JP2004298744A - 排ガス処理設備及び排ガス処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】たとえば電気集塵器を備え既設フローに対しても、分解触媒装置による有効な排ガス処理が可能であり、また圧力損失の上昇がない排ガス処理が可能となる排ガス処理設備を提供する。
【解決手段】排ガスを最終除塵設備1にて除塵し、さらに排ガスをダイオキシン又は窒素酸化物を分解する粒状触媒が充填された分解触媒装置3を通して大気への放散を図る排ガス処理系統であって、前記最終除塵設備1と前記分解触媒装置3との間に、前記最終除塵設備1から排出される、ダストを除塵するパルスジェット払い落とし式バグフィルタ2を設けた。さらに、バグフィルタ2前段の排ガス路6に対して、平均粒径が5〜100μmの粒子を主体とするろ過助剤を添加するろ過助剤添加手段7を設けた。
【選択図】図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、排ガスを処理する排ガス処理設備に関し、特に排ガス中に含まれるダイオキシン又は窒素酸化物を高速で処理することができ、コンパクトな排ガス処理設備及び排ガス処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、ゴミ焼却場等から出る排ガス中に含まれるダイオキシン等が降雨などによって土壌に混ざり、食卓に上がる野菜等に政府が許容する規定値以上のダイオキシン等が検出されたことなどが社会問題化している。この種の問題を解決するため、近年、ゴミ焼却場等に排ガス中のダイオキシン等の濃度を減らすための装置が設置されつつある。
【0003】
しかし、新設炉に対しては、各種の対策案が提案されているが、既設の焼却炉における排ガス処理は主に最終除塵設備として電気集塵器によるものが殆どであり、これが主な理由として有効な対策が遅れている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
一方、排ガスは、これに含まれるダイオキシン又は窒素酸化物を分解する分解触媒装置を通すことが有効であることが知見されている。
【0005】
そこで、排ガスを最終除塵設備としての電気集塵器にて除塵し、さらに排ガスをダイオキシン又は窒素酸化物を分解する分解触媒装置を通して大気への放散を図るフローが考えられる。
【0006】
しかし、長時間の運転に伴って、分解触媒装置の圧力損失が上昇し、定常運転が困難になることが判った。この理由は、電気集塵器による除塵後においても、微量のダストが粒状触媒が充填された分解触媒装置に移行し、分解触媒装置の通過小孔や、粒状触媒表面部に付着・堆積し、排ガス流路を閉塞することによるものと知見された。
【0007】
したがって、本発明の課題は、最終除塵設備としての電気集塵器を備えたたとえば既設フローに対しても、分解触媒装置により有効に排ガス処理が可能である排ガス処理設備を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決した本発明は次記のとおりである。
<請求項1項記載の発明>
排ガスを最終除塵設備にて除塵し、さらに排ガスをダイオキシン又は窒素酸化物を分解する粒状触媒が充填された分解触媒装置を通して大気への放散を図る排ガス処理系統であって、
前記最終除塵設備と前記分解触媒装置との間に、前記最終除塵設備から排出されるダストを除塵するバグフィルタ、及びこの前段の排ガス路に対して、平均粒径が5〜100μmの粒子を主体とするろ過助剤を添加するろ過助剤添加手段を設けたことを特徴とする排ガス処理設備。
【0009】
<作用効果>
最終除塵設備から排出される微量なダストは、バグフィルタを使用することで十分に除塵することができるために、粒状触媒が充填された分解触媒装置においてその圧力損失の上昇がなく、長時間安定した排ガス処理が可能である。
一方、最終除塵設備を通過するダストは一般に粒径が小さく、たとえば粒径1μm未満のダストを2%以上含んでいる。粒径1μm未満のダストはバグフィルタの濾布内部に侵入してしまうため、パルスジェットによっても払い落とすことが困難であり、圧力損失を上昇させる原因となる。そこで、本発明に従って、バグフィルタ前段の排ガス路内に平均粒径5〜100μmのろ過助剤(たとえばパーライト、珪藻土、消石灰など、望ましくはパーライトや珪藻土のような排ガス中の酸性物質と反応しない不活性物質、あるいはこれらの混合物)を噴霧などの手段により添加すると、▲1▼フィルタ表面に堆積するダスト層の空隙を確保することによりバグフィルタの圧力損失を低減することができ、▲2▼ダストのろ布内部への侵入を防ぎ、ろ布からの剥離性を向上し、および▲3▼ろ過助剤にダストを付着させ凝集効果によりダスト重量及び/またはダスト粒径を増加させ、払い落としたダストの再飛散を防止することができる。
ここで、ろ過助剤として、平均粒径が5〜100μmの粒子を主体とするものを使用するが、平均粒径が5μm未満ではろ過助剤自体が細かすぎるため、却って圧力損失を上昇させてしまう危険性があり、また100μmを超えるとダストに比べてろ過助剤の粒径が大きすぎて、その結果、空隙も大きくなり、ダストがろ布に到達してしまうため、この範囲にしたものである。
【0010】
<請求項2項記載の発明>
バグフィルタがパルスジェット払い落とし式バグフィルタである請求項1記載の排ガス処理設備。
【0011】
<作用効果>
パルスジェット払い落とし式バグフィルタを使用することで、微細かつ微量なダストについても必要十分な除塵が可能であり、かつ、パルスジェット払い落とし逆洗により十分な圧力損失の回復が行われる。特に、微細なダストをろ過助剤と共に払い落とすことができる。
【0012】
<請求項3項記載の発明>
分解触媒装置が、多数の通過小孔を有する壁内に、チタン酸化物及びバナジウム酸化物を有する粒状触媒が充填されたものであり、バグフィルタを通った排ガスがラテラルフローにより通過する構成である請求項1または2記載の排ガス処理設備。
【0013】
<作用効果>
分解触媒装置が、多数の通過小孔を有する壁内に、チタン酸化物及びバナジウム酸化物を有する粒状触媒(本発明において「粒状」の意義は「粉状」も含む)が充填されたものであり、バグフィルタを通った排ガスがラテラルフローにより通過する構成であると、後記実施例に記載のように、ダイオキシン又は窒素酸化物の分解能力が高いものとなる。
【0014】
<請求項4項記載の発明>
ハウジング内の上方に、ダストを含有する排ガスが外部から内部に通過するように袋状濾布からなるフィルタが設けられ、ハウジング内の下方に、前記フィルタの外部に連通して落下ダストを捕集するダスト捕集部が設けられ、前記フィルタの内部に臨み、短時間で噴射される空気によりフィルタに付着したダストを払い落とすパルスジェット噴射手段が設けられ、前記フィルタと前記ダスト捕集部との間にダストの再飛散防止手段が設けられていることを特徴とする排ガス処理設備。
【0015】
<作用効果>
最終除塵設備を通過するダストは一般に粒径が小さいため、バグフィルタのダスト捕集部(たとえばホッパー部)に落下してもパルスジェットによるバグフィルタ内部のガス流れの変化により再飛散して排出できず、結果としてバグフィルタの圧力損失を上昇させてしまうことが多い。そこで、フィルタとダスト捕集部との間にダストの再飛散防止手段を設けることにより、ダストの再飛散を防止して、バグフィルタの圧力損失の上昇を防止できる。
【0016】
<請求項5項記載の発明>
請求項1〜4のいずれか1項に記載の排ガス処理設備を使用し、バグフィルタのろ過速度を1.5〜5.0m/minとすることを特徴とする排ガス処理方法。
【0017】
<作用効果>
ろ過速度を大きくすることにより、バグフィルタ装置を小型化できる。
【0018】
<請求項6項記載の発明>
排ガス中の全ダスト量に対し、粒径が1μm未満の微細ダストを体積基準相対粒子量として2%以上含むとき、その排ガスを除塵するバグフィルタにおける前段の排ガス路に対して、平均粒径が5〜100μmの粒子を主体とするろ過助剤を、前記ダスト量に対し重量比で2〜10倍量をもってろ過助剤を添加することを特徴とする排ガス処理方法。
【0019】
<作用効果>
請求項1記載の発明の作用効果に加えて、次記の作用効果を奏する。すなわち、ろ過助剤はダスト量の重量比で2倍未満では十分な効果が得られず、10倍を超えるとろ過助剤が多すぎることにより圧力損失上昇が早まる上、かつろ過助剤添加に伴うコストが嵩む上、ダスト増量による灰処理費用の増大により経済性が低下するからである。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の形態を図面を参照しながらさらに詳説する。
図1は全体のフローを示したもので、たとえばゴミ焼却炉などの排ガスは、最終除塵設備1、たとえば電気集塵器に通され、その含有ダストが除塵される。
【0021】
最終除塵設備1を通過後の排ガスには、バグフィルタ2に連なる排ガス路(煙道)6内に、ろ過助剤添加手段7によりろ過助剤が噴霧などにより添加され、その後、パルスジェット払い落とし式バグフィルタ2に通された後、分解触媒装置3に導かれ、誘引ファン4により煙突5から大気に放出される。
【0022】
ここで、分解触媒装置3の望ましい具体的構成としては、図3に示すように、多数の通過小孔を有する壁3A内に、チタン酸化物及びバナジウム酸化物を有する粒状触媒3Bが充填されたものであり、バグフィルタを通った排ガスGがラテラルフローにより通過するものである。粒状触媒3Bの充填層は図3に概念的に示すように、モジュール化され、その触媒量、層厚さなどの諸元は、要求される分解率及び圧力損失値などにより選択される。粒状触媒3Bの充填層は、たとえば排ガスG流通方向の入口端及び出口端が閉塞され、かつ入口端及び出口端においてそれぞれ隣接する充填層が1つおきに仕切り部材3C、3Dにより閉塞されることで、隣接する充填層間に入り込んだ排ガスGは、それぞれ裏面側に抜けた後に、開口する出口から排気されるラテラルフローのものである。壁3Aはたとえばパンチングメタルにより形成され、多数の通過小孔(たとえば0.8〜1.5mm)を有する。
【0023】
この排ガスの流通過程において、チタン酸化物及びバナジウム酸化物を有する粒状触媒3Bが、ダイオキシン又は窒素酸化物の分解を行う。他の触媒に比較して、チタン酸化物及びバナジウム酸化物を有する粒状触媒3Bは分解効率が高いことを知見している。
【0024】
本発明においては、最終除塵設備1と分解触媒装置3との間に、パルスジェット払い落とし式バグフィルタ2が設けられる。
【0025】
パルスジェット払い落とし式バグフィルタ2は、たとえば図2に示す構造のもので、ハウジング2Aの上面の入口2Bからダスト含有排ガス(含塵気流)が内部に投入される。ハウジング2A内の上部には、図2の紙面を貫く方向に整列された多数の平板状フィルタ2D群が、上下に一列または高さ方向に複数列配設され濾過室2Eが構成されている。
【0026】
フィルタ2Dは図2の左方が開口している袋体であり、その外表面に濾過捕集されたダストは、開口側に対向して配設されたパルスジェット噴射手段を構成する圧縮空気導管2Fから、ごく短時間で強力に袋体内部に噴射される空気により、袋体自体に作用する衝撃波をもって、いわゆるジェットパルス逆洗により完全に払い落され、フィルタ2Dの圧力損失は常に安定して維持される。濾過された清浄空気は、フィルタ2D内を通り、清浄空気室より機外へ排出される。
【0027】
ハウジング2A内の下部には、フィルタ2Dの外部に連通して落下ダストを捕集する下窄まりのホッパー形状などからなるダスト捕集部2Cが設けられ、さらに、フィルタ2Dとダスト捕集部2Cとの間にダストの再飛散防止手段2Gaが設けられている。
【0028】
ところで、最終除塵設備1を通過するダストは一般に粒径が小さいため(例えば粒径1μm未満のダストを体積基準相対粒子量として2%以上含んでいる。)、ダスト捕集部2Cに落下してもパルスジェットによるバグフィルタ2内部のガス流れの変化により再飛散して排出できず、結果としてフィルタ2Dの圧力損失を上昇させてしまうことが多い。そこで、ダスト捕集部2Cに図2に図示するように再飛散防止手段を設ける。望ましくは水平に対して45〜60°で高さ100〜300mmの傾斜板2Ga,2Ga…を複数設置し、ダストの再飛散を防止する。傾斜板2Gaに積もったダストが落下するためには45°以上必要であり、60°以上にすると傾斜板2Ga上部と下部の気流の遮断ができ難い。また傾斜板2Gaの高さは100mm未満では必要枚数が増えるため構造が複雑となり不経済であり、500mm以上にするとダスト捕集部2Cが大型化してしまう。再飛散防止手段としては、図2にハウジング2A外部に図示するように、山形の再飛散防止傘2Gb,2Gb…などによって形成することもできる。
【0029】
このバグフィルタ2のろ過速度は、1.5〜5.0m/minが望ましく、特に2.5〜3.0m/minが望ましい。通常、ごみ焼却排ガスのバグフィルタは、ろ過速度が0.8m/min程度で運転されているため、実施の形態に従ってろ過速度を1.5m/min以上とすることで、大幅なコンパクト化が可能となる。ろ過速度が5.0m/minを超えると、圧力損失が2.0kPa未満とする設計基準を超えてしまい運転が困難となる。
【0030】
また、フィルタ2Dの払い落とし時のパルスジェットの圧力は0.4〜1.0MPaが望ましく、特に0.4〜0.6MPaが望ましい。0.4MPa未満では十分な払い落としができ難く、1.0MPaを超えると設備上不経済であり、また濾布の強度を劣化させる原因ともなる。フィルタ2D自体の材質としては、ダストの剥離性を考慮しフエルトや織布にテフロンメンブレン加工を施した重層構造のものが適している。
【0031】
他方、ろ過助剤添加手段7としては、ろ過助剤ホッパー7A内に投入したろ過助剤をスクリュウコンベア7B及び切り出し弁により切り出すとともに、吹込みコンプレッサー7Cなどからの気流に乗せて排ガス路6内に吹込むものである。
【0032】
このろ過助剤の添加がない場合には、図4の上部に示すように、フィルタ2Dの表面に細かいダストSが付着・堆積が進行すると、ダストS,S間の間隙が閉塞化傾向となり圧力損失の上昇をきたすとともに、フィルタ2D内に細かいダストSが侵入するが、ろ過助剤を添加した場合には、図4の下部に示すように、フィルタ2Dの表面に粒径の大きいろ過助剤P,P…が付着・堆積するとともに、細かいダストSはそのろ過助剤P表面に付着・堆積する傾向となり、これが進行したとしても、粒子間の間隙は確保される。また、払い落とし時には、粒径の大きいろ過助剤Pはフィルタ2Dの表面から容易に剥離するが、その際に細かいダストSも同伴して落下するようになる。
【0033】
図5はろ過助剤を添加しない場合における払い落とし後の捕集ダストの顕微鏡写真であり、図6はろ過助剤を添加した場合における払い落とし後の捕集ダストの顕微鏡写真である。現実に、図6の大きい粒子がパーライトであり、その周面に細かいダストが存在していることから、図4に基づき説明した上記現象が確認できる。
【0034】
(その他)
本発明は、上記例のほか、種々の排ガスの処理に適用できる。たとえば、図7に示すように、セメントキルンからの排ガスを多段サイクロン型熱交換器を通した後に、バグフィルタにて最終的に除塵処理し、誘引ファンにより排ガスとして放散される際に、バグフィルタの前段にろ過助剤を添加する例を挙げることができる。
【0035】
また、図8に示すように、灰溶融炉からの微細ダストである溶融飛灰を含む排ガスを、ガス冷却塔を通した後に、バグフィルタにて除塵し、次にスクラバーにて最終的に除塵処理し、誘引ファンにより排ガスとして放散される際に、バグフィルタの前段にろ過助剤を添加する例を挙げることができる。
【0036】
【実施例】
(実施例1)
排ガス中の全ダスト量に対する、微細ダスト(以下「微細ダスト」は粒径1μm未満のダストを示す。)の割合と、圧力損失上昇速度比の関係を調べたところ、図9に示す結果が得られた。
同図は、微細ダストを体積基準相対粒子量(以下「相対粒子量」と言う。)として0.5%含む場合における圧力損失上昇速度を「1」とし、微細ダストの割合の変化に対する圧力損失上昇速度比の変化を示すものである。また、相対粒子量は、電気集塵器通過ダストをバグフィルタで捕集したものを使用して調整したものである。
【0037】
この結果から、微細ダストの相対粒子量が2%未満の場合には、圧力損失上昇の問題は小さいが、2%以上含むときには、大きな影響を及ぼすことが判る。
【0038】
(実施例2)
実施例1における知見に基づいて、さらに、ろ過助剤を添加することの意義について、次記の実験により効果を確認した。上記の実施の形態で述べた設備のモデル実験用装置により、バグフィルタのろ過性及びダイオキシンの除去性などを調べた。実験には、ろ過助剤として平均粒径28μmのパーライトを使用し、微細ダストの相対粒子量は約12%であった。粒状触媒としてはチタン酸化物及びバナジウム酸化物を有するものである。結果を表1に示す。
【0039】
【表1】
Figure 2004298744
【0040】
この結果からして、バグフィルタは優れたろ過性を示し、また、分解触媒装置によるダイオキシンの除去性は良好であることを確認した。
【0041】
(実施例2)
先に述べたように、ろ過助剤としては、平均粒径が5〜100μmの粒子を主体とするものを使用するのが望ましい。また、ダスト量に対し重量比で2〜10倍量をもってろ過助剤を添加するのが望ましい。
ろ過助剤の噴霧による添加により圧力損失の変化を調べた。
【0042】
(1)ろ過助剤の平均粒径と圧力損失上昇速度比
ろ過助剤を排ガス中のダスト量に対し重量比で5倍量で添加する条件の下で、ろ過助剤の平均粒径の相違によって、圧力損失上昇速度比がどのように変化するかを調べた。結果を、図9に示した。なお、圧力損失上昇速度比とは、ろ過助剤を添加しない場合における圧力損失上昇速度を「1」とする圧力損失上昇速度の比で表すものである。
この結果からして、ろ過助剤として平均粒径が5〜100μmの粒子を主体とするものが望ましいことが判る。
【0043】
(2)ろ過助剤の添加量と圧力損失上昇速度比
ろ過助剤として、平均粒径が28μmのパーライトを使用して添加する条件の下で、ろ過助剤の添加量を図10に示した。なお、ろ過助剤の添加量は、排ガス中のダスト量に対する倍数で表している。
【0044】
この結果からして、ろ過助剤の添加量としては、排ガス中のダスト量に対し重量比で2〜10倍量であるのが望ましいことが判る。
【0045】
【発明の効果】
以上のとおり、本発明によれば、ろ過式集塵設備以外の除塵設備、たとえば電気集塵器を備え既設フローに対しても、分解触媒装置による有効な排ガス処理が可能であり、また圧力損失の上昇がない排ガス処理が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は排ガス処理設備に全体のフローを示した概要図である。
【図2】バグフィルタの概要図である。
【図3】分解触媒装置の充填層のモジュールの概念図である。
【図4】フィルタへの粒子堆積状況の説明図である。
【図5】ろ過助剤を添加しない場合における払い落とし後の捕集ダストの顕微鏡写真である。
【図6】ろ過助剤を添加した場合における払い落とし後の捕集ダストの顕微鏡写真である。
【図7】他の排ガス処理フローの概要図である。
【図8】別の排ガス処理フローの概要図である。
【図9】基礎実験の結果を示すグラフである。
【図10】ろ過助剤の平均粒径と圧力損失上昇速度比の関係グラフである。
【図11】ろ過助剤の添加量と圧力損失上昇速度比の関係グラフである。
【符号の説明】
1…最終除塵設備、2…パルスジェット払い落とし式バグフィルタ、2A…ハウジング、2B…バッフルプレート、2C…ホッパー、2D…フィルタ、2E…濾過室、2F…圧縮空気導管、3…分解触媒装置、3A…壁、3B…粒状触媒、6…煙突。

Claims (6)

  1. 排ガスを最終除塵設備にて除塵し、さらに排ガスをダイオキシン又は窒素酸化物を分解する粒状触媒が充填された分解触媒装置を通して大気への放散を図る排ガス処理系統であって、
    前記最終除塵設備と前記分解触媒装置との間に、前記最終除塵設備から排出されるダストを除塵するバグフィルタ、及びこの前段の排ガス路に対して、平均粒径が5〜100μmの粒子を主体とするろ過助剤を添加するろ過助剤添加手段を設けたことを特徴とする排ガス処理設備。
  2. バグフィルタがパルスジェット払い落とし式バグフィルタである請求項1記載の排ガス処理設備。
  3. 分解触媒装置が、多数の通過小孔を有する壁内に、チタン酸化物及びバナジウム酸化物を有する粒状触媒が充填されたものであり、バグフィルタを通った排ガスがラテラルフローにより通過する構成である請求項1または2記載の排ガス処理設備。
  4. ハウジング内の上方に、ダストを含有する排ガスが外部から内部に通過するように袋状濾布からなるフィルタが設けられ、ハウジング内の下方に、前記フィルタの外部に連通して落下ダストを捕集するダスト捕集部が設けられ、前記フィルタの内部に臨み、短時間で噴射される空気によりフィルタに付着したダストを払い落とすパルスジェット噴射手段が設けられ、前記フィルタと前記ダスト捕集部との間にダストの再飛散防止手段が設けられていることを特徴とする排ガス処理設備。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の排ガス処理設備を使用し、バグフィルタのろ過速度を1.5〜5.0m/minとすることを特徴とする排ガス処理方法。
  6. 排ガス中の全ダスト量に対し、粒径が1μm未満の微細ダストを体積基準相対粒子量として2%以上含むとき、その排ガスを除塵するバグフィルタにおける前段の排ガス路に対して、平均粒径が5〜100μmの粒子を主体とするろ過助剤を、前記ダスト量に対し重量比で2〜10倍量をもってろ過助剤を添加することを特徴とする排ガス処理方法。
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