JP2878065B2 - ポリエステルブロック共重合体 - Google Patents

ポリエステルブロック共重合体

Info

Publication number
JP2878065B2
JP2878065B2 JP11695293A JP11695293A JP2878065B2 JP 2878065 B2 JP2878065 B2 JP 2878065B2 JP 11695293 A JP11695293 A JP 11695293A JP 11695293 A JP11695293 A JP 11695293A JP 2878065 B2 JP2878065 B2 JP 2878065B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polyester
acid
block copolymer
mol
component
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP11695293A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH06329881A (ja
Inventor
雅幸 林
東義 鈴木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Teijin Ltd
Original Assignee
Teijin Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Teijin Ltd filed Critical Teijin Ltd
Priority to JP11695293A priority Critical patent/JP2878065B2/ja
Publication of JPH06329881A publication Critical patent/JPH06329881A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2878065B2 publication Critical patent/JP2878065B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Polyesters Or Polycarbonates (AREA)
  • Other Resins Obtained By Reactions Not Involving Carbon-To-Carbon Unsaturated Bonds (AREA)
  • Artificial Filaments (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は新規なポリエステルブロ
ック共重合体に関する。さらに詳しくは、耐加水分解性
に優れ、且つ、低温での弾性回復性能に優れた弾性糸を
製造するに適したポリエステルブロック共重合体に関す
る。
【0002】
【従来の技術】芳香族ポリエステルをハード成分とし、
脂肪族ポリエーテル又は脂肪族ポリエステルをソフト成
分とするポリエステルブロック共重合体は、いわゆるポ
リエステルエラストマーとして種々の用途に使用されて
いることは周知のことである。
【0003】しかしながら、これらのポリエステルエラ
ストマーは耐候性及び耐熱性等が不十分で、例えば最も
普通に用いられているポリ(オキシテトラメチレン)グ
リコールをソフト成分とするポリエステルエラストマー
は、安定剤を併用しないかぎりはその安定性が低く、室
温下でも1〜2ヶ月で使用不可能な状態になるまで劣化
するといった欠点がある。この劣化は、光が照射されて
いるとより一層促進される。
【0004】また、脂肪族ポリエステルをソフト成分と
するポリエステルエラストマーは、上記のものに比べる
と安定性は良好なものの、やはり安定剤を併用しないか
ぎりは100℃でも1週間以内にその分子量が低下し、
初期の諸特性が劣化してしまう場合が多い。
【0005】したがって、これら従来のポリエステルエ
ラストマーを実用に供する場合には、紫外線吸収剤、酸
化防止剤等の安定剤を併用することが必須の条件である
が、その安定効果は小さく、その使用量を多くしないか
ぎりは長時間使用中に劣化が起る場合が多い。しかる
に、多量の安定剤が添加された成形物を後加工、後処理
すると、逆に安定剤がブリードアウトしたり溶出すると
いった問題が発生する場合が多い。
【0006】かかる問題点を解決するために、本発明者
らは、先に、従来のポリエステルブロック共重合体の耐
熱性及び耐候性等の耐久性に劣る要因は、ソフト成分に
用いられている脂肪族ポリエーテル又はポリエステルの
耐酸化安定性及び耐加水分解安定性が不充分なためであ
ることを見出し、これらの性能に優れた特定の芳香族ポ
リエステル成分をソフト成分として用いることを提案し
た(特開平4―33919号)。
【0007】さらに、上記のソフト成分である芳香族ポ
リエステル成分に対して特定量の脂肪族ポリエステルを
共重合することで、低温回復性に優れたポリエステルブ
ロック共重合体を得ることを提案した(特開平5―32
770号)。
【0008】また、上記ソフト成分として、側鎖にメチ
ル基を有する特定のジオール化合物をグリコール成分と
する芳香族ポリエステルを用いることによりポリエステ
ルブロック共重合体の弾性回復性能を改善することも提
案した。(特開平3−350736号)。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、かかる
ポリエステルブロック共重合体からなる弾性糸は、一応
低温で良好な弾性回復能を示すものの、用途によって
は、低温でさらに高い弾性回復能を有することが要求さ
れている。
【0010】本発明は、上記事情を背景になされたもの
で、その目的は、耐加水分解性が改善され、且つ、低温
での弾性回復能に優れたポリエステルブロック共重合体
を提供することにある。
【0011】本発明者らは、上記目的を達成するため、
鋭意検討を重ねた結果、特定量のフタル酸類を酸成分に
用い、側鎖にメチル基を有する特定のジオール化合物を
特定量含むグリコールをグリコール成分に用いたポリエ
ステルが、低温での優れた弾性回復性能を付与するソフ
ト成分としての作用を有するとともに、耐加水分解性に
も優れていることを見出し、本発明に到達した。
【0012】すなわち、本発明によれば、炭素数6〜1
2の脂肪族ジカルボン酸と、全酸成分に対して40モル
%以上、60モル%未満のフタル酸類を主たる酸成分と
し、炭素数6以上の脂肪族ジオール化合物と全グリコー
ル成分に対して30モル%以上の下記一般式(I)で表
わされるジオール化合物とを主たるグリコール成分とす
るポリエステルセグメント(A)と、芳香族ジカルボン
酸を主たる酸成分とし、炭素数2〜4の脂肪族α,ωジ
オール及び/又はシクロヘキサンジメタノールを主たる
グリコール成分とするポリエステルセグメント(B)と
からなることを特徴とするポリエステルブロック共重合
体が提供される。
【0013】HOCH2 RCH2 OH (I) ここで、Rは分岐したメチル基を少なくとも1個有する
炭素数4〜7の脂肪族飽和炭化水素基を示す。
【0014】本発明のポリエステルブロック共重合体を
構成する一つの成分であるポリエステルセグメント
(A)は、炭素数6〜12の脂肪族ジカルボン酸と、全
酸成分に対して40モル%以上、60モル%未満のフタ
ル酸類を主たる酸成分とし、炭素数6以上の脂肪族ジオ
ール化合物と全グリコール成分に対して30モル%以上
の上記一般式(I)で表わされるジオール化合物とを主
たるグリコール成分としたものであることが必要であ
る。
【0015】脂肪族ジカルボン酸は、炭素数が6〜12
であることが必要であり、カルボキシル基間の炭素原子
数が少なすぎると、低温での弾性回復性能向上効果が小
さく、加水分解も受け易くなる。好ましい脂肪族ジカル
ボン酸としては、アゼライン酸、セバチン酸、デカンジ
カルボン酸等が例示される。
【0016】また、フタル酸類としては、フタル酸、イ
ソフタル酸を例示することができる。
【0017】このフタル酸類は、全酸成分に対して40
モル%以上、60モル%未満であることが必要である。
40モル%未満では、耐加水分解性が悪化するので不適
当であり、60モル%以上であると、低温での弾性回復
性能が不十分となる。
【0018】また、脂肪族ジオール化合物は、炭素数が
6以上であることが必要であり、炭素数が5以下の場合
は、低温弾性回復性能の向上が認められない。炭素数が
6以上のジオール化合物としては、HO(CH2 n
H(nは6以上)で表わされるヘキサメチレングリコー
ル、デカメチレングリコール等のアルキレングリコール
を例示することができる。
【0019】さらに、全グリコール成分に対して30モ
ル%以上が、上記一般式(I)で表わされるジオール化
合物であることが必要である。上記一般式(I)におい
て、Rの炭素数が3以下の場合及び含有量が30モル%
未満の場合には、低温での弾性回復性能が低下するの
で、不適当である。
【0020】一方、上記一般式(I)において、Rの炭
素数が8以上のジオール化合物は、入手が困難である。
【0021】上記一般式( )で表わされるジオール化
合物としては、3―メチル―1,5―ペンタンジオー
ル、2―メチル―1,8―オクタンジオール等を例示す
ることができ、これらは単独で用いても、併用してもよ
い。
【0022】なお、ここでいう「主たる」とは、少なく
とも70モル%以上、好ましくは80モル%以上が上記
構成成分からなり、且つ、上記以外の成分からなる酸成
分及び/又はグリコール成分の総和がポリエステルセグ
メント(A)の全酸成分に対して30モル%以下、好ま
しくは20モル%以下であることをいう。
【0023】本発明のブロック共重合体を構成するもう
一つの成分は、炭素数2〜4の脂肪族α,ω―ジオール
及び/又はシクロヘキサンジメタノールを主たるグリコ
ール成分とし、芳香族ジカルボン酸を主たる酸成分とす
るポリエステルセグメント(B)であることが必要であ
り、かかるセグメントを構成する成分単独からなる固有
粘度0.6以上のポリエステル(B′)の融点が180
℃以上、好ましくは200℃以上であることが好まし
い。ここで、「主たる」とは、前記と同様に、他成分が
ポリエステルセグメント(B)の全酸成分に対して30
モル%以下、好ましくは20モル%以下共重合していて
も良いことを意味する。
【0024】かかるポリエステルセグメントに用いられ
る芳香族ジカルボン酸としては、例えばテレフタル酸、
2,6―ナフタレンジカルボン酸、4,4′―ジフェニ
ルジカルボン酸等が例示され、脂肪族α,ω―ジオール
としては、エチレングリコール、トリメチレングリコー
ル、テトラメチレングリコールがあげられる。なかで
も、結晶性が良く結晶化速度も早くなるといった特徴を
有することから、ポリ(テトラメチレンテレフタレー
ト)セグメント、ポリ(テトレメチレン―2,6―ナフ
タレンジカルボキシレート)セグメント及びポリ(1,
4―シクロヘキサンジメチレンテレフタレート)セグメ
ント等が好ましく用いられる。
【0025】本発明のブロック共重合体は、上記のポリ
エステルセグメント(A)とポリエステルセグメント
(B)とからなるが、その割合は目的によって任意に変
えることができる。すなわち、一般に弾性回復性能を付
与するには、A:Bを90:10〜30:70(重量
比)の範囲にすればよいが、特に低温でのゴム弾性を望
む場合には、A部分が多い90:10〜60:40(重
量比)とするのが望ましい。 以上に述べた本発明のブ
ロック共重合体は、例えば、上述のポリエステルセグメ
ント(A)あるいはポリエステルセグメント(B)の夫
々単独からなる高分子量ポリエステル(A′)及び
(B′)を、エステル交換反応せしめる(再分配反応せ
しめる)ことにより容易に得ることができる。このエス
テル交換反応せしめる方法としては、上記2種のポリエ
ステルを触媒の存在下、溶融混合せしめる方法が一般的
であるが、この際、「どこまで反応させるか」及び「如
何にしてその状態で反応を停止させるか」の2点が重要
なポイントとなる。前者の点については、どのような特
性を有するポリマーが得たいかによって適宜変更するこ
とができるが、そのための反応条件は、用いるポリエス
テル(A′)及びポリエステル(B′)の種類、量、分
子量等により異なり、また、撹拌状況、温度、触媒等種
々の因子によっても異なってくるので、一義的に定める
ことは困難である。したがって、実際には、使用するポ
リマー、組成、装置等が定まった後、目的とするポリエ
ステルブロック共重合体が得られる反応条件を見出すこ
ととなる。
【0026】なお、このエステル交換反応せしめる際に
は、低温での十分な弾性回復性能を得るうえで、得られ
るポリエステルブロック共重合体の融点が、用いたポリ
エステル(B′)の融点より2〜40℃低くなるまで反
応せしめることが好ましい。
【0027】次に、「如何にしてエステル交換反応を停
止させるか」については、反応後のブロック共重合体を
直ちに成形する場合には必ずしも問題とはならないが、
例えば一度チップにした後で再度溶融して成形物とする
場合には、再溶融時にエステル交換反応が更に進行し
て、ブロック共重合体の性質が変わるので、エステル交
換反応を停止させておくことが望ましい。この反応を停
止させる方法としては、触媒を失活させる方法が一般的
であり、例えばエステル交換反応触媒としてチタン又は
スズ触媒を用い、リン酸、亜リン酸、ホスフォン酸、ホ
スフィン酸及びこれらの誘導体を添加して触媒能を失活
させる方法が採用できる。
【0028】なお、この触媒能を失活させる方法は、温
度が260℃以上になるとその効果は低減するので(2
60℃以上になると触媒活性は完全には停止できな
い)、ポリエステル(B′)の融点が260℃を越える
場合には、あらかじめ溶媒、可塑剤等を用いて低温での
反応及び成形が可能となるようにしておくことが望まし
い。 かくして得られるポリエステルブロック共重合体
の固有粘度(オルトクロルフェノール中35℃で測定)
は、0.4以上好ましくは0.6以上とすることが望ま
しく、前記エステル交換反応時に使用するポリエステル
(A′)及び(B′)として固有粘度の高いものを用
い、かつエステル交換反応時に両ポリマーが分解して重
合度を低下させない条件で反応させることにより容易に
達成できる。すなわち、例えばエステル交換反応時の反
応温度をあまりに高くしすぎると熱分解が起るし、反応
雰囲気中に水分、グリコール成分等が共存すると、加水
分解、グリコール分解等が起って、得られるブロック共
重合体の固有粘度は低下するので望ましくない。
【0029】なお、本発明のポリエステルブロック共重
合体は、分岐剤、カチオン可染性を付与するためのスル
ホン酸塩化合物、難燃性を付与するためのリン化合物、
その他の共重合成分が共重合されていても良く、また、
顔料、染料、充填剤、難燃剤、安定剤等が含有されてい
ても良い。
【0030】
【実施例】以下実施例により本発明を更に詳述する。
【0031】なお、実施例において「部」は重量部を示
し、固有粘度はオルトクロロフェノール中35℃で測定
したものであり、融点は示差走査熱量計にて昇温速度2
0℃/分で吸熱ピーク温度を求めることにより測定し
た。
【0032】また、弾性糸の弾性回復率及び耐加水分解
性は、次のようにして測定した。 (1)弾性回復率 弾性糸を0℃の氷中又は20℃で100%(元の長さの
2.0倍)伸長した後、直ちに回復させ、その回復率を
求めた。 (2)耐加水分解性 弾性糸を、オートクレーブ中で、130℃の熱水により
1時間処理した後、強度を測定し、熱水処理前の強度に
対する強度保持率を求め、耐加水分解性の指標とした。
【0033】
【実施例1】ジメチルイソフタレート53.4部、ジメ
チルセバケート49.5部、3―メチル―1,5ペンタ
ンジオール70.8部、ジブチル錫ジアセテート0.1
4部を共に加熱し、副生するメタノールを除去した。
【0034】反応生成物を減圧可能な反応釜に移し、減
圧下に反応させて、固有粘度が0.93の非晶性ポリエ
ステル(A′)を得た。得られたポリエステル(A′)
は、全酸成分に対して、55モル%のイソフタル酸を含
むものであった。
【0035】このポリエステル(A′)と、同様に重合
して得た固有粘度が1.05、融点が225℃のポリテ
トラメチレンテレフタレート(ポリエステル(B′))
とを、ポリエステル(A′)が70重量%、ポリエステ
ル(B′)が30重量%となるように混合し、250℃
で25分、0.4mmHgの減圧下で反応させた。内容
物は、初めは白濁していたが、20分程度経過した時点
から透明になった。25分後に、フェニルホスホン酸を
0.1部添加し、更に15分間撹拌した後、生成物を取
り出した。得られたポリエステルブロック共重合体は、
固有粘度が1.07、融点が195℃であった。
【0036】このポリマーを250℃で12ホールの口
金から吐出して、300m/分で巻き取り、弾性糸を得
た。
【0037】この弾性糸の弾性回復率(20℃)は88
%、弾性回復率(0℃)は90%、耐加水分解性(強度
保持率)は62%であり、低温での弾性回復性能、耐加
水分解性共に優れていた。
【0038】
【実施例2】ジメチルイソフタレート48.5部、ジメ
チルアゼラート54部、2―メチル1,8―オクタンジ
オール33.6部、1,9―ノナンジオール66.4
部、ジブチル錫ジアセテート0.18部を共に加熱し、
副生するメタノールを除去した。
【0039】反応生成物を減圧可能な釜に移し、減圧下
に反応させて、固有粘度が0.89の非晶性ポリエステ
ル(A′)を得た。得られたポリエステル(A′)は、
全酸成分に対して50モル%のイソフタル酸を含むもの
であり、また、全グリコール成分に対して34モル%の
2―メチル―1,8―オクタンジオールを含むものであ
った。
【0040】このポリエステル(A′)と、同様に重合
して得た固有粘度が1.05、融点が225℃のポリテ
トラメチレンテレフタレート(ポリエステル(B′))
とを、ポリエステル(A′)が70重量%ポリエステル
(B′)が30重量%となるように混合し、250℃で
27分反応させた。内容物は最初白濁していたが、20
分程度経過した時点から透明になった。27分後に、フ
ェニルホスホン酸を0.15部添加して、更に5分間撹
拌した後、生成物を取り出した。このポリエステルブロ
ック共重合体は、固有粘度が1.00、融点が189℃
であった。
【0041】得られたポリマーを実施例1と同様にして
溶融紡糸し、弾性糸を得た。この弾性糸の弾性回復率
(20℃)は89%、弾性回復率(0℃)は88%、耐
加水分解性(強度保持率)は65%であり、低温での弾
性回復性、耐加水分解性共に優れていた。
【0042】
【実施例3】実施例1と同様にして、イソフタル酸/セ
バシン酸(モル比50/50)を酸成合とし、3―メチ
ル―1,5―ペンタンジオール/1,6―ヘキサンジオ
ール(モル比78/22)をグリコール成分とする、固
有粘度が0.88の非晶性ポリエステル(A′)を得
た。
【0043】このポリエステル(A′)と実施例1で用
いたポリエステル(B′)とを、ポリエステル(A′)
が65重量%、ポリエステル(B′)が35重量%とな
るように混合して、実施例1と同様に反応させ、固有粘
度1.03、融点191℃のポリエステルブロック共重
合体を得た。
【0044】このポリマーから、実施例1と同様にして
得た弾性糸は、弾性回復率(20℃)が83%、弾性回
復率(0℃)が83%、耐加水分解性(強度保持率)が
75%で、低温での弾性回復性能、耐加水分解性共に優
れていた。
【0045】
【実施例4】実施例2と同様にして、イソフタル酸/テ
レフタル酸/ドデカンジカルボン酸(モル比37/8/
55)を酸成分とし、2―メチル―1,8―オクタンジ
オール/1,9―ノナンジオール(モル比34/66)
をグリコール成分とする、固有粘度が0.91の非晶性
ポリエステル(A′)を得た。
【0046】このポリエステル(A′)と実施例1で用
いたポリエステル(B′)とを、ポリエステル(A′)
が70重量%、ポリエステル(B′)が30重量%とな
るように混合して、実施例1と同様に反応させ、固有粘
度の0.97、融点188℃のポリエステルブロック共
重合体を得た。
【0047】このポリマーから、実施例1と同様にして
得た弾性糸は、弾性回復率(20℃)が89%、弾性回
復率(0℃)が89%、耐加水分解性(強度保持率)が
71%で、低温での弾性回復性能、耐加水分解性共に優
れていた。
【0048】
【実施例5】実施例1と同様にして、イソフタル酸/ア
ゼライン酸(モル比55/45)を酸成分とし、3―メ
チル―1,5―ペンタンジオールをグリコール成分とす
る、固有粘度が0.88の非晶性ポリエステル(A′)
を得た。
【0049】このポリエステル(A′)と、同様に重合
して得た、テレフタル酸とエチレングリコール/1,4
―シクロヘキサンジオール(モル比90/10)とから
なるポリエステル(B′)(固有粘度0.69、融点2
47℃)とを、ポリエステル(A′)が75重量%、ポ
リエステル(B′)が25重量%となるように混合し
て、260℃で実施例1と同様に反応させ、固有粘度
0.87、融点208℃のポリエステルブロック共重合
体を得た。
【0050】このポリマーから、実施例1と同様にして
得た弾性糸は、弾性回復率(20℃)が92%、弾性回
復率(0℃)が91%、耐加水分解性(強度保持率)が
63%で、低温での弾性回復性能、耐加水分解性共に良
好であった。
【0051】
【比較例1〜2】実施例1において、ジメチルイソフタ
レートとジメチルセバケートの配合割合を変更し、ポリ
エステル(A′)の全酸成分に対するイソフタル酸のモ
ル%を表1に示すように変更し、その他の条件は実施例
1と同じにして、ポリエステルブロック共重合体及びそ
の弾性糸を得た。
【0052】得られたポリマー及び弾性糸の特徴は、表
1に示す通りであった。
【0053】
【表1】
【0054】表1の結果からも明らかなように、ポリエ
ステル(A′)の全酸成分に対するイソフタル酸の量が
40モル%未満の場合(比較例1)は、耐加水分解性が
劣り、60モル%以上の場合(比較例2)は、低温での
弾性回復性能が不良であった。
【0055】
【比較例3〜4】実施例1において、ポリエステル
(A′)グリコール成分である3―メチル―1,5―ペ
ンタンジオールにかえて、表2に示すグリコールを使用
し、その他の条件は実施例1と同様にして、ポリエステ
ルブロック共重合体及びその弾性糸を得た。
【0056】得られたポリマー及び弾性糸の特性は、表
2に示す通りであった。
【0057】
【表2】
【0058】表2の結果からも明らかなように、前記一
般式(I)で表わされるジオール化合物(3―メチル―
1,5―ペンタンジオール)の量が、ポリエステル
(A′)の全グリコール成分に対して30モル%未満で
ある場合(比較例3)は、耐加水分解性が劣り、一般式
(I)のRが4〜7の範囲外であるネオペンチルグリコ
ールを用いた場合(比較例4)は、低温での弾性回復性
能が不良であった。
【0059】
【実施例6〜8】実施例1において、ポリエステル
(A′)のグリコール成分である3―メチル―1,5―
ペンタンジオールにかえて、2―メチル―1,8―オク
タンジオール/1,9―ノナンジオール(モル比34/
66)を使用し、且つポリエステル(A′)とポリエス
テル(B′)の混合重量比を表3に示すように変更し、
その他の条件は実施例1と同様にして、ポリエステルブ
ロック共重合体及びその弾性糸を得た。
【0060】得られたポリマー及び弾性糸の特性は、表
3に示す通りであった。
【0061】
【表3】
【0062】表3の結果からも明らかなように、ポリエ
ステル(A′)とポリエステル(B′)の重量比、すな
わち、ポリエステルセグメント(A)とポリエステルセ
グメント(B)の重量比が90:10〜60:40であ
る場合(実施例7〜8)、低温での弾性回復性能、耐加
水分解性が、特に優れていた。
【0063】
【発明の効果】本発明のポリエステルブロック共重合体
は、従来のポリエステルブロック共重合体に比較して、
低温での弾性回復性能が一段と優れており、しかも耐加
水分解性が改善されている。
【0064】従って、特に低温での弾性回復性能、耐加
水分解性が要求される分野に、繊維、フィルム、樹脂と
して幅広く展開し得るものであり、その工業的価値は極
めて大きい。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08G 63/00 - 63/91 D01F 6/84 CA(STN) WPI/L(QUESTEL)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭素数6〜12の脂肪族ジカルボン酸
    と、全酸成分に対して40モル%以上、60モル%未満
    のフタル酸類を主たる酸成分とし、炭素数6以上の脂肪
    族ジオール化合物と全グリコール成分に対して30モル
    %以上の下記一般式(I)で表わされるジオール化合物
    とを主たるグリコール成分とするポリエステルセグメン
    ト(A)と、芳香族ジカルボン酸を主たる酸成分とし、
    炭素数2〜4の脂肪族α,ωジオール及び/又はシクロ
    ヘキサンジメタノールを主たるグリコール成分とするポ
    リエステルセグメント(B)とからなることを特徴とす
    るポリエステルブロック共重合体。 HOCH2 RCH2 OH (I) ここで、Rは分岐したメチル基を少なくとも1個有する
    炭素数4〜7の脂肪族飽和炭化水素基を示す。
  2. 【請求項2】 ポリエステルセグメント(A)とポリエ
    ステルセグメント(B)の割合が90:10〜60:4
    0(重量比)である請求項1記載のポリエステルブロッ
    ク共重合体。
JP11695293A 1993-05-19 1993-05-19 ポリエステルブロック共重合体 Expired - Fee Related JP2878065B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11695293A JP2878065B2 (ja) 1993-05-19 1993-05-19 ポリエステルブロック共重合体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11695293A JP2878065B2 (ja) 1993-05-19 1993-05-19 ポリエステルブロック共重合体

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH06329881A JPH06329881A (ja) 1994-11-29
JP2878065B2 true JP2878065B2 (ja) 1999-04-05

Family

ID=14699803

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11695293A Expired - Fee Related JP2878065B2 (ja) 1993-05-19 1993-05-19 ポリエステルブロック共重合体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2878065B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100366484B1 (ko) * 1999-12-11 2003-01-14 주식회사 이래화학 코폴리에스테르 수지 조성물 및 그 제조방법
KR20030028444A (ko) * 2002-11-26 2003-04-08 주식회사 이엔아이 생분해성 수용성 폴리에스테르 수지 조성물과 그 제조방법및 이를 이용한 제품

Also Published As

Publication number Publication date
JPH06329881A (ja) 1994-11-29

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4396746A (en) Thermoplastic polyester copolymer
JPS59184251A (ja) 樹脂組成物
JPH05295094A (ja) ポリカーボネートエステルブロック共重合体およびその製造法
JP3749601B2 (ja) ブロック共重合ポリエステル及びその製造方法
JP2878065B2 (ja) ポリエステルブロック共重合体
JP3749600B2 (ja) ブロック共重合ポリエステル及びその製造方法
JP3376389B2 (ja) ポリエステルブロック共重合体及びその製造方法
JP2698269B2 (ja) ポリエステルブロック共重合体
JP3251746B2 (ja) ポリエステル弾性体およびその製造方法
JPS62292833A (ja) ポリエステル・ポリカ−ボネ−ト系エラストマ−
JPH0820633A (ja) ポリエステルブロック共重合体および弾性糸
JP3078644B2 (ja) ポリエステルブロック共重合体およびその製造法
JP2766093B2 (ja) ポリエステル弾性体及びその製造法
JP7561328B2 (ja) バイオマス資源由来ポリエステルエラストマー
KR0145752B1 (ko) 폴리에테르 에스테르 공중합체의 제조방법
JP2530649B2 (ja) 改質ポリエステルの製造法
JP3704218B2 (ja) 湿熱耐久性の改善されたポリエステル弾性体及びその製造方法
JP2535433B2 (ja) ポリエステルブロック共重合体及びその製造法
JPH04153216A (ja) ポリエステルブロック共重合体
JPH02240135A (ja) 形状記憶性樹脂
JPH1087970A (ja) エラストマー組成物
JPH0859804A (ja) ポリエステル弾性体およびその製造方法
JPH0245644B2 (ja)
JPS6348899B2 (ja)
JP3432945B2 (ja) ポリエステルブロック共重合体およびその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 9

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080122

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090122

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100122

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100122

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 12

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110122

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees