JP2004345192A - 磁気記録方法及び読み書き可能な磁気プリンター - Google Patents

磁気記録方法及び読み書き可能な磁気プリンター Download PDF

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Abstract

【課題】証券や金券等に対する一般印刷で、セキュリティレベルの高い記録再生方式を確立することと、通常のプリンターを用いても容易に磁気記録再生ができるシステムを確立することにある
【手段】磁気インクを記録媒体上に印字する磁気記録方法であって、吐出された後の磁気インクに対し磁場をかけることにより、塗布時における磁気インクを着磁状態とし、印字すべき情報に対応させて、塗布時における磁気インクの着磁量を、磁性粉の吐出量及び磁場における配向状態、並びに磁場強度により制御するとともに、該着磁量を漏れ磁場量により検出する。磁気インクは、保磁力が10000A/m以上、且つ平均粒径が10ミクロン以下の磁性粉を含む。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、磁気記録方法及び磁気印刷をするための磁気記録再生部を有する読み書き可能な磁気プリンターに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、証券類のように、セキュリティを目的として磁気インクによる印刷を施したり、文字読み取りを目的とした磁気インク印刷文字等が開示されている(特許文献1〜2参照。)。
【0003】
特に、磁気インク印刷文字の場合、JIS規格(JIS C−6251)を例にとると、磁気印刷した文字パターンの磁性体を直流磁化ヘッドで飽和磁化させ、規定ギャップ幅を持つ磁気読み取りヘッドで読み取り、出力電圧により文字パターンを判別している(特許文献3参照)。
【0004】
また、上記特許文献3に記載されているように、磁気インクを用いた応用例として、バーコードを磁気インクで印刷し、磁気ヘッドで読み出すことも行われている。一般的なバーコードは、光の反射を利用するために、汚れに弱く、美観的見地から外観上問題となることもあるが、この点、磁気インクを用いたバーコードは、外観上の汚れは殆ど問題とならない利点がある。
【0005】
また、特願平7−197100号の特許名「安全保護紙の真偽判定装置」には樹脂基板上にスパッタ等で生成したアモルファス磁性膜をその樹脂基板を含めてタグ(安全線条)の形状で紙等にすき込むか又はカード類の表面に張り付けて安全線条の強磁性特性を利用して真偽判定するようにしているものがある。
【0006】
また、このようなアモルファス磁性材の安全線条において、アモルファス強磁性体を粉砕して粉体にすると、ソフト磁性材料では粉砕時の歪により保磁力が発生し、またハード材料では保磁力が低下するといった固有磁気特性が失われる報告がある(非特許文献1参照)。また、磁気粉体により磁気特性を得ようとする場合、磁性層の厚さとして好ましいとされている範囲は、10〜20μm、大きさは、幅10〜30mm、長さは10〜50mmの範囲が記載されている(特許文献4参照)。
【0007】
【特許文献1】特開平9−24686号公報
【特許文献2】特願平7−197100号公報
【特許文献3】特願平7−345050号公報
【特許文献4】特開平6−119565号公報
【非特許文献1】センサ技術1987年1月Vol.1,No.1
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
現在、磁気インクを印刷に用いる対象は、セキュリティの必要な証券等の印刷物が主体となっている。この場合には記録のセキュリティ性と耐汚濁性が主な課題である。殆ど全ての磁気インクはγ−FeやCoFe、Fe等の酸化鉄を主成分とする磁気粉体やFeを主成分とするメタルパウダーを樹脂等のバインダに混合したものであり、原材料は入手し易いため、偽造紙幣の印刷が可能となり、セキュリティ性には欠けるという欠点がある。
【0009】
また、一般印刷ではロールに印字されたものを紙に転写して印刷する方式やスクリーン印刷等が通常であるが、この際、印刷された直後に乾燥するために磁性粉はランダム配向状態を形成している。特に、ここで保磁力が大きいものでは、ランダム配向したものに着磁を行わせると、通常よりも磁界を強くしても着磁ができない。
【0010】
また、このような一般印刷ではなく、個人が使用するパーソナルコンピューターのプリンター等でプリントアウトされる書類に対して、磁気記録等のセキュリティ管理はできない状態にある。この理由としては、磁気インクを塗布しても、記録や再生システムがないために、新たな装置を必要とする。特に、プリンターで紙面に書きこんだ場合には、例えば、送られてきた紙面に対する情報をファイルに保存することは直接できないために、一度スキャナーで読み取り、紙面データをファイルに保存するという手間が必要となっている。
【0011】
さらには、上記従来のような磁気記録の記録方式では、印字後に直流磁場を印加して磁化させた後に磁気ヘッドで読み取るために、塗布段階で磁性粉がランダム配向状態となり、この状態で放置されると消磁されるという問題がある。また、ランダム配向状態では着磁後、漏れ磁場の強度が弱いという問題も発生している。
【0012】
また、磁気粉体により固有の磁気特性を得ようとしても、特許文献4に記載されている磁性層では、塗布後2000ガウス以上の配向処理は必要であり、容易に配向処理を行うことができないという問題がある。
【0013】
発明の目的は、例えば、証券や金券その他に対する一般印刷等の分野において、セキュリティレベルの高い記録再生方式を確立すること、及び、通常のプリンター構造の、紙の送り出し機構とインクの塗布制御機構を用いて、磁気記録再生、または光反射強度を計測するための光ヘッドを付帯させることによりデータ量を増やし、且つセキュリティや識別管理も可能なプリンターを構築することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するため、本発明では、磁気プリンターに、保磁力が1000A/m以上、且つ粉のサイズが10ミクロン以下の磁性粉からなる磁気インクを用いて、印刷時、または塗布時に磁性粉が固着しない段階の状態で磁場を掛けて磁性粉を配向させることにより磁気パターンを形成させ、その際に塗布量または磁場による配向状態、磁場配向の磁場の強さによる着磁量を変えることにより磁気パターンの漏れ磁場量を制御して記録させる。
【0015】
また、磁気インクの塗布口を有する機構部、または独立した機構部に磁気ヘッドを装着し、磁気ヘッドを稼動させることにより磁気パターンを読み取るか、または磁気記録パターンの光反射強度の違いを用いて記録パターンを読み取る為の反射光強度読み取りヘッドを装着し、ヘッドを稼動させることにより磁気記録パターンを読み取る機能を有する記録再生手段を備えることにより上記目的を達成するものである。
【0016】
また、個人向けのパーソナルコンピューター用のプリンターではなく、一般印刷の場合にも同様に印刷時、または塗布時に磁性粉が固着しない段階の状態で磁場を掛けて磁性粉を配向させることにより磁気パターンを形成させ、その際に塗布量または磁場による配向状態を変えることにより磁気パターンの漏れ磁場量を制御して記録させる。再生信号はプリンターが装着したものではなく、バーコードリーダーのようなものに磁気ヘッドを装着して読み取る構成としてもよい。
【0017】
すなわち、請求項1の磁気記録方法は、上記の課題を解決するために、磁気インクを記録媒体上に印字する磁気記録方法であって、吐出された後の磁気インクに対し磁場をかけることにより、塗布時における磁気インクを着磁状態とし、印字すべき情報に対応させて、塗布時における磁気インクの着磁量を、磁性粉の吐出量及び磁場における配向状態、並びに磁場強度により制御するとともに、該着磁量を漏れ磁場量により検出することを特徴としている。
【0018】
上記の構成によれば、塗布時における磁気インクを着磁状態とし、印字すべき情報に対応させて該磁気インクの着磁量を前記吐出量、配向状態、及び磁場強度により制御することで、紙面に印字されるべき情報を着磁量の変化値として電子データ化し再生することが可能となる。また、前記着磁量を漏れ磁場量により検出することで、電子データを読み取り、保存することができる。すなわち、磁性粒子がランダムに配向した状態で着磁や励磁をしても、理論的に残留磁化としての量は1/3程度となり、磁気記録パターンから得る再生信号を取れない。しかし、上記構成によれば、塗布時に磁場を加えることで、磁性粒子を配向、着磁するので再生信号が取れ易くなるとともに、低コスト化を図ることができる。
【0019】
請求項2の磁気記録方法は、上記の課題を解決するために、磁気インクは、保磁力が10000A/m以上、且つ平均粒径が10ミクロン以下の磁性粉を含むことを特徴としている。
【0020】
上記の構成によれば、磁気インクの保持力及び平均粒径を上記範囲とすることにより、塗布時に磁場を加えることで、磁性粒子をより確実に配向、着磁させることができ再生信号が得られ易い。
【0021】
請求項3の磁気記録方法は、上記の課題を解決するために、電磁石の電流量により磁場強度を変化させ、塗布時における磁気インクの着磁量を制御することを特徴としている。
【0022】
上記の構成によれば、電磁石により、発生する磁場の大きさが制御できるので、電磁石により着磁量を制御することができる。
【0023】
請求項4の磁気記録方法は、上記の課題を解決するために、磁気インクを記録媒体に対し吐出又は転写するための塗布手段と、磁気インクを塗布時において着磁状態とするための着磁手段と、着磁された磁気インクの着磁状態を磁気パターンとして読み取るための読み取り手段と、読み取った磁気パターンを記憶及び/または再生するための再生手段と、を備えたことを特徴としている。
【0024】
上記の構成によれば、塗布時における磁気インクを着磁状態とし、印字すべき情報に対応させて該磁気インクの着磁量を吐出量、配向状態、磁場強度等により制御することができるので、紙面に印字されるべき情報を、着磁量の変化値として電子データ化し再生することができる読み書き可能な磁気プリンターを提供できる。
【0025】
請求項5の磁気プリンターは、上記の課題を解決するために、読み取り手段は、磁気記録パターンの光反射強度の違いを利用して磁気記録パターンを読み取る反射光強度読み取りヘッドであることを特徴としている。
上記再生手段を用いれば、磁気インクのみならず、通常のインクの色の違いを光学式ヘッドを用いて再生することができる。
請求項6の磁気プリンターは、上記の課題を解決するために、再生手段は、磁気記録パターンの再生を行うプリンターのインク吐出口を有するヘッド、もしくは独立した機構部に装着された磁気ヘッドまたは光学式ヘッドであり、磁気プリンターからの再生信号をコンピュターに送ることを特徴としている。
【0026】
請求項7の磁気プリンターは、上記の課題を解決するために、磁気インクのインク吐出口と磁場配向用の磁石との間に記録媒体(塗膜形成媒体)を介在させる構造を備えたことを特徴としている。
【0027】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施の形態について図面に基づいて説明すれば以下のとおりである。
本発明の磁気記録方法は、磁気インクを記録媒体上に印字する磁気記録方法であって、吐出された後の磁気インクに対し磁場をかけることにより、塗布時における磁気インクを着磁状態とし、印字すべき情報に対応させて、塗布時における磁気インクの着磁量を磁性粉の吐出量及び磁場における配向状態、並びに磁場強度により制御するとともに、該着磁量を漏れ磁場量により検出する方法である。
例えば、ロールに印字された磁気インクを紙に転写して印刷する方式やスクリーン印刷等において、磁気インクが記録紙に印刷された直後であって、かつ乾燥する前、もしくは架橋反応等により硬化する前に磁場を加えて配向した状態を形成する。
【0028】
この際、磁気インクは、磁場が加わることにより、針状粒子であれば磁場ベクトル方向と針状粒子の長手方向が平行になる状態で配向し、結晶磁気異方性に基づく保磁力の磁性粉であれば、容易磁化方向と磁場ベクトルとが平行になる状態で配向する。したがって、印字される段階から磁場を加えるか、または、印字後であって乾燥の前、または硬化する前に磁場を加えることが好ましい。
【0029】
磁気インクに含まれる磁性粉としては、記録されてから時間が経過すると消磁されるので、保磁力としては1000A/m以上、望ましくは10000 A/m以上であり、且つインクとして塗布、又はスクリーン印刷で印刷するためには、磁性粉のサイズが平均粒径で10ミクロン以下、望ましくは平均粒径で1ミクロン以下の磁性粉である。このような材料としては、Fe、Co、Ni等が主成分のメタルパウダ‐やFe、Coが主成分とする酸化物のフェライトが挙げられる。
【0030】
磁場配向では、印加磁場の大きさは大きいほど良いが、本発明では一定磁場を発生する磁石で良く、外部磁場の大きさとして100ガウス以上、望ましくは1000ガウス以上が良い。この磁石の発生磁界の方向が塗膜面に対して平行になるように磁石を設定し、この磁石上に紙面を置く状態にして磁性粉が磁場配向するように行う。このような磁場配向により配向方向に対して磁化された状態を一部形成している。この後に乾燥や硬化をさせて固定化を行う。
【0031】
この場合、吐出された後における、すなわち、塗布時における磁気インクは、磁石により配向し着磁しており、漏れ磁場が大きくなっている。従って、このままの状態でも使えるが、場合によっては、更に着磁工程を入れることにより漏れ磁場をより強くして再生信号を大きくすることもできる。
【0032】
次に磁石による磁場配向ではなく、電磁石を用いた場合には、電磁石の発生する磁場の大きさが制御できるので、例えば塗膜量を一定にして、電磁石が発生する磁場の大きさを制御すると、乾燥後のパターンの漏れ磁場は電磁石の磁場の大きさにより変化するために、この方法で記録することができる。しかしながら、電磁石でも磁石と同様に塗膜量を変えて記録することはできる。
【0033】
磁性インクに対して配向、着磁に用いる磁石材料としてはBaFe1219 、SrFe1219等のフェライト燒結磁石、NdFe14,SmCo 、SmCo17等の希土類系燒結磁石、更にはそれらの燒結磁石を成分としたプラスチックマグネットでも良い。本発明では逆磁場が働くことが少ないので、保磁力よりも磁束密度が大きい方が良い。
【0034】
特願平7−345050号公報には、アモルファス金属粉が記載されているが、この場合、塗布後乾燥、または硬化させたものであるので、基本的にはランダム配向状態である。しかしながら、本発明の磁気記録方法を用いると、アモルファス金属粉でも保磁力、または容易磁化方向があるので、塗膜段階で配向し、この配向膜の透磁率の変化から記録パターンを推定することもできる。また、大バルクハウゼン現象を評価するとしても配向した粉の状態が望ましい。
【0035】
本発明では、上記のような一般印刷以外に、パ−ソナルコンピュタ−のプリンターのひとつとして、例えばインクジェットプリンターのような塗布タイプやレ−ザ−プリンターのような静電気を用いたトナ‐の転写タイプの場合にも、上記と同様な処理により磁気パターンが形成できる。この場合、インクやトナ‐が紙面に固着する前に磁場配向するものである。トナ−の場合には、トナ‐の中に本発明の磁性粉を入れることでインクの塗布と同様な効果が得られる。
【0036】
また、このようなプリンターの中で、特に市場で出荷される台数の多い、インクジェットプリンターでは、インクジェット部のインク排出口と紙を中心に挟んで、反対位置に数mm各程度の磁石を配置し、インクジェットの部分と共にその磁石が稼動する方式、またはインクジェット部のインク排出口と紙を中心に挟んでインクジェットのヘッドが稼動する範囲全体に磁石を配置する方式で、磁気インクを塗布する際に配向するものである。
【0037】
再生の場合にはインクジェットのヘッド部分に磁気ヘッドを予め一体品として装着して、記録信号を読むことも出来るが、インクジェットのヘッドとは独立して磁気ヘッドを動かして記録信号を再生することでも良い。
【0038】
このように印刷する際に磁気パターンを形成したまま被印刷対象物(塗膜形成媒体)に転写、または印刷することができれば、転写、または印刷された印刷文字、あるいはバーコードのようなパターンから磁気記録パターンを検出することが出来る。また、記録パターンの再生をプリンターのインクジェットのヘッドや、独立した機構部に磁気ヘッドを装着して、プリンターから再生信号をコンピュタ−に送る構成としてもよい。
【0039】
このような用途以外に、文字パターンに磁気インクを用いることにより、文字と同様に磁場強度というデータも加味することができるので、情報量が増えるという利点がある。さらには、文字を打ち出さなくても磁気記録で紙面に記録でき、且つ読み取ることができるので、セキュリティの観点からも利点がある。また、記録紙は紙に限定されるものではなく、プラスチックや金属片に対しても同様に作製できる。
【0040】
図1は、本実施の形態の読み書き可能な磁気プリンター10の概略構成を示す説明図である。本実施の形態の磁気プリンター10は、インクジェットのヘッド1(読み取り手段)と、磁気プリンターの筐体部分を構成するプリンター本体2と、ヘッド1を支持するためのヘッド固定用ガイド支持棒3と、読み取られた着磁量を再生信号としてコンピュータへ送信するための再生用磁気ヘッド4(再生手段)と、塗布時における磁気インクに対し磁場を形成するための磁石5と、再生用磁気ヘッド4を固定支持するための、図示しない再生用磁気ヘッド固定用ガイド支持棒とから主に構成されている。
【0041】
磁石5は、インクジェットのヘッド1の下部に設けられインクジェットのヘッド1とともに稼動し、インクジェットのヘッド1と磁石5との間にプリント紙6(記録媒体)が搬送されるようになっている。
【0042】
ヘッド固定用ガイド支持棒3は、ヘッドが紙面の排出される方向に対して直角に移動するためのガイド指示棒である。
【0043】
本実施の形態の磁気プリンターに用いられる磁気インクに含まれる磁性粉としては、例えば、0.2ミクロンのアスペクト比8程度のFe80wt%,Ni10wt%,Zn10 wt%組成のメタルパウダーで、磁気特性は保磁力が79600A/m、飽和磁化が110emu/gのものが挙げられる。
【0044】
本発明の他の実施の形態について図2〜3に基づいて説明すれば以下のとおりである。尚、実施の形態1と同一の機能を有する部材には、同一の符号を付してその説明を省略する。
【0045】
図2は、本実施の形態の磁気プリンター20の概略構成を示した説明図である。本実施の形態の磁気プリンター20では、磁気パターンを読み取る方法として、図2のようにインク吐出口7(磁気インクの塗布口)を備えた機構部に磁気ヘッドを装着し、磁気ヘッドを稼動させることにより磁気パターンを読み取る構成とした。図2では磁石を移動せずに固定し、紙面に対して平行になるように配置し、磁石の発生磁場はヘッド方向と平行、もしくは垂直であっても良いが、望ましくはヘッドがガイド指示棒で移動する方向に発生することが良い。このとき、磁気ヘッドを移動させる際には紙面の磁気パターンに接触した状態でも良い。
【0046】
上記のように、読み取りは、基本的には接触させて読み取ることが簡易であるが、図3に示す磁気プリンター30のような構成としてもよい。すなわち、図3に示すように、磁気プリンター30は、再生ヘッド及び距離センサー固定用ガイド支持棒9に、距離センサー10を設けることで、磁気ヘッドと磁気パターンとの距離を調節することも可能である。尚、磁気ヘッドとインク吐出口(塗布口)を持つ機構部とが、並列した構造を持つものが、ヘッドの制御が容易となり、コストが掛からないために好ましい。
【0047】
図2において、磁気ヘッドの変わりに光を照射し、反射光の強度(光反射強度)を読み取る光ヘッドを装着して、光により記録パターンを読む構成としてもよい。この場合にも光ヘッドとインク塗布口を持つ機構部とが並列した構造を持つものがヘッドの制御では容易となり、コストが掛からないために好ましい。再生用の磁気ヘッド、光ヘッドや配向、着磁用磁石をインクジェットのヘッド部と共に同一のタイミングベルトを用いないでも良く、それぞれが同期を取って稼動することでも良い。
【0048】
図4に、配向着磁用磁石とインクジェットのヘッド部のタイミングベルトを別々に制御して同期を取った構成を示した。図に示す磁気プリンター40には、磁石5を支持するための配向着磁用磁石のガイド支持棒11が設けられている。図4にはタイミングベルトは記載していないが、配向着磁用の磁石5、インクジェットのヘッド1、更に再生用磁気ヘッド4が、それぞれのタイミングベルトで制御されている。
【0049】
本発明に係る再生手段は、磁気記録パターンの再生を行う、磁気プリンターのインク吐出口を有するヘッドであっても、独立した機構部に装着された磁気ヘッドであっても、また、光学式ヘッドであってもよい。
【0050】
再生手段は、磁気ヘッドや光ヘッドから得られる再生信号を一度全部、磁気プリンター内のメモリーに保存して、RS232やUSB等で磁気プリンターからコンピュターに送る構成としてもよい。または、再生信号を直接、コンピュターへ送信するか、再生信号の時間ブロック、または固定量を一度メモリーに保存しながら、コンピューターに送信する構成としてもよい。
【0051】
【実施例】
次に、実験結果に基づいて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例により限定されるものではない。
【0052】
保持力は、VSM(vibrating sample magnetometer)東英工業社製を用いて評価した。
【0053】
(実験例1〜5)
磁気インクに含まれる磁性粉を調整すべく、平均粒径が0.2ミクロン、アスペクト比8のFe80wt%,Ni10wt%,Zn10 wt%組成のメタルパウダーを還元時の温度を変えて粉砕した。この粉砕物の飽和磁化を110emu/gに固定したまま、保磁力を約1000A/mから79600A/m変えたものを調整し磁性粉とした。アクリル系樹脂10wt%を溶解させたブタノ−ルに前記磁性粉をそれぞれ20 wt%添加し、これを紙の下に5mm角のNdFe14系磁石のプラスチックマグネット、表面の最大磁束4500ガウスのものを置いた状態で、スクリ−ン印刷で幅1mm、長さ2cmのところに塗布した。この結果、少なくともソフト磁性材料となるような1000A/m程度では、漏れ磁場はほとんどなく、保磁力と漏れ磁場との関係は表1のような結果となった。磁性粉は、保持力として、少なくとも10000A/m以上の特性を有することが望ましいことがわかった。漏れ磁場の測定はホールプローブ(東英工業社製)を用いた。
【0054】
【表1】
Figure 2004345192
次に、スクリーン印刷で幅1mm、長さ2cmのところに塗布する際に、1μ/cmで塗布量を変えて、ホールプローブで漏れ磁場を評価した結果、表2のように塗布量を変えることにより、漏れ磁場が大きくなることが判明し、塗布量を変えることにより磁気記録をより最適化できることがわかった。漏れ磁場は、一般的な磁気テープの記録再生装置に使用されるMnZn系フェライト磁気ヘッドでも同様に出力されるが、電圧変換され傾向としては同一となる。
【0055】
【表2】
Figure 2004345192
次に、還元後の解粒工程で粉砕し、平均粒径を篩やレーザー散乱による粒度分布測定器で評価した結果、スクリーン法では、10ミクロン以上で目詰まりの問題が発生した。また磁石による配向がSEMでは確認できないことや漏れ磁場が小さくなることが分かった。したがって、スクリーン印刷やインクジェット用の磁気インクとしては、液の安定性も考慮して、磁性粉は細かい方が良いが、上限のサイズは10ミクロン程度であり、下限としては10nm以上であることが望ましい。この理由として、このサイズ以下であると漏れ磁場が確認できない。
【0056】
(実験例6〜10)
次いで、5mm角のNdFe14系磁石を用いたプラスチックマグネットの代わりに10mmφの珪素鋼鈑の電磁石マグネットを用いて、発生磁場を変えて、印加磁場を変えて試作した磁性粉の配向、及び着磁後の漏れ磁場の測定を行った。磁性粉は0.2ミクロンのFe80wt%,Ni10wt%,Zn10 wt%組成のメタルパウダーであり、磁気特性は保磁力が96800A/m、飽和磁化が110emu/gのものを用いた。この結果を表3に示した。この結果から、電磁石で発生させる磁場が強いほど漏れ磁場は大きく、参考として磁場を加えない場合、漏れ磁場は確認できなかった。これらのことから、電磁石の発生する磁場の大きさからでも漏れ磁場を変えることができ、記録信号として用いることができることが分かった。以上ではスクリ−ン印刷を用いたが、磁性インクを液滴として飛ばすインクジェットプリンターでも同様である。
【0057】
【表3】
Figure 2004345192
【0058】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明によれば、磁性インクの塗布時における配向、着磁により、乾燥や効果による固着時に漏れ磁場を強く発生させることができる。このため、この磁気パターンの再生信号を読み取ることにより、一般のプリンターで磁性インクを用いることで書き込みと読み取りができる。このようにプリンターで磁気記録ができるようにすることで、磁気記録部にセキュリティ事項等を記録でき、またバーコード等の識別管理にも展開することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る磁気プリンターの概略構成を示す説明図である。
【図2】本発明の他の一実施の形態に係る磁気プリンターの概略構成を示す説明図である。
【図3】本発明の他の一実施の形態に係る磁気プリンターの概略構成を示す説明図である。
【図4】本発明の他の一実施の形態に係る磁気プリンターの概略構成を示す説明図である。
【符号の説明】
1 インクジェットのヘッド
2 プリンター本体(磁気プリンター)
3 ヘッド固定用ガイド支持棒
4 再生用磁気ヘッド
5 磁石
6 プリント紙(記録媒体)
7 インク吐出口
10,20,30,40 磁気プリンター

Claims (7)

  1. 磁気インクを記録媒体上に印字する磁気記録方法であって、吐出された後の磁気インクに対し磁場をかけることにより、塗布時における磁気インクを着磁状態とし、印字すべき情報に対応させて、塗布時における磁気インクの着磁量を、磁性粉の吐出量及び磁場における配向状態、並びに磁場強度により制御するとともに、該着磁量を漏れ磁場量により検出することを特徴とする磁気記録方法。
  2. 磁気インクは、保磁力が10000A/m以上、且つ平均粒径が10ミクロン以下の磁性粉を含むことを特徴とする請求項1記載の磁気記録方法。
  3. 電磁石の電流量により磁場強度を変化させ、塗布時における磁気インクの着磁量を制御することを特徴とする請求項1または2記載の磁気記録方法。
  4. 磁気インクを記録媒体に対し吐出又は転写するための塗布手段と、磁気インクを塗布時において着磁状態とするための着磁手段と、着磁された磁気インクの着磁状態を磁気パターンとして読み取るための読み取り手段と、
    読み取った磁気パターンを記憶及び/または再生するための再生手段と、
    を備えたことを特徴とする読み書き可能な磁気プリンター。
  5. 再生手段は、磁気記録パターンの光反射強度の違いを利用して磁気記録パターンを読み取る反射光強度読み取り光学式ヘッドであることを特徴とする請求項4記載の磁気プリンター。
  6. 再生手段は、磁気記録パターンの再生を行うプリンターのインク吐出口を有するヘッド、もしくは独立した機構部に装着された磁気ヘッド、または光学式ヘッドであり、磁気プリンターからの再生信号をコンピュターに送ることを特徴とする請求項4または5記載の磁気プリンター。
  7. 磁気インクのインク吐出口と磁場配向用の磁石との間に記録媒体を介在させる構造を備えたことを特徴とする請求項4〜6のいずれか1項に記載の磁気プリンター。
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