JP2616249B2 - 磁気記録媒体用ポリエステルフイルム - Google Patents

磁気記録媒体用ポリエステルフイルム

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JP2616249B2
JP2616249B2 JP6057492A JP5749294A JP2616249B2 JP 2616249 B2 JP2616249 B2 JP 2616249B2 JP 6057492 A JP6057492 A JP 6057492A JP 5749294 A JP5749294 A JP 5749294A JP 2616249 B2 JP2616249 B2 JP 2616249B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は磁気記録媒体用ポリエス
テルフイルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、磁気記録媒体用ポリエステルフイ
ルムには、巻取り、スリットなどの作業性向上のため、
あるいはビデオテープレコーダー内のテープ走行性付与
のためにフイルム表面に無数の微小突起が設けられてい
る。しかしこれらの微小突起は磁気記録に必要な電磁変
換特性を悪化させたり、ドロップアウト(記録損失)や
カラーノイズの発生の原因になったりしている。
【0003】ここで問題となるのは、フイルム表面の突
起が従来、電磁変換特性を悪化させない微小突起が得ら
れなかったことと平均突起径は比較的微小であっても広
い粒度分布をしているために粗粒による悪影響が大きか
ったことである。
【0004】たとえば、磁性物質をポリエステルフイル
ムの表面に蒸着せしめた蒸着型ビデオテープにいたって
は、磁性層の厚さが非常に薄いため、使用するベースフ
イルムの表面形態が、そのまま磁性体蒸着後の蒸着薄膜
表面形態となる。そのためベースフイルムの表面粗さが
粗いと蒸着ビデオテープの電磁変換特性が著しく悪くな
る。この電磁変換特性の面から考えると、平滑な全くの
鏡面からなるベースフイルムが好ましいが、そのような
ベースフイルム上に形成された蒸着膜は、蒸着面がその
まま鏡面を保つので、すべり性が非常に悪く、蒸着面に
保護膜層を設けるようなことをしない限り、蒸着工程以
降のテープ化プロセスにおいて大量のすり傷が発生し、
全く実用性はなくなる。
【0005】また蒸着ビデオテープの実際使用時の重大
な問題は蒸着面の走行性である。従来の磁性体粉末を有
機バインダーに混入させてベースフイルムに塗布してな
る塗布型ビデオテープの場合には、バインダー中に滑剤
を入れて磁性面の走行性を向上させることができるが、
蒸着ビデオテープの場合、蒸着面の走行性は保護膜層を
設けない限り一般に使用できず、また、保護膜層を均一
に蒸着面上に設けることは困難であるので、蒸着テープ
の場合、蒸着面の走行性向上、特に実際に使用される時
の過酷な条件下、すなわち高温高湿条件下での走行性向
上が計れないなどの欠点があった。
【0006】
【発明が解決しようとする目的】本発明の目的は、電磁
変換特性をも悪化させない平滑性、耐すり傷性、高温高
湿条件下においても良好な走行性などが得られる磁気記
録媒体用ベースフイルムを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は平均
粒径をa(mμ)としたとき、95wt%以上の粒子が
2a(mμ)の範囲内にあるコロイダルシリカを含有し
てなる磁気記録媒体用ポリエステルフイルムによって達
成される。
【0008】本発明にいうポリエステルとは、線状ポリ
エステルを主体とするものであればどのようなものでも
よい。たとえばポリエチレンテレフタレート、ポリテト
ラメチレンテレフタレート、ポリ−1,4−ジクロヘキ
シレンジメチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,
6−ナフタリンジカルボキシレート、ポリエチレン−P
−オキシベンゾエートなどがその代表例である。
【0009】また上記のポリエステルは、ホモポリエス
テルであっても、コポリエステルであってもよい。コポ
リエステルの場合、共重合する成分としては、たとえ
ば、ジエチレンルグリコール、プロピレングリコール、
ネオペンチルグリコール、ポリエチレングリコール、P
−キシリレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメ
タノールなどのジオール成分、アジピン酸、セバシン
酸、フタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタリンジカ
ルボン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸などのジ
カルボン酸成分、トリメリット酸、ピロメリット酸など
の多官能カルボン酸成分、P−オキシエトキシ安息香酸
などが挙げられる。なお、共重合の場合、共重合する成
分は20モル%以下とする。
【0010】さらに、上記のポリエステルは、他にポリ
エステルと非反応性のスルホン酸のアルカリ金属塩誘導
体、該ポリエステルに実質的に不溶なポリアルキレング
リコールなどの少なくとも一つを5重量%を超えない程
度に混合してもよい。
【0011】本発明にいうコロイダルシリカは、微細な
単一粒径を有するもので、具体的には、水ガラスからイ
オン交換法や透析などの処理で得たケイ酸を微小シリカ
粒子に付着させて成長させる水ガラス法、およびアルコ
ール溶媒中にケイ酸エステルを加水分解するアルコキシ
ド法で合成されるものなどが使用できる。いずれも粒度
分布が均一で、凝集粒子が少なく、粒子形状も極めて球
形に近い特徴を持っている。
【0012】従来、フイルム表面に突起を形成し、走行
性などを改善する方法として、微小な不活性無機粒子を
添加する方法が知られている。これらの不活性無機粒子
の例としてはカオリン、炭酸カルシウム、酸化チタン、
シリカなどの粒子が適用されている。しかしこれらの粒
子は形状が不定形であり、特にシリカ、酸化チタンなど
は多数の微小粒子が凝集した形状をとっているなど、粒
径は不均一で、粗大粒子も多く、粒度分布も幅広い特徴
を持っている。これらの欠点を改良するため、粉砕処
理、分散処理を併用するなどして、粒径を均一化する試
みもなされているが、効果は不十分であり、形成する突
起形状も均一ではなく、効果は不十分であった。
【0013】本発明においては、従来のシリカ、すなわ
ち、従来の湿式法シリカ、ハロゲン化ケイ素の熱分解で
合成する乾式法シリカのような凝集シリカや、炭酸カル
シウム、酸化チタン、カオリンなどの粒子などとは全く
異なる、コロイダルシリカの均一な微細単一粒子、均一
な粒径などの効果により、粗大粒子に起因する粗大突起
が少なく、均一な突起を多数形成することに特徴があ
る。
【0014】本発明におけるコロイダルシリカは、粒径
が10〜1000mμであることが好ましく、より好ま
しくは15〜500mμ、特に55〜300mμが好ま
しい。比較面積は2〜200m2 /gであることが好ま
しく、より好ましくは5〜181m2 /g、特に14〜
49m2 /gが好ましい。
【0015】また、粒子の粒度分布は、均一であること
が好ましく、本発明のコロイダルシリカは平均粒径をa
(mμ)としたとき、95wt%以上の粒子が2a(m
μ)以下の分布を有することに特徴があり、特に1.5
a(mμ)以下の範囲内に分布していることが好まし
い。さらに具体的には、少なくとも200個以上のコロ
イダルシリカの粒子について、電子顕微鏡観察によりそ
れぞれの粒子について円相当径を求め、および区分され
た各円相当径の重量分率によって、平均径および粒度分
布を算出することができる。さらにフイルムを透過型電
子顕微鏡(倍率30000倍)で観察した際に、フイル
ム中に約10個以上の粒子が凝集しない程度に分散され
ているのが好ましい。
【0016】なお、コロイダルシリカ粒子の好ましい添
加量は、0.005〜5wt%、より好ましくは0.0
2〜1.0wt%、さらに好ましくは0.05〜0.8
wt%である。
【0017】また、そのフイルム中に延伸した際に、フ
イルム表面突起の原因となる重合残査からなる内在粒子
あるいは外部から加えられたコロイダルシリカ以外の不
活性粒子などが含まれていてもよく、その含有量は、コ
ロイダルシリカ以外の不活性粒子を含む場合、その突起
によりコロイダルシリカ起因の突起を阻害し、本発明の
効果を損なうことのないように、粒径をコロイダルシリ
カの粒径以下とすることが好ましい。該不活性粒子の突
起がコロイダルシリカの突起に比べ小さい場合、コロイ
ダルシリカ起因の突起が実質的に本発明の効果を支配
し、良好な効果が得られる。また、同様に2種類の粒径
をもつコロイダルシリカを併用してもよい。
【0018】本発明のポリエステルフイルムとは、上記
のポリエステルに、上記のコロイダルシリカを配合した
ものを、通常の方法で形成したポリエステルフイルム、
すなわち、ポリエステルを溶融してシートまたは円筒状
に押出し、これを少なくとも一方向に延伸して形成した
フイルムで、そのフイルムの機械特性としては、通常の
バランスタイプ、一軸方向に強力化されたタイプ、二軸
方向に強力化されたタイプのいずれかであることが好ま
しい。
【0019】また、本発明のフイルムの少なくとも一面
に形成される突起は、 (イ)面積平均径[D1 ]が0.3〜5μであることが
好ましく、より好ましくは0.4〜2μである。0.3
μ未満では蒸着磁性面の走行性が悪化し、5μを超える
と電磁変換特性が悪化し好ましくない場合がある。 (ロ)表面突起径の分布のシャープさを表現する面積平
均径[D1 ]と個数平均径[D2 ]との比[D1 ]/
[D2 ]が1を超え2.5未満であることが好ましく、
より好ましくは1を超え2.0以下である。2.5以上
になると突起径の分布が広くなりすぎて粗大突起による
電磁変換特性、特にドロップアウトの悪化につながる場
合がある。この比が1になるような全く同一径の突起の
みになることは実際上あり得ない。 (ハ)最大突起高さ[P]は0.10μ以下が好まし
く、より好ましくは0.05μm以下、さらに好ましく
は0.005〜0.03μである。0.10μを超える
と電磁変換特性が悪化する場合がある。 (ニ)突起数[N]は5×103 〜1×105 ケ/mm
2 が好ましく、より好ましくは1×104 〜4×104
ケ/mm2 である。5×103 ケ/mm2 未満では蒸着
磁性面の走行性が悪化し、1×105 ケ/mm2 を超え
ると電磁変換特性が悪化する場合がある。
【0020】表面突起の状態をコントロールする上から
は、光学的にフラットな表面を形成するポリエステル中
にコロイダルシリカを添加するのが最も好ましい。
【0021】また、ポリエステルフイルムの表面は平滑
であることが好ましく、具体的にはフイルム表面の粗さ
は、触針式表面粗さ計のカツトオフ値0.08mmで、
Ra値が0.030μ以下、好ましくは0.020μ、
さらに好ましくは0.015μである。
【0022】なお、Ra値とは、触針式表面粗さ計から
得られる断面曲線から適当なカットオフ値を用いて、う
ねりを除いた粗さ曲線において、中心線(中心線より上
の部分と下の部分の面積が等しくなるようにして求めら
れる)からの粗さ曲線の高さ(低さ)の絶対値の算定平
均である(DIN 4768による)。
【0023】本発明のポリエステルフイルムは、スタン
ピングホイル、光学記録材料、コンデンサー、静電記録
材料その他の各種の用途に適用できるが磁気記録媒体用
のベースフイルム、特に、強磁性金属薄膜形成用のベー
スフイルムに適用するのが好ましい。
【0024】強磁性金属薄膜形成の手段は従来公知のす
べての方法が用いられるが、スパッタ法、無電解メッキ
法、イオンプレーティング法、真空蒸着法が使用でき
る。特に真空蒸着法が好ましい。なお、強磁性金属材料
としては、鉄、コバルト、ニッケルまたはこれらの合金
もしくはコバルト−クロム合金などを用いることができ
る。
【0025】高密度磁気記録媒体として十分な出力を提
供する必要性の点から金属蒸着膜の厚さは一般に0.0
2〜0.5μ程度がよい。このように形成される金属蒸
着膜の厚さは非常に薄く、前述したようにベースフイル
ムの表面状態がそのまま蒸着膜の表面状態となり、電磁
変換特性と蒸着磁性面の走行性との両方を満足するには
ベースイフイルムの被蒸着面には、前記の如き突起が存
在することが好ましい。
【0026】本発明のポリエステルフイルムには、蒸着
磁性面の反対面の滑り性を付与するための水又は溶剤に
滑剤を分散せしめた溶液を塗布することが好ましい。滑
り性を付与する方法は、従来公知のすべての方法が用い
られるが、例えば滑剤+高分子バインダー+界面活性剤
の水系あるいは溶剤系溶液を未延伸、一軸延伸、二軸延
伸したフイルムの非蒸着磁性面に製膜時あるいは製膜後
に塗布乾燥して滑り性を付与することができる。
【0027】以下、フイルム、テープの特性測定法およ
び評価法を示す。
【0028】(1)粒子の平均粒径および粒度分布 少なくとも200個以上のコロイダルシリカ粒子につい
て電子顕微鏡を用いて円相当径を求め、区分された各円
相当径粒子の重量分率により、平均粒径および粒度分布
を求める。なお、コロイダルシリカ溶液の場合は、必要
に応じ遠心沈降法などを採用してもよい。
【0029】(2)フイルムの突起 (イ)面積平均径[D1 ]と個数平均径[D2 ]、突起
数[N] ケンブリッジインストルメント社製(英国製)“Quanti
met ”720を用いた。観察するフイルム表面に400
〜500オームストロング程度の厚みにアルミニウムを
真空蒸着し反射型金属顕微鏡(対物32倍、接眼8倍)
で100視野観察して、突起の部分が黒く観察されるの
をコントラスト的に検出し画像処理される。
【0030】画像処理は突起数と突起面積を測定し、
3.14×10-2〜78.5μm2 の面積の範囲を15
ヶに区分されたステップに個々の面積の突起を区分す
る。各ステップの中間の面積から突起径は円相当径とし
て計算され、15ステップからなる各ステップの表面突
起径[Dn ]の突起数[Nn ]および各ステップの表面
突起径[Dn ]の面積の和[An ]との関係が把握され
る。この各ステップの表面突起径における突起数と面積
の和から突起径の面積平均径[D1 ]と個数平均径[D
2 ]が各々次式で計算される。
【0031】
【化1】 (ロ)最大突起高さ[P] 小坂研究所(株)製、高精度薄膜段差測定器(型式:E
T−10)を使用して触針径円錐型0.5μR、針圧5
mg、測定スピード4μ/秒、縦倍率100万倍、横倍
率1000倍、カットオフ0.016mmの条件下でチ
ャートをかかせ、5面測定したフイルム表面粗さ曲線か
ら各々測定長さ0.3mmの部分を抜き取り、5面測定
中で最大ピークと最小バレーとの差を最大突起高さ
[P]とする。
【0032】(3)テープ特性 テープ特性は一般市販のVHS方式のVTRを用い、録
画、再生を繰り返して評価した。テープ走行性の評価は
常温常湿、高温高湿の2条件下での再生を行ない、テー
プ走行の乱れによる画面のゆらぎを観察することにより
行なった。評価基準は次の通りである。 ○:走行順調で再生画面のゆらぎが全くなし。 ×:ところどころで走行が遅くなり、再生画面のゆらぎ
が生ずる。
【0033】(4)耐すり傷性 耐すり傷性の評価は、やはり常温常湿および高温高湿条
件下で100回繰り返し走行させたあとのテープ薄膜上
のすり傷観察により行なった。評価基準は次の通りであ
る。 ○:テープ薄膜面上に極めて弱いすり傷の発生が少し見
られる。 ×:テープ薄膜面上にきついすり傷が発生する。 なお、常温常湿とは25℃・60%RHであり、高温高
湿とは40℃・80%RHの条件である。
【0034】(5)S/N比 S/N比は50%白レベル信号を各テープの最適記録電
流で記録し、再生時のビデオ複製信号に含まれる信号S
と雑音Nの比をビデオノイズメーターを用い、市販のV
HS標準テープを0dBとして比較測定した。
【0035】(6)ドロップアウト ドロップアウトは、磁気記録テープに3段階段被信号を
最適記録電流で記録し、再生時のビデオヘッドアンプ出
力の減衰量が18dB、接続時間2.0μsec以上の
ドロップアウトを10分間ドロップアウトカウンターで
測定し、1分間当りの平均をとった。S/N比、ドロッ
プアウト測定は常温常湿条件で行なった。
【0036】本発明の磁気記録媒体用ポリエステルフイ
ルムに設ける強磁性体薄膜、特に蒸着型磁性薄膜は上記
ポリエステルフイルムの少なくとも片面に設ける。本発
明のフイルム表面積は広く、特に磁気ヘッドとの接触面
積が非常に小さくなるため、強磁性体薄膜面の走行性は
極めて良好なものとなる。
【0037】次に、本発明ポリエステルフイルムの製法
について具体例を挙げて説明する。まず水ガラス法また
はアルコキシド法によつて得られたコロイダルシリカを
ポリエステル中に含有させる。水ガラス法で得られたコ
ロイダルシリカよりアルカリ分を除去して得られる水系
コロイダルシリカは後の工程で凝集に注意すること、特
殊処理することで最終的にほぼ一次粒子の状態で存在す
る点で最も好ましい。コロイダルシリカは水を含んだま
まグリコールと混合して使用してもよいし、水をグリコ
ールに置換して使用してもよい。さらにコロイダルシリ
カは最終的に重合系内に添加される直前において、必要
添加濃度のコロイダルシリカを含むグリコール溶液を3
0mmHg以下、好ましくは1〜10mmHgの減圧下
で、たとえば発振周波数20KHz、発振出力150W
以上の、超音波処理を30分以上施す。この特殊処理で
二次凝集の原因と思われる低沸点物質を除去すること
が、非常にシャープな粒度分布のコロイダルシリカの特
徴を生かし、二次凝集を防ぐのに効果的である。
【0038】このようにして準備された、均一に分散し
た超微小単一粒子径のコロイダルシリカ粒子を含むポリ
エステルポリマーを通常の押出機で溶融押出しし、冷却
ドラムで冷却した未配向のフイルムを、通常の方法で、
一方向に延伸後、直角方向に延伸を行なうか、あるいは
直角方向延伸後、さらに前記一方向に再延伸し熱処理す
る。さらに、具体的には前記説明のポリエステル原料を
用い、通常の製膜機により溶融押出し、冷却後、3〜5
倍に一軸延伸し、二軸延伸後のステンター予熱部で90
〜120℃で予熱後90〜120℃の延伸温度で2.5
〜4.5倍に横延伸する。この段階で実質的に本発明の
表面突起を有するポリエステルフイルムが得られる。さ
らに、この横延伸フイルムを180℃〜220℃で熱処
理、あるいは1.1〜1.8倍に、再縦延伸後180〜
220℃で熱処理すると本発明の二軸延伸ポリエステル
フイルムが得られる。
【0039】以上述べたように本発明は超微小単一表面
突起を有するポリエステルフイルムで、該表面上に形成
する蒸着薄膜は表面の走行性能が飛躍的に向上したもの
である。しかも蒸着テープの電磁変換特性を損うことも
なく、粗大突起がないためドロップアウトが増加するこ
ともない。
【0040】
【実施例】次に、本発明ベースフイルム製造およびその
ベースフイルムを使用したビデオテープの製造例につい
て説明する。
【0041】実施例1 平均粒径60mμ、濃度20wt%の水系コロイダルシ
リカにエチレングリコール(EG)を少しずつ添加しな
がら、注意して水を蒸留除去し、シリカ濃度10wt%
のEG置換コロイダルシリカを調整した。液表面および
器壁に少量のシリカ凝集物が見られたので、これを濾過
した。
【0042】ジメチルテレフタレート(DMT)100
部、酢酸Zn0.02部よりなる系へ、上記のEG置換
コロイダルシリカおよび追加EGを、シリカが生成ポリ
エステルの重量に対して0.2wt%、DMTに対する
合計EGのモル比が2.5となるようなEG溶液を1〜
2mmHgの減圧下で、発振周波数20KHz、発振出
力300Wの超音波分散機で約2時間処理した。このコ
ロイダルシリカについて電子顕微鏡で500個の粒子に
ついて観察したところ、平均粒子径は60mμであるこ
とが確認され、120mμ以上の粒子は0.5wt%で
あった。さらに、2個以上の粒子が凝集しているものは
観察されなかった。また、面積相当径を算出するにあた
り、長径と短径の比を求めたところ、その平均比率は
1.03と真球に近い形状であった。
【0043】この処理液を加え、180〜240℃でエ
ステル交換反応を行なった。ついで三酸化アンチモン
0.035部およびトリメチルホスフオネート0.04
部を加え、240〜270℃でゆるい減圧下で前重合を
行ない、さらに270〜280℃で高真空下で重縮合反
応を行ない4時間で反応を終了した。
【0044】得られたポリエチレンテレフタレートの極
限粘度は0.65であった。このポリマーをチップ化後
乾燥し、フイルム成型機で290〜300℃で押出し後
冷却ドラムで冷却し、210μの未延伸フイルムを作成
し、縦方向に90℃で3.5倍、横方向に100℃で
4.0倍、遂次二軸延伸を行ない、さらに205℃で3
0秒間固定を行ない厚さ14μのポリエチレンテレフタ
レートフイルムを作製した。
【0045】その後、ポリウレタン樹脂、塩化ビニール
−酢酸ビニール共重合体をバインダーに炭酸カルシウ
ム、シリコーンを含む易滑処理塗液を上記フイルムの片
面に塗布・乾燥した。続いて易滑処理塗液を塗布した反
対面に真空蒸着によりコバルト−ニッケル合金薄膜を
0.1μの膜厚で形成し、所定幅にフイルムの機械方向
に切断し、厚さ15μの磁気テープとした。この特性を
表1に示す。
【0046】実施例2 実施例1のベースフイルム製造において、使用したコロ
イダルシリカの添加濃度を0.1wt%にした他は実施
例1と同様にして磁気テープを得た。テープ特性を表1
に示した。
【0047】実施例3 実施例1のベースフイルム製造において、平均粒径が1
00mμのコロイダルシリカを0.1wt%の添加濃度
で使用した他は実施例1と同様にして磁気テープを得
た。テープ特性を表1に示した。
【0048】比較例1 実施例1のポリマー作成時における10wt%濃度のコ
ロイダルシリカを含有するEGの代わりに、高速撹拌機
で分散された平均粒径60mμの乾式法シリカを濃度1
0wt%含有するEGを使用する他は実施例1と同様に
して磁気テープを得た。テープ特性を表1に示した。
【0049】
【表1】
【0050】
【発明の効果】以上述べたように、本発明は、ポリエス
テル中に特定の粒径分布を有するコロイダルシリカを添
加したフイルムであって、これに磁性層を設けた場合、
電磁変換特性が良好な平滑性と、耐すり傷性と、高温高
湿での良好な走行性を得ることができた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭55−45118(JP,A) 特開 昭53−145860(JP,A) 特開 昭53−78808(JP,A) 特公 平6−125820(JP,B2)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平均粒径をa(mμ)としたとき、95
    wt%以上の粒子が2a(mμ)以下の範囲内にあるコ
    ロイダルシリカを含有してなる磁気記録媒体用ポリエス
    テルフイルム。
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