JPH05217A

JPH05217A - 排ガス処理装置及び排ガス処理方法

Info

Publication number: JPH05217A
Application number: JP3180212A
Authority: JP
Inventors: Koichiro Doi; 晃一郎土井
Original assignee: Takuma Co Ltd
Current assignee: Takuma Co Ltd
Priority date: 1991-06-24
Filing date: 1991-06-24
Publication date: 1993-01-08

Abstract

(57)【要約】【目的】ごみ焼却炉等からの燃焼排ガスに含まれる各
種の有害物質を一基の排ガス処理装置にもって同時に、
しかも高効率で経済的に除去できるようにする。【構成】助剤と吸収剤と環元剤とをガス入口側に於い
て排ガス内へ吹き込み、これをバグフィルタ型処理ユニ
ットにより処理して排ガス内の有害物質を同時に除去す
る形式の排ガス処理装置に於いて、バグフィルタ型処理
ユニットをバグフィルタと脱硝ユニットとから形成して
前記バグフィルタを隔壁板へ着脱自在に吊下げ支持する
と共に脱硝ユニットを隔壁板上へ固定し、更に、前記バ
グフィルタを布製濾材と支持かごと下部ホッパ金物とか
ら、また、前記脱硝ユニットを触媒格納箱とその内方へ
収納した脱硝触媒層とから形成する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は都市ごみ焼却炉や各種の
燃焼装置の排ガス処理に使用されるものであり、排ガス
内の媒塵・酸性ガス・硫黄酸化物・重金属・ダイオキシ
ン及び窒素酸化物等を一基の装置で同時に除去できるよ
うにした排ガス処理装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】都市ごみ焼却炉や産業廃棄物焼却炉から
排出される排ガス内には媒塵、塩化水素や弗化水素等の
酸性ガス、硫黄酸化物、窒素酸化物、重金属類及びダイ
オキシン等の多種類の有害物質が含まれている。而し
て、初期段階の排ガス処理では、電気集塵機により媒塵
等を除去すると共に、所謂湿式洗煙方式により塩化水素
・弗化水素等の酸性ガスや硫黄酸化物を除去するように
していた。その後、排水処理の関係から前記湿式洗煙方
式に代えて所謂乾式処理方式が多用されるようになり、
電気集塵機の入り口側ダクト内へ消生灰Ｃａ(ＯＨ)₂等
を吹き込むことにより塩化水素（ＨＣ１）や硫黄酸化物
（ＳＯｘ）を吸着・中和し、媒塵と共に電気集塵機で補
集する方式が多く使用されてきた。

【０００３】ところが、近年になって（イ）前記排ガス
処理用の電気集塵機の内部に於いて、通過する排ガス温
度や滞留時間が原因となって有害なダイオキシンが発生
すること、（ロ）バグフィルタ装置の入口側ダクト内へ
消生灰等の吸収剤を吹き込むことにより、フィルタの外
表面に吸収剤層（石灰層）が形成されると共に、当該吸
収剤層により塩化水素や硫黄酸化物等が高効率で除去で
きること、（ハ）前記吸収剤層によりダイオキシンや
鉛、カドニウム等の重金属も除去できること等が判明し
た。その結果、従前の電気集塵機を主体とする排ガス処
理方式に代え、前記バグフィルタ装置を用いた有害物質
の合併処理方式が普及し始めてきた。

【０００４】図１２は前記バグフィルタ装置を用いた排
ガス処理装置の一例を示すものであり、図に於いて２１
は装置本体、２２はバグフィルタ、２３は媒塵ホッパ、
２４は入口ダクト、２５は出口ダクトである。排ガスＧ
は入口ダクト２４を通して供給され、その途中に於い
て、先ず排ガスＧ内へパーライト等の助剤２６が吹き込
まれる。即ち、当該助剤２６の吹き込みにより、バグフ
ィルタ装置の濾布の外表面に助剤層が形成され、これに
よって濾布の表面が保護されると共に、逆洗時に媒塵等
が簡単には剥離・脱落することになる。また、前記助剤
２６の吹き込みに続いて入口ダクト２４の適宜箇所から
排ガスＧ内へ消生灰等の吸収剤２７が吹き込まれる。こ
の吸収剤２７の吹き込みにより、前記濾布外表面に積層
した助剤層の上に吸収剤層（石灰層）が形成され、これ
によって排ガスＧ内の媒塵やＨＣ１、ＦＨ、ＳＯｘ、ダ
イオキシン、重金属等が高効率で除去される。尚、前記
助剤層及び吸収剤層は、濾布の内側よりパルスエアーを
供給してこれを振動させることにより、定期的に剥離・
除去される。

【０００５】前記バグフィルタ装置を用いた排ガス処理
装置は排水処理装置を必要とせず、優れた実用的効用を
有するものである。しかし、当該バグフィルタ型排ガス
処理装置に於いても、窒素酸化物（ＮＯｘ）だけは同時
に除去することが不可能であり、そのため、バグフィル
タ装置の下流側に窒素酸化物除去装置を別途に設け、ア
ンモニア若しくはその前駆体（例えば尿素等）を排ガス
内へ噴出したあと、これを五酸化バナジウムや酸化チタ
ン系の触媒から成る触媒層内へ導入することにより、Ｎ
Ｏｘを分解除去するようにしている。この様に、前記バ
グフィルタ装置を用いる排ガスの合併処理方式では、窒
素酸化物除去装置を別途に設ける必要があるため、排ガ
ス処理装置の設置に要するスペースが大きくなるだけで
なく、設備費やランニングコストも高くなるという問題
がある。

【０００６】一方、前記バグフィルタ装置を用いた排ガ
ス処理装置に於ける上述の如き問題を解決するものとし
て、バグフィルタ装置の濾布に触媒を含浸させ、この触
媒を含浸させた濾布によって媒塵や重金属類、ＨＣ１、
ＦＨ、ＳＯｘ、ＮＯｘ等を同時に除去するようにした技
術が開発されている（特開平１−２９３１２３号、特開
平１−２５８７４６号、特開平２−３１８０９号等）。

【０００７】しかし、濾布に触媒を含浸させることは技
術的に極めて難しく、且つその製造には多くの手数を必
要とする。その結果、濾布が極めて高価なものになり、
排ガス処理装置の設備費が高騰すると云う問題がある。
また、バグフィルタ装置の濾布は、一般に消耗品に準ず
るものであり、濾布の取替頻度が高いために装置の維持
管理費が嵩む傾向にある。その結果、上記特開平１−２
９３１２３号等の装置に於いては、触媒を含浸せしめた
高価な濾布を触媒作用以外の原因（例えば濾布の目詰ま
りや濾布の損傷等）によって屡々取り替えねばならない
ため、経済性に著しく欠けると云う問題がある。即ち、
濾布と触媒の耐久性が一致せず、触媒が十分に機能を発
揮し得る状態であっても濾布を交換しなければならなく
なり、設備コストやメンテナンスコストが割高となる。

【０００８】更に、バグフィルタ装置の前段のダクト内
へアンモニヤ等を注入するため、これにより生じた塩化
アンモニウムが濾布に含浸せしめた脱媒触媒に影響を与
え、その脱硝機能を阻害すると云う問題がある。

【０００９】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、従前の脱硝
触媒を含浸せしめた濾布を用いるバグフィルタ型排ガス
処理装置における上述の如き問題、即ち濾布そのもの
が高価なため、排ガス処理装置の設備費の引き下げが困
難なこと、高価な濾布を触媒作用以外の原因（例えば
濾布の目詰まり等）によって取替えねばならず、排ガス
処理装置のランニングコストの引き下げを図り難いこ
と、アンモニヤ等の注入により生じた排ガス中に生じ
た塩化アンモニウムにより濾布に含浸された触媒の脱硝
機能が阻害される危険があること等の問題を解決せんと
するものであり、通常の濾布と脱硝触媒とを機能的に組
み合わせることにより、ランニングコストや設備費の上
昇及び触媒の脱機能の悪化を招くことなく、しかも媒塵
や重金属、ダイオキシン、ＨＣ１、ＦＨ、ＳＯｘ、ＮＯ
ｘ等を同時に高効率で除去し得るようにしたバグフィル
タ型の排ガス処理装置を提供するものである。

【００１０】

【課題を解決するための手段】本件請求項１に記載の発
明は、ガス入口４側に於いて排ガスＧ内へ助剤６ａと吸
収剤７ａと環元剤８ａを吹き込むと共に当該排ガスＧを
装置本体１内へ導入し、バグフィルタ型処理ユニットＡ
により排ガスＧ内の媒塵、重金属、酸性ガス及び窒素酸
化物等を同時に除去するようにした排ガス処理装置に於
いて、前記バグフィルタ型処理ユニットＡを、装置本体
１の隔壁板１ｂに着脱自在に吊下げ支持したバグフィル
タ２と、当該バグフィルタ２に連通して前記隔壁板１ｂ
上に固定した脱硝ユニット３とから形成し、更に前記バ
グフィルタ２を、筒状に形成した布製濾材１３と布製濾
材１３の内方へ挿入して当該布製濾材１３の形態を筒状
に保持する支持かご１４と支持かご１４の下方に配設し
た下部ホッパ金物１６とから形成すると共に、前記脱硝
ユニット３を、筒状の触媒格納箱３ａとその内部に収納
した脱硝触媒層３ｂとから形成したことを発明の基本構
成とするものである。また、本件請求項４に記載の発明
は、ガス入口４側に於いて排ガスＧ内へ助剤６ａと吸収
剤７ａと環元剤８ａを吹き込むと共に当該排ガスＧを装
置本体１内へ導入し、バグフィルタ２により排ガスＧ内
の媒塵、重金属、酸性ガス、及び硫黄酸化物等を除去し
たあと、前記バグフイルタ２の内部へ流入した排ガスＧ
をバグフィルタ２に連通する脱硝ユニット３内へ導入
し、脱硝触媒層３ｂと接触流動させることにより排ガス
Ｇ内の窒素酸化物を除去し、更に逆洗操作に際しては、
脱硝ユニット３の上方開口より逆洗用ガスＭを送入し
て、バグフィルタ２の逆洗と脱硝触媒層３ｂ並びにバグ
フィルタ内部空間の洗浄とを同時に行い、脱硝触媒層３
ｂ並びにバグフィルタ内部空間からの粉塵等をバグフィ
ルタ２の下方を開放して外部へ排出することを発明の基
本構成とするものである。

【００１１】

【作用】排ガス内へ助剤、吸収剤、環元剤を吹き込むこ
とにより、バグフィルタを形成する布製濾材の外表面に
所定の厚さの助剤層と吸収剤層が形成される。排ガス内
の媒塵や重金属、ＨＣ１、ＦＨ、ＳＯｘ等は、排ガスが
前記助剤層及び吸収剤層を通過して布製濾材内方へ流通
する間に除去される。また、前記布製濾材を通過した排
ガスは、その内部空間を通って上昇し、触媒格納箱内へ
入って脱硝触媒層内を上方へ流通したあと、出口ダクト
へ排出される。この間に、排ガス内のＮＯｘは還元剤の
存在下で前記脱硝触媒と接触することにより、分解除去
される。前記布製濾材が目詰まりを起こした場合には、
触媒格納箱の出口側から逆洗用流体を噴射して、脱硝触
媒層の洗浄と媒塵等の剥離脱落とを同時に行うと共に、
必要な場合には布製濾材や触媒格納箱を取り外し、洗濯
処理や洗浄処理を施す。また、脱硝触媒層が触媒機能を
喪失した場合には、触媒格納箱を開放し、内部の触媒層
を交換する。

【００１２】

【実施例】以下、図面に基づいて本発明の実施例を説明
する。図１は本発明に係る排ガス処理装置の縦断面概要
図であり、図に於いて１は装置本体、１ａは媒塵ホッ
パ、Ａはバグフィルタ型処理ユニット、２はバグフィル
タ、３は脱硝ユニット、３ａは触媒格納箱、３ｂは脱硝
触媒層、４は入口ダクト、５は出口ダクト、６は助剤供
給口、６ａは助剤、７は吸収剤供給口、７ａは吸収剤、
８は環元剤供給口、８ａは環元剤、９ａ，９ｂ，９ｃは
ダンパー、１０は誘引通風機、１１は押込送風機、１２
はダスト排出弁、Ｇは排ガスである。また、図２は本発
明の要部を構成するバグフィルタ型処理ユニットＡの縦
断面図であり、更に、図３は図２のＡ−Ａ視図、図４は
図２のＢ−Ｂ視断面図、図５は図２のＣ−Ｃ視断面図、
図６は図２のＤ−Ｄ視断面図である。

【００１３】前記バグフィルタ型処理ユニットＡは図２
に示す如くバグフィルタ２と脱硝ユニット３とから構成
されている。また、前記バグフィルタ２は円筒状の布製
濾材１３と、濾材１３の内方へ挿入され、これを円筒状
の形態に保持する支持かご１４と、支持かご１４の上端
へ着脱自在に取付けた上部取付金物１５と、支持かご１
４の下端へ着脱自在に取付けたダスト排出口１６ａを有
する下部ホッパ金物１６等から形成されており、前記取
付金物１５を介して装置本体１の隔壁板１ｂへ取替自在
に吊下げ支持されている。更に、前記脱硝ユニット３は
筒形の触媒格納箱３ａと、その内部に収納したハニカム
形の脱硝触媒層３ｂと、格納箱３ａの下端に着脱自在に
取付けた接手短管１７と、格納箱３ａの上端に着脱自在
に取付けた吸排気用ラッパ管１８等から形成されてお
り、前記接手短管１７を介して隔壁板１ｂの上方へ着自
在に支持されている。尚、バグフィルタ２の内部と触媒
格納箱３ａの内部とは気密状に連通されている。

【００１４】即ち、前記円筒状の布製濾材１３は通常の
バグフィルタ用濾布を縫製加工することにより、外径１
２０〜２００ｍｍφ・長さ４０００〜６０００ｍｍ程度
の円筒状の袋体に形成されており、後述する如く、この
布製濾材１３の外表面に、排ガス内の媒塵やＨＣ１・Ｓ
Ｏｘ等を除去する助剤層６ｂ及び吸収剤層７ｂが形成さ
れる。

【００１５】また、前記支持かご１４は、布製濾材１３
の形態を筒状に保持するためのものであり、丸棒鋼等に
より図５に示す如き形態に形成されており、この外側に
布製濾材１３が挿着されている。

【００１６】更に、前記触媒格納箱３ａはその内部に脱
硝触媒層３ｂを収納するものであり、布製濾材１３の内
径に相当するハニカム柱状体の脱硝触媒層３ｂが収納さ
れている。尚、前記脱硝触媒層３ｂとしては、公知の五
酸化バナジウムや酸化チタン系の触媒が使用されてお
り、従来製法により製造された汎用製品が単独若しくは
複数個と積み重ねた状態で、前記格納箱３ａ内に収納さ
れている。

【００１７】而して、一般にバグフィルタ装置に於いて
は、布製濾材の上端部に於ける排ガス流速は約１〜１.
５ｍ／ｓｅｃ程度に選定されている。従って、従来の脱
硝用のハニカム触媒層を別置する形式の脱硝処理装置の
場合に比較して、本発明の処理装置では脱硝触媒層内の
通過ガス流速が低くなる。その結果、排ガスと触媒層と
の接触反応時間を長くすることが可能であるが、ハニカ
ムを４〜６ｍｍ程度の細目とし排ガス流速を上げてＡＶ
値を低く設計することも可能である。この場合には、脱
硝触媒層に適用するＳＶ値を従来のごみ焼却炉に於ける
別置型脱硝処理装置のＳＶ値（通常４０００〜７０００
ｈ^-1）に対して相当高い値とすることができ、脱硝触
媒層３ｂの高さ寸法を約３０〜６０ｃｍ程度に納めるこ
とが出来る。

【００１８】前記本実施例では脱硝触媒層３ｂとしてハ
ニカム柱状体の脱硝触媒を使用しているが、図７に示す
如くハニカム型脱硝触媒に代えて粒状又は異型のペレッ
ト状触媒３ｂ´を使用し、これ等を底部を金網３ａ´等
により形成した触媒格納箱３ａ内へ、許容される排ガス
通過抵抗に見合う厚さに充填するようにしてもよい。ま
た、実施例に於いては、バグフィルタ２を形成する布製
濾材１３等を円筒形に形成しているが、その形状は任意
であって角筒形であってもよい。

【００１９】図８及び図９は本発明で使用するバグフィ
ルタ型処理ユニットＡの第２実施例を示すものである。
当該第２実施例に於いては、４本のバグフィルタ２が１
基の脱硝ユニット３へ接続されており、脱硝ユニット３
を一基にまとめた点が前記第１実施例の場合と異なって
いる。また、図９からも明らかなように、４基の脱硝ユ
ニット３が装置本体１内に並設されている。前記脱硝ユ
ニット３の高さ寸法は、前記第１実施例の場合と略同一
（約３０〜６０ｃｍ）であり、バグフィルタ型処理ユニ
ットＡのより一層のコンパクト化が可能となる。

【００２０】次に、本発明による排ガスの処理について
説明する。図１を参照して、ごみ焼却炉等からの排ガス
Ｇは、入口ダクト４を通して装置本体１内へ導入され
る。先ず、入口ダクト４の助剤供給口６から、ゼオライ
トやパーライト等の粉体から成る助剤６ａを排ガスＧ内
へ供給し、図１０のようにバグフィルタ２を形成する布
製濾材１３の外表面に適宜の厚さの助剤層６ｂを形成す
る。尚、この助剤層６ｂは布製濾材１３の外表面を保護
すると共に、逆洗時に於ける固着物の剥離を容易にす
る。また、入口ダクト４の吸収剤供給口７からＣａ(Ｏ
Ｈ)₂等の粉体から成る吸収剤７ａを排ガスＧ内へ供給
し、酸性ガスやＳＯｘ、媒塵等を除去するための適宜の
厚さの吸収剤層７ｂを濾材外表面の前記助剤層６ｂの外
側に形成する。その後、入口ダクト４の環元剤供給口８
から適宜量のアンモニヤやその前駆体である尿素等から
成る還元剤８ａを排ガスＧ内へ連続的に供給しつつ、当
該排ガスＧの連続処理を行う。即ち、バグフィルタ装置
本体１内へ導入された排ガスＧは、布製濾材１３の外表
面に積層された吸収剤層７ｂ及び助剤層６ｂを通過した
あと、濾材１３の内方へ流入して上昇し、触媒格納箱３
ａ内へ流入する。そして脱硝触媒層３ｂ内をこれと接触
しつつ上昇し、吸排気用ラッパ管１８を通して出口ダク
ト５内へ導出されて行く。排ガスＧ内の媒塵や重金属、
ダイオキシン、ＨＣ１、ＳＯｘ等は前記吸収剤層７ｂ及
び助剤層６ｂを通過する間に除去される。また、排ガス
Ｇ内のＮＯｘは、アンモニヤ等の環元剤８ａの存在下で
脱硝触媒層３ｂと接触することにより、分解除去され
る。出口ダクト５内へ排出された処理済の排ガスＧは、
誘引通風機１０により、ダンパ９ａを通して誘引され、
煙突（図示省略）から外部へ放出される。

【００２１】排ガスＧの処理が一定時間継続され、布製
濾材１３への媒塵等の付着量が増大すれば、所謂バグフ
ィルタ型処理ユニットＡの逆洗が行われる。即ち、図１
１に示す如く、ダンパ９ａを閉、ダンパ９ｂを開、誘引
通風機１０を停止し、押込送風機１１から逆洗用ガスＭ
を出口ダクト５内へ供給する。またこの時、ダンパ９ｃ
を所謂緩開急閉作動させ、これによって出口ダクト５内
へ供給する逆洗用ガスＭの流れにパルス状の変動を与
え、その逆洗効果を高める。出口ダクト５内へ供給され
た逆洗用ガスＭは、脱硝触媒層３ｂ内を通過する間に触
媒外表面の汚れを除去する。また、布製濾材１３の内側
壁面に固着した粉塵等も除去される。更に、当該逆洗用
ガスＭは、布製濾材１３を外方へ膨出並びに振動させる
ことにより、その外表面に固着した固着物を剥離除去す
る。当該逆洗工程中にダクト排出弁１２が一定時間開放
され、布製濾材１３の抵抗風圧を利用して脱硝触媒３ｂ
等から除去された粉塵等が本体１内へ排出される。ま
た、布製濾材１３等から剥離された媒塵等は媒塵ホッパ
１ａに集められ、適宜に外部へ排出されて行く。更に、
布製濾材１３の目詰まりや汚れが進行すれば、濾材１３
のみを単独で取り外し、洗濯等の処理を施す。脱硝触媒
層３ｂも同様であり、触媒機能が基準値以下に低下すれ
ば、その取替を行う。

【００２２】外径２００ｍｍφ、長さ４０００ｍｍのバ
グフィルタ２と２００ｍｍ×２００ｍｍ×５００ｍｍ
（高さ）の触媒格納箱３ａ（ハニカム型触媒を収納）を
炉からの排ガスＧを約１.５ＮＭ³／ＭＩＮ・本の割合
で連続処理したとき、媒塵含有量を約７／１０００に、
ＨＣ１含有量を約２.５／１００に、ＳＯｘ含有量を約
１／１００に、ＨＦ含有量を約１／１００に、ＮＯｘ含
有量を約１３／１００に夫々引下げ出来ることが、確認
されている。

【００２３】

【発明の効果】本発明ではバグフィルタ型処理ユニット
Ａをバグフィルタ２と脱硝ユニット３とから形成し、前
記バグフィルタ２を形成する布製濾材１３や支持かご１
４等を装置本体１の隔壁板１ｂへ着脱自在に吊下げ支持
すると共に、脱硝触媒層３ｂを備えた脱硝ユニット３を
隔壁板１の上方に配設する構成としている。その結果、
下記の如き効用を発揮することができる。バグフィ
ルタ２は脱硝ユニット３と切り離して取り外すことがで
き、目詰まり等が生じた場合には、容易にその取替や洗
濯処理を行うことが出来る。また、脱硝触媒層３ｂはそ
の触媒機能が完全に喪失するまで使用することができ
る。その結果、布製濾材の取替回数が多くなっても、従
前のバグフィルタ型排ガス処理装置の如くランニングコ
スト等が大幅に高騰することは無く、経済的な排ガス処
理が行なえる。脱硝触媒層３ｂの入れ替えは、触媒
格納箱３ａを引上げるか、若しくは真空装置によって触
媒を吸引することにより容易に行なうことができ、装置
の保守管理に要する手数を削減することができる。
バグフィルタ２の製造自体も極く簡単に行なえ、従前の
濾布に触媒を担持させた構成のバグフィルタに比較して
製造コストの大幅な引下げが可能となる。ハニカム
型又はペレット状の脱硝触媒を使用するため、濾布に触
媒を担持させた場合のように、アンモニヤ注入により生
じた塩化アンモニヤによってその脱硝機能が悪影響を受
けることが無い。更に、本件発明では、逆洗操作時に逆
洗用ガスＭを脱硝ユニット３の上方開口より下方へ向け
て供給すると共に、バグフィルタ２の下端部開口より内
部の粉塵等を外方へ排出する構成としている。その結
果、バグフィルタ２の逆洗と同時に、脱硝触媒層３ｂの
洗浄及び布製濾材１３の内部空間の洗浄を能率良く行う
ことができ、装置の保守管理が極めて容易になる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る排ガス処理装置の縦断面概要図で
ある。

【図２】本発明で使用するバグフィルタ型処理ユニット
Ａの縦断面図である。

【図３】図２のＡ−Ａ視平面図である。

【図４】図２のＢ−Ｂ視断面図である。

【図５】図２のＣ−Ｃ視断面図である。

【図６】図２のＤ−Ｄ視断面図である。

【図７】触媒ユニット３の他の実施例の縦断面図であ
る。

【図８】本発明で使用するバグフィルタ型処理ユニット
Ａの第２実施例を示す正面図である。

【図９】第２実施例に係るバグフィルタ型処理ユニット
Ａの配列状態を示す側面図である。

【図１０】バグフィルタの外表面に形成される助剤層と
吸収剤層との説明図である。

【図１１】本発明に係る処理装置の逆洗操作の説明図で
ある。

【図１２】従前のバグフィルタ型排ガス処理装置の縦断
面図である。

【符号の説明】１は装置本体、１ａは媒塵ホッパ、１ｂは隔壁板、２は
バグフィルタ、３は脱硝ユニット、３ａは触媒格納箱、
３ａ´は金網、３ｂは脱硝触媒層、３ｂ´はペレット状
触媒、４は入口ダクト、５は出口ダクト、６は助剤供給
口、６ａは助剤、７は吸収剤供給口、７ａは吸収剤、８
は環元剤供給口、８ａは環元剤、９ａ，９ｂ，９ｃはダ
ンパー、１０は誘引通風機、１１は押込送風機、１２は
ダスト排出弁、１３は布製濾材、１４は支持かご、１５
は上部取付金物、１６は下部ホッパ金物、１６ａはダス
ト排出口、１７は接手短管、１８は吸排気用ラッパ管、
Ａはバグフィルタ型処理ユニット、Ｇは排ガス、Ｍは逆
洗用ガス。

フロントページの続き (51)Int.Cl.⁵ 識別記号庁内整理番号ＦＩ技術表示箇所Ｂ０１Ｄ 53/34 Ｅ 6953−4Ｄ１３６Ｚ 6953−4Ｄ 53/36 １０１Ａ 9042−4Ｄ

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】ガス入口（４）側に於いて排ガス（Ｇ）
内へ助剤（６ａ）と吸収剤（７ａ）と環元剤（８ａ）を
吹き込むと共に当該排ガス（Ｇ）を装置本体（１）内へ
導入し、バグフィルタ型処理ユニット（Ａ）により排ガ
ス（Ｇ）内の媒塵、重金属、酸性ガス及び窒素酸化物
等を同時に除去するようにした排ガス処理装置に於い
て、前記バグフィルタ型処理ユニット（Ａ）を、装置本
体（１）の隔壁板（１ｂ）に着脱自在に吊下げ支持した
バグフィルタ（２）と当該バグフィルタ（２）に連通し
て前記隔壁板（１ｂ）上に固定した脱硝ユニット（３）
とから形成し、更に前記バグフィルタ（２）を、筒状に
形成した布製濾材（１３）と布製濾材（１３）の内方へ
挿入して当該布製濾材（１３）の形態を筒状に保持する
支持かご（１４）と支持かご（１４）の下方に配設した
下部ホッパ金物（１６）とから形成すると共に、前記脱
硝ユニット（３）を、筒状の触媒格納箱（３ａ）とその
内部に収納した脱硝触媒層（３ｂ）とから形成したこと
を特徴とする排ガス処理装置。
【請求項２】脱硝ユニット（３）を、複数本のバグフ
ィルタ（２）が同時に連通する脱硝ユニット（３）とし
た請求項１に記載の排ガス処理装置。
【請求項３】脱硝触媒層（３ｂ）を、ハニカム型脱硝
触媒層又はペレット型脱硝触媒層とした請求項１又は請
求項２に記載の排ガス処理装置。
【請求項４】ガス入口（４）側に於いて排ガス（Ｇ）
内へ助剤（６ａ）と吸収剤（７ａ）と環元剤（８ａ）を
吹き込むと共に当該排ガス（Ｇ）を装置本体（１）内へ
導入し、バグフィルタ（２）により排ガス（Ｇ）内の媒
塵、重金属、酸性ガス及び硫黄酸化物等を除去したあ
と、前記バグフィルタ（２）の内部へ流入した排ガス
（Ｇ）をバグフィルタ（２）に連通する脱硝ユニット
（３）内へ導入し、脱硝触媒層（３ｂ）と接触流動させ
ることにより排ガス（Ｇ）内の窒素酸化物を除去し、更
に逆洗操作に際しては、脱硝ユニット（３）の上方開口
より逆洗用ガス（Ｍ）を送入してバグフィルタ（２）の
逆洗と脱硝触媒層（３ｂ）並びにバグフィルタ内部空間
の洗浄とを同時に行い、脱硝触媒層（３ｂ）並びにバグ
フィルタ内部空間からの粉塵等をバグフィルタ（２）の
下方を開放して外部へ排出することを特徴とする排ガス
処理方法。