JPH0676989B2 - 限界電流式酸素センサ - Google Patents

限界電流式酸素センサ

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JPH0676989B2
JPH0676989B2 JP61021112A JP2111286A JPH0676989B2 JP H0676989 B2 JPH0676989 B2 JP H0676989B2 JP 61021112 A JP61021112 A JP 61021112A JP 2111286 A JP2111286 A JP 2111286A JP H0676989 B2 JPH0676989 B2 JP H0676989B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 限界電流式の酸素センサに関する。
(従来の技術) 酸素センサの一種として、限界電流式のものが知られて
おり、その一例としては、酸素イオン伝導体からなる板
あるいは円筒状の基板の一面に陽極を設け、それと対向
する他の面に陰極を設け、陰極側には外界から陰極を経
由して酸素イオン伝導体へ吸い込む酸素透過量を律速す
るための比較的大きな細孔を有する多孔質体の被覆を施
こした構成を有している。
このような比較的大きな細孔を有する多孔質層を酸素ガ
ス流の律速に用いる構成の従来の限界電流式酸素センサ
の特性は次式のように表わされる(特開昭57-48648号公
報参照)。
但し、Il:限界電流 F:ファラデー定数 S:酸素律速部の面積 Do2:有効拡散係数 Po2:酸素分圧 P:全圧 R:ガス定数 T:絶対温度 l:多孔質層厚さ ln:自然対数 酸素分圧比Po2≪1ならば近似的に となる。
この式から明らかなように、これまでの限界電流式酸素
センサの出力Ilは酸素分圧と全圧の比Po2/Pに対応した
出力となり、全圧Pが一定の場合においては酸素分圧Po
2比例した値が得られるものの、全圧Pが変動する場合
には酸素分圧Po2と出力Ilの間に対応関係がなくなると
いう性質があった。この性質は、一定の全圧の条件下で
酸素分圧を求めようとする場合にはさしつかえないが、
全圧が変動する条件下で酸素分圧を求めようとする場合
には大きな障害になっていた。
また、本発明者等は先の出願(特開昭57-182156号公報
参照)において、従来の酸素ガスの律速部として多孔質
層を用いた限界電流式酸素センサにおける出力特性の直
線性悪化の原因について考察した。酸素濃度と出力電流
の関係は直線的であるが、酸素濃度が5%を越え、特に
10〜20%というような高酸素濃度においては、酸素濃度
と出力電流との関係が直線的ではなくなるという問題の
ある特性を持っており、その原因が酸素センサ素子側方
からのガス拡散量が大きいことであることを明らかにし
た。
(発明が解決しようとする問題点) 本発明は、上記のような諸問題を解決することを目的と
するものである。
すなわち、本発明は全圧のいかんにかかわらず、酸素分
圧を正確に測定できる限界電流式酸素センサを提供する
ことを目的とするものである。
本発明は、また、高酸素分圧まで直線性良く測定できる
限界電流式酸素センサを提供することを目的とする。
(問題点を解決するための手段) 本発明は、陰極側に設けた多項質の拡散律速部の平均細
孔径を酸素分子の平均自由行路より小さくして、酸素の
絶対圧力を測定する限界電流式酸素センサにおいて、平
均細孔径を20〜200Åにしたものである 又、本発明は、拡散律速部をプラズマ溶射によって形成
したものである。
更に、拡散律速部の外側に、拡散律速部よりも気孔律の
高い多孔質の保護用コーティング層を設けたものであ
る。
更に、拡散律速部の側方に、被測定ガスの浸入を阻止す
るための手段を設けたものである。
更に、陰極と拡散律速部との間に被測定ガスの拡散用の
空間を設けたものである。
(作 用) 本発明は、上記構成のように酸素ガスの拡散を律速する
多孔質体の細孔径として、20〜200Åとしたことによ
り、その出力が酸素分圧比(酸素分圧/全圧)に対応せ
ずに、酸素分圧に比例するものが得られた。本発明のセ
ンサの出力が酸素分圧に比例する理由としては次のよう
に考えられる。
従来の限界電流式酸素センサの場合には、外界から陰極
へ酸素の拡散を律速するための、函体にあけた小孔や多
孔質体の細孔径の寸法が、ガスの平均自由行程よりも、
かなり大きかった。このような条件下においては酸素分
圧と全圧の比に対応した出力であった。それは、拡散係
数が全圧に逆比例するためである。
一方、本発明の限界電流式酸素センサでは多孔質体の細
孔径をガスの平均自由行程の2倍以内にしている。細孔
径の寸法が小さくなればなるほど、ガスの熱エネルギー
による分子運動の衝突が細孔壁との間で起りやすくな
る。細孔径の寸法がガスの平均自由行程よりも、かなり
大きい場合には、分子同士の衝突が殆どである。
ガス分子の衝突が、分子同士で起るよりも、細孔壁との
間で主に起る場合には、拡散係数は全圧に逆比例すると
いう性質が無くなる。そして、そのような小寸法の細孔
内における分子の拡散量は、対象とするガスの分圧に対
応するようになり、全圧の影響を受けにくくなる。
この考察を確認するために、多孔質体の細孔径(または
有孔函体にあけた小孔の径)を種々変えたサンプルを調
製し、酸素分圧と全圧の比(Po2/P)を一定値(0.21)
に保ちながら、酸素分圧を変化させたときの出力を測定
した。その結果を第1図に示す。図より明らかなよう
に、孔径が100μm以上では酸素分圧にかかわらず概ね
一定の値になってしまうことがわかった。一方、孔径が
ガスの平均自由行程の2倍以下である500Å以下では酸
素分圧にほぼ比例した出力となっており、とくに200Å
以下では良好な出力特性が得られている。
従って、酸素分圧にほぼ比例した出力のセンサを得るた
めには孔径として500Å以下、望ましくは200Å以下にす
べきであることを見出した。しかし、細孔径があまり小
さくなると応答が緩慢になるという問題を生ずることが
わかった。特性の一例を第2図に示す。図より明らかな
ように、細孔径が20Å以下になると、応答時間が2秒以
上になり不都合である。それゆえ、20Å以上であること
が望ましい。
本発明は、また、前記のようにガスの拡散律速部として
の多孔質層と、陰極との間に陰極の平面方向のガスの拡
散をよくするための部材を設けている。もしこの部材が
ないと、前記のように拡散律速部としての多孔質層の細
孔径が従来に比べてかなり小さいので、前記従来技術の
項において述べたような陰極面でのガス濃度分布の不均
一、即ち陰極表面に達するガスの濃度が陰極面上の中央
部と周辺部とでは不均一となる性質がより顕著にあらわ
れることになる。従って、この場合過電圧支配領域にお
ける電流の勾配が大きくなって、センサに印加する駆動
電圧の変動があると、検出出力が影響を受けやすくな
り、また、高酸素濃度となるに従って検出特性が悪化す
る。このように細孔径を小さくすることに伴う特性の悪
化を生じないようにするために上記平面方向のガスの拡
散をよくするための部材が大きな役割を果たし、欠くこ
とのできないものである。
以上のように、本発明は酸素ガスの拡散を律速する多孔
質体の細孔径として20〜200Åとするとともに、平面方
向のガスの拡散をよくするための部材を設け、あるいは
センサの側方から浸入するのを阻止する手段を設けるこ
とにより、全圧が変動しても酸素分圧に比例し、しかも
直線性の良い出力を得ることができるものである。
(実施態様) 本発明における20〜200Åの細孔径を有する前記多孔質
層は、一実施態様によれば、プラズマ溶射によって気孔
率4〜7%、厚さ2〜50μmに形成されたものが好適で
あり、良好な特性が得られる。
本発明における前記平面方向のガスの拡散をよくするた
めの部材は、一実施態様によれば、気孔率8〜16%、厚
さ3〜300μmの多孔質層である。気孔率と厚さをこの
範囲とすることにより、平面方向のガス拡散を良好に保
持でぎるとともに、応答特性が悪化することもない。ま
た、構造が簡単であり、製造が容易である。
また、他の実施態様によれば、前記多孔質層と陰極の間
にスペーサを介在させることによって形成される微小な
空室として構成される。ガス拡散を行なうのに抵抗とな
る部分が少ないので、平面方向の拡散が極めて良好であ
る。この構成では、厚膜プロセスにより製造するので、
量産性に富み、低コストであるという利点がある。
また、本発明の他の実施態様によれば、前記基本的構成
において、酸素イオン伝導体の外形と比較して、陰極の
外形が陰極上に設けた前記多孔質層の厚さ分以上小さく
構成される。例えば、酸素イオン伝導体が円板状であ
り、その直径に比べ陰極の大きさを小さくし、両直径の
差が前記多孔質層の厚さの2倍以上となるように構成さ
れる。この構成によりセンサの側方からの酸素の拡散に
要する距離が長くなり、拡散量を減ずることができる。
その結果、陰極上での濃度分布が不均一となるのを軽減
することができ、全圧の変化の影響を受けない酸素濃度
の検出を直線性の悪化なしに、または、むしろ直線性の
向上を伴って実行できる。
また、本発明の他の実施態様によれば、前記基本的構成
において、前記多孔質層をその周辺部より中央部にかけ
て緻密化し、残りの緻密化していない部分の被測定雰囲
気に接する部分(開口部)の面積を小さくし、開口部の
形状を陰極の周囲に多孔質層の厚さに相当する幅を加え
た形状より小さくする。例えば、酸素イオン伝導体の形
状が円板状であり、開口径を陰極の周囲に多孔質層厚さ
に相当する幅を加えた径よりも小さく構成する。この構
成によりセンサの側方からの酸素の流入が阻止されるの
で、酸素律速部の多孔質層の細孔径を小さくしたことに
よっても陰極上でのガスの濃度分布が不均一とはならな
いので、全圧の変化の影響を受けないで酸素濃度を検出
できるばかりでなく出力特性における直線性の向上が可
能となる。
さらに、本発明の他の実施態様によれば、気孔率10〜18
%、厚さ5〜50μmの多孔質の保護用コーティング層を
外側に被覆する。本発明による酸素ガス律速用の多孔質
層はその細孔径が前記のように小さいものであるので、
燃焼排気中のPb,P,S,Ca,Zn,Ba等の化合物の微粒子がよ
り詰りやすい。しかし本実施態様のように、保護用コー
ティング層を設けることによりそれらの微粒子は酸素ガ
ス律速用の多孔質層に到達しにくくなって、長期にわた
って、特性変化少なく使用できる。
(実施例) 第3図および第4図は本発明の限界電流式酸素センサの
一実施例を示すもので、固体電解質からなる酸素イオン
伝導体を基体として一端封じの円筒状を形成し、陰極側
に被測定ガスを導き、陽極側に基準ガスとしての空気を
導入する方式のものであって、第3図は同実施例の限界
電流式センサの要部(作動領域)の拡大断面図であり、
第4図はそのセンサの全体を示す図である。
本センサは、固体電解質2を先端封じの円筒形に形成
し、その中ほどに作動領域20が設定されている。作動領
域の範囲内では固体電解質2の両面に、内側には多孔質
な陽極3を密着させ、外側には多孔質の陰極4を密着さ
せてある。
固体電解質2の素材としては、本実施例ではZrO2の85〜
95モル%に安定化剤としてY2O3またはYb2O3を5〜15モ
ル%固溶させた安定化ジルコニアの緻密な焼結体を用い
ている。
陰極4と陽極3は耐久性と応答時間の両面で良好な特性
が得られる厚さ0.5〜20μmの多孔質な白金電極として
構成されている。
作動領域の範囲外では固体電解質2の外側には電気絶縁
層13を密着させてあり、その外に陰極の続きのリード線
として作用させる部分が設けてある。
作動領域内の陰極上には平面方向のガスの拡散をよくす
るための部材として気孔率8〜16%、厚さ3〜30μmの
多孔質層10を設ける。この多孔質層10は、白金の陰極4
への密着性、耐久性、使用雰囲気での安定性、熱特性等
を調べて総合評価したところ、優れた素材としては、安
定化ジルコニア、アルミナ、スピネル、ステアタイト、
シャモット、ランタニア、イットリア、ジルコン酸カル
シウム、SiO2・Al2O3、ガドリニア、サマリア、イット
リビア、スカンジア、エルビア、ハフニア、ジルコン酸
バリウム、ジルコン酸マグネシウム、珪酸マグネシウム
ジルコニウムであり、それに次ぐものはフォルステライ
ト、カルシア、HfO2・CaOである。
更に上記多孔質層10の上に全圧のいかんにかかわらず酸
素分圧に比例した出力を得るための拡散律速部材として
プラズマ溶射によって形成された平均細孔径が20〜200
Å、気孔率4〜7%、厚さ2〜50μmの多孔質層11が設
けてある。多孔質層は高温度では焼結が進み気孔率が低
下し、特性が変化しやすいものが多いので、高温耐久性
のあるものを用いる必要がある。この多孔質層11に適し
た優れた素材は、安定化ジルコニア、アルミナ、スピネ
ル、ハフニア、ランタニア、イットリア、ジルコン酸バ
リウム、ジルコン酸カルシウム、ガドリニア、サマリ
ア、イットリビア、スカンジア、エルビア、アルビン酸
バりウム、ジルコン酸マグネシウムであり、それに次ぐ
ものは、カルシア、HfO2・CaO、珪酸マグネシウム、珪
酸マグネシウムジルコニウムである。
そして作動領域外から、作動領域の端部にかけて陰極お
よびリード部保護用の層12が設けてある。
なお、さらに作動領域の上にも多孔質の保護層を設ける
ことができ、その場合には被測定ガス中に含まれる測定
上有害な微粒子を除去するので、精度良く測定でき、ま
た耐久性が優れたものとなる。
第5図および第6図は本発明の他の実施例を示すもの
で、酸素ガスの拡散を律速する多孔質体の平均細孔径と
して20〜200Åとするとともに、平面方向のガスの拡散
をよくするための部材をスペーサによって形成される空
室によって設けた例を示すものである。
同図に示すように、このセンサは、厚膜プロセスによ
り、拡散律速部22を有するカバー21、陰極室のための穴
を設けた陰極室用スペーサ23、陰極24、固体電解質(ポ
ンプセル)25、陽極26、空気導入部用スペーサ27、ヒー
タ埋込基板29を板状に形成し高温度で一体焼結したもの
である。拡散律速部22は多孔質で形成し、前述の平均細
孔径にした。また、陰極室用スペーサ23によって形成さ
れる陰極室35として微小な空間を有するので、陰極上に
おけるガスの濃度分布の不均一が解消でき、過電圧支配
領域における電流の勾配が小さくなり、高酸素分圧まで
直線性の良好な特性が得られた。また、厚膜プロセスに
より製造できるので、量産性に富み低コストである。
また、本実施例では多孔質コーティング31を施してお
り、その気孔率は10〜18%、厚さは5〜50μmが好まし
い。この多孔質コーティング層31を設けることにより燃
焼排気中のPb,P,S,Ca,Zn,Ba等の化合物の微粒子がコー
ティング層31へ付着し、前述の拡散律速部へ到達しにく
くなり、目詰りしにくくなって、長期にわたって特性変
化少なく使用できる。
また、多孔質コーティング層31に触媒として、Pd,Rh,Pt
のいずれか、または、それらの混合物を担持すると、上
記の化合物が付着しにくくなって、耐久性の改善になお
一層の効果がある。
第7図は拡散律速部として平均細孔径が20〜200Åの多
孔質層を用いるとともに、センサ側方からのガスの浸入
を阻止するための手段を設けた限界電流式酸素センサの
一実施例を示すものである。図において、37は円板状の
酸素イオン伝導体、38は酸素イオン伝導体の上面中央部
に白金をスパッタリングして形成した陰極、39は酸素イ
オン伝導体の下面中央部に白金をスパッタリングして形
成した陽極、40は上記のように平均細孔径が20〜200Å
となるようプラズマ溶射法により形成した多孔質層、41
はリード線である。陰極38の径は多孔質層40の厚さ分以
上小さく形成されている。
多孔質層40の平均細孔径が従来に比べはるかに小さいの
で、通常の構造であればセンサの側方からの酸素の浸入
の影響を受け易いのであるが、本実施例では、上記のよ
うにセンサの側方からの酸素の拡散に要する距離が長く
なる構造であるので、側方からの拡散量を減ずることが
できる。従って、陰極上での中心部と周辺の電流密度の
差異が少なくなり、多孔質層40の平均細孔径を小さく選
定したことによる影響を除去することができ、過電圧支
配領域における電流の平坦さをよくすることができた。
また酸素分圧に対する電流の直線性が改善でき、酸素分
圧の測定上限が拡大できた。
第8図は、ガスの浸入を阻止する手段の他の実施例を示
すもので、42は固体電解質、43は固体電解質42の上面に
形成した陰極、44は固体電解質42の下面に形成した陽
極、45は拡散律速部として陰極43%に設けた平均細孔径
が20〜200Åの多孔質層、46は陽極44上に被覆した保護
用の多孔質層、47は多孔質層45の周辺部から中央部にか
けて多孔質層を緻密化し、残りの緻密化していない部分
の被測定雰囲気に接する部分(開口部)の面積を一定以
下に制限するように形成した緻密部である。この実施例
によれば、拡散律速部としての多孔質層45の平均細孔径
が従来に比べはるかに小さいことによる直線性への悪影
響は見られなかった。これは緻密部を形成したことによ
り、開口部以外からの酸素の拡散が起りにくくなったか
らである。開口部は小さいもの程電流密度が低くなり、
それにつれて過電圧支配領域での勾配が小さくなった。
そして、高酸素濃度まで直線性の良い電流出力が得られ
た。
なお、本発明は両端の開いた円筒状のセンサ、その他形
状の異なるいずれのセンサに対しても適用できる。ま
た、固体電解質を基体としたセンサにも、他の基体(多
孔質基板等)上に薄膜固体電解質を構成したセンサにも
適用できる。その場合には多孔質基板の平均細孔径を前
述のようにすればよい。
また、陰極上の多孔質層を2層または3層構造としたセ
ンサにも適用できる。その場合には、各層の内で酸素ガ
スの拡散の律速に寄与の大きい層の平均細孔径を前述の
ようにすればよい。
(発明の効果) 以上説明したように、本発明によれば、陰極側に設けた
多孔質の拡散律速部の平均細孔径を酸素の平均自由行路
より小さくして、酸素の絶対圧力を測定する限界電流式
酸素センサにおいて、平均細孔径の上限を200Åにし
て、酸素分圧の出力特性を直線的にすることにより、測
定誤差を1%以下とし、又、平均細孔径の下限を20Åに
して、応答時間を2秒以下とすることにより、酸素全圧
の変動する条件下でも酸素分圧を迅速且つ正確に測定で
きるという効果を奏する。
又、拡散律速部をプラズマ溶射によって形成すると、高
温の被測定ガスに晒される拡散律速部が焼結しなくなっ
て、気孔律が低下しなくなるので、耐久性が向上すると
いう効果を奏する。
更に、拡散律速部の外側に拡散律速部よりも気孔律の高
い多孔質の保護用コーティング層を設けて、拡散律速部
への被測定ガス中の測定上有害な微粒子の付着を防止す
ることにより、拡散律速部の細孔が目詰りしなくなるの
で、酸素分圧が正確に測定できると共に、耐久性が向上
するという効果を奏する。
更に、拡散律速部の側方に被測定ガスの浸入を阻止する
ための手段を設けたり、陰極と拡散律速部との間に被測
定ガス拡散用の空間を設けることにより、酸素分圧が一
層正確に測定できるようになるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
第1図は拡散律速部としての多孔質層の平均細孔径をパ
ラメータとして酸素分圧と出力電流(相対値)との関係
を示す図である。 第2図は上記多孔質層の平均細孔径とセンサの応答時間
との関係を示す図である。 第3図および第4図は本発明の限界電流式酸素センサの
一実施例を示すもので、第3図は同実施例の限界電流式
センサの要部(作動領域)の拡大断面図であり、第4図
はそのセンサの全体を示す図である。 第5図および第6図は本発明の限界電流式酸素センサの
他の実施例を示すもので、第5図は同実施例の限界電流
式センサの全体の分解斜視図、第6図はそのセンサの拡
大断面図である。 第7図は拡散律速部として平均細孔径が20〜200Åの多
孔質層を用いるとともに、センサ側方からのガスの浸入
を阻止するための手段を設けた限界電流式酸素センサの
一実施例を示すものである。 第8図は、本発明(第2発明)の他の実施例を示すもの
である。 2……固定電解質、20……作動領域、3……陽極、4…
…陰極、10……多孔質層、11……多孔質層(拡散律速
部)、12……保護層、21……カバー、22……拡散律速
部、23……陰極室用スペーサ、24……陰極、25……固体
電解質(ポンプセル)、26……陽極、27……空気導入部
用スペーサ、28……基準ガス室、29……ヒータ埋込基
板、30……ヒータ、31……保護用多孔質層、32……ヒー
タ用電源、33,34……リード線、37……固体電解質、38
……陰極、39……陽極、40……多孔質層、41……リード
線、42……固体電解質、43……陰極、44……陽極、45…
…多孔質層、47……緻密部、48……リード線。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 武内 隆 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1 株式会社豊田中央研究所内 (56)参考文献 特開 昭60−13256(JP,A) 特開 昭58−24855(JP,A) 特開 昭57−182156(JP,A) 特開 昭60−64245(JP,A) 実開 昭58−6245(JP,U)

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】陰極側に設けた多孔質の拡散律速部の平均
    細孔径を酸素分子の平均自由行路より小さくして、酸素
    の絶対圧力を測定する限界電流式酸素センサにおいて、 前記平均細孔径を20〜200Åにしたことを特徴とする限
    界電流式酸素センサ。
  2. 【請求項2】前記拡散律速部は、プラズマ溶射によって
    形成することを特徴とする特許請求の範囲第(1)項記
    載の限界電流式酸素センサ。
  3. 【請求項3】前記拡散律速部は、外側に前記拡散律速部
    よりも気孔率の高い多孔質の保護用コーティング層を設
    けたことを特徴とする特許請求の範囲第(1)項記載の
    限界電流式酸素センサ。
  4. 【請求項4】前記拡散律速部は、側方に被測定ガスの浸
    入を阻止するための手段を設けたことを特徴とする特許
    請求の範囲第(1)項記載の限界電流式酸素センサ。
  5. 【請求項5】前記陰極と前記拡散律速部との間に被測定
    ガス拡散用の空間を設けたことを特徴とする特許請求の
    範囲第(1)項記載の限界電流式酸素センサ。
JP61021112A 1986-02-04 1986-02-04 限界電流式酸素センサ Expired - Lifetime JPH0676989B2 (ja)

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