JPH0676730U - 車両のサスペンションマウンティングラバー - Google Patents

車両のサスペンションマウンティングラバー

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JPH0676730U
JPH0676730U JP1734293U JP1734293U JPH0676730U JP H0676730 U JPH0676730 U JP H0676730U JP 1734293 U JP1734293 U JP 1734293U JP 1734293 U JP1734293 U JP 1734293U JP H0676730 U JPH0676730 U JP H0676730U
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 車幅方向の剛性向上を図りつつ軽量化を実現
し、加えて、車両上下方向において振動吸収面での軟ら
かさとばたつき感防止とを両立する。 【構成】 筒軸Xを車両上下方向Aに向けた内筒体1の
外周囲に外筒体2を配置する。内筒体を挟む車幅方向両
側で弾性体3,3により内筒体と外筒体とを連結する一
方、内筒体を挟む車両前後方向両側位置に貫通空所4,
4を形成する。各弾性体内の外筒体と内筒体との中間位
置に円弧状の中間板5を埋め込む。そして、各中間板の
車両上下方向中間部位に半径方向一側に曲げられた膨出
部51を形成し、膨出部により形成される凹陥部52内
の弾性体部分31を車幅方向に対して死にゴムとする。
膨出部の車両上下方向両側端側の段部51aの内外面と
相対向する段部11a、23を形成し、車両上下方向の
入力に対して各相対向面で挟み付けられる弾性体部分3
2,33により圧縮復元力が発生するようにする。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、例えば、マルチリンク式サスペンションのリヤクロスメンバマウン トなどのサスペンションメンバマウントとして用いられる車両のサスペンション マウンティングラバーに関し、特に、車両の車幅方向、前後方向および上下方向 の3方向からのそれぞれ異なる要求を満足するものに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、この種のサスペンションマウンティングラバーには、車両旋回時の操 縦安定性の面より車幅方向に比較的硬く、乗り心地の面より車両前後方向および 上下方向に比較的軟らかいものであることが要求されている。このため、内筒体 と外筒体とを車幅方向両側位置でそれぞれ弾性体により連結する一方、この内筒 体と外筒体との両者間の車両前後方向にそれぞれ貫通空所を設け、加えて、車幅 方向の剛性(弾性率)アップのために、上記各弾性体の半径方向中間位置に中間 板を埋め込むことが行われている(例えば、特公昭34−7616号公報参照) 。すなわち、中間板の肉厚の分だけ弾性体の肉厚を小さくして、その分、剛性を 高くさせようとするものである。
【0003】 そして、このようなサスペンションマウンティングラバーにおいて、さらに、 弾性体の上下方向中央部の車幅方向の肉厚を上下方向両端部の肉厚よりも薄くし たものが提案されている(特開昭57−198107号公報参照)。このもので は、上記弾性体の肉厚を薄くする部分と対応する部分の中間板の肉厚を他の部分 より分厚くしたり、または、内筒体および外筒体の一部を上記弾性体側に突出し たりして、この分、上記弾性体の肉厚をより薄くしている。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】
ところが、上記従来の車両のサスペンションマウンティングラバーにおいては 、中間板の肉厚を分厚くする程、弾性体の肉厚が薄くなって車幅方向の剛性は高 くなるものの、それに伴い、中間板の重量が増大して軽量化に反する事態を招く ことになる。この場合、車両にはかなりの数のサスペンションマウンティングラ バーが装着されているため、わずかな重量増大でも車両全体の車重に大きく影響 する。
【0005】 また、車両の上下方向に対してあまり軟らかいものとすると、車両に作用する 上下方向入力により乗員にばたつき感を与える上、車両旋回時のロール方向への 変位が過大となって操縦安定性に欠ける結果を招くおそれがある。
【0006】 この考案は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的とすると ころは、車幅方向の剛性向上を図りつつ軽量化を実現し、加えて、車両上下方向 において振動吸収面での軟らかさとばたつき感の防止との両立を図ることにある 。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1記載の考案は、筒軸を車両の上下方向に 向けて配置される内筒体と、この内筒体の外周面から所定距離隔てた状態でその 内筒体を囲む外筒体と、この外筒体と上記内筒体との間に介装されて両者を連結 する弾性体と、上記内筒体を挟み上記車両の前後方向の両側位置を上記筒軸の方 向に貫通するよう形成された貫通空所と、上記内筒体を挟み上記車両の車幅方向 の両側位置の上記弾性体内であって、上記外筒体と内筒体との間の中間位置に埋 め込まれた一対の中間板とを備えるものを前提とする。このものにおいて、上記 各中間板に、上記筒軸方向中間部位が上記筒軸を中心とする半径方向一側に曲げ られた膨出部を備える構成とするものである。
【0008】 また、請求項2記載の考案は、請求項1記載の考案において、各中間板の膨出 部を半径方向外方に膨出するよう形成する一方、内筒体および外筒体の一方もし くは双方に対して上記各中間板の膨出部と対応する部位に上記半径方向外方に膨 出する膨出部を形成する。そして、この内筒体および外筒体の一方もしくは双方 の膨出部と、上記各中間板の膨出部との筒軸方向両側端の各部位に、上記筒軸方 向に相対向して弾性体を挟み付ける段部をそれぞれ形成する構成とするものであ る。
【0009】
【作用】
上記の構成により、請求項1記載の考案では、膨出部の一側面により半径方向 に凹となる凹陥部が画成され、この凹陥部内に存する弾性体部分がこの凹陥部の 内面により拘束を受けるため、弾性体としての機能を発揮しない、いわゆる死に ゴムとなる。このため、車幅方向に弾性体として有効に機能する範囲が上記死に ゴムの肉厚分減少し、車幅方向の弾性率が高くなる。この場合、上記中間板は膨 出部を形成するよう曲げられているだけであるため、中間板自体の肉厚を上記死 にゴム相当量分厚くする場合と比べて、軽量化が図られる上、ほぼ同等の車幅方 向の剛性向上が図られる。
【0010】 また、請求項2記載の考案では、上記請求項1記載の考案による作用に加えて 、内筒体および外筒体の一方もしくは双方に形成された膨出部と、中間板の膨出 部との間に、車両上下方向に相対向して弾性体を挟み付ける段部がそれぞれ形成 されているため、車両上下方向からの入力により上記各段部が車両上下方向に相 対移動し、上記挟み付けられた弾性体が圧縮され圧縮復元力が作用する。このた め、弾性体の車両上下方向のせん断抵抗力によってのみ上記上下方向入力を受け 持つ場合と比べて、動ばね特性がほぼ同等に保たれつつ、上下方向の変位に規制 が加わる。これにより、車両上下方向における振動吸収面については軟らかく、 かつ、変位規制面については硬くなり、従来のものとほぼ同等の乗り心地を保ち つつ、車両上下方向の規制が付与されてばたつき感の防止が図られる。
【0011】
【実施例】
以下、本考案の実施例を図面に基いて説明する。
【0012】 図1〜図4は、本考案の第1実施例に係る車両のサスペンションマウンティン グラバーを示し、1は筒軸Xを車両の上下方向(図1および図2にAで示す方向 ;以下、車両上下方向Aという)に向けて配置される内筒体、2はこの内筒体1 の外周面から所定距離隔てた状態でその内筒体1を囲む外筒体、3,3はこの外 筒体2と上記内筒体1との間に介装されて両者を連結する一対の弾性体、4,4 は上記内筒体1を挟み上記筒軸Xに直交する方向の一方向である上記車両の前後 方向(図1〜図3にBで示す方向;以下、車両前後方向Bという)の両側位置を 上記筒軸Xの方向に貫通するよう形成された貫通空所、5,5は上記内筒体1を 挟み上記筒軸Xに直交する方向であって上記一方向に直交する方向である車幅方 向(図1〜図3にCで示す方向)の両側位置の上記各弾性体3内に埋め込まれた 一対の中間板である。
【0013】 上記内筒体1には、車両上下方向Aの中央部の所定範囲にわたり車幅方向C両 側にそれぞれ膨出する膨出部11,11が一体的に形成されており、この各膨出 部11の車両上下方向Aの両側端側にはそれぞれ斜め車両上下方向に向いた段部 11a,11a(図2参照)が形成されている。
【0014】 上記外筒体2は、車両上下方向Aの両端縁部がそれぞれ縮径部21とされる一 方、この両縮径部21の間の車両上下方向Aの中間部が拡径部22とされている 。そして、この拡径部22と各縮径部21との間に斜め車両上下方向に向いたテ ーパ壁部23がそれぞれ形成されている。上記拡径部22によって外筒体2の膨 出部が構成されており、また、上記各テーパ壁部23によって外筒体2の膨出部 における段部が構成されている。
【0015】 上記両弾性体3,3は、上記両貫通空所4,4を除いて上記内筒体1を挟む車 幅方向C両側にそれぞれ配設されている。そして、この両弾性体3,3は、上記 各中間板5を間に埋め込んだ状態で、上記内筒体1および外筒体2と一体に加硫 成形により形成されている。
【0016】 上記両中間板5,5は、円弧状に形成された板状部材であり、上記各弾性体3 内の上記外筒体2と内筒体1との各中間位置で上記内筒体1の各膨出部11を車 幅方向Cから囲むように配置されている。そして、上記各中間板5には、上記各 膨出部11の車幅方向Cおよび車両上下方向Aの外周面を囲むように、上記筒軸 Xを中心とする半径方向外方に曲げられた膨出部51が形成されており、この各 膨出部51の半径方向内方側には袋状の凹陥部52が各膨出部51の内面により 画成されている。上記各膨出部51の車両上下方向Aの両側端側にはそれぞれ斜 め車両上下方向に向いたテーパ壁部51aがそれぞれ形成されており、この各テ ーパ壁部51aの内面と上記内筒体1の段部11aとが斜め車両上下方向に相対 向し、かつ、両者間に各弾性体3の車両上下方向Aの両側部分が挟み付けられて いる。加えて、上記各テーパ壁部51aの外面と上記外筒体2のテーパ壁部23 の内面とが同様に斜め車両上下方向に相対向し、かつ、両者間に各弾性体3の車 両上下方向Aの両側部分が挟み付けられている。そして、上記各テーパ壁部51 aによって、中間板5の膨出部51における段部が構成されている。
【0017】 このような構成のサスペンションマウンティングラバーを製造するには、図4 に示すように、まず、内筒体1の外周囲に外筒体2を外装し、このこの内筒体1 を挟んだ両側位置であって、内筒体1と外筒体2との半径方向中間の所定位置に それぞれ中間板5を上下方向から挿入する。次に、これら1,2,5,5を保持 した状態でゴムの加硫成形することにより、上記両中間板5,5を埋め込んだ状 態で内筒体1および外筒体2を一体化すればよい。
【0018】 つぎに、上記構成の第1実施例の作用・効果を説明する。
【0019】 本第1実施例のサスペンションマウンティングラバーは、例えば外筒体2が車 輪側に、内筒体1がクロスメンバを介してボディ側にそれぞれ取付けられる。
【0020】 このサスペンションマウンティングラバーにおいて、上記車輪側もしくは車体 側から車両前後方向Bの振動や外力が入力した場合、各弾性体3が撓んで上記内 筒体1と外筒体2との間で上記車両前後方向Bに相対移動が生じる。この際、上 記内筒体1を挟んで車両前後方向B両側にはそれぞれ貫通空所4が形成されてい るため、この貫通空所4,4のない密実な弾性体と比べて上記各弾性体3は車両 前後方向Bに対して比較的変形し易く、車両前後方向Bの上記入力に対して比較 的軟らかい変形特性を発揮することができ、良好な乗り心地を実現することがで きる。
【0021】 また、車両の旋回時などに車輪側もしくは車体側から車幅方向Cの振動や外力 が入力した場合、各弾性体3が圧縮もしくは引張されて上記内筒体1と外筒体2 とが車幅方向Cに相対移動する。この際、各中間板5の袋状の凹陥部52内に存 する弾性体部分31が、上記凹陥部52を構成する膨出部51の半径方向内面に よって拘束を受けて、弾性体としての機能を発揮しない、いわゆる死にゴムとな る。このため、各弾性体3の内、上記圧縮もしくは引張に関与する車幅方向Cの 肉厚を、上記各弾性体3の現実の肉厚から上記弾性体部分31の肉厚T1 相当分 を減じたものとすることができ、車幅方向Cに対する弾性率を上記現実の肉厚に 相当する弾性率よりも高くすることができる。これにより、車幅方向Cに対する 剛性を向上させて比較的硬くすることができ、上記車両の旋回時などの操縦安定 性の向上を図ることができる。しかも、この場合、上記各中間板5は膨出部51 を形成するよう曲げられているだけであるため、中間板5自体の肉厚を上記死に ゴムの肉厚み相当分を分厚くする場合と比べて軽量化を図ることができる上、上 記中間板自体の肉厚を分厚くする場合とほぼ同等の車幅方向Cの剛性向上を図る ことができる。従って、中間板の肉厚を分厚くしたり、弾性体3のゴム硬度を大 きくしたりすることなく、車幅方向Cの剛性が同等機能のものを軽量化の要求に 反することなく実現することができる。
【0022】 さらに、上記車両の旋回時などに車輪側もしくは車体側から車両上下方向Aの 振動や外力が入力した場合、各弾性体3が主としてせん断方向の撓みによって上 記内筒体1と外筒体2とが車両上下方向Aに相対移動する。この際、上記各弾性 体3は各貫通空所4によって互いに切り離されているため、この貫通空所4,4 のない密実な弾性体と比べて上記各弾性体3は車両上下方向Aに対して比較的変 形し易く、車両上下方向Aに対する振動入力に対しては比較的軟らかい変形特性 を発揮することができ、良好な乗り心地を実現することができる。しかもこの場 合、車両上下方向Aへの内筒体1と外筒体2との相対移動に際し、内筒体1の上 下の段部11a,11aと各中間板5の上下のテーパ壁部51a,51aの各内 面との間に挟まれた弾性体部分32,32、および、上記各テーパ壁部11aの 外面と上記外筒体2の上下のテーパ壁部23,23の内面との間に挟まれた弾性 体部分33,33がそれぞれ圧縮され、上記相対移動と逆方向に圧縮復元力が作 用する。このため、弾性体の車両上下方向Aのせん断抵抗力によってのみ振動吸 収や外力の支持を行う場合と比べて、動ばね特性をほぼ同等に保ちつつ、静ばね 特性を向上させることができる。これにより、上下方向における振動吸収面につ いては軟らかくすることができる一方、変位規制面については硬くすることがで き、ばたつき感の防止を図ることができる。
【0023】 図5〜図7は本考案の第2実施例に係るサスペンションマウンティングラバー を示し、6は筒軸Xを車両上下方向Aに向けて配置される内筒体、7はこの内筒 体6の外周面から所定距離隔てた状態でその内筒体6を囲む外筒体、8,8はこ の外筒体7と上記内筒体6との間に介装されて両者を連結する一対の弾性体、9 ,9は上記内筒体6を挟み車両前後方向Bの両側位置を上記車両上下方向Aに貫 通するよう形成された貫通空所、10,10は上記内筒体6を挟み車幅方向Cの 両側位置の上記各弾性体8内に埋め込まれた一対の中間板である。
【0024】 上記内筒体6および外筒体7は、共に円環状の等断面を有する筒部材であり、 筒軸Xに対して同軸に配置されている。
【0025】 上記両弾性体8,8は、上記両貫通空所9,9を除いて上記内筒体6を挟む車 幅方向C両側にそれぞれ配設されている。そして、この両弾性体8,8は、上記 各中間板10を間に埋め込んだ状態で、上記内筒体6および外筒体7と一体に加 硫成形により形成されている。
【0026】 上記両中間板10,10は、横断面形状が円弧状に形成された板状部材であり 、上記各弾性体8内の上記外筒体7と内筒体6との各中間位置で上記内筒体6の 外周面を車幅方向Cから囲むように配置されている。そして、上記各中間板10 は、図8に詳細を示すように、車両上下方向Aの両側端側部位が縮径部10a, 10aと、この両縮径部10a,10aに挟まれた車両上下方向Aの中間部位が 拡径部10bとそれぞれなるように曲げられており、この拡径部10bと各縮径 部10aとの間に斜め上下方向外方に向いたテーパ壁部10c,10cが形成さ れている。そして、この両テーパ壁部10c,10cと拡径部10bとの各内面 によって半径方向外方に凹となる凹陥部10dが画成されている。そして、上記 拡径部10bによって中間板の膨出部が構成され、また、上記各テーパ壁部10 cによって中間板の膨出部における段部が構成されている。
【0027】 上記構成のサスペンションマウンティングラバーは、例えば外筒体7が車輪側 に、内筒体6がクロスメンバを介してボディ側に、上記第1実施例と同様に、そ れぞれ取付けられる。
【0028】 そして、本第2実施例の場合、車両の旋回時などに車輪側もしくは車体側から 車幅方向Cに入力する振動や外力により、各弾性体8が圧縮もしくは引張されて 上記内筒体6と外筒体7とが車幅方向Cに相対移動する際、各中間板10の凹陥 部10d内に存する弾性体部分81が、上記凹陥部10dを構成する拡径部10 bおよび各テーパ壁部10cの各内面によって拘束を受けて、弾性体としての機 能を発揮しない、いわゆる死にゴムとなる。このため、各弾性体8の内、上記圧 縮もしくは引張に関与する車幅方向Cの肉厚を、上記各弾性体3の現実の肉厚か ら上記弾性体部分81の肉厚T2 相当分を減じたものとすることができ、車幅方 向Cに対する弾性率を上記現実の肉厚に相当する弾性率よりも高くすることがで きる。これにより、車幅方向Cに対する剛性を向上させて比較的硬くすることが でき、上記車両の旋回時などの操縦安定性の向上を図ることができる。しかも、 この場合、上記各中間板10は拡径部10bを形成するよう曲げられているだけ であるため、中間板10自体の肉厚を上記死にゴムの肉厚み相当分を分厚くする 場合と比べて軽量化を図ることができる上、上記中間板自体の肉厚を分厚くする 場合とほぼ同等の車幅方向Cの剛性向上を図ることができる。従って、中間板の 肉厚を分厚くしたり、弾性体8のゴム硬度を大きくしたりすることなく、車幅方 向Cの剛性が同等機能のものを軽量化の要求に反することなく実現することがで きる。
【0029】 なお、上記第2実施例においても、第1実施例と同様に、内筒体6を挟んで車 両前後方向B両側にはそれぞれ貫通空所9が形成されて両弾性体8,8がこの各 貫通空所9によって切り離されているため、この貫通空所9,9のない密実な弾 性体と比べて上記各弾性体8は車両前後方向Bおよび車両上下方向Aに対して比 較的変形し易く、これにより、車両前後方向Bおよび車両上下方向Aに対して比 較的軟らかい変形特性を発揮することができ、良好な乗り心地を実現することが できる。
【0030】 図9〜図11は、上記第2実施例に適用し得る中間板の他の例をそれぞれ示す ものである。
【0031】 図9に示す中間板13は、円弧状の基板の中央部位に半径方向外方に曲げられ た膨出部13aを形成し、この膨出部13aの半径方向内面側の面により死にゴ ムとなる弾性体部分(図7の一点鎖線で囲まれる部分)を画成する袋状凹陥部1 3bを形成するものである。
【0032】 図10に示す中間板14は、車両上下方向Aの両側端側の各部位が拡径部14 aとなり、これら両拡径部14a,14aで挟まれる車両上下方向Aの中央部位 が縮径部14bとなるように形成されており、この縮径部14bによって半径方 向内方に凹となる凹陥部14cを形成するものである。すなわち、中間板に形成 する膨出部を半径方向内方に曲げて形成したものである。
【0033】 図11に示す中間板15は、円弧状の基板の中央部位に半径方向内方に曲げら れた膨出部15aを形成し、この膨出部13aの半径方向外面側の面により袋状 凹陥部15bを形成するものである。
【0034】 なお、本考案は上記第1および第2実施例に限定されるものではなく、その他 種々の変形例を包含するものである。例えば、上記第1および第2実施例では、 内筒体1,6および外筒体2,7として円環状のものを例示しているが、これに 限らず、例えば、矩形状のものとしてもよい。
【0035】 また、上記第1実施例では、段部11a、テーパ壁部51a,23をそれぞれ 斜め車両上下方向に向いた傾斜面としているが、これに限らず、例えばそれぞれ 半径方向に曲げて車両上下方向に向いた面としてもよい。
【0036】 さらに、上記第1実施例では、内筒体1および外筒体2の双方にテーパ壁部5 1aと相対向する段部11a,23を形成しているが、これに限らず、いずれか 一方にのみ形成するようにしてもよい。
【0037】
【考案の効果】
以上説明したように、請求項1記載の考案における車両のサスペンションマウ ンティングラバーによれば、膨出部の一側面により半径方向に凹の凹陥部を画成 し、この凹陥部内に存する弾性体部分をこの凹陥部により拘束されて弾性体とし ての機能を発揮しない死にゴムとなるようにしているため、車幅方向に弾性体と して有効に機能する範囲を上記死にゴムの肉厚分減少させて車幅方向に対する弾 性率を高くすることができる。これにより、車幅方向の剛性の向上を図ることが でき、車両の旋回時などの操縦安定性の向上を図ることができる。しかも、上記 膨出部を中間板を曲げることにより形成しているため、中間板自体の肉厚を上記 死にゴム相当量分厚くする場合と比べて、軽量化を図ることができる。
【0038】 また、請求項2記載の考案によれば、上記請求項1記載の考案による効果に加 えて、内筒体および外筒体の一方もしくは双方に形成した膨出部と、中間板の膨 出部との間に、車両上下方向に相対向して弾性体を挟み付ける段部を形成し、車 両上下方向からの入力により上記各段部間の弾性体に圧縮復元力が発生するよう にしているため、弾性体の車両上下方向のせん断抵抗力によってのみ上記上下方 向入力を受け持つ場合と比べて、動ばね特性をほぼ同等に保ちつつ、車両上下方 向の移動に対して規制を加えることができる。これにより、車両上下方向におけ る振動吸収面については軟らかく、かつ、変位規制面については硬くすることが でき、従来のものとほぼ同等の乗り心地を保ちつつ、車両上下方向の規制を付与 してばたつき感の防止を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この考案の第1実施例を示す斜視図である。
【図2】図1のY−Y線における端面図である。
【図3】図1の横断面図である。
【図4】図1のものから弾性体を除いた分解斜視図であ
る。
【図5】第2実施例の図1相当図である。
【図6】図5のZ−Z線における端面図である。
【図7】図5の横断面図である。
【図8】中間板の斜視図である。
【図9】中間板の他の例の斜視図である。
【図10】図9とは異なる中間板の斜視図である。
【図11】図9および図10とは異なる中間板の斜視図
である。
【符号の説明】
1,6 内筒体 2,7 外筒体 3,8 弾性体 4,9 貫通空所 5,10 中間板 10b 拡径部(中間板の膨出部) 11 内筒体の膨出部 11a 内筒体の段部 13a,15a,51 中間板の膨出部 14a 拡径部(中間板の膨出部) 22 拡径部(外筒体の膨出部) 23 テーパ壁部(外筒体の段部) 51a テーパ壁部(中間板の段部) X 筒軸 A 車両上下方向 B 車両前後方向 C 車幅方向

Claims (2)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 筒軸を車両の上下方向に向けて配置され
    る内筒体と、この内筒体の外周面から所定距離隔てた状
    態でその内筒体を囲む外筒体と、この外筒体と上記内筒
    体との間に介装されて両者を連結する弾性体と、上記内
    筒体を挟み上記車両の前後方向の両側位置を上記筒軸の
    方向に貫通するよう形成された貫通空所と、上記内筒体
    を挟み上記車両の車幅方向の両側位置の上記弾性体内で
    あって、上記外筒体と内筒体との間の中間位置に埋め込
    まれた一対の中間板とを備えた車両のサスペンションマ
    ウンティングラバーにおいて、 上記各中間板は、上記筒軸方向中間部位が上記筒軸を中
    心とする半径方向一側に曲げられた膨出部を備えている
    ことを特徴とする車両のサスペンションマウンティング
    ラバー。
  2. 【請求項2】 請求項1において、各中間板の膨出部は
    半径方向外方に膨出するよう形成される一方、内筒体お
    よび外筒体の一方もしくは双方には上記各中間板の膨出
    部と対応する部位に上記半径方向外方に膨出する膨出部
    が形成されており、 上記内筒体および外筒体の一方もしくは双方の膨出部
    と、上記各中間板の膨出部との筒軸方向両端側の各部位
    には、筒軸方向に相対向して弾性体を挟み付ける段部が
    それぞれ形成されている車両のサスペンションマウンテ
    ィングラバー。
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