JPH0673608A - 偏平アクリル系合成繊維及びその製造法 - Google Patents
偏平アクリル系合成繊維及びその製造法Info
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- JPH0673608A JPH0673608A JP22890192A JP22890192A JPH0673608A JP H0673608 A JPH0673608 A JP H0673608A JP 22890192 A JP22890192 A JP 22890192A JP 22890192 A JP22890192 A JP 22890192A JP H0673608 A JPH0673608 A JP H0673608A
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Abstract
ルを含むアクリル系重合体及び該重合体に対して5〜2
0重量%の数平均分子量が5,000〜50,000で
あるポリアルキレングリコールを溶解した後、熟成した
紡糸原液をその凝固液体中に偏平紡孔を通して押し出す
方法、及びその方法によって得られる、繊維の横断面に
おける長軸/短軸の比が3以上で、該繊維の横断面に不
特定な形状を有する開口を多数有しており、該開口の各
々は繊維の内部において繊維の長さ方向に沿ってほぼ平
行な筋状の空隙を形成していることを特徴とするアクリ
ル系合成繊維。 【効果】 このアクリル系合成繊維は偏平の断面形状を
有しているためにより低圧の柱状流パンチングにより分
割することができる。
Description
に詳しくは繊維の横断面が偏平であり、繊維の長さ方向
に沿って筋状の空隙を多数有し、独特の風合いを有する
と共に、外力によって容易に分割するアクリル系合成繊
維及びその製造法に関するものである。
筋状の空隙を多数有し、外力によって容易に分割するア
クリル系合成繊維及びその製造法について出願した(特
開平2−175915号公報)。この繊維は外力によっ
て容易に分割する特性を有しており、分割した微細繊維
の有する特徴により多くの分野で注目され、使用されて
いる。
ば不織布を製造する場合の高圧水流の柱状流パンチング
により容易に分割する特徴を有しているが、この高圧水
流の発生には多大な電力消費を伴い、また騒音が発生す
るなどの問題がある。本発明はこのような現状に鑑み、
更に少ない外力で分割する繊維を提供することによりこ
の問題点を解決せんとするものである。
該繊維の横断面に不特定な形状を有する開口を多数有し
ており、該開口の各々は繊維の内部において繊維の長さ
方向に沿ってほぼ平行な筋状の空隙であることを特徴と
するアクリル系合成繊維(請求項1)、 2.少なくとも50重量%以上のアクリロニトリルを含
むアクリル系重合体及び該重合体に対して5〜20重量
%の数平均分子量が5,000〜50,000であるポ
リアルキレングリコールを溶解した後、少なくとも4時
間熟成した紡糸原液をその凝固液体中に偏平紡孔を通し
て押し出すことを特徴とするアクリル系合成繊維の製造
法(請求項2)、である。
の製造法について更に詳細に説明する。本発明のアクリ
ル系合成繊維の横断面における長軸/短軸の比は繊維の
分割の容易性に大きく関与しており、特に重要な要件で
ある。特開平2−175915号公報に記載の繊維より
少ない外力で分割するためには、この比が3以上でなけ
ればならない。この比が3より少ないと繊維を分割する
外力が特開平2−175915号公報に記載の繊維と殆
ど変わらなくなる。好ましくは、この比が5以上の場
合、より少ない外力で容易に繊維を分割することができ
る。
不特定な形状を有する開口が多数存在しており、該開口
の各々は繊維の内部において繊維の長さ方向に沿ってほ
ぼ平行な60μ以上の長さを有する筋状の空隙を形成し
ている。繊維の横断面におけるこの開口はほぼ円形、偏
平状、縁が鋭角的な屈曲を繰り返しているもの、断面開
口面積の大きいものから小さいものまで、その形状、大
きさが一定せず、不規則なものである。この不特定な形
状の開口による空隙が多数存在することにより、この開
口の長軸/短軸比と相俟って極めて少ない外力で繊維を
分割することが出来る。
面積)は特に制限はないが、微細であることが繊維の分
割の容易さの点で好ましい。勿論大きな開口が存在して
も微細な開口が多数有れば分割の容易性には問題はな
い。この開口は繊維の内部において繊維の長さ方向に沿
ってほぼ平行な筋状の空隙を形成している。この開口の
繊維の長さ方向に沿っての長さ(以下、長さという)
は、繊維の分割を容易にするために60μ以上であるこ
とが好ましい。この長さが60μより短い場合は、その
孔数を多くしても繊維の分割が困難になる。この空隙の
長さは60μ以上有れば、長いほど繊維は容易に分割で
き、実質的に繊維に全長のわたって連続していることが
最も好ましい。
程度の多数存在することを要するが、空隙の長さとの関
係で一律に定めることは出来ないが、100個以上存在
することが好ましい。これより少ない場合には、この空
隙の長さが60μ以上の連続孔であっても繊維の分割が
困難となる。この空隙は繊維の横断面において100個
以上存在すれば、多く存在するほど容易に分割され、か
つ繊維はより微細な繊維に分割されるようになる。
成繊維は、この繊維の横断面の長軸/短軸比が3以上の
偏平な断面形状、この繊維の横断面に存在する開口の形
状、この開口を形成する筋状の空隙の長さ及びその数に
特徴を有しており、これらの要件の組み合わせによって
はじめて特開平2−175915号公報に記載されてい
る繊維に比較してより少ない外力により分割することが
できるようになったのである。
チング以外に、製紙工業で用いられているデイスクリフ
ァイナーなど、繊維の加工工程で繊維が受ける応力をい
う。本発明のアクリル系合成繊維を形成するアクリル系
重合体はアクリロニトリル(以下ANという)を少なく
とも50重量%(以下%は重量を表す)と他のANと共
重合可能なモノマーとの重合体またはこれらの重合体を
混合した混合重合体である。ANと共重合可能なモノマ
ーは従来より知られている例えば、アクリル酸、メタク
リル酸及びそのエステル(アクリル酸メチル、アクリル
酸エチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル
等)、酢酸ビニル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、アク
リルアミド、メタメタクリルアミド、メタクリロニトリ
ル、アリルスルホン酸、メタリルスルホン酸、スチレン
スルホン酸、ビニルピリジン、N、N−ジメチルアミノ
エチルメタクリレートなどである。
装、インテリア、不織布、産業資材など、各種分野で使
用することができる。次に、本発明のアクリル系合成繊
維の製造法について述べる。前記アクリル系重合体をそ
の溶剤、例えばジメチルホルムアミド、ジメチルアセト
アミド、ジメチルスルホキシド、ロダン塩濃厚水溶液、
塩化亜鉛濃厚水溶液、硝酸水溶液などの溶剤に溶解して
紡糸原液を調整する。重合体濃度は溶剤によって最適濃
度は異なるが概ね10〜30%が好ましい。
を添加する。このポリアルキレングリコールはエチレン
オキシド20〜80%とプロピレンオキシド80〜20
%とのランダム型或いはブロック型共重合体であり、そ
の数平均分子量は5,000〜50,000、好ましく
は10,000〜20,000である。ポリアルキレン
グリコールの数平均分子量が5,000より小さい場合
は繊維の長さ方向に連続した空隙が得られず、極微細な
ほぼ球形状の空洞を有する微多孔質の繊維となる。一
方、その数平均分子量が50,000を越えると、巨大
な筋状の空洞部を有する繊維となり、しかも繊維の断面
において多くとも高々十数個の空洞部を有する繊維とな
る。この繊維は高圧水の柱状流パンチングのような外力
によって微細な繊維に分割できない。数平均分子量が1
0,000〜20,000のポリアルキレングリコール
は繊維の長さ方向に沿って微細で、その横断面に不特定
な断面形状の開口を多数有し、繊維の内部に筋状の長い
空隙を有する繊維が得られる点で好ましい。
紡糸原液はその後少なくとも4時間熟成する。この熟成
はポリアルキレングリコールを添加した紡糸原液を激し
く撹拌したり、振動したりすること無く、例えば静置し
ておく、或いは穏やかに送液することである。ポリアル
キレングリコールの添加量は、アクリル系重合体に対し
て5〜20%、好ましくは10〜15%である。その添
加量が5%より少ないと繊維の横断面における空隙が少
なくなり、20%を越えると空隙が多くなりすぎ、繊維
の製造工程で繊維が分割したり、安定な紡糸ができなく
なる等の問題を生じる。その添加量が10〜15%の時
に繊維の横断面における空隙の数、紡糸の安定性等にお
いて最もバランスがとれている。
原液は、偏平紡孔を通してその凝固液体中に押し出し、
水洗、延伸、乾燥等の工程を経た後、必要に応じて熱処
理を行う。紡糸原液に添加したポリアルキレングリコー
ルは凝固、延伸、水洗などの工程で凝固糸状体から溶出
する。紡孔は偏平で有れば特にその形状に制限はなく、
楕円形或いは矩形紡孔が好ましく、その縦/横比は得ら
れる繊維の横断面の長軸/短軸比に応じて適宜選定す
る。
る。
%及びメタリルスルホン酸ソーダ0.5%の共重合体、
ポリエチレンオキシド−ポリプロピレンオキシド−ポリ
エチレンオキシドのブロック型ポリエーテル(数平均分
子量10,0000、ポリエチレンオキシドとポリエチ
レンオキシドの割合は70:30)をジメチルホルムア
ミドに溶解して、アクリル系重合体を23%、ブロック
型ポリエーテルを2.3%を含有する紡糸原液を調製し
た。
比1:10の矩形紡孔を通して温度30℃、ジメチルホ
ルムアミド75%の凝固浴中に押し出し、水洗後、沸騰
水中で8倍延伸し、120℃の熱風中で乾燥し、長軸/
短軸の比が9である5デニールの繊維を製造した。この
繊維の横断面の形状の構造を示す電子顕微鏡写真(1,
400倍)を図1に示す。
の断面形状はほぼ円形のもの、偏平形状をしたもの、或
いは開口の縁が鋭角的な屈曲を繰り返しているもの、断
面の大きいもの、小さいものなど、不特定の形状をした
開口が多数不規則に混在していることがわかる。その開
口は、繊維の長さ方向に沿ってほぼ平行な60μm以上
の長さを有する筋状の空隙を形成していた。
50kg/mm2の圧力で噴出する高圧水流で2回処理
したところ、該繊維は微細な繊維に分割し、微細繊維の
集合体になった。
面形状を有しているために特開平2−175915号公
報に記載されている繊維に比較して、より低圧の柱状流
パンチングにより分割することができ、分割に要するエ
ネルギーが少なく、それに従って騒音の発生も少なく、
作業環境の改善等顕著な効果を有している。
織物或は織物様の柔らかい感触、風合いを有しており、
この感触、風合いは従来の不織布の有する紙様の感触、
風合いとは全く異なるものである。
面の形状の構造を示す電子顕微鏡写真である。
Claims (2)
- 【請求項1】 繊維の横断面における長軸/短軸の比が
3以上で、該繊維の横断面に不特定な形状を有する開口
を多数有しており、該開口の各々は繊維の内部において
繊維の長さ方向に沿ってほぼ平行な筋状の空隙であるこ
とを特徴とするアクリル系合成繊維。 - 【請求項2】 少なくとも50重量%以上のアクリロニ
トリルを含むアクリル系重合体及び該重合体に対して5
〜20重量%の数平均分子量が5,000〜50,00
0であるポリアルキレングリコールを溶解した後、少な
くとも4時間熟成した紡糸原液をその凝固液体中に偏平
紡孔を通して押し出すことを特徴とするアクリル系合成
繊維の製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP04228901A JP3124840B2 (ja) | 1992-08-27 | 1992-08-27 | 偏平アクリル系合成繊維及びその製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP04228901A JP3124840B2 (ja) | 1992-08-27 | 1992-08-27 | 偏平アクリル系合成繊維及びその製造法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH0673608A true JPH0673608A (ja) | 1994-03-15 |
JP3124840B2 JP3124840B2 (ja) | 2001-01-15 |
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP04228901A Expired - Fee Related JP3124840B2 (ja) | 1992-08-27 | 1992-08-27 | 偏平アクリル系合成繊維及びその製造法 |
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Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3124840B2 (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015052196A (ja) * | 2013-08-05 | 2015-03-19 | 三菱レイヨン株式会社 | 割繊性複合繊維及びその製造方法並びに不織布及びその製造方法 |
CN104451932A (zh) * | 2014-12-16 | 2015-03-25 | 广东中烟工业有限责任公司 | 一种醋酸纤维丝线及其制备方法 |
CN109023574A (zh) * | 2017-06-08 | 2018-12-18 | 中国石油化工股份有限公司 | 建筑增强用聚丙烯腈短切纤维及其制备方法 |
-
1992
- 1992-08-27 JP JP04228901A patent/JP3124840B2/ja not_active Expired - Fee Related
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CN109023574A (zh) * | 2017-06-08 | 2018-12-18 | 中国石油化工股份有限公司 | 建筑增强用聚丙烯腈短切纤维及其制备方法 |
CN109023574B (zh) * | 2017-06-08 | 2020-12-29 | 中国石油化工股份有限公司 | 建筑增强用聚丙烯腈短切纤维及其制备方法 |
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