較し、すなわち
加熱前が大きく、加熱後が小さいことを確認することに
より、真偽の判定を行なうことができる。
【0037】また、図5に、本発明に好ましく使用され
るNi、Znフェライト系(Ni1-Zn Fe24
系)磁性粉のキュリー温度とδとの関係を表すグラフ図
を示す。この図から、同じNi、Znフェライト系磁性
粉であっても、成分構成によりキュリー温度と透磁率が
大きく変化することがわかる。本発明に使用される磁性
粉は、所望の範囲のキュリー温度と保磁力を有するよう
その成分構成を調節して使用され得る。
【0038】
【発明の効果】本発明によれば、適用される磁性粉の感
度が良好であり、信頼性、及び偽造防止効果の高い真偽
判定を、高速で容易に行なうことができる。本発明の実
用面でのメリットは大きく、工業的価値は極めて大き
い。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の真偽判定装置の一例の構成を表す該
略図
【図2】 本発明の真偽判定物品の一例を表す概略図
【図3】 本発明の真偽判定装置による検出信号の一例
を表すグラフ図
【図4】 本発明の真偽判定装置による検出信号の一例
を表すグラフ図
【図5】 本発明に好ましく使用されるNi、Znフェ
ライト系磁性粉の透磁率と温度との関係を表すグラフ図
【符号の説明】
2…第1のセンサー 3…加熱手段 4…第2のセンサー 10…搬送手段 11…キュリー温度の高いインクで印刷されたパターン 12,13…キュリー温度の低いインクで印刷されたパ
ターン 20…紙
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小浜 政夫 神奈川県川崎市幸区柳町70番地 東芝ソシ オエンジニアリング株式会社内 Fターム(参考) 3E041 AA01 AA03 BA09 BB07 BB10 CA04 CB08 DB01 4J039 BA13 BA31 BA37 BA38 BD02 BE33 CA05 DA02 EA26 EA34 GA34

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 100 Oe以下の保磁力及び−50な
    いし150℃の第1のキュリー温度を有する第1の磁性
    粉を含むことを特徴とする真偽判定用インク。
  2. 【請求項2】 100 Oe以下の保磁力及び該第1の
    キュリー温度と異なる第2のキュリー温度を有する第2
    の磁性粉をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載
    の真偽判定用インク。
  3. 【請求項3】 少なくとも前記第1の磁性粉は、1μm
    以下の粒径を有することを特徴とする請求項1または2
    に記載の真偽判定用インク。
  4. 【請求項4】 100 Oe以下の保磁力及び−50な
    いし150℃の第1のキュリー温度を有する第1の磁性
    粉を含むことを特徴とする真偽判定用インクを具備する
    真偽判定物品。
  5. 【請求項5】 100 Oe以下の保磁力及び−50な
    いし150℃の間のキュリー温度を有する磁性粉を含む
    真偽判定用インクを適用した真偽判定物品を用い、前記
    キュリー温度以上の温度条件、及び前記キュリー温度未
    満の温度条件で信号検出を行ない、この検出信号に基づ
    き前記真偽判定物品の真偽を判定することを特徴とする
    真偽判定方法。
  6. 【請求項6】 100 Oe以下の保磁力及び−50な
    いし150℃の第1のキュリー温度を有する第1の磁性
    粉と、該第1のキュリー温度とは異なる第2のキュリー
    温度を有する第2の磁性粉とを含む真偽判定用インクを
    適用した真偽判定物品を用い、該第1のキュリー温度以
    下の温度条件、該第1と第2のキュリー温度間の温度条
    件、及び第2のキュリー温度以上の温度条件にて各々信
    号検出を行ない、これらの検出信号に基づき上記真偽判
    定物品の真偽を判定することを特徴とする真偽判定方
    法。
  7. 【請求項7】 100 Oe以下の保磁力及び−50な
    いし150℃の間のキュリー温度を有する磁性粉を含む
    真偽判定用インクを適用した真偽判定物品の真偽を判定
    する真偽判定装置において、 該真偽判定物品を搬送する搬送手段と、 該搬送手段により搬送された該真偽判定物品の少なくと
    も一部を加熱または冷却する手段と、 該キュリー温度以上の温度条件で該真偽判定物品からの
    信号を検出する第1の検出手段と、 該キュリー温度未満の温度条件で該真偽判定物品中らの
    信号を検出する第2の検出手段と、 該第1及び第2の検出手段による検出結果に基づいて該
    真偽判定物品の真偽を判定する判定手段とを具備するこ
    とを特徴とする真偽判定装置。
  8. 【請求項8】 100 Oe以下の保磁力及び−50な
    いし150℃の第1のキュリー温度を有する第1の磁性
    粉と、該第1のキュリー温度とは異なる第2のキュリー
    温度を有する第2の磁性粉とを含む真偽判定用インクを
    適用した真偽判定物品の真偽を判定する真偽判定装置に
    おいて、 該真偽判定物品を搬送する搬送手段と、 該搬送手段により搬送された該真偽判定物品の少なくと
    も一部を加熱または冷却する手段と、 該第1のキュリー温度以下の温度条件で該真偽判定物品
    からの信号を検出する第1の検出手段と、 該第1のキュリー温度以上、該第2のキュリー温度以下
    の温度条件で該真偽判定物品からの信号を検出する第2
    の検出手段と、 該第2のキュリー温度以上の温度条件で該真偽判定物品
    からの信号を検出する第3の検出手段と、 該第1ないし第3の検出手段による検出結果に基づいて
    該真偽判定物品の真偽を判定する判定手段とを具備する
    ことを特徴とする真偽判定装置。
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