JP2001314720A - 高速ろ過バグフィルタ装置 - Google Patents

高速ろ過バグフィルタ装置

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JP2001314720A
JP2001314720A JP2000135401A JP2000135401A JP2001314720A JP 2001314720 A JP2001314720 A JP 2001314720A JP 2000135401 A JP2000135401 A JP 2000135401A JP 2000135401 A JP2000135401 A JP 2000135401A JP 2001314720 A JP2001314720 A JP 2001314720A
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Japan
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exhaust gas
filter cloth
bag filter
filtration
dust
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Application number
JP2000135401A
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English (en)
Inventor
Keizo Hamaguchi
敬三 浜口
Hiroshi Osada
容 長田
Hajime Akiyama
肇 秋山
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JFE Engineering Corp
Original Assignee
NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 払い落としが容易に達成でき、小型化でき、
有害物質除去性能を低下させないパルスジェット方式に
おける高速ろ過バグフィルタ装置を提供すること。 【解決手段】 焼却炉等からの排ガスに含まれる煤塵を
ろ布群によって集塵除去するパルスジェット式バグフィ
ルタ装置であって、ろ布群を仕切板10により複数の区
画に分割して一区画ごとに排ガスの流れを遮断する開閉
ダンパ11を配設し、開閉ダンパ11を閉としたとき
に、一区画内の複数のろ布9に堆積した煤塵をパルスジ
ェットにより順次払い落とし、これら一連の払い落とし
操作を全区画に亘って順次行うように構成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、都市ごみ焼却施
設、可燃性廃棄物処理施設、金属精練工場等から排出さ
れる有害成分を含む排ガスを処理する高速ろ過バグフィ
ルタ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】都市ごみ、産業廃棄物、下水汚泥、汚染
土壌等の各種廃棄物を焼却、溶融処理する過程や、金属
精練工場などで可燃性の付着物を含むスクラップを余
熱、溶解する際に排出される排ガスには、煤塵、塩化水
素等の酸性成分、窒素酸化物、水銀等の重金属、ダイオ
キシン類およびその前駆物質など、さまざまな有害物質
が含まれている。
【0003】これらの有害物質のうち、煤塵、HClや
SOX 等の酸性成分、水銀等の重金属、ダイオキシン類
(有機ハロゲン化合物)およびその前駆物質は、消石灰
粉および活性炭粉を排ガス中に吹き込んで、200℃以
下の運転温度のバグフィルタで捕捉することによって、
それらの大部分を除去することができる。このように、
バグフィルタ装置は、反応および集塵を同時に行うの
で、従来、ろ過速度は0.5〜1.0m/min、差圧
は50〜150mmAqで、その多くが稼働していた。
【0004】また、バグフィルタ装置の逆洗(払い落と
し)方法は、逆風式、パルスジェット式、振動式の各種
があげられるが、現在はパルスジェット式が簡便である
ため、主流となっている。パルスジェット式のバグフィ
ルタ装置における払い落とし方法は、排ガスのろ過過程
における、例えば10本程度の一直線上に並ぶ一列のろ
布群に同時にパルスジェットを噴射して、ろ布に付着し
た集塵灰を払い落とす方法が採用されている。
【0005】図3は従来のパルスジェット式のバグフィ
ルタ装置の概略立面図、図4は図3の上部断面図であ
る。従来のバグフィルタ装置は、例えば2本のパルスジ
ェットエアーのヘッダー6と、これと連動する複数個の
パルスジェットエアー噴射制御の電磁弁7と、これに対
応するパルスジェットエアー噴射管8と、これに対応す
る例えば5本のろ布9とからなる払い落とし機構とを設
けている。
【0006】ろ布9に堆積した集塵灰は、パルスジェッ
トエアー噴射管8からのパルスジェットエアーによって
一度に5本分が払い落としされ、一定時間ののち、順
次、隣の列からなる5本のろ布群が払い落とされ、この
操作を全ろ布9について実施することにより、払い落と
し操作を完了させていた。これらの払い落とし操作は、
排ガスをろ布9に流通させる排ガスろ過過程において実
施されていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ろ過式
集塵装置であるバグフィルタ装置は、微細な煤塵(飛
灰、ダスト、粉塵)および酸性成分除去のための微細な
消石灰粉をろ布9で捕捉し、酸性成分等の反応効率を上
昇させるため、粉体(煤塵、消石灰、反応生成物)の堆
積層をろ布9の表面に形成させる必要があった。このた
め、ろ布9に堆積する粉塵負荷は一定以上必要であり、
通ガス時のろ過抵抗、すなわち差圧は、例えば、ろ過速
度が0.5〜1.0m/minのときに100Aq程度
と無視できない値であり、ときに誘引ファンの負荷を増
大させていた。逆に、一定の反応効率を達成するために
は、粉体堆積層を一定以上保持する必要があるが、差圧
の著しい増加を抑えるためには、ろ過速度を所定値以下
に抑える必要があった。このため、従来より、バグフィ
ルタ装置は低ろ過速度のため装置を大きくする必要があ
り、排ガス処理施設の中で大きな占有敷地面積を有し、
イニシャルコストが甚大となっていた。
【0008】一方、ろ過速度を大きくとれば、バグフィ
ルタ装置は小さくて済むが、例えばパルスジェット式の
逆洗の場合、ろ過速度を大きくすると、パルスジェット
を噴射しても払い落とされつつある粉塵が即時に再びろ
布に付着してしまうため、効果的な払い落としが困難と
なるという問題があった。このときに、パルスジェット
噴射の頻度や圧力を上昇させて払い落としを強化させる
と、ある程度の払い落とし効果は得られるが、ろ過速度
が著しく高い場合には、上述の払い落とし困難に至る
か、ろ布強度が低下して寿命が短くなったり、ろ布が破
損してしまうという重大な危険性があった。
【0009】本発明は上記のような課題を解決するため
になされたもので、パルスジェット方式におけるバグフ
ィルタ装置において、払い落としを容易かつ効果的に達
成することができるとともに、バグフィルタ装置を小型
化することができ、さらに、有害物質除去性能(反応効
率)を低下させることがない高速ろ過バグフィルタ装置
を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、焼却炉等から
の排ガスに含まれる煤塵をろ布群によって集塵除去する
パルスジェット式の高速ろ過バグフィルタ装置であっ
て、ろ布群を仕切板により複数の区画に分割し、一区画
ごとに排ガスの流れを遮断する開閉ダンパを配設し、開
閉ダンパを閉としたときに、一区画内の複数のろ布に堆
積した煤塵をパルスジェットにより順次払い落とし、こ
れら一連の払い落とし操作を全区画に亘って順次行うよ
うに構成したものである。
【0011】また、上記のろ布を通過する平均的な排ガ
スのろ過速度を、1.5〜3.0m/minとした。
【0012】
【発明の実施の形態】[実施の形態]図1は本発明の実
施の形態の概略立面図、図2は図1の上部断面図であ
る。まず、本実施の形態の構成について説明する。1は
焼却炉等からの排ガスに含まれる煤塵を集塵除去するパ
ルスジェット式の高速ろ過バグフィルタ装置の本体、2
は本体1の上流側の下部に接続した未処理排ガスを導入
するための排ガス導入ダクト、3は本体1の下流側の上
部に接続した清浄排ガスを流出させるための排ガス排出
ダクト、4は本体1の底部に配設した集塵灰排出装置、
5は排ガス導入ダクト2に接続した消石灰粉供給装置で
ある。
【0013】6は2本のパルスジェットエアーのヘッダ
ー、7はヘッダー6と連通する複数個のパルスジェット
エアー噴射制御の電磁弁、8は電磁弁7と対応するパル
スジェットエアー噴射管である。9はガラス繊維、ポリ
イミド繊維、その他のフェルトなどの公知のろ過材質か
らなるろ布で、各パルスジェットエアー噴射管8に対応
させて例えば5本配設している。そして、これらのヘッ
ダー6、電磁弁7、パルスジェットエアー噴射管8およ
びろ布9によって、払い落とし機構を構成している。
【0014】10はろ布9の長手方向と同等の長さの仕
切板で、この仕切板10によって全ろ布群を複数の区画
に分割している。11は一区画ごとに排ガスの流れを遮
断できる開閉ダンパで、清浄排ガスの流出側、詳しくは
本体1の各区画部と排ガス排出ダクト3との接続部に取
り付けられており、このダンパ11を閉としたときに、
パルスジェットエアー噴射管8によって一区画内の複数
のろ布9の粉体堆積層を順次払い落とし、一連の同操作
を全区画に亘って順次行うようにしてある。
【0015】次に、高速ろ過バグフィルタ装置の払い落
とし機構の構成を詳述する。図1に示すように、ろ布9
の長手方向と同等長さの複数の仕切板10によって、複
数の区画、すなわち本実施の形態では、図2に示すよう
に、6つの区画A,B,C,D,E,Fに仕切られ、一
区画には4列のろ布群が存在するように構成されてい
る。一区画内のろ布群の各列には、これに対応するパル
スジェットエアーの噴射管8が配設されている。すなわ
ち、一方の側のヘッダー6に3区画A,B,C、他方の
側のヘッダー6に3区画D,E,Fで、合計6区画形成
され、一区画のろ布数は、一本のパルスジェットエアー
噴射管8についてろ布9が5個対応し、これが4列ある
ので、合計20本となる。
【0016】上記のように構成した払い落とし機構にお
いて、ろ布9に堆積した集塵灰の粉体層は、パルスジェ
ット噴射管8に付属のろ布9に対応する噴射口(図示せ
ず)から、電磁弁7を介してパルスジェットエアーが噴
射されることにより、一度に5本のろ布9の払い落とし
が行われる。払い落とされた粉体は、慣性力等によって
本体1の下部に設置された集塵灰排出装置4により系外
に排出され、別途処理されるようになっている。本実施
の形態では、上記のように、一連の払い落とし操作を全
区画に亘って順次行うが、この際のろ布9を通過する平
均的な排ガスのろ過速度は、1.5〜3.0m/min
の高ろ過速度である。
【0017】ここで、ろ過速度を1.5m/min以下
とすると、この範囲であってもバグフィルタの安定運転
は達成できるが、ろ過速度を大きくして小型化できるメ
リットが少なくなる。一方、ろ過速度を3.0m/mi
n以上とすると、払い落とし効率の上昇作用がやや低く
なると同時に、ろ過表面の粉体堆積層を確保する必要が
反応効率低下防止のために不可避であり、この堆積層と
ろ過速度上昇による差圧増加分が無視できない程度に大
きくなり、誘引ファン(図示せず)の許容以上となる場
合が発生するので、好ましくない。但し、ろ布9の配置
密度を減少させたり、ろ布9の長手方向を短くしたり、
あるいは排ガス中の粉塵濃度を低くするなどの工夫を施
せば、ろ過速度を4.0m/min程度まで増加して運
転することも可能である。
【0018】次に、払い落とし機構を構成するパルスジ
ェットエアーのヘッダー6について述べると、このヘッ
ダー6は、エアーを空気コンプレッサ(図示せず)など
から供給され、一定圧で一定量貯留する。そして、側面
に2つ設置されるが、規模により4つ設置されることも
ある。パルスジェットの噴射圧力はヘッダー6の圧力と
同等であるが、例えば2〜6kg/cm2Gの範囲であ
り、正味の噴射時間は、例えば、0.05〜0.3秒の
範囲であって、噴射の間隔は、例えば、10〜600秒
の範囲である。また、払い落とし機構に関連する開閉ダ
ンパ11について述べると、空気圧式、油圧式、その他
公知の開閉ダンパが用いられる。これらの噴射圧力、噴
射時間、噴射間隔、電磁弁の開閉、および開閉ダンパ開
閉に係る各種制御は、圧力計、タイマー、シーケンサ
ー、演算器などからなる制御装置(図示せず)によって
行われる。
【0019】次に、上記のように構成した実施の形態の
作用を説明する。焼却炉等から発生する有害成分を含む
排ガスは、例えば、排ガス減温塔(図示せず)などを経
て、高速ろ過バグフィルタ装置に適した200℃以下の
温度に冷却され、未処理排ガスとして排ガス導入ダクト
2を介して高速ろ過バグフィルタ装置の本体1内に導入
される。続いて、この排ガスは、1.5〜3.0m/m
inの範囲の平均ろ過速度でろ布9に導入され、ろ布9
を通過する際に、排ガスに含まれる煤塵がろ布9の表面
でろ過されて集塵される。こうして、煤塵を含まない排
ガスは、開閉ダンパ11が開のときにここを通過し、排
ガス排出ダクト3を経て清浄排ガスとなって系外に排出
されるか、あるいは別途、脱硝装置などに導入される。
【0020】一方、未処理排ガスとして排ガス導入ダク
ト2に導入された排ガスには、HCl、SOX 等の酸性
成分が含まれているので、これらを中和除去するため
に、必要に応じて、消石灰粉供給装置5によって消石灰
粉が排ガス導入ダクト2の煙道に噴霧され、高速ろ過バ
グフィルタ装置の本体1内およびろ布9表面のろ過行程
で、除去される。ろ布9の表面には排ガス由来の煤塵
と、中和除去のための未反応消石灰と、これによる中和
反応生成物が堆積し、ろ布9の表面で粉体層を形成す
る。この粉体層が形成されるので、排ガスのろ過行程で
酸性成分が効率よく除去される。
【0021】上記のようにしてろ布9に堆積した粉体層
は、パルスジェット噴射管8に付属の各ろ布9に対応す
る噴射口から、電磁弁7を介してパルスジェットエアー
が噴射され、一度に5本のろ布9の払い落としが行われ
る。払い落とされた粉体は、慣性力等により、本体1下
部に設置された集塵灰排出装置4によって系外に排出さ
れ、別途処理される。
【0022】区画ごとの払い落し機構の動作を詳述する
と、まず、区画Aの払い落としの開始時には、区画Aに
対応する開閉ダンパ11aを閉とし、区画A内のすべて
のろ布群の払い落としが完了するまで、通常の排ガスろ
過行程(排ガスの順流れ)を一時的に停止する。そし
て、例えば、図の左よりの噴射管8aからパルスジェッ
トエアーを噴射し、これに対応する5本のろ布9の集塵
灰を一度に払い落とす。次に、所定時間のインターバル
を経るか、あるいは上記操作直後に、噴射管8aの隣の
噴射管8bからパルスジェットエアーを噴射し、これに
対応するろ布9の5本の集塵灰を先と同様にして一度に
払い落とす。
【0023】このようにして、区画A内の4列(4本の
噴射管8a,8b,8c,8dに対応する)のろ布群す
べてについて、順次払い落としを実施し、区画Aの払い
落としを完了させる。区画A内のすべてのろ布9の払い
落しが完了したら、区画Aに対応する開閉ダンパ11a
を開にして、区画A内を通常の排ガスろ過行程に戻す。
次に、所定時間のインターバルを経るかあるいは前記操
作直後に、一連の前記操作を区画Bについて実施し、同
様の操作を順次繰り返して、区画Fについて実施した時
点で、全ろ布9についての払い落しを完了する。
【0024】次に、上記のように構成した本実施の形態
の効果について述べる。本実施の形態は、上記のよう
に、ろ布9の長手方向と同等の長さの仕切板10によっ
て全ろ布群を複数の区画A〜Fに分割し、それぞれの区
画の清浄排ガスの流通側に開閉ダンパ11を配設して、
一区画の払い落し操作が完了するまでの間、開閉ダンパ
11を閉として排ガス流れを遮断するので、パルスジェ
ット噴射により、ろ布9に付着していた集塵灰がろ布9
から分離した直後に、排ガスのろ過行程により同ろ布9
に集塵灰が再び付着する危険性を未然に回避することが
できる。すなわち、パルスジェット噴射直後もダンパ1
1の閉により排ガス流れが停滞しているので、ろ布9に
付着の集塵灰が、パルスジェット噴射直後に再付着して
払い落とし効率が低下する不具合を効果的に回避するこ
とができる。さらに、一区画の一連の払い落とし操作を
全区画に亘って実施するので、集塵灰の再付着を発生さ
せないまま、効率よい払い落とし操作を全ろ布9に亘っ
て完了することが可能となる。
【0025】ところで、従来のように、ろ過速度が相対
的に低いときには、集塵灰の再付着の問題は相対的に少
ない。言い換えると、再付着が少ない低ろ過速度で運転
を実施していたので、再付着する集塵灰の割合は相対的
に少なく、払い落とし操作を継続できない程の大きな問
題には至らなかった。しかしながら、従来の払い落とし
方法では、集塵灰の再付着の上記問題があるため、ろ過
速度を必要以上に大きくすることが困難であり、ろ過速
度が小さいため、バグフィルタ装置を相対的に大きくせ
ざるを得ない不利益があった。一方、本発明は複数区画
分離逆洗方式を採用したので、排ガス流れによる集塵灰
の再付着の問題を効率よく回避でき、1.5〜3.0m
/minの高ろ過速度であっても、効率のよい払い落と
し操作が可能となる。言い換えると、このような払い落
とし方法を実施することにより、1.5〜3.0m/m
inの高ろ過速度で、安定運転実施可能な高速ろ過バグ
フィルタ装置を提供することができる。
【0026】さらに、高速ろ過バグフィルタ装置は、高
速ろ過速度運転が可能であるので、従来のバグフィルタ
装置に対して、ろ布本数を半減できるといったように総
ろ過面積を半減することができ、バグフィルタ装置の大
幅な小型化、例えば、バグフィルタ装置の容積または敷
地面積を1/2以下とすることにより、大幅なイニシャ
ルコストの低減が達成できる。具体的には、ろ過速度を
1.5〜3.0m/minの範囲にする具体的な目安と
して、従来のバグフィルタ装置のろ布本数を大幅に少な
くすること、例えば従来の800本に対して400本と
することや、従来のろ布9の長手方向の長さを大幅に短
くすること、例えば、従来の5mに対して3mとするこ
と、あるいはこれらの組み合わせ等により実施されて、
ろ過速度が1.5〜3.0m/minの範囲の値とな
り、従来装置に対して、例えば敷地面積が半分、あるい
は容積が半分の小型の高速ろ過バグフィルタ装置を得る
ことができる。
【0027】また、高速ろ過バグフィルタ装置を採用す
れば、上記のように、ろ過速度を1.5〜3.0m/m
inと増大させることが可能であるが、ろ過速度を増大
させない場合は、ろ布9の配置間隔を狭くする、または
/および、ろ布9の長手方向を長くすることにより、単
位容積あたりの集塵面積(ろ過面積)を増大させること
ができ、バグフィルタ装置を通常のろ過速度のまま、小
型化することも可能である。なぜならば、一区画ごとに
排ガス流れを遮断して払い落とし操作を実施することに
より、従来、払い落とされつつある集塵灰が再びろ布9
に再付着して払い落としを困難とする不具合を、効率よ
く回避することができるので、ろ布9の配置間隔を従来
より小さくしても、また、ろ布9の長手方向を従来より
長くしても、従来と同等以上の払い落とし効率が得られ
ることによるためである。
【0028】以上、本実施の形態の構成、作用、効果を
述べたが、本実施の形態においては、次のような他の形
態も考えられる。まず、上記の説明においては、ろ布9
の本数やパルスジェット噴射管8の本数を説明の簡略化
のため少なめに記載しているが、上記記載に限定される
ものではなく、工業的に使用する際は排ガス量にもよる
が、例えば、500本程度のろ布9と50本程度の噴射
管8からなり、1本の噴射管8には噴射口が通常5〜1
5個程度設置され、一直線上に並んだ5〜15本のろ布
群について一度に噴射される。
【0029】次に、上記の説明で例示した区画数は、A
〜Fの6つと説明の簡略化のため少なめに表記してある
が、区画数は装置が煩雑とならない範囲で10区画以
上、さらには排ガス処理量が40000Nm3/h以上
の規模のときは、20個以上とすることが望ましい。な
ぜならば、区画数が例えば10以下であるとすると、あ
る区画の排ガスを払い落としのために遮断すると、他の
区画に流入する排ガス量が10%以上増加し、全体とし
て排ガス処理量や有害成分除去の負荷変動が大きくなる
ため、相対的に好ましくないためである。しかしなが
ら、区画数は複数であればよく、区画数を厳密に規定す
るものではない。
【0030】また、上記の説明では、払い落とし方法
は、一区画内でろ布群を1列ずつ順番に払い落とす場合
について述べたが、隣接するろ布群または単に複数のろ
布群を一度に払い落とすようにしてもよく、また、排ガ
ス流れを遮断する区画は、一度に一区画でなく、複数区
画であってもよい。これらはパルスジェットエアーのヘ
ッダー6への供給量やヘッダー6の容量、その他、運転
の都合により適宜採用される。
【0031】さらに、上記の説明では、パルスジェット
式の高速ろ過バグフィルタ装置に消石灰粉を噴霧する装
置を付属した場合を示したが、排ガス中のダイオキシン
等の有機ハロゲン化合物や水銀を除去する際に、別途、
活性炭粉を消石灰と同様の手段で噴霧してもよいし、そ
の他、薬剤を噴霧してもよい。また、有害物質を特に除
去する必要がない場合は、これら消石灰粉や薬剤の噴霧
装置を省略してもよい。
【0032】また、上記の説明では、高速ろ過バグフィ
ルタ装置内に装着されるろ布9は、例えばガラス繊維、
ポリイミド繊維、その他のフェルトなどの公知のろ過材
質を用いた場合を示したが、耐熱、耐酸性等を考慮して
適宜採択されるもので、特に限定するものではない。
【0033】なお、上記の説明で述べた排ガス中に含ま
れる有機ハロゲン化合物とは、厚生省により清掃工場へ
のガイドラインが毒性換算値により指定されているダイ
オキシン類、およびダイオキシン類の前駆物質、関連物
質と称されるクロロベンゼン、クロロフェノール、PC
Bなどや、塩素以外のハロゲン元素で一部が置換された
これら化学物質の総称である。さらに、ダイオキシン類
とは、ポリジベンゾパラジオキシンとポリジベンゾフラ
ンの総称であって、通常毒性換算濃度によって評価され
るものである。本発明においては、上記の有機ハロゲン
化合物やダイオキシン類を、単にダイオキシンと略記し
ている場合もある。
【0034】[実施例]表1は、本発明の高速ろ過バグ
フィルタ装置を用いた場合の実施例と、従来のバグフィ
ルタ装置を用いた場合との比較例を示すもので、各々、
排ガスに含まれる酸性成分(HClを採用)および有機
ハロゲン化合物であるダイオキシンの処理後の濃度につ
いて調べた結果を示す。
【0035】
【表1】
【0036】実施例1、2の払い落とし方法は、1区画
の排ガス流れを遮断して払い落としを行う方法を採用
し、比較例1、2は、区画を設置せず排ガス流れの遮断
のない従来の払い落とし方法を採用した。また、実施例
1は、ろ過速度を通常の2倍以上の2.0m/min、
実施例2は、3倍以上の3.0m/minとし、比較例
1は、通常の0.8m/minとし、比較例2は、従来
の払い落とし方法のまま2.0m/minと高い値にし
た。
【0037】なお、実施例、比較例ともに、同一形状の
パルスジェット式バグフィルタ装置を採用したが、ろ過
速度を増加させるときは簡便のため、所定本数のろ布を
抜き出してめくら板でしゃへいすることにより本数を少
なくした。また、同一条件として、酸性成分除去のため
消石灰粉を、ダイオキシン除去のため活性炭粉(消石灰
粉に5%混合させた)を採用し、消石灰の酸性成分(H
Cl)に対する当量比は3とし、処理排ガス温度は18
0℃とした。なお、HCl濃度およびダイオキシン濃度
は、バグフィルタ装置出口(煙突入口)の値であり、ダ
イオキシン濃度は毒性等価換算濃度である。
【0038】表1によると、高速ろ過バグフィルタを採
用した実施例1、2は、ろ過速度を2.0、3.0m/
minと高い値にしても、払い落とし頻度やパルスジェ
ット圧力をほとんど上昇させずに、通常のろ過速度であ
る比較例1と比較して、処理後のダイオキシン濃度およ
びHCl濃度がほぼ同じ濃度水準となった。すなわち、
ろ過速度を上昇させても、同等の除去水準が得られるこ
とが確認できた。差圧は、標準の比較例1に対して実施
例はやや高い値となったが、問題のない範囲であった。
【0039】比較例2は、本発明の払い落とし方法を採
用しないで、通常の払い落とし方法のままろ過速度を上
昇させたものであり、払い落とし頻度を大きくし、パル
スジェット圧力を高くして、払い落としの強化を図った
にもかかわらず、差圧は通常の2倍程度と高い値とな
り、さらにHCl濃度とダイオキシン濃度は、他の水準
と比べて極端に高い濃度となった。すなわち、従来の払
い落とし方法では、2.0m/min以上の高ろ過運転
を事実上達成できないことが確認できた。
【0040】言い換えると、高速ろ過バグフィルタを採
用すれば、有害成分除去性能を確保したまま、差圧の大
きな上昇を伴わずに、従来不可能であった1.5m/m
in以上の例えば3.0m/minの高ろ過速度の運転
が可能であることが確認できた。また、本発明の払い落
とし方法を採用した高速ろ過バグフィルタ装置は、高速
ろ過運転を達成できるので、従来に比べて装置占有面積
を1/2以下に縮小でき、大幅なコストダウンが達成で
きる。
【0041】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
は、焼却炉等からの排ガスに含まれる煤塵をろ布群によ
って集塵除去するパルスジェット式の高速ろ過バグフィ
ルタ装置であって、ろ布群を仕切板により複数の区画に
分割し、一区画ごとに排ガスの流れを遮断する開閉ダン
パを配設し、開閉ダンパを閉としたときに、一区画内の
複数のろ布に堆積した煤塵をパルスジェットにより順次
払い落とし、これら一連の払い落とし操作を全区画に亘
って順次行うように構成したので、従来、運転が困難で
あった高ろ過速度の操業をダイオキシン等の有害成分除
去性能を低下させることなく達成することができ、以
て、コンパクトな反応バグフィルタ装置を提供すること
ができる。
【0042】また、ろ布を通過する平均的な排ガスのろ
過速度を、1.5〜3.0m/minとしたので、従
来、運転が困難であった1.5〜3.0m/minの高
ろ過速度の操業を、ダイオキシン等の有害成分除去性能
を低下させることなく効率よく安定した状態で達成する
ことができ、以て、コンパクトな反応バグフィルタ装置
を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の概略立面図である。
【図2】図1の上部断面図である。
【図3】従来のバグフィルタ装置の概略立面図である。
【図4】図3の上部断面図である。
【符号の説明】
1 高速ろ過バグフィルタ装置の本体 2 排ガス導入ダクト 3 排ガス排出ダクト 8 パルスジェット噴射管 9 ろ布 10 仕切板 11,11a 開閉ダンパ A〜F 区画
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 秋山 肇 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 Fターム(参考) 3K070 DA02 DA05 DA07 DA32 4D058 JA04 LA05 MA15 MA25 NA01 PA04 UA25

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 焼却炉等からの排ガスに含まれる煤塵を
    ろ布群によって集塵除去するパルスジェット式バグフィ
    ルタ装置において、 前記ろ布群を仕切板により複数の区画に分割して一区画
    ごとに排ガスの流れを遮断する開閉ダンパを配設し、前
    記開閉ダンパを閉としたときに、前記一区画内の複数の
    ろ布に堆積した煤塵をパルスジェットにより順次払い落
    とし、これら一連の払い落とし操作を全区画に亘って順
    次行うように構成したことを特徴とする高速ろ過バグフ
    ィルタ装置。
  2. 【請求項2】 ろ布を通過する平均的な排ガスのろ過速
    度を、1.5〜3.0m/minとしたことを特徴とす
    る請求項1記載の高速ろ過バグフィルタ装置。
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