JPH0673611A - ポリエステル弾性繊維 - Google Patents
ポリエステル弾性繊維Info
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- JPH0673611A JPH0673611A JP25065492A JP25065492A JPH0673611A JP H0673611 A JPH0673611 A JP H0673611A JP 25065492 A JP25065492 A JP 25065492A JP 25065492 A JP25065492 A JP 25065492A JP H0673611 A JPH0673611 A JP H0673611A
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- Japan
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- polyester
- elastic
- resistance
- branching agent
- elastic fiber
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 耐熱性、耐候(光)性、耐薬品性に優れた性
質を維持しつつ、繰り返し伸長による弾性回復率の低下
が少なく、さらに、ゴム弾性に近い回復力を有するポリ
エステル弾性繊維を提供する。 【構成】 ポリブチレンテレフタレート又はポリエチレ
ンテレフタレートをハードセグメント、脂肪族ポリエス
テルをソフトセグメントとし、分岐剤として3官能アル
コールにアルキレンオキシドが付加した化合物、例え
ば、トリメチロールプロパンにエチレンオキシドが付加
した化合物で、平均分子量が1000〜3000のものを 0.2〜
2.0 モル%共重合したポリエステル弾性体からなる。
質を維持しつつ、繰り返し伸長による弾性回復率の低下
が少なく、さらに、ゴム弾性に近い回復力を有するポリ
エステル弾性繊維を提供する。 【構成】 ポリブチレンテレフタレート又はポリエチレ
ンテレフタレートをハードセグメント、脂肪族ポリエス
テルをソフトセグメントとし、分岐剤として3官能アル
コールにアルキレンオキシドが付加した化合物、例え
ば、トリメチロールプロパンにエチレンオキシドが付加
した化合物で、平均分子量が1000〜3000のものを 0.2〜
2.0 モル%共重合したポリエステル弾性体からなる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は衣料用及び産業資材用と
して用いることのできる優れた弾性回復率を有し、か
つ、耐薬品性、耐候(光)性、耐熱性の優れたポリエス
テル弾性繊維に関するものである。
して用いることのできる優れた弾性回復率を有し、か
つ、耐薬品性、耐候(光)性、耐熱性の優れたポリエス
テル弾性繊維に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、弾性繊維として、ポリエチレンテ
レフタレートやポリブチレンテレフタレートのような高
結晶性のポリエステルをハードセグメントとし、ポリテ
トラメチレングリコールに代表されるポリアルキレング
リコールをソフトセグメントとしたポリエーテルエステ
ル弾性体からなるものが注目されている(特公昭47− 1
4054号公報、同63− 60127号公報等)。しかしながら、
この弾性繊維は、弾性回復率は比較的高いが、耐熱性、
耐薬品性、耐候(光)性が十分でないという問題があっ
た。
レフタレートやポリブチレンテレフタレートのような高
結晶性のポリエステルをハードセグメントとし、ポリテ
トラメチレングリコールに代表されるポリアルキレング
リコールをソフトセグメントとしたポリエーテルエステ
ル弾性体からなるものが注目されている(特公昭47− 1
4054号公報、同63− 60127号公報等)。しかしながら、
この弾性繊維は、弾性回復率は比較的高いが、耐熱性、
耐薬品性、耐候(光)性が十分でないという問題があっ
た。
【0003】また、耐熱性、耐薬品性、耐候(光)性が
優れた弾性繊維として、ポリアルキレンテレフタレート
をハードセグメントとし、ポリカプロラクトンのような
脂肪族ポリエステルをソフトセグメントとするポリエス
テル弾性体からなるものが知られている。しかしなが
ら、この弾性繊維は、ポリエーテルエステル弾性繊維に
比べて弾性回復性が劣ったり、伸長を繰り返すことによ
り、弾性回復率が低下したりするするという欠点があ
り、理想的な弾性、すなわち、ゴム弾性は十分でなかっ
た。
優れた弾性繊維として、ポリアルキレンテレフタレート
をハードセグメントとし、ポリカプロラクトンのような
脂肪族ポリエステルをソフトセグメントとするポリエス
テル弾性体からなるものが知られている。しかしなが
ら、この弾性繊維は、ポリエーテルエステル弾性繊維に
比べて弾性回復性が劣ったり、伸長を繰り返すことによ
り、弾性回復率が低下したりするするという欠点があ
り、理想的な弾性、すなわち、ゴム弾性は十分でなかっ
た。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、耐熱性、耐
候(光)性、耐薬品性に優れた性質を維持しつつ、繰り
返し伸長による弾性回復率の低下が少なく、さらに、ゴ
ム弾性に近い回復力を有するポリエステル弾性繊維を提
供しようとするものである。
候(光)性、耐薬品性に優れた性質を維持しつつ、繰り
返し伸長による弾性回復率の低下が少なく、さらに、ゴ
ム弾性に近い回復力を有するポリエステル弾性繊維を提
供しようとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決するために鋭意研究した結果、ポリアルキレン
テレフタレートを主とするポリエステルをハードセグメ
ントとし、脂肪族ポリエステルをソフトセグメントとす
るポリエステルに特定の分岐剤を共重合することによ
り、ポリエステル弾性体の弾性回復性が向上することを
見出し、本発明に到達した。
題を解決するために鋭意研究した結果、ポリアルキレン
テレフタレートを主とするポリエステルをハードセグメ
ントとし、脂肪族ポリエステルをソフトセグメントとす
るポリエステルに特定の分岐剤を共重合することによ
り、ポリエステル弾性体の弾性回復性が向上することを
見出し、本発明に到達した。
【0006】すなわち、本発明の要旨は、ポリアルキレ
ンテレフタレートを主とするポリエステルをハードセグ
メント、脂肪族ポリエステルをソフトセグメントとし、
分岐剤として3官能アルコールにアルキレンオキシドが
付加した平均分子量1000〜3000の化合物が 0.2〜2.0 モ
ル%共重合されたポリエステル弾性体からなることを特
徴とするポリエステル弾性繊維にある。
ンテレフタレートを主とするポリエステルをハードセグ
メント、脂肪族ポリエステルをソフトセグメントとし、
分岐剤として3官能アルコールにアルキレンオキシドが
付加した平均分子量1000〜3000の化合物が 0.2〜2.0 モ
ル%共重合されたポリエステル弾性体からなることを特
徴とするポリエステル弾性繊維にある。
【0007】以下、本発明を詳細に説明する。まず、ハ
ードセグメントのポリエステルとしては、ポリエチレン
テレフタレートもしくはポリブチレンテレフタレート又
はこれらの共重合体や混合物が用いられる。これらのポ
リエステルは結晶性に優れており、生成した結晶部がハ
ードセグメントの役割をするのである。ポリエチレンテ
レフタレートとポリブチレンテレフタレートとは目的に
応じて選択して使用され、弾性回復率のみを大きくした
い場合にはポリブチレンテレフタレートを用いるのが好
ましく、弾性回復率を多少犠牲にしてもポリエステル繊
維独特の風合が欲しい場合にはポリエチレンテレフタレ
ートを用いるとよい。また、両者の中間の性能が欲しい
場合にはポリブチレンテレフタレートとポリエチレンテ
レフタレートの共重合物もしくは混合物を用いるとよ
い。
ードセグメントのポリエステルとしては、ポリエチレン
テレフタレートもしくはポリブチレンテレフタレート又
はこれらの共重合体や混合物が用いられる。これらのポ
リエステルは結晶性に優れており、生成した結晶部がハ
ードセグメントの役割をするのである。ポリエチレンテ
レフタレートとポリブチレンテレフタレートとは目的に
応じて選択して使用され、弾性回復率のみを大きくした
い場合にはポリブチレンテレフタレートを用いるのが好
ましく、弾性回復率を多少犠牲にしてもポリエステル繊
維独特の風合が欲しい場合にはポリエチレンテレフタレ
ートを用いるとよい。また、両者の中間の性能が欲しい
場合にはポリブチレンテレフタレートとポリエチレンテ
レフタレートの共重合物もしくは混合物を用いるとよ
い。
【0008】次に、ソフトセグメントとしては、炭素数
4〜11のラクトンの重合体であるポリラクトン、グルタ
ル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライ
ン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、エイコサン二酸等の
脂肪族ジカルボン酸成分とエチレングリコール、1,3−
プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペン
タンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナン
ジオール等の脂肪族ジオール成分とから得られる脂肪族
ポリエステルが用いられる。なかでも好ましい脂肪族ポ
リエステルは、ポリラクトンであり、具体的には、ポリ
−ε−カプロラクトンが好適である。
4〜11のラクトンの重合体であるポリラクトン、グルタ
ル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライ
ン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、エイコサン二酸等の
脂肪族ジカルボン酸成分とエチレングリコール、1,3−
プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペン
タンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナン
ジオール等の脂肪族ジオール成分とから得られる脂肪族
ポリエステルが用いられる。なかでも好ましい脂肪族ポ
リエステルは、ポリラクトンであり、具体的には、ポリ
−ε−カプロラクトンが好適である。
【0009】本発明におけるポリエステル弾性体は、ハ
ードセグメントとソフトセグメントとがブロック状に結
合した共重合体を形成していることが望ましく、両者の
割合は、優れた弾性回復率と物性を保つためには、ハー
ドセグメント/ソフトセグメントの重量比を20/80〜60
/40の範囲にするのが好ましい。ソフトセグメントの量
が40重量%未満では弾性性能や弾性回復率が低くなるの
で好ましくなく、ソフトセグメントの量が80重量%を超
えると高温時や熱処理後の機械的特性が低下するので好
ましくない。
ードセグメントとソフトセグメントとがブロック状に結
合した共重合体を形成していることが望ましく、両者の
割合は、優れた弾性回復率と物性を保つためには、ハー
ドセグメント/ソフトセグメントの重量比を20/80〜60
/40の範囲にするのが好ましい。ソフトセグメントの量
が40重量%未満では弾性性能や弾性回復率が低くなるの
で好ましくなく、ソフトセグメントの量が80重量%を超
えると高温時や熱処理後の機械的特性が低下するので好
ましくない。
【0010】また、分岐剤としては、グリセリン、トリ
メチロールプロパン、トリメチロールエタン、トリメチ
ロールブタンのような3官能のアルコールにエチレンオ
キシドやプロピレンオキシドのようなアルキレンオキシ
ドを付加した化合物が用いられる。 (なお、分岐剤とし
て4〜5官能の化合物を用いることも可能であるが、こ
れらは高価であり、実用的でない。)
メチロールプロパン、トリメチロールエタン、トリメチ
ロールブタンのような3官能のアルコールにエチレンオ
キシドやプロピレンオキシドのようなアルキレンオキシ
ドを付加した化合物が用いられる。 (なお、分岐剤とし
て4〜5官能の化合物を用いることも可能であるが、こ
れらは高価であり、実用的でない。)
【0011】分岐剤は、平均分子量が1000〜3000の化合
物であることが必要であり、平均分子量が1000未満の低
分子量の化合物では、重合体の分子鎖を固定してしま
い、小さい伸長の時の回復率は高いが、大きく伸長させ
ることが難しいため、大きく伸長させた後の回復率が劣
るものとなってしまう。逆に、平均分子量が3000を超え
る高分子量の化合物では、ソフトセグメントの脂肪族ポ
リエステルと同様の作用しか奏しなくなり、架橋剤とし
ての効果が現れない。
物であることが必要であり、平均分子量が1000未満の低
分子量の化合物では、重合体の分子鎖を固定してしま
い、小さい伸長の時の回復率は高いが、大きく伸長させ
ることが難しいため、大きく伸長させた後の回復率が劣
るものとなってしまう。逆に、平均分子量が3000を超え
る高分子量の化合物では、ソフトセグメントの脂肪族ポ
リエステルと同様の作用しか奏しなくなり、架橋剤とし
ての効果が現れない。
【0012】分岐剤の共重合量は、ポリエステルを構成
するジカルボン酸成分に対し、 0.2〜2.0 モル%とする
ことが必要である。この共重合量が 0.2モル%未満であ
ると架橋剤としての効果が不十分となり、逆に、2.0 モ
ル%を超えると重合体のゲル化が進行し、溶融紡糸が困
難になったり、得られる繊維が脆く、硬いものとなって
しまうので好ましくない。
するジカルボン酸成分に対し、 0.2〜2.0 モル%とする
ことが必要である。この共重合量が 0.2モル%未満であ
ると架橋剤としての効果が不十分となり、逆に、2.0 モ
ル%を超えると重合体のゲル化が進行し、溶融紡糸が困
難になったり、得られる繊維が脆く、硬いものとなって
しまうので好ましくない。
【0013】ポリエステル弾性体の製造は常法によって
行うことができる。すなわち、テレフタル酸又とそのエ
ステル形成性誘導体、エチレングリコール又は1,4−ブ
タンジオール、脂肪族ポリエステル又は脂肪族ポリエス
テルを形成する成分及び分岐剤を反応させるか、あるい
はポリエチレンテレフタレート又はポリブチレンテレフ
タレートを予め合成しておき、これと脂肪族ポリエステ
ル又は脂肪族ポリエステルを形成する成分及び分岐剤を
反応させる方法等によって製造することができる。
行うことができる。すなわち、テレフタル酸又とそのエ
ステル形成性誘導体、エチレングリコール又は1,4−ブ
タンジオール、脂肪族ポリエステル又は脂肪族ポリエス
テルを形成する成分及び分岐剤を反応させるか、あるい
はポリエチレンテレフタレート又はポリブチレンテレフ
タレートを予め合成しておき、これと脂肪族ポリエステ
ル又は脂肪族ポリエステルを形成する成分及び分岐剤を
反応させる方法等によって製造することができる。
【0014】ポリエステル弾性体製造の具体的な方法の
一例を次に示す。まず、エステル化反応缶にテレフタル
酸ジメチルと1,4−ブタンジオールとをモル比1/1.6
で仕込み、常圧下、 160〜230 ℃の温度で2〜5時間エ
ステル交換反応を行い、エステル交換反応物を得る。得
られた反応物を重合反応缶に移送し、必要量のε−カプ
ロラクトンと分岐剤とを添加し、次いで、 230〜260 ℃
の温度で、1トル以下の減圧下で所定の極限粘度に達す
るまで、通常、1〜5時間重縮合反応を行い、ポリエス
テル弾性体を得る。
一例を次に示す。まず、エステル化反応缶にテレフタル
酸ジメチルと1,4−ブタンジオールとをモル比1/1.6
で仕込み、常圧下、 160〜230 ℃の温度で2〜5時間エ
ステル交換反応を行い、エステル交換反応物を得る。得
られた反応物を重合反応缶に移送し、必要量のε−カプ
ロラクトンと分岐剤とを添加し、次いで、 230〜260 ℃
の温度で、1トル以下の減圧下で所定の極限粘度に達す
るまで、通常、1〜5時間重縮合反応を行い、ポリエス
テル弾性体を得る。
【0015】重縮合反応は、重縮合触媒の存在下に行わ
れ、重縮合触媒としては、チタン化合物、アンチモン化
合物、スズ化合物、カルシウム化合物、マンガン化合
物、ゲルマニウム化合物等があげられるが、特に好まし
い重縮合触媒はチタン化合物及びアンチモン化合物であ
る。
れ、重縮合触媒としては、チタン化合物、アンチモン化
合物、スズ化合物、カルシウム化合物、マンガン化合
物、ゲルマニウム化合物等があげられるが、特に好まし
い重縮合触媒はチタン化合物及びアンチモン化合物であ
る。
【0016】また、ポリエステル弾性体の製造時に各種
安定剤や顔料等を必要に応じて添加してもよい。
安定剤や顔料等を必要に応じて添加してもよい。
【0017】優れた機械的特性(強度、弾性回復率等)
を保持するには、高重合度のポリエステル弾性体とする
ことが好ましく、極限粘度が 0.7〜3.5 、特に 1.0〜3.
0 のものが好ましい。
を保持するには、高重合度のポリエステル弾性体とする
ことが好ましく、極限粘度が 0.7〜3.5 、特に 1.0〜3.
0 のものが好ましい。
【0018】本発明の繊維は上記のようなポリエステル
弾性体を常法に従って製糸することよって製造される。
すなわち、常法に従って溶融紡糸し、得られた未延伸糸
を熱処理もしくは延伸熱処理することにより、優れた性
能を有する弾性繊維を得ることができる。
弾性体を常法に従って製糸することよって製造される。
すなわち、常法に従って溶融紡糸し、得られた未延伸糸
を熱処理もしくは延伸熱処理することにより、優れた性
能を有する弾性繊維を得ることができる。
【0019】本発明の繊維は、弾性回復性が優れている
とともに、常温における機械的特性のみならず、高温
下、熱処理後の機械的特性が優れている。
とともに、常温における機械的特性のみならず、高温
下、熱処理後の機械的特性が優れている。
【0020】
【作用】従来のポリエステル弾性繊維は、ハードセグメ
ントの高結晶性ポリエステルが架橋剤の役目をしている
が、糸条に大きな力が働き、ハードセグメントの非晶部
や結晶部にずれが生じた場合、このずれが元に戻ること
はなく、弾性回復率が低い。ハードセグメントの架橋効
果を高めるため、多官能化合物を共重合し、大きな力や
熱が加わった場合のずれを少なくし、弾性回復率を高く
する方法もあるが、通常の低分子量の多官能化合物では
重合体の分子鎖を固定してしまい、小さい伸長の時の回
復率は高いが、大きく伸長させることが難しいため、大
きく伸長させた後の回復率が劣るものとなってしまう。
本発明のポリエステル弾性繊維は、比較的高分子量の分
岐剤が共重合されており、しかも分岐剤自体が弾性回復
性を有するため、大きく伸長した場合に高回復性を有
し、かつ、回復力が大きく、さらに伸長と回復を数多く
繰り返した後も回復率が高いのである。
ントの高結晶性ポリエステルが架橋剤の役目をしている
が、糸条に大きな力が働き、ハードセグメントの非晶部
や結晶部にずれが生じた場合、このずれが元に戻ること
はなく、弾性回復率が低い。ハードセグメントの架橋効
果を高めるため、多官能化合物を共重合し、大きな力や
熱が加わった場合のずれを少なくし、弾性回復率を高く
する方法もあるが、通常の低分子量の多官能化合物では
重合体の分子鎖を固定してしまい、小さい伸長の時の回
復率は高いが、大きく伸長させることが難しいため、大
きく伸長させた後の回復率が劣るものとなってしまう。
本発明のポリエステル弾性繊維は、比較的高分子量の分
岐剤が共重合されており、しかも分岐剤自体が弾性回復
性を有するため、大きく伸長した場合に高回復性を有
し、かつ、回復力が大きく、さらに伸長と回復を数多く
繰り返した後も回復率が高いのである。
【0021】
【実施例】次に、実施例により本発明を具体的に説明す
る。なお、例中の測定及び評価法は、次のとおりであ
る。 (1) 極限粘度 フェノールと四塩化エタンとの等重量混合物を溶媒とし
て、温度20℃で測定した。 (2) 弾性回復率 オリエンティック社製テンシロンUTM−4−100 型を
用い、試料長10cm、引張速度10cm/分で 200%まで伸長
した後、同速度で元の長さまで戻し、再び、伸長し、応
力が現れた時の長さを求め、次式によって弾性回復率を
求めた。 弾性回復率(%)=〔 (E0−E1)/E0〕×100 E0:最初に伸長した長さ E1:再度、伸長し、応力が現れた時の長さ (3) 繊度 繊維を弛緩状態で30分間放置した後、90cmサンプリング
して重量を測定し、換算して求めた。 (4) 強伸度 オリエンティック社製テンシロンUTM−4−100 型用
い、試料長10cm、引張速度10cm/分で測定した。
る。なお、例中の測定及び評価法は、次のとおりであ
る。 (1) 極限粘度 フェノールと四塩化エタンとの等重量混合物を溶媒とし
て、温度20℃で測定した。 (2) 弾性回復率 オリエンティック社製テンシロンUTM−4−100 型を
用い、試料長10cm、引張速度10cm/分で 200%まで伸長
した後、同速度で元の長さまで戻し、再び、伸長し、応
力が現れた時の長さを求め、次式によって弾性回復率を
求めた。 弾性回復率(%)=〔 (E0−E1)/E0〕×100 E0:最初に伸長した長さ E1:再度、伸長し、応力が現れた時の長さ (3) 繊度 繊維を弛緩状態で30分間放置した後、90cmサンプリング
して重量を測定し、換算して求めた。 (4) 強伸度 オリエンティック社製テンシロンUTM−4−100 型用
い、試料長10cm、引張速度10cm/分で測定した。
【0022】実施例1 反応器にテレフタル酸ジメチル19.4kg、1,4−ブタンジ
オール14.4kgを仕込み、テトラブチルチタネート10gを
触媒として加え、常圧下、 210℃で 2.5時間エステル交
換反応を行った。得られた反応物を重合缶に移送し、ε
−カプロラクトン33kgと平均分子量1200の3−PEG(トリ
メチロールプロパンにエチレンオキシドを付加した化合
物) 360gを添加し、次いで 250℃の温度で3時間、1ト
ル以下の減圧下で重縮合反応を行い、極限粘度 2.2、軟
化温度 175℃のポリエステル弾性体を得た。このポリエ
ステル弾性体を、減圧乾燥後、通常の溶融紡糸機を用
い、紡糸温度240℃、紡糸速度 600m/分、吐出量40g
/分で溶融紡糸し、約600d/10fの未延伸糸を得た。得
られた未延伸糸を延伸速度 200m/分、延伸倍率3倍で
延伸した後、 120℃の熱処理板上を通過させ50%の熱収
縮処理を行い、弾性糸を得た。
オール14.4kgを仕込み、テトラブチルチタネート10gを
触媒として加え、常圧下、 210℃で 2.5時間エステル交
換反応を行った。得られた反応物を重合缶に移送し、ε
−カプロラクトン33kgと平均分子量1200の3−PEG(トリ
メチロールプロパンにエチレンオキシドを付加した化合
物) 360gを添加し、次いで 250℃の温度で3時間、1ト
ル以下の減圧下で重縮合反応を行い、極限粘度 2.2、軟
化温度 175℃のポリエステル弾性体を得た。このポリエ
ステル弾性体を、減圧乾燥後、通常の溶融紡糸機を用
い、紡糸温度240℃、紡糸速度 600m/分、吐出量40g
/分で溶融紡糸し、約600d/10fの未延伸糸を得た。得
られた未延伸糸を延伸速度 200m/分、延伸倍率3倍で
延伸した後、 120℃の熱処理板上を通過させ50%の熱収
縮処理を行い、弾性糸を得た。
【0023】実施例2〜8、比較例1〜4 ポリエステル弾性体として表1に示した組成のものを用
い、実施例1と同様な試験を行った。
い、実施例1と同様な試験を行った。
【0024】以上の実施例及び比較例の結果をまとめて
表1に示す。
表1に示す。
【0025】
【表1】
【0026】
【発明の効果】本発明によれば、耐熱性、耐候(光)
性、耐薬品性に優れた性質を維持しつつ、繰り返し伸長
による弾性回復率の低下が少なく、さらに、ゴム弾性に
近い回復力を有するポリエステル弾性繊維が提供され
る。
性、耐薬品性に優れた性質を維持しつつ、繰り返し伸長
による弾性回復率の低下が少なく、さらに、ゴム弾性に
近い回復力を有するポリエステル弾性繊維が提供され
る。
Claims (2)
- 【請求項1】 ポリアルキレンテレフタレートを主とす
るポリエステルをハードセグメント、脂肪族ポリエステ
ルをソフトセグメントとし、分岐剤として3官能アルコ
ールにアルキレンオキシドが付加した平均分子量1000〜
3000の化合物が 0.2〜2.0 モル%共重合されたポリエス
テル弾性体からなることを特徴とするポリエステル弾性
繊維。 - 【請求項2】 脂肪族ポリエステルがポリラクトンであ
る請求項1記載のポリエステル弾性繊維。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25065492A JPH0673611A (ja) | 1992-08-26 | 1992-08-26 | ポリエステル弾性繊維 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25065492A JPH0673611A (ja) | 1992-08-26 | 1992-08-26 | ポリエステル弾性繊維 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0673611A true JPH0673611A (ja) | 1994-03-15 |
Family
ID=17211074
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP25065492A Pending JPH0673611A (ja) | 1992-08-26 | 1992-08-26 | ポリエステル弾性繊維 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0673611A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO1994016135A1 (en) * | 1993-01-07 | 1994-07-21 | Unitika Ltd | Binder fiber and nonwoven fabric produced therefrom |
US5646077A (en) * | 1993-01-07 | 1997-07-08 | Unitika Ltd | Binder fiber and nonwoven fabrics using the fiber |
-
1992
- 1992-08-26 JP JP25065492A patent/JPH0673611A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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