JPH0436729B2

JPH0436729B2 -

Info

Publication number: JPH0436729B2
Application number: JP63123956A
Authority: JP
Inventors: Narimoto Tomizawa; Sumio Iida; Juji Kaihara; Joji Tonomura; Kazuo Sakanaya; Kimitoshi Ose; Norihiko Ono; Tatsuo Ishii; Mamoru Ushiogi
Original assignee: Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Current assignee: Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Priority date: 1988-05-23
Filing date: 1988-05-23
Publication date: 1992-06-17
Also published as: JPH067638A; JPH01293123A

Description

【発明の詳細な説明】〔産業上の利用分野〕本発明は都市ごみ焼却炉や各種燃焼炉から発生
する有害物質（煤塵、フツ化水素、塩化水素、硫
黄酸化物及び窒素酸化物）を含有する燃焼排ガス
を総合的に処理して、該燃焼排ガスから有害物質
を同時に除去処理する方法に関する。

〔従来の技術〕都市ごみ焼却炉やその他各種燃焼炉からの燃焼
排ガス中には煤塵、フツ化水素、塩化水素、硫黄
酸化物、窒素酸化物等の有害物質を含んでいる
が、これらを除去する従来技術は以下の通りであ
る。

除去対象有害物質ごとに独立した装置を設置
する方式煤塵除去は電気集塵器等により、フツ化水
素・塩化水素・硫黄酸化物などの酸性ガスの除
去は、アルカリ中和剤を水溶液、スラリー状、
粉体状等の状態でガス中に噴射散布させて酸性
ガスを中和除去反応を生じさせる反応塔等によ
り、また、窒素酸化物の除去は排ガス中にアン
モニアを噴射散布させ、温度が比較的低い場合
は脱硝反応塔により還元させ、高温の場合は直
接還元させることにより、それぞれ実施される
ので、設備費、維持管理費共に大きくなり経済
的負担が大きい。

除去対象有害物質を同時に除去する方式最近では煤塵除去、フツ化水素、塩化水素、
硫黄酸化物除去を同時に処理可能なフイルター
型の集塵装置が出現しているが、脱硝に関して
は触媒反応部をその下流側に設置せざるを得
ず、完全な一体型装置による同時処理とは言え
なかつた。そのためガスの圧力損失も比較的大
きかつた。

従来の触媒の形体に次のような問題があるた
めである。

成形が困難でペレツト状もしくはハニカム状
のものしか製作できず、自在な形状を製作す
るのが不可能である。

硫黄酸化物が共存すると副反応が生じ、窒素
酸化物の還元反応を選択的に進めることが困
難であり、煤塵（ダスト）が触媒に付着する
と触媒の劣化が促進される。

〔発明が解決しようとする課題〕

本発明は上記技術水準に鑑み、一つの除去要素
体を用いるだけで煤塵やフツ化水素、塩化水素、
硫黄酸化物のような酸性ガス及び窒素酸化物を除
去し得る燃焼排ガスの総合的な処理方法を提供し
ようとするものである。

〔課題を解決するための手段〕

本発明は、煤塵、硫黄酸化物、窒素酸化物等の
有害成分を含有する燃焼排ガス流にアルカリ性粉
体を添加して硫黄酸化物等を固定した後、アンモ
ニア若しくはその前駆物質を添加し、背面に脱硝
触媒層を保持するフイルターを通過させて窒素酸
化物を窒素に還元することを特徴とする燃焼排ガ
スの総合的処理方法である。

本発明に云う脱硝触媒を保持する過式フイル
ターとは下記のものを意味する。

(a) 脱硝触媒（及び第３物質）の微粒子のエマル
ジヨンに含浸させた布で製作された過式フイ
ルター (b) 脱硝触媒繊維と他の繊維（例えばガラス繊
維、金属繊維など）とを用いて織つた布状物で
製作した過式フイルター (c) 脱硝触媒を担持させたガラス繊維、金属繊
維、その他の繊維で織つた布状物で製作した
過式フイルター (d) 脱硝触媒を入れた袋状布（キルテイング方
式）で製作した過式フイルター (e) 脱硝触媒を入れた袋状物を布に縫いつけた
もので製作した過式フイルター脱硝触媒は五酸化パナジウム・酸化チタン系の
ものが好ましいが、他の脱硝触媒を用いることも
可能である。触媒の平均粒径は0.01〜100μとし、
布１m²当り１〜300ｇの触媒を担持することに
より触媒とガスとの接触面積を１m²当り0.1〜
10000m²とすることが好ましい。

アルカリ性粉体は、Ca（OH）₂，CaCO₃，CaO，
Mg（OH）₂，MgCO₃，MgO等の物質を用いるこ
とができ、粒径が100μ以下、好ましくは50μ以下
の微粉末を用いる。供給量は、フツ化水素、塩化
水素及び硫黄酸化物の反応当量比として0.1〜10
とする。

助剤粉体は、フイルター上にプリコートしてフ
イルターを保護するとともに、アルカリ性粉体と
ともに堆積層を形成して通気性及び剥離性を確保
するものであるが、触媒フイルターの形体、排ガ
スの性状、処理条件により、必ずしも必要とする
ものではない。助剤粉体としては、ゼオライト、
アルミナ、ケイソウ土、パーライト、活性白土、
カオリン、長石、石英等好ましくは、ケイソウ
土、パーライン、ゼオライトの粉末を単体若しく
は２種以上の混合物で使用する。粒径は１〜
100μ、好ましくは10〜50μの粉末を用い、アルカ
リ性粉体に対して重量比で５〜50％程度供給する
ことが好ましい。

窒素酸化物の還元剤としては、アンモニア又は
その前駆物質、例えば、尿素等が用いられ、その
供給量は窒素酸化物の反応当量比で0.1〜1.5とす
る。

〔作用〕

第１図は、本発明の燃焼排ガスの総合的処理方
法を実施するための装置の概念図である。

燃焼排ガスＡは、まず、粉体噴射供給装置１に
導入され、プロワ１３により粉体供給装置１１で
必要量供給されるアルカリ性粉体○イと、プロワ１
４により粉体供給装置１２で必要量供給される
過補助剤粉体○ロとを、上記排ガス中に噴射供給
し、フツ化水素、塩化水素及び硫黄酸化物の一部
を中和反応により除去する。次いで、上記排ガス
は、液体噴射供給装置２に導入され、ポンプ１６
によりタンク１５から必要量供給される窒素酸化
物の還元剤○ハを上記排ガス中に噴射供給する。ア
ルカリ性粉体○イ、助剤粉体○ロ及び還元剤○ハを含有
する排ガスA′は、過式総合反応集じん装置３
に導入される。

第２図は、該反応集じん装置３における除去機
構を模式的に示した説明図である。脱硝触媒Ｘを
担持する布フイルターの表面には、予め助剤
粉体○ロでプリコートされた保護層が形成されて
おり、上記排ガスA′を導入することにより、上
記保護層の表面に、アルカリ性粉体○イ、助剤粉
体○ロ、中和反応生成物○ニ及び飛灰○ホを捕捉して、
堆積層を形成する。この堆積層を通過する際
に、排ガス中に残存するフツ化水素、塩化水素、
硫黄酸化物は、この層中のアルカリ性粉体と反応
して吸収除去される。また、煤塵も堆積層の
過効果により同時に除去される。このようにして
堆積層及び保護層を通過した排ガスは、還元
○ハを伴つて脱硝触媒フイルターに導入され、排
ガス中の窒素酸化物を窒素ガスに還元し、完全に
浄化された排ガスA″として大気に放出される。

総合反応集じん装置３の布フイルター上の
堆積層は、層中に分散された助剤粉体により、通
気性を維持するが、徐々に層厚さが増加してゆく
ので、厚くなり過ぎないように時々逆圧、逆洗、
振動等を付加することにより、堆積層を払い落
として集じん装置下部から粉体状のダストＢとし
て排出する。

なお、助剤粉体○ロについては、上記のように予
め供給してフイルター表面に保護層を形成して
から、アルカリ性粉体イ　と助剤○ロを同時に噴射供
給してもよいし、当所から混合して同時に供給し
てもよい。なお、保護層は、本発明において必
須な要件ではなく、必要に応じて省略することも
できる。

第３図は、第２図の過式フイルターの変形を
用いて排ガス処理するときの、除去機構の説明図
である。このフイルターは、第２図の脱硝触媒を
担持した布の表面に、通常の布を重ね、
ガス上流側に通常の布を、下流側には脱硝触
媒担持布を設置したもので、通常の布表
面で排ガス中の飛灰、反応生成物、アルカリ性粉
体等を捕捉して堆積層を形成することができ、
脱硝触媒担持布を保護する役割をする。図に
は、助剤粉末○ロで布の表面にプレコートした
保護層を示したが、上記通常の布を使用す
るときには該保護層は必ずしも必要でない。

第４図は、第２図の過フイルターの別の変形
を用いて排ガス処理をするときの、除去機構を説
明するための図である。このフイルターは、脱硝
触媒Ｘを２枚の布でサンドイツチしたもの
で、適当な大きさに縫い目を入れて袋を形成し、
その中に触媒を収納したものである。第２図のフ
イルターのように布に脱硝触媒粉末を直接担持
したものに比べて、第４図のフイルターでは、
布の柔軟性、通気性等、本来の性状を損わずに脱
硝触媒を保持することができるという利点があ
る。

〔実施例〕

第１図の装置を用いて、燃焼排ガスの処理実験
を行つた。

まず、直径6μφの繊維で２重綾織することによ
り、打込み密度850ｇ／m²の布を作り、一方、
微粒化した五酸化バナジウム・酸化チタン系脱硝
触媒のエマルジヨンを用意して、上記布を該エ
マルジヨンに浸漬させることにより、触媒成分を
3wt％担持させ、過式フイルターを作製した。
このフイルターは第１図の反応集塵装置にセツト
した。

一方、１炉の焼却量が150t／日である焼却炉か
らの排ガスを用い、排ガス量30000Nm²／hrで噴
射供給装置に導入した。なお、この排ガス中に
は、飛灰を５ｇ／Ｎm²、HFを50ppm、HClを
1000ppm、SOxを100ppm、及びNOxを150ppm
含有していた。

次に、噴射供給装置で、上記排ガスに対してア
ルカリ性粉体として消石灰粉体を100Kg／hrで供
給し、助剤粉体としてケイソウ土とパーラントを
重量比９：１で混合したものを５〜20Kg／hrで吹
き込み、さらに、還元剤としてアンモニアガスを
４m²／hrで吹き込んだ。噴射供給装置を排ガスが
通過する時間は１〜５秒とした。その後、上記の
反応集塵装置に導入して、総合的な処理を行つ
た。

反応集塵装置出口の排ガスを分析したところ、
煤塵が0.003ｇ／Ｎm²以下、HFが5ppm以下、
HClが20ppm以下、SOxが10ppm以下、NOxが
20ppm以下であつた。

その間、脱硝触媒フイルターは、長期間の通ガ
ス、逆洗に対して触媒の脱落も極めて少なく、劣
化もなかつた。

また、直径6μφの繊維で綾織することにより、
打込み密度450ｇ／m²の通常の布を作り、上記
脱硝触媒フイルターの表面に重ねてセツトした反
応集塵装置を用い、上記と同様の条件の下で、燃
焼排ガスの処理実験を行つた。

反応集塵装置出口の排ガスを分析したところ、
上記と同様に極めて高い処理効果を示した。ま
た、長期間の通ガス及び逆洗に対して脱硝触媒フ
イルターから触媒の脱落や劣化もなく、布の柔
軟性も失うことがなかつた。

〔発明の効果〕

本発明は、上記構成を採用することにより、脱
硝触媒フイルターを有する反応集塵装置におい
て、煤塵、フツ化水素、塩化水素、硫黄酸化物及
び窒素酸化物を実質的に同時に除去することがで
き、従来の各処理項目毎に独立した処理装置を設
ける場合に対して、完全な多機能型一体装置で処
理することができるようになり、その結果、設備
費の低減、省スペース化、省エネ、省圧損化が計
られた。また、脱硝触媒は、煤塵、フツ化水素、
塩化水素及び硫黄酸化物を除いた後の、比較的清
浄なガスと接触するようになるので、その寿命が
長くなるという利点もある。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明の燃焼排ガスの総合的処理方
法を実施するための装置の概念図であり、第２図
〜第４図は、第１図の反応集塵装置の除去機構の
説明図である。

Claims

【特許請求の範囲】

１煤塵、硫黄酸化物、窒素酸化物等の有害成分
を含有する燃焼排ガス流にアルカリ性粉体を添加
して硫黄酸化物等を固定した後、アンモニア又は
その前駆物質を添加し、背面に脱硝触媒層を保持
するフイルターを通過させて窒素酸化物を窒素に
還元することを特徴とする燃焼排ガスの総合的処
理方法。