JPH0677308B2 - 磁気記録媒体用ポリエステルフイルム - Google Patents

磁気記録媒体用ポリエステルフイルム

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JPH0677308B2
JPH0677308B2 JP59125820A JP12582084A JPH0677308B2 JP H0677308 B2 JPH0677308 B2 JP H0677308B2 JP 59125820 A JP59125820 A JP 59125820A JP 12582084 A JP12582084 A JP 12582084A JP H0677308 B2 JPH0677308 B2 JP H0677308B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の分野〕 本発明は磁気記録媒体用ポリエステルフイルムに関する
ものである。
〔従来技術〕 従来,磁気記録媒体用ポリエステルフイルムには,巻取
り,スリツト等の作業性向上のため,あるいはビデオテ
ープレコーダー内のテープ走行性付与のためにフイルム
表面に無数の微小突起が設けられている。しかしこれら
の微小突起は磁気記録に必要な電磁変換特性を悪化させ
たり,ドロツプアウト(記録損失)やカラーノイズの発
生の原因になつたりしている。
ここで問題となるのは,フイルム表面の突起が従来,電
磁変換特性を悪化させない微小突起が得られなかつたこ
とを平均突起径は比較的微小であつても広い粒度分布を
しているために粗粒による悪影響が大きかつたことであ
る。
磁性物質をポリエステルフイルムの表面に蒸着せしめた
蒸着型ビデオテープにいたつては,磁性層の厚さが非常
に薄いため,使用するベースフイルムの表面形態が,そ
のまま磁性体蒸着後の蒸着薄膜表面形態となる。そのた
めベースフイルムの表面粗さが粗いと蒸着ビデオテープ
の電磁変換特性が著しく悪くなる。この電磁変換特性の
面から考えると,平滑な全くの鏡面からなるベースフイ
ルムが好ましいが,そのようなベースフイルム上に形成
された蒸着膜は,蒸着面がそのまま鏡面を保つの,すべ
り性が非常に悪く,蒸着面に保護膜層を設けるようなこ
とをしない限り,蒸着工程以降のテープ化プロセスにお
いて大量のすり傷が発生し,全く実用性はなくなる。
また蒸着ビデオテープの実際使用時の重大な問題は蒸着
面の走行性である。従来の磁気体粉末を有機バインダー
に混入させてベースフイルムに塗布してなる塗布型ビデ
オテープの場合には,バインダー中に滑剤を入れて磁性
面の走行性を向上させることができるが,蒸着ビデオテ
ープの場合,蒸着面の走行性は保護膜層を設けない限り
一般に使用できず,また,保護膜層を均一に蒸着面上に
設けることは困難であるので,蒸着テープの場合,蒸着
面の走行性向上,特に実際に使用される時の過酷な条件
下,すなわち高温高湿条件下での走行性向上が計れない
など欠点があつた。
〔発明の目的〕
本発明の目的は,電磁転換特性をも悪化させない平滑
性,耐すり傷性,高温高湿条件下においても良好な走行
性などが得られる磁気記録媒体用ベースフイルムを提供
することにある。
〔発明の構成〕
本発明,上記目的を達成するために次の構成,すなわ
ち,コロイダルシリカを0.005〜0.3wt%含有したポリエ
ステルフイルムであつて,かつ,該フイルムの少なくと
も片面に形成された突起は, (イ)面積平均径[D1]が0.3〜1.2μ, (ロ)面積平均径[D1]と個数平均径[D2]との比
[D1]/[D2]が1を超え2.5未満, (ハ)最大突起高さ[P]が0.03μ以下, (ニ)突起数[N]が5×103〜1×105ケ/mm2の範囲に
ある磁気記録媒体用ポリエステルフイルムを特徴とする
ものである。
本発明にいうポリエステルとは,線状ポリエステルを主
体とするものであればどのようなものでもよい。たとえ
ばポリエチレンテレフタレート,ポリテトラメチレンテ
レフタレート,ポリ−1,4−ジクロヘキシレンジメチレ
ンテレフタレート,ポリエチレン−2,6−ナフタリンジ
カルボキシレート,ポリエチレン−P−オキシベンゾエ
ートどがその代表例である。
また上記のポリエステルは,ホモポリエステルであつて
も,コポリエステルであつてもよい。コポリエステルの
場合,共重合する成分としては,例えば,ジエチレング
リコール,プロピレグリコール,ネオペンチルグリコー
ル,ポリエチレングリコール,P−キシリレングリコー
ル,1,4−シクロヘキサンジメタノールなどのジオール成
分,アジピン酸,セバシン酸,フタル酸,イソフタル
酸,2,6−ナフタリンジカルボン酸,5−ナトリウムスルホ
イソフタル酸などのジカルボン酸成分,トリメリツト
酸,ピロメリツト酸などの多官能カルボン酸成分,P−オ
キシエトキシ安息香酸などが挙げられる。なお,共重合
の場合,共重合する成分は20モル%以下とする。
さらに,上記のポリエステルは,他にポリエステルと非
反応性のスルホン酸のアルカリ金属塩誘導体,該ポリエ
ステルに実質的に不溶なポリアルキレングリコールなど
の少なくとも一つを5重量%を超えない程度に混合して
もよい。
本発明にいうコロイダルシリカは,微細な単一粒径を有
するもので,具体的には,水ガラスからイオン交換法や
透析などの処理で得たケイ酸を微小なシリカ粒子に付着
させて成長させる水ガラス法,およびアルコール溶媒中
にケイ酸エステルを加水分解するアルコキシド法で合成
されるものなどが使用できる。これらはいずれも粒度分
布が均一で,凝集粒子が少なく,粒子形状も極めて球形
に近い特徴を持つている。
従来,フイルム表面に突起を形成し,走行性などを改善
する方法として,微小な不活性無機粒子を添加する方法
が知られている。これらの不活性無機粒子の例としては
カオリン,炭酸カルシウム,酸化チタン,シリカなどの
粒子が適用されている。しかしこれらの粒子は形状が不
定形であり,特にシリカ,酸化チタンなどは多数の微小
粒子が凝集した形状をとつているなど,粒径は不均一
で,粗大粒子も多く,粒度分布も幅広い特徴を持つてい
る。これらの欠点を改良するため,粉砕処理,分散処理
を併用するなどして粒径を均一化する試みもなされてい
るが,効果は不十分であり,形成する突起形状も均一で
はなく,効果は不十分であつた。
本発明においては,従来のシリカ,すなわち。従来の湿
式法シリカ,ハロゲン化ケイ素の熱分解で合成する乾式
法シリカなどのような凝集シリカや,炭酸カルシウム,
酸化チタン,カオリンなどの粒子などとは全く異なる,
コロイダルシリカの均一な微細単一粒子,均一な粒径な
どの効果により,粗大粒子に起因する粗大突起が少な
く,均一な突起を多数形成することに特徴がある。
本発明におけるコロイダルシリカは,粒径が10〜500mμ
であることが好ましく,より好ましくは15〜250mμ,特
に55〜200mμが好ましい。比較面積は5〜200m2/gが好
ましく,より好ましくは11〜181m2/g,特に14〜49m2/gが
好ましい。
また,粒子の粒度分布は,均一であることが好ましく,
該コロイダルシリカの平均粒径をa(μ)としたとき,9
5wt%以上の粒子が2a(μ)以下,特に1.5a(μ)以下
の範囲内に分布していることが好ましい。具体的には,
少なくとも200個以上のコロイダルシリカの粒子につい
て,電子顕微鏡観察によりそれぞれの粒子について円相
当径を求め,および区分された各円相当径の重量分率に
よつて,平均径および粒度分布を算出することができ
る。さらにフイルムを透過型電子顕微鏡(倍率30000
倍)で観察した際に,フイルム中に約10個以上の粒子が
凝集しない程度に分散されているのが好ましい。
なお,コロイダルシリカ粒子の添加量は,0.005〜0.3wt
%とする必要があり,好ましくは0.02〜0.1wt%であ
る。
また,そのフイルム中には,延伸した際に,フイルム表
面突起の原因となる重合残査からなる内在粒子あるいは
外部から加えられたコロイダルシリカ以外の不活性粒子
等が含まれていてもよく,その含有量は,それらのポリ
マーを二軸延伸した場合,厚さ3μ以下で,1枚当りのヘ
イズが5%以下が好ましい。コロイダルシリカ以外の不
活性粒子を含む場合,その突起によりコロイダルシリカ
起因の突起を阻害し,本発明の効果を損なうことのない
ように,粒径をコロイダルシリカの粒径以下とすること
が好ましい。該不活性粒子の突起がコロイダルシリカの
突起に比べ小さい場合,コロイダルシリカ起因の突起が
実質的に本発明の効果を支配し,良好な効果が得られ
る。
本発明のポリエステルフイルムとは,上記のポリエステ
ルに,上記のコロイダルシリカを配合したものを,通常
の方法で形成したポリエステルフイルム,すなわち,ポ
リエステルを溶融してシートまたは円錐状に押出し,こ
れを少なくとも一方向に延伸して形成したフイルムで,
そのフイルムの機械特性としては,通常のバランスタイ
プ,一軸方向に強力化されたタイプ,二軸方向に強力化
されたタイプのいずれかであることが好ましい。
また,本発明のフイルムの少なくとも一面に形成される
突起は,次の通りでなければならない。
(イ)面積平均径[D1]が0.3〜1.2μ,好ましくは0.4
〜0.7μである。0.3μ未満では蒸着磁性面の走行性が悪
化し,1.2μを超えると電磁変換特性が悪化し好ましくな
い。
(ロ)表面突起径の分布のシャープさを表現する面積平
均径[D1]と個数平均径[D2]との比[D1]/[D2]が
1を超え2.5未満,好ましくは1を超え2.0以下である。
2.5以上になると突起径の分布が広くなりすぎて粗大突
起による電磁変換特性,特にドロツプアウトの悪化につ
ながり,この比が1になるような全く同一径の突起のみ
になることは実際上あり得ない。
(ハ)最大突起高さ[P]は0.03μ以下,好ましくは0.
005〜0.015μである。0.03μを超えると電磁変換特性が
悪化する。
(ニ)突起数[N]が5×103〜1×105ケ/mm2で好まし
くは1×104〜4×104ケ/mm2である。5×103ケ/mm2
満では蒸着磁性面の走行性が悪化し,1×105ケ/mm2を超
えると電磁変換特性が悪化する。
次に,かかるフイルムの表面突起の形成方法を説明す
る。ただし,これに限定されるものではない。
先ず,表面突起の状態をコントロールする上からは,光
学的にフラツトな表面を形成するポリエステル中にコロ
イダルシリカを添加するのが最も好ましい。
また,ポリエステルフイルムの表面は平滑であることが
好ましく,具体的にはフイルム表面の粗さは,触針式表
面粗さ計のカツトオフ値0.08mmで,Ra値が0.015μ以下が
好ましく,0.010μ〜0.002μがより好ましい。
なお,Ra値とは,触針式表面粗さ計から得られる断面曲
線から適当なカツトオフ値を用いて,うねりを除いた曲
線において,中心線(中心線より上の部分と下の部分の
面積が等しくなるようにして求められる)からの粗さ曲
線の高さ(低さ)の絶対値の算定平均である(DIN 476
8による)。
本発明のポリエステルフイルムは,スタンピングホイ
ル,化学記録材料,コンデンサー,静電記録材料その他
の各種の用途に適用できるが磁気記録媒体用のベースフ
イルム,特に,強磁性金属薄膜形成用のベースフイルム
に適用するのが好ましい。
強磁性金属薄膜形成の手段は従来公知のすべての方法が
用いられるが,スバツタ法,無電解メツキ法,イオンプ
レーテイング法,真空蒸着法が使用できる。特に真空蒸
着法が好ましい。なお,強磁性金属材料としては,鉄,
コバルト,ニツケルまたはこれらの合金もしくはコバル
ト−クロム合金などを用いることができる。
高密度磁気記録媒体として充分な出力を提供する必要性
の点から金属蒸着膜の厚さは一般に0.02〜0.5μ程度が
よい。このように形成される金属蒸着膜の厚さは非常に
薄く,前述したようにベースフイルムの表面状態がその
まま蒸着膜の表面状態となり,電磁変換特性と蒸着磁性
面の走行性との両方を満足するにはベースフイルムの被
蒸着面には,前記の如き突起が存在する必要がある。
本発明のポリエステルフイルムには,蒸着磁性面の反対
面の滑り性を付与するための水又は溶剤に滑剤を分散せ
しめた溶液を塗布することが好ましい。滑り性を付与す
る方法は,従来公知のすべての方法が用いられるが,例
えば滑剤+高分子バインダー+界面活性剤の水素あるい
は溶剤系溶液を未延伸,一軸延伸,二軸延伸したフイル
ムの非蒸着磁性面に製膜時あるいは製膜後に塗布乾燥し
て滑り性を付与することができる。
以下,フイルム,テープの特性測定法および評価法を示
す。
(1) フイルムの突起 (イ)面積平均径[D1]と個数平均径[D2],突起数
[N] ケンブリツジインストルメント社製(英国製)“Quanti
met"720を用いた。観察するフイルム表面に400〜500Å
程度の厚みにアルミニウムを真空蒸着し反射型金属顕微
鏡(対物32倍,接眼8倍)で100視野観察して,突起の
部分が黒く観察されるのをコントラスト的に検出し画像
処理される。
画像処理は突起数と突起面積を測定し,3.14×10揉〜78.
5μm2の面積の範囲を15ケに区分されたステツプに個々
の面積の突起を区分する。各ステツプの中間の面積から
突起径は円相当径として計算され,15ステツプからなる
各ステツプの表面突起径[Dn]の突起数[Nn]および各
ステツプの表面突起径[Dn]の面積の和[An]との関係
が把握される。この各ステツプの表面突起径における突
起数と面積の分から突起径の面積平均径[D1]と個数平
均径[D2]が各々次式で計算される。
(ロ)最大突起高さ[P] 小坂研究所(株)製,高精度薄膜段差測定器(型式:ET
−10)を使用して触針径円錐型0.5μR,針圧5mg,測定ス
ピード4μ/秒 縦倍率100万倍,横倍率1000倍,カツトオフ0.016mmの条
件下でチャートをかかせ,5面測定したフイルム表面粗さ
曲線から各々測定長さ0.3mmの部分を抜き取り,5面測定
中で最大ピークと最小レバーとの差を最大突起高さ
[P]とする。
(2) テープ特性 テープ特性は一般市販のVHS方式のVTRを用い,録画,再
生を繰り返して評価した。
テープ走行性の評価は常温常湿,高温高湿の2条件下で
の再生を行ない,テープ走行の乱れによる画面のゆらぎ
を観察することにより行なつた。標準評価は次のとおり
である。
○:走行順調で再生画面のゆらぎが全くなし。
×:ところどころで走行が遅くなり,再生画面のゆらぎ
が生ずる。
(3) 耐すり傷性 耐すり傷性の評価は,やはり常温常湿および高温高湿条
件下で100回くり返し走行させたあとのテープ薄膜上の
すり傷観察により行なつた。評価基準は次のとおりであ
る。○:テープ薄膜面上に極めて弱いすり傷の発生が少
し見られる。
×:テープ薄膜面上にきついすり傷が発生する。
なお,常温常湿とは25℃・60%RHであり,高温高湿とは
40℃・80%RHの条件である。
(4) S/N比 S/N比は50%白レベル信号を各テープの最適記録電流で
記録し,再生時のビデオ複製信号に含まれる信号Sと雑
音Nの比をビデオノイズメーターを用い,市販のVHS標
準テープを0dBとて比較測定した。
(5) ドロツプアウト ドロツプアウトは,磁気記録テープに3段階段波信号を
最適記録電流で記録し,再生時のビデオヘツドアンプ出
力の減衰量が18dB,接続時間2.0μsec以上のドロツプア
ウトを10分間ドロツプアウトカウンターで測定し,1分間
当りの平均をとつた。
S/N比,ドロツプアウト測定は常温常湿条件で行なつ
た。
本発明の磁気記録媒体用ポリエステルフイルムに設ける
強磁性体薄膜,特に蒸着型磁性薄膜は上記ポリエステル
フイルムの少なくとも片面に設ける。本発明のフイルム
表面積は広く,特に磁気ヘツドとの接触面積が非常に小
さくなるため,強磁性体薄膜面の走行性は極めて良好な
ものとなる。
次に,本発明の製法について説明する。
まず水ガラス法またはアルコキシド法によつて得られた
コロイダルシリカをポリエステル中に含有させる。水ガ
ラス法で得られたコロイダルシリカよりアルカリ分を除
去して得られる水系コロイダルシリカは後の工程で凝集
に注意すること,特殊処理することで最終的にほぼ一次
粒子の状態で存在する点で好ましい。コロイダルシリカ
は水を含んだままグリコールと混合して使用してもよい
し,水をグリコールに置換して使用してもよい。さらに
コロイダルシリカは最終的に重合系内に添加される直前
において,必要添加濃度のコロイダルシリカを含むグリ
コール溶液を30mmHg以下,好ましくは1〜10mmHgの減圧
下で,例えば発振周波数20KHz,発振出力150W以上の,超
音波処理を30分以上施す。この特殊処理で二次凝集の原
因と思われる低沸点物質を除去することが,非常にシャ
ープな粒度分布のコロイダルシリカの特徴を生かし,二
次凝集を防ぐのに効果的である。
このようにして準備された,均一に分散した超微小単一
粒子径のコロイダルシリカ粒子を含むポリエステルポリ
マーを通常の押出機で溶融押出しし,冷却ドラムで冷却
した未配向のフイルムを,通常の方法で,一方向に延伸
後,直角方向に延伸を行なうか,あるいは直角方向に延
伸後,さらに前記一方向に再延伸し熱処理する。さら
に,具体的には前記説明のポリエステル原料を用い,通
常の製膜機により溶融押出し,冷却後,3〜5倍に一軸延
伸し,二軸延伸後のステンター予熱部で90〜120℃で予
熱後90〜120℃の延伸温度で25〜4.5倍に横延伸する。こ
の段階で実質的に本発明の表面突起を有するポリエステ
ルフイルムが得られる。さらに,この横延伸フイルムを
180℃〜220℃で熱処理,あるいは1.1〜1.8倍に,再縦延
伸後180〜220℃で熱処理すると本発明の二軸延伸ポリエ
ステルフイルムが得られる。
以上述べたように本発明は超微小単一表面突起を有する
ポリエステルフイルムで,該表面上に形成する蒸着薄膜
は表面の走行性能が飛躍的に向上したものである。しか
も蒸着テープの電磁変換特性を損なうこともなく,粗大
突起がないためドロツツプアウトが増加することもな
い。
〔実施例〕
次に,本発明のベースフイルムの製造方法およびそのベ
ースフイルムを使用したビデオテープの製造例について
説明する。
なお,実施例中,コロイダルシリカの平均粒径は遠心分
離法あるいは電子顕微鏡法で測定した値である。
実施例1 平均粒径60mμ,濃度20wt%の水系コロイダルシリカに
エチレングリコール(EG)を少しずつ添加しながら,注
意して水を蒸留除去し,シリカ濃度10wt%のEG置換コロ
イダルシリカを調整した。液表面および器壁に少量のシ
リカ凝集物が見られたので,これを過した。
ジメチルテレフタレート(DMT)100部,酢酸Zn0.02部よ
りなる系へ,上記の置換コロイダルシリカおよび追加EG
を,シリカが生成ポリエステルの重量に対して0.2wt%,
DMTに対する合計EGのモル比が2.5となるようなEG溶液を
1〜2mmHgの減圧下で,発振周波数20KHz,発振出力300W
の超音波分散機で約2時間処理した。このコロイダルシ
リカについて電子顕微鏡で500個の粒子について観察し
たところ,平均粒子径は60mμであることが確認され,12
0mμ以上の粒子は0.5wt%であつた。さらに,2個以上の
粒子が凝集しているものは観察されなかつた。また,平
均相当径を算出するにあたり,長径と短径の比を求めた
ところ,その平均比率は1.03と真球に近い形状であつ
た。
上記処理液を反応系に加え,180〜240℃でエステル交換
反応を行なつた。ついで三酸化アンチモン0.035部およ
びトリメチルホスフオネート0.04部を加え,240〜270℃
でゆるい減圧下で前重合を行い,さらに270〜280℃で高
真空下で重縮合反応を行ない4時間で反応を終了した。
得られたポリエチレンテレフタレートの極限粘度は0.65
であつた。このポリマーをチツプ化後乾燥し,フイルム
成形機で290〜300℃で押出し後冷却ドラムで冷却し,210
μの未延伸フイルムを作成し,縦方向に90℃で3.5倍,
横方向に100℃で4.0倍,逐次二軸延伸を行ない,更に20
5℃で30秒間固定を行ない厚さ14μのポリエチレンテレ
フタレートフイルムを作製した。
その後,ポリウレタン樹脂,塩化ビニル−酢酸ビニル共
重合体をバインダーに炭酸カルシウム,シリコーンを含
む易滑処理塗液を上記フイルムの片面に塗布・乾燥し
た。続いて易滑処理塗液を塗布した反対面に真空蒸着に
よりコバルト−ニツケル合金薄膜を0.1μの膜厚で形成
し,所定幅にフイルムの機械方向に切断し,厚さ15μの
磁気テープとした。この特性を表1に示す。
実施例2 実施例1のベースフイルム製造において,使用したコロ
イダルシリカの添加濃度を0.1wt%にした他は実施例1
と同様にして磁気テープを得た。テープ特性を表1に示
した。
実施例3 実施例1のベースフイルム製造において,平均粒径が10
0mμのコロイダルシリカを0.1wt%の添加濃度で使用し
た他は実施例1と同様にして磁気テープを得た。テープ
特性を表1に示した。
比較例1 実施例1のベースフイルム製造において,コロイダルシ
リカの添加濃度を0.4wt%にした他は実施例1と同様に
して磁気テープを得た。テープ特性を表1に示した。
比較例2 実施例1のベースフイルム製造において、平均粒径10m
μのコロイダルシリカを使用した他は実施例1と同様に
して磁気テープを得た。テープ特性を表1に示した。
比較例3 実施例1のポリマー作成時における10wt%濃度のコロイ
ダルシリカを含有するEGの代わりに,高速攪拌機で分散
された平均粒径60mμの乾式法シリカを濃度10wt%含有
するEGを使用する他は実施例1と同様にして磁気テープ
を得た。テープ特性を表1に示した。
〔発明の効果〕 以上述べたように本発明のポリエステルフイルムは,ポ
リエステル中にコロイダルシリカを含有し,かつそのフ
イルムの表面が特定の突起を有しているため,磁性層を
設けた場合,電磁変換特性が良好な平滑性と,耐すり傷
性と,高温高湿での良好な走行性を得ることができた。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】コロイダルシリカを0.005〜0.3wt%含有し
    たポリエステルフイルムであつて,かつ、該フイルムの
    少なくとも片面に形成された突起は、 (イ)面積平均径[D1]が0.3〜1.2μ, (ロ)面積平均径[D1]と個数平均径[D2]との比
    [D1]/[D2]が1を超え2.5未満、 (ハ)最大突起高さ[P]が0.03μ以下, (ニ)突起数[N]が5×103〜1×105ケ/mm2の範囲に
    ある磁気記録媒体用ポリエステルフイルム。
JP59125820A 1984-06-19 1984-06-19 磁気記録媒体用ポリエステルフイルム Expired - Lifetime JPH0677308B2 (ja)

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