JP2023024698A - 脱臭設備および脱臭方法 - Google Patents

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Abstract

Figure 2023024698000001
【課題】気液接触効率が高く、脱臭効果の高い脱臭設備を提供すること。
【解決手段】気液接触により、臭気ガスから臭気成分を除去する気液接触フィルタ8を備え、前記気液接触フィルタ8は、袋構造のフィルタユニット40が複数個並列に配置されてなり、前記臭気ガスは、複数の前記フィルタユニット40の内部にそれぞれ供給され、各フィルタユニット40を膨張させ、膨張した前記フィルタユニット40の濾過面を通って外部へ流れ出る構成とされ、前記フィルタユニット40には、対向する濾過面間を接合した接合部50が設けられ、前記接合部50が前記フィルタユニット40の膨張を抑制することにより、膨張した前記フィルタユニット40の濾過面42と隣接する膨張した前記フィルタユニット40の濾過面42の接触が抑止される。
【選択図】図1

Description

本発明は、臭気ガスの脱臭を行う脱臭設備および脱臭方法に関する。
本発明は、例えばアンモニア、アルデヒド類(アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ホルムアルデヒド等)、有機酸などの難分解性の臭気成分を含有する親水性の臭気ガスの脱臭設備である。
ガス中から前記臭気成分を除去する方法として、活性炭(ヤシ殻、石炭、木粉などを主原料とする)等の吸着剤を用いる吸着法がある。この吸着法に用いる吸着剤(活性炭など)は、そのままの状態では臭気成分を吸着する能力が低いため、吸着剤にクエン酸、苛性ソーダなどの化学物質を添着する処理が行われる。このように、活性炭に化学物質が添着されているため、活性炭の再生利用が困難であり、吸着法はランニングコストが高くなるという問題がある。
臭気成分を除去する方法は、気液接触方法が優れている。気液接触方法は、前記臭気成分が親水性であることを利用し、気体に液体を接触させることによって、液体中に臭気成分を溶解させ、その臭気成分を化学的に無臭化するものである。化学的無臭化の例としては、液体中で生じる酸・アルカリ反応や、液体に含まれる酸化物質(例えば次亜塩素酸、過酸化水素、オゾン)による酸化分解反応に拠るものを挙げることができる。
一般的な気液接触方法としては、充填材シャワー方式やミスト噴霧混合方式がある。
充填材シャワー方式の脱臭設備は、臭気ガスの給気口を下部に、脱臭ガスの排気口を上部に備えた脱臭塔と、脱臭塔の内部に設けた充填材と、充填材に向けて上方から薬液を噴射する噴射ノズルが設けられている。脱臭塔に供給された臭気ガスと、ノズルから噴射された薬液は、充填材上で接触することで脱臭され、脱臭ガスは排気口から排気される。充填材に噴霧され、脱臭成分を吸収した薬液は、脱臭塔下部の循環槽に落下した後、循環液としてポンプを介して噴射ノズルに返送される。
他方、ミスト噴霧混合方式では、例えば下記特許文献1のように、脱臭塔やダクト内に臭気ガスを供給し、供給した臭気ガスに消臭液を噴霧し、消臭液と臭気ガスを反応させることによって脱臭する。消臭剤(化学物質)によって臭気成分を分解し、または変質し、無臭化するものである。
充填材シャワー方式やミスト噴霧混合方式による脱臭は、活性炭などを用いた吸着法と比べて、ランニングコストが安いという利点がある。
特開平9-882号公報
前記気液接触においては、気液接触効率を高めることが望まれるが、前記充填材シャワー方式には下記のようないくつかの問題点がある。
(充填材)
接触効率を高めるためには、充填材の濡れ面積を大きくする必要がある。そのため充填材を収納する脱臭塔の寸法や容積が大きくなる傾向があり、イニシャルコストが高いという問題がある。
また、サイズが小さく密度が高い充填材ほど接触効率が優れる傾向があるが、そのような充填材はダストや反応生成物によって目詰まりするおそれが高い。そのため、サイズが大きく(例えば、ラシヒリング(Raschig ring)の直径と長さが、それぞれ10mm~50mm程度)、密度が低い(空隙率が60%~80%程度)の充填材を使用せざるを得ないという問題がある。
さらに、大気の塵芥や循環液の汚れなどによって、充填材が目詰まりし、通気抵抗が増大する。そのため、充填材を定期的に入れ替えて、洗浄することが必要であるという問題がある。
(循環液)
気液接触の接触効率を最大化するため、気液比を2~5L/m程度にして、循環水量を多くする必要がある。そのため、水の循環に用いるポンプの動力が大きくなるという問題がある。
噴射ノズルから薬液をシャワーした際に、微粒ミストが飛散し、その一部が蒸発するため、薬液濃度が高くなる。また、臭気ガスが充填材の内部を通気する際に、臭気成分が循環液に取り込まれ、循環液中の薬剤と臭気成分が反応して、臭気成分を無臭化する。そのため、脱臭設備の運転時間が長くなるにつれて、循環液内に存在する脱臭能力のある薬剤の濃度が低下する傾向があり、循環液内の前記薬剤の濃度管理が必要になるという問題がある。すなわち、脱臭効果を低下させないために、循環液内に存在する脱臭能力のある薬剤の濃度を一定に保つ必要があるという問題がある。
また、脱臭設備の運転に伴い、脱臭塔の下方に設けられた循環液貯留槽内にヘドロが堆積するため、定期的な槽内洗浄や循環液の入れ替えが必要になるという問題もある。
(通気速度)
臭気ガスが充填材を通り抜ける速度が遅いほど気液接触時間が長くなり、気液接触効率が高まる。また、通気圧力の損失を抑える必要もある。そのため、臭気ガスの通気速度を1.5~2.0m/s程度まで遅くする必要がある。
しかし、通風速度を遅くすると、単位時間当たりの脱臭処理量が減ってしまうという問題がある。
(ミスト噴霧混合方式)
ミスト噴霧混合方式は、臭気ガス中の臭気成分の濃度が低い場合や、臭気ガス量が少ない場合や、局所的に脱臭する場合には効果的である。しかし、消臭剤のコストが高いため、臭気ガスが高濃度である場合や、臭気ガス量が多い場合や、消臭塔が大きい場合には適さないという問題がある。
本発明は、以上のような問題を解決するためになされたものであり、気液接触効率が高く、脱臭効果の高い脱臭設備を提供することにある。
上記課題を解決した本発明は次記のとおりである。
(1)気液接触により、臭気ガスから臭気成分を除去する気液接触フィルタを備え、
前記気液接触フィルタは、袋構造のフィルタユニットが複数個並列に配置されてなり、
前記臭気ガスは、複数の前記フィルタユニットの内部にそれぞれ供給され、各フィルタユニットを膨張させ、膨張した前記フィルタユニットの濾過面を通って外部へ流れ出る構成とされ、
前記フィルタユニットには、対向する濾過面間を接合した接合部が設けられ、
前記接合部が前記フィルタユニットの膨張を抑制することにより、膨張した前記フィルタユニットの濾過面と隣接する膨張した前記フィルタユニットの濾過面の接触を抑止する構成とした、
ことを特徴とする脱臭装置。
(作用効果)
膨張を抑制する接合部をフィルタユニットに設けることで、接合部を設けない場合と比べて、より多くのフィルタユニットを並列に複数個配置することができる。
(2)前記接合部は、少なくとも前記フィルタユニットの中央部に設けられている前記(1)記載の脱臭装置。
(作用効果)
フィルタユニットの端部に接合部を設けるよりも、フィルタユニットの中央部に接合部を設けるほうが、フィルタユニットの膨張の抑制効果が高い。
(3)前記接合部は、前記フィルタユニットの内部に供給された前記臭気ガスの流れ方向に沿って、線状に設けられている前記(1)記載の脱臭装置。
(作用効果)
前記接合部によって臭気ガスの流れが遮断されないため、前記フィルタユニットの内部で乱流が生じにくくなり、臭気成分の除去効率が高まる。
(4)前記気液接触フィルタは、
複数個の前記フィルタユニットを束ねて一体化したカートリッジである前記(1)記載の脱臭装置。
(作用効果)
フィルタユニットをカートリッジ式にすることで、フィルタユニットの交換や増減が容易になる。
(5)前記(1)記載の脱臭装置を備えた脱臭設備であって、
前記脱臭設備はオゾン生成装置を有し、
前記オゾン生成装置で生成したオゾンは、液体に溶解され、前記気液接触フィルタに供給される構成とした、
ことを特徴とする脱臭設備。
(作用効果)
気液接触フィルタに供給する液体にオゾンを含ませることで、脱臭成分の除去が容易になる。添加剤の代わりにオゾンを用いると、添加剤のコストがかからないため、ランニングコストを大幅に抑えることができる。
(6)請求項1記載の脱臭装置を備えた脱臭設備であって、
前記脱臭設備は加湿装置を有し、
前記加湿装置で加湿された前記臭気ガスが前記脱臭装置に供給される構成とした、
ことを特徴とする脱臭設備。
(作用効果)
臭気ガスを脱臭装置に供給する前に、加湿装置で加湿することで、脱臭装置における脱臭効果を上げることができる。すなわち、加湿装置の噴射口から噴射されたミストは、臭気ガス中に急速に拡散し、親水性の臭気ガスの臭気成分を吸収する。そして、加湿された臭気ガスは、気液接触フィルタを通過する際に、循環液中の薬剤と混ざり、脱臭反応が行われる。このように、臭気ガスを予め加湿することで、臭気ガス中の臭気成分の捕集効率が高まり、高い脱臭効果を得ることができる。
本発明によれば、気液接触効率が高く、脱臭効果の高い脱臭設備を提供することができる。
本発明に係る脱臭設備の概略図である。 脱臭設備の概略図である。 脱臭装置の側面図である。 脱臭装置の平面図である。 脱臭装置の正面図である。 フィルタユニットの設置パターンのバリエーションを示す平面図である。 接合部の設置パターンのバリエーションを示す正面図である。 フィルタユニットが膨張した状態を示す平面図である。
以下、本発明に係る脱臭設備1の好適な実施例について、図面を参照しながら説明する。以下の説明及び図面は、本発明の実施形態の一例を示したものにすぎず、本発明の内容をこの実施形態に限定して解釈すべきではない。
(脱臭設備1)
本発明に係る脱臭設備1の一例を図1に示す。この脱臭設備1は、臭気ガスF1を加湿する加湿装置2、加湿した臭気ガスF2を脱臭する脱臭装置4などを含む。以下に、脱臭設備1の詳細について詳述する。
(臭気ガスFG)
脱臭設備1によって処理される臭気ガスFGは、例えば廃棄物焼却炉や塗装工場からの排ガス、ゴム加硫排ガス、アルミ溶解炉排ガスなどを挙げることができる。臭気ガスFG中の臭気成分としては、例えばアルデヒド類(アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、イソブチルアルデヒド、イソパレルアルデヒド、ホルムアルデヒドなど)、ノルマル酪酸、ノルマル吉草酸、アンモニアなどを挙げることができる。
前記臭気ガスFGは親水性であり、前記臭気ガスFG中の臭気成分は分解しづらい難分解性物質である。そのため、強酸化物質である過水やオゾンによる分解脱臭が必要となる。
(加湿装置2)
脱臭装置4で脱臭する前に、加湿装置2によって臭気ガスFGを加湿する。図1の加湿装置2は、横長の円筒形であり、図面左側から右側へ臭気ガスFGが流通する。加湿装置2の上方から加湿装置2内部に噴霧管3が挿入されており、噴霧管3の下部に設けられたノズルから、臭気ガスFG(FG1)に向かってミストMを噴霧することによって、臭気ガスFG(FG1)の加湿を行う。図1の脱臭装置4は、噴霧管3を2本挿入し、一方の噴霧管3のノズルから給気口側に噴霧し、他方の噴霧管3のノズルから排気口側に噴霧する構造である。以上のように2本の噴霧管3を設けて、それぞれ正反対の方向に噴霧する構造にすることで、単位風量当りの噴霧量を多くし、噴霧液を均一に拡散させることができる。このように、臭気ガスFGにミストMを噴霧することで、臭気ガスFG(FG1)を加湿することができる。ミストMの噴霧により、臭気ガスFG(FG2)の湿度を90%以上にすることが好ましく、99%以上にすることがより好ましい。臭気ガスFG(FG2)の湿度が90%に満たない場合、後段の脱臭装置4のスプレーノズル7から臭気ガスFG(FG2)を噴霧したときに、噴霧液が蒸発する結果、循環液内の臭気成分濃度が高くなるという問題が生じるからである。
(脱臭装置4)
加湿装置2で加湿された臭気ガスFG(FG2)は、脱臭装置4に供給される。この脱臭装置4は、上方に給気口5が、側方に排気口6が設けられている。図1の脱臭装置4では、容器22の天井中央部に給気口5が、容器22の高さ方向中間部の側方に排気口6が設けられている。容器22の上部に供給液W2を散布するスプレーノズル7が設けられ、容器22の中間部に気液接触フィルタ8が設けられている。また、スプレーノズル7から散布された供給液W2は、気液接触フィルタ8を通過した後、下方へ落下するが、この落下した液体(貯留液W3)は、容器22の下部に設けられた貯留部25で貯留される。
(スプレーノズル7)
スプレーノズル7は供給管30(配管)に取り付けられている。散布される供給液W(W2)の粒子径(Feret径)が、0.1mm~0.7mm程度であるスプレーノズル7を用いることが好ましい。具体的には、株式会社いけうちが製造・販売する充円錐ノズル(型番:UZUJP)や、スプレーイングシステムジャパン合同会社が販売する充円錐ノズル(型番:HHSJ)などを用いることができる。供給管30やノズル7の設置個数は特に限定されないが、脱臭装置1台当たり供給管30を2~3本程度配置することが好ましい。また、気液接触フィルタ1セット当たりノズル7を3~6個程度配置し、気液接触フィルタ8の全面に供給液W(W2)が噴霧されるようにすることが好ましい。
供給液W2の成分は、特に限定されないが、臭気ガスFG2の成分によって、任意に変更することが好ましい。例えば、原水W1(水道水や純水など)に対して、酸・アルカリ中和剤や酸化剤などの添加剤AAを任意に添加し、それを供給液W2として利用することができる。詳しくは、臭気ガスFG2が臭気成分としてアセトアルデヒドを含む場合は、次亜塩素酸やオゾンを含む供給液W2を用いることが好ましい。臭気ガスFG2が臭気成分としてアンモニアを含む場合は、クエン酸を含む供給液W2を用いることが好ましい。
臭気ガスFGは親水性のガスであるため、気液接触フィルタ8に対して、常に供給液W2を散布し、気液接触フィルタ8の繊維が濡れた状態を維持することが好ましい。また、供給液W2を間欠的に散布しても良いが、その場合は、気液接触フィルタ8が乾く前に、次の供給液W2の散布をすることが好ましい。
スプレーノズル7からの供給液W2の散布は、気液接触フィルタ8を濡らすことを目的とするものであるため、気液比は約0.5L/mで十分である。前述のように従来の気液比は2~5L/mであったが、本発明の気液比は0.5L/m以下で足りるため、従来よりも気液比が大幅に小さくなることになる。気液比が小さくなると、脱臭装置4の貯留部25から貯留液W3の一部を抜き出し、脱臭装置4のスプレーノズル7に返送する水量(循環水量)を減らすことができるため、ポンプ17の動力を少なくすることができる。
スプレーノズル7の設置位置は任意に決めることができるが、気液接触フィルタ8の上面全体に供給液W2を供給する位置に設けることが好ましい。図5では、気液接触フィルタ8の幅方向の上方左側と上方右側に、それぞれ供給管30を1本ずつ設け、各供給管30、30に、スプレーノズル7を取り付けている。スプレーノズル7の噴射口は、下方かつ幅方向中央側に向かって、斜め45度の方向に設けられている。この角度は任意に変更することができるが、気液接触フィルタ8全体への供給を鑑みると、約45度~60度にすることが好ましい。また、図4において、スプレーノズル7は、並び方向に所定の間隔を空けながら、幅方向左右両側に、各6個ずつ設けているが、このスプレーノズル7の個数は任意に変更することができる。スプレーノズル7を設ける間隔は、供給液W2を気液接触フィルタ8全体に供給する観点から、並び方向に約1000mm~2000mm程度の間隔を空けて設置することが好ましい。
(気液接触フィルタ8)
気液接触フィルタ8は、臭気ガスFG2と供給液W2が気液接触する媒体となる。脱臭装置4に気液接触フィルタ8を用いた点が、充填材を用いた従来の脱臭装置4と大きく異なる。
気液接触フィルタ8は、複数個のフィルタユニット40が並列に配置されてなる。図3に示した脱臭装置4は、脱臭装置4の並び方向の一端側から他端側にかけて複数個のフィルタユニット40を並列に配置している。フィルタユニット40の個数は任意に決めることができる。フィルタユニットの数が少ないと単位時間当たりの脱臭処理量が少なくなるという問題がある。他方、フィルタユニットの数が多いと気液接触フィルタ8の設置体積が大きくなり、脱臭装置4全体が大型化するという問題がある。
なお、臭気ガスFGが気液接触フィルタ8を通過する速度は、0.05~0.3m/sにすることが好ましく、0.1~0.15m/sにすることがより好ましい。前記速度(通風速度)が0.05m/sより遅い場合、単位時間当たりの脱臭処理量が少なくなるという問題がある。また、前記通風速度が0.15m/sよりも速い場合、十分に脱臭処理されていない状態で、気液接触フィルタ8を通過してしまうという問題がある。
図3の脱臭装置4では、一端側から他端側へ向かってフィルタユニット40を直線状に並列配置している。図3の脱臭装置4のフィルタユニット40の配置を説明するために、図6(A)に簡略図(平面図)を示した。なお、図6(A)は説明用の簡略図であるため、フィルタユニット40の数は図3よりも少なくしている。また、フィルタユニット40の上面の形状も、便宜上、一本の直線で表している。
図6(A)では、各フィルタユニット40が脱臭装置4の幅方向に沿って直線状に延在している。すなわち、フィルタユニット40は容器22の内部に複数個配置されており、その配置形態は、脱臭装置4の並び方向に沿って、一端側から他端側へ向かって直線状に並列に配置されている。複数個のフィルタユニット40の配置形態を分かりやすくするため、フィルタユニット40の配置方向を点線の仮想線Lで示した。この仮想線Lは、各フィルタユニット40の幅方向中心点を繋ぐ線と平行な線である。
複数個のフィルタユニット40の配置形態は、図6(A)の形態に限られず、任意の配置形態に変更することができる。例えば、図6(B)に示すように、一端側から他端側へ向かって、複数個のフィルタユニット40を斜線状、すなわち前記仮想線Lが斜めになるように配置してもよい。また、図6(C)に示すように、一端側から他端側へ向かって、複数個のフィルタユニット40を曲線状、すなわち前記仮想線Lが曲線になるように配置してもよい。そのほか、図6(D)に示すように、脱臭装置4の周方向に沿って、複数個のフィルタユニット40を円環状、すなわち前記仮想線Lが円状になるように配置してもよい。
各フィルタユニット40の被表面積は、300m/m~1000m/mにすることが好ましく、480m/m~800m/mにすることがより好ましい。被表面積が300m/mより小さいと、脱臭装置4の脱臭効率が悪くなるという問題がある。また、被表面積が1000m/mより大きいと、脱臭装置4が大型化するという問題がある。
各フィルタユニット40の空隙率は、80%~98%にすることが好ましく、85%~90%にすることがより好ましい。空隙率が80%より低いと、臭気ガスFGがフィルタユニット40を通過しづらく、臭気ガスFGが滞留してしまうという問題がある。また、空隙率が98%より高いと、臭気ガスFGの一部が脱臭されない状態で、フィルタユニット40を通過してしまうという問題がある。
このフィルタユニット40の素材としては、例えば、ポリエステル、ポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂、ナイロン、レーヨン等の繊維を用いることができる。また、前記素材に、ぬれ性の良いもの(親水性のもの)を用いることが好ましい。ぬれ性は、固体表面と液滴の接線の間の接触角θを測定することによって示され、固体/気体間の界面張力γVS、液体/気体間の界面張力γLV、液体/固体間の界面張力γLSによって決定する。この接触角と界面張力の関係は、下記の式1(ヤングの式)によって表すことができる。
γVS=γLS+γLV cosθ ・・・式1
なお、撥水性の素材(接触角θが90度以上の素材)に対して、プラズマを照射する方法、紫外線(UV)を照射する方法、薬品処理する方法などにより、素材の表面を親水性にすることも可能である。しかし、このような素材は大気中に置くと再び疎水性に戻ってしまい、親水性を維持できる期間が短い。したがって、後天的に親水性とした素材ではなく、先天的に親水性の素材(接触角θが90度未満の素材)を用いることが好ましい。特に、超親水性の素材(接触角θが5度未満の素材)を用いることが好ましい。
前記繊維径は、好ましくは5μm~30μm、より好ましくは7μm~15μmである。
フィルタユニット40の具体的な素材(不織布)としては、例えば、呉羽テック株式会社の「ボンデン」(登録商標)の260E(品番)を用いることができる。
フィルタユニット40の膜厚は、好ましくは10mm~25mm、より好ましくは12mm~19mmである。フィルタユニット40の目付量は、好ましくは100g/m~300g/m、より好ましくは250g/m~300g/mである。フィルタユニット40の空隙率は、好ましくは65%以上、より好ましくは75%以上である。フィルタユニット40に設けられた孔の平均的な大きさは、好ましくは0.15m~0.3m、より好ましくは0.2m~0.25mである。
フィルタユニット40の形状は、例えば、図2に示すような封筒型にすることができる。図2のフィルタユニット40は、1枚のフィルタ材を折り曲げて重ね合わせ、上部に開口を設け、側端部と下部を閉じた袋状の形状にしている。具体的には、フィルタユニット40の側端部をヒートシール等の方法によって接合し(端部接合部41という。)、接合部分から外部へ臭気ガスが漏れ出ない構造になっている。フィルタユニット40の下部は折り曲げた部分に相当するため、ヒートシール等によって接合していない。図2のような折り曲げ構造ではなく、2枚のフィルタ材を重ね合わせて、1個の封筒型のフィルタユニット40を製造する場合は、側端部だけではなく、下部もヒートシール等の方法によって接合し、当該接合部分から外部へ臭気ガスが漏れ出ない構造にすることが好ましい。
図2のフィルタユニット40は、上部に開口部43が設けられているが、この開口部43は、上方へ向かって、対面するフィルタ材が次第に離間するテーパ44を備えた形状をなしている。このような形状にすることで、上方から下方へ向かって臭気ガスFGを流通させた際に、袋状のフィルタユニット40の内部に臭気ガスFGが入り込みやすくなる。開口部43上端のフィルタ材の離間距離Nは、100~200mmとすることが好ましく、120~170mmとすることがより好ましい。離間距離Mが100mmより短いと、フィルタユニット40の内部に臭気ガスFGが入り込みにくいという問題があり、離間距離Mが200mmより長いと、スペースが取られるため、多くのフィルタユニット40を並列配置しにくくなるという問題がある。なお、開口部43の幅方向両端部には仕切り壁45が設けられており、臭気ガスFGが両端部から側方へ漏れ出ない構造になっている。
開口部43の上端部には、離間方向へ延在する上端延在部46が設けられている。前記離間方向とは、対面するフィルタ材が離れる方向をいう。この上端延在部46を設けることで、脱臭装置4の内部にファイルタユニット40を装着しやすくなるという効果がある。図3の脱臭装置4においては、脱臭装置4の上部に支持板51が設けられており、この支持板51には幅方向に延在する複数の空隙が空けられている。また、この支持板51は、脱臭装置4の内部の水平方向全面に亘って延在している。支持板51に設けられた空隙には、フィルタユニット40が挿し込まれ、挿し込んだフィルタユニット40を支持板51の上に位置する上端延在部46で支える構造になっている。
フィルタユニット40上部のテーパ44を有する部分(テーパ部48という。)は、フィルタユニット40における臭気ガスFGの供給口となり、テーパ部48より下方に位置するフィルタ材が重なった部分の壁面は、臭気ガスFG2をろ過する濾過面42となる。
フィルタユニット40を図2のような形状にした場合、気流の流れ方向を基準として、上流側(図2のフィルタユニット40の上側)の密度を低く、下流側(図2のフィルタユニット40の下側)の密度を高くする密度勾配を設けることが好ましい。具体的には、上流側の密度を10kg/m~20kg/m程度とし、下流側の密度を20kg/m~40kg/m程度とすることが好ましい。このような密度勾配を設けることで、凝集トラップによりガス通路が狭くなって通風抵抗が増大することを抑止しつつ、他方では気液接触効率を最大化することができるからである。
フィルタユニット40は、例えばJIS Z 8901の15種粉体を98%濾過する性能にすることができる。このフィルタユニット40に、臭気ガスFG2を風速0.15m/sで通したときの通気損失は500Paである。
図1の脱臭装置4には、図2に示す封筒型のフィルタユニット40を6枚連続して束ねたカートリッジ47を4個用いている(図6(A)では、フィルタユニット40を5枚束ねたものを1カートリッジとしている。)。各カートリッジ47の表面積は、例えば36m~45m程度にすることができる。各カートリッジ47の通気量は、例えば300m/min~400m/minにすることができる。
脱臭装置4の上部から供給された臭気ガスFG2は、各フィルタユニット40の内部へ入り込み、フィルタユニット40上で供給液W2と気液接触する。供給液W2には、臭気ガスFG2から臭気成分を除去するための添加剤AA、オゾンなどが含まれており(添加剤AA、オゾンをともに含めても良いが、ランニングコストを抑える観点からは、どちらか一方を含有させることが好ましい)、これらの添加剤AAやオゾンが臭気成分を分解する。また、フィルタユニット40のフィルタ材の濾過面42には無数の微小な空隙(平均直径30μm~50μm程度)が存在しており、濾過面42を供給液W2によって濡れた状態にすると、当該供給液W2がフィルタ材の空隙を埋めるため、臭気ガスFG2が濾過面42を通過しにくくなる結果、濾過面42の濾過力を上げることができる。すなわち、臭気ガスFGに含まれる臭気成分は、主として、濾過面42に付着した供給液W2の液分によって補足され、供給液W2に含まれる添加剤AAやオゾンによって分解される。また、臭気ガスFGに含まれる粒状汚染物質(例えば、大気塵、燃焼ヒューム)は、濾過面42に付着した供給液W2の液分によって補足されるとともに、濾過面42の空隙によっても補足される。このようにして、臭気ガスFG2がフィルタユニット40の濾過面42を通過する(フィルタユニット40の内部から外側へ流れ出る)過程で、臭気ガスFG2中の臭気成分や汚染物質が取り除かれる。臭気成分が除去されたガスは、脱臭ガスDGとして、前記排気口6から排気される。
図2のフィルタユニット40は、上方に開口部40を設けたが、上下を逆にして、下方に開口部40を設けるようにしても良い。また、開口部40を側方に設けるようにしても良い。
フィルタユニット40の形状を図2の封筒型ではなく、他の形状にしても良い。例えば、正面視におけるフィルタユニット40の外形形状を円環状や多角形状に変更してもよい。また、図2のフィルタユニット40は、1枚のフィルタ材を折り曲げて形成したものであるが、前述のように2枚のフィルタ材を下部で接合する形態にしても良い。さらに、設備費は高くなるが、3枚以上のフィルタ材を重ね合わせて、濾過力を向上させるようにしても良い。
(接合部50)
フィルタユニット40には、対向する濾過面42の間を接合する接合部50が設けられている。フィルタユニット40の内部に臭気ガスFG2が供給されると、供給された臭気ガスFG2は、すぐに濾過面42を通過しない。なぜならば、前述のように、濾過面42の空隙の大きさが小さいとともに、濾過面42が濡れた状態であるため、臭気ガスFG2が濾過面42を通過する際の抵抗が大きいからである。よって、フィルタユニット40の内部に供給された臭気ガスFG2は、フィルタユニット40の内部で滞留することとなり、フィルタユニット40の濾過面が外方へ膨らむ(膨張する)ことになる。
並列配置したフィルタユニット40において、フィルタユニット40の膨張度合いが大きいと(すなわち膨張時の対向する濾過面42間の並び方向の長さが長いと)、隣接するフィルタユニット40間で、濾過面42の衝突が生じ、濾過面42が破損する原因になる。隣接するフィルタユニット40の濾過面42が軽く接触する場合には破損の原因にならないが、フィルタユニット40内の臭気ガスFG2が接触部分を経由してフィルタユニット40の外側へ出ることができなくなるため、フィルタユニット40全体の濾過効率が低下してしまう。そのため、隣接するフィルタユニット40の衝突や接触を防止する必要がある。
そこで、本発明のフィルタユニット40では、対向する濾過面42間を接合する接合部50を設けた。この接合部50によって、フィルタユニット40の濾過面42の膨張を抑えることができるため、隣接するフィルタユニット40の濾過面42との接触や衝突を抑止することができる。
接合部50は、フィルタユニット40の膨張の抑止効果を高めるため、フィルタユニット40の中央部に設けることが好ましい。また、図2に示すように、フィルタユニット40の内部に供給された臭気ガスFG2の流れ方向(図2では、上方から下方へ向かう方向)に沿って、線状に設けても良い。
接合部50を点状にした場合、1カ所の接合部50の接合面積は、100mm~500mm程度とすることが好ましく、100mm~200mm程度とすることがより好ましい。接合面積が100mmよりも小さいと、接合状態が不安定となり、フィルタユニット40の内部に臭気ガスFG2を吹き込んだときに、対面する濾過面42の接合が剥がれてしまうおそれがある。また、接合面積が500mmよりも大きいと、フィルタユニット40の内部に供給される臭気ガスFG2の流れが妨げられるおそれがある。
接合部50を線状にした場合、その線幅は10mm~30mm程度にすることが好ましく、10mm~15mm程度とすることがより好ましい。線幅が10mmよりも短いと、接合状態が不安定となり、フィルタユニット40の内部に臭気ガスFG2を吹き込んだときに、対面する濾過面42の接合が剥がれてしまうおそれがある。また、線幅が30mmよりも長いと、フィルタユニット40の内部に供給される臭気ガスFG2の流れが妨げられるおそれがある。
図2のフィルタユニット40は、臭気ガスFG2の流れ方向に沿って、線状に3本の接合部50が設けられており、それらの接合部50によって、幅方向に4つの小空間Q1~Q4が形成されている。なお、線状の接合部50は、臭気ガスFG2の流れ方向にそって、切れ目なく連続して接合した直線形状にしても良いし、一定の間隔を空けながら接合した破線形状にしても良い。好ましくは、破線形状が好ましい。破線形状にすることで、有効な濾過面積を確保することができるからである。直線形状にした場合、接合部50でろ過できないため、破線形状にした場合と比べて、濾過面積が少なくなる。濾過面42の上部には接合部42を設けず、臭気ガスFG2が各小空間Q1~Q4に自由に出入りできるようにすることが好ましい。
図2のフィルタユニット40において、各小空間Q1~Q4の幅方向の長さUを30mm~80mmにすることが好ましい。幅方向の長さUが30mmよりも短いと、臭気ガスFG2の流路が十分に確保できないという問題がある。幅方向の長さUが80mmよりも長いと、フィルタユニット40が膨らんだときに、並び方向に隣接するフィルタユニット40に接触しやすくなり、それを避けるために、フィルタユニット40を取り付けるピッチを広くする必要が生じるという問題がある。各小空間Q1~Q4の幅方向の長さUは、それぞれ異なる長さにしても良いが、同じ長さにすることが好ましい。フィルタユニット40内に臭気ガスFG2が流入すると、各小空間Q1~Q4は筒状に膨張するため、各小空間Q1~Q4の並び方向の長さTが同じになり、すべての小空間Q1~Q4が隣接するフィルタユニット40に接触しづらくなる(図8(A))。すなわち、各小空間Q1~Q4の幅方向の長さUと並び方向の長さTはほぼ同じ長さになるため、一部の小空間の幅方向の長さUを他の小空間の幅方向の長さUよりも長くすると、他の小空間が隣接するフィルタユニット40に接触しない(図8(B)(ハ)の幅方向中央および右側)場合でも、一部の小空間が隣接するフィルタユニット40に接触してしまう可能性がある(図8(B)(ハ)の幅方向左側)。そこで、すべての小空間の幅方向の長さUをほぼ同じにすることで、このような不具合の発生を抑制することができる(図8(A))。また、図8(C)のように、隣接するフィルタユニット40(ホ)(へ)において、接合部50を設ける位置を互い違いにすることで、隣接するフィルタユニット40の並び方向の距離Sを短くすることができる。なお、隣接するフィルタユニット40の並び方向の間隔Sは、任意に設定できるが、150mm~250mmとすることが好ましく、200mm~250mmとすることがより好ましい。150mmよりも短いと、隣接するフィルタユニット40が接触しやすいため、それを避けるために接合部50の数を多くしなければならないという問題がある。250mmよりも長いと、容器22の内部に設置するフィルタユニット40の数が少なくなり、脱臭処理の能力が低下するという問題がある。
以上のように、フィルタユニット40が膨張した時に、フィルタユニット40の並び方向Tの長さを均等にすることが好ましい。そのため、フィルタユニット40に接合部50を設ける位置は、フィルタユニット40に均等に設けることが好ましい。例えば、点状の接合部50を1つ設ける場合は、高さ方向および幅方向の中央に設けることが好ましく(図7(A))、2つ以上設ける場合は、高さ方向および幅方向の長さUがそれぞれ均等になる位置に設けることが好ましい(図7(B))。接合部50の位置を決める際は、図7(A)(B)に示すような設計線51を用い、均等な位置を把握するのが好ましい。図7(C)は、開口部43を下方に設け、接合部50を直線状に設けた例である。
なお、気液接触フィルタ8は、通気性とともに通水性も有する。そのため、上方から下方の気液接触フィルタ8に散布された供給液W2は、一時的に気液接触フィルタ8のフィルタ材に保持されるが、時間が経過するにつれて、フィルタ材の内表面側から外表面側へと移動し、その後、気液接触フィルタ8から重力落下する。
(貯留部25)
脱臭装置4の下部には、貯留液W3を貯留する貯留部25が設けられている。気液接触フィルタ8から落下した供給液W2は、この貯留部25に貯留液W3として貯留される。
貯留部25には、貯留液W3の液面のレベルを計測するレベルセンサ9を設けることが好ましい。レベルセンサ9によって、貯留部25に貯留された貯留液W3の量が所定以下になったか否かを検出し、所定以下になった場合に、供給液W2の安定供給が困難になったことを知らせる警報を発するシステムにすることが好ましい。また、貯留部25に貯留される貯留液W3の量は、循環中の液量の10倍程度とすることが好ましい。
図1に示した脱臭装置4は、ポンプ17によって、貯留部25に貯留された貯留液W3の一部を抜き出し、スプレーノズル7へ返送するが、貯留液W3に臭気ガスFG2に由来する不純物(例えば、燃焼ばい煙、大気塵など)が混入している可能性があり、この不純物がスプレーノズル7や気液接触フィルタ8を目詰まりさせてしまうおそれがある。そのため、貯留液W3の返送径路RLに液濾過フィルタ18を設け、この不純物を除去するようにすることが好ましい。
また、返送径路RLに水タンク20を接続し、原水W1と添加剤AAを混合した混合液W4をこの返送液W3に挿入し、これを供給液W2としても良い。混合液W4の挿入量は、制御弁21の開度によって調整する。
(吸引ファン11)
図1の脱臭設備1において、脱臭装置4の排気口6よりも下流側(排気口6近傍に設置しても良い)に、吸引ファン11が設けられている。この吸引ファン11による吸引力によって、臭気ガスFG2は、気液接触フィルタ8を通過して、臭気成分が除去された脱臭ガスDGとなった後、排気口6から排気されて、大気中に放散される。吸引ファン11に代えて、または吸引ファン11とともに、脱臭装置4の給気口5近傍(または給気口5よりも上流側)に送風ファン(図示しない)を設け、この送風ファンによって、臭気ガスFG2を脱臭装置4内へ送風し、臭気成分が除去された脱臭ガスDGを排気口6から排気し、大気中に放散する構成にしても良い。
(濃度計15)
臭気ガスFG2が気液接触フィルタ8を通過した後、脱臭ガスDGとして大気中に放散されるまでのいずれかの地点で、脱臭ガスDGの一部を抜き出し、脱臭ガスDG中に含まれる臭気成分の量を濃度計15で計測するようにすると良い。そして、濃度計15の計測結果に基づき、ポンプ17の運転量を変更し、スプレーノズル7から散布する供給液W2量を変更することが好ましい。具体的には、脱臭ガスDG中の臭気成分の量が所定値(例えば、臭気強度2.5
)よりも高い場合は、供給液W2の散布量を増やし、同じく臭気成分の量が前記所定値よりも低い場合は、供給液W2の散布量を減らす制御をすることが好ましい。
また、脱臭装置4の貯留部25に対して、貯留液W3中のオゾン濃度を測定する水中オゾン濃度計(図示しない)を取り付け、返送する貯留液W3のオゾン濃度を一定に維持させることが好ましい。具体的には、貯留液W3のオゾン濃度を4ppm~20ppmにすることが好ましく、4ppm~10ppmにすることがより好ましい。貯留液W3のオゾン濃度が4ppmより低いと、貯留液W3を返送してスプレーノズル7から噴射したときに、臭気ガスFG2を脱臭する脱臭効果が低いという問題がある。また、貯留液W3のオゾン濃度が20ppmより高い場合、オゾン濃度の高い貯留液W3をスプレーノズル7から噴射することで、容器22内の気体中のオゾン濃度が高くなってしまうという問題がある。また、貯留液W3のオゾン濃度が20ppmより高い場合、必要以上に高性能のオゾン発生装置を導入しなければならず、経済性が悪いという問題がある。
本発明の脱臭設備1によれば、従来の充填材シャワー方式と比べて、以下の様な利点がある。
気液接触フィルタ8において、気流の流れ方向を基準として、上流側の密度を低く、下流側の密度を高くする密度勾配を設けることにより、ショートパスやチャネリングが無くなり、フィルタ材の被表面積を大きくできるため、気液接触効率が高くなり、脱臭効果を高めることができる。
気液接触フィルタ8の素材にポリエステル繊維を用いることにより、臭気ガスFG2が気液接触フィルタ8を通過する際の圧力損失が少なくなる。そのため、吸引ファン11の駆動動力を小さくすることができる。また、従来の充填層方式に比べて、面風速を1/15以下にすることにより、圧力損失を抑えることができる。
前述のように、気液接触フィルタ8の気液接触効率が高いため、供給液W2の散布量を少なくすることができる。その結果、ポンプ17の動力を小さくすることができる。
また、フィルタ材の比表面積を大きくしたことにより、気液接触フィルタ8で保持する供給液量が多くなる。そのため、供給液W2の散布量を少なくすることができ、ポンプ17の動力を小さくすることができる。
気液接触フィルタ8を封筒型とし、その封筒型の気液接触フィルタ8を並列に配置して束ねたカートリッジ式にした。このような封筒型の気液接触フィルタ8は、表面積が大きいため、従来の充填材方式の脱臭装置と比べて、脱臭装置4の寸法や容量を大幅に小さくすることができる。また、脱臭処理量を増やしたい場合は、設置するカートリッジの個数を増やせばよいため、脱臭処理量の増加を容易に実現できる。
気液接触フィルタ8のフィルタ材が有する濡れ性によって、供給液W2を一定量保持することができるため、供給液W2の添加剤の濃度や散布量を厳密に管理しなくても、気液接触効率を一定に保つことができ、脱臭性能が安定的となる。
スプレーノズル7から散布される供給液W2の粒子径(Feret径)が、0.1mm~0.7mm程度であると、供給液W2のミストの放散がほとんどなくなる。噴射口から噴射された供給液W2は、拡散性が良いため、気液接触フィルタ8に均一に散布することができ、斑が生じにくいという利点がある。そして、供給液W2を気液接触フィルタ8に均一に散布することで、均一な気液接触を実現することができる。
供給液W2のミストの放散がほとんどなくなると、気液接触フィルタ8まで辿り着かずに、蒸発して消失する供給液W2が減るため、供給液W2の散布量を少なくすることができ、ポンプ17の動力を減らすことができる。また、本脱臭設備1では、加湿装置2で臭気ガスFGを予め加湿しているため、気液接触時に必要とされる供給液W2量が少ない。そのため、この点を考慮しても、供給液W2の散布量を減らすことができる。
添加剤AAの代わりに、オゾンを供給液W2に混入するようにすると、添加剤AAが不要になるため、ランニングコストを大幅に削減することができる。供給液W2に混入させるオゾンは、運搬費の節約等の観点から、現場にオゾン発生装置14を設け、現場でオゾンを発生させることが好ましい。オゾン発生装置14で生成したオゾンは、マイクロバブル法などによって、貯留液W3(供給液W2に直接混入しても良い)に混入することができる。
1:脱臭設備、2:加湿装置、3:噴霧管、4:脱臭装置、5:給気口、6:排気口、7:スプレーノズル、8:気液接触フィルタ、9:レベルセンサ、11:ファン、12:マイクロバブルノズル、13:制御弁、14:オゾン発生装置、15:濃度計、16:制御装置、17:ポンプ、18:液濾過フィルタ、19:添加剤タンク、20:水タンク、21:制御弁、22:容器、23:給気口、24:排気口、25:貯留部、40:フィルタユニット、41:端部接合部、42:濾過面、43:開口部、44:テーパ、45:仕切り壁、46:上部延在壁、47:カートリッジ、48:テーパ部、50:接合部、51:支持板、A:大気、DG:脱臭ガス、FG:臭気ガス、FG1:加湿前の臭気ガス、AA:添加剤、FG2:加湿後の臭気ガス、M:ミスト、N:開口部の開口幅、Q1~Q4:小空間、W:液、W1:原水、W2:供給液、W3:貯留液、W4:混合液
本発明は、臭気ガスの脱臭を行う脱臭設備および脱臭方法に関する。
本発明は、例えばアンモニア、アルデヒド類(アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ホルムアルデヒド等)、有機酸などの難分解性の臭気成分を含有する親水性の臭気ガスの脱臭設備である。
ガス中から前記臭気成分を除去する方法として、活性炭(ヤシ殻、石炭、木粉などを主原料とする)等の吸着剤を用いる吸着法がある。この吸着法に用いる吸着剤(活性炭など)は、そのままの状態では臭気成分を吸着する能力が低いため、吸着剤にクエン酸、苛性ソーダなどの化学物質を添着する処理が行われる。このように、活性炭に化学物質が添着されているため、活性炭の再生利用が困難であり、吸着法はランニングコストが高くなるという問題がある。
臭気成分を除去する方法は、気液接触方法が優れている。気液接触方法は、前記臭気成分が親水性であることを利用し、気体に液体を接触させることによって、液体中に臭気成分を溶解させ、その臭気成分を化学的に無臭化するものである。化学的無臭化の例としては、液体中で生じる酸・アルカリ反応や、液体に含まれる酸化物質(例えば次亜塩素酸、過酸化水素、オゾン)による酸化分解反応に拠るものを挙げることができる。
一般的な気液接触方法としては、充填材シャワー方式やミスト噴霧混合方式がある。
充填材シャワー方式の脱臭設備は、臭気ガスの給気口を下部に、脱臭ガスの排気口を上部に備えた脱臭塔と、脱臭塔の内部に設けた充填材と、充填材に向けて上方から薬液を噴射する噴射ノズルが設けられている。脱臭塔に供給された臭気ガスと、ノズルから噴射された薬液は、充填材上で接触することで脱臭され、脱臭ガスは排気口から排気される。充填材に噴霧され、脱臭成分を吸収した薬液は、脱臭塔下部の循環槽に落下した後、循環液としてポンプを介して噴射ノズルに返送される。
他方、ミスト噴霧混合方式では、例えば下記特許文献1のように、脱臭塔やダクト内に臭気ガスを供給し、供給した臭気ガスに消臭液を噴霧し、消臭液と臭気ガスを反応させることによって脱臭する。消臭剤(化学物質)によって臭気成分を分解し、または変質し、無臭化するものである。
充填材シャワー方式やミスト噴霧混合方式による脱臭は、活性炭などを用いた吸着法と比べて、ランニングコストが安いという利点がある。
特開平9-882号公報
前記気液接触においては、気液接触効率を高めることが望まれるが、前記充填材シャワー方式には下記のようないくつかの問題点がある。
(充填材)
接触効率を高めるためには、充填材の濡れ面積を大きくする必要がある。そのため充填材を収納する脱臭塔の寸法や容積が大きくなる傾向があり、イニシャルコストが高いという問題がある。
また、サイズが小さく密度が高い充填材ほど接触効率が優れる傾向があるが、そのような充填材はダストや反応生成物によって目詰まりするおそれが高い。そのため、サイズが大きく(例えば、ラシヒリング(Raschig ring)の直径と長さが、それぞれ10mm~50mm程度)、密度が低い(空隙率が60%~80%程度)の充填材を使用せざるを得ないという問題がある。
さらに、大気の塵芥や循環液の汚れなどによって、充填材が目詰まりし、通気抵抗が増大する。そのため、充填材を定期的に入れ替えて、洗浄することが必要であるという問題がある。
(循環液)
気液接触の接触効率を最大化するため、気液比を2~5L/m程度にして、循環水量を多くする必要がある。そのため、水の循環に用いるポンプの動力が大きくなるという問題がある。
噴射ノズルから薬液をシャワーした際に、微粒ミストが飛散し、その一部が蒸発するため、薬液濃度が高くなる。また、臭気ガスが充填材の内部を通気する際に、臭気成分が循環液に取り込まれ、循環液中の薬剤と臭気成分が反応して、臭気成分を無臭化する。そのため、脱臭設備の運転時間が長くなるにつれて、循環液内に存在する脱臭能力のある薬剤の濃度が低下する傾向があり、循環液内の前記薬剤の濃度管理が必要になるという問題がある。すなわち、脱臭効果を低下させないために、循環液内に存在する脱臭能力のある薬剤の濃度を一定に保つ必要があるという問題がある。
また、脱臭設備の運転に伴い、脱臭塔の下方に設けられた循環液貯留槽内にヘドロが堆積するため、定期的な槽内洗浄や循環液の入れ替えが必要になるという問題もある。
(通気速度)
臭気ガスが充填材を通り抜ける速度が遅いほど気液接触時間が長くなり、気液接触効率が高まる。また、通気圧力の損失を抑える必要もある。そのため、臭気ガスの通気速度を1.5~2.0m/s程度まで遅くする必要がある。
しかし、通風速度を遅くすると、単位時間当たりの脱臭処理量が減ってしまうという問題がある。
(ミスト噴霧混合方式)
ミスト噴霧混合方式は、臭気ガス中の臭気成分の濃度が低い場合や、臭気ガス量が少ない場合や、局所的に脱臭する場合には効果的である。しかし、消臭剤のコストが高いため、臭気ガスが高濃度である場合や、臭気ガス量が多い場合や、消臭塔が大きい場合には適さないという問題がある。
本発明は、以上のような問題を解決するためになされたものであり、気液接触効率が高く、脱臭効果の高い脱臭設備を提供することにある。
上記課題を解決した本発明は次記のとおりである。
(1)気液接触により、臭気ガスから臭気成分を除去する気液接触フィルタを備え、
前記気液接触フィルタは、袋構造のフィルタユニットが複数個並列に配置されてなり、
前記臭気ガスは、複数の前記フィルタユニットの内部にそれぞれ供給され、各フィルタユニットを膨張させ、膨張した前記フィルタユニットの濾過面を通って外部へ流れ出る構成とされ、
前記フィルタユニットには、対向する濾過面間を接合した接合部が設けられ、
前記接合部が前記フィルタユニットの膨張を抑制することにより、膨張した前記フィルタユニットの濾過面と隣接する膨張した前記フィルタユニットの濾過面の接触を抑止する構成とした、
ことを特徴とする脱臭装置。
(作用効果)
膨張を抑制する接合部をフィルタユニットに設けることで、接合部を設けない場合と比べて、より多くのフィルタユニットを並列に複数個配置することができる。
(2)前記接合部は、少なくとも前記フィルタユニットの中央部に設けられている前記(1)記載の脱臭装置。
(作用効果)
フィルタユニットの端部に接合部を設けるよりも、フィルタユニットの中央部に接合部を設けるほうが、フィルタユニットの膨張の抑制効果が高い。
(3)前記接合部は、前記フィルタユニットの内部に供給された前記臭気ガスの流れ方向に沿って、線状に設けられている前記(1)記載の脱臭装置。
(作用効果)
前記接合部によって臭気ガスの流れが遮断されないため、前記フィルタユニットの内部で乱流が生じにくくなり、臭気成分の除去効率が高まる。
(4)前記気液接触フィルタは、
複数個の前記フィルタユニットを束ねて一体化したカートリッジである前記(1)記載の脱臭装置。
(作用効果)
フィルタユニットをカートリッジ式にすることで、フィルタユニットの交換や増減が容易になる。
(5)前記(1)記載の脱臭装置を備えた脱臭設備であって、
前記脱臭設備はオゾン生成装置を有し、
前記オゾン生成装置で生成したオゾンは、液体に溶解され、前記気液接触フィルタに供給される構成とした、
ことを特徴とする脱臭設備。
(作用効果)
気液接触フィルタに供給する液体にオゾンを含ませることで、脱臭成分の除去が容易になる。添加剤の代わりにオゾンを用いると、添加剤のコストがかからないため、ランニングコストを大幅に抑えることができる。
(6)請求項1記載の脱臭装置を備えた脱臭設備であって、
前記脱臭設備は加湿装置を有し、
前記加湿装置で加湿された前記臭気ガスが前記脱臭装置に供給される構成とした、
ことを特徴とする脱臭設備。
(作用効果)
臭気ガスを脱臭装置に供給する前に、加湿装置で加湿することで、脱臭装置における脱臭効果を上げることができる。すなわち、加湿装置の噴射口から噴射されたミストは、臭気ガス中に急速に拡散し、親水性の臭気ガスの臭気成分を吸収する。そして、加湿された臭気ガスは、気液接触フィルタを通過する際に、循環液中の薬剤と混ざり、脱臭反応が行われる。このように、臭気ガスを予め加湿することで、臭気ガス中の臭気成分の捕集効率が高まり、高い脱臭効果を得ることができる。
本発明によれば、気液接触効率が高く、脱臭効果の高い脱臭設備を提供することができる。
本発明に係る脱臭設備の概略図である。 脱臭設備の概略図である。 脱臭装置の側面図である。 脱臭装置の平面図である。 脱臭装置の正面図である。 フィルタユニットの設置パターンのバリエーションを示す平面図である。 接合部の設置パターンのバリエーションを示す正面図である。 フィルタユニットが膨張した状態を示す平面図である。
以下、本発明に係る脱臭設備1の好適な実施例について、図面を参照しながら説明する。以下の説明及び図面は、本発明の実施形態の一例を示したものにすぎず、本発明の内容をこの実施形態に限定して解釈すべきではない。
(脱臭設備1)
本発明に係る脱臭設備1の一例を図1に示す。この脱臭設備1は、臭気ガスF1を加湿する加湿装置2、加湿した臭気ガスF2を脱臭する脱臭装置4などを含む。以下に、脱臭設備1の詳細について詳述する。
(臭気ガスFG)
脱臭設備1によって処理される臭気ガスFGは、例えば廃棄物焼却炉や塗装工場からの排ガス、ゴム加硫排ガス、アルミ溶解炉排ガスなどを挙げることができる。臭気ガスFG中の臭気成分としては、例えばアルデヒド類(アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、イソブチルアルデヒド、イソパレルアルデヒド、ホルムアルデヒドなど)、ノルマル酪酸、ノルマル吉草酸、アンモニアなどを挙げることができる。
前記臭気ガスFGは親水性であり、前記臭気ガスFG中の臭気成分は分解しづらい難分解性物質である。そのため、強酸化物質である過水やオゾンによる分解脱臭が必要となる。
(加湿装置2)
脱臭装置4で脱臭する前に、加湿装置2によって臭気ガスFGを加湿する。図1の加湿装置2は、横長の円筒形であり、図面左側から右側へ臭気ガスFGが流通する。加湿装置2の上方から加湿装置2内部に噴霧管3が挿入されており、噴霧管3の下部に設けられたノズルから、臭気ガスFG(FG1)に向かってミストMを噴霧することによって、臭気ガスFG(FG1)の加湿を行う。図1の脱臭装置4は、噴霧管3を2本挿入し、一方の噴霧管3のノズルから給気口側に噴霧し、他方の噴霧管3のノズルから排気口側に噴霧する構造である。以上のように2本の噴霧管3を設けて、それぞれ正反対の方向に噴霧する構造にすることで、単位風量当りの噴霧量を多くし、噴霧液を均一に拡散させることができる。このように、臭気ガスFGにミストMを噴霧することで、臭気ガスFG(FG1)を加湿することができる。ミストMの噴霧により、臭気ガスFG(FG2)の湿度を90%以上にすることが好ましく、99%以上にすることがより好ましい。臭気ガスFG(FG2)の湿度が90%に満たない場合、後段の脱臭装置4のスプレーノズル7から供給液W2を噴霧したときに、噴霧液が蒸発するため、供給液W2の散布量を多くしなければならないという問題が生じるからである。
(脱臭装置4)
加湿装置2で加湿された臭気ガスFG(FG2)は、脱臭装置4に供給される。この脱臭装置4は、上方に給気口5が、側方に排気口6が設けられている。図1の脱臭装置4では、容器22の天井中央部に給気口5が、容器22の高さ方向中間部の側方に排気口6が設けられている。容器22の上部に供給液W2を散布するスプレーノズル7が設けられ、容器22の中間部に気液接触フィルタ8が設けられている。また、スプレーノズル7から散布された供給液W2は、気液接触フィルタ8を通過した後、下方へ落下するが、この落下した液体(貯留液W3)は、容器22の下部に設けられた貯留部25で貯留される。
(スプレーノズル7)
スプレーノズル7は供給管30(配管)に取り付けられている。散布される供給液W(W2)の粒子径(Feret径)が、0.1mm~0.7mm程度であるスプレーノズル7を用いることが好ましい。具体的には、株式会社いけうちが製造・販売する充円錐ノズル(型番:UZUJP)や、スプレーイングシステムジャパン合同会社が販売する充円錐ノズル(型番:HHSJ)などを用いることができる。供給管30やノズル7の設置個数は特に限定されないが、脱臭装置1台当たり供給管30を2~3本程度配置することが好ましい。また、気液接触フィルタ1セット当たりノズル7を3~6個程度配置し、気液接触フィルタ8の全面に供給液W(W2)が噴霧されるようにすることが好ましい。
供給液W2の成分は、特に限定されないが、臭気ガスFG2の成分によって、任意に変更することが好ましい。例えば、原水W1(水道水や純水など)に対して、中和剤や酸化剤などの添加剤AAを任意に添加し、それを供給液W2として利用することができる。詳しくは、臭気ガスFG2が臭気成分としてアセトアルデヒドを含む場合は、次亜塩素酸やオゾンを含む供給液W2を用いることが好ましい。臭気ガスFG2が臭気成分としてアンモニアを含む場合は、クエン酸を含む供給液W2を用いることが好ましい。
臭気ガスFGは親水性のガスであるため、気液接触フィルタ8に対して、常に供給液W2を散布し、気液接触フィルタ8の繊維が濡れた状態を維持することが好ましい。また、供給液W2を間欠的に散布しても良いが、その場合は、気液接触フィルタ8が乾く前に、次の供給液W2の散布をすることが好ましい。
スプレーノズル7からの供給液W2の散布は、気液接触フィルタ8を濡らすことを目的とするものであるため、気液比は約0.5L/mで十分である。前述のように従来の気液比は2~5L/mであったが、本発明の気液比は0.5L/m以下で足りるため、従来よりも気液比が大幅に小さくなることになる。気液比が小さくなると、脱臭装置4の貯留部25から貯留液W3の一部を抜き出し、脱臭装置4のスプレーノズル7に返送する水量(循環水量)を減らすことができるため、ポンプ17の動力を少なくすることができる。
スプレーノズル7の設置位置は任意に決めることができるが、気液接触フィルタ8の上面全体に供給液W2を供給する位置に設けることが好ましい。図5では、気液接触フィルタ8の幅方向の上方左側と上方右側に、それぞれ供給管30を1本ずつ設け、各供給管30、30に、スプレーノズル7を取り付けている。スプレーノズル7の噴射口は、下方かつ幅方向中央側に向かって、斜め45度の方向に設けられている。この角度は任意に変更することができるが、気液接触フィルタ8全体への供給を鑑みると、約45度~60度にすることが好ましい。また、図4において、スプレーノズル7は、並び方向に所定の間隔を空けながら、幅方向左右両側に、各6個ずつ設けているが、このスプレーノズル7の個数は任意に変更することができる。スプレーノズル7を設ける間隔は、供給液W2を気液接触フィルタ8全体に供給する観点から、並び方向に約1000mm~2000mm程度の間隔を空けて設置することが好ましい。
(気液接触フィルタ8)
気液接触フィルタ8は、臭気ガスFG2と供給液W2が気液接触する媒体となる。脱臭装置4に気液接触フィルタ8を用いた点が、充填材を用いた従来の脱臭装置4と大きく異なる。
気液接触フィルタ8は、複数個のフィルタユニット40が並列に配置されてなる。図3に示した脱臭装置4は、脱臭装置4の並び方向の一端側から他端側にかけて複数個のフィルタユニット40を並列に配置している。フィルタユニット40の個数は任意に決めることができる。フィルタユニットの数が少ないと単位時間当たりの脱臭処理量が少なくなるという問題がある。他方、フィルタユニットの数が多いと気液接触フィルタ8の設置体積が大きくなり、脱臭装置4全体が大型化するという問題がある。
なお、臭気ガスFGが気液接触フィルタ8を通過する速度は、0.05~0.3m/sにすることが好ましく、0.1~0.15m/sにすることがより好ましい。前記速度(通風速度)が0.05m/sより遅い場合、単位時間当たりの脱臭処理量が少なくなるという問題がある。また、前記通風速度が0.15m/sよりも速い場合、十分に脱臭処理されていない状態で、気液接触フィルタ8を通過してしまうという問題がある。
図3の脱臭装置4では、一端側から他端側へ向かってフィルタユニット40を直線状に並列配置している。図3の脱臭装置4のフィルタユニット40の配置を説明するために、図6(A)に簡略図(平面図)を示した。なお、図6(A)は説明用の簡略図であるため、フィルタユニット40の数は図3よりも少なくしている。また、フィルタユニット40の上面の形状も、便宜上、一本の直線で表している。
図6(A)では、各フィルタユニット40が脱臭装置4の幅方向に沿って直線状に延在している。すなわち、フィルタユニット40は容器22の内部に複数個配置されており、その配置形態は、脱臭装置4の並び方向に沿って、一端側から他端側へ向かって直線状に並列に配置されている。複数個のフィルタユニット40の配置形態を分かりやすくするため、フィルタユニット40の配置方向を点線の仮想線Lで示した。この仮想線Lは、各フィルタユニット40の幅方向中心点を繋ぐ線と平行な線である。
複数個のフィルタユニット40の配置形態は、図6(A)の形態に限られず、任意の配置形態に変更することができる。例えば、図6(B)に示すように、一端側から他端側へ向かって、複数個のフィルタユニット40を斜線状、すなわち前記仮想線Lが斜めになるように配置してもよい。また、図6(C)に示すように、一端側から他端側へ向かって、複数個のフィルタユニット40を曲線状、すなわち前記仮想線Lが曲線になるように配置してもよい。そのほか、図6(D)に示すように、脱臭装置4の周方向に沿って、複数個のフィルタユニット40を円環状、すなわち前記仮想線Lが円状になるように配置してもよい。
各フィルタユニット40の被表面積は、300m/m~1000m/mにすることが好ましく、480m/m~800m/mにすることがより好ましい。被表面積が300m/mより小さいと、脱臭装置4の脱臭効率が悪くなるという問題がある。また、被表面積が1000m/mより大きいと、脱臭装置4が大型化するという問題がある。
各フィルタユニット40の空隙率は、80%~98%にすることが好ましく、85%~90%にすることがより好ましい。空隙率が80%より低いと、臭気ガスFGがフィルタユニット40を通過しづらく、臭気ガスFGが滞留してしまうという問題がある。また、空隙率が98%より高いと、臭気ガスFGの一部が脱臭されない状態で、フィルタユニット40を通過してしまうという問題がある。
このフィルタユニット40の素材としては、例えば、ポリエステル、ポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂、ナイロン、レーヨン等の繊維を用いることができる。また、前記素材に、ぬれ性の良いもの(親水性のもの)を用いることが好ましい。ぬれ性は、固体表面と液滴の接線の間の接触角θを測定することによって示され、固体/気体間の界面張力γVS、液体/気体間の界面張力γLV、液体/固体間の界面張力γLSによって決定する。この接触角と界面張力の関係は、下記の式1(ヤングの式)によって表すことができる。
γVS=γLS+γLV cosθ ・・・式1
なお、撥水性の素材(接触角θが90度以上の素材)に対して、プラズマを照射する方法、紫外線(UV)を照射する方法、薬品処理する方法などにより、素材の表面を親水性にすることも可能である。しかし、このような素材は大気中に置くと再び疎水性に戻ってしまい、親水性を維持できる期間が短い。したがって、後天的に親水性とした素材ではなく、先天的に親水性の素材(接触角θが90度未満の素材)を用いることが好ましい。特に、超親水性の素材(接触角θが5度未満の素材)を用いることが好ましい。
前記繊維径は、好ましくは5μm~30μm、より好ましくは7μm~15μmである。
フィルタユニット40の具体的な素材(不織布)としては、例えば、呉羽テック株式会社の「ボンデン」(登録商標)の260E(品番)を用いることができる。
フィルタユニット40の膜厚は、好ましくは10mm~25mm、より好ましくは12mm~19mmである。フィルタユニット40の目付量は、好ましくは100g/m~300g/m、より好ましくは250g/m~300g/mである。フィルタユニット40の空隙率は、好ましくは65%以上、より好ましくは75%以上である。フィルタユニット40に設けられた孔の平均的な大きさは、好ましくは0.15m~0.3m、より好ましくは0.2m~0.25mである。
フィルタユニット40の形状は、例えば、図2に示すような封筒型にすることができる。図2のフィルタユニット40は、1枚のフィルタ材を折り曲げて重ね合わせ、上部に開口を設け、側端部と下部を閉じた袋状の形状にしている。具体的には、フィルタユニット40の側端部をヒートシール等の方法によって接合し(端部接合部41という。)、接合部分から外部へ臭気ガスが漏れ出ない構造になっている。フィルタユニット40の下部は折り曲げた部分に相当するため、ヒートシール等によって接合していない。図2のような折り曲げ構造ではなく、2枚のフィルタ材を重ね合わせて、1個の封筒型のフィルタユニット40を製造する場合は、側端部だけではなく、下部もヒートシール等の方法によって接合し、当該接合部分から外部へ臭気ガスが漏れ出ない構造にすることが好ましい。
図2のフィルタユニット40は、上部に開口部43が設けられているが、この開口部43は、上方へ向かって、対面するフィルタ材が次第に離間するテーパ44を備えた形状をなしている。このような形状にすることで、上方から下方へ向かって臭気ガスFGを流通させた際に、袋状のフィルタユニット40の内部に臭気ガスFGが入り込みやすくなる。開口部43上端のフィルタ材の離間距離Nは、100~200mmとすることが好ましく、120~170mmとすることがより好ましい。離間距離Mが100mmより短いと、フィルタユニット40の内部に臭気ガスFGが入り込みにくいという問題があり、離間距離Mが200mmより長いと、スペースが取られるため、多くのフィルタユニット40を並列配置しにくくなるという問題がある。なお、開口部43の幅方向両端部には仕切り壁45が設けられており、臭気ガスFGが両端部から側方へ漏れ出ない構造になっている。
開口部43の上端部には、離間方向へ延在する上端延在部46が設けられている。前記離間方向とは、対面するフィルタ材が離れる方向をいう。この上端延在部46を設けることで、脱臭装置4の内部にファイルタユニット40を装着しやすくなるという効果がある。図3の脱臭装置4においては、脱臭装置4の上部に支持板51が設けられており、この支持板51には幅方向に延在する複数の空隙が空けられている。また、この支持板51は、脱臭装置4の内部の水平方向全面に亘って延在している。支持板51に設けられた空隙には、フィルタユニット40が挿し込まれ、挿し込んだフィルタユニット40を支持板51の上に位置する上端延在部46で支える構造になっている。
フィルタユニット40上部のテーパ44を有する部分(テーパ部48という。)は、フィルタユニット40における臭気ガスFGの供給口となり、テーパ部48より下方に位置するフィルタ材が重なった部分の壁面は、臭気ガスFG2をろ過する濾過面42となる。
フィルタユニット40を図2のような形状にした場合、気流の流れ方向を基準として、上流側(図2のフィルタユニット40の上側)の密度を低く、下流側(図2のフィルタユニット40の下側)の密度を高くする密度勾配を設けることが好ましい。具体的には、上流側の密度を10kg/m~20kg/m程度とし、下流側の密度を20kg/m~40kg/m程度とすることが好ましい。このような密度勾配を設けることで、凝集トラップによりガス通路が狭くなって通風抵抗が増大することを抑止しつつ、他方では気液接触効率を最大化することができるからである。
フィルタユニット40は、例えばJIS Z 8901の15種粉体を98%濾過する性能にすることができる。このフィルタユニット40に、臭気ガスFG2を風速0.15m/sで通したときの通気損失は500Paである。
図1の脱臭装置4には、図2に示す封筒型のフィルタユニット40を6枚連続して束ねたカートリッジ47を4個用いている(図6(A)では、フィルタユニット40を5枚束ねたものを1カートリッジとしている。)。各カートリッジ47の表面積は、例えば36m~45m程度にすることができる。各カートリッジ47の通気量は、例えば300m/min~400m/minにすることができる。
脱臭装置4の上部から供給された臭気ガスFG2は、各フィルタユニット40の内部へ入り込み、フィルタユニット40上で供給液W2と気液接触する。供給液W2には、臭気ガスFG2から臭気成分を除去するための添加剤AA、オゾンなどが含まれており(添加剤AA、オゾンをともに含めても良いが、ランニングコストを抑える観点からは、どちらか一方を含有させることが好ましい)、これらの添加剤AAやオゾンが臭気成分を分解する。また、フィルタユニット40のフィルタ材の濾過面42には無数の微小な空隙(平均直径30μm~50μm程度)が存在しており、濾過面42を供給液W2によって濡れた状態にすると、当該供給液W2がフィルタ材の空隙を埋めるため、臭気ガスFG2が濾過面42を通過しにくくなる結果、濾過面42の濾過力を上げることができる。すなわち、臭気ガスFGに含まれる臭気成分は、主として、濾過面42に付着した供給液W2の液分によって補足され、供給液W2に含まれる添加剤AAやオゾンによって分解される。また、臭気ガスFGに含まれる粒状汚染物質(例えば、大気塵、燃焼ヒューム)は、濾過面42に付着した供給液W2の液分によって補足されるとともに、濾過面42の空隙によっても補足される。このようにして、臭気ガスFG2がフィルタユニット40の濾過面42を通過する(フィルタユニット40の内部から外側へ流れ出る)過程で、臭気ガスFG2中の臭気成分や汚染物質が取り除かれる。臭気成分が除去されたガスは、脱臭ガスDGとして、前記排気口6から排気される。
図2のフィルタユニット40は、上方に開口部40を設けたが、上下を逆にして、下方に開口部40を設けるようにしても良い。また、開口部40を側方に設けるようにしても良い。
フィルタユニット40の形状を図2の封筒型ではなく、他の形状にしても良い。例えば、正面視におけるフィルタユニット40の外形形状を円環状や多角形状に変更してもよい。また、図2のフィルタユニット40は、1枚のフィルタ材を折り曲げて形成したものであるが、前述のように2枚のフィルタ材を下部で接合する形態にしても良い。さらに、設備費は高くなるが、3枚以上のフィルタ材を重ね合わせて、濾過力を向上させるようにしても良い。
(接合部50)
フィルタユニット40には、対向する濾過面42の間を接合する接合部50が設けられている。フィルタユニット40の内部に臭気ガスFG2が供給されると、供給された臭気ガスFG2は、すぐに濾過面42を通過しない。なぜならば、前述のように、濾過面42の空隙の大きさが小さいとともに、濾過面42が濡れた状態であるため、臭気ガスFG2が濾過面42を通過する際の抵抗が大きいからである。よって、フィルタユニット40の内部に供給された臭気ガスFG2は、フィルタユニット40の内部で滞留することとなり、フィルタユニット40の濾過面が外方へ膨らむ(膨張する)ことになる。
並列配置したフィルタユニット40において、フィルタユニット40の膨張度合いが大きいと(すなわち膨張時の対向する濾過面42間の並び方向の長さが長いと)、隣接するフィルタユニット40間で、濾過面42の衝突が生じ、濾過面42が破損する原因になる。隣接するフィルタユニット40の濾過面42が軽く接触する場合には破損の原因にならないが、フィルタユニット40内の臭気ガスFG2が接触部分を経由してフィルタユニット40の外側へ出ることができなくなるため、フィルタユニット40全体の濾過効率が低下してしまう。そのため、隣接するフィルタユニット40の衝突や接触を防止する必要がある。
そこで、本発明のフィルタユニット40では、対向する濾過面42間を接合する接合部50を設けた。この接合部50によって、フィルタユニット40の濾過面42の膨張を抑えることができるため、隣接するフィルタユニット40の濾過面42との接触や衝突を抑止することができる。
接合部50は、フィルタユニット40の膨張の抑止効果を高めるため、フィルタユニット40の中央部に設けることが好ましい。また、図2に示すように、フィルタユニット40の内部に供給された臭気ガスFG2の流れ方向(図2では、上方から下方へ向かう方向)に沿って、線状に設けても良い。
接合部50を点状にした場合、1カ所の接合部50の接合面積は、100mm~500mm程度とすることが好ましく、100mm~200mm程度とすることがより好ましい。接合面積が100mmよりも小さいと、接合状態が不安定となり、フィルタユニット40の内部に臭気ガスFG2を吹き込んだときに、対面する濾過面42の接合が剥がれてしまうおそれがある。また、接合面積が500mmよりも大きいと、フィルタユニット40の内部に供給される臭気ガスFG2の流れが妨げられるおそれがある。
接合部50を線状にした場合、その線幅は10mm~30mm程度にすることが好ましく、10mm~15mm程度とすることがより好ましい。線幅が10mmよりも短いと、接合状態が不安定となり、フィルタユニット40の内部に臭気ガスFG2を吹き込んだときに、対面する濾過面42の接合が剥がれてしまうおそれがある。また、線幅が30mmよりも長いと、フィルタユニット40の内部に供給される臭気ガスFG2の流れが妨げられるおそれがある。
図2のフィルタユニット40は、臭気ガスFG2の流れ方向に沿って、線状に3本の接合部50が設けられており、それらの接合部50によって、幅方向に4つの小空間Q1~Q4が形成されている。なお、線状の接合部50は、臭気ガスFG2の流れ方向にそって、切れ目なく連続して接合した直線形状にしても良いし、一定の間隔を空けながら接合した破線形状にしても良い。好ましくは、破線形状が好ましい。破線形状にすることで、有効な濾過面積を確保することができるからである。直線形状にした場合、接合部50でろ過できないため、破線形状にした場合と比べて、濾過面積が少なくなる。濾過面42の上部には接合部42を設けず、臭気ガスFG2が各小空間Q1~Q4に自由に出入りできるようにすることが好ましい。
図2のフィルタユニット40において、各小空間Q1~Q4の幅方向の長さUを30mm~80mmにすることが好ましい。幅方向の長さUが30mmよりも短いと、臭気ガスFG2の流路が十分に確保できないという問題がある。幅方向の長さUが80mmよりも長いと、フィルタユニット40が膨らんだときに、並び方向に隣接するフィルタユニット40に接触しやすくなり、それを避けるために、フィルタユニット40を取り付けるピッチを広くする必要が生じるという問題がある。各小空間Q1~Q4の幅方向の長さUは、それぞれ異なる長さにしても良いが、同じ長さにすることが好ましい。フィルタユニット40内に臭気ガスFG2が流入すると、各小空間Q1~Q4は筒状に膨張するため、各小空間Q1~Q4の並び方向の長さTが同じになり、すべての小空間Q1~Q4が隣接するフィルタユニット40に接触しづらくなる(図8(A))。すなわち、各小空間Q1~Q4の幅方向の長さUと並び方向の長さTはほぼ同じ長さになるため、一部の小空間の幅方向の長さUを他の小空間の幅方向の長さUよりも長くすると、他の小空間が隣接するフィルタユニット40に接触しない(図8(B)(ハ)の幅方向中央および右側)場合でも、一部の小空間が隣接するフィルタユニット40に接触してしまう可能性がある(図8(B)(ハ)の幅方向左側)。そこで、すべての小空間の幅方向の長さUをほぼ同じにすることで、このような不具合の発生を抑制することができる(図8(A))。また、図8(C)のように、隣接するフィルタユニット40(ホ)(へ)において、接合部50を設ける位置を互い違いにすることで、隣接するフィルタユニット40の並び方向の距離Sを短くすることができる。なお、隣接するフィルタユニット40の並び方向の間隔Sは、任意に設定できるが、150mm~250mmとすることが好ましく、200mm~250mmとすることがより好ましい。150mmよりも短いと、隣接するフィルタユニット40が接触しやすいため、それを避けるために接合部50の数を多くしなければならないという問題がある。250mmよりも長いと、容器22の内部に設置するフィルタユニット40の数が少なくなり、脱臭処理の能力が低下するという問題がある。
以上のように、フィルタユニット40が膨張した時に、フィルタユニット40の並び方向Tの長さを均等にすることが好ましい。そのため、フィルタユニット40に接合部50を設ける位置は、フィルタユニット40に均等に設けることが好ましい。例えば、点状の接合部50を1つ設ける場合は、高さ方向および幅方向の中央に設けることが好ましく(図7(A))、2つ以上設ける場合は、高さ方向および幅方向の長さUがそれぞれ均等になる位置に設けることが好ましい(図7(B))。接合部50の位置を決める際は、図7(A)(B)に示すような設計線51を用い、均等な位置を把握するのが好ましい。図7(C)は、開口部43を下方に設け、接合部50を直線状に設けた例である。
なお、気液接触フィルタ8は、通気性とともに通水性も有する。そのため、上方から下方の気液接触フィルタ8に散布された供給液W2は、一時的に気液接触フィルタ8のフィルタ材に保持されるが、時間が経過するにつれて、フィルタ材の内表面側から外表面側へと移動し、その後、気液接触フィルタ8から重力落下する。
(貯留部25)
脱臭装置4の下部には、貯留液W3を貯留する貯留部25が設けられている。気液接触フィルタ8から落下した供給液W2は、この貯留部25に貯留液W3として貯留される。
貯留部25には、貯留液W3の液面のレベルを計測するレベルセンサ9を設けることが好ましい。レベルセンサ9によって、貯留部25に貯留された貯留液W3の量が所定以下になったか否かを検出し、所定以下になった場合に、供給液W2の安定供給が困難になったことを知らせる警報を発するシステムにすることが好ましい。また、貯留部25に貯留される貯留液W3の量は、循環中の液量の10倍程度とすることが好ましい。
図1に示した脱臭装置4は、ポンプ17によって、貯留部25に貯留された貯留液W3の一部を抜き出し、スプレーノズル7へ返送するが、貯留液W3に臭気ガスFG2に由来する不純物(例えば、燃焼ばい煙、大気塵など)が混入している可能性があり、この不純物がスプレーノズル7や気液接触フィルタ8を目詰まりさせてしまうおそれがある。そのため、貯留液W3の返送径路RLに液濾過フィルタ18を設け、この不純物を除去するようにすることが好ましい。
また、返送径路RLに水タンク20を接続し、原水W1と添加剤AAを混合した混合液W4をこの返送液W3に挿入し、これを供給液W2としても良い。混合液W4の挿入量は、制御弁21の開度によって調整する。
(吸引ファン11)
図1の脱臭設備1において、脱臭装置4の排気口6よりも下流側(排気口6近傍に設置しても良い)に、吸引ファン11が設けられている。この吸引ファン11による吸引力によって、臭気ガスFG2は、気液接触フィルタ8を通過して、臭気成分が除去された脱臭ガスDGとなった後、排気口6から排気されて、大気中に放散される。吸引ファン11に代えて、または吸引ファン11とともに、脱臭装置4の給気口5近傍(または給気口5よりも上流側)に送風ファン(図示しない)を設け、この送風ファンによって、臭気ガスFG2を脱臭装置4内へ送風し、臭気成分が除去された脱臭ガスDGを排気口6から排気し、大気中に放散する構成にしても良い。
(濃度計15)
臭気ガスFG2が気液接触フィルタ8を通過した後、脱臭ガスDGとして大気中に放散されるまでのいずれかの地点で、脱臭ガスDGの一部を抜き出し、脱臭ガスDG中に含まれる臭気成分の量を濃度計15で計測するようにすると良い。そして、濃度計15の計測結果に基づき、ポンプ17の運転量を変更し、スプレーノズル7から散布する供給液W2量を変更することが好ましい。具体的には、脱臭ガスDG中の臭気成分の量が所定値(例えば、臭気強度2.5)よりも高い場合は、供給液W2の散布量を増やし、同じく臭気成分の量が前記所定値よりも低い場合は、供給液W2の散布量を減らす制御をすることが好ましい。
また、脱臭装置4の貯留部25に対して、貯留液W3中のオゾン濃度を測定する水中オゾン濃度計(図示しない)を取り付け、返送する貯留液W3のオゾン濃度を一定に維持させることが好ましい。具体的には、貯留液W3のオゾン濃度を4ppm~20ppmにすることが好ましく、4ppm~10ppmにすることがより好ましい。貯留液W3のオゾン濃度が4ppmより低いと、貯留液W3を返送してスプレーノズル7から噴射したときに、臭気ガスFG2を脱臭する脱臭効果が低いという問題がある。また、貯留液W3のオゾン濃度が20ppmより高い場合、オゾン濃度の高い貯留液W3をスプレーノズル7から噴射することで、容器22内の気体中のオゾン濃度が高くなってしまうという問題がある。また、貯留液W3のオゾン濃度が20ppmより高い場合、必要以上に高性能のオゾン発生装置を導入しなければならず、経済性が悪いという問題がある。
本発明の脱臭設備1によれば、従来の充填材シャワー方式と比べて、以下の様な利点がある。
気液接触フィルタ8において、気流の流れ方向を基準として、上流側の密度を低く、下流側の密度を高くする密度勾配を設けることにより、ショートパスやチャネリングが無くなり、フィルタ材の被表面積を大きくできるため、気液接触効率が高くなり、脱臭効果を高めることができる。
気液接触フィルタ8の素材にポリエステル繊維を用いることにより、臭気ガスFG2が気液接触フィルタ8を通過する際の圧力損失が少なくなる。そのため、吸引ファン11の駆動動力を小さくすることができる。また、従来の充填層方式に比べて、面風速を1/15以下にすることにより、圧力損失を抑えることができる。
前述のように、気液接触フィルタ8の気液接触効率が高いため、供給液W2の散布量を少なくすることができる。その結果、ポンプ17の動力を小さくすることができる。
また、フィルタ材の比表面積を大きくしたことにより、気液接触フィルタ8で保持する供給液量が多くなる。そのため、供給液W2の散布量を少なくすることができ、ポンプ17の動力を小さくすることができる。
気液接触フィルタ8を封筒型とし、その封筒型の気液接触フィルタ8を並列に配置して束ねたカートリッジ式にした。このような封筒型の気液接触フィルタ8は、表面積が大きいため、従来の充填材方式の脱臭装置と比べて、脱臭装置4の寸法や容量を大幅に小さくすることができる。また、脱臭処理量を増やしたい場合は、設置するカートリッジの個数を増やせばよいため、脱臭処理量の増加を容易に実現できる。
気液接触フィルタ8のフィルタ材が有する濡れ性によって、供給液W2を一定量保持することができるため、供給液W2の添加剤の濃度や散布量を厳密に管理しなくても、気液接触効率を一定に保つことができ、脱臭性能が安定的となる。
スプレーノズル7から散布される供給液W2の粒子径(Feret径)が、0.1mm~0.7mm程度であると、供給液W2のミストの放散がほとんどなくなる。噴射口から噴射された供給液W2は、拡散性が良いため、気液接触フィルタ8に均一に散布することができ、斑が生じにくいという利点がある。そして、供給液W2を気液接触フィルタ8に均一に散布することで、均一な気液接触を実現することができる。
供給液W2のミストの放散がほとんどなくなると、気液接触フィルタ8まで辿り着かずに、蒸発して消失する供給液W2が減るため、供給液W2の散布量を少なくすることができ、ポンプ17の動力を減らすことができる。また、本脱臭設備1では、加湿装置2で臭気ガスFGを予め加湿しているため、気液接触時に必要とされる供給液W2量が少ない。そのため、この点を考慮しても、供給液W2の散布量を減らすことができる。
添加剤AAの代わりに、オゾンを供給液W2に混入するようにすると、添加剤AAが不要になるため、ランニングコストを大幅に削減することができる。供給液W2に混入させるオゾンは、運搬費の節約等の観点から、現場にオゾン発生装置14を設け、現場でオゾンを発生させることが好ましい。オゾン発生装置14で生成したオゾンは、マイクロバブル法などによって、貯留液W3(供給液W2に直接混入しても良い)に混入することができる。
1:脱臭設備、2:加湿装置、3:噴霧管、4:脱臭装置、5:給気口、6:排気口、7:スプレーノズル、8:気液接触フィルタ、9:レベルセンサ、11:ファン、12:マイクロバブルノズル、13:制御弁、14:オゾン発生装置、15:濃度計、16:制御装置、17:ポンプ、18:液濾過フィルタ、19:添加剤タンク、20:水タンク、21:制御弁、22:容器、23:給気口、24:排気口、25:貯留部、40:フィルタユニット、41:端部接合部、42:濾過面、43:開口部、44:テーパ、45:仕切り壁、46:上部延在壁、47:カートリッジ、48:テーパ部、50:接合部、51:支持板、A:大気、DG:脱臭ガス、FG:臭気ガス、FG1:加湿前の臭気ガス、AA:添加剤、FG2:加湿後の臭気ガス、M:ミスト、N:開口部の開口幅、Q1~Q4:小空間、W:液、W1:原水、W2:供給液、W3:貯留液、W4:混合液

Claims (6)

  1. 気液接触により、臭気ガスから臭気成分を除去する気液接触フィルタを備え、
    前記気液接触フィルタは、袋構造のフィルタユニットが複数個並列に配置されてなり、
    前記臭気ガスは、複数の前記フィルタユニットの内部にそれぞれ供給され、各フィルタユニットを膨張させ、膨張した前記フィルタユニットの濾過面を通って外部へ流れ出る構成とされ、
    前記フィルタユニットには、対向する濾過面間を接合した接合部が設けられ、
    前記接合部が前記フィルタユニットの膨張を抑制することにより、膨張した前記フィルタユニットの濾過面と隣接する膨張した前記フィルタユニットの濾過面の接触を抑止する構成とした、
    ことを特徴とする脱臭装置。
  2. 前記接合部は、少なくとも前記フィルタユニットの中央部に設けられている請求項1記載の脱臭装置。
  3. 前記接合部は、前記フィルタユニットの内部に供給された前記臭気ガスの流れ方向に沿って、線状に設けられている請求項1記載の脱臭装置。
  4. 前記気液接触フィルタは、
    複数個の前記フィルタユニットを束ねて一体化したカートリッジである請求項1記載の脱臭装置。
  5. 請求項1記載の脱臭装置を備えた脱臭設備であって、
    前記脱臭設備はオゾン生成装置を有し、
    前記オゾン生成装置で生成したオゾンは、液体に溶解され、前記気液接触フィルタに供給される構成とした、
    ことを特徴とする脱臭設備。
  6. 請求項1記載の脱臭装置を備えた脱臭設備であって、
    前記脱臭設備は加湿装置を有し、
    前記加湿装置で加湿された前記臭気ガスが前記脱臭装置に供給される構成とした、
    ことを特徴とする脱臭設備。
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