JP2004261766A - 湿式バグフィルタ装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】前段から流入した排ガスを浄化処理する浄化処理室3と浄化処理後のクリーンな排ガスを後段に流出するクリーンルーム4の境界部に、液体の通過を阻止し気体の通過を許容する膜部材を母材表面に設けて構成され、燃焼炉で生じた排ガスから煤塵を除去する濾布5を備え、前記濾布5による排ガスの濾過工程中に、前記濾布の表面に洗浄液を供給する第一洗浄液供給装置6を備える。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、廃棄物焼却炉や溶融炉または火力発電用ボイラ装置などの燃焼炉で生じた排ガスを浄化処理する排ガス処理設備に関し、特にバグフィルタ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
燃焼炉で生じた排ガスから、煤塵、酸性ガス成分、ダイオキシン類、重金属などを除去するために、図5に示すように、前段から流入した排ガスを浄化処理する浄化処理室3と浄化処理後のクリーンな排ガスを後段に流出するクリーンルーム4の境界部に、燃焼炉で生じた排ガスから煤塵を除去する濾布5を備えたバグフィルタ装置が使用される。前記バグフィルタ装置の濾布5部分は排ガスから分離除去された煤塵などの汚物が付着堆積するため、定期的にノズル20から濾布内に高圧空気を噴出させて濾布表面の煤塵層21を振い落とすクリーニング機構を設けてフィルタ性能を維持するように構成されている。また、濾布で除去された煤塵等の濾布に対する剥離性の向上と酸性成分の除去を目的として、バグフィルタ装置の上流側煙道に消石灰などの粉末アルカリ剤を吹き込むアルカリ噴霧装置を設ける技術や、排ガス中のダイオキシン類の除去を目的として、バグフィルタ装置の上流側煙道に活性炭粉末を吹き込む活性炭噴霧装置を設ける技術などが開発されている。さらに、前記濾布の結露による目詰まりの防止を目的として、バグフィルタ装置のホッパー部壁面に電気ヒータを配設して加熱する技術も提案されている。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−017813号公報
【0004】
【特許文献2】
特開2001−327833号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述したアルカリ噴霧装置を設けるものは、アルカリ剤として使用される消石灰が、煤塵とともに濾布で捕集された後にホッパー部に落下回収され、飛灰として排出されることになるが、そのため飛灰量が大幅に増加するという問題があった。回収された飛灰は産業廃棄物として埋め立て処理されるが、一般に飛灰には水溶性の塩類が多く含まれるので埋立地で溶出する可能性もある。特に、燃焼炉の一例である溶融炉では、その排ガスに含まれる煤塵に、濾布への付着性の高い金属塩化物などの塩類が多く含まれており、上述したクリーニング機構によっても十分にクリーニングされずに濾布表面での目詰まりが進行して、経時的には差圧が上昇して操炉が困難になったり、クリーニングの際に濾布の破損事故が発生するので、高価な濾布を定期的または不定期に交換する必要がありランニングコストが上昇するという問題や、粉塵が飛散する中での人手による濾布の交換という劣悪な環境で作業しなければならないという問題があった。
【0006】
また、飛灰排出による産業廃棄物の増加対策と飛灰中の有価金属の再資源化のため、飛灰の山元還元処理が試行されているが、飛灰に含まれる消石灰由来のカルシウム分や上述した活性炭などの吸着剤が混入していると、それらを分離除去するためのコストが嵩み実現性が疑問視されている。
【0007】
上述したホッパー部壁面に電気ヒータを配設して加熱するものでは、ヒータ設置箇所の局所的高温により壁面付着煤塵からダイオキシンが再合成される可能性があるという問題もあった。
【0008】
一方、消石灰噴霧装置に代えてバグフィルタ装置の上流側煙道にアルカリ水溶液噴霧装置を設けて、排ガス温度を濾布の許容温度まで低下させるとともに、排ガス中の酸性成分を中和する技術も開発されているが、設備コストが嵩むとともに、生成した塩が煙道に付着成長するため、定期的なメンテナンスが不可欠となりランニングコストも嵩むという問題があった。
【0009】
本発明は上述した従来の問題点に鑑みてなされたものであり、濾布の目詰まりを防止して長寿命化を達成するとともに、効率良く酸性ガスを中和し、しかも飛灰の発生量を低減させることのできる全く新しい湿式バグフィルタ装置を提供する点にある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するため、本発明による湿式バグフィルタ装置の特徴構成は、特許請求の範囲の欄の請求項1に記載した通り、前段から流入した排ガスを浄化処理する浄化処理室と浄化処理後のクリーンな排ガスを後段に流出するクリーンルームの境界部に、燃焼炉で生じた排ガスから煤塵を除去する濾布を備え、前記濾布による排ガスの濾過工程中に、前記濾布の表面に洗浄液を供給する第一洗浄液供給装置を備えてある点にある。
【0011】
排ガスの濾過工程中に濾布によって排ガスから除去された煤塵等が洗浄液により洗浄され濾布から流れ落ちるので、定期的に特別のクリーニング処理を行なわなくとも除去物の付着堆積による濾布の目詰まりの発生という問題が解消される。これにより、濾布が破損することなく常に差圧が低い状態に維持されるので、長期にわたり濾布を交換する必要がなく連続運転が可能となる。そして、濾布の交換作業が必要となった場合でも、浄化処理室に粉塵が堆積することがないので作業環境が改善されることになる。また洗浄液による濾布の洗浄時に排ガスに含まれる酸性ガス成分や煤塵に含まれる塩類が洗浄液に溶出するので、別途の湿式洗煙装置を設けなくとも排ガスの浄化効率が向上するばかりでなく、従来の乾式バグフィルタで必要とされた結露防止用ヒータによる局部加熱によるダイオキシンの再合成という問題も解消されるのである。尚、洗浄液は、前記濾布の前記浄化処理室側の表面に供給することが好ましいが、クリーンルーム側から浄化処理室側に向けて供給することも可能である。
【0012】
上述の特徴構成に加えて、前記濾布は、軸心が上下方向に沿った筒状体で構成され、前記第一洗浄液供給装置は、前記濾布の上部から下部に向けて洗浄液が流下するように供給するノズルを設けて構成してあることが好ましい。
【0013】
このように構成すれば、ノズルから濾布の上部に供給された洗浄液が濾布表面に沿って流下する際に濾布の下部も洗浄されるので、効率良く濾布の洗浄が可能となるのである。尚、浄化処理室とクリーンルームの境界部に設置される筒状体の濾布は、浄化処理室側に凸形状で設置しても、クリーンルーム側に凸形状で設置してもいずれでも良い。筒状体の内部にノズルを設置すれば、筒状体外部に設置する場合に比べて、単一または少ないノズル数で均一に濾布に洗浄液を供給できるので効率がよい。
【0014】
ここで、前記濾布は、液体の通過を阻止し気体の通過を許容する膜を母材表面に設けて構成されていることが好ましく、このように構成すれば洗浄液が濾布表面を流下して濾布の裏面に浸潤することなく適切に濾布が浄化処理される一方、排ガスは差圧の低い状態で膜を通過して後段の煙道に導かれるのである。
【0015】
前記濾布による排ガスの濾過工程中に、前記浄化処理室の排ガスに洗浄液を供給する第二洗浄液供給装置を備えてあることが好ましく、このように構成すれば、排ガスが濾布に到達する以前に塩類を中心とする煤塵や酸性ガスが第二洗浄液供給装置により供給された洗浄液に溶解捕捉され、濾布への負荷を低減することが可能となるばかりでなく、高温の排ガスが洗浄液により減温されるので、ダイオキシンの再合成が確実に阻止されるのである。
【0016】
この場合に、前記第一洗浄液供給装置に前記濾布の表面に洗浄液を噴霧供給する第一噴霧ノズルを設けるとともに、前記第二洗浄液供給装置に前記浄化処理室の排ガスに洗浄液を噴霧供給する第二噴霧ノズルを設け、前記第二噴霧ノズルから噴霧される洗浄液の液滴径が前記第一噴霧ノズルから噴霧される洗浄液の液滴径よりも小さくなるように構成してあることが好ましく、このように構成することにより、浄化処理室に流入する排ガスから液滴径の小さな洗浄液で塩類を中心とする煤塵や酸性ガスを効率的に溶解捕捉するとともに排ガスの減温効果を高めることができ、しかも、液滴径の大きな洗浄液で濾布に対する洗浄効果を高めることができるのである。
【0017】
前記第二洗浄液供給装置を、前記浄化処理室の排ガス流入部に設けてあれば、流入した排ガスの浄化処理が効率的に行なえるとともに、浄化処理室の温度を低く維持できるので、浄化処理室壁面の高温腐食を回避することができる点で好ましい。
【0018】
前記浄化処理室の底部に洗浄液回収槽を設けるとともに、前記洗浄液回収槽で回収された洗浄液を前記第一洗浄液供給装置に循環供給する洗浄液循環装置を設けてあることが好ましく、このように構成すれば、洗浄液を効率的に使用できるので、ランニングコストを低く抑えるとともに、洗浄液の処理設備を小型に構成することが可能となる。
【0019】
前記洗浄液循環装置に回収煤塵類を除去するフィルタ機構を設けてあることが好ましく、洗浄液に含まれる煤塵や不溶性の塩類などの固形成分が除去されるので、洗浄液を循環させても、循環経路やノズルに固形物による目詰まりなどの問題が発生することなく安定して連続運転できるのである。
【0020】
前記洗浄液循環装置に、回収洗浄液を所定温度に調整して再供給する温度調整機構を設けてあれば、高温の排ガスの減温効果を一定に維持できるのである。
【0021】
前記洗浄液循環装置に再供給洗浄液のpH値を調整するpH値調整機構を設けてあることが好ましい。一般に、排ガスに含まれるSOxやHClなどの酸性ガスや塩類は水溶性であり中性で十分に溶解できるが、強アルカリになると洗浄液の粘性が高くなり取り扱いが困難となり、酸性が強くなれば浄化処理室や循環経路を腐食する。そこで、pH値調整機構によりpH値を中性ないし弱酸性から弱アルカリ性に維持することにより常に良好に排ガスの浄化処理が可能となるのである。
【0022】
上述した通り、一般に、排ガスに含まれるSOxやHClなどの酸性ガスや塩類は水溶性であり中性で十分に溶解できるので、前記洗浄液は、水またはアルカリ水溶液であればよく、特にナトリウム系アルカリ水溶液であれば安価に入手でき、酸性ガスとの反応効率もよい。しかも、従来の乾式バグフィルタで使用されたような消石灰由来のカルシウム成分がないので、洗浄液からスラリーとして分離抽出される飛灰量も低減できるのである。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を説明する。湿式バグフィルタ装置は、廃棄物焼却炉や溶融炉または火力発電用ボイラ装置などの燃焼炉で生じた排ガスを煙突に導く煙道に設置され、排ガスに含まれる煤塵や酸性ガスなどの有害物質を除去して浄化する排ガス処理設備で、図1に示すように、前段の煙道1から流入した排ガスを浄化処理する浄化処理室3と浄化処理後のクリーンな排ガスを後段の煙道2に流出するクリーンルーム4の境界部に、燃焼炉で生じた排ガスから煤塵などを除去する濾布5を備え、前記濾布5による排ガスの濾過工程中に、前記濾布5の前記浄化処理室3側の表面に洗浄液を供給する第一洗浄液供給装置6と、前記濾布による排ガスの濾過工程中に、前記浄化処理室3の排ガスに洗浄液を供給する第二洗浄液供給装置7を備えるとともに、前記浄化処理室3の底部に洗浄液回収槽8を設けて、前記洗浄液回収槽8で回収された洗浄液を前記第一洗浄液供給装置6及び前記第二洗浄液供給装置7に循環供給する洗浄液循環装置9を設けて構成してある。
【0024】
前記濾布5は、液体の通過を阻止し気体の通過を許容する膜部材を濾布母材の浄化処理室側表面に設けて、軸心が上下方向に沿った筒状体に構成してあり、前記筒状体の濾布を、浄化処理室側に凸形状で設置してある。前記膜部材は、例えば、フッ素系繊維からなる多孔質膜部材が使用可能で、ポリテトラフルオロエチレンなどが好適であり、母材としては、テフロン系の耐熱性不織布やガラス繊維系の織布などが採用できる。
【0025】
前記第一洗浄液供給装置6は、前記濾布5の周囲から噴霧して濾布の上部から下部に向けて洗浄液が流下しながら濾布表面が洗浄されるように供給する複数のノズル6aを、前記浄化処理室3の天面に均一に分散設置して、洗浄液を供給する洗浄液供給管6bに接続して構成してある。
【0026】
前記第二洗浄液供給装置7は、前記浄化処理室3の排ガス流入部1aから流入する排ガスに霧状の洗浄液を噴霧する第二噴霧ノズル7aと、その第二噴霧ノズル7aに洗浄液を供給する洗浄液供給管7bとで構成してあり、前記第二噴霧ノズル7aから噴霧される洗浄液の液滴径が前記第一噴霧ノズル6aから噴霧される洗浄液の液滴径よりも小さくなるように構成してある。従って、前記第二噴霧ノズル7aから噴霧される小径の液滴噴霧により、効果的に約500℃から900℃の高温で流入する排ガスが約200℃以下に減温されるとともに、排ガス中に含まれる酸性ガスや水溶性の塩類が溶解して洗浄液中に取り込まれ、前記第一噴霧ノズルから噴霧される大径の液滴噴霧により、効果的に濾布表面が洗浄されて、常に良好なフィルタリング性能が維持される。
【0027】
前記洗浄液循環装置9は、前記洗浄液回収槽8に回収された使用済の洗浄液を浄化再生して前記第一及び第二洗浄液供給装置7に循環供給するもので、前記洗浄液回収槽8の排出口8aから排出された洗浄液から難溶性、不溶性の塩類や煤塵でなる飛灰をスラリーとして回収するフィルタ機構10としてのフィルタープレスと、前記フィルタ機構10により固形成分が分離回収された約80℃の洗浄液を約50℃以下に減温する温度調節機構11としての冷却水槽と、前記冷却水槽により所定温度に冷却された洗浄液を循環するポンプ(図示せず)と循環用供給管12で構成してある。尚、前記フィルタ機構10により回収されたスラリーはカルシウム成分の含有量が低く、また従来のダイオキシン吸着用の活性炭を含んでいないので、容易に山元還元ができるのであり、特に溶融炉の排ガスに適用した場合に効果が顕著である。
【0028】
前記洗浄液循環装置9には、酸性ガスを取り込み酸性になった使用済みの洗浄液を弱酸性から弱アルカリ性の範囲になるようにpH値を調整して系の腐蝕を回避するpH値調整機構13を設けてある。前記pH値調整機構13は、前記洗浄液回収槽8に設置されたpHセンサ13aと、ナトリウム系アルカリ水溶液(水酸化ナトリウム水溶液)を供給するアルカリ水溶液供給機構13bと、前記pHセンサ13aにより検出されたpH値が5〜9の範囲を維持するように前記アルカリ水供給機構13bからのアルカリ水の供給量を制御する制御機構13cとで構成される。尚、前記冷却水槽には、洗浄処理工程やフィルタ機構10による洗浄液の散逸による減量を補充する補給水供給機構が設けられているが、補給水供給機構による補給量は、前記pH値調整機構13の制御機構13cにより制御されるものであってもよい。この場合には、冷却水槽に液位センサを設けて、その検出値を前記制御機構13cに入力するように構成し、液位とpH値を同時に調整するように構成すればよい。
【0029】
以下に別実施形態を説明する。
上述の実施形態では、液体の通過を阻止し気体の通過を許容する膜部材としてポリテトラフルオロエチレンPTEFを用いるものを説明したが、素材はこれに限定するものではなく適宜選定すればよく、母材も上述したもの以外に適宜選定できる。また、濾布を、軸心が上下方向に沿った筒状体に構成して浄化処理室側に凸形状で設置したものを説明したが、図4実示すように、クリーンルーム4側に凸形状で設置するものであってもよい。この場合には、筒状体の内部上方位置に第一噴霧ノズル6aを設ければ効率よく濾布の洗浄ができる。
【0030】
上述の実施形態では、第二洗浄液供給装置7を、前記浄化処理室3の排ガス流入部1aから流入する排ガスに霧状の洗浄液を噴霧する第二噴霧ノズル7aを前記排ガス流入部1aの直近に設置したものを説明したが、図2に示すように、前記浄化処理室3の内部であって、前記濾布5の設置領域と前記洗浄液回収槽8の間に形成される空間部上方に複数の第二洗浄液噴霧ノズル7aを均等に分散配置してこのガス冷却空間で排ガスの浄化及び冷却処理を行なってもよい。
【0031】
さらには、図3に示すように、前記ガス流入部1aの管端部を前記洗浄液回収槽8に貯留している洗浄液内に潜らせて配置し、流入排ガスが洗浄液内から浄化処理室に供給されるように構成することで、排ガスの減温、浄化効率を向上させることも可能であるし、前記ガス流入部1aの管端部を前記貯留洗浄液の液面に対向させて排ガスが洗浄液に向かって流入するように構成してもよい。
【0032】
前記第二洗浄液供給装置7は必ずしも湿式バグフィルタ装置に備える必要は無く、その場合には第一洗浄液供給装置6がその機能を兼用することになる。
また、前記第二洗浄液供給装置7とともに、または第二洗浄液供給装置7に代えて、前記湿式バグフィルタ装置の上流側煙道に水を噴霧して酸性ガスの溶解除去処理と排ガスの減温処理を行なう減温塔を設けて同様の機能を実現することも可能である。
【0033】
上述したいずれの実施形態においても、酸性ガスや煤塵に含まれる塩が可溶性のため、洗浄液は水またはアルカリ水溶液を使用でき、アルカリ水溶液に限定するものではない。アルカリ水溶液を使用する場合には安価に入手できるナトリウム系の水溶液、水酸化ナトリウム水溶液を用いるのが好適である。
【0034】
また、前段から流入した排ガスを浄化処理する浄化処理室と浄化処理後のクリーンな排ガスを後段に流出するクリーンルームの境界部に、燃焼炉で生じた排ガスから煤塵を除去する濾布を備え、前記濾布による排ガスの濾過工程中に、前記濾布の表面に洗浄液を供給する第一洗浄液供給装置を備えてあれば、濾過処理を行ないながら濾布の洗浄作業も同時に行なえる点で乾式バグフィルタと比較して優れたものとなる。
【0035】
上述した実施形態では、洗浄液循環機構を備えて洗浄液を循環供給するものを説明したが、洗浄液を循環させずに直ちに排水処理設備で処理するように構成するものであってもよい。
【0036】
上述した複数の実施形態を適宜組み合わせて湿式バグフィルタ装置を構成することが可能であることはいうまでも無く、複数種類の燃焼炉の排ガス処理に適用できる。
【0037】
【発明の効果】
以上説明した通り、本発明によれば、濾布の目詰まりを防止して長寿命化を達成するとともに、効率良く酸性ガスを中和し、しかも飛灰の発生量を低減させることのできる全く新しい湿式バグフィルタ装置を提供することができるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による湿式バグフィルタ装置の構成図
【図2】別実施形態を説明する湿式バグフィルタ装置の構成図
【図3】湿式バグフィルタ装置の構成図
【図4】湿式バグフィルタ装置の構成図
【図5】従来の乾式バグフィルタ装置の構成図
【符号の説明】
3:浄化処理室、4:クリーンルーム、5:濾布、6:第一洗浄液供給装置、7:第二洗浄液供給装置、8:洗浄液回収槽、9:洗浄液循環装置
Claims (11)
- 前段から流入した排ガスを浄化処理する浄化処理室と浄化処理後のクリーンな排ガスを後段に流出するクリーンルームの境界部に、燃焼炉で生じた排ガスから煤塵を除去する濾布を備え、前記濾布による排ガスの濾過工程中に、前記濾布の表面に洗浄液を供給する第一洗浄液供給装置を備えてある湿式バグフィルタ装置。
- 前記濾布は、軸心が上下方向に沿った筒状体で構成され、前記第一洗浄液供給装置は、前記濾布の上部から下部に向けて洗浄液が流下するように供給するノズルを設けて構成してある請求項1記載の湿式バグフィルタ装置。
- 前記濾布は、液体の通過を阻止し気体の通過を許容する膜部材を母材表面に設けて構成されている請求項1または2記載の湿式バグフィルタ。
- 前記濾布による排ガスの濾過工程中に、前記浄化処理室の排ガスに洗浄液を供給する第二洗浄液供給装置を備えてある請求項1から3のいずれかに記載の湿式バグフィルタ装置。
- 前記第一洗浄液供給装置に前記濾布の表面に洗浄液を噴霧供給する第一噴霧ノズルを設けるとともに、前記第二洗浄液供給装置に前記浄化処理室の排ガスに洗浄液を噴霧供給する第二噴霧ノズルを設け、前記第二噴霧ノズルから噴霧される洗浄液の液滴径が前記第一噴霧ノズルから噴霧される洗浄液の液滴径よりも小さくなるように構成してある請求項4記載の湿式バグフィルタ装置。
- 前記第二洗浄液供給装置は、前記浄化処理室の排ガス流入部に設けてある請求項4または5記載の湿式バグフィルタ装置。
- 前記浄化処理室の底部に洗浄液回収槽を設けるとともに、前記洗浄液回収槽で回収された洗浄液を前記第一洗浄液供給装置に循環供給する洗浄液循環装置を設けてある請求項1から7のいずれか1項に記載の湿式バグフィルタ装置。
- 前記洗浄液循環装置に回収煤塵類を除去するフィルタ機構を設けてある請求項7記載の湿式バグフィルタ装置。
- 前記洗浄液循環装置に、回収洗浄液を所定温度に調整して再供給する温度調整機構を設けてある請求項7または8記載の湿式バグフィルタ装置。
- 前記洗浄液循環装置に再供給洗浄液のpH値を調整するpH値調整機構を設けてある請求項7から9のいずれか1項に記載の湿式バグフィルタ装置。
- 前記洗浄液は、水またはナトリウム系アルカリ水溶液である請求項1から10のいずれか1項に記載の湿式バグフィルタ装置。
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