JPH067638A - 燃焼排ガス処理用フィルター及び処理方法 - Google Patents
燃焼排ガス処理用フィルター及び処理方法Info
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- JPH067638A JPH067638A JP5102421A JP10242193A JPH067638A JP H067638 A JPH067638 A JP H067638A JP 5102421 A JP5102421 A JP 5102421A JP 10242193 A JP10242193 A JP 10242193A JP H067638 A JPH067638 A JP H067638A
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- exhaust gas
- powder
- combustion exhaust
- alkaline powder
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- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02A—TECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
- Y02A50/00—TECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE in human health protection, e.g. against extreme weather
- Y02A50/20—Air quality improvement or preservation, e.g. vehicle emission control or emission reduction by using catalytic converters
Abstract
(57)【要約】
【目的】 逆洗操作において脱硝触媒の剥離を防止する
ことができ、また、逆洗操作直後における濾布上の硫黄
酸化物等の除去機能を維持できる燃焼排ガスからの有害
物質同時処理用フィルター及び処理方法を提供しようと
するものである。 【構成】 燃焼排ガス流に、アルカリ性粉体と、アンモ
ニア又はその前駆体を、必要に応じてケイソウ土及びパ
ーライトをさらに添加し、アルカリ性粉体に硫黄酸化物
等を固定した後、脱硝触媒を内部に保持する濾過式フィ
ルターに通して上記アルカリ性粉体等を該フィルター上
に堆積し、該層中の未反応のアルカリ性粉体に硫黄酸化
物等を固定し、かつ、該フィルター内部の脱硝触媒によ
り窒素酸化物をアンモニア還元する燃焼排ガス処理用フ
ィルター及び処理方法である。
ことができ、また、逆洗操作直後における濾布上の硫黄
酸化物等の除去機能を維持できる燃焼排ガスからの有害
物質同時処理用フィルター及び処理方法を提供しようと
するものである。 【構成】 燃焼排ガス流に、アルカリ性粉体と、アンモ
ニア又はその前駆体を、必要に応じてケイソウ土及びパ
ーライトをさらに添加し、アルカリ性粉体に硫黄酸化物
等を固定した後、脱硝触媒を内部に保持する濾過式フィ
ルターに通して上記アルカリ性粉体等を該フィルター上
に堆積し、該層中の未反応のアルカリ性粉体に硫黄酸化
物等を固定し、かつ、該フィルター内部の脱硝触媒によ
り窒素酸化物をアンモニア還元する燃焼排ガス処理用フ
ィルター及び処理方法である。
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、都市ごみ焼却炉や各種
燃焼炉から発生する有害物質（煤塵、フッ化水素、塩化
水素、硫黄酸化物及び窒素酸化物）を含有する燃焼排ガ
スを同時に処理するためのフィルター、及び、該フィル
ターを用いて燃焼排ガスから有害物質を同時に除去処理
する方法に関する。
燃焼炉から発生する有害物質（煤塵、フッ化水素、塩化
水素、硫黄酸化物及び窒素酸化物）を含有する燃焼排ガ
スを同時に処理するためのフィルター、及び、該フィル
ターを用いて燃焼排ガスから有害物質を同時に除去処理
する方法に関する。
【０００２】
【従来の技術】都市ごみ焼却炉やその他各種燃焼炉から
の燃焼排ガスには、煤塵の他に、フッ化水素、塩化水
素、硫黄酸化物、窒素酸化物等の有害物質を含んでい
る。本発明者等は、先にこれらの有害物質を総合的に処
理する次のような設備を提案した（特開昭５９─２２２
２１２号公報参照）。この設備は、濾過フィルター上に
窒素酸化物還元触媒をコーティングして形成される一次
濾過層と、該一次濾過層上に酸性ガス吸収剤を捕集して
形成される二次濾過層とを備えた接触式排ガス処理装置
と、燃焼排ガスダクト中にアンモニア等の窒素化合物及
び消石灰等の酸性ガス吸収剤を噴射する薬品噴射装置と
からなり、上記薬品を含む排ガスを、上記二次濾過層を
経て一次濾過層に通して有害物質を除去するものであ
る。上記の接触式排ガス処理装置は、触媒が活性を失っ
た場合に、濾布表面を清掃し、再度触媒をプリコートす
るもので、一次濾過層の繰り返し形成を容易にするため
に、一次濾過層を濾布表面上に設けている。
の燃焼排ガスには、煤塵の他に、フッ化水素、塩化水
素、硫黄酸化物、窒素酸化物等の有害物質を含んでい
る。本発明者等は、先にこれらの有害物質を総合的に処
理する次のような設備を提案した（特開昭５９─２２２
２１２号公報参照）。この設備は、濾過フィルター上に
窒素酸化物還元触媒をコーティングして形成される一次
濾過層と、該一次濾過層上に酸性ガス吸収剤を捕集して
形成される二次濾過層とを備えた接触式排ガス処理装置
と、燃焼排ガスダクト中にアンモニア等の窒素化合物及
び消石灰等の酸性ガス吸収剤を噴射する薬品噴射装置と
からなり、上記薬品を含む排ガスを、上記二次濾過層を
経て一次濾過層に通して有害物質を除去するものであ
る。上記の接触式排ガス処理装置は、触媒が活性を失っ
た場合に、濾布表面を清掃し、再度触媒をプリコートす
るもので、一次濾過層の繰り返し形成を容易にするため
に、一次濾過層を濾布表面上に設けている。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】この種の設備では、燃
焼排ガスを処理する間に酸性ガス吸収剤及び煤塵等から
なる二次濾過層の圧損が徐々に大きくなるので、一定の
大きさになると逆洗操作で二次濾過層を払い落とすが、
濾布表面上に触媒の一次濾過層が形成されているため、
この逆洗操作において、一次濾過層の触媒も剥離されて
触媒能力が早期に低下することを見いだした。また、逆
洗操作により二次濾過層が全て除かれると、二次濾過層
が形成されるまでの間、二次濾過層による酸性ガスの除
去機能が停止するという問題もあった。そこで、本発明
は、上記の問題を解消し、燃焼排ガスから有害物質を同
時処理するためのフィルター、及び、逆洗操作において
脱硝触媒の剥離を防止することができ、また、逆洗操作
直後でも濾布上の酸性ガス除去機能を維持することがで
きる燃焼排ガスからの有害物質同時処理用フィルター及
びその処理方法を提供しようとするものである。
焼排ガスを処理する間に酸性ガス吸収剤及び煤塵等から
なる二次濾過層の圧損が徐々に大きくなるので、一定の
大きさになると逆洗操作で二次濾過層を払い落とすが、
濾布表面上に触媒の一次濾過層が形成されているため、
この逆洗操作において、一次濾過層の触媒も剥離されて
触媒能力が早期に低下することを見いだした。また、逆
洗操作により二次濾過層が全て除かれると、二次濾過層
が形成されるまでの間、二次濾過層による酸性ガスの除
去機能が停止するという問題もあった。そこで、本発明
は、上記の問題を解消し、燃焼排ガスから有害物質を同
時処理するためのフィルター、及び、逆洗操作において
脱硝触媒の剥離を防止することができ、また、逆洗操作
直後でも濾布上の酸性ガス除去機能を維持することがで
きる燃焼排ガスからの有害物質同時処理用フィルター及
びその処理方法を提供しようとするものである。
【０００４】
【課題を解決するための手段】本発明は、(1) 煤塵、硫
黄酸化物及び窒素酸化物などの有害成分を含有する燃焼
排ガスにアルカリ性粉体、及び、アンモニア又はその前
駆体を添加して有害物質を除去するためのフィルターに
おいて、脱硝触媒をフィルター内部に保持したことを特
徴とする燃焼排ガス処理用フィルター、(2) 煤塵、硫黄
酸化物及び窒素酸化物などの有害成分を含有する燃焼排
ガス流に、アルカリ性粉体と、アンモニア又はその前駆
体を添加し、アルカリ性粉体に硫黄酸化物等を固定した
後、該燃焼排ガスを、脱硝触媒を内部に保持する濾過式
フィルターに通して上記アルカリ性粉体等を該フィルタ
ー上に堆積し、該層中の未反応のアルカリ性粉体に硫黄
酸化物等を固定し、かつ、該フィルター内部の脱硝触媒
により窒素酸化物を窒素に還元することを特徴とする燃
焼排ガスの総合的処理方法、及び、(3) 煤塵、硫黄酸化
物及び窒素酸化物などの有害成分を含有する燃焼排ガス
流に、アルカリ性粉体、ケイソウ土及びパーライトから
なる助剤粉体、並びに、アンモニア又はその前駆体を添
加し、アルカリ性粉体に硫黄酸化物等を固定した後、該
燃焼排ガスを、脱硝触媒を内部に保持した濾過式フィル
ターに通して、上記アルカリ性粉体等を該フィルター上
に堆積し、該層中の未反応のアルカリ性粉体に硫黄酸化
物等を固定し、かつ、該フィルター内部の脱硝触媒によ
り窒素酸化物を窒素に還元することを特徴とする燃焼排
ガスの総合的処理方法である。
黄酸化物及び窒素酸化物などの有害成分を含有する燃焼
排ガスにアルカリ性粉体、及び、アンモニア又はその前
駆体を添加して有害物質を除去するためのフィルターに
おいて、脱硝触媒をフィルター内部に保持したことを特
徴とする燃焼排ガス処理用フィルター、(2) 煤塵、硫黄
酸化物及び窒素酸化物などの有害成分を含有する燃焼排
ガス流に、アルカリ性粉体と、アンモニア又はその前駆
体を添加し、アルカリ性粉体に硫黄酸化物等を固定した
後、該燃焼排ガスを、脱硝触媒を内部に保持する濾過式
フィルターに通して上記アルカリ性粉体等を該フィルタ
ー上に堆積し、該層中の未反応のアルカリ性粉体に硫黄
酸化物等を固定し、かつ、該フィルター内部の脱硝触媒
により窒素酸化物を窒素に還元することを特徴とする燃
焼排ガスの総合的処理方法、及び、(3) 煤塵、硫黄酸化
物及び窒素酸化物などの有害成分を含有する燃焼排ガス
流に、アルカリ性粉体、ケイソウ土及びパーライトから
なる助剤粉体、並びに、アンモニア又はその前駆体を添
加し、アルカリ性粉体に硫黄酸化物等を固定した後、該
燃焼排ガスを、脱硝触媒を内部に保持した濾過式フィル
ターに通して、上記アルカリ性粉体等を該フィルター上
に堆積し、該層中の未反応のアルカリ性粉体に硫黄酸化
物等を固定し、かつ、該フィルター内部の脱硝触媒によ
り窒素酸化物を窒素に還元することを特徴とする燃焼排
ガスの総合的処理方法である。
【０００５】
【作用】本発明の脱硝触媒を内部に保持する濾過式フィ
ルターは、(a) 脱硝触媒の微粒子を含有するエマルジョ
ンに含浸させた布で作製するか、(b) 脱硝触媒繊維と他
の繊維（例えばガラス繊維、金属繊維など）とを用いて
織った布状物で作製するか、又は、(c) 脱硝触媒を担持
させたガラス繊維、金属繊維、その他の繊維で織った布
状物で作製することができる。それ故、先に提案したフ
ィルターの表面に脱硝触媒をコーティングした特開昭５
９─２２２２１２号公報記載のフィルターに比べて、触
媒を確実に保持することができ、特に逆洗操作において
触媒が剥離されることもないので、長期間にわたり触媒
能を維持することができるようになった。
ルターは、(a) 脱硝触媒の微粒子を含有するエマルジョ
ンに含浸させた布で作製するか、(b) 脱硝触媒繊維と他
の繊維（例えばガラス繊維、金属繊維など）とを用いて
織った布状物で作製するか、又は、(c) 脱硝触媒を担持
させたガラス繊維、金属繊維、その他の繊維で織った布
状物で作製することができる。それ故、先に提案したフ
ィルターの表面に脱硝触媒をコーティングした特開昭５
９─２２２２１２号公報記載のフィルターに比べて、触
媒を確実に保持することができ、特に逆洗操作において
触媒が剥離されることもないので、長期間にわたり触媒
能を維持することができるようになった。
【０００６】本発明で使用する脱硝触媒は、五酸化バナ
ジウム・酸化チタン系のものが好ましいが、他の脱硝触
媒を用いることも可能である。触媒の平均粒径は、０．
０１〜１００μとし、濾布１ｍ2 当り１〜３００ｇの触
媒を担持して、触媒とガスとの接触面積を１ｍ2 当り
０．１〜１００００ｍ2 とすることが好ましい。
ジウム・酸化チタン系のものが好ましいが、他の脱硝触
媒を用いることも可能である。触媒の平均粒径は、０．
０１〜１００μとし、濾布１ｍ2 当り１〜３００ｇの触
媒を担持して、触媒とガスとの接触面積を１ｍ2 当り
０．１〜１００００ｍ2 とすることが好ましい。
【０００７】本発明で使用するアルカリ性粉体は、Ｃａ
（ＯＨ）2 ，ＣａＣＯ3 ，ＣａＯ，Ｍｇ（ＯＨ）2 ，Ｍ
ｇＣＯ3 ，ＭｇＯ等の物質を用いることができ、その粒
径は、１００μ以下、好ましくは５０μ以下の微粉末を
用いることができる。供給量は、フッ化水素、塩化水素
及び硫黄酸化物の反応当量比として０．１〜１０の範囲
が好ましい。
（ＯＨ）2 ，ＣａＣＯ3 ，ＣａＯ，Ｍｇ（ＯＨ）2 ，Ｍ
ｇＣＯ3 ，ＭｇＯ等の物質を用いることができ、その粒
径は、１００μ以下、好ましくは５０μ以下の微粉末を
用いることができる。供給量は、フッ化水素、塩化水素
及び硫黄酸化物の反応当量比として０．１〜１０の範囲
が好ましい。
【０００８】助剤粉体は、フィルター上にプリコートさ
れてフィルターを保護することができる。また、アルカ
リ性粉体とともに排ガス中に添加してフィルター表面に
堆積層を形成するが、該層中に助剤粉体が分散されてい
るために、該層に大きな通気性を確保することができ
る。そして、該層の通気抵抗が大きくなると該層を剥離
することになるが、助剤粉体の剥離性により該層中の助
剤粉体を含む面で剥離が発生するので、該層の一部をフ
ィルター表面に残した状態で剥離を終了することがで
き、剥離直後においても残留層により硫黄酸化物等を捕
捉することができ、排ガスの吹き抜けを防止することが
できる。
れてフィルターを保護することができる。また、アルカ
リ性粉体とともに排ガス中に添加してフィルター表面に
堆積層を形成するが、該層中に助剤粉体が分散されてい
るために、該層に大きな通気性を確保することができ
る。そして、該層の通気抵抗が大きくなると該層を剥離
することになるが、助剤粉体の剥離性により該層中の助
剤粉体を含む面で剥離が発生するので、該層の一部をフ
ィルター表面に残した状態で剥離を終了することがで
き、剥離直後においても残留層により硫黄酸化物等を捕
捉することができ、排ガスの吹き抜けを防止することが
できる。
【０００９】本発明で使用する助剤粉体としては、ケイ
ソウ土とパーライトの混合物が最も好ましい。助剤粉体
の粒径は、１〜１００μ、好ましくは１０〜５０μの範
囲が適しており、アルカリ性粉体に対して重量比で５〜
５０％程度供給することが好ましい。本発明で使用する
窒素酸化物の還元剤としては、アンモニア又はその前駆
物質、例えば、尿素等を挙げることができ、その供給量
は窒素酸化物の反応当量比で０．１〜１．５の範囲が適
当である。
ソウ土とパーライトの混合物が最も好ましい。助剤粉体
の粒径は、１〜１００μ、好ましくは１０〜５０μの範
囲が適しており、アルカリ性粉体に対して重量比で５〜
５０％程度供給することが好ましい。本発明で使用する
窒素酸化物の還元剤としては、アンモニア又はその前駆
物質、例えば、尿素等を挙げることができ、その供給量
は窒素酸化物の反応当量比で０．１〜１．５の範囲が適
当である。
【００１０】第１図は、本発明の燃焼排ガスの総合的処
理方法を実施するための装置の概念図である。燃焼排ガ
スＡは、まず、粉体噴射供給装置１に導入され、ブロワ
１３により粉体供給装置１１で必要量供給されるアルカ
リ性粉体（イ）と、ブロワ１４により粉体供給装置１２
で必要量供給される助剤粉体（ロ）とを、上記排ガス中
に噴射供給し、フッ化水素、塩化水素及び硫黄酸化物の
一部を中和反応により除去する。次いで、上記排ガス
は、液体噴射供給装置２に導入され、ポンプ１６により
タンク１５から必要量供給される窒素酸化物の還元剤
（ハ）を上記排ガス中に噴射供給する。アルカリ性粉体
（イ）、助剤粉体（ロ）及び還元剤（ハ）を含有する排
ガスＡ' は、濾過式総合反応集塵装置３に導入される。
理方法を実施するための装置の概念図である。燃焼排ガ
スＡは、まず、粉体噴射供給装置１に導入され、ブロワ
１３により粉体供給装置１１で必要量供給されるアルカ
リ性粉体（イ）と、ブロワ１４により粉体供給装置１２
で必要量供給される助剤粉体（ロ）とを、上記排ガス中
に噴射供給し、フッ化水素、塩化水素及び硫黄酸化物の
一部を中和反応により除去する。次いで、上記排ガス
は、液体噴射供給装置２に導入され、ポンプ１６により
タンク１５から必要量供給される窒素酸化物の還元剤
（ハ）を上記排ガス中に噴射供給する。アルカリ性粉体
（イ）、助剤粉体（ロ）及び還元剤（ハ）を含有する排
ガスＡ' は、濾過式総合反応集塵装置３に導入される。
【００１１】第２図は、上記反応集塵装置３における除
去機構を模式的に示した説明図である。脱硝触媒Ｘを内
部に保持する濾布フィルターIII の表面には、予め、助
剤粉体（ロ）でプレコートされた保護層IIが形成されて
おり、上記保護層IIの表面に、アルカリ性粉体（イ）、
助剤粉体（ロ）、中和反応生成物（ニ）及び飛灰（ホ）
を捕捉して、堆積層Ｉが形成される。そして、排ガスが
この堆積層Ｉを通過する際に、未反応のフッ化水素、塩
化水素及び硫黄酸化物は堆積層中のアルカリ性粉体と反
応して吸収除去される。なお、煤塵も堆積層Ｉの濾過作
用で同時に除去される。そして、堆積層Ｉ及び保護層II
を通過した排ガスは、還元剤（ハ）を伴って脱硝触媒フ
ィルターIII に導入され、排ガス中の窒素酸化物を窒素
に還元し、完全に浄化された排ガスＡ”として大気に放
出される。
去機構を模式的に示した説明図である。脱硝触媒Ｘを内
部に保持する濾布フィルターIII の表面には、予め、助
剤粉体（ロ）でプレコートされた保護層IIが形成されて
おり、上記保護層IIの表面に、アルカリ性粉体（イ）、
助剤粉体（ロ）、中和反応生成物（ニ）及び飛灰（ホ）
を捕捉して、堆積層Ｉが形成される。そして、排ガスが
この堆積層Ｉを通過する際に、未反応のフッ化水素、塩
化水素及び硫黄酸化物は堆積層中のアルカリ性粉体と反
応して吸収除去される。なお、煤塵も堆積層Ｉの濾過作
用で同時に除去される。そして、堆積層Ｉ及び保護層II
を通過した排ガスは、還元剤（ハ）を伴って脱硝触媒フ
ィルターIII に導入され、排ガス中の窒素酸化物を窒素
に還元し、完全に浄化された排ガスＡ”として大気に放
出される。
【００１２】総合反応集塵装置３の濾布フィルターIII
上の堆積層Ｉは、該層中に分散された助剤粉体により高
い通気性が維持されるため、かかる助剤粉体を用いない
従来法に比べて逆洗操作等の頻度を少なくすることがで
きる。しかし、徐々に層厚さが増加してゆくので、一定
の圧損になった時点で逆圧、逆洗、振動等を付加するこ
とにより、堆積層Ｉを払い落として集塵装置下部から粉
体状のダストＢとして排出する。また、この堆積層Ｉの
払い落しの際に、該層中に分散する助剤粉体の剥離性に
より、該層中の助剤粉体を含む面で剥離を生じさせるこ
とができ、堆積層Ｉの一部を濾布フィルターIII 表面上
に残した状態で逆洗操作を終了することができる。それ
故、逆洗操作直後においても残留する上記層における硫
黄酸化物等の捕捉機能が維持される。なお、助剤粉体
（ロ）については、上記のように予め供給してフィルタ
ー表面に保護層IIを形成してから、アルカリ性粉体
（イ）と助剤粉体（ロ）を同時噴射供給してもよい。な
お、保護層IIは、必要に応じて省略してもよい。
上の堆積層Ｉは、該層中に分散された助剤粉体により高
い通気性が維持されるため、かかる助剤粉体を用いない
従来法に比べて逆洗操作等の頻度を少なくすることがで
きる。しかし、徐々に層厚さが増加してゆくので、一定
の圧損になった時点で逆圧、逆洗、振動等を付加するこ
とにより、堆積層Ｉを払い落として集塵装置下部から粉
体状のダストＢとして排出する。また、この堆積層Ｉの
払い落しの際に、該層中に分散する助剤粉体の剥離性に
より、該層中の助剤粉体を含む面で剥離を生じさせるこ
とができ、堆積層Ｉの一部を濾布フィルターIII 表面上
に残した状態で逆洗操作を終了することができる。それ
故、逆洗操作直後においても残留する上記層における硫
黄酸化物等の捕捉機能が維持される。なお、助剤粉体
（ロ）については、上記のように予め供給してフィルタ
ー表面に保護層IIを形成してから、アルカリ性粉体
（イ）と助剤粉体（ロ）を同時噴射供給してもよい。な
お、保護層IIは、必要に応じて省略してもよい。
【００１３】
【実施例】第１図の装置を用いて、燃焼排ガスの処理実
験を行った。まず、直径６μの繊維で二重綾織すること
により打込み密度８５０ｇ／ｍ2 の濾布を作り、一方、
微粒化した五酸化バナジウム・酸化チタン系脱硝触媒の
エマルジョンを容易し、上記の濾布を該エマルジョンに
浸漬して触媒成分を３ｗｔ％担持させて濾過式フィルタ
ーを作製した。他方、１炉の焼却量が１５０ｔ／日であ
る焼却炉からの排ガスを用い、排ガス量３００００Ｎｍ
3 ／ｈｒで噴射供給装置に導入した。なお、この排ガス
中には、飛灰が５ｇ／Ｎｍ3 、フッ化水素が５０ｐｐ
ｍ、塩化水素が１０００ｐｐｍ、硫黄酸化物が１００ｐ
ｐｍ及び窒素酸化物が１５０ｐｐｍ含有されていた。
験を行った。まず、直径６μの繊維で二重綾織すること
により打込み密度８５０ｇ／ｍ2 の濾布を作り、一方、
微粒化した五酸化バナジウム・酸化チタン系脱硝触媒の
エマルジョンを容易し、上記の濾布を該エマルジョンに
浸漬して触媒成分を３ｗｔ％担持させて濾過式フィルタ
ーを作製した。他方、１炉の焼却量が１５０ｔ／日であ
る焼却炉からの排ガスを用い、排ガス量３００００Ｎｍ
3 ／ｈｒで噴射供給装置に導入した。なお、この排ガス
中には、飛灰が５ｇ／Ｎｍ3 、フッ化水素が５０ｐｐ
ｍ、塩化水素が１０００ｐｐｍ、硫黄酸化物が１００ｐ
ｐｍ及び窒素酸化物が１５０ｐｐｍ含有されていた。
【００１４】噴射供給装置では、排ガスに対してアルカ
リ性粉体として消石灰粉体を１００ｋｇ／ｈｒ、助剤粉
体としてケイソウ土とパーライトを重量比で９：１で混
合したものを５〜２０ｋｇ／ｈｒで吹き込み、さらに、
還元剤としてアンモニアガスを４ｍ3 ／ｈｒで吹き込ん
だ。排ガスは、噴射供給装置を１〜５秒で通過するよう
にし、その後、反応集塵装置に導入して総合的な処理を
行った。なお、逆洗操作は１時間に１回の割合で行っ
た。
リ性粉体として消石灰粉体を１００ｋｇ／ｈｒ、助剤粉
体としてケイソウ土とパーライトを重量比で９：１で混
合したものを５〜２０ｋｇ／ｈｒで吹き込み、さらに、
還元剤としてアンモニアガスを４ｍ3 ／ｈｒで吹き込ん
だ。排ガスは、噴射供給装置を１〜５秒で通過するよう
にし、その後、反応集塵装置に導入して総合的な処理を
行った。なお、逆洗操作は１時間に１回の割合で行っ
た。
【００１５】反応集塵装置出口の排ガスを分析したとこ
ろ、煤塵が０．００３ｇ／Ｎｍ3 以下、フッ化水素が５
ｐｐｍ以下、塩化水素が２０ｐｐｍ以下、硫黄酸化物が
１０ｐｐｍ以下、窒素酸化物が２０ｐｐｍ以下であっ
た。その間、脱硝触媒フィルターは、長期間の通ガス、
逆洗に対して触媒の脱落も極めて少なく、４年間そのま
ま使用することができた。
ろ、煤塵が０．００３ｇ／Ｎｍ3 以下、フッ化水素が５
ｐｐｍ以下、塩化水素が２０ｐｐｍ以下、硫黄酸化物が
１０ｐｐｍ以下、窒素酸化物が２０ｐｐｍ以下であっ
た。その間、脱硝触媒フィルターは、長期間の通ガス、
逆洗に対して触媒の脱落も極めて少なく、４年間そのま
ま使用することができた。
【００１６】
【発明の効果】本発明は、上記の構成を採用することに
より、逆洗操作における脱硝触媒の剥離を防止すること
ができ、触媒機能を長期に渡り保持することが可能にな
り、また、逆洗操作においてアルカリ性粉体層の一部を
残すことができるので、逆洗操作直後においてもアルカ
リ性粉体層による硫黄酸化物等の除去性能を保持するこ
とが可能になった。
より、逆洗操作における脱硝触媒の剥離を防止すること
ができ、触媒機能を長期に渡り保持することが可能にな
り、また、逆洗操作においてアルカリ性粉体層の一部を
残すことができるので、逆洗操作直後においてもアルカ
リ性粉体層による硫黄酸化物等の除去性能を保持するこ
とが可能になった。
【図１】本発明の燃焼排ガスの総合的処理方法を実施す
るための装置の概念図である。
るための装置の概念図である。
【図２】図１の反応集塵装置における除去機構を模式的
に示した説明図てある。
に示した説明図てある。
１ 粉体噴射供給装置、 ２ 液体噴射供給装置、 ３
反応集塵装置、 イアルカリ性粉体、 ロ 助剤粉
体、 ハ 還元剤、 ニ 中和反応生成物、ホ 飛灰、
Ｘ 脱硝触媒、 Ｉ 堆積層、 II 保護層、 III
濾布フィルター。
反応集塵装置、 イアルカリ性粉体、 ロ 助剤粉
体、 ハ 還元剤、 ニ 中和反応生成物、ホ 飛灰、
Ｘ 脱硝触媒、 Ｉ 堆積層、 II 保護層、 III
濾布フィルター。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 ＦＩ 技術表示箇所 Ｂ０１Ｄ 53/34 １３２ Ｚ １３４ Ａ Ｃ (72)発明者 殿村 丈二 神奈川県横浜市中区錦町12番地 三菱重工 業株式会社横浜製作所内 (72)発明者 魚屋 和夫 神奈川県横浜市中区錦町12番地 三菱重工 業株式会社横浜研究所内 (72)発明者 小瀬 公利 神奈川県横浜市中区錦町12番地 三菱重工 業株式会社横浜研究所内 (72)発明者 小野 典彦 神奈川県横浜市中区錦町12番地 三菱重工 業株式会社横浜製作所内 (72)発明者 石井 達男 神奈川県横浜市中区錦町12番地 三菱重工 業株式会社横浜製作所内 (72)発明者 潮木 守 神奈川県横浜市中区錦町12番地 三菱重工 業株式会社横浜製作所内
Claims (3)
- 【請求項１】 煤塵、硫黄酸化物及び窒素酸化物などの
有害成分を含有する燃焼排ガスにアルカリ性粉体、及
び、アンモニア又はその前駆体を添加して有害物質を除
去するためのフィルターにおいて、脱硝触媒をフィルタ
ー内部に保持したことを特徴とする燃焼排ガス処理用フ
ィルター。 - 【請求項２】 煤塵、硫黄酸化物及び窒素酸化物などの
有害成分を含有する燃焼排ガス流に、アルカリ性粉体
と、アンモニア又はその前駆体を添加し、アルカリ性粉
体に硫黄酸化物等を固定した後、該燃焼排ガスを、脱硝
触媒を内部に保持する濾過式フィルターに通して上記ア
ルカリ性粉体等を該フィルター上に堆積し、該層中の未
反応のアルカリ性粉体に硫黄酸化物等を固定し、かつ、
該フィルター内部の脱硝触媒により窒素酸化物を窒素に
還元することを特徴とする燃焼排ガスの総合的処理方
法。 - 【請求項３】 煤塵、硫黄酸化物及び窒素酸化物などの
有害成分を含有する燃焼排ガス流に、アルカリ性粉体、
ケイソウ土及びパーライトからなる助剤粉体、並びに、
アンモニア又はその前駆体を添加し、アルカリ性粉体に
硫黄酸化物等を固定した後、該燃焼排ガスを、脱硝触媒
を内部に保持した濾過式フィルターに通して、上記アル
カリ性粉体等を該フィルター上に堆積し、該層中の未反
応のアルカリ性粉体に硫黄酸化物等を固定し、かつ、該
フィルター内部の脱硝触媒により窒素酸化物を窒素に還
元することを特徴とする燃焼排ガスの総合的処理方法。
Priority Applications (2)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP63123956A JPH01293123A (ja) | 1988-05-23 | 1988-05-23 | 燃焼排ガスの総合的処理方法 |
| JP5102421A JPH067638A (ja) | 1988-05-23 | 1993-04-28 | 燃焼排ガス処理用フィルター及び処理方法 |
Applications Claiming Priority (2)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP63123956A JPH01293123A (ja) | 1988-05-23 | 1988-05-23 | 燃焼排ガスの総合的処理方法 |
| JP5102421A JPH067638A (ja) | 1988-05-23 | 1993-04-28 | 燃焼排ガス処理用フィルター及び処理方法 |
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| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP63123956A Division JPH01293123A (ja) | 1988-04-08 | 1988-05-23 | 燃焼排ガスの総合的処理方法 |
Publications (1)
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|---|---|
| JPH067638A true JPH067638A (ja) | 1994-01-18 |
Family
ID=26443141
Family Applications (2)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP63123956A Granted JPH01293123A (ja) | 1988-04-08 | 1988-05-23 | 燃焼排ガスの総合的処理方法 |
| JP5102421A Withdrawn JPH067638A (ja) | 1988-05-23 | 1993-04-28 | 燃焼排ガス処理用フィルター及び処理方法 |
Family Applications Before (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP63123956A Granted JPH01293123A (ja) | 1988-04-08 | 1988-05-23 | 燃焼排ガスの総合的処理方法 |
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|---|---|
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Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN103505953A (zh) * | 2012-06-29 | 2014-01-15 | 三菱重工环境·化学工程株式会社 | 负载有催化剂的袋滤器的制造方法 |
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| JPS6274439A (ja) * | 1985-09-30 | 1987-04-06 | Mitsubishi Heavy Ind Ltd | 排ガスの処理方法 |
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-
1988
- 1988-05-23 JP JP63123956A patent/JPH01293123A/ja active Granted
-
1993
- 1993-04-28 JP JP5102421A patent/JPH067638A/ja not_active Withdrawn
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| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH0436729B2 (ja) | 1992-06-17 |
| JPH01293123A (ja) | 1989-11-27 |
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