JPH0859804A - ポリエステル弾性体およびその製造方法 - Google Patents

ポリエステル弾性体およびその製造方法

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JPH0859804A
JPH0859804A JP19498694A JP19498694A JPH0859804A JP H0859804 A JPH0859804 A JP H0859804A JP 19498694 A JP19498694 A JP 19498694A JP 19498694 A JP19498694 A JP 19498694A JP H0859804 A JPH0859804 A JP H0859804A
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polyester
acid
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JP19498694A
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Mitsuru Teramoto
満 寺本
Kimihiro Ogawa
公博 小川
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 (a−1)イソフタル酸、炭素数6〜12の
直鎖状飽和脂肪族ジカルボン酸およびナフタレンジカル
ボン酸を主たる酸成分とし、ここで該イソフタル酸は全
酸成分の40〜70モル%であり、該直鎖状飽和脂肪族
ジカルボン酸は全酸成分の20〜40モル%であり、該
ナフタレンジカルボン酸は全酸成分の10〜20モル%
であり、(a−2)炭素数6〜12の直鎖状飽和脂肪族
α,ω−ジオールを主たるグリコール成分とするポリエ
ステル部分(A)と、(b−1)芳香族ジカルボン酸を
主たる酸成分とし、(b−2)炭素数2〜4の直鎖状飽
和脂肪族α,ω−ジオールおよび1,4−シクロヘキサン
ジメタノールからなる群から選択される少なくとも1種
のジオールを主たるグリコール成分とするポリエステル
部分(B)とがエステル結合を介して結合してなること
を特徴とするポリエステル弾性体およびその製造方法。 【効果】 本発明のポリエステル弾性体は耐候性、耐熱
性などの耐久性に優れ、特に弾性回復性能および耐加水
分解性に優れるので繊維、フィルム、樹脂などの幅広い
用途に展開し得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は新規なポリエステル弾性
体およびその製造方法に関する。さらに詳しくは、耐候
性、耐熱性などの耐久性に優れ、且つ弾性回復性能およ
び耐加水分解性が極めて良好な弾性糸を得るのに適した
ポリエステル弾性体およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】芳香族ポリエステルをハードセグメント
とし、脂肪族ポリエーテルまたは脂肪族ポリエステルを
ソフトセグメントとするポリエステルブロック共重合体
は、いわゆるポリエステル弾性体として種々の用途に使
用されていることは周知のことである。
【0003】さらに、耐熱性、耐候性および耐塩素性な
どに優れたポリエステル弾性体として、イソフタル酸お
よび/またはフタル酸を主たる酸成分とし、炭素数6〜
12の脂肪族α,ω−ジオールを主たるグリコール成分
とするポリエステルをソフト成分とするポリエステル弾
性が、特開平4−33919号公報に開示されている。
【0004】そして、上記公報に開示される弾性体の欠
点である低温での弾性回復性能を改善すべく、該ソフト
セグメントのポリエステルの酸成分として炭素数6〜1
2の長鎖脂肪族ジカルボン酸をイソフタル酸および/ま
たはフタル酸と共に用いることが特開平5−32770
号公報に開示されている。しかしながら、この公報は上
記酸成分のほかにナフタレンジカルボン酸成分を用いる
ことに関して開示も示唆もしていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らの研究によ
れば、上記特開平5−32770号公報で開示されてい
るポリエステル弾性体は確かに低温での弾性回復性能が
改善されていたが、なお耐加水分解性の点で十分でない
ことが明らかとなった。本発明の目的は、低温において
も弾性回復性能が優れるとともに耐加水分解性に優れた
弾性糸を与え得るポリエステル弾性体およびその製造方
法を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、第1
に、(a−1)イソフタル酸、炭素数6〜12の直鎖状
飽和脂肪族ジカルボン酸およびナフタレンジカルボン酸
を主たる酸成分とし、ここで該イソフタル酸は全酸成分
の40〜90モル%であり、該直鎖状飽和脂肪族ジカル
ボン酸は全酸成分の20〜40モル%であり、該ナフタ
レンジカルボン酸は全酸成分の10〜20モル%であ
り、(a−2)炭素数6〜12の直鎖状飽和脂肪族α,
ω−ジオールを主たるグリコール成分とするポリエステ
ル部分(A)と、(b−1)芳香族ジカルボン酸を主た
る酸成分とし、(b−2)炭素数2〜4の直鎖状飽和脂
肪族α,ω−ジオールおよび1,4−シクロヘキサンジメ
タノールからなる群から選択される少なくとも1種のジ
オールを主たるグリコール成分とするポリエステル部分
(B)とがエステル結合を介して結合してなることを特
徴とするポリエステル弾性体が提供される。
【0007】さらに、本発明によれば、第2に、(a−
1)イソフタル酸、炭素数6〜12の直鎖状飽和脂肪族
ジカルボン酸およびナフタレンジカルボン酸を主たる酸
成分とし、ここで該イソフタル酸は全酸成分の40〜7
0モル%であり、該直鎖状飽和脂肪族ジカルボン酸は全
酸成分の20〜40モル%であり、該ナフタレンジカル
ボン酸は全酸成分の10〜20モル%であり、(a−
2)炭素数6〜12の直鎖状飽和脂肪族α,ω−ジオー
ルを主たるグリコール成分とするポリエステル(A’)
と、(b−1)芳香族ジカルボン酸を主たる酸成分と
し、(b−2)炭素数2〜4の直鎖状飽和脂肪族α,ω
−ジオールおよび1,4−シクロヘキサンジメタノール
からなる群から選択される少なくとも1種のジオールを
グリコール成分とするポリエステル(B’)とを溶融混
合してエステル交換反応を行い、融点が上記ポリエステ
ル(B’)の融点より2〜40℃低い反応生成物を得る
ことを特徴とするポリエステル弾性体の製造方法が提供
される。
【0008】これらの発明により、本発明の前述の目的
が達成される。以下、本発明を詳述するが、これにより
本発明のさらなる目的、構成、利点および効果が明らか
となろう。
【0009】本発明のポリエステル弾性体を構成するポ
リエステル部分(A)の酸成分は、イソフタル酸、炭素
数6〜12の直鎖状飽和脂肪族ジカルボン酸およびナフ
タレンジカルボン酸から主としてなる。
【0010】上記直鎖状飽和脂肪族ジカルボン酸として
は、低温時の弾性回復性能を維持しかつ加水分解を避け
る観点から、カルボキシル基間の炭素数が4以上、特に
は7以上であるものが好ましい。従って炭素数6〜1
2、特には9〜12の直鎖状飽和脂肪族ジカルボン酸が
好ましい。具体的にはアゼライン酸、セバシン酸および
デカンジカルボン酸を好ましく例示することができる。
【0011】ポリエステル部分(A)の酸成分としてナ
フタレンジカルボン酸が存在することにより、本発明の
ポリエステル弾性体は低温雰囲気下での弾性回復率に優
れかつ耐加水分解性に優れる結果となる。ナフタレンジ
カルボン酸としては、市場より入手しやすいことから
2,6−ナフタレンジカルボン酸が好ましい。
【0012】ポリエステル部分(A)の全酸成分中にナ
フタレンジカルボン酸が占める割合は10〜20モル%
である。また、直鎖状飽和脂肪族ジカルボン酸成分が全
酸成分に占める割合は20〜40モル%、好ましくは3
0〜40モル%である。そしてイソフタル酸が全酸成分
に占める割合は40〜70モル%であり、好ましくは5
0〜70モル%である。各成分の割合が上記範囲である
ことにより、本発明のポリエステル弾性体は低温弾性回
復性能および耐加水分解性能において優れることができ
る。
【0013】ポリエステル部分(A)は上記の酸成分以
外の酸成分を含むことができるが、その量はポリエステ
ル部分(A)の全酸成分の10モル%以下であることが
好ましく、5モル%以下であることが特に好ましい。
【0014】ポリエステル(A)を構成する主なグリコ
ール成分は炭素数6〜12の直鎖状飽和脂肪族α,ω−
ジオール成分である。このジオールは化学式で表現すれ
ば下記式(1)で示すことができる。 HO−(CH2n−OH ・・・(1) (ここでnは6〜12の整数である)このような長鎖の
脂肪族α,ω−ジオールをポリエステル部分(A)のグ
リコール成分として用いることにより本発明のポリエス
テル弾性体の弾性回復性能が優れる結果となる。
【0015】上記直鎖状飽和脂肪族α,ω−ジオールの
具体例としては、1,4−ヘキサンジオール、1,5−ペ
ンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノ
ナンジオールなどを例示することができる。これらは単
独であっても、2種以上が併用されていてもよい。
【0016】前記した直鎖状飽和脂肪族ジカルボン酸成
分がポリエステル部分(A)の酸成分中に占める割合を
Xモル%としたとき下記数式(1) 120/m≦X≦40 (1) (ここで、mは上記直鎖状飽和脂肪族α,ω−ジオール
の平均炭素数)を満たすことが一層好ましい。上記数式
を満たすことにより、本発明のポリエステル弾性体の低
温弾性回復性能が高水準に維持される。このことは前記
α,ω−ジオールの鎖長が長い場合は(炭素数が多い場
合は)、直鎖状飽和脂肪族ジカルボン酸成分の割合が比
較的少なくてもポリエステル弾性体の上記性能は良好に
維持され得ることを意味する。$ ポリエステル部分
(A)は、グリコール成分として、前記直鎖状飽和脂肪
族α,ω−ジオール以外のグリコール成分を含むことが
できるが、その量はポリエステル部分(A)の全グリコ
ール成分の20モル%以下であることが好ましく、10
モル%以下であることが特に好ましい。
【0017】本発明のポリエステル弾性体を構成するポ
リエステル部分(B)は芳香族ジカルボン酸を主たる酸
成分とする。芳香族ジカルボン酸の具体例としてはテレ
フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、4,4’−
ジフェニルジカルボン酸などを例示することができる。
【0018】ポリエステル部分(B)は、酸成分として
芳香族ジカルボン酸以外の酸成分を含むことができる
が、その量はポリエステル部分(B)の全酸成分の20
モル%以下であることが好ましく、10モル%以下であ
ることが特に好ましい。
【0019】ポリエステル部分(B)は炭素数2〜4の
直鎖状飽和脂肪族α,ω−ジオールおよび1,4−シクロ
ヘキサンジメタノールからなる群より選択される少なく
とも1種のジオールを主たるグリコール成分とする。上
記脂肪族α,ω−ジオールの例としてエチレングリコー
ル、トリメチレングリコールおよびテトラメチレングリ
コールを例示することができる。
【0020】ポリエステル部分(B)はグリコール成分
として上記の直鎖状飽和脂肪族α,ω−ジオール以外の
グリコール成分を含むことができるが、その量はポリエ
ステル(B)の全グリコール成分の20モル%以下であ
ることが好ましく、10モル%以下であることが特に好
ましい。
【0021】ポリエステル部分(B)の好ましい代表例
として、ポリ(テトラメチレンテレフタレート)セグメ
ント、ポリ(テトラメチレン−2,6−ナフタレンジカ
ルボキシレート)セグメントおよびポリ(1,4−シク
ロヘキサンジメチレンテレフタレート)セグメントを挙
げることができる。これらのセグメントをポリエステル
部分(B)として有するポリエステル弾性体は結晶性が
良くしかも結晶化速度が大である。
【0022】本発明のポリエステル弾性体において、前
述したポリエステル部分(A)とポリエステル部分
(B)はエステル結合を介して結合している。そしてポ
リエステル部分(A)対ポリエステル部分(B)の重量
比は90:10〜30:70であることが本発明のポリ
エステル弾性体に弾性回復性能を与える観点から好まし
い。そして上記比が80:20〜50:50の範囲であ
るとより優れたゴム弾性を有するポリエステル弾性体と
なり得る。
【0023】本発明のポリエステル弾性体は、オルトク
ロロフェノール溶媒中、35℃で測定した固有粘度が
0.4〜2.0dl/g、特には0.6〜1.5dl/gで
あることが好ましい。
【0024】以上詳述した本発明のポリエステル弾性体
は、例えばポリエステル部分(A)と同一組成のポリエ
ステル(A’)とポリエステル部分(B)と同一組成の
ポリエステル(B’)とを適切な触媒の存在下に溶融混
合してエステル交換反応(再分配反応)を行うことによ
り容易に得ることができる。
【0025】この際、ポリエステル(A’)の固有粘度
(オルトクロロフェノール溶媒中、35℃で測定)は
0.6〜1.5dl/gであることが好ましく、ポリエス
テル(B’)の固有粘度は0.6〜1.2dl/gである
ことが好ましい。
【0026】上記の溶融混合下に行われるエステル交換
反応において採用される温度、反応時間、攪拌速度など
の反応条件によりエステル交換反応の進行の度合が変化
し、それに応じて得られる生成物としてのポリエステル
弾性体の物性が変化する。そして、原料のポリエステル
(A’)およびポリエステル(B’)の組成、分子量、
さらには使用する反応器の型、触媒の種類などがエステ
ル交換反応に影響を及ぼす。従って、得られるポリエス
テル弾性体の物性と反応条件およびその他エステル交換
反応に及ぼす因子との関係を一義的に記載するのは困難
である。
【0027】しかしながら、ポリエステル(A’)およ
びポリエステル(B’)の組成および分子量、そして反
応装置が決まれば、エステル交換反応に影響を及ぼす反
応条件およびその他の因子との関係を予め実験的に知る
ことができるので、意図する物性のポリエステル弾性体
を製造することは容易である。
【0028】一般的には、溶融混合する温度は240〜
280℃であり、反応時間は5〜60である。このよう
な条件下ではポリマーの分解はほとんど生じない。また
触媒としてはチタン触媒あるいはスズ触媒が使用され
る。
【0029】エステル交換反応は、得られるポリエステ
ル弾性体の融点が、ポリエステル(A’)よりも高結晶
性であるポリエステル(B’)の融点より2〜40℃、
特には5〜30℃低くなるまで行うことが好ましい。こ
のようにすることにより、得られる生成物が単なるポリ
エステル(A’)とポリエステル(B’)の混合物とな
ることを回避することができると共にエステル交換反応
が過剰に進行してランダム共重合体となることを回避す
ることもでき、該生成物は適切な弾性回復性能を有する
弾性体となる。
【0030】エステル交換反応後のポリエステル弾性体
を直ちに成形する場合には必ずしも必要ではないが、例
えば一度チップとなした後再度溶融して成形する場合に
は、再溶融時にエステル交換反応が更に進行してブロッ
ク共重合体の性質が変わるので、チップにする前にエス
テル交換反応を停止させておくことが望ましい。この反
応を停止させる方法としては、触媒能を失活させる方法
が一般的であり、例えばエステル交換反応触媒としてチ
タンまたはスズ触媒を用いたときは、リン酸、亜リン
酸、ホスフォン酸、ホスフィン酸あるいはこれらの誘導
体を添加して触媒能を失活させる方法が採用できる。
【0031】なお、上述した触媒能を失活させる方法で
は、温度が260℃以上になると触媒活性は完全に停止
せず該方法による失活の効果は低減するので、ポリエス
テル(B’)の融点が260℃を越える場合には、あら
かじめ溶媒、可塑剤などを用いて低温での反応および成
形が可能となるようにしておくことが望ましい。
【0032】なお、本発明のポリエステル弾性体は、分
岐剤、カチオン可染性を付与するためのスルホン酸塩化
合物、難燃性を付与するためのリン化合物、その他の共
重合成分が少量、好ましくは10重量%以下の範囲で共
重合されていても良い。また、顔料、染料、充填剤、難
燃剤、安定剤などが含有されていても良い。
【0033】
【実施例】以下実施例により更に詳述する。なお、実施
例において「部」は重量部を示し、また固有粘度はオル
トクロロフェノール中35℃で測定したものである。
【0034】[実施例1]イソフタル酸ジメチル11
6.4部(60モル%)、セバシン酸ジメチル69.0部
(30モル%)、2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメ
チル24.4部(10モル%)と1,6−ヘキサンジオー
ル142部とを、チタニウムテトラブトキシド0.14
部(上記全酸成分量に対して0.04モル%)を触媒と
して用いてエステル交換反応させてメタノールを留去せ
しめた後、高真空下に常法により重縮合させて固有粘度
0.94dl/gのポリエステルI−1を得た。一方、
ジメチルテレフタレート194部とテトラメチレングリ
コール180部とをチタニウムテトラブトキシド0.1
部(ジメチルテトレフタレートに対して30ミリモル
%)を触媒として用いて、上記と同様にエステル交換反
応させた後、重縮合させて固有粘度0.92dl/g融
点225℃のポリエステルII−1を得た。
【0035】次にポリエステルII−1 30部にポリ
エステルI−1 70部を添加し、1mmHg以下の高
真空下に250℃で攪拌して上記のチタニウムテトラブ
トキシドを触媒としてエステル交換反応を行った。内容
物が透明になった20分後にフェニルホスホン酸を0.
05部添加し、さらに10分間攪拌して反応を停止し
た。得られたポリエステル弾性体の固有粘度は1.06
dl/gであり融点は198℃であった。なお、融点は
示差走査型熱量計(DSC)により昇温速度20℃/分
で測定し、吸熱ピーク温度を求めた。
【0036】このポリエステル弾性体を250℃で12
ホールの口金から吐出し、400m/分の速度で巻き取
り、弾性糸を得た。この弾性糸は、強度が1.0g/d
e、伸度が530%であった。この糸を20℃で200
%伸長(もとの長さの3倍)した後、ただちに回復させ
て測定した弾性回復率は84%であった。また同様の弾
性回復率の測定を氷水中で行ったところ80%の弾性回
復率を示した。また耐加水分解性は130℃の加圧水中
下1時間放置した後の強度保持率が76%と良好であっ
た。
【0037】[比較例1、2および実施例2、3]表1
に記載されたジカルボン酸のジエステルおよびジオール
を表1に記載された割合で用い、かつ触媒としてチタニ
ウムテトラブトキシドをジカルボン酸のエステルの合計
量に対して0.04モル%を用いて実施例1と同様にエ
ステル交換反応および重縮合を行いポリエステルI−2
(比較例1)、ポリエステルI−3(比較例2)、ポリ
エステルI−4(実施例2)およびポリエステルI−5
(実施例3)を調製した。
【0038】これらの各々のポリエステルIと実施例1
で調製したポリエステルII−1を表2に記載の割合で
使用して、実施例1と同様の操作を行い溶融混合下にエ
ステル交換反応を行った。内容物が透明になる時点は各
例によって異るが、その時点でフェニルホスホン酸を添
加して触媒を失活させて反応を停止し、ポリエステル弾
性体を得た。
【0039】得られたポリエステル弾性体の物性を実施
例1と同様に測定し、また弾性糸の調製およびその物性
の測定を実施例1と同様に行った。結果を表3に示す。
なお、表の記号は以下のとおりである。 DMI:イソフタル酸ジメチル DMS:セバシン酸ジメチル DMN:2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチル 1,6−HD:1,6−ヘキサンジオール
【0040】
【表1】
【0041】
【表2】
【0042】
【表3】
【0043】
【発明の効果】本発明のポリエステル弾性体は耐熱性、
耐酸化性などの耐久性に優れ、特に弾性回復性能および
耐加水分解性に優れるので繊維、フィルム、樹脂などの
幅広い用途に展開し得る。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a−1)イソフタル酸、炭素数6〜1
    2の直鎖状飽和脂肪族ジカルボン酸およびナフタレンジ
    カルボン酸を主たる酸成分とし、ここで該イソフタル酸
    は全酸成分の40〜70モル%であり、該直鎖状飽和脂
    肪族ジカルボン酸は全酸成分の20〜40モル%であ
    り、該ナフタレンジカルボン酸は全酸成分の10〜20
    モル%であり、(a−2)炭素数6〜12の直鎖状飽和
    脂肪族α,ω−ジオールを主たるグリコール成分とする
    ポリエステル部分(A)と、(b−1)芳香族ジカルボ
    ン酸を主たる酸成分とし、(b−2)炭素数2〜4の直
    鎖状飽和脂肪族α,ω−ジオールおよび1,4−シクロヘ
    キサンジメタノールからなる群から選択される少なくと
    も1種のジオールを主たるグリコール成分とするポリエ
    ステル部分(B)とがエステル結合を介して結合してな
    ることを特徴とするポリエステル弾性体。
  2. 【請求項2】 ポリエステル部分(A)対ポリエステル
    部分(B)の重量比が90:10〜30:70であり、
    オルトクロロフェノール溶媒中、35℃で測定したポリ
    エステル弾性体の固有粘度が0.4〜2.0dl/gであ
    る請求項1に記載のポリエステル弾性体。
  3. 【請求項3】 (a−1)イソフタル酸、炭素数6〜1
    2の直鎖状飽和脂肪族ジカルボン酸およびナフタレンジ
    カルボン酸を主たる酸成分とし、ここで該イソフタル酸
    は全酸成分の40〜70モル%であり、該直鎖状飽和脂
    肪族ジカルボン酸は全酸成分の20〜40モル%であ
    り、該ナフタレンジカルボン酸は全酸成分の10〜20
    モル%であり、(a−2)炭素数6〜12の直鎖状飽和
    脂肪族α,ω−ジオールを主たるグリコール成分とする
    ポリエステル部分(A’)と、(b−1)芳香族ジカル
    ボン酸を主たる酸成分とし、(b−2)炭素数2〜4の
    直鎖状飽和脂肪族α,ω−ジオールおよび1,4−シクロ
    ヘキサンジメタノールからなる群から選択される少なく
    とも1種のジオールをグリコール成分とするポリエステ
    ル部分(B’)とを溶融混合してエステル交換反応を行
    い、融点が上記ポリエステル(B’)の融点より2〜4
    0℃低い反応生成物を得ることを特徴とするポリエステ
    ル弾性体の製造方法。
  4. 【請求項4】 ポリエステル(A’)対ポリエステル
    (B’)との混合割合が90:10〜30:70の重量
    割合である請求項3に記載のポリエステル弾性体の製造
    方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011084640A (ja) * 2009-10-15 2011-04-28 Toyobo Co Ltd 熱可塑性ポリエステルエラストマー組成物およびその製造方法

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JP2011084640A (ja) * 2009-10-15 2011-04-28 Toyobo Co Ltd 熱可塑性ポリエステルエラストマー組成物およびその製造方法

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