JPH0673172U - 織機の緯入れ装置 - Google Patents

織機の緯入れ装置

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JPH0673172U
JPH0673172U JP391893U JP391893U JPH0673172U JP H0673172 U JPH0673172 U JP H0673172U JP 391893 U JP391893 U JP 391893U JP 391893 U JP391893 U JP 391893U JP H0673172 U JPH0673172 U JP H0673172U
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昭夫 新藤
秀一郎 今村
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本考案の目的は、ローラによる緯糸牽引装置
を備えたものにおいて、緯入れ不良が発生するのを防止
した織機の緯入れ装置を提供することにある。 【構成】 本考案は、測長貯留装置10と、この測長貯
留装置10からの緯糸Yを回転するローラ33、35で
牽引する牽引装置30と、この牽引装置30の緯糸Yの
牽引または非牽引を切り換える切り換え装置50と、こ
の切り換え装置50の作動によりローラ33、35で牽
引された緯糸Yを、噴射流体により経糸列内に飛走させ
て緯入れを行う姿勢制御ノズル71と、織機の始動以前
に前記ローラ33、35を回転させる指令手段を有する
ようにした構成である。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、織機の緯入れ装置に関し、さらに詳しくは測長貯留装置と流体噴射 ノズルとの間に回転ローラにより緯糸を牽引する緯糸牽引装置を設けた織機の緯 入れ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
織機にはノズルから流体を噴射して緯糸を飛走させ緯入れを行う緯入れ装置を 備えたものがある。この緯入れ装置は、流体により高速で緯入れを行えることか ら生産性の向上という点では、極めて優れた効果を奏しているが、例えば空気を 噴射して緯糸を飛走させる場合は、空気と緯糸との摩擦力により緯糸を牽引して 行くので、空気の消費量が大きく、エネルギー消費量の面で解決すべき課題が残 されている。
【0003】 そこで、空気の消費を節減した緯入れ装置として、例えば特開昭57−199 841号公報に記載された発明がある。この発明では、回転する一対のローラを 接離自在に設け、両ローラで緯糸を挟持して牽引し、空気の消費を大幅に節減す るようになっている。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】
上述したように、回転ローラで緯糸を牽引して緯入れを行う緯糸牽引装置は、 直接ローラにて緯糸を積極的に牽引して送り出すので、流体噴射ノズルは、緯糸 の姿勢を制御するだけでよく、そのため空気消費量は節減でき、エネルギー消費 量を小さくできる点で非常に優れている。
【0005】 上述の緯入れにおける緯糸牽引装置と、流体噴射ノズルとの関係を説明すると 、緯入れ開始に先立って、まずノズルが流体噴射を開始し、続いて係止爪が緯糸 を解舒すると、緯糸は噴射流体に牽引されて飛走を始める。緯糸が飛走を開始す るとおおむね同時にローラが緯糸を挟持して牽引し、緯入れを行う。そして係止 爪の係止により緯入れが終了する直前に、緯糸はローラから解放され、流体噴射 により牽引された状態で緯入れが終了する。
【0006】 上述したような関係から、ローラの周速度は緯入れの平均飛走速度より速くす る必要があるので、ローラの外径の大きさの制限などを考慮すると、回転速度は 相当に高速となり、織機始動時にローラの周速度が所定回転速度に達するまでに 時間が掛かる。このような理由で、織機の始動に際しては、同時にローラの駆動 を開始させたのでは最初の1ピック目に、緯糸が経糸開口の途中までしか緯入れ されない緯入れ不良が生じる恐れがある。
【0007】 そこで、本考案の目的は、ローラによる緯糸牽引装置を備えたものにおいて、 始動の際の誤操作により糸切れが発生するのを防止した織機の緯入れ装置を提供 することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本考案は、測長貯留装置と、この測長貯留装置に 対応して設けられ測長貯留装置からの緯糸を回転するローラで牽引する緯糸牽引 装置と、この緯糸牽引装置の緯糸の牽引または非牽引を切り換える切り換え装置 と、この切り換え装置の作動により緯糸をローラにより牽引し、噴射流体により 経糸列内に緯糸を飛走させて緯入れを行う姿勢制御ノズルと、織機の始動以前に 前記ローラを回転させる指令手段を有することを特徴としている。
【0009】 また、他の考案は、測長貯留装置と、この測長貯留装置に対応して設けられ測 長貯留装置からの緯糸を回転するローラで牽引する緯糸牽引装置と、この緯糸牽 引装置の緯糸の牽引または非牽引を切り換える切り換え装置と、この切り換え装 置の作動により緯糸をローラにより牽引し、噴射流体により経糸列内に緯糸を飛 走させて緯入れを行う姿勢制御ノズルと、織機を始動する際に、前記ローラが所 定の回転速度に達するまで始動を阻止する手段を有することを特徴としている。
【0010】
【作用】
本考案においては、制御装置が織機の始動に先立ってローラの回転を指令する ように構成したので、ローラは始動時には確実に先行回転しており、織機を始動 させるときの緯入れ不良を確実に防止できる。
【0011】 また、他の考案は、ローラが所定の回転速度に達するまで、もしくはこの所定 の回転速度に達する所定時間が経過するまで織機の始動を阻止するように構成し たので、織機始動の際には、ローラの回転速度は、所定の回転速度に達している 。従って、ローラが所定速度になっていないために始動してしまうといったこと がなく、始動の際の緯入れ不良の発生を確実に防止することができる。
【0012】
【実施例】
以下、本考案を図面を参照しながら実施例により説明する。図1は本考案の実 施例の構成を示す平面視説明図、図2は同じく構成を示す斜視説明図、図3は同 じく要部(緯糸牽引装置)の側面視説明図、図4は同じく図2の矢印A方向から 見た要部(緯糸牽引装置と切り換え装置)の平面視説明図、図5は同じく要部( 緯糸ブレーキ装置)の斜視説明図、図6は同じく要部(緯糸ブレーキ装置)の作 用説明図、図7は同じく織機運転中の各アクチュエータの作動タイムチャート、 図8は同じく織機始動時の各アクチュエータの作動タイムチャート、図9は同じ く織機が停止状態から始動するまでの各アクチュエータの作動を説明するフロー チャートである。
【0013】 本考案の実施例からなる織機の緯入れ装置Eは、測長貯留装置10と、この測 長貯留装置10に対応して設けられ測長貯留装置10からの緯糸Yを回転するロ ーラ33、35で牽引する緯糸牽引装置30と、この緯糸牽引装置30の緯糸Y の牽引または非牽引を切り換える切り換え装置50と、この切り換え装置50の 作動により緯糸Yをローラ33、35により牽引し、噴射流体により経糸列内に 緯糸Yを飛走させて緯入れを行う姿勢制御ノズル71と、前記各装置10、30 、50および姿勢制御ノズル71の作動を制御する制御装置120を有する織機 の緯入れ装置である。そして、前記制御装置120は、織機の始動信号を出力す る以前に前記ローラ33、35を回転させる指令を行うことを特徴としている。 従って、織機の始動に際しては、ローラは確実に先行駆動されている。
【0014】 まず、本実施例の構成につき説明する。本実施例はA色とB色の緯入れ装置を 備えているが、両緯入れ装置は同様な構成なので、主としてA色の緯入れ装置に つき説明する。なお、符号は同一部分には同一符号を付してある。
【0015】 本緯入れ装置は、給糸体1から供給される緯糸Yを測長して貯留する緯糸測長 貯留装置10と、ここからの緯糸Yを案内するヤーンガイド21と、ヤーンガイ ド21からの緯糸Yを挟持牽引および解放する緯糸牽引装置30と、この緯糸牽 引装置30とヤーンガイド21との間に設けられて緯糸牽引装置の緯糸Yの牽引 非牽引を切り換える切り換え装置50と、この切り換え装置50の切り換えによ り、この緯糸牽引装置30で牽引された緯糸Yを案内するヤーンガイド23と、 このヤーンガイド23からの緯糸Yに接離自在で、緯糸Yに走行抵抗を付与する 緯糸ブレーキ装置60と、この緯糸ブレーキ装置60からの緯糸Yを空気噴射に より緯糸Yの姿勢を制御しつつ飛走させる流体噴射装置70と、この流体噴射装 置70に近接して設けられたカッター装置80と、反緯入れ側に設けられた緯糸 到達センサ100と、制御装置120とから構成されている。
【0016】 各装置につき詳述すると、緯糸測長貯留装置10はドラム11を有する本体1 2を備えている。この本体12には巻き付けアーム13が回転自在に支持されて おり、本体12内のモータにより回転駆動される。緯糸Yは、この巻き付けアー ム13中を通り、巻き付けアーム13の回転により、ドラム11の周面に巻き付 き貯留される。この貯留された緯糸Yは、ドラム外周に挿入された係止爪14に 係止されつつ、ヤーンガイド21の方に延在している。係止爪14は電磁駆動自 己復帰型の緯入れソレノイド15に取り付けられており、通電付勢により後退し て緯糸Yの係止を解舒し、消勢により、ばね力で前進して緯糸Yの解舒を阻止し 、緯入れを終了させる。なお、この付勢消勢は、制御装置120からの信号によ り操作される。以下に述べるヤーンガイド21からブレーキ装置60までは、図 2に示すように、サイドフレーム25から外側に延びる固定ベース26に取り付 けられている。
【0017】 ヤーンガイド21、23は、いずれも測長貯留装置10側が大径で、緯糸Yの 走行する下流に向かって次第に小径になるように形成されており、下流側に設け た装置の所定の位置に緯糸Yを案内するようになっている。
【0018】 緯糸牽引装置30は、図2に示すように、上記固定ベース26の縦壁27に取 り付けられている。すなわち、緯糸牽引装置30のモータ31が縦壁27に固定 されており、このモータ31の出力軸には、縦壁27の図2の手前側に突出する 駆動軸32を連結してある。この駆動軸32には、大径な円筒形なる金属製の2 個のローラ33を駆動軸32の軸心方向に所定間隔を以て、ねじ34で固定的に とりつけてある。各ローラ33の上方には、小径なるゴム製のローラ35がそれ ぞれ配置されている。小径なローラ35は、基端部が縦壁27に上下方向に揺動 可能に取り付けられたアーム36の自由端部に回転自在に取り付けられた金属円 筒形の心体37と、心体37の周面に接合されたゴム層38とで構成されており 、縦壁27とアーム36とに跨設された引張りばね39により、大径なローラ3 3側に付勢されている。そして、緯糸Yが両ローラ33、35間に挟持されるこ とにより緯糸Yは牽引され、解放されることにより、非牽引状態となる。
【0019】 図3は、緯糸牽引装置30における一対のローラ33、35の動力伝達を示し ている。緯糸牽引装置30の一対のローラ33、35は、大径なローラ33の周 面と小径なローラ35の周面とが圧接することにより、モータ31で回転駆動す るローラ33の駆動力がローラ35に伝達され、同一周速度で互いに逆方向に回 転されるようになっている。小径ローラ35の緯糸Yと接触する部分の緯糸接触 ゴム層40は、例えば、ウレタンゴムのような軟質ゴムで緯糸Yとの摩擦力を高 めるように構成してある。また、後述する切り換え装置50によりローラ33、 35の間に緯糸Yが出入しやすいように、出入側にはテーパが形成されている。
【0020】 なお、2個のローラ33は本実施例では1個のモータ31で駆動するように構 成したが、2個のモータを用いて別個に回転駆動するように構成してもよい。ま た、ローラ33、35をそれぞれ別個に回転駆動させてもよい。各ローラ33、 35の外径も緯糸Yに合わせてそれぞれ異なった外径に構成してもよい。
【0021】 切り換え装置50は、ロータリソレノイドからなる切り換えソレノイド51を 備えている。切り換えソレノイド51は、図示しないソレノイドに供給される電 力により付勢され、出力軸を一方向に回転駆動し、消勢されるとばね55により 、出力軸を逆方向に弾性力により回動して自己復帰する電磁駆動自己復帰型にな っており、固定ベース26の底壁28に取り付けられている。なお、切り換えソ レノイドとして復帰側も電磁力を用いる型式を使用してもよい。切り換えソレノ イド51の上方に位置する出力軸には、トラバースレバー52を固定的に取り付 けてある。トラバースレバー52の先端部は、ローラ33、35の接触面近傍に 延設されている。トラバースレバー52の延設端部は上方に折り曲げられている 。この上方に折り曲げられたトラバースレバー52の延設端部には、緯糸Yが挿 通される導糸孔53を形成してある。
【0022】 図4は、給糸体1側からの緯糸Yが、切り換え装置50のトラバースレバー5 2の動作で、緯糸牽引装置30の一対のローラ33、35の間に引込まれたり、 一対のローラ33、35の間から引き抜かれたりする状態を示している。図4に おいて、切り換え装置50のトラバースレバー52が、切り換えソレノイド51 のばね55による自己復帰により、実線示の解放位置に停止している場合には、 緯糸Yは、経路から変位した変位経路にあってローラ33、35間から引き抜か れて、非牽引状態となる。また、切り換えソレノイド51の付勢により、解放位 置から仮想線示の引込み位置に移動すると、緯糸Yは経路に戻り、ローラ33、 35間に引込まれて、牽引状態となる。また、両ローラ33、35に緯糸Yが出 入する端面側は上述したようにテーパ状に形成されており、緯糸Yの切り換えを 容易にしている。なお、緯糸Yが引込まれた位置を経路Y1 と称し、解放位置を 変位経路Y2 と称する。なお、緯入れ不良等が発生し停止信号が発せられると、 切り換えソレノイド51への通電が停止し、切り換えソレノイド51は消勢され 、そのばね55の弾性力により自己復帰し、切り換え装置50のトラバースレバ ー52は緯糸Yを変位経路Y2 に移動させ、ローラ33,35から緯糸Yを解放 してトラバースレバー52は解放位置を保持するようになっている。これにより 織機停止時の緯糸切れを防止し、また緯糸修復が容易に行なえる。
【0023】 次に緯糸ブレーキ装置60は、ヤーンガイド23の下流側に近接して設けられ ており、固定ベース26上に取り付けられているブラケット62と、このブラケ ット62に取り付けられた電磁駆動自己復帰型のロータリソレノイドからなるブ レーキソレノイド63と、このブレーキソレノイド63の出力軸に取り付けられ た棒状の作動子64と、この作動子64に近接して設けられている上記ヤーンガ イド23とから構成されている。なお、ブラケット62、ブレーキソレノイド6 3、作動子64でブレーキ作動手段61を構成しており、ヤーンガイド23は被 圧接体を構成している。
【0024】 そして、ブレーキソレノイド63が制御装置120からの信号を受けないとき 、すなわち電磁駆動されないときは、図6に示すように、作動子64が、図示し ないばねにより回動し、緯糸Yを経路Y1 から変位経路Y2 に変位させ、緯糸Y を被圧接体としてのヤーンガイド23の周縁に圧接摺動させることにより、緯糸 Yに走行抵抗を付与する。また、制御装置120からの信号によりブレーキソレ ノイド63が付勢されて回動すると、作動子64は緯糸Yから離間し、緯糸Yは 解放される。
【0025】 なお、緯糸ブレーキ装置60は、ヤーンガイド23の上流側に近接して設けて もよい。
【0026】 流体噴射装置70は、姿勢制御ノズル71と、筬3に沿って設けた複数のサブ ノズル群72とを備えている。姿勢制御ノズル71の空気供給経路73は、加圧 空気供給源74に減圧弁75を介して接続された主圧力タンク76を備えている 。主圧力タンク76の吐出側には、電磁駆動自己復帰型の開閉弁77を介して姿 勢制御ノズル71が接続されている。そして、制御装置120からの信号により 開閉弁77が開閉し、空気の噴射、停止が行われる。この噴射により、緯糸牽引 装置30から牽引された緯糸Yは、姿勢を制御されながら反緯入れ側に飛走する 。
【0027】 また、織機の筬3の織り前側には、緯入れ用の複数のサブノズル群72を配設 してある。サブノズル群72の空気供給経路は、図示は省略するが、前記加圧空 気供給源74側から複数のサブノズル群72に、リリーフ弁と定圧タンクとサブ ノズル群72に対応する複数の電磁駆動自己復帰型の開閉弁とを順に設けてある 。このサブノズル群72の空気供給経路中の複数の開閉弁は、制御装置120か らの出力信号により、緯入れ側から反緯入れ側へと所定の開閉期間をもって順次 開弁する。この複数の開閉弁の開閉により、複数のサブノズル群72が、緯糸Y の飛走先端部を追いかけるように加圧空気をリレー噴射し、このサブノズル群7 2からの加圧空気の緯入れ側から反緯入れ側へのリレー噴射により、緯糸Yが筬 3に形成された図示しないエアーガイドを通って経糸開口内を飛走し、緯入れさ れるようになっている。
【0028】 カッター装置80は、緯入れ側の織前側に固定して設けられて前後方向に延在 して取り付けられたカッター81と、このカッター81の下刃を回動駆動するロ ータリソレノイド82とからなっており、筬打ちされた緯糸を切断する。
【0029】 一方、経糸列(図示省略)の反緯入れ側には、緯入れされた緯糸Yの到達タイ ミングを検出する検出手段としての緯糸到達センサ100を設けてある。緯糸到 達センサ100の出力信号と、織機主軸5の回転角度位置を検出する角度センサ 6の出力信号とが、制御装置120に入力される。制御装置120は、緯糸到達 センサ100の出力信号入力時刻を角度センサ6からの回転角度位置に置換し、 この置換した回転角度位置なる検出到達タイミングと、予め基準値として制御装 置120に設定された設定到達タイミングとの差を演算し、その差を切り換え装 置50におけるトラバースレバー52の揺動タイミング(トラバースタイミング )に補正し、この補正指令なる補正揺動タイミングを、織機運転の準備作業で作 業者から入力された織機回転数と織り幅とにより求められたトラバースレバー5 2の設定揺動タイミングにフィードバックし、図示しない電源から切り換えソレ ノイド51への電力供給時間(期間)を制御し、トラバースレバー52の牽引位 置での停止時間を制御するようになっている。
【0030】 制御装置120は、織機本体制御装置121と、緯糸選択指令装置122と、 アクチュエータ駆動指令発生装置123と、インバータ装置124とから構成さ れている。各装置121、122、123は相互に電気的に接続されており、織 機主軸5に取り付けられた角度センサ6の角度信号が直接、織機本体制御装置1 21と、緯糸選択指令装置122と、アクチュエータ駆動指令発生装置123に 入力されるようになっているので、これら各織機本体制御装置121と、緯糸選 択指令装置122と、アクチュエータ駆動指令発生装置123は、角度センサ6 の角度信号により独立して順次作動を行う。
【0031】 織機本体制御装置121は、図示を省略してあるが、制御部、演算部、記憶部 その他設定値など手動で入力するための入力部などを備えて構成されており、図 示しない複数の織機を管理するホストコンピュータに接続されている。そして、 織機運転信号を発して織機メインモータ7、緯糸牽引装置30のモータ31のイ ンバータ124の始動、停止を制御するが、詳細はタイムチャートで説明する。
【0032】 また、準備ボタン121aは織機始動に際し最初に押すもので、上記制御部に 接続されており、これを押すことにより、上記制御部は、緯糸牽引装置のモータ 31のインバータ124の始動を指令し、後述するタイマー121dの作動開始 を指示する。始動ボタン121bは、上記制御部に接続されており、モータ31 が正規の回転に達し、織機始動の準備完了の信号が出て図示しない表示器に表示 されてから押すボタンで、このボタン121bを押すことにより織機メインモー タ7が始動する。なお、この始動ボタン121bはモータ31が正規の回転に達 していないときに押されても、前記タイマー121dにより、所定時間が経過す るまで始動しない。停止ボタン121cは、織機を停止させる時に押すボタンで 、必要に応じて適時押すことができる。
【0033】 また、図示しない上記制御部とメインモータ7のドライバ7aとの間には、上 記タイマー121dが介装されている。このタイマー121dは、設定時間が0 の位置ではスイッチ閉の状態で、時間設定後および設定時間が過ぎるまではスイ ッチ開の状態となる。準備ボタン121aが押された場合は、制御部はインバー タ124に指令してモータ31を駆動開始させ、同時に予め所定時間が設定され ているタイマー121dの作動を開始させる。そして、所定の時間が経過すると 、タイマー121dはスイッチ閉となる。そこで始動ボタン121bを押すこと により、制御部からの始動信号がドライバ7aに入力され織機は始動すると共に 、緯糸選択指令装置122およびアクチュエータ駆動指令発生装置123にも運 転信号が入力される。
【0034】 なお、上記所定時間とは、ローラ33が緯入れに最適な回転速度に達するまで に必要な時間で例えば10秒〜30秒程度である。また、上記準備ボタン121 aと、織機本体制御装置121の図示しない制御部と、タイマー121dとでロ ーラ先行駆動手段121Aを構成しており、上記タイマー121dは始動一時阻 止手段121Bを構成している。
【0035】 緯糸選択指令装置122は、多色織りあるいは一越あるいは二越換え製織の際 に予めプログラムされた順序に従って、次の緯入れに用いる緯糸をアクチュエー タ駆動指令発生装置123に指示するもので、いま、一方の色をA側、他方の色 をB側とすると、アクチュエータ駆動指令発生装置123に、次の緯入れは例え ばA色であることを指示する。このA色の指示は、主軸角度で前のサイクルの約 300度あたりから既に先行出力されており、続いて300度になると、次のサ イクルの緯糸として例えばB色の指定が出力される。この色の順序は、ABB、 ABB、…とか、AAB、AAB、……のように、いろいろな順序がある。なお 、上記先行出力は、緯糸が選択されてから各アクチュエータが作動するまでの応 答遅れにより、誤動作するのを防止するためである。
【0036】 アクチュエータ駆動指令発生装置123は角度センサの信号に従って、順次各 アクチュエータをドライバを介して作動させるものである。主なアクチュエータ を示すと、ドライバ15aは、A側の係止爪14作動用であり、ドライバ15b は、B側の係止爪14作動用である。以下同様にしてドライバ51aはA側のト ラバースレバー52作動用、ドライバ51bはB側のトラバースレバー52作動 用、ドライバ77aはA側の開閉弁77作動用、ドライバ77bはB側の開閉弁 77作動用、ドライバ82aはカッタ81作動用である。多色織りの場合は、前 もって入力されている選択された緯糸に従って各ドライバを選択作動させるよう になっている。
【0037】 次に、本実施例の作動につき、図7のタイムチャートを参照して説明する。本 図は、本実施例が設けられた織機が定常運転を行っている場合の各アクチュエー タの作動状態を示すもので、横軸に主軸5の回転角度をとり、縦軸に作動内容を とった線図である。なお、本実施例の説明では、A側とB側の緯糸を交互に緯入 れする一越換え織機について示してあるが、基本的には両側A、Bとも作動は同 様なので、片側Aのみ説明する。
【0038】 主な作動内容につき説明すると、織機始動準備信号は、上記準備ボタン121 aを押した時出力され、織機運転中はONとなる。織機運転信号は始動ボタン1 21bを押した時に出力され、織機運転中はONとなる。ローラ回転指令信号は 、上記準備ボタン121aを押したときに出力され、ローラ33が回転駆動され 、運転中はONとなる。織機始動許可信号は、織機始動阻止中、すなわちタイマ ー121dが作動中で開の時は、OFFとなり、タイマー121dが閉となり導 通した時、すなわち始動準備が整った時ONとなるもので、織機運転中はONと なる。
【0039】 また、緯糸係止爪14は、信号がOFFは緯糸係止でONは解放、姿勢制御ノ ズル71は、ONは噴射中で、OFFは停止(微風噴射のみ)、カッタ81はO Nが切断、OFFが開、トラバースレバーは、ONが牽引で、OFFは非牽引、 緯糸ブレーキは、ONが解放で、OFFが制動、カラー指令はONが指令中、O FFが指令停止である。
【0040】 主軸5の回転角が本図左端の0度の筬打ちする時点に達するわずか手前の状態 では、緯糸Yの先端部は反緯入れ側に到達しており、この時点では、緯糸係止爪 14は、緯糸Yを係止した状態で、姿勢制御ノズル71は、噴射していない(微 風噴射のみ)。また、緯糸牽引装置30のローラ33、35は回転しているが、 緯糸Yは変位経路Y2 にあって解放されている(非牽引状態)。一方、ブレーキ 装置としての緯糸ブレーキ60は制動している。そして、主軸5の回転角が0度 を過ぎて筬打ちが終わった直後、緯入れ側のカッタ装置80が作動し、緯糸Yを 切断する。
【0041】 主軸5の回転角度が60度になると、姿勢制御ノズル71が噴射を始めるが、 緯糸Yは飛走しない。続いて係止爪14が緯糸Yを解放し、緯糸Yが飛走を始め ると、ただちに緯糸ブレーキ60が解放され、おおむね同時に切り換え装置50 のトラバースレバー52が作動して緯糸Yは飛走経路Y1 に移動され、ローラ3 3、35に挟持されて、所定の飛走速度で反緯入れ側に飛走する(牽引状態)。 そして、緯糸Yは姿勢制御ノズル71およびサブノズル72のリレー噴射に姿勢 を制御されながら反緯入れ側に送られる。そして、係止爪14の近傍に設けられ た解舒センサが所定解舒巻き数を検出すると、係止爪14は、ただちに係止位置 に入る。そして、係止位置に入ってから、ほぼ1巻き後に緯糸Yは実質的に係止 され緯入れが終了する。
【0042】 実際に緯糸Yが係止される前に、トラバースレバー52が緯糸Yを変位経路Y 2 に切り換えて解放し非牽引状態となり、同時に緯糸ブレーキ60が作動状態に 入る。そして緯糸Yが実際に係止爪14により係止されると、ピーク張力が発生 するが、所定の飛走速度に対して最適に調整されたブレーキ装置60の作動によ り、このピーク張力は大幅に低い張力に抑えられる。一方、緯糸Yの到達は緯糸 到達センサ100により検出され、制御装置120に検出信号が入力されるよう になっている。
【0043】 次に図8により始動時の作動状態の説明をする。本図は横軸に時間をとり、縦 軸に作動内容を取ったもので織機停止から始動までの動作を示す。始動させる場 合は、まず、織機始動準備ボタン121aを押し、織機始動準備信号をOFFか らONにする。このボタンを押した時間をt1 とすると、制御部の指令により同 時にローラ回転指令信号がOFFからONに変り、ローラ33(インバータ12 4)が先行駆動されて回転を始め、また、織機始動許可信号がONからOFF( 不許可・阻止)に変り、タイマー121dが作動を開始(開状態)する。すなわ ちローラ33が所定の回転速度に達するまで、始動ボタン121bを誤って押し ても織機の始動を許可しないようになっており、織機始動に先行してローラ33 、35が回転を開始するようになっている。これはローラ33の回転速度が設定 値より低いと、緯入れ不良となるからである。時間t1 から所定時間経過してタ イマー121dが閉となり導通すると、織機始動許可信号がt2 でONになる。 そこで、例えば時間t3 で手動により始動ボタン121bを押すと織機は始動す る。
【0044】 次に、上述の織機始動のステップを、図9のフローチャートにより示すと、準 備ボタン121aを押す(ステップP1 )。ローラ33、35が回転を開始する (ステップP2 )。所定時間経過したか否かを判断する(ステップP3 )。NO の場合は、ステップP3 に戻る。YESの場合は、ステップP4 に行き始動ボタ ン121bを押し織機を始動させる。なお、ステップP2 の後、ただちにステッ プP3 の始動ボタン121bを押しても(図9の点線)、所定時間経過するまで 始動しない。
【0045】 上述したように、本実施例では、ローラを先行駆動させないと、織機の始動阻 止が解除されないので、始動の際の緯入れ不良は確実に防止される。また、タイ マーを用いたので、始動阻止の時間を適宜調節することが可能である。
【0046】 なお、本実施例においては、始動一時阻止手段をタイマーで構成したが、これ に限定されず、例えばローラの回転速度を検出するエンコーダ等で構成してもよ い。また、緯糸牽引装置も本実施例のものに限定されず、例えば両ローラが接離 して緯糸を挟持、解放するように構成してもよい。
【0047】
【考案の効果】
以上詳述したように、本考案においては、制御装置が織機の始動に先立ってロ ーラの回転を指令するように構成したので、ローラは始動時には確実に先行回転 しており、緯入れ不良を確実に防止できる。
【0048】 また、他の考案は、ローラが所定の回転速度に達するまで、もしくはこの所定 の回転速度に達する所定時間が経過するまで、織機の始動を阻止するように構成 したので、織機始動の際には、ローラの回転速度は、所定の回転速度に達してい る。従って、ローラが所定速度になっていないのに始動してしまうことがなく、 始動の際の緯入れ不良の発生を更に確実に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例の構成を示す平面視説明図。
【図2】同じく構成を示す斜視説明図。
【図3】同じく要部(緯糸牽引装置)の側面視説明図。
【図4】同じく図2の矢印A方向から見た要部(切り換
え装置)の平面視説明図。
【図5】同じく要部(緯糸ブレーキ装置)の斜視説明
図。
【図6】同じく要部(緯糸ブレーキ装置)の作用説明
図。
【図7】同じく織機運転中の各アクチュエータの作動タ
イムチャート。
【図8】同じく織機始動時の各アクチュエータの作動タ
イムチャート。
【図9】同じく織機始動時のフローチャート。
【符号の説明】
Y 緯糸 10 測長貯留装置 30 緯糸牽引装置 33、35 ローラ 50 切り換え装置 71 姿勢制御ノズル 120 制御装置 121A ローラ先行駆動手段 121B 始動一時阻止手段

Claims (2)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 測長貯留装置と、この測長貯留装置に対
    応して設けられ測長貯留装置からの緯糸を回転するロー
    ラで牽引する緯糸牽引装置と、この緯糸牽引装置の緯糸
    の牽引または非牽引を切り換える切り換え装置と、この
    切り換え装置の作動により緯糸をローラにより牽引し、
    噴射流体により経糸列内に緯糸を飛走させて緯入れを行
    う姿勢制御ノズルと、織機の始動以前に前記ローラを回
    転させる指令手段とを有することを特徴とした織機の緯
    入れ装置。
  2. 【請求項2】 測長貯留装置と、この測長貯留装置に対
    応して設けられ測長貯留装置からの緯糸を回転するロー
    ラで牽引する緯糸牽引装置と、この緯糸牽引装置の緯糸
    の牽引または非牽引を切り換える切り換え装置と、この
    切り換え装置の作動により緯糸をローラにより牽引し、
    噴射流体により経糸列内に緯糸を飛走させて緯入れを行
    う姿勢制御ノズルと、織機を始動する際に、前記ローラ
    が所定の回転速度に達するまで始動を阻止する手段を有
    することを特徴とした織機の緯入れ装置。
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